JP5692002B2 - 溶接性に優れた高張力鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、溶接性に優れた高張力鋼板とその製造方法に関する。より詳しくは、高度の安全性が要求される揚水型発電所の水圧鉄管、海洋構造物や低温ガス貯蔵タンクや高層建築物など大形鉄鋼構造物用途に好適な、780MPa以上の引張強さを有する溶接性に優れた高張力鋼板及びその製造方法に関する。
近年、溶接鋼構造物が大型化する傾向が顕著となっている。したがって、こうした大型溶接鋼構造物に使用される厚鋼板に対して要求される強度もますます高くなっている。
高強度鋼板には、十分な焼入れ性を確保するために通常多くの合金元素が添加されているので、溶接すると熱影響部(以下、HAZという)の硬度が上昇してしまう。HAZ、特に溶接ボンド部の硬度が上昇すると、溶接割れの発生が誘発される。この溶接割れを防止するためには、溶接施工前に予熱を行い、溶接部の冷却速度を低下させて硬度の上昇を防止する方法が有効である。
しかし、高温での予熱は溶接施工コストが嵩むばかりか工期が長期化する。特に、予熱温度が150℃を超える場合には、現場の作業環境が著しく劣悪となるので作業者への負担も急激に増加する。
このため、溶接施工前に行う予熱の温度が低くてもHAZの硬度があまり上昇せず溶接割れを発生しない高強度鋼板、なかでも780MPa以上の引張強さ(以下、TSともいう)を有する高強度鋼板が求められている。
予熱低減を達成でき、TSが780MPa以上の高強度鋼板については、種々の発明が提案されている。
例えば、特許文献1には、予熱温度が50℃以下でTSが690MPa以上の高強度鋼板に係る発明が開示され、その実施例には、TSが780MPa以上の高強度鋼板も多数記載されている。特許文献1に記載の発明は、主としてC含有量を低減させて島状マルテンサイトを減少させると共に、Cu含有量の低減によりHAZ靭性の劣化を防止することを趣旨とする。
また、特許文献2には、予熱フリーを可能にしたTSが780MPa級の高強度鋼板に係る発明が開示されている。特許文献2に記載の発明は、Cを極低Cに制限することで、生成する島状マルテンサイト組織を微細としてHAZ靭性を確保することを趣旨とする。
しかし、特許文献1および特許文献2に記載された高強度鋼板を製造するには焼戻しをすることが必要である。製造の容易さや製造効率を考えれば、製造工程が一工程増える、すなわち焼戻工程を追加することは好ましくない。
特開平7−113140号公報 特開2000−160281号公報
本発明は、上記現状に鑑みてなされたもので、その目的は、揚水型発電所の水圧鉄管、海洋構造物や低温ガス貯蔵タンクや高層建築物など大形鉄鋼構造物用途に好適な、TSが780MPa以上で、溶接施工時の予熱温度が50℃以下の低い温度であっても溶接割れを発生しない高張力鋼板およびその製造方法を提供することである。また、製造的観点から言えば、焼戻工程を省略して製造可能な高張力鋼板およびその製造方法を提供することである。
溶接割れは、鋼に含有される合金元素量、鋼中の水素量及び溶接時に鋼中に侵入する水素量によって決定される。
溶接割れに対する合金元素の影響は、一般に溶接割れ感受性組成として下記式で表される。合金元素の含有量が多い場合には、鋼の焼入れ性が向上して優れた母材強度が得られる反面、HAZの硬度が上昇して溶接割れが発生しやすくなる。
Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B(%)
一方、溶接時に溶接金属や雰囲気から鋼中に侵入する水素が溶接ボンド部に代表されるような応力集中部に集まってポロシティーを形成し、これによって溶接割れが発生するといわれている。
溶接施工現場における溶接雰囲気を変化させることは困難であるので、鋼中への侵入水素量を軽減するためには、溶接材料を十分に乾燥させて水分を蒸発させることが重要であり、溶接割れを防止するためには高い温度での予熱が必要となる。
