JP5694877B2 - 高分子スピーカ - Google Patents

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本発明は、振動部材として電歪素子を使用した高分子スピーカに関する。
電気信号を音に変換するスピーカとして、ダイナミック型スピーカユニットが知られている。ダイナミック型スピーカユニットは、永久磁石、ボイスコイル、振動板等から構成される。ダイナミック型スピーカユニットによると、振動板の前方と後方とにおいて、音の位相が逆になる。このため、後方から出た音が前方へ回り込むと、前方の音と後方の音とが互いに打ち消し合って、小さな音になってしまう。したがって、後方から出た音の前方への回り込みを遮断するため、ダイナミック型スピーカユニットは、エンクロージャーに組み込まれた状態で使用される。この場合、エンクロージャー内の空気により、振動板の動きが阻害されないようにする必要がある。よって、エンクロージャーが大型化しやすい。
一方、特許文献3、4には、エラストマー製の誘電膜の表裏両面に、一対の電極を配置して構成されるトランスデューサが開示されている。この種のトランスデューサにおいては、電極間への印加電圧を大きくすると、電極間の静電引力が大きくなり、電極間に挟まれた誘電膜は厚さ方向から圧縮される。これにより、誘電膜の厚さは薄くなる。膜厚が薄くなると、その分、誘電膜は面方向に伸びる。一方、電極間への印加電圧を小さくすると、電極間の静電引力が小さくなるため、誘電膜に対する圧縮力が小さくなる。このため、誘電膜の膜厚は厚くなる。膜厚が厚くなると、その分、誘電膜は面方向に収縮する。電圧に対する誘電膜の膜厚の変化を利用して、当該トランスデューサをスピーカとして用いることができる。
実開昭60−111195号公報 特開2007−312094号公報 特表2001−524278号公報 特開2011−72112号公報
上記トランスデューサによると、膜厚の変化により誘電膜を振動させて、誘電膜の表裏両面から音を発生させる。発生する音の位相は、誘電膜の表側と裏側とにおいて、同じである。このため、従来のダイナミック型スピーカユニットとは異なり、裏側から出た音が表側へ回り込んでも、打ち消し合うことはない。したがって、上記トランスデューサをスピーカとして用いる場合、エンクロージャーは必要ない。
しかしながら、上記トランスデューサにおいては、次のような問題がある。すなわち、上記トランスデューサをスピーカとして用いる場合、誘電膜にバイアス電圧を印加した状態で、音の電気信号としての交流電圧を重畳させる。バイアス電圧が印加されると、誘電膜の厚さは薄くなり、誘電膜が面方向に伸びる。この際、誘電膜が伸びた分だけ、誘電膜にしわが発生するおそれがある。しわが発生した状態で交流電圧を重畳させると、誘電膜が均一に振動できずに、分割振動が生じやすい。分割振動が生じると、誘電膜の表側と裏側とにおいて、音の位相が一致しなくなる。そして、放射される音波が打ち消し合うことにより、音が出にくくなる。
この点、例えば、誘電膜を予め面方向に伸張した状態で配置すれば、バイアス電圧の印加によるしわの発生を、抑制することができる。しかしながら、エラストマー製の誘電膜を伸張した状態で保持した場合、へたりやすいという問題がある。誘電膜がへたると、振動できなくなり、音圧が低下する。また、誘電膜を硬くすれば、しわは発生しにくくなる。しかしながら、誘電膜が硬いと、振動しにくくなる。このため、スピーカ性能が低下する。この場合、特に高周波数領域の音が、出にくくなるおそれがある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、バイアス電圧を印加しても誘電膜がしわになりにくく、耐久性に優れた高分子スピーカを提供することを課題とする。
(1)上記課題を解決するため、本発明の高分子スピーカは、エラストマーまたは樹脂製の誘電膜と、該誘電膜を介して配置される複数の電極と、からなる振動部材と、該振動部材の表裏両面に配置される発泡体層と、該振動部材の周縁部を支持するフレームと、を備えることを特徴とする。
本発明の高分子スピーカにおいて、音の電気信号としての交流電圧が電極間に印加されると、電極間の静電引力に応じて誘電膜の厚さが変化する。膜厚の変化により誘電膜が振動することにより、振動部材の表裏両面から音が発生する。ここで、振動部材の表裏両面には、発泡体層が配置される。発泡体層により、振動部材の面方向における変形が規制される。そして、振動部材の面方向における剛性が、大きくなる。これにより、バイアス電圧印加時における誘電膜のしわの発生が、抑制される。一方、発泡体層は、柔軟である。よって、振動部材の厚さ方向(表裏方向)の変形を、阻害しにくい。つまり、音を発生させるための振動部材の振動は、阻害されにくい。このように、本発明の高分子スピーカによると、振動部材の本来の機能を確保しつつ、バイアス電圧印加時における誘電膜のしわの発生を、抑制することができる。その結果、分割振動が抑制され、広い周波数領域の音を、発生させることができる。
