JP5693758B1 - 臀部保護ベルト及び臀部保護ベルト付き衣類 - Google Patents
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Abstract
【課題】骨盤安定性を向上させることができる臀部保護ベルト及び臀部保護ベルト付き衣類を提供する。【解決手段】臀部保護ベルト1は、胴固定部10、右大腿固定部20、左大腿固定部30、第1ベルト40、第2ベルト50、及び、第3ベルト60を備えている。第1ベルト40は、仙骨被覆部41と、仙骨被覆部41の下側から伸長され、右大腿固定部20又は左大腿固定部30の内側に固定される右内腿固定部42及び左内腿固定部43とを有している。第2ベルト50及び第3ベルト60は、一端部が右側臀部又は左側臀部の下側から脇を通り前側腹部まで伸長されて胴固定部10に固定され、他端部が右側臀部又は左側臀部から股下を通り左大腿外側又は右大腿外側まで伸長されて左大腿固定部30又は右大腿固定部20に固定されている。【選択図】図1
Description
本発明は、腰臀部痛緩和を図ることができる臀部保護ベルト及び臀部保護ベルト付き衣類に関する。
腰痛人口2800万人とも言われる中、最近、インナーマッスルの低下に基づく骨盤輪不安定症の患者が増えている。杖や押し車などを利用して移動できるように改善が図られてはいるものの、転倒の危険性が高く、骨盤固定性を強化する臀部保護ベルトの開発が望まれている。
骨盤周囲の不安定性はリハビリテーション領域では、運動器不安定症の中の一例として捉えられてはいるが、病態生理の解明が完全にはできていない。そのため、従来のコルセットは、一般にサポーターとしての機能のみで、骨盤の不安定性に対しては効果が少ない。また、パンツの様にはくタイプのものもあるが、パンツのサイズでの適合に限局されているため効果の均一性に問題があった。更に、仙腸関節周囲は、加齢的変化によりクッションとなる筋肉が減るため、一部には人口筋肉を使用したものもあるが、一般的にはクッションを持ち歩くしか方法がなかった。加えて、固定性がある程度保たれても、歩行など片側に重心を架けかえていく動きを改善できるものはなかった。
更にまた、腰部のベルトについては従来より多種あるが(例えば、特許文献1参照)、腰部のみに効果的であり、尾側への矯正が少ないことから臀部痛には効果が少なく、改良が求められていた。解剖学的には、臀部痛は仙腸関節や腸腰靭帯の炎症によるものが多く、従来の腰下肢痛の原因と違うことが改善を求められている理由と考えられる。
本発明は、このような問題に基づきなされたものであり、骨盤安定性を向上させることができる臀部保護ベルト及び臀部保護ベルト付き衣類を提供することを目的とする。
本発明の臀部保護ベルトは、胴回りに固定される胴固定部と、右大腿回りに固定される右大腿固定部と、左大腿回りに固定される左大腿固定部と、第1ベルトと、第2ベルトと、第3ベルトを備え、第1ベルトは、一端部が胴固定部に固定され、仙骨を覆う仙骨被覆部と、この仙骨被覆部の下側から伸長され、右大腿固定部の内側に固定される右内腿固定部と、仙骨被覆部の下側から伸長され、左大腿固定部の内側に固定される左内腿固定部とを有し、第2ベルトは、一端部が右側臀部を包むように右側臀部の下側から脇を通り、前側腹部に伸長されて胴固定部に固定され、他端部が右側臀部から股下を通り、左大腿前側を通って、左大腿外側まで伸長されて左大腿固定部に固定され、第3ベルトは、一端部が左側臀部を包むように左側臀部の下側から脇を通り、前側腹部に伸長されて胴固定部に固定され、他端部が左側臀部から股下を通り、右大腿前側を通って、右大腿外側まで伸長されて右大腿固定部に固定され、右内腿固定部と第2ベルトとは、その交差部において連結しており、左内腿固定部と第3ベルトとは、その交差部において連結しているものである。