予熱なしで溶接することができることが最も好ましいが、溶接には母材と溶接材料との相性の問題もあり、母材が予熱なしで溶接できる特性を有していたとしても、溶接材料が十分な特性を有しておらず、割れが発生することもある。よって、完全に予熱なしで溶接できる鋼材を製造することは難しい。
そこで、本発明者らは、特に、溶接施工時の予熱温度が50℃以下の低い温度であっても溶接割れを発生しない高張力鋼板及びその製造方法に関して種々検討を重ね、下記(a)〜(f)の知見を得た。
(a) 母材に合金元素を多量に添加した場合には、溶接割れ感受性組成Pcmが大きくなり、溶接割れが発生しやすくなる。これを回避するために、Pcmに規定される元素でもその影響が大きいC含有量を低下させることが有効である。
(b) 一方、C含有量の低下は焼入性が低下による鋼板の引張強度の低下を招くが、焼入性向上に寄与しPcmの大きさに影響の小さい合金元素を添加する組成設計をすることにより、引張強度の向上を図ることができる。
(c) 厚鋼板を溶接した場合、板厚の1/2の位置、すなわち、板厚中心部で溶接割れが起こりやすい。よって、板厚中心部での炭素の偏析度を適切に管理する必要がある。
(d) 水圧鉄管用に用いるためには、低温靭性(アレスト性)も必要になる。鋼板組織を潰れた組織にして集合組織を発達させることで、アレスト性を向上させることができる。この特性を向上させるには、旧オーステナイト粒のアスペクト比を大きくすればよい。
(e) 島状マルテンサイトは溶接割れの起点となる。また、母材と島状マルテンサイトの境界部は水素のトラップサイトとなる。このため、島状マルテンサイト量を低減することが溶接割れの防止に有効である。
(f) 焼戻しは、鋼板の機械的特性を安定化させるために行われるが、焼戻工程を省略するためには、いわゆるオートテンパーを積極的に起こさせればよい。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、予熱温度が50℃以下の低い温度であっても溶接割れを発生させない高張力鋼板および当該鋼板を焼戻しなしに製造することができる高張力鋼板の発明であある。本発明の要旨は、下記の(1)〜(3)に示す高張力鋼板及び(4)に示す高張力鋼板の製造方法にある。
(1) 質量%で、C:0.02〜0.10%、Si:0.01〜0.2%、Mn:1.0〜2.0%、P:0.01%以下、S:0.002%以下、Cu:0.1〜0.5%、Ni:0.1〜1.0%、Cr:0.5〜1.5%、Nb:0.01〜0.05%、Ti:0.005〜0.03%、B:0.0005〜0.0025%、Al:0.03〜0.08%及びN:0.0005〜0.0050%を含有し、残部はFe及び不純物からなり、板厚中心部におけるCが0.10%以下、板厚中心部における旧オーステナイト粒のアスペクト比が2.0以上、板厚中心部におけるM−A組織が5.0%以下であることを特徴とする引張強度780MPa以上の高張力鋼板。
(2) Feの一部に代えて、質量%で、Mo:0.30%以下及びV:0.05%以下から選択される1種又は2種を含有することを特徴とする上記(1)の高張力鋼板。
(3) Feの一部に代えて、質量%で、Sn:0.50%以下を含有することを特徴とする上記(1)または(2)の高張力鋼板。
(4) 請求項1から3までのいずれかに記載の化学組成を有するスラブを、1000〜1180℃の温度域に加熱し、900℃以下の温度域で累積圧下率50%以上の熱間圧延をし、700℃以上の温度で圧延を終了し、650℃以上の温度域から水冷を開始し、5℃/sec以上の冷却速度で水冷し、鋼板の表面温度が150℃以下の温度域で水冷を停止するとともに、鋼板表面における復熱温度を150℃以上400℃以下とすることを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の高張力鋼板の製造方法。