また、振動部材は、エラストマーまたは樹脂製の誘電膜と電極とからなる。このため、本発明の高分子スピーカは、永久磁石やボイスコイルを有する従来のダイナミック型スピーカユニットと比較して、薄く軽量である。また、比較的低コストで製造することができる。さらに、本発明の高分子スピーカは、エンクロージャーを必要としない。したがって、本発明の高分子スピーカは、軽量で、小型化しやすく、比較的安価である。なお、「エラストマーまたは樹脂製」とは、誘電膜のベース材料が、エラストマーまたは樹脂であることを意味する。よって、エラストマーまたは樹脂成分の他に、添加剤等の他の成分を含んでいても構わない。エラストマーには、ゴムおよび熱可塑性エラストマーが含まれる。
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、前記発泡体層は、連続気泡体である構成とする方がよい。
発泡体層の内部には、多数の気泡が存在する。例えば、個々の気泡が独立している場合(つまり、発泡体層が独立気泡体の場合)、気泡が弾性体のように振る舞うことにより、発泡体層が空気ばねとして機能するおそれがある。この場合、発泡体層が振動部材の動きを阻害して、スピーカ性能が低下するおそれがある。この現象は、高周波数領域の振動において、顕著になる。これに対して、本構成の発泡体層は、連続気泡体である。すなわち、個々の気泡は、互いに繋がっている。このため、発泡体層の中の気体が、抜けやすい。よって、発泡体層が空気ばねになりにくく、振動部材の動きを阻害しにくい。したがって、スピーカ性能が低下しにくい。なお、連続気泡体の発泡体層は、原料組成を調整したり、発泡成形後に、エアークラッシング等の連通化処理を施すなどして、製造すればよい。また、気泡を厚さ方向に連通させるなど、気泡の連通形態を調整してもよい。
(3)好ましくは、上記(2)の構成において、前記発泡体層の通気量は、1000ml/分以上である構成とする方がよい。
本構成においては、発泡体層の気泡が、充分連通化されている。よって、発泡体層の中の気体が、抜けやすい。したがって、発泡体層が空気ばねになりにくく、振動部材の動きを阻害しにくい。
通気量としては、以下の方法で測定された値を採用する。すなわち、まず、平板状の通気ジグを準備する。通気ジグの中心には、60mmφの通気孔が貫設されている。次に、通気ジグで、発泡体層のサンプル(縦75mm×横75mm×厚さ10mm)の一面を押さえる。この状態で、サンプルの一面に対向する他面を、吸気ポンプで減圧吸引する。この時、両面の差圧が98Paとなるようにする。そして、吸気ポンプに導かれる空気の流量を、流量計にて測定する。
(4)好ましくは、上記(1)ないし(3)のいずれかの構成において、前記発泡体層は、ウレタンフォームからなる構成とする方がよい。
ウレタンフォームの場合、原料組成や製造条件を調整することにより、所望の物性を実現しやすい。また、製造が容易で比較的安価である。したがって、本構成によると、本発明の高分子スピーカを実用化しやすい。
(5)好ましくは、上記(1)ないし(4)のいずれかの構成において、前記誘電膜は、エラストマー製である構成とする方がよい。
振動部材が柔軟性に乏しいと、低周波数領域の印加電圧に対して、振動しにくい。よって、低周波数領域の音が出にくくなるおそれがある。この点、エラストマーは、柔軟で伸縮性に優れる。したがって、本構成によると、低周波数領域の印加電圧に対しても、振動部材が振動しやすい。よって、低周波数領域の音も発生させることができる。なお、エラストマーは、柔軟で、変形しやすい。このため、誘電膜がエラストマー製の場合、高周波数領域の印加電圧に対して、分割振動が生じやすくなる。しかしながら、上述したように、振動部材の表裏両面には、発泡体層が配置される。したがって、振動部材の面方向における剛性は大きい。これにより、誘電膜がエラストマー製であっても、高周波数領域における分割振動を、抑制することができる。
(6)好ましくは、上記(1)ないし(5)のいずれかの構成において、前記電極は、エラストマーと導電材とを含む柔軟導電材料からなる構成とする方がよい。
電極は、誘電膜の表裏両面に配置される。エラストマーを含む柔軟導電材料から形成された電極は、柔軟で、誘電膜と一体となって伸縮可能である。このため、誘電膜の動きを阻害しにくい。また、誘電膜がエラストマー製の場合には、誘電膜、電極の両方が柔軟であるため、低周波数領域の音を、より発生させやすくなる。また、振動を繰り返しても、電極が誘電膜から剥離しにくい。よって、本構成の振動部材は、耐久性に優れる。