本発明の臀部保護ベルト付き衣類は、少なくとも臀部を覆う股付きの衣類本体と、この衣類本体に対して配設され、胴回りに固定される胴固定部、右大腿回りに固定される右大腿固定部、左大腿回りに固定される左大腿固定部、第1ベルト、第2ベルト、及び、第3ベルトとを備え、第1ベルトは、一端部が胴固定部に固定され、仙骨を覆う仙骨被覆部と、この仙骨被覆部の下側から伸長され、右大腿固定部の内側に固定される右内腿固定部と、仙骨被覆部の下側から伸長され、左大腿固定部の内側に固定される左内腿固定部とを有し、第2ベルトは、一端部が右側臀部を包むように右側臀部の下側から脇を通り、前側腹部に伸長されて胴固定部に固定され、他端部が右側臀部から股下を通り、左大腿前側を通って、左大腿外側まで伸長されて左大腿固定部に固定され、第3ベルトは、一端部が左側臀部を包むように左側臀部の下側から脇を通り、前側腹部に伸長されて胴固定部に固定され、他端部が左側臀部から股下を通り、右大腿前側を通って、右大腿外側まで伸長されて右大腿固定部に固定され 右内腿固定部と第2ベルトとは、その交差部において連結しており、左内腿固定部と第3ベルトとは、その交差部において連結しているものである。
本発明によれば、仙骨被覆部により仙骨を押さえるようにしたので、歩行開始時の仙骨固定性を高めることができる。また、第1ベルトにより、臀部から股下まで押さえるようにしたので、臀部を緊張させて、骨盤輪不安定性を予防することができると共に、仙骨の持つ2°程度のダンパー作用を補強することができ、骨盤安定性を向上させることができる。更に、第2ベルト及び第3ベルトにより臀部を包み込むように押さえるようにしたので、静止時の骨盤不安定性を改善することができる。
加えて、第2ベルト及び第3ベルトの他端部を一方の臀部から股下を通り他方の大腿外側に伸長しているので、他方の大腿部を前方へ投げ出すことで一方の臀部の第2ベルト又は第3ベルトが引っ張られ、残った脚の安定性を高めることができると共に、けり出し時の動作制限をもたらすことで遊脚相の安定性を向上させることができる。更にまた、右内腿固定部と第2ベルトとを連結し、左内腿固定部と第3ベルトとを連結しているので、第2ベルト又は第3ベルトのずり応力に右内腿固定部又は左内腿固定部が引っ張られることにより締め付けることができ、腸腰筋と同じように骨盤輪をより安定化させることができる。
また、仙骨に対応する部分に仙骨クッション部を設けると共に、腰仙椎移行部に対応する部分に腰仙椎クッション部を設けるようにすれば、仙骨及び腰仙椎移行部を適度に圧迫することができ、骨盤安定性をより高めることができる。更に、右側臀部の下側に対応する部分に右臀部クッション部を設けるようにすれば、又は、左側臀部の下側に対応する部分に左臀部クッション部を設けるようにすれば、臀部の筋肉減弱に伴うクッション性の低下を補助し、接地による疼痛を軽減することができる。
加えて、第2ベルトの一端部及び第3ベルトの一端部を胴固定部に対して着脱可能とするようにすれば、加齢***の特徴に応じて仙腸関節部の角度に合わせて固定位置を調節することができる。よって、より高い効果を得ることができる。
更にまた、第2ベルト及び第3ベルトが伸縮性を有するようにすれば、大腿部の動きに合わせて第2ベルト及び第3ベルトをより効果的に引っ張ることができると共に、けり出し時の動作制限をより効果的に作用させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る臀部保護ベルト1を前側から見た構成を表すものであり、図2は後側から見た構成を表すものであり、図3は分解して表すものである。また、図4及び図5は、図1に示した臀部保護ベルト1を人体に取り付けた状態を表すものであり、図4は前側から見た構成、図5は後側から見た構成を表している。図6は、図1に示した臀部保護ベルト1の機能を説明するための図であり、股下から上方を見た構成を一部を取り出して表している。この臀部保護ベルト1は、例えば、胴回りに固定される胴固定部10と、右大腿回りに固定される右大腿固定部20と、左大腿回りに固定される左大腿固定部30と、第1ベルト40と、第2ベルト50と、第3ベルト60とを備えている。