JP5691040B2 - 調湿システム及びその運用監視方法 - Google Patents

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Description

本発明は、塩化リチウム(LiCl)等の吸湿性液体を用いて調湿を行う湿式の調湿装置を含む調湿システムに関する。
従来から、塩化リチウム等の吸湿性液体を空気に接触させて空気の調湿を行う湿式調湿装置が知られている。吸湿性液体は、溶液濃度が高いほど、また、温度が低いほど、その飽和蒸気圧が低くなり、水分を吸収しやすくなる。逆に、吸湿性液体は、溶液濃度が低いほど、また、温度が高いほど、その飽和蒸気圧が高くなり、水分が脱離しやすくなる。吸湿性液体を用いた湿式の調湿装置は、吸湿性液体の上記の性質を利用して、空気中の水分を吸湿性液体に吸収させて空気を除湿し、逆に吸湿性液体の水分を空気に放出して空気を加湿する。
湿式調湿装置は、空気を取り込んでその湿度を調整して調湿対象空間に給気する処理機(室内機)と、処理機が空気の湿度を調整する過程で希釈化または濃縮された吸湿性液体を適正な濃度に再生する再生機(室外機)とを含んで構成される。処理機は、内蔵するメディアにおいて取り込んだ空気と吸湿性液体とを接触させることにより、湿度を調整する。再生機は、吸湿性液体に水を補充することで、吸湿性液体を希釈化し、吸湿性液体を加熱することで水分を外部に放出して、吸湿性液体を濃縮する。
湿式調湿装置を用いて除湿処理を行う場合には、処理機にて空気を取り込んで高濃度・低温の吸湿性液体と接触させることで、空気中の水分を吸湿性液体に吸収させて空気を除湿・冷却して、調湿対象空間に供給する。このような空気の除湿・冷却に伴って、吸湿性液体は空気中の水分を吸収して希釈化され、温度が高くなる。希釈化され、高温となった吸湿性液体は、再生のために処理機から再生機に送られる。再生機では、この希釈化された吸湿性液体から水分を放出させることで、吸湿性液体を再び高濃度にする。このように再生機で再生(濃縮)された吸湿性液体は、冷却されて、再び処理機に戻される。
湿式調湿装置を用いて加湿処理を行う場合には、処理機にて空気を取り込んで低濃度・高温の吸湿性液体と接触させることで、吸湿性液体から空気中に水分を放出させて空気を加湿・加熱して調湿対象空間に供給する。このような空気の加湿・加熱に伴って、吸湿性液体は空気中に水分を放出して濃縮され、温度が低くなる。濃縮され、低温となった吸湿性液体は、再生のために処理機から再生機に送られる。再生機では、この濃縮された吸湿性液体に給水をすることで、吸湿性液体を再び低濃度にする。このように再生機で再生(希釈化)された吸湿性液体は、加熱されて、再び処理機に戻される。
空気が高温多湿である場合(日本では一般的に夏)は、湿式調湿装置を用いて、空気と冷却された吸湿性液体とを接触させることで、除湿かつ冷却された空気を調湿対象空間に供給する。空気が低温低湿である場合(日本では一般的に冬)は、湿式調湿装置を用いて、空気と加熱された吸湿性液体とを接触させることで、加湿かつ加熱された空気を調湿対象空間に供給する。
このように、吸湿性液体を用いた湿式調湿装置は、その圧倒的な調湿能力によって、従来の空調装置のように、調湿対象空間に空気を供給するとともにその調湿対象空間の空気(還気ないしはリターンエアー)を取り込んで調湿を行うという循環式ではなく、調湿対象空間の外の空気(外気)を取り込んで所望の湿度として調湿対象空間に供給するという押し込み換気ができる。
このように、湿式の調湿装置は、外部の新鮮な空気を供給できるというメリットがあり、清潔な空気を必要とする空間(例えば、病院、介護施設、スーパー、食品工場、農作物屋内栽培施設等)の調湿に適している。また、調湿対象空間に人や動物等の生物がいると、それらの生物が活動することによって空気中の酸素が消費され、空気中に二酸化炭素が放出され、二酸化炭素濃度が上昇してくるが、湿式調湿装置の押し込み換気によって、外気を供給することで、二酸化炭素濃度の上昇も抑えられる。さらに、調湿対象空間に外気を給気するので、排気とのバランスを調整することで、調湿対象空間を正圧にして隙間風の進入を防ぐこともできる。
一般的に、湿度が低いと熱の発散が促進されて、体感する暑さが和らぐことが知られている。よって、高温多湿の場合は、除湿を行うが、上述のように、湿式調湿装置では、除湿を行なう際に、外気を冷却された吸湿性液体と接触させるので、外気の温度を下げて、調湿対象空間に供給できる。このように、湿式調湿装置は、潜熱(湿度)の調整による体感温度の低下の効果と、供給される空気の顕熱(温度)の低下の効果によって、高温多湿の環境を改善して快適な空間を提供できる。
逆に、湿度が高いと熱の発散が抑制されて体感する寒さが和らぐので、低温低湿の場合は、調湿装置によって加湿を行なう。上述のように、湿式調湿装置は、加湿の際には、外気を加熱された吸湿性液体と接触させるので、外気の温度が上昇する。このように、湿式調湿装置は、潜熱(湿度)の調整による効果と顕熱(温度)の調整による効果によって、低温低湿の環境を快適な空間に改善できる。
但し、湿式調湿装置において、温度の調整は予備的なものであり、その主とする機能は調湿(除湿及び加湿)であるので、必要に応じて従来の空調装置を併用して冷房又は暖房を行なう必要がある。換言すれば、湿式調湿装置は、調湿を行なうとともに、従来の空調装置による冷房又は暖房の負荷を軽減できる。
