JP5695930B2 - 電子走査型レーダ装置、受信波方向推定方法及び受信波方向推定プログラム - Google Patents
電子走査型レーダ装置、受信波方向推定方法及び受信波方向推定プログラム Download PDFInfo
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Description
また、DSPやFPGA等の他のデバイスやプロセッサを用いることで、毎制御サイクルでのデータ取得数を上げることもできるが、コストがかかることに加え、それでも受信できる回数には限界があった。
まず、本発明の実施形態に適用するARスペクトル推定法について示す。
ARスペクトル推定法は、MUSIC法と同じくスペクトルを推定するスペクトル推定法として知られており、ARモデル(自己回帰モデル)を用いた推定処理を行う。また、ARスペクトル推定法は、MUSICが部分空間法として分類されるときに、パラメトリック法として分類される。また、ARスペクトル推定法は、最大エントロピー法、線形予測法と呼ばれる場合もある。
図1に示すように、電子走査型レーダ装置100は、受信アンテナ1−1〜1−n、ミキサ2−1〜2−n、送信アンテナ3、分配器4、フィルタ5−1〜5―n、SW(スイッチ)6、ADC(A/Dコンバータ)7、制御部8、三角波生成部9、VCO10、信号処理部20を備える。
信号処理部20は、メモリ21、周波数分離処理部22、ピーク検知部23、ピーク組合せ部24、距離検出部25、速度検出部26、ペア確定部27、方位検出部28、ターゲット確定部29を備える。
SW6は、制御部8から入力されるサンプリング信号に対応して、フィルタ5−1〜5−n各々を通過した各受信アンテナ1−1〜1−nに対応したCh1〜Chnのビート信号を、順次切り替えて、ADC(A/Dコンバータ)7に出力する。
ADC7は、SW6から上記サンプリング信号に同期して入力される、各受信アンテナ1−1〜1−n各々に対応したCh1〜Chnのビート信号を、上記サンプリング信号に同期してA/D変換してデジタル信号に変換し、信号処理部20におけるメモリ21の波形記憶領域に順次記憶させる。
制御部8は、マイクロコンピュータなどにより構成されており、図示しないROMなどに格納された制御プログラムに基づき、図1に示す電子走査型レーダ装置全体の制御を行う。
なお、受信部とは、受信アンテナ1−1〜1−n、ミキサ2−1〜2−n、送信アンテナ3、フィルタ5−1〜5―n、SW(スイッチ)6、ADC(A/Dコンバータ)7である。また、ビート信号生成部とは、分配器4、三角波生成部9、VCO10である。
次に、本実施形態における信号処理部20において用いられる、電子走査型レーダ装置100とターゲットとの距離、相対速度、角度(方位)を検出する原理について概略を説明する。
図2は、送信信号と、ターゲットに反射された受信信号が入力された状態を示す図である。図2(a)は、送信信号対時間と受信信号対時間の関係を示す図である。図2(b)は、上昇領域及び下降領域の受信信号対周波数の関係を示す図である。
この図に示される信号は、図1の三角波生成部9において生成された信号をVCO10において周波数変調した送信信号と、その送信信号をターゲットが反射して、受信された受信信号である。この図の例では、ターゲットが1つの場合を示す。
図2(a)から判るように、送信する信号に対し、ターゲットからの反射波である受信信号が、ターゲットとの距離に比例して右方向(時間遅れ方向)に遅延されて受信される。さらに、ターゲットとの相対速度に比例して、送信信号に対して上下方向(周波数方向)に変動する。そして、図2(a)にて求められたビート信号の周波数変換(フーリエ変換やDTC、アダマール変換、ウェーブレッド変換など)後において、図2(b)に示されるように、ターゲットが1つの場合、上昇領域及び下降領域それぞれに1つのピーク値を有することなる。ここで、図2(a)は横軸が周波数、縦軸が強度を示す。
その結果、図2(b)に示すように、上昇部分と下降部分とにおいて、それぞれの周波数分解されたビート周波数毎の信号レベルのグラフが得られる。
そして、ピーク検知部23は、図2(b)に示すビート周波数毎の信号レベルからピーク値を検出し、ターゲットの存在を検出するとともに、ピーク値のビート周波数(上昇部分及び下降部分の双方)をターゲット周波数として出力する。
C:光速度
Δf:三角波の周波数変調幅
f0:三角波の中心周波数
T:変調時間(上昇部分/下降部分)
fu :上昇部分におけるターゲット周波数
fd:下降部分におけるターゲット周波数
図3は、受信アンテナにおける受信波の説明を行う概念図である。
この図に示されるように、受信アンテナ1−1〜1−nは、間隔dによりアレー状に配置される。受信アンテナ1−1〜1−nには、アンテナを配列している面に対する垂直方向の軸に対して角度θ方向から入射される、ターゲットからの到来波(入射波、すなわち送信アンテナ3から送信した送信波に対するターゲットからの反射波)が入力する。