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る臀部保護ベルト1を前側から見た構成を表すものであり、図2は後側から見た構成を表すものであり、図3は分解して表すものである。また、図4及び図5は、図1に示した臀部保護ベルト1を人体に取り付けた状態を表すものであり、図4は前側から見た構成、図5は後側から見た構成を表している。図6は、図1に示した臀部保護ベルト1の機能を説明するための図であり、股下から上方を見た構成を一部を取り出して表している。この臀部保護ベルト1は、例えば、胴回りに固定される胴固定部10と、右大腿回りに固定される右大腿固定部20と、左大腿回りに固定される左大腿固定部30と、第1ベルト40と、第2ベルト50と、第3ベルト60とを備えている。
胴固定部10は、例えば、帯状であり、胴回りに巻き付けて固定することができるように構成されている。胴固定部12の太さは、例えば、6cmから10cm程度である。胴固定部10の両端部は、例えば、胴回りに巻きつけた時に重なり合うように構成され、両端部の対向面には、例えば、これらを重ね合わせた状態で着脱可能に固定することができる着脱固定部材が配設されていることが好ましい。体型に合わせて調節して容易に装着することができるからである。着脱固定部材としては、例えば、面状ファスナーやホックが挙げられる。なお、胴固定部10は、ゴムなどの伸縮性を有する部材により環状に構成するようにしてもよい。
右大腿固定部20及び左大腿固定部30は、例えば、帯状であり、右大腿回り又は左大腿回りに巻き付けて固定することができるように構成されている。右大腿固定部20及び左大腿固定部30の太さは、例えば、6cmから10cm程度である。右大腿固定部20及び左大腿固定部30の両端部は、例えば、右大腿回り又は左大腿回りに巻きつけた時に重なり合うように構成され、両端部の対向面には、例えば、これらを重ね合わせた状態で着脱可能に固定することができる着脱固定部材が配設されていることが好ましい。体型に合わせて調節して容易に装着することができるからである。着脱固定部材としては、例えば、面状ファスナーやホックが挙げられる。なお、右大腿固定部20及び左大腿固定部30は、ゴムなどの伸縮性を有する部材により環状に構成するようにしてもよい。
第1ベルト40は、例えば、一端部が前記胴固定部に固定され、仙骨を覆う仙骨被覆部41と、この仙骨被覆部41の下側から伸長され、右大腿固定部20の内側に固定される右内腿固定部42と、仙骨被覆部41の下側から伸長され、左大腿固定部30の内側に固定される左内腿固定部43とを有している。
仙骨被覆部41は、例えば、仙骨を押さえることにより、歩行開始時の仙骨固定性を高めるためのものである。仙骨被覆部41は、例えば、仙骨から腰椎の少なくとも一部までを覆い、仙骨に対応して略逆三角形状に形成されている。仙骨被覆部41には、例えば、仙骨に対応する部分に、緩衝材よりなる仙骨クッション部44が設けられることが好ましく、腰仙椎移行部に対応する部分に、緩衝材よりなる腰仙椎クッション部45が設けられることが好ましい。仙骨及び腰仙椎移行部を適度に圧迫することができ、骨盤安定性をより高めることができるからである。仙骨クッション部44及び腰仙椎クッション部45は、臀部側に突出するように設けられていることが好ましい。緩衝材としては、例えば、ウレタンが好ましく挙げられる。なお、仙骨クッション部44及び腰仙椎クッション部45は、個別に対応してそれぞれ設けるようにしてもよいが、合体して設けるようにしてもよい。また、腰仙椎クッション部45は、胴固定部10に対して配設してもよい。
右内腿固定部42及び左内腿固定部43は、例えば、仙骨被覆部41の下側から股下を押さえることにより、臀部を緊張させて、骨盤輪不安定性を予防すると共に、仙骨の持つ2°程度のダンパー作用を補強し、骨盤安定性を向上させるためのものである。これらはある程度の伸縮性を有していてもよい。右内腿固定部42及び左内腿固定部43の太さは、例えば、仙骨被覆部41の側が3cmから4cm程度であることが好ましく、右大腿固定部20又は左大腿固定部30の側が6cmから8cm程度であることが好ましい。第1ベルト40は、固めの伸縮性を有していてもよい。体にしっかりと固定した方が骨盤安定性をより高めることができるからである。