(7)好ましくは、上記(1)ないし(6)のいずれかの構成において、前記振動部材は、複数の前記誘電膜を有し、該誘電膜と前記電極とが交互に積層されてなる構成とする方がよい。
振動部材を構成する誘電膜、電極の数は、特に限定されない。例えば、一つの誘電膜の両面に電極を配置してもよい。本構成によると、振動部材は、複数の誘電膜を有する。これにより、印加電圧に対する振動部材の変形量が大きくなり、出力される音圧を大きくすることができる。
実施形態の高分子スピーカの斜視図である。 図1のII−II断面図である。
以下、本発明の高分子スピーカの実施形態について説明する。
[高分子スピーカの構成]
まず、本実施形態の高分子スピーカの構成について説明する。図1に、本実施形態の高分子スピーカの斜視図を示す。図2に、図1のII−II断面図を示す。図1においては、前側(表側)の発泡体層を透過して示す。図1、図2に示すように、高分子スピーカ1は、振動部材10と、表側発泡体層20aと、裏側発泡体層20bと、表側フレーム30aと、裏側フレーム30bと、を備えている。
表側フレーム30aおよび裏側フレーム30bは、各々、樹脂製であり、リング状を呈している。表側フレーム30aおよび裏側フレーム30bは、振動部材10、表側発泡体層20a、および裏側発泡体層20bの周縁部を挟んで対向して配置されている。表側フレーム30aと裏側フレーム30bとは、八つのボルト31、八つのナット32により、固定されている。「ボルト31−ナット32」のセットは、高分子スピーカ1の周方向に所定間隔ずつ離間して配置されている。ボルト31は、表側フレーム30a前面から裏側フレーム30b後面までを貫通している。ナット32は、ボルト31の貫通端に螺着されている。表側フレーム30aおよび裏側フレーム30bは、本発明におけるフレームに含まれる。
表側発泡体層20aは、ポリウレタンフォーム製であり、円形板状を呈している。ポリウレタンフォームは、通気量1200ml/分の連続気泡体である。表側発泡体層20aは、振動部材10の前面(表面)を覆うように配置されている。裏側発泡体層20bも、表側発泡体層20aと同様のポリウレタンフォーム製であり、円形板状を呈している。裏側発泡体層20bは、振動部材10の後面(裏面)を覆うように配置されている。表側発泡体層20aおよび裏側発泡体層20bは、本発明における発泡体層に含まれる。
振動部材10は、表側フレーム30aと裏側フレーム30bとの間に、表側発泡体層20a、裏側発泡体層20bを介して、介装されている。振動部材10は、三つの誘電膜11a〜11cと、四つの電極12a〜12dと、からなる。振動部材10において、誘電膜11a〜11cと、電極12a〜12dと、は交互に積層されている。
誘電膜11a〜11cは、いずれも、水素化ニトリルゴム(H−NBR)製であり、円形の薄膜状を呈している。電極12a〜12dは、いずれも、シリコーンゴム中に銀粉末が充填された柔軟導電材料からなる。電極12a〜12dは、各々、誘電膜11a〜11cよりも小径の、円形の薄膜状を呈している。電極12a〜12dは、各々、誘電膜11a〜11cと略同心円状に配置されている。電極12a〜12dは、各々、端子部120a〜120dを有する。端子部120a〜120dは、各々、電極12a〜12dの上方の外周縁から拡径方向に突出している。端子部120a〜120dは、各々、短冊状を呈している。端子部120a〜120dには、配線(図略)を介して、外部から電圧が印加される。
[高分子スピーカの製造方法]
次に、本実施形態の高分子スピーカの製造方法について説明する。まず、誘電膜11a〜11cを準備する。次に、誘電膜11aの表裏両面に、柔軟導電材料を含む塗料を印刷し、電極12a、12bを形成する。同様に、誘電膜11cの表裏両面に、柔軟導電材料を含む塗料を印刷し、電極12c、12dを形成する。そして、電極12a、12bが形成された誘電膜11a、誘電膜11b、電極12c、12dが形成された誘電膜11c、を積層し、振動部材10を作製する。
次に、振動部材10の表面に表側発泡体層20aを、裏面に裏側発泡体層20bを、接着剤により貼着する。そして、作製された積層体の周縁部を、表側フレーム30aと裏側フレーム30bとにより、挟持する。この状態で、表側フレーム30aと裏側フレーム30bとを、八つのボルト31、八つのナット32により、固定する。このようにして、高分子スピーカ1を製造する。
[高分子スピーカの動き]
次に、本実施形態の高分子スピーカの動きについて説明する。初期状態において、電極12a〜12dには、図示しない配線を介して、所定のバイアス電圧が印加されている。この状態で、音の電気信号としての交流電圧を電極12a〜12dに印加する。すると、誘電膜11a〜11cの膜厚の変化により、図2に白抜き矢印で示すように、振動部材10が前後方向に振動する。これにより、空気が振動し、音声が発生する。
[作用効果]