このとき、その到来波は、受信アンテナ1−1〜1−nにおいて同一角度にて受信される。
この同一角度、例えば角度θ及び各アンテナの間隔dにより求められる位相差「dn−1×sinθ」が、各隣接する受信アンテナ間にて発生する。
その位相差を利用して、アンテナ毎に時間方向に周波数分解処理された値を、アンテナ方向にさらにフーリエ変換するデジタル・ビーム・フォーミング(DBF)や高分解能アルゴリズム等の信号処理にて上記角度θを検出することができる。
次に、メモリ21は、ADC7により波形記憶領域に対して、受信信号がA/D変換された時系列データ(上昇部分及び下降部分)を、アンテナ1−1〜1−n毎に対応させて記憶している。例えば、上昇部分及び下降部分それぞれにおいて256個をサンプリングした場合、2×256個×アンテナ数のデータが、上記波形記憶領域に記憶される。
周波数分解処理部22は、例えばフーリエ変換などにより、各Ch1〜Chn(各アンテナ1−1〜1−n)に対応するビート信号それぞれを、予め設定された分解能に応じて周波数成分に変換することによりビート周波数を示す周波数ポイントと、そのビート周波数の複素数データを出力する。例えば、アンテナ毎に上昇部分及び下降部分それぞれが256個のサンプリングされたデータを有する場合、アンテナ毎の複素数の周波数領域データとしてビート周波数に変換され、上昇部分及び下降部分それぞれにおいて128個の複素数データ(2×128個×アンテナ数のデータ)となる。また、上記ビート周波数は周波数ポイントにて示されている。
ここで、アンテナ毎の複素数データには、上記角度θに依存した位相差があり、それぞれの複素数データの複素平面上における絶対値(受信強度あるいは振幅など)は等価である。
したがって、ピーク検知部23は、いずれかのアンテナにおける複素数データ又は、全アンテナの複素数データの加算値を周波数スペクトル化することにより、スペクトルの各ピーク値がビート周波数、すなわち距離に依存したターゲットの存在として検出することができる。全アンテナの複素数データの加算により、ノイズ成分が平均化されてS/N比が向上する。
距離検出部25は、順次入力される上昇領域及び下降領域それぞれの組み合わせのビート周波数を加算した数値によりターゲットとの上記距離rを、上述した式(1)により演算する。
また、速度検出部26は、順次入力される上昇領域及び下降領域それぞれの組み合わせのビート周波数の差分によりターゲットとの上記相対速度vを、上述した式(2)により演算する。
図7に示すように、電子走査型レーダ装置100aは、受信アンテナ1−1〜1−n、ミキサ2−1〜2−n、送信アンテナ3、分配器4、フィルタ5−1〜5―n、SW(スイッチ)6、ADC(A/Dコンバータ)7、制御部8、三角波生成部9、VCO10、信号処理部20aを備える。
信号処理部20aは、メモリ21、周波数分離処理部22a、ピーク検知部23a、ピーク組合せ部24a、距離検出部25a、速度検出部26a、方位検出部28a、ターゲット確定部29aを備える。
信号処理部20aにおいて周波数分解処理部22aは、アンテナ毎の上昇領域と下降領域とのビート信号を複素数データに変換し、そのビート周波数を示す周波数ポイントと、複素数データとをピーク検知部23aへ出力する。また、周波数分解処理部22aは、上昇領域及び下降領域それぞれについて該当する複素数データを、方位検出部28aへ出力する。この複素数データが、上昇領域及び下降領域のそれぞれのターゲット群(上昇領域及び下降領域においてピークを有するビート周波数)となる。
図8(b)に示すように、下降領域のテーブルは、ターゲット群毎に角度1、角度2、・・・、および周波数ポイントfが関連づけられている。例えば、ターゲット群1は、角度1のt1_ang1、角度2のt1_ang2、周波数ポイントのf1が関連づけられている。
速度検出部26aは、順次入力される上昇領域及び下降領域それぞれの組み合わせのビート周波数の差分によりターゲットとの上記相対速度vを、上述した式(2)により演算する。
ここで、距離検出部25a及び速度検出部26aそれぞれは、距離と相対速度との値を、ビート周波数の上昇領域及び下降領域の組み合わせにて計算する。
図9に示すように、電子走査型レーダ装置100bは、受信アンテナ1−1〜1−n、ミキサ2−1〜2−n、送信アンテナ3、分配器4、フィルタ5−1〜5―n、SW(スイッチ)6、ADC(A/Dコンバータ)7、制御部8、三角波生成部9、VCO10、信号処理部20bを備える。
信号処理部20bは、メモリ21、周波数分離処理部22b、ピーク検知部23b、ピーク組合せ部24b、距離検出部25b、速度検出部26b、ペア確定部27b、方位検出部28b、ターゲット確定部29b、DBF処理部30bを備える。
また、アンテナの配列方向にフーリエ変換されているため、角度チャンネル間にて複素数データを加算しているのと同じ効果を得ることができ、角度チャンネル毎の複素数データはS/N比が改善されており、ピーク値の検出における精度を、第1実施形態と同様に向上させることが可能となる。
上述した複素数データ及び空間複素数データともに、図1の構成と同様に、三角波の上昇領域及び下降領域の双方にて算出される。