本発明によれば、TSが780MPa以上で、溶接施工時の予熱温度が50℃以下の低い温度であっても溶接割れを発生しない高張力鋼板およびその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の各要件について詳しく説明する。なお、各元素の含有量の「%」表示は「質量%」を意味する。
(A)鋼板の化学組成
C:0.02〜0.10%
Cは、溶接ボンド部のベイナイト変態の開始温度を低下させるとともに、鋼板の強度を確保する目的で添加する。その含有量が0.02%未満ではベイナイト変態の開始温度の低下効果が十分ではなく、予熱温度を50℃以下の低い温度とすれば、溶接割れを生じてしまう。更に、焼入れ性が不足して所望の780MPaのTSを確保するのが困難であり、また靱性も劣化する。TSが780MPa以上という強度を確保する上で、Cは0.02%以上含有させることが必要である。
一方、その含有量が0.10%以上であると、溶接ボンド部のベイナイト変態の開始温度は低下するものの、前述のようにCは溶接割れ感受性組成Pcmに大きく寄与する元素であり、C含有量が高いとHAZの硬度が上昇して溶接割れ感受性が逆に高くなる。したがって、Cの含有量を0.02〜0.10%とした。なお、C含有量の好ましい上限は0.07%であり、より好ましい上限は0.05%である。
Si:0.01〜0.2%
Siは、脱酸作用を有する。しかし、その含有量が0.01%未満では前記の効果が得られない。一方、Siの含有量が0.2%を超えると、HAZにおいて島状マルテンサイトの局所的な生成が誘発され、耐溶接割れ性の著しい低下を招く。したがって、Siの含有量を0.01〜0.2%とした。なお、Si含有量の上限は0.15%とすることが望ましい。
Mn:1.0〜2.0%
Mnは、溶接ボンド部のベイナイト変態の開始温度の低下に最も効果のある元素であり、Mnの含有量を増加させることは溶接割れ防止のために有効である。この効果を得るためにはMnの含有量を1.0%以上とする必要がある。一方、Mnにはセメンタイトの析出を抑制する作用があるので、多量に含有させると耐溶接割れ性の低下を招き、特に、その含有量が2.0%を超えると耐溶接割れ性の低下が著しくなる。したがって、Mnの含有量を1.0〜2.0%とした。なお、Mn含有量の好ましい下限は1.2%であり、好ましい上限は1.8%である。
P:0.01%以下
Pは、不純物として鋼中に不可避的に存在する。Pの含有量が0.01%を超えると、粒界に偏析して靱性を低下させるのみならず、溶接時に割れを招く。したがって、Pの含有量を0.01%以下とした。なお、P含有量の望ましい上限は0.005%である。
S:0.002%以下
Sは、その含有量が多すぎると中心偏析を助長したり、延伸したMnSが多量に生成したりするため、母材およびHAZの機械的性質が劣化する。したがって、Sの含有量を0.002%以下とした。なお、S含有量の望ましい上限は0.001%である。Sの含有量は少ないほど好ましいため、下限は特に規定するものではない。
Cu:0.1〜0.5%
Cuは、母材の強度を高める作用を有する。この効果を得るためには、Cuの含有量は0.1%以上とすることが必要である。しかし、その含有量が0.5%を超えると、析出強化による著しい靱性の劣化を招く。したがって、Cuの含有量を0.1〜0.5%とした。なお、Cu含有量の望ましい下限は0.2%であり、望ましい上限は0.4%である。
Ni:0.1〜1.0%
Niは、Mnに次いで溶接ボンド部のベイナイト変態の開始温度を低下するのに有効な元素であり、Niの含有量を増加させることは溶接割れ防止のために有効である。しかし、Niは高価な元素であり、添加することによって鋼板価格の上昇を招く。したがって、Niの含有量を0.1〜1.0%とした。なお、Ni含有量の望ましい下限は0.3%であり、望ましい上限は0.7%である。