第2ベルト50は、例えば、一端部が右側臀部を包むように右側臀部の下側から脇を通り、前側腹部に伸長されて胴固定部10に固定され、他端部が右側臀部から股下を通り、左大腿前側を通って、左大腿外側まで伸長されて左大腿固定部30に固定されている。第3ベルト60は、例えば、一端部が左側臀部を包むように左側臀部の下側から脇を通り、前側腹部に伸長されて胴固定部10に固定され、他端部が左側臀部から股下を通り、右大腿前側を通って、右大腿外側まで伸長されて右大腿固定部20に固定されている。第2ベルト50及び第3ベルト60の太さは、例えば、4cmから8cm程度であることが好ましい。
第2ベルト50及び第3ベルト60は、例えば、臀部を包み込むように押さえることにより、静止時の骨盤不安定性を改善するためのものである。また、第2ベルト50又は第3ベルト60の他端部を一方の臀部から股下を通り他方の大腿外側に伸長することにより、他方の大腿部の動きに応じて第2ベルト50又は第3ベルト60が引っ張られ、一方の残った脚の安定性を高めると共に、けり出し時の動作を制限し、遊脚相の安定性を向上させるものである。
第2ベルト50及び第3ベルト60は、例えば、股下において、第1ベルト40より人体側、すなわち、第1ベルト40よりも股側に位置することが好ましい。第2ベルト50及び第3ベルト60を上から第1ベルト40により締め付けることができるので、骨盤輪をより安定化させることができるからである。また、第2ベルト50と第1ベルト40の右内腿固定部42とは、その交差部51において、縫い合わされるなどにより連結していることが好ましい。第3ベルト60と第1ベルト40の左内腿固定部43とは、その交差部61において、縫い合わされるなどにより連結していることが好ましい。なお、交差部51,61は、図2、図3、図5及び図6において、網掛けを付して表している。交差部51,61が連結されることにより力点となり、脚の動きに連動して臀部下部を圧迫することができるからである。
図6を参照して、その作用について具体的に説明する。図6は、第2ベルト50及び第1ベルト40の右内腿固定部42を取り出して股下から見た構成を表している。図6(A)は両脚を揃えて立った状態、図6(B)は左脚を前に出した状態である。例えば、図6(A)に示した立った状態から図6(B)に示したように左脚を前に出すと、第2ベルト50の他端側が前側に引っ張られ、それにより、第2ベルト50と右内腿固定部42との連結された交差部51が前側に引っ張られ、右内腿固定部42は交差部51を頂点として前側に引っ張られる。これにより、臀部から股下が締め付けられ、腸腰筋と同じように作用して骨盤輪を安定化させることができるようになっている。また、右脚を前に出した場合には、図示しないが、第3ベルト60の他端側が前側に引っ張られ、それにより、第3ベルト60と左内腿固定部43との連結された交差部61が前側に引っ張られ、左内腿固定部43は交差部61を頂点として前側に引っ張られる。これにより、図6(B)と同様に、臀部から股下が締め付けられ、腸腰筋と同じように作用して骨盤輪を安定化させることができるようになっている。なお、交差部51,61は、例えば、肛門からそれぞれ外側に3cm以内の範囲内に位置することが好ましい。
第2ベルト50の一端部及び第60の一端部は、例えば、胴固定部10に対して着脱可能に固定されることが好ましい。加齢***の特徴に応じて仙腸関節部の角度に合わせて固定位置を調節することができるからである。例えば、胴固定部10の前側外周面、第2ベルト50の一端部内側面、及び、第3ベルト60の一端部内側面には、面状ファスナーなどの着脱固定部材が配設されていることが好ましい。また、第2ベルト50の一端部外側面、及び、第3ベルト60の一端部外側面にも、必要に応じて、面状ファスナーなどの着脱固定部材が配設されていることが好ましい。