なお、本実施形態のDBF処理部30bは、複素数データに基づいて、受信波を受信する所望の方向の受信感度を高めるデジタル・ビーム・フォーミング(DBF)に基づいてターゲットの存在及び方位を検出する。
ピーク組合せ部24bでは、図1の構成と同様に、上昇領域及び下降領域におけるピーク値のあるビート周波数とそのピーク値を組み合わせて、距離検出部25b及び速度検出部26bへ、角度チャンネル毎に出力する。
そして、ペア確定部27bは、上昇領域及び下降領域それぞれのピークのペアを確定し、確定した距離r及び相対速度vを示すターゲット群番号を生成し、図10に示すテーブルが作成する。図10は、上昇領域及び下降領域それぞれのピークのペアを確定した結果を記憶するテーブルである。
ペア確定部27bは、距離r及び相対速度vのみでなく、それぞれのターゲットの角度チャンネルの情報が得られるため、縦位置と横位置を求めることができるため、図6のテーブルに対して縦位置と横位置が含まれた、今回の検知サイクルの各ターゲット群に対応する結果を有する図10に示すテーブルを生成する。
また、方位検出部28bからの方位情報とDBF処理部30bからの方位情報とに基づいた論理積演算(AND論理)によって推定するようにしてもよい。この場合、方向検知の信頼度を向上させたり、互いの方位情報を分担したり、例えば、近距離では角度分解能が粗くて良いのでDBFの角度情報を用いたりできる効果を成す。
また、小型かつ少チャンネル数で実現される車載用レーダでは、例えば、5チャンネルで分配したい角度における複素数データは、半周期程度しか捕れない複素正弦波となる。なお、角度θは、例えば、約2度である。
次に、2波の受信波の分離について、上述した式(3)のモデル複素正弦波にて説明する。ここで、説明を簡単にするために、式(3)のランダム性ノイズz(n)はゼロとする。
図12〜図14は、2波の合成を、合成初期位相φ0(=(φ1+φ2)/2)を0[deg]で、φ1=−φ2とした場合を例に説明する図である。図12は、1波目のゲインと位相を説明する図である。図13は、2波目のゲインと位相を説明する図である。図14は、1波目と2波目を合成した場合のゲインと位相を説明する図である。また、図12(a)〜図12(d)、図13(a)〜図13(d)、および図14(a)〜図14(d)、において、横軸のDATA POINTが0の位置は、チャンネル1であり、同様に、DATA POINTが1の位置は、チャンネル2であり、DATA POINTが2の位置は、チャンネル3であり、DATA POINTが3の位置は、チャンネル4であり、DATA POINTが4の位置は、チャンネル5である。
また、図12(a)〜図12(d)、図13(a)〜図13(d)、および図14(a)〜図14(d)において、横軸はDATA POINTである。また、図12(a)、図12(b)、図13(a)、図13(b)、図14(a)、および図14(b)において、縦軸は振幅の大きさである。また、図12(c)、図13(c)、および図14(c)において、縦軸はゲインの大きさである。また、図12(d)、図13(d)、および図14(d)において、縦軸は位相である。
なお、ゲインA(n)は、次式(4)である。
・・・(5)
図12(c)に示すように、曲線301と302とは位相が90[deg]ずれているため、DATA POINT=0〜4において、ゲインは1であり、変化しない。
図12(d)に示すように、DATA POINT=0の場合の位相が+60[deg]であるので、初期位相φ1は+60[deg]である。
図13(c)に示すように、曲線311と312とは位相が90[deg]ずれているため、DATA POINT=0〜4において、ゲインは1であり、変化しない。
図13(d)に示すように、DATA POINT=0の場合の位相が−60[deg]であるので、初期位相φ2は−60[deg]である。
図14(c)に示すように、DATA POINT=0の場合のゲインは1である。DATA POINT=1の場合のゲインは約0.4である。DATA POINT=2の場合のゲインは約0.3である。DATA POINT=3の場合のゲインは約0.9である。DATA POINT=4の場合は約1.5である。
図14(d)に示すように、DATA POINT=0の場合の合成初期位相φは0[deg](=(φ1+φ2)/2)である。
すなわち、図12〜図14のように、入力2波を合成した場合、ゲインと位相が共に変化する。
また、図15では、スペクトル推定としてAR(自己回帰モデル)の改良共分散法を用いている。
このように、分離性能が低下する箇所は、実験により、2波の受信波の複素正弦波(及びゲイン)が左右対称となるポイントであることが確認できた。受信波の複素数データの初期位相は、データ取得毎に変動するので、特定の初期位相関係で受信すると、分離性能が低下することになる。