Cr:0.5〜1.5%
Crは、溶接ボンド部のベイナイト変態の開始温度を低下する作用を有する。この効果を得るには、Crの含有量は0.5%以上とすることが必要である。しかし、その含有量が1.5%を超えると、母材靱性や溶接性の劣化を招く。したがって、Crの含有量を0.5〜1.5%とした。なお、Cr含有量の望ましい下限は0.7%であり、望ましい上限は1.3%である。
Nb:0.01〜0.05%
Nbは、オーステナイトの低温域で微細なNb炭窒化物を形成することによりオーステナイト粒を微細化する作用を有する。更に、析出したNb炭窒化物は圧延などによる加工を受けた未再結晶オーステナイト粒の回復、再結晶を抑制する効果を有しており、母材靱性の確保に有効である。こうした効果を得るには、Nbの含有量は0.01%以上とすることが必要である。しかし、その含有量が0.05%を超えると、耐溶接割れ性が低下してしまう。したがって、Nbの含有量を0.01〜0.05%とした。なお、Nb含有量の望ましい下限は0.015%であり、望ましい上限は0.03%である。
Ti:0.005〜0.03%
Tiは、オーステナイト粒の微細化のために不可欠な元素である。また、連続鋳造鋳片の横ひび割れを防止する上でもその添加が不可欠である。しかし、その含有量が0.005%未満では添加効果が得られない。一方、Tiが0.03%を超えると、母材靱性やHAZの靱性が著しく損なわれる。したがって、Tiの含有量を0.005〜0.03%とした。なお、Ti含有量の望ましい下限は0.01%であり、望ましい上限は0.02%である。
B:0.0005〜0.0025%
Bは、溶接ボンド部のベイナイト変態の開始温度を低下させて耐溶接割れ性を高める作用を有する。この効果を得るためには、Bの含有量は0.0005%以上とする。しかし、その含有量が0.0025%を超えると母材靱性及びHAZ靱性の大幅な劣化を招く。したがって、Bの含有量を0.0005〜0.0025%とした。
Al:0.03〜0.08%
Alは、脱酸作用を有する。この効果を得るには、Alは0.03%以上の含有量とすることが必要である。一方、AlはSiと同様に、HAZにおける島状マルテンサイトの局所的な生成を誘発し、耐溶接割れ性の著しい低下を招く。したがって、Alの含有量をAlで0.03〜0.08%とした。なお、Al含有量の望ましい下限は0.04%であり、望ましい上限は0.06%である。
N:0.0005〜0.0050%
Nは、TiNとして析出し、オーステナイト粒の微細化を通じて靱性を高める作用を有するので、0.0005%以上含有させる必要がある。しかし、Nの多量の含有は母材及びHAZの靱性低下を招き、特にその含有量が0.0050%を超えると、母材及びHAZの靱性低下が著しくなる。したがって、Nの含有量を0.0005〜0.0050%とした。
本発明に係る鋼板は、上記の成分を含有し、残部がFeおよび不純物からなる。ここで、不純物とは、鋼材を工業的に製造する際に鉱石やスクラップ等のような原料をはじめとして製造工程の種々の要因によって混入する成分であって、本発明に悪影響を与えない範囲で許容されるものを意味する。
本発明に係る鋼板には、必要に応じて、次の成分の1種以上を含有させることができる。
Mo:0.30%以下
Moは、必要に応じて含有させることができる。Moを含有させると、溶接ボンド部のベイナイト変態の開始温度を低下する作用がある。しかし、その含有量が0.30%を超えると、強度が高くなりすぎて母材靱性が低下するし溶接性の著しい劣化も招く。したがって、Moの含有量を0.30%以下とした。Moの含有量は0.20%未満とすることが望ましい。なお、Moによるこの効果を得たい場合には、Moを0.10%以上含有させるのが望ましい。
V:0.05%以下