第2ベルト50の他端部は、例えば、左大腿固定部30に対して着脱可能に固定されることが好ましく、左大腿外側前か左大腿外側後かを選択できるように構成されていることが好ましい。第3ベルト60の他端部は、例えば、右大腿固定部20に対して着脱可能に固定されることが好ましく、右大腿外側前か右大腿外側後かを選択できるように構成されていることが好ましい。腰部と臀部の傾きの違い及びO脚かX脚かに応じて、大腿外側前に固定するか大腿外側外に固定するかが異なるからである。例えば、左大腿固定部30の外側外周面、右大腿固定部20の外側外周面、第2ベルト50の他端部内側面、及び、第3ベルト60の他端部内側面には、面状ファスナーなどの着脱固定部材が配設されていることが好ましい。なお、右大腿固定部20及び左大腿固定部30は、大腿部の半分よりも上側に固定されることが好ましく、上から1/3の範囲内に固定されればより好ましい。
第2ベルト50には、右側臀部の下側に対応する部分に、緩衝材よりなる右臀部クッション部52が設けられていることが好ましく、第3ベルト60には、左側臀部の下側に対応する部分に、緩衝材よりなる左臀部クッション部62が設けられていることが好ましい。臀部の筋肉減弱に伴うクッション性の低下を補助し、接地による疼痛を軽減することができるからである。右臀部クッション部52及び左臀部クッション部62は、臀部側に突出するように設けられていることが好ましい。緩衝材としては、例えば、ウレタンが好ましく挙げられる。
また、第2ベルト50及び第3ベルト60は、伸縮性を有することが好ましい。大腿部の動きに合わせて第2ベルト50及び第3ベルト60をより効果的に引っ張ることができると共に、けり出し時の動作制限をより効果的に作用させることができるからである。そして右内腿固定部42及び左内腿固定部43の1.5倍程度の引っ張り強度があることが好ましい。
この臀部保護ベルト1は、例えば、次のようにして装着し用いられる。まず、例えば、第1ベルト40の仙骨被覆部41を仙骨に当て、胴固定部10を胴回りに回し、両端部を腹部で重ね合わせ、着脱固定部材により固定する。次いで、例えば、右大腿固定部20を右大腿回りに回し、両端部を重ね合わせ、着脱固定部材により固定すると共に、左大腿固定部30を右大腿回りに回し、両端部を重ね合わせ、着脱固定部材により固定する。続いて、例えば、第2ベルト50の他端側を股下から左大腿前側に回して、他端部を左大腿外側前又は左大腿外側後に固定する。また、例えば、第2ベルト50の一端側を右側臀部の下側及び脇を通して前側腹部に伸ばし、一端部を着脱固定部材により胴固定部10に固定する。次に、例えば、第3ベルト60の他端側を股下から右大腿前側に回して、他端部を右大腿外側前又は右大腿外側後に固定する。また、例えば、第3ベルト60の一端側を左側臀部の下側及び脇を通して前側腹部に伸ばし、一端部を着脱固定部材により胴固定部10又は第2ベルト50の一端部に固定する。
このように、本実施の形態によれば、仙骨被覆部41により仙骨を押さえるようにしたので、歩行開始時の仙骨固定性を高めることができる。また、第1ベルト40により、臀部から股下まで押さえるようにしたので、臀部を緊張させて、骨盤輪不安定性を予防することができると共に、仙骨の持つ2°程度のダンパー作用を補強することができ、骨盤安定性を向上させることができる。更に、第2ベルト50及び第3ベルト60により臀部を包み込むように押さえるようにしたので、静止時の骨盤不安定性を改善することができる。
加えて、第2ベルト50及び第3ベルト60の他端部を一方の臀部から股下を通り他方の大腿外側に伸長しているので、他方の大腿部を前方へ投げ出すことで一方の臀部の第2ベルト50又は第3ベルト60が引っ張られ、残った脚の安定性を高めることができると共に、けり出し時の動作制限をもたらすことで遊脚相の安定性を向上させることができる。更にまた、右内腿固定部42と第2ベルト50とを連結し、左内腿固定部43と第3ベルト60とを連結しているので、第2ベルト50又は第3ベルト60のずり応力に右内腿固定部42又は左内腿固定部43が引っ張られることにより締め付けることができ、腸腰筋と同じように骨盤輪をより安定化させることができる。