図17(a)、図18(a)、および、図19(a)は、図12(b)、図13(b)、および、図14(b)と同様に、2波の受信波を合成した場合の5チャンネルの範囲の実数部と虚数部の波形を説明する図である。また、図17(b)、図18(b)、および、図19(b)は、図12(c)、図13(c)、および、図14(c)と同様に、2波の受信波を合成した場合の5チャンネルの範囲のゲインを説明する図である。
また、図17(a)、図17(b)、図18(a)、図18(b)、図19(a)、および、図19(b)、において、横軸はDATA POINTである。また、図17(a)、図18(a)、および、図19(a)において、縦軸は受信波の振幅の大きさである。また、図17(b)、図18(b)、および、図19(b)において、縦軸はゲインの大きさである。
図17(b)に示すように、DATA POINTが2(チャンネル3)の場合、ゲインは、最大の値である2、そしてDATA POINTの2に対してゲインは左右対称である。このように、ゲインが左右対象の場合、2波の受信波の実数部と虚数部の波形は、図17(a)に示すように、虚数部の振幅は0である。実数部の振幅は1.5〜2で、DATA POINTの2に対して左右線対称である。
図18(b)に示すように、DATA POINTが0(チャンネル1)で、ゲインは最大の値である2である。また、DATA POINTの4(チャンネル5)で、ゲインは最小の値である約0.2である。このように、ゲインが左右対象ではない場合、2波の受信波の実数部と虚数部の波形は、図18(a)に示すように、虚数部の振幅は0である。また、実数部の振幅は2〜0.2で、DATA POINTの2に対して左右対称でない。
図19(b)に示すように、DATA POINTが2(チャンネル3)の場合、ゲインは、最小の値である0、そしてDATA POINTの2に対してゲインは左右対称である。このように、ゲインが左右対象の場合、2波の受信波の実数部と虚数部の波形は、図19(a)に示すように、虚数部の振幅は0である。また、実数部の振幅は約1.3〜−1.3で、DATA POINTの2に対して左右点対称である。
従って、2波の受信波の(相対)初期位相関係を、複素正弦波(及びゲイン)が左右対称にならない位置に補正すれば、分離性能が低下しない。
図20において、横軸は1波目の初期位相φ1であり、縦軸は2波目の初期位相φ2である。また、図20において、符号701と符号705は、合成初期位相φ0が40[deg]と−40[deg]の場合の1波目と2波目の初期位相の関係であり、符号702と符号704は、合成初期位相φ0が20[deg]と−20[deg]の場合の1波目と2波目の初期位相の関係である、また、符号703は、合成初期位相φ0が0[deg]の場合の1波目と2波目の初期位相の関係である。
ここで、図15に示した2波の初期位相に対する分離性能は、実験により、合成初期位相φ0以外でも同じ結果が得られることが確認できた。
図20に示したように、例えば、合成初期位相φ0=40[deg]の場合のφ601と合成初期位相φ0=0[deg]の場合のφ602は、同じ分離性能を示す。
このため、2波の初期位相による影響を考慮するには、1つの合成初期位相のみに着目して、2波の初期位相φ1とφ2を可変した特性から検出することができる。
例えば、合成初期位相φ0と、位相φ1とφ2の関係が変化する実際の複素数データにおいて、実際に図20のφ601の位置に位相φ1とφ2、及び合成初期位相φ0がある場合、初期位相φ1’、φ2’、およびφ0’を次式(6)〜(8)のように変換を行う。
次に、本実施形態に係る電子走査型レーダ装置の方位検知処理について説明する。
図21は、本実施形態に係る方位検知処理のフローチャートである。図21の処理は、検知されたターゲットにより方位検出部に送られる複素数データ別に、毎制御サイクル(例えば、100[msec]毎に)繰り返されている。
まず、ステップS101において、周波数分解処理部22(または、22a,22b、以下、周波数分解処理部22という)は、反射物(ターゲット)の距離ポイントに該当する周波数分解された複素数データを抽出する。
ステップS102において、方位検出部28(または、28a,28b、以下、方位検出部28という)は、抽出された複素数データを用いて、初期位相補正処理を行う。
次に、図22を用いて、初期位相補正処理について説明する。
図22は、本実施形態に係る初期位相補正処理のフローチャートである。本実施形態では、初期位相補正処理は、フーリエ変換後、空間周波数領域での補正を行い、空間周波数領域での補正後、フーリエ逆変換を行う例を説明する。
方位検出部28は、まず、5チャンネル分のデータを抽出する。
図23は、本実施形態に係る仮想チャンネルのデータに0を埋めて拡張する例を説明する図である。図23において、横軸はチャンネル数(図12〜図14のDATA POINT)、縦軸は正規化した振幅のレベルである。図23に示すように、チャンネル数は、1〜16の16チャンネルであり(DATA POINTの0の位置がチャンネル1)、実線の四角804で囲んだ領域の5チャンネルは元のデータであり、受信した2波が合成されたデータである。図23に示すように、チャンネル1〜5の実数部の波形801は、チャンネル3に対して左右線対称である。また、チャンネル1〜5の虚数部の波形802のレベルは、0である。そして、方位検出部28は、破線の四角806で囲んだ領域の仮想チャンネル6〜16の実数部と虚数部のデータを0で埋める。