また、例えば、スーパーなどでは、商品への霜付きを防ぐために、従来の空調装置では、過度に空気を冷却するとともに、除湿を目的として店舗内の空気を大風量の送風機により混合させるので、この結果、客に対して冷たい風が吹き付けることもあった。これに対して、上記の湿式調湿装置を導入して湿度を最適化することにより、温度をやや高めに設定しても快適な状態が保たれ、商品への霜付きを防止できるとともに、冷えすぎることもなくなる。また、湿式調湿装置によって供給される空気の湿度は、水蒸気分圧差の原理によって、極めて高速度で空間内に伝播して冷気を拡散希釈するので、大容量の送風は不要となる。
本願に関連する先行技術として、以下の文献がある。
特開2011−64359号公報
上記のように、湿式調湿装置は、湿度の調整のほかにも、温度の調整(空調装置の補助)、押し込み換気、霜付きの防止等の様々な作用効果があるが、所望の作用効果を得るためには、温度及び湿度に応じた運転パラメータの最適な設定だけでなく、調湿対象空間の密閉や排気の方法、同時に利用する空調装置の運転状況等を含む最適な運用が求められる。
特に、上述のように、湿式調湿装置によって供給される空気の湿度は、水蒸気分圧差の原理によって、極めて高速度で空間内に伝播し、1つの給気口から調湿された空気を供給することで、大容量の空間の調湿を行なうことができる。しかしながら、このことは、逆に、広い空間の中に1箇所でも外気と連通しているところがあれば、調湿の効果が激減してしまうことを意味する。
通常の空調装置であれば、各部屋に空調装置が設置され、又は各部屋に給気口があるので、例えば冷房を行う場合には、各部屋において、冷却が足りないと感じれば、その部屋の窓が開いていないかを確認して閉める等の対策ができる。しかしながら、湿式調湿装置では、1つの給気口からの給気で大容量の調湿対象空間の調湿を行なうことができるので、仮にそのような調湿対象空間の一部に外気と連通しているところがあっても、そのことに気づかず、又は調湿効果が足りないと感じた場合にも、どこに原因があるのかを突き止めることは容易ではない。
また、湿度や温度等の体感できる空気の状態については、調整効果の過不足をある程度は感じることができるが、空気の圧力や空気中の二酸化炭素濃度は体感することは困難であり、それらが所望の状態になっていないとしても、ユーザが気づかないことがある。例えば、調湿対象空間が適切に密閉されていて、所望の調湿効果が得られているとしても、調湿対象空間に多くの人がいることで、二酸化炭素濃度が上がり過ぎることがあるが、このような二酸化炭素濃度の上昇を感じ取ることは困難である。
そこで、本発明は、湿式調湿装置を適切に運用し、又は調湿装置の適切な運用を支援することを目的とする。
本発明の調湿システムは、外気を取り込んで、取り込んだ外気を吸湿性液体と接触させて、調湿された空気を調湿対象空間に給気する外気処理機と、前記外気処理機にて使用された前記吸湿性液体の濃度を調整することで、前記吸湿性液体を再生する溶液再生機とを含む湿式調湿装置と、前記湿式調湿装置における運転パラメータを設定して、該運転パラメータで運転するよう前記湿式調湿装置を制御する調湿制御装置と、前記調湿対象空間の空気の状態を検出する室内センサと、前記室内センサにて検出された空気の状態の検出値に基づいて、前記湿式調湿装置の運用の改善が必要な状況を検知する監視装置とを備えた構成を有している。
この構成によれば、湿式調湿装置が正常に作動しているにもかかわらず、極端な低湿である(調湿対象空間の一部に外気と連通しているところがある可能性がある)場合、極端に低温である(湿式調湿装置による冷房補助の効果を利用せずに空調を過度に行っている可能性がある)場合、湿度は適切であるが二酸化炭素濃度が極端に高い(調湿対象空間に人が極端に多くおり、換気量が足りない可能性がある)場合等の、湿式調湿装置の運用が適切に行なわれておらず、その運用の改善が必要な状況を検知できる。
上記の調湿システムにおいて、前記監視装置は、前記湿式調湿装置、前記調湿制御装置、及び前記室内センサとは離れた遠隔地にあり、通信回線を介して前記空気の状態の検出値を受信してよい。
この構成によれば、遠隔地おいて、調湿システムが適切に運用されているかを検知でき、サービスマンがユーザ側に出向いて確認する必要がなくなる。
上記の調湿システムにおいて、前記監視装置は、前記調湿制御装置に組み込まれていてよい。
この構成によれば、ユーザ側で調湿システムが適切に運用されていないことを知ることができ、ユーザが自ら運用を改善できる。
また、上記の調湿システムにおいて、前記監視装置は、さらに前記運転パラメータに基づいて、前記湿式調湿装置の運用の改善が必要な状況を検知してよい。
この構成によれば、運転パラメータに基づいて得られるであろう調湿対象空間の空気の状態と室内センサにて検出された実際の調湿対象空間の空気の状態とを比較することで、湿式調湿装置の運用の改善が必要な状況を検知できる。
また、上記の調湿システムにおいて、前記外気処理機に取り込まれる前記外気の状態を検出する外気センサをさらに備えていてよく、前記監視装置は、さらに前記外気センサにて検出された外気の状態の検出値に基づいて、前記湿式調湿装置の運用の改善が必要な状況を検知してよい。
この構成によれば、外気の状態と運転パラメータとの関係から、当該運転パラメータにて得られるであろう調湿対象空間の空気の状態を求めることができ、それを室内センサにて検出された実際の調湿対象空間の空気の状態と比較することで、湿式調湿装置の運用の改善が必要な状況を検知できる。
また、上記の調湿システムにおいて、前記監視装置は、前記湿式調湿装置の運用の改善が必要な状況を検知したときに、前記調湿制御装置に対して、前記湿式調湿装置の運用を改善する運転パラメータを指定してよく、前記調湿制御装置は、前記監視装置によって指定された運転パラメータを前記湿式調湿装置に設定してよい。
この構成によれば、湿式調湿装置の運用が、遠隔的な制御によって、自動的に改善される。