Vは、必要に応じて含有させることができる。Vを含有させると、焼戻し軟化抵抗を増大させて高温での焼戻しを可能とし、強度及び靱性を向上させる作用がある。しかし、その含有量が0.05%を超えると、靱性が劣化する。したがって、Vの含有量を0.05%以下とした。なお、Vの含有量の上限は0.03%とすることが好ましい。なお、Vによるこの効果を得たい場合には、Vを0.001%以上含有させるのが望ましい。
Sn:0.50%以下
Snは、必要に応じて含有させることができる。Snを含有させると、Sn3+となって溶解し、酸性塩化物溶液中でのインヒビター作用により腐食を抑制することができる。また、Fe3+を速やかに還元させ、酸化剤としてのFe3+濃度を低減することにより、Fe3+の腐食促進作用を抑制するので、飛来塩分量が多い環境下での耐候性を向上させることができる。さらに、Snには鋼のアノード溶解反応を抑制するので、耐食性を向上させることもできる。しかし、その含有量が0.50%を超えると脆化を起こす原因となるので、Snの含有量は0.50%以下とする。好ましくは0.20%以下である。なお、Snによるこれらの効果を得たい場合には、Snの含有量は0.03%以上とするのが望ましい。
(B)鋼板の組織
(B−1)板厚中心部におけるCが0.10%以下
連続鋳造により製造した厚鋼板を溶接した場合、板厚中心部で溶接割れが起こりやすい。これは、板厚中心部の中心偏析による成分濃化部に起因する硬化組織に起因するものであり、とくに、一般的な低温割れの評価方法であるy型溶接割れ試験(JIS Z 3158)においても板厚中心部の硬化部から割れが発生する場合が多い。これを解消するには鋳造時の成分調整のみならず、板厚中心部の成分調整が必要となる。特に引張強度780MPa以上の高張力鋼においては板厚中心部に生成するマルテンサイト相が有害になるため、マルテンサイトの硬さに支配的なC量の偏析度規定が有効である。板厚中心部のC量としては、レーザICP分析法を用いる。レーザICP分析にて、板厚中心部を挟んだ8mm以上の範囲を分析し、板厚中心部のC量=(製品分析値のC量)×(レーザICP分析C量の平均値/レーザICP分析C量の最大値)として算出する。引張強度780以上の高張力鋼において、優れた溶接性を得るには、この板厚中心部のC量を0.10%以下に抑制することが望ましい。
(B−2)板厚中心部における旧オーステナイト粒のアスペクト比が2.0以上
旧オーステナイト粒のアスペクト比が2.0以上とすると同じ変態温度で生成した下部ベイナイトであっても変態の発生サイトが高密度となり組織が微細化される。微細化される組織は下部ベイナイトのラス長さだけでなくラスの厚さ等にまで及ぶ。この結果、マトリックスが靭化され靭性、特にアレスト性が向上する。
下部ベイナイトとマルテンサイトの混合組織で靱性をより一層改善するためには、下部ベイナイトの生成位置を分散させることが重要である。このためにはオーステナイトを十分加工した後未再結晶状態から変態させる必要がある。加工後未再結晶状態のオーステナイトは下部ベイナイトの核生成サイトを高密度で含み、未再結晶状態のオーステナイト粒界および粒内の多くの核生成サイトから下部ベイナイトを生成させることができる。こうした効果を発現させるために必要な未再結晶状態のオーステナイト粒の扁平度はアスペクト比にして2.0以上が必要である。ここで、未再結晶状態のオーステナイト粒のアスペクト比とは圧延方向に延伸したオーステナイト粒の直径(長径)を板厚方向の直径(短径)で除した値をさす。
板厚中心部における旧オーステナイト粒を規定する理由は、板厚中心部は板厚表裏面および板厚の1/4の位置に比べ破壊特性の確保が困難なためであり、かつ全厚の破壊特性が板厚の1/2の位置の特性に律速されるためである。
(B−3)板厚中心部におけるM−A組織が5.0%以下