次に、ステップS102−3において、方位検出部28は、(空間)フーリエ変換後の空間周波数スペクトルの振幅を、最大値で正規化する。
次に、ステップS102−4において、方位検出部28は、初期位相補正すべき正規化振幅レベル(初期位相補正条件ともいう)を判定する。
初期位相の補正は、次式(9)〜(12)を用いて、例えば、補正する角度チャンネルの位相が0[deg](つまり初期位相=0[deg])となるよう、補正する。
初期位相補正は、例えば、補正する角度チャンネルの位相が0[deg](つまり初期位相=0[deg])となるよう、補正するが、補正前の初期位相値を算出してからβ値により初期位相値を分離性能の良い値にずらす方法でも良い。残りの角度チャンネルのゲイン補正係数Kは、例えば0.3の減衰できる係数とする。
ステップS102−7では、例えばIFFTを行う(IDBF(逆デジタル・ビーム・フォーミング)処理となる)。
従って、初期位相補正をしないと判断した場合(ステップ102−4;No)、そのまま元の複素数データに戻される(2ターゲットの時も、初期位相補正なしで分離できる相対角度差では何の処理もしない)。
図25に示すように、初期位相補正後の実数部851は、実線の四角で囲んだ領域853において、チャンネル2を対して左右線対称ではなくなっている。このため、前述したように分離する確率が悪化しないため、良好に分離可能であり、初期位相補正した5チャンネルを取り出すことができる。なお、5チャンネル以上取り込み、データを拡張してスペクトル推定することも可能である。
次に、ステップS104において、ターゲット確定部29(または29a,29b、以下、ターゲット確定部29という)は、推定されたスペクトルからピークを検出する。ターゲット確定部29は、ピークを検出されたターゲットとして判定し、ピークの数を検出されたターゲットの数として検知し、検知されたピークが示す角度を反射波が到来する到来角度として検知する。
図26は、改良共分散法によるスペクトル推定処理のフローチャートである。
まず、ステップS103−1Aにおいて、方位検出部28は、初期位相補正後の複素数データを用いて共分散行列と右辺ベクトルを生成し、正規方程式を作成する。
次に、ステップS103−2Aにおいて、方位検出部28は、コレスキー分解などの逆行列を解く高速アルゴリズムを利用し、ステップS103−3Aにおいて、作成した正規方程式を解いてAR係数を算出する。また、ステップS103−3Aにおいて、方位検出部28は、入力される白色雑音の分散σ2を算出する。
次に、ステップS103−4Aにおいて、方位検出部28は、AR係数と白色雑音の分散σ2に基づき、パワースペクトルを算出する。なお、方位検出部28は、過去のAR係数と、今回算出されたAR係数とのそれぞれに重み係数を乗算した後、これらのAR係数の平均化処理を行い、平均化処理されたAR係数と白色雑音の分散σ2に基づいて求めるようにしてもよい。
共分散行列Cxxと右辺ベクトルcxxの要素は、次式(14)として示される改良共分散関数によって導かれる。
この正規方程式を一般的な手法により解くことにより、AR係数が導かれる。
また、式(17)によって算出される入力白色雑音の分散σv 2に基づいて、パワースペクトルSxx(ω)を算出する演算式を式(18)として示す。
以上に示した演算式を用いることにより、ターゲットの方向と合致したピークの特徴を持つスペクトルを導くことができる。
図27は、バーグ(Burg)法によるスペクトル推定処理のフローチャートである。
バーグ法処理そのものは、一般的に用いられているため(例えば、池原、島村、「MATLABマルチメディア信号処理 上 ディジタル信号の基礎」、倍風館、2004年)、本実施形態において必要な箇所のみ説明する。
まず、方位検出部28は、初期位相補正後の複素数データを用いて、次式(19)に示すような正規方程式を生成する。
式(19)の正規方程式を解くには、ステップS103−1Bにおいて、方位検出部28は、バーグの反射係数によるレビンソン・ダービンの再帰式を用いて、次数を上げながら正規方程式を解く。
次に、ステップS103−2Bにおいて、方位検出部28は、正規方程式を解くことでAR係数を算出する。また、入力白色雑音の分散σv 2は、バーグ法の場合、AR係数と同時に算出される。
次に、ステップS103−3Bにおいて、方位検出部28は、AR係数と白色雑音の分散σv 2に基づき、パワースペクトルを、例えば式(18)により算出する。
図28は、MFBLP法によるスペクトル推定処理のフローチャートである。
まず、ステップS103−1Cにおいて、方位検出部28は、初期位相補正後の複素数データを用いて、例えば次式(20)のようなデータ行列Aとデータベクトルhとを作成する。
ステップS103−4Cにおいて、方位検出部28は、算出した特異値分解結果に基づいて、信号部分空間とノイズ部分空間を分離する。