本発明の別の態様の調湿システムは、外気を取り込んで、取り込んだ外気を吸湿性液体と接触させて、調湿された空気を調湿対象空間に給気する外気処理機と、前記外気処理機にて使用された前記吸湿性液体の濃度を調整することで、前記吸湿性液体を再生する溶液再生機とを含む湿式調湿装置と、前記湿式調湿装置における運転パラメータを設定して、該運転パラメータで運転するよう前記湿式調湿装置を制御する調湿制御装置と、前記調湿対象空間の空気の状態を検出する室内センサと、前記室内センサにて検出された空気の状態の検出値の履歴を記録する履歴記録装置とを備えた構成を有している。
この構成によれば、履歴を参照することで、湿式調湿装置が作動しているにもかかわらず極端な低湿である等の、湿式調湿装置の運用が適切に行なわれておらず、その運用の改善が必要な状況を検知できる。
上記の調湿システムにおいて、前記室内センサが検出する調湿対象空間の空気の状態は、前記調湿対象空間の空気の湿度、前記調湿対象空間の空気の圧力、前記調湿対象空間の空気の温度、及び/又は前記調湿対象空間の空気中の二酸化炭素濃度であってよい。
調湿対象空間の空気の湿度を検出することで、例えば調湿対象空間の一部に外気と連通している等の、改善が必要な状況を検知できる。調湿対象空間の空気の圧力を検出することで、例えば調湿対象空間の一部に外気と連通している等の、改善が必要な状況を検知できる。調湿対象空間の空気の温度を検出することで、例えば調湿対象空間において湿式調湿装置による空調装置による冷房補助のメリットを有効に活用していない等の、改善が必要な状況を検知できる。調湿対象空間の空気中の二酸化炭素濃度を検出することで、例えば人が多すぎて押し込み換気による二酸化炭素濃度の調整が十分にできていない等の、改善が必要な状況を検知できる。
上記の調湿システムにおいて、前記空気の状態は、前記調湿対象空間の空気の湿度及び前記調湿対象空間の空気中の二酸化炭素濃度であってよく、前記監視装置は、前記室内センサにて検出された空気の湿度の検出値が正常であり、かつ、前記室内センサにて検出された空気中の二酸化炭素濃度の検出値が所定の閾値より高いと判断した場合に、前記調湿制御装置に対して、前記湿式調湿装置の調湿能力を維持し、かつ、調湿された空気の前記調湿対象空間への給気量を増加させるよう、前記運転パラメータを指定してよく、前記調湿制御装置は、前記監視装置によって指定された運転パラメータを前記湿式調湿装置に設定してよい。
この構成によれば、湿度は正常であるが二酸化炭素濃度が異常に高い状況、すなわち、密閉された調湿対象空間に多くの人がおり、湿式調湿装置の押し込み換気による二酸化炭素濃度の調整が不十分である状況を検知して、その状況を改善できる。
本発明の別の態様は、外気を取り込んで、取り込んだ外気を吸湿性液体と接触させて、調湿された空気を調湿対象空間に給気する外気処理機と、前記外気処理機にて使用された前記吸湿性液体の濃度を調整することで、前記吸湿性液体を再生する溶液再生機とを含む湿式調湿装置と、前記湿式調湿装置における運転パラメータを設定して、該運転パラメータで運転するよう前記湿式調湿装置を制御する調湿制御装置とを備えた調湿システムにおける前記湿式調湿装置の運用監視方法であって、前記調湿対象空間の空気の状態を検出する室内センシングステップと、前記室内センシングステップにて検出された空気の状態の検出値に基づいて、前記湿式調湿装置の運用の改善が必要な状況を検知する監視ステップとを含んでいる。
この構成によれば、湿式調湿装置が作動しているにもかかわらず極端な低湿である場合等の、湿式調湿装置の運用が適切に行なわれておらず、その運用の改善が必要な状況を検知できる。
本発明の別の態様は、外気を取り込んで、取り込んだ外気を吸湿性液体と接触させて、調湿された空気を調湿対象空間に給気する外気処理機と、前記外気処理機にて使用された前記吸湿性液体の濃度を調整することで、前記吸湿性液体を再生する溶液再生機とを含む湿式調湿装置と、前記湿式調湿装置における運転パラメータを設定して、該運転パラメータで運転するよう前記湿式調湿装置を制御する調湿制御装置とを備えた調湿システムにおける前記湿式調湿装置の運用監視方法であって、前記調湿対象空間の空気の状態を検出する室内センシングステップと、前記室内センサにて検出された空気の状態の検出値の履歴を記録する履歴記録ステップとを含んでいる。
この構成によれば、履歴を参照することで、湿式調湿装置が作動しているにもかかわらず極端な低湿である等の、湿式調湿装置の運用が適切に行なわれておらず、その運用の改善が必要な状況を検知できる。
本発明によれば、湿式調湿装置が作動しているにもかかわらず極端な低湿である等の、湿式調湿装置の運用が適切に行なわれておらず、その運用の改善が必要な状況を検知できる。
本発明の実施の形態の調湿システムの構成を示す図 本発明の実施の形態の湿式調湿装置の構成を示す図
以下、本発明の実施の形態の調湿システムについて図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態の調湿システムの構成を示す図である。
調湿システム100は、外気処理機111と、溶液再生機112とを含む湿式調湿装置110を備えている。調湿システム100は、さらに、湿式調湿装置110を制御する調湿制御装置120を備えている。調湿制御装置120は、湿式調湿装置110の運転パラメータを設定して、湿式調湿装置110を制御する。湿式調湿装置110は、調湿制御装置120によって設定された運転パラメータに従って、外気の調湿及び溶液の再生を行なう。
まず、湿式調湿装置110の構成を説明する。図2は、本発明の実施の形態の湿式調湿装置の構成を示す図である。湿式調湿装置110は、外気処理機111及び溶液再生機112を備えている。外気処理機111は、外気を取り込んで、取り込んだ空気を吸湿性液体Lと接触させることにより調湿を行い、調湿された空気を調湿対象空間に供給する。溶液再生機112は、外気処理機111で調湿に用いられた吸湿性液体Lの再生を行う。