本発明でいう「M−A組織」は、いわゆる島状マルテンサイトであり、ベイナイトのラス状組織の間又は旧オーステナイト粒界に存在するマルテンサイトを指す。M−A組織は脆性破壊の原因となるため、少ないことが好ましい。ここで、板厚中心部におけるアスペクト比5.0以上のM−A組織が5.0%以下とする。
板厚中心部においてのM−A組織を規定する理由は、板厚の1/2の位置にある板厚中心部は板厚表裏面および板厚の1/4の位置に比べ破壊特性の確保が困難なためであり、かつ全厚の破壊特性が板厚の1/2の位置の特性に律速されるためである。M−A組織が5%を超えると、母材の靭性が劣化するだけでなく、溶接をした時の溶接ボンド部に占めるM−A組織の割合も5%を超え、予熱温度を50℃以下の低い温度とすれば、当該M−A組織を起点とする割れが生じて、構造物としての強度が低下する場合がある。M−A組織は存在しない方が好ましいが、本願発明の製造方法で製造した場合には、少なくとも0.5%のM−A組織が形成される。
なお、M−A組織の割合は、透過型電子顕微鏡の倍率を10000倍として合計10視野観察し、各視野において求めた島状マルテンサイトが占める割合を算術平均して求めればよい。
以上、本発明の組織について示したが、本発明の鋼板のミクロ組織は主としてマルテンサイトとベイナイトの混合組織であり、このため、本発明は引張強度が780MPa以上の高張力鋼板となる。
(B)項で示すような組織を有する鋼板とするには、例えば、前記(A)項に記載の化学組成を有するスラブを用いて、次の(C)項で述べる条件で鋼板を製造すればよい。
(C)鋼板の製造条件
(C−1)スラブの加熱温度
スラブの加熱温度は1000〜1180℃とするのがよい。スラブの加熱温度が1000℃未満では加熱時に均一なオーステナイト粒が得られない場合がある。一方、1180℃を超えて加熱するとオーステナイト粒が著しく大きくなって母材靱性が劣化する場合がある。したがって、鋼の加熱温度は1000〜1180℃とするのがよい。
(C−2)熱間圧延
鋼板の組織のアスペクト比を適正化するために、未再結晶温度域で適正量の圧下(加工)を加えるのがよい。オーステナイトの再結晶温度域での圧下ではオーステナイト粒内に格子欠陥が蓄積され難く、圧延後に急冷しても組織の微細化が生じ難い。また、未再結晶温度域で圧下してもその累積圧下量が少ないと、オーステナイト粒内に蓄積される格子欠陥が少なくなって、圧延後に急冷しても組織の微細化が生じ難い。このため、900℃以下の温度域で累積圧下率50%以上の熱間圧延を行う。
圧下比2.0以上の圧延を行う未再結晶温度域の下限の温度は、圧延後の急冷で強度を確保する観点から700℃とする。なお、850℃以下の温度域での圧下比が2.0以上でありさえすればよく、850℃を超える再結晶温度域での圧下率については特に規定しなくてもよい。
(C−3)冷却工程
熱間圧延後は650℃以上の温度域から水冷を開始する。このとき、所望の強度である780MPa以上のTSを得るためには、5℃/sec以上の冷却速度で鋼板を水冷する。冷却速度の上限は特に規定しないが、設備的に得られる上限値であってもよい。冷却の停止を容易にするという観点からは25℃/sec程度とするのが好ましい。
水冷は鋼板の表面温度が150℃以下の温度域になった時に水冷を停止する。5℃/sec以上の冷却速度で鋼板を水冷しているので、復熱により鋼板表面は冷却停止温度よりも高い温度に上昇する。このとき鋼板表面における復熱温度は150℃以上400℃以下とする。
従来、鋼板冷却後は強度と靱性のバランスを調整するための焼戻しを行っていた。しかし、復熱のために、わざわざ加熱炉を用いて鋼板に焼戻しを施す必要はない。上述のように復熱を管理することにより、鋼板にはオートテンパー(自動焼戻し)された状態になり、強度と靭性のバランスが自動調整される。また、復熱により鋼板内の水素の拡散が行われ、溶接割れを回避できる効果も得られる。
復熱温度が150℃未満であると十分や焼戻し効果が得られない。また、400℃超であると、TSで780MPa以上という所望の強度を確保することが困難となる場合がある。復熱温度は300℃以下とすることが好ましい。