ステップS103−5Cにおいて、方位検出部28は、特異値分解による信号部分空間の擬似逆行列A#とデータベクトルhに基づいてAR係数aハットを次式(21)を用いて算出する。また、方位検出部28は、入力白色雑音の分散値σv 2を、式(17)を用いて算出する。
図29は、MUSIC法によるスペクトル推定処理のフローチャートである。
MUSICの処理そのものは、一般的に用いられているため(例えば、菊間信良、アダプティブアンテナ技術、オーム社、2003年10月、特許文献2参照)、本実施形態において必要な箇所のみ説明する。
ステップS103−1Dにおいて、方位検出部28は、初期位相補正後の複素数データから相関行列(複素相関行列)を生成する。そして、方位検出部28は、前方のみの空間平均(Forward空間平均法)または前方/後方空間平均(Forward-Backward空間平均法)にて処理する。空間平均は、元の受信アンテナのアレーにおけるアンテナ数を、さらにアンテナ数が少ないサブアレーに分け、サブアレー同士を平均したものである。この空間平均法の基本原理は、相関のある波の位相関係は受信位置によって異なるので、受信点を適当に移動させて相関行列を求めれば、その平均効果により相関性干渉波の相関を抑圧する。一般的には受信アンテナのアレーを動かさずに、全体の受信アンテナのアレーから同じ配列を有するサブアレーを複数取り出し、それぞれの相関行列を平均する。
次に、ステップS103−2Dにおいて、方位検出部28は、ステップS103−1Dにて得られた相関行列Rxxの固有値とそれに対応する固有ベクトルとを、次式(26)の方程式により導かれる次式(27)の特性方程式により成り立つ、固有値λ及び固有ベクトルeとして算出する。
次に、方位検出部28は、求めた固有値λから、ノイズ部分空間の固有ベクトルを抽出するために必要な到来波数の推定を行う(ステップS103−3D)。
次に、方位検出部28は、信号部分空間の固有ベクトルを除き(ステップS103−4D)、ノイズ部分空間のみとした固有ベクトルと、予め内部に設定されている方位角度毎の方向ベクトルとの内積演算を行うことにより、受信波の角度スペクトラムを作成する(ステップS103−5D)。
図30は、DBF(Digital Beam Forming)法によるスペクトル推定処理のフローチャートである。
DBFの処理そのものは、一般的に用いられているため(例えば、特許文献1〜3参照)、本実施形態において概略のみ説明する。
方位検出部28は、初期位相補正後の複素数データを用いて窓関数処理を行う(ステップS103−1E)。
次に、方位検出部28は、入力される各アンテナに対応した複素数データを、アンテ
ナの配列方向にフーリエ変換し、すなわち空間軸フーリエ変換を行う(ステップS103−2E)。
そして、方位検出部28は、角度に依存、すなわち角度分解能に対応した角度チャン
ネル毎の空間複素数データを計算し、ビート周波数毎に角度チャンネル毎の空間複素数データを示すスペクトルをピーク検知部23(または、23a、23b、以下、ピーク検知部23という)に対して出力する(ステップS103−3E)。
本実施形態は、波数推定により、2波受信していることを条件に加えた例について説明する。
図31は、本実施形態に係る方位検知処理のフローチャートである。図31の処理は、検知されたターゲットにより方位検出部に送られる複素数データ別に、毎制御サイクル(例えば、100[msec])繰り返されている。
まず、ステップS201において、周波数分解処理部22(または22a、22b)は、反射物(ターゲット)の距離ポイントに該当する周波数分解された複素数データを抽出する。
ステップS202において、方位検出部28は、抽出された複素数データを用いて、用いるスペクトラム推定に応じた相関行列Rxxの作成を行う。なお、Rxxは、複素数データを要素とする改良共分数法の共分数行列Cxxであってもよい。
次に、ステップS203において、方位検出部28は、ステップS202にて得られた相関行列Rxxの固有値とそれに対応する固有ベクトルとを、上述した式(27)の固有方程式が成り立つ、固有値λ及び固有ベクトルeとして算出する。
次に、ステップS205において、方位検出部28は、得られた最大値を基準に各要素の値を正規化、すなわち、最大値で除算する。
次に、ステップS206において、方位検出部28は、後段に行うスペクトル推定処理を最適化するための波数を推定する。
受信波が2であると判別された場合(ステップS207;Yes)、ステップS208において、方位検出部28は、初期位相補正処理を行う。なお、初期位相補正処理は、第1実施形態のステップS102−1〜S102−7と同様である。また、ステップS209において、初期位相補正処理後、方位検出部28は、スペクトル推定処理を行う。
受信波が2ではないと判別された場合(ステップS207;No)、ステップS209において、方位検出部28は、初期位相補正は行わずに、スペクトル推定処理を行う。なお、スペクトル推定処理は、第1実施形態と同様に、改良共分散法処理、バーグ法処理、MFBLP法処理、MUSIC法処理、DBF処理などを用いる。