次に、本実施形態の高分子スピーカの作用効果について説明する。本実施形態の高分子スピーカ1において、振動部材10の前面、後面には、表側発泡体層20a、裏側発泡体層20bが配置されている。表側発泡体層20a、裏側発泡体層20bにより、振動部材10の面方向における変形が規制される。そして、振動部材10の面方向における剛性が、大きくなる。よって、バイアス電圧印加時に、誘電膜11a〜11cにしわが発生しにくい。これにより、分割振動を抑制することができる。その結果、高分子スピーカ1おいて、広い周波数領域の音を発生させることができる。
また、表側発泡体層20a、裏側発泡体層20bは、ポリウレタンフォーム製である。ポリウレタンフォームは柔軟である。このため、表側発泡体層20a、裏側発泡体層20bにより、振動部材10の前後方向の動きが阻害されにくい。また、ポリウレタンフォームは、通気量1200ml/分の連続気泡体である。つまり、ポリウレタンフォームの気泡は、充分連通化されている。このため、ポリウレタンフォーム中の気体が抜けやすい。よって、表側発泡体層20a、裏側発泡体層20bが空気ばねになりにくく、振動部材10の前後方向の動きを阻害しにくい。したがって、高分子スピーカ1においては、スピーカ性能が低下しにくい。
振動部材10は、エラストマー製の誘電膜11a〜11cと、その表面に印刷された電極12a〜12dと、からなる。このため、高分子スピーカ1は、永久磁石やボイスコイルを有する従来のダイナミック型スピーカユニットと比較して、薄く軽量である。また、比較的低コストで製造することができる。さらに、高分子スピーカ1は、エンクロージャーを必要としない。したがって、高分子スピーカ1は、軽量で、小型化しやすく、比較的安価である。
また、誘電膜11a〜11cは、H−NBR製である。このため、誘電膜11a〜11cは、柔軟で伸縮性に優れる。また、電極12a〜12dは、シリコーンゴム中に銀粉末が充填された柔軟導電材料からなる。このため、電極12a〜12dも、柔軟で、誘電膜11a〜11cと一体となって伸縮可能である。つまり、電極12a〜12dは、誘電膜11a〜11cの動きを阻害しにくい。したがって、振動部材10は、低周波数領域の印加電圧に対しても、振動しやすい。その結果、高分子スピーカ1は、低周波数領域の音も発生させることができる。また、振動を繰り返しても、電極12a〜12dが誘電膜11a〜11cから剥離しにくい。よって、振動部材10は、耐久性に優れる。
また、振動部材10は、電極12a〜12dを介して積層された複数の誘電膜11a〜11cから構成されている。したがって、一つの誘電膜の両面に電極を配置した形態と比較して、印加電圧に対する振動部材10の変形量が大きくなり、出力される音圧が大きくなる。
[その他]
以上、本発明の高分子スピーカの実施形態について説明した。しかしながら、本発明の高分子スピーカの実施の形態は、上記形態に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
例えば、上記実施形態においては、H−NBR製の誘電膜を使用した。しかし、誘電膜の材質は、エラストマーまたは樹脂であれば特に限定されない。例えば、比誘電率の高いエラストマーを用いることが望ましい。具体的には、常温における比誘電率(100Hz)が2以上、さらには5以上のエラストマーが望ましい。例えば、エステル基、カルボキシル基、水酸基、ハロゲン基、アミド基、スルホン基、ウレタン基、ニトリル基等の極性官能基を有するエラストマー、あるいは、これらの極性官能基を有する極性低分子量化合物を添加したエラストマーを採用するとよい。H−NBR以外の好適なエラストマーとしては、シリコーンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、アクリルゴム、ウレタンゴム、エピクロロヒドリンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン等が挙げられる。また、好適な樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリスチレン(架橋発泡ポリスチレンを含む)、ポリ塩化ビニル、塩化ビニリデン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