ここで、吸湿性液体Lの再生とは、調湿を行うことによって濃度の変化した吸湿性液体Lの濃度を、調湿に用いる前の状態に戻すことをいう。例えば、外気処理機111で除湿を行う場合には、溶液濃度の高い吸湿性液体Lを冷却し、冷却した吸湿性液体Lと空気を接触させることにより、吸湿性液体Lによって空気中の水分を吸収する。この処理によって吸湿性液体Lに水分が吸収されるので、吸湿性液体Lの溶液濃度は低くなる。溶液濃度が低い吸湿性液体Lでは十分な除湿を行えないので、溶液再生機112では、吸湿性液体Lから水分を脱離することによって、溶液濃度の高い吸湿性液体Lに戻す。なお、加湿の場合は、逆に、外気処理機111での加湿処理によって吸湿性液体Lの溶液濃度が高くなるので、溶液再生機112では吸湿性液体Lに水分を吸収させることによって溶液濃度の低い吸湿性液体Lに戻す。
本実施の形態では、吸湿性液体Lとして、塩化リチウム(LiCl)を用いる。なお、吸湿性液体としては、塩化リチウムに限らず、食塩水などの潮解性を有する塩の溶液や、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの吸湿性の高い多価アルコール、その他の吸湿性を有する安価な液体を用いてもよい。
外気処理機111は、室内に調湿された空気を給気する室内機であり、溶液再生機112は外気との間で水分の授受を行うことにより吸湿性液体Lを再生する室外機である。図2では、一の外気処理機111に対して一の溶液再生機112が接続された例を示しているが、複数の外気処理機111に対して一の溶液再生機112を接続する構成としてもよい。例えば、集合住宅や大型スーパー等に湿式調湿装置110を設置する場合には、各フロアに外気処理機111を設置し、各外気処理機111と接続された一の溶液再生機112を外部に設置する態様とすることもできる。
外気処理機111と溶液再生機112は、第1の吸湿液管路50および第2の吸湿液管路51によって接続されている。第1の吸湿液管路50は、外気処理機111から溶液再生機112へ吸湿性液体Lを送るための管路であり、第2の吸湿液管路51は、溶液再生機112から外気処理機111へ吸湿性液体Lを送るための管路である。第1の吸湿液管路50、第2の吸湿液管路51を用いて、外気処理機111と溶液再生機112との間で吸湿性液体Lを循環させることにより、外気処理機111にて用いた吸湿性液体Lを溶液再生機112にて再生し、外気処理機111に戻すことができる。
次に、外気処理機111の構成について説明する。外気処理機111は、吸気口12と排気口13とを有する筐体11を備えている。吸気口12は、必要に応じてダクトを介して、外気に解放されており、排気口13は必要に応じてダクトを介して、調湿対象空間に解放されている。筐体11は、空気の調湿処理を行う処理空間を形成している。排気口13は、排気用のファン14を有しており、処理空間内の空気を強制的に排気する。また、処理空間内から空気を排出することにより、処理空間内が外部に対して負圧となり、外気が吸気口12を通じて筐体11内に取り込まれる。
筐体11内には、吸湿性液体供給部15と、熱交換コイル16と、液槽17とを有する。吸湿性液体供給部15は、吸湿性液体Lを滴下する吸湿性液体供給口として、複数のノズルを有している。複数のノズルから吸湿性液体Lを滴下することにより、熱交換コイル16に吸湿性液体Lを供給する。
熱交換コイル16は、吸湿性液体供給部15から供給された吸湿性液体Lを一時的に滞留させる。熱交換コイル16には、吸気口12から取り込まれた空気が吸気口12に対抗する側面(図2の右側面)から供給される(図2において、矢印は、空気の流れを示す)。これにより、上方から供給される吸湿性液体Lと右側面から供給される空気とが熱交換コイル16内で接触し、吸湿性液体Lと空気との間で水分の授受が行なわれる。
熱交換コイル16は、ヒートポンプ21の熱交換器を構成している。ここでヒートポンプ21の構成について説明する。ヒートポンプ21は、外気処理機111の熱交換コイル16と、溶液再生機112の熱交換コイル36と、圧縮機22と、膨張弁23と、これらをつなぐ冷媒管24とを備えている。ヒートポンプ21は、冷媒の流れを逆転させることにより、熱交換コイル16を蒸発器、あるいは、凝縮器として機能させることができる。熱交換コイル36は、熱交換コイル16とは逆の処理を行う。
熱交換コイル16は、吸湿性液体供給部15から供給された吸湿性液体Lを一時的に滞留させると共に、滞留する吸湿性液体Lと熱交換コイル16を通る空気を加熱または冷却する。吸湿性液体Lを加熱するか冷却するかは、外気処理機111によって空気を加湿するか除湿するかによる。すなわち、外気処理機111が加湿を行う場合には、吸湿性液体Lに含まれた水分を脱離させ、空気中に含ませるために吸湿性液体Lおよび空気を加熱する。逆に、外気処理機111が除湿を行う場合には、空気中の水分を吸湿性液体Lに吸収させやすくするために吸湿性液体Lおよび空気を冷却する。
液槽17には、熱交換コイル16から落下した吸収性液体Lが溜められる。外気処理機111は、液槽17内の吸湿性液体Lを吸湿性液体供給部12に供給するための管18を有している。管18にはポンプ19が取り付けられており、液槽17内の吸湿性液体Lを吸い上げる。
液槽17内の吸湿性液体Lを溶液再生機112に送るための第1の吸湿液管路50は、液槽17から吸湿性液体Lを吸い上げるための管18に三方バルブ20を介して接続されている。三方バルブ20は、外気処理機111の吸湿性液体供給部15に送る吸湿性液体Lの量と第1の吸湿液管路50を通じて溶液再生機112に送る吸湿性液体Lの量を制御する。すなわち、液槽17に溜められた吸湿性液体Lは、一部がポンプ19によってくみ上げられて管18に流れて再利用され、一部はポンプ52によって第1の吸湿液管路50に流れて再生される。