ユニタリ変換を行うことにより、実数の相関行列に変換することができ、以降におけるステップでの最も計算負荷の重い固有値計算が実数のみの計算とすることができ、大幅に演算負荷を軽減することができる。
本実施形態に示すように次数を3次とした場合には、ユニタリ変換による、エルミート行列の実数相関行列(対称行列)化は、次式(28)として示される演算式によって行うことができる(一般式は、非特許文献2、pp158-160を参照)。
なお、このユニタリ変換を行うことにより、後段処理の固有値計算の負荷を軽減させることができ、また、信号相関抑圧効果も期待できる。そのため、ユニタリ変換による実数相関行列への変換を行わずに、次のステップにおける固有値計算も複素数で計算することも可能であるが、ユニタリ変換による実数相関行列への変換を実施することが望ましい。
また、固有値計算は、次式(29)、(30)である。
算出した最大固有値λaが、最大固有値λmax_thより大きいと判別された場合(ステップS204−1;Yes)、ステップS205に進む。算出した最大固有値λaが、最大固有値λmax_thより大きくないと判別された場合(ステップS204−1;No)、ステップS204−2に進む。
次に、ステップS206−1において、方位検出部28は、正規化した2番目の第2固有値λ2が、第1の所定のしきい値Th1未満であるか否かを判別する。
正規化した2番目の第2固有値λ2が、第1の所定のしきい値Th1未満であると判別された場合(ステップS206−1;Yes)、ステップS206−3に進む。正規化した2番目の第2固有値λ2が、第1の所定のしきい値Th1未満ではないと判別された場合(ステップS206−1;No)、ステップS206−2に進む。なお、第1の所定のしきい値Th1とは、予め波数1と2以上を判別できるように設定した値である。
正規化した3番目の第3固有値λ3が、第2の所定のしきい値Th2未満であると判別された場合(ステップS206−2;Yes)、ステップS206−4に進む。正規化した3番目の第3固有値λ3が、第2の所定のしきい値Th2未満ではないと判別された場合(ステップS206−2;No)、ステップS206−5に進む。なお、第2の所定のしきい値Th2とは、予め波数2と3以上を判別できるように設定した値である。
正規化した3番目の第3固有値λ3が、第2の所定のしきい値Th2未満ではないと判別された場合(ステップS206−2;No)、ステップS206−5において、方位検出部28は、波数を3と推定する。
なお、本実施形態では、波数を1〜3のみ推定する例を説明したが、推定する波数は3以上であってもよい。
算出した固有値λaが、最大固有値λmax_thより大きくないと判別された場合(ステップS204−1;No)、ステップS204−3において、方位検出部28は、波数推定をキャンセルし且つ波数を強制的に指定する。ステップS204−3終了後、ステップS206−5に進む。
なお、図34では、ステップS204−3の処理後、方位検出部28は、波数を3に強制的に指定する例を示しているが、他の波数であってもよい。その場合は、指定された波数に応じて、ステップS206−3またはステップS206−4に進むようにしてもよい。
また、初期位相補正後の複素数データと、元の初期位相補正する前の複素数データとの平均(相関行列又は正規方程式)により、スペクトル推定することも可能である。
また、本実施形態において、受信波の波数が2波の場合について説明したが、受信波の波数は3波(ターゲット)以上受信での初期位相補正にも応用できる。
4…分配器 5−1,5−n…フィルタ 6…SW 7…ADC 8…制御部
9…三角波生成部 10…VCO 20…信号処理部 21…メモリ
22…周波数分解処理部 23…ピーク検知部 24…ピーク組合せ部
25…距離検出部 26…速度検出部 27…ペア確定部
28…方位検出部 29…ターゲット確定部
Claims (11)
- 移動体に搭載される電子走査型レーダ装置であり、
送信された送信波を反射したターゲットから到来する受信波を受信する複数のアンテナを含んで構成される受信部と、
前記送信波及び前記受信波からビート信号を生成するビート信号生成部と、
前記ビート信号を予め設定された周波数帯域幅を有するビート周波数に周波数分解して、前記ビート周波数毎に分解された前記ビート信号に基づいた複素数データを算出する周波数分解処理部と、
前記ビート信号に基づいて算出された複素数データに基づいて、前記複素数データの初期位相を補正し、補正後の前記複素数データに基づいてスペクトル推定処理を行い、スペクトルのピークを検出して前記受信波の到来方向を算出する方位検出部と、を備え、
前記方位検出部は、
前記ビート信号に基づいて算出された複素数データに、ゼロ値のチャンネル数を拡張させた後、空間フーリエ変換により前記複素数データを変換し、前記空間フーリエ変換後の空間周波数スペクトルの振幅を該振幅の最大値で正規化する事で、前記複素数データの前記初期位相を補正する、