上記実施形態においては、電極を柔軟導電材料から形成した。しかし、電極の材質は、特に限定されない。例えば、金属や炭素材料から形成してもよい。伸縮性を付与するという観点から、例えば、金属等をメッシュ状に編んで電極を形成することができる。また、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等の導電性高分子から形成してもよい。また、バインダーと導電材とを含む柔軟導電材料を採用する場合、バインダーには、エラストマーを用いることが望ましい。エラストマーとしては、例えば、シリコーンゴム、NBR、EPDM、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリルゴム、ウレタンゴム、エピクロロヒドリンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン等が好適である。また、導電材としては、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラファイト等の炭素材料、銀、金、銅、ニッケル、ロジウム、パラジウム、クロム、チタン、白金、鉄、およびこれらの合金等の金属材料、酸化インジウム錫(ITO)や、酸化チタン、酸化亜鉛にアルミニウム、アンチモン等の他金属をドーピングしたもの等の導電性酸化物の中から、適宜選択すればよい。導電材は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
上記実施形態においては、電極を介して誘電膜を三層積層して、振動部材を構成した。しかし、振動部材を構成する誘電膜の数は、特に限定されない。例えば、一つの誘電膜の両面に電極を配置してもよい。また、誘電膜を面方向に伸張した状態でフレームに固定してもよい。また、電極の大きさや形状は、誘電膜に電圧を印加することができれば、特に限定されない。例えば、誘電膜の全面を覆うように配置してもよい。
フレームの材質は、振動部材を支持することができ、絶縁性を有するものであれば、特に限定されない。また、フレームの形状は、楕円枠状、矩形枠状であってもよい。
発泡体層の材質は、特に限定されない。ウレタンフォームの他、発泡ポリエチレン等が挙げられる。また、発泡体層を連続気泡体にするために、原料組成を調整することが望ましい。あるいは、発泡成形後に、エアークラッシング等の連通化処理を施すことが望ましい。また、気泡を厚さ方向に連通させるなど、気泡の連通形態を調整してもよい。
上記実施形態においては、予め成形された表側発泡体層、裏側発泡体層を、振動部材の表裏両面に貼着した。しかし、表側発泡体層および裏側発泡体層と、振動部材と、を一体成形してもよい。この場合、振動部材を成形型のキャビティ内に配置した状態で、発泡樹脂原料を注入し、発泡成形を行えばよい。
本発明の高分子スピーカは、例えば、自動車のヘッドレストスピーカ、シートスピーカ、天井スピーカ、フロアスピーカ、インストルメントパネルスピーカ、ドアスピーカ等として用いることができる。勿論、車両以外に配置してもよい。また、本発明の高分子スピーカは、音を再現するだけでなく、アクティブノイズキャンセラとして用いてもよい。
1:高分子スピーカ 10:振動部材 11a〜11c:誘電膜 12a〜12d:電極
120a〜120d:端子部 20a:表側発泡体層 20b:裏側発泡体層
30a:表側フレーム 30b:裏側フレーム 31:ボルト 32:ナット

Claims (7)

  1. エラストマーまたは樹脂製の誘電膜と、該誘電膜を介して配置される複数の電極と、からなる振動部材と、
    該振動部材の表裏両面に配置される発泡体層と、
    該振動部材の周縁部を支持するフレームと、
    を備え
    該発泡体層は、該振動部材に接着剤で貼着されるか、または該振動部材と一体成形されており、
    該フレームは、該振動部材の表面側に配置される表側フレームと、該振動部材の裏面側に配置される裏側フレームと、からなり、該表側フレームと該裏側フレームとは、該振動部材の表裏方向側面を覆わずに該振動部材を挟んで対向して配置され、該表側フレームと該裏側フレームとにより該振動部材の周縁部が挟持されることを特徴とする高分子スピーカ。
  2. 前記誘電膜は、水素化ニトリルゴム製である請求項1に記載の高分子スピーカ。
  3. 前記発泡体層は、連続気泡体である請求項1または請求項2に記載の高分子スピーカ。
  4. 前記発泡体層の通気量は、1000ml/分以上である請求項3に記載の高分子スピーカ。
  5. 前記発泡体層は、ウレタンフォームからなる請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の高分子スピーカ。
  6. 前記電極は、エラストマーと導電材とを含む柔軟導電材料からなる請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の高分子スピーカ。
  7. 前記振動部材は、複数の前記誘電膜を有し、該誘電膜と前記電極とが交互に積層されてなる請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の高分子スピーカ。
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