次に、溶液再生機112について説明する。溶液再生機112は、吸気口32と排気口33とを有する筐体31を備えている。吸気口32及び排気口33は、いずれも外気に対して解放されている。筐体31は、吸湿性液体Lの再生処理を行う処理空間を形成している。
溶液再生機112は、排気用のファン34を有しており、筐体31内の空気を強制的に排気する。また、筐体31内から空気を排気することにより、外気が吸気口32を通じて筐体31内に取り込まれる。
筐体31内には、吸湿性液体Lを供給する吸湿性液体供給部35と、吸湿性液体Lを一時的に滞留させる熱交換コイル36と、熱交換コイル36を通った吸収性液体Lを入れる液槽37とを有する。吸湿性液体供給部35は、外気処理機111から送られてきた吸湿性液体Lを供給する第1の供給部35aと、液槽37内の吸湿性液体Lを供給する第2の供給部35bとを有している。第1の供給部35a、第2の供給部35bはいずれも、吸湿性液体Lを滴下する吸湿性液体供給口としての複数のノズルを有している。熱交換コイル36は、外気処理機111が有する熱交換コイル16と同じ構成を有している。熱交換コイル36は、ヒートポンプ21の熱交換器を構成している。
溶液再生機112は、液槽37内の吸湿性液体Lを第2の供給部35bに供給するための管38を有している。管38にはポンプ39が取り付けられており、液槽37内の吸湿性液体Lを吸い上げる。また、この管38には、加熱源40が取り付けられており、液槽37から吸い上げた吸湿性液体Lを加熱する。第2の供給部35bは、液槽37から吸い上げられた吸湿性液体Lを滴下し、熱交換コイル36において吸湿性液体Lに空気を通すことにより再生処理を行う。このように管38を用いて液槽37内の吸湿性液体Lを循環させることにより、溶液再生機112は、吸湿性液体Lの再生処理を繰り返し行う。
また、溶液再生機112は、液槽37に給水を行う給水管41を有する。給水管41上には、バルブ42が設けられており、バルブ42によって給水の制御を行う。
液槽37には、第2の吸湿液管路51が接続されている。液槽37の吸湿性液体Lは、第2の吸湿液管路51を通じて外気処理機111に戻る。溶液再生機112から外気処理機111に戻る吸湿性液体Lの量は、バルブ53によって調整される。本実施の形態では、バルブ53は、液槽37内の吸湿性液体Lの液面の高さが一定になるように、外気処理機111へ戻す吸湿性液体Lの量を制御する。溶液再生機112のその他の構成は、外気処理機111と同じである。
湿式調湿装置110は、第1の吸湿液管路50と第2の吸湿液管路51との間で熱交換を行う熱交換器54を有している。この熱交換器54は、外気処理機111における再冷却の負荷および溶液再生機112における再加熱の負荷の軽減に寄与する。
以下、除湿処理を例として、湿式調湿装置110の動作を詳しく説明する。以下に説明する動作は、湿式調湿装置110が調湿制御装置120によって設定された運転パラメータに従って運転することで実現する。
調湿システム100にて除湿を行う場合には、ヒートポンプ21は、熱交換コイル16を蒸発器、熱交換コイル36を凝縮器として機能させる。外気処理機111の液槽17には、溶液濃度の高い吸湿性液体Lが入っている。
外気処理機111は、液槽17から溶液濃度の高い吸湿性液体Lを吸い上げて、吸湿性液体供給部15に供給する。吸湿性液体供給部15では、吸湿性液体Lを複数のノズルから滴下する。滴下された吸湿性液体Lは、熱交換コイル16に一時的に滞留する。
外気処理機111は、上記の動作と同時に、ファン14を作動させることにより、吸気口12から外気を取り込み、取り込んだ外気を熱交換コイル16に下方から供給する。熱交換コイル16に滞留した溶液濃度の高い吸湿性液体Lと空気とが接触し、空気中の水分が吸湿性液体Lに吸収される。また、熱交換コイル16は、蒸発器として機能しているので、熱交換コイル16によって吸湿性液体Lおよび空気が冷却される。吸湿性液体Lは冷却されることにより、空気中の水分を吸収しやすくなる。また、空気が冷却されると、空気の飽和水蒸気量が減少するので、空気中の水分は吸湿性液体にいっそう吸収されやすくなる。
外気処理機111は、上述のようにして、熱交換コイル16を通った吸湿性液体Lを液槽17にて回収する。外気処理機111は、液槽17の吸湿性液体Lを管18によって吸い上げ、吸湿性液体供給部15から再び吸湿性液体Lを供給する。このように液槽17に入れられた吸湿性液体Lを循環させることにより、吸湿性液体Lを効率的に利用して調湿を行うことができる。
外気処理機111が除湿動作を継続して行うと、吸湿性液体Lは希釈されて、空気中の水分を吸収しにくくなるので、吸湿性液体Lを溶液再生機112によって再生する。調湿システム100は、外気処理機111の液槽17から吸い出した吸湿性液体Lのうちの一部を第1の吸湿液管路50を通じて溶液再生機112に送る。溶液再生機112に送る吸湿性液体Lの量は、三方バルブ20によって調節する。
溶液再生機112は、第1の吸湿液管路50から供給される溶液濃度の低くなった吸湿性液体Lを再生処理する。具体的には、溶液再生機112は、第1の吸湿液管路50を通じて供給された吸湿性液体Lを第1の供給部35aから滴下する。滴下された吸湿性液体Lは、熱交換器36に一時的に滞留される。