また、仙骨に対応する部分に仙骨クッション部44を設けると共に、腰仙椎移行部に対応する部分に腰仙椎クッション部45を設けるようにすれば、仙骨及び腰仙椎移行部を適度に圧迫することができ、骨盤安定性をより高めることができる。更に、右側臀部の下側に対応する部分に右臀部クッション部52を設けるようにすれば、又は、左側臀部の下側に対応する部分に左臀部クッション部62を設けるようにすれば、臀部の筋肉減弱に伴うクッション性の低下を補助し、接地による疼痛を軽減することができる。
加えて、第2ベルト50の一端部及び第3ベルト60の一端部を胴固定部10に対して着脱可能とするようにすれば、加齢***の特徴に応じて仙腸関節部の角度に合わせて固定位置を調節することができる。よって、より高い効果を得ることができる。
更にまた、第2ベルト50及び第3ベルト60が伸縮性を有するようにすれば、大腿部の動きに合わせて第2ベルト50及び第3ベルト60をより効果的に引っ張ることができると共に、けり出し時の動作制限をより効果的に作用させることができる。
(第2の実施の形態)
図7及び図8は、本発明の第2の実施の形態に係る臀部保護ベルト付き衣類2の構成を表すものである。この臀部保護ベルト付き衣類2は、少なくとも臀部を覆う股付きの衣類本体70を備え、この衣類本体70に第1の実施の形態で説明した臀部保護ベルト1、すなわち胴固定部10、右大腿固定部20、左大腿固定部30、第1ベルト40、第2ベルト50、及び、第3ベルト60が配設されたものである。よって、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図7及び図8は、本発明の第2の実施の形態に係る臀部保護ベルト付き衣類2の構成を表すものである。この臀部保護ベルト付き衣類2は、少なくとも臀部を覆う股付きの衣類本体70を備え、この衣類本体70に第1の実施の形態で説明した臀部保護ベルト1、すなわち胴固定部10、右大腿固定部20、左大腿固定部30、第1ベルト40、第2ベルト50、及び、第3ベルト60が配設されたものである。よって、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
衣類本体70は、例えば、伸縮性のある材料により構成されることが好ましい。胴固定部10、右大腿固定部20、及び、左大腿固定部30は、例えば、衣類本体70に対して取り付けられていなくてもよいが、少なくとも一部が衣類本体70に対して取り付けられることにより固定されていてもよい。第1ベルト40は、例えば、仙骨被覆部41が衣類本体30に対して取り付けられることにより固定されていることが好ましい。右内腿固定部42及び左内腿固定部43は、例えば、衣類本体70には取り付けられていないことが好ましい。
第2ベルト50は、例えば、右臀部クッション部52が衣類本体70に対して取り付けられることにより固定されている。また、第3ベルト60は、例えば、左臀部クッション部62が衣類本体70に対して取り付けられることにより固定されている。第2ベルト50及び第3ベルト60の一端部及び他端部は、例えば、衣類本体70には取り付けられておらず、衣類本体70を穿いた後に、第1の実施の形態で説明したように固定するようになっている。
このように第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態では、各構成要素について具体的に説明したが、全ての構成要素を備えている必要はなく、また、他の構成要素を備えていてもよい。
骨盤安定性を向上させることができる臀部保護ベルト及び臀部保護ベルト付き衣類に適用することができる。
1…臀部保護ベルト、2…臀部保護ベルト付き衣類、10…胴固定部、20…右大腿固定部、30…左大腿固定部、40…第1ベルト、41…仙骨被覆部、42…右内腿固定部、43…左内腿固定部、44…仙骨クッション部、45…腰仙椎クッション部、50…第2ベルト、51…交差部、52…右臀部クッション部、60…第3ベルト、61…交差部、62…左臀部クッション部、70…衣類本体