表1に示す化学組成を有する鋼No.1〜40及び鋼No.X1〜X11の供試鋼から連続鋳造法にてスラブを作製した。表1における鋼No.1〜40の供試鋼は化学組成が本発明で規定する範囲内にある例であり、鋼No.X1〜X11の供試鋼はいずれかの成分が本発明で規定する範囲から外れた例である。
スラブは溶鋼の温度を過度に高くせず、溶鋼組成から決まる凝固温度に対し、その差が50℃以内になるように管理をしながら、凝固直前の電磁攪拌および凝固時の圧下を行った。ただし、鋼No.33の供試鋼についてはこの管理をせずに製造した。
Figure 0005692002
次いで、これらの鋼を通常の方法で厚さ160mmの鋼片とした後、表2に記載の各種条件で熱間圧延したのち、冷却して鋼板とした。このとき、板厚は、水圧鉄管用途を意識して、25mm以上とした。
Figure 0005692002
このようにして得た各鋼板の板厚中心部から、JIS4号引張試験片とJIS Z 2202(1998)に記載の幅10mmのVノッチ試験片をそれぞれ圧延方向と平行な方向に採取し、母材の機械的性質(引張特性と靱性)を調査した。
また、JIS Z 3158(1993)に記載のy型溶接割れ試験を行って、溶接割れが発生しない予熱温度を調査した。なお、y型溶接割れ試験は、溶接棒にLB80−ULを用い、温度30℃、湿度80%の条件で溶接を行った。
さらに、各鋼板のうち一部の鋼板(鋼No.8、16、X3)については、得られた試験片をSAE(Society of Automotive Engineers)J2334試験により耐食性を評価した。SAEJ2334試験は、湿潤(50℃、100%RH、6時間、塩分付着:0.5%NaCl、0.1%CaCl、0.075%NaHCO水溶液浸漬、0.25時間)および乾燥(60℃、50%RH、17.75時間)を1サイクル(合計24時間)とした加速試験であり、腐食形態が大気暴露試験に類似しているとされている(長野博夫、山下正人、内田仁著:環境材料学、共立出版(2004)、p.74)。本試験は、飛来塩分量が1mddを超えるような厳しい腐食環境を模擬する試験である。SAEJ2334試験120サイクル終了後、各試験片の表面のさび層を除去し、板厚減少量を測定した。なお、「腐食減量」は、試験片の平均の板厚減少量であり、試験前後の重量減少と試験片の表面積を用いて算出したものである。
一方、各鋼板の組織は以下のように測定を行った。
板厚中心部におけるCはレーザICP分析にて、板厚中心部を挟んだ8mm以上の範囲を分析し、板厚中心部のC量=(製品分析値のC量)×(レーザICP分析C量の平均値/レーザICP分析C量の最大値)として算出した。
旧オーステナイト粒のアスペクト比は、板厚の中心部から採取した試料について光学顕微鏡観察をおこない、板厚方向と圧延方向での旧オーステナイト粒の切片を測定し、アスペクト比を求めた。1試料について10視野測定し、10個の測定値の平均を当該鋼板のアスペクト比とした。
M−A組織は、板厚中心部をそれぞれ透過型電子顕微鏡の倍率を10000倍として合計10視野観察し、各視野において求めた島状マルテンサイトが占める割合を算術平均して求めた。
表3に鋼板組織の観察結果を示す。なお、鋼の成分の含有量および組織が本発明で規定する範囲内の鋼板(試験No.1〜32)は、いずれもミクロ組織が主としてマルテンサイトとベイナイトの混合組織であった。
Figure 0005692002
表4に機械的特性の試験結果を示す。ここで、鋼材の母材強度の目標はTSで780MPa以上であり、母材靱性の目標はvE−60で47J以上である。また、y型溶接割れ試験における割れ防止のための予熱温度は50℃以下を目標とした。
Figure 0005692002