溶液再生機112は、上記の動作と同時に、ファン34を作動させることにより、外気を取り込み、取り込んだ外気を熱交換コイル36に下方から供給する。熱交換コイル36に滞留した溶液濃度の低い吸湿性液体Lと空気とが接触するため、吸湿性液体Lの水分が空気中に逃げる。また、熱交換コイル36は、凝縮器として機能しているので、熱交換コイル36によって吸湿性液体Lおよび空気が加熱される。吸湿性液体Lは加熱されることにより、吸湿性液体L中の水分が空気中に脱離しやすくなる。また、空気が加熱されると、空気の飽和水蒸気量が増加するので、吸湿性液体L中の水分はいっそう脱離しやすくなる。
溶液再生機112は、熱交換コイル36を通った吸湿性液体Lを、吸収材47を介して液槽37にて回収する。溶液再生機112は、液槽37に入った吸湿性液体Lを管38によって吸い上げる。管38を通じて吸い上げられる吸湿性液体Lは、加熱源40によって加熱される。溶液再生機112は、加熱された吸湿性液体Lを吸湿性液体供給部35bから供給する。このように加熱源40によって加熱されることにより、吸湿性液体Lは、水分がさらに脱離しやすい状態となり、効率的に吸湿性液体Lを再生できる。熱交換コイル36と液槽37との間で吸湿性液体Lが循環することにより、徐々に吸湿性液体Lの濃度が高くなっていく。
再生処理が行われた液槽37内の吸湿性液体Lは、第2の吸湿液管路51を通って外気処理機111に戻る。吸湿性液体Lは、外気処理機111に戻る途中で、熱交換器54によって、溶液再生機112に向かう吸湿性液体Lと熱交換が行われ、吸湿性液体Lの温度が低下する。以上、本実施の形態の調湿システム100の除湿の動作について説明した。
上記では、湿式調湿装置110の除湿の動作について説明したが、加湿の動作を行う場合には、外気処理機111と溶液再生機112の役割を入れ替えればよい。具体的には、ヒートポンプ21の熱交換コイル16を凝縮器とし、熱交換コイル36を蒸発器として作動させる。なお、加湿動作における吸湿性液体Lの再生処理としては、バルブ42を開いて給水手段41から水を供給してもよい。
次に、再び図1を参照して、本実施の形態の調湿システム100の構成を説明する。調湿システム100は、上記で説明した湿式調湿装置110及び調湿制御装置120の他に、調湿制御装置120の操作部130、室内湿度センサ140、外気湿度センサ150、履歴記録装置160、遠隔監視制御装置170、及び遠隔監視制御装置170の操作部180を備えている。
操作部130、室内湿度センサ140及び外気湿度センサ150は、調湿制御装置120に接続されている。操作部130は、例えば液晶タッチパネルからなる。ユーザは、操作部130に対して、目標とする湿度等を設定できる。室内湿度センサ140は、調湿対象空間の空気の湿度を検出する。外気湿度センサ150は、外気、特に外気処理機111によって取り込まれる外気の湿度を検出する。室内湿度センサ140は、調湿対象空間の空気の状態として調湿対象空間の空気の湿度を検出するものであり、本発明の室内センサに該当する。外気湿度センサ150は、外気の状態として外気の湿度を検出するものであり、本発明の外気センサに該当する。
調湿制御装置120において、運転パラメータは、操作部130による操作と、室内湿度センサ140及び外気湿度センサ150の検出値に基づいて設定される。例えば、操作部130にて所定の目標湿度への加湿処理が指示されると、調湿制御装置120は、外気湿度センサ150が検出した湿度に基づいて、湿式調湿装置110における運転パラメータを設定する。具体的には、例えば、加湿処理が指示された場合において、外気の湿度が高いときは、湿式調湿装置110における調湿能力を高くするよう運転パラメータを設定する。
また、調湿制御装置120は、室内湿度センサ140が検出した調湿対象空間の湿度に基づいてフィードバック制御を行うことにより、随時運転パラメータを調整する。すなわち、運転に伴って調湿対象空間の湿度が目標湿度に近づくと、湿式調湿装置110の調湿能力を低くするよう運転パラメータを設定する。このような操作部130の操作情報(指示された目標湿度の情報等)、調湿制御装置120における運転パラメータ、並びに室内湿度センサ140及び外気湿度センサ150の検出値は、履歴(ログ)として、保守・管理のために履歴記録装置160によって記録される。
以上の構成は、湿式調湿装置110が設置される場所、例えば、病院、農作物栽培施設等(以下、「ユーザ側」という。)に設置される。調湿システム100は、さらに、遠隔監視制御装置170と、その操作部180とを備えている。遠隔監視制御装置170及びその操作部180は、ユーザ側とは異なる場所、例えば管理センター(以下、「監視側」という。)に設置される。遠隔監視制御装置170は、通信回線を介して調湿制御装置120及び履歴記録装置160に接続されている。
履歴記録装置160は、記録した履歴を適宜遠隔監視制御装置170に送信する。遠隔監視制御装置170は、履歴記録装置160から履歴を受信して、湿式調湿装置110の運用状況を監視する。遠隔監視制御装置170では、履歴に基づいて、運用の改善が必要な状況を検知する。遠隔監視制御装置170は、本発明の監視装置に該当する。
遠隔監視制御装置170と調湿制御装置120及び履歴記録装置160との間の通信には、インターネットを介して専用回線を実現するインターネットVPN(Virtual Private Network)を用いる。後述のように、遠隔監視制御装置170は、調湿制御装置120を介して湿式調湿装置110の運転を制御することも可能である。一方、湿式調湿装置110では、調湿効果のほか、押し込み換気による空室対象空間の圧力調整、二酸化炭素濃度調整の効果を得るために用いられることがある。
このような押し込み換気のための制御情報は、利用環境によっては(例えば病院で用いられる場合など)、人の健康にも影響する機密性の高い情報である。一方で、ユーザ側と監視側との間に専用線を設けるとすれば、コストが高くなる。そこで、本実施の形態の調湿システム100では、ユーザ側と監視側との間の通信をインターネットVPNで行うことにより、低コストと高機密性を実現する。