Claims (6)
- 胴回りに固定される胴固定部と、右大腿回りに固定される右大腿固定部と、左大腿回りに固定される左大腿固定部と、第1ベルトと、第2ベルトと、第3ベルトを備え、
前記第1ベルトは、一端部が前記胴固定部に固定され、仙骨を覆う仙骨被覆部と、この仙骨被覆部の下側から伸長され、前記右大腿固定部の内側に固定される右内腿固定部と、前記仙骨被覆部の下側から伸長され、前記左大腿固定部の内側に固定される左内腿固定部とを有し、
前記第2ベルトは、一端部が右側臀部を包むように右側臀部の下側から脇を通り、前側腹部に伸長されて前記胴固定部に固定され、他端部が右側臀部から股下を通り、左大腿前側を通って、左大腿外側まで伸長されて前記左大腿固定部に固定され、
前記第3ベルトは、一端部が左側臀部を包むように左側臀部の下側から脇を通り、前側腹部に伸長されて前記胴固定部に固定され、他端部が左側臀部から股下を通り、右大腿前側を通って、右大腿外側まで伸長されて前記右大腿固定部に固定され、
前記右内腿固定部と前記第2ベルトとは、その交差部において連結しており、
前記左内腿固定部と前記第3ベルトとは、その交差部において連結しており、
前記第2ベルト及び前記第3ベルトは、伸縮性を有する
ことを特徴とする臀部保護ベルト。 - 仙骨に対応する部分に設けられた緩衝材よりなる仙骨クッション部と、
腰仙椎移行部に対応する部分に設けられた緩衝材よりなる腰仙椎クッション部と、
右側臀部の下側に対応する部分に設けられた緩衝材よりなる右臀部クッション部と、
左側臀部の下側に対応する部分に設けられた緩衝材よりなる左臀部クッション部と
を備えたことを特徴とする請求項1記載の臀部保護ベルト。 - 前記第2ベルトの一端部及び前記第3ベルトの一端部は、前記胴固定部に対して着脱可能に固定された
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の臀部保護ベルト。 - 少なくとも臀部を覆う股付きの衣類本体と、
この衣類本体に対して配設され、胴回りに固定される胴固定部、右大腿回りに固定される右大腿固定部、左大腿回りに固定される左大腿固定部、第1ベルト、第2ベルト、及び、第3ベルトとを備え、
前記第1ベルトは、一端部が前記胴固定部に固定され、仙骨を覆う仙骨被覆部と、この仙骨被覆部の下側から伸長され、前記右大腿固定部の内側に固定される右内腿固定部と、前記仙骨被覆部の下側から伸長され、前記左大腿固定部の内側に固定される左内腿固定部とを有し、
前記第2ベルトは、一端部が右側臀部を包むように右側臀部の下側から脇を通り、前側腹部に伸長されて前記胴固定部に固定され、他端部が右側臀部から股下を通り、左大腿前側を通って、左大腿外側まで伸長されて前記左大腿固定部に固定され、
前記第3ベルトは、一端部が左側臀部を包むように左側臀部の下側から脇を通り、前側腹部に伸長されて前記胴固定部に固定され、他端部が左側臀部から股下を通り、右大腿前側を通って、右大腿外側まで伸長されて前記右大腿固定部に固定され、
前記右内腿固定部と前記第2ベルトとは、その交差部において連結しており、
前記左内腿固定部と前記第3ベルトとは、その交差部において連結しており、
前記第2ベルト及び前記第3ベルトは、伸縮性を有する
ことを特徴とする臀部保護ベルト付き衣類。 - 仙骨に対応する部分に設けられた緩衝材よりなる仙骨クッション部と、
腰仙椎移行部に対応する部分に設けられた緩衝材よりなる腰仙椎クッション部と、
右側臀部の下側に対応する部分に設けられた緩衝材よりなる右臀部クッション部と、
左側臀部の下側に対応する部分に設けられた緩衝材よりなる左臀部クッション部と
を備えたことを特徴とする請求項4記載の臀部保護ベルト付き衣類。 - 前記第2ベルトの一端部及び前記第3ベルトの一端部は、前記胴固定部に対して着脱可能に固定された
ことを特徴とする請求項4又は請求項5記載の臀部保護ベルト付き衣類。
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