ことを特徴とする電子走査型レーダ装置。 - 前記方位検出部は、
前記フーリエ変換後の空間周波数スペクトルが、狭幅角に所定波存在するか否かを判別し、狭幅角に所定波存在すると判別された場合、前記複素数データの初期位相補正を行うことを特徴とする請求項1に記載の電子走査型レーダ装置。 - 前記空間フーリエ変換後の空間周波数スペクトルが、狭幅角に所定波存在するか否かを判別し、狭幅角に所定波存在すると判別された場合、前記複素数データの初期位相を0度に補正することを特徴とする請求項2に記載の電子走査型レーダ装置。
- 前記方位検出部は、
前記初期位相の補正を行わなかった前記空間周波数スペクトルに対して、振幅が減衰するように補正を行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電子走査型レーダ装置。 - 前記方位検出部は、
前記初期位相の補正を行った前記空間周波数スペクトルに対して、逆フーリエ変換を行い、元の複素数データの次元に戻すことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電子走査型レーダ装置。 - 前記方位検出部は、
前記元の複素数データの次元に戻した後、チャンネル数を拡張させた複素数データで方位検知することを特徴とする請求項5に記載の電子走査型レーダ装置。 - 前記方位検出部は、
前記複素数データに基づいて前記受信波の波数を推定し、該推定の結果に基づいて、前記受信波の波数が所定波の場合に、前記複素数データの初期位相の補正を行うことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電子走査型レーダ装置。 - 前記方位検出部は、
前記初期位相が補正された複素数データに基づき、最大エントロピー法及び線形予測法を含むARスペクトル推定法、又は、Multiple Signal Classification法を用いて、前記受信波の到来方向を算出することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の電子走査型レーダ装置。 - 前記方位検出部は、
前記初期位相が補正された複素数データに基づき、デジタル・ビーム・フォーミングにより、前記受信波の到来方向を算出することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の電子走査型レーダ装置。 - 移動体に搭載される電子走査型レーダ装置による受信波方向推定方法であり、
受信部が、送信された送信波を反射したターゲットから到来する受信波を受信する複数のアンテナを含んで構成される受信過程と、
ビート信号生成部が、前記送信波及び前記受信波からビート信号を生成するビート信号生成過程と、
周波数分解処理部が、前記ビート信号を予め設定された周波数帯域幅を有するビート周波数に周波数分解して、前記ビート周波数毎に分解された前記ビート信号に基づいた複素数データを算出する周波数分解処理過程と、
方位検出部が、前記ビート信号に基づいて算出された複素数データに基づいて、前記複素数データの初期位相を補正し、補正後の前記複素数データに基づいてスペクトル推定処理を行い、スペクトルのピークを検出して前記受信波の到来方向を算出する方位検出過程と、を備え、
前記方位検出過程は、
前記ビート信号に基づいて算出された複素数データに、ゼロ値のチャンネル数を拡張させた後、空間フーリエ変換により前記複素数データを変換し、前記空間フーリエ変換後の空間周波数スペクトルの振幅を該振幅の最大値で正規化する事で、前記複素数データの前記初期位相を補正する過程を含むことを特徴とする受信波方向推定方法。 - 移動体に搭載される電子走査型レーダ装置による受信波方向推定の処理をコンピュータに実行させるための受信波方向推定プログラムであり、
送信された送信波を反射したターゲットから到来する受信波を受信する複数のアンテナを含んで構成される受信する手順と、
前記送信波及び前記受信波からビート信号を生成するビート信号生成する手順と、
前記ビート信号を予め設定された周波数帯域幅を有するビート周波数に周波数分解して、前記ビート周波数毎に分解された前記ビート信号に基づいた複素数データを算出する周波数分解処理する手順と、
前記ビート信号に基づいて算出された複素数データに基づいて、前記複素数データの初期位相を補正し、補正後の前記複素数データに基づいてスペクトル推定処理を行い、スペクトルのピークを検出して前記受信波の到来方向を算出する方位検出する手段と、を実行させ、
前記方位検出する手段は、
前記ビート信号に基づいて算出された複素数データに、ゼロ値のチャンネル数を拡張させた後、空間フーリエ変換により前記複素数データを変換し、前記空間フーリエ変換後の空間周波数スペクトルの振幅を該振幅の最大値で正規化する事で、前記複素数データの前記初期位相を補正する手段と、を含むことを特徴とする受信波方向推定プログラム。
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