遠隔監視制御装置170は、例えば、外気湿度センサ150が検出した外気の湿度に対して調湿制御装置120が相応の運転パラメータを設定しているにもかかわらず室内湿度センサ140にて検出された調湿対象空間の湿度が目標湿度になかなか近づいていない状況を、運用の改善が必要な状況として検知する。すなわち、遠隔監視制御装置170は、外気湿度センサ150が検出した外気の温度及び湿度、並びに運転パラメータに基づいて得られるであろう調湿対象空間の湿度と、室内湿度センサ140が検出した実際の湿度とを比較して、運転開始から所定の時間が経過した後にも両者の差が所定値以下にならない場合に、その状況を運用の改善が必要な状況であると判断する。
この場合には、調湿対象空間が外気と連通している可能性がある。遠隔監視制御装置170にて運用の改善が必要な状況が検知された場合には、管理センターのオペレータが湿式調湿装置110を設置しているユーザに連絡をして運用の改善(例えば窓を閉める等)を促すことができる。
遠隔監視制御装置170は、調湿制御装置120に対して直接運転パラメータの設定を指示することで、調湿制御装置120を制御することもできる。この場合には、遠隔監視制御装置170は、監視側のユーザによって操作部180にて入力された指示に基づいて、調湿制御装置120を制御する。上述の通り、調湿制御装置120の運転パラメータの設定は素人には分かり難いことを考慮して、監視側にて、例えば調湿対象空間の特性に応じて、季節ごとに、異なる運転パラメータを指示することができる。
また、遠隔監視制御装置170は、運用の改善が必要な状況を検知したときに、その状況を改善できる運転パラメータを求め、その運転パラメータを調湿制御装置120に対して指示してもよい。例えば、運転の開始から所定時間を経過しても、室内湿度センサ140により検知された湿度と、湿度の目標値(外気湿度センサ150が検出した外気の温度及び湿度、並びに運転パラメータに基づいて得られるであろう湿度)との差が所定の値より小さくならない場合には、遠隔監視制御装置170が除湿又は加湿の能力を上げる運転パラメータを求め、遠隔監視制御装置170から調湿制御装置120に運転パラメータを指示してよい。
さらに、遠隔監視制御装置170は、運用の改善が必要な状況を検知したときに、その旨を通知する電子メールを指定されたあて先に送信してもよい。電子メールのあて先は、ユーザ側の管理者、及び/又は監視側の保守・運用サポートのスタッフ(サービスマン)であってよい。
遠隔監視制御装置170はプログラムをインストールしたパーソナルコンピュータであってよく、操作部180はディスプレイ、キーボード、マウスであってよい。
以上のように、本実施の形態の調湿システム100によれば、室内湿度センサ140及び外気湿度センサ150の検出値、並びに調湿制御装置120にて設定される運転パラメータの履歴を記録して、この履歴に基づいて湿式調湿装置110の運用の改善が必要な状況を検知するので、調湿システム100が正しく運用されていない状態を検知できる。
なお、上記の実施の形態では、履歴記録装置160によって室内湿度センサ140及び外気センサ107の検出値及び調湿制御装置120の運転パラメータの履歴を記録したが、この履歴記録装置160を省略して、室内湿度センサ140及び外気センサ107の検出値及び調湿制御装置120の運転パラメータが直接遠隔監視制御装置170に送信されてもよい。
また、上記の実施の形態では、履歴記録装置160は、履歴を遠隔監視制御装置170に送信したが、この遠隔監視制御装置170を省略して、履歴記録装置160が単に履歴を記録するのみであってもよい。この場合には、保守・運用サポートのスタッフ(サービスマン)が、履歴記録装置160によって記録された履歴を確認することで、湿式調湿装置110の運用の改善を図ることができる。
さらに、上記の実施の形態では、本発明の監視装置としての遠隔監視制御装置170は、調湿制御装置120と通信回線を介して接続され、遠隔で湿式調湿装置110の運用状況を監視したが、本発明の監視装置は、調湿制御装置120に組み込まれてもよい。この場合には、上述の遠隔監視制御装置170の機能は、ユーザ側に備えられることになる。調湿制御装置120は、室内湿度センサ140及び外気湿度センサ150の検出値と自らが設定した運転パラメータとに基づいて、湿式調湿装置110の運用の改善が必要な状況を検知してもよい。なお、この場合に、ユーザ側にアラーム装置が設けられ、湿式調湿装置110の運用の改善が必要な状況が検知された場合に、アラーム装置によってアラームを出力してよい。
また、上記の実施の形態では、調湿制御装置120にて設定された運転パラメータと室内湿度センサ140及び外気湿度センサ150の検出値に基づいて、湿式調湿装置110の運用の改善が必要な状況を検知したが、調湿制御装置120にて設定された運転パラメータと室内湿度センサ140の検出値に基づいて、湿式調湿装置110の運用の改善が必要な状況を検知してよいし、室内湿度センサ140の検出値のみに基づいて湿式調湿装置110の運用の改善が必要な状況を検知してもよい。また、調湿制御装置120にて設定される運転パラメータには、室内湿度センサ140及び外気湿度センサ150の検出値が反映されているので、この運転パラメータのみに基づいて湿式調湿装置110の運用の改善が必要な状況を検知してよい。