表4において、鋼の化学組成および組織等の要件が本発明で規定する範囲内にある試験No.1〜32(本発明鋼)は、いずれも母材の強度と靱性の目標をそれぞれ満足する。また、y型溶接割れ試験においても予熱温度は50℃以下となり目標値を上回る結果が得られた。
これに対して、試験No.33は、鋼の化学組成は本発明で規定する範囲内にあるが、板厚中心部におけるC含有量が本発明鋼の規定より外れるため、母材の靱性は目標に達していない。
試験No.34〜36および39は、鋼の化学組成は本発明で規定する範囲内にあるが、板厚中心部における旧オーステナイト粒のアスペクト比が本発明鋼の規定より外れるため、母材の強度および靱性の一方または両方が目標に達していない。
試験No.37、38および40は、鋼の化学組成は本発明で規定する範囲内にあるが、板厚中心部のM−A組織の面積率が本発明鋼の規定より外れるため、母材の強度および靱性の一方または両方が目標に達していない。
そして、試験No.X1〜X10は、鋼の化学組成が本発明鋼の規定より外れるため、母材の靱性が目標に達していない。
なお、上述したとおり、一部の鋼板(鋼No.8、16、X3)に関しては、SAE(Society of Automotive Engineers)J2334試験により耐食性を評価した。その結果、試験No.8および16については、Snを含有しているため、板厚減少量はともに0.1mm以下であり、高い耐食性を示した。しかし、試験No.X3については、Snが含有していないため、板厚減少量は0.8mmとなり耐食性は低かった。
本発明の鋼板はTSが780MPa以上、JIS Z 2202(1998)に記載の幅10mmのVノッチ試験片を用いた衝撃試験における−60℃での吸収エネルギー(vE−60)が47J以上で、しかも溶接施工時の予熱温度が50℃以下の低い温度であっても溶接割れを発生しないので、揚水型発電所の水圧鉄管や氷海域の海洋構造物など溶接鋼構造物の素材として好適である。また、製造の観点からも、本発明の鋼板は焼戻しなしに製造することができるので、比較的容易且つ廉価に高強度の鋼板を得ることができる。

Claims (4)

  1. 質量%で、C:0.02〜0.10%、Si:0.01〜0.2%、Mn:1.0〜2.0%、P:0.01%以下、S:0.002%以下、Cu:0.1〜0.5%、Ni:0.1〜1.0%、Cr:0.5〜1.5%、Nb:0.01〜0.05%、Ti:0.005〜0.03%、B:0.0005〜0.0025%、Al:0.03〜0.08%及びN:0.0005〜0.0050%を含有し、残部はFe及び不純物からなり、板厚中心部におけるCが0.10%以下、板厚中心部における旧オーステナイト粒のアスペクト比が2.0以上、板厚中心部におけるM−A組織が5.0%以下であることを特徴とする引張強度780MPa以上の高張力鋼板。
  2. Feの一部に代えて、質量%で、Mo:0.30%以下及びV:0.05%以下から選択される1種又は2種を含有することを特徴とする請求項1に記載の高張力鋼板。
  3. Feの一部に代えて、質量%で、Sn:0.50%以下を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の高張力鋼板。
  4. 請求項1から3までのいずれかに記載の化学組成を有するスラブを、1000〜1180℃の温度域に加熱し、900℃以下の温度域で累積圧下率50%以上の熱間圧延をし、700℃以上の温度で圧延を終了し、650℃以上の温度域から水冷を開始し、5℃/sec以上の冷却速度で水冷し、鋼板の表面温度が150℃以下の温度域で水冷を停止するとともに、鋼板表面における復熱温度を150℃以上400℃以下とすることを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の高張力鋼板の製造方法。
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