また、上記の実施の形態では、湿式調湿装置110の運用の改善が必要な状況を検知するのに、調湿制御装置120にて設定された運転パラメータを用いたが、運転パラメータの代わりに、湿式調湿装置110における、空気の吸気量や排気量、吸湿性液体の流量、温度、濃度等の湿式調湿装置110の運転結果をセンサで検出して、それらの検出値に基づいて湿式調湿装置110の運用の改善が必要な状況を検知してよい。さらに、運転パラメータの代わりに、調湿制御装置120の操作部130に入力された目標湿度に基づいて、湿式調湿装置110の運用の改善が必要な状況を検知してもよい。
上記の実施の形態では、本発明の室内センサとして、調湿対象空間の湿度を検出する室内湿度センサ140を用いたが、本発明の室内センサとして、室内湿度センサ140に代えて、又は加えて、調湿対象空間の空気の圧力を検出する室内圧力センサ、調湿対象空間の空気の温度を検出する室内温度センサ、及び/又は調湿対象空間の空気中の二酸化炭素濃度を検出する室内二酸化炭素濃度センサを用いてもよい。
特に、本発明の室内センサとして、室内湿度センサ140に加えて室内二酸化炭素濃度センサを用いた場合には、遠隔監視制御装置170によって、以下のような監視及び制御を行うことができる。すなわち、遠隔監視制御装置170は、室内湿度センサ140にて検出された空気の湿度の検出値が正常であり、かつ、室内二酸化炭素濃度センサにて検出された空気中の二酸化炭素濃度の検出値が所定の閾値より高いと判断した場合に、調湿制御装置120に対して、湿式調湿装置110の調湿能力を維持し、かつ、調湿された空気の調湿対象空間への給気量を増加させるよう、運転パラメータを指定してよい。
本発明は、外気処理装置が作動しているにもかかわらず極端な高湿又は低湿である等の、湿式調湿装置の運用が適切に行なわれていない状態を検知できるという効果を有し、吸湿性液体を用いて調湿を行う湿式の調湿システム等として有用である。
11 筐体
12 吸気口
13 排気口
14 ファン
15 吸湿性液体供給部
16 熱交換コイル
17 液槽
18 管
19 ポンプ
20 三方バルブ
21 ヒートポンプ
22 圧縮機
23 膨張弁
24 冷媒管
31 筐体
32 吸気口
33 排気口
34 ファン
35 吸湿性液体供給部
36 熱交換コイル
37 液槽
38 管
39 ポンプ
40 加熱源
41 給水管
42 バルブ
50 第1の吸湿液管路
51 第2の吸湿液管路
52 ポンプ
53 バルブ
54 熱交換器
60 フレーム
110 調湿システム
110 湿式調湿装置
111 外気処理機
112 溶液再生機
120 調湿制御装置
130 操作部
140 室内センサ
150 外気センサ
160 履歴記録装置
170 遠隔監視制御装置
180 操作部

Claims (3)

  1. 外気を取り込んで、取り込んだ外気を吸湿性液体と接触させて、調湿された空気を調湿対象空間に給気することで押し込み換気を行う外気処理機と、前記外気処理機にて使用された前記吸湿性液体の濃度を調整することで、前記吸湿性液体を再生する溶液再生機とを含み、大容量の前記調湿対象空間の調湿をするのに適した湿式調湿装置と、
    前記湿式調湿装置における運転パラメータを設定して、該運転パラメータで運転するよう前記湿式調湿装置を制御する調湿制御装置と、
    前記調湿対象空間の湿度を検出する室内湿度センサと、
    前記調湿対象空間の二酸化炭素濃度を検出する室内二酸化炭素濃度センサと、
    通信回線を介して、前記室内湿度センサの前記湿度の検出値を受信し、前記室内二酸化炭素濃度センサの前記二酸化炭素濃度の検出値を受信し、受信した湿度の検出値が正常であり、かつ、受信した二酸化炭素濃度の検出値が所定の閾値より高い場合に、前記湿式調湿装置の調湿能力を維持し、かつ、調湿された空気の前記調湿対象空間への給気量を増加させるよう、前記調湿制御装置にて設定する前記運転パラメータを指定する監視装置と、
    を備え、
    前記監視装置は、前記湿式調湿装置、前記調湿制御装置、前記室内湿度センサ、及び前記室内二酸化炭素濃度センサとは離れた遠隔地にある
    ことを特徴とする調湿システム。
  2. 前記監視装置は、所定時間経過後にも、湿度の目標値と、前記室内湿度センサが検出した湿度との差が所定の閾値より小さくならない場合に、前記調湿対象空間が外気と連通している可能性があると判断することを特徴とする請求項1に記載の調湿システム。
  3. 外気を取り込んで、取り込んだ外気を吸湿性液体と接触させて、調湿された空気を調湿対象空間に給気することで押し込み換気を行う外気処理機と、前記外気処理機にて使用された前記吸湿性液体の濃度を調整することで、前記吸湿性液体を再生する溶液再生機とを含み、大容量の前記調湿対象空間の調湿をするのに適した湿式調湿装置と、前記湿式調湿装置における運転パラメータを設定して、該運転パラメータで運転するよう前記湿式調湿装置を制御する調湿制御装置と、前記調湿対象空間の湿度を検出する室内湿度センサと、前記調湿対象空間の二酸化炭素濃度を検出する室内二酸化炭素濃度センサと、前記湿式調湿装置、前記調湿制御装置、前記室内湿度センサ、及び前記室内二酸化炭素濃度センサとは離れた遠隔地にある監視装置とを備えた調湿システムにおける前記湿式調湿装置の運用監視方法であって、
    前記室内湿度センサが、前記調湿対象空間の湿度を検出する室内湿度センシングステップと、
    前記室内二酸化炭素濃度センサが、前記調湿対象空間の二酸化炭素濃度を検出する室内二酸化炭素濃度センシングステップと、
    前記監視装置が、通信回線を介して、前記室内湿度センサの前記湿度の検出値を受信し、前記室内二酸化炭素濃度センサの前記二酸化炭素濃度の検出値を受信する受信ステップと、
    前記監視装置が、前記受信ステップにて受信した湿度の検出値が正常であり、かつ、前記受信ステップにて受信した二酸化炭素濃度の検出値が所定の閾値より高い場合に、前記湿式調湿装置の調湿能力を維持し、かつ、調湿された空気の前記調湿対象空間への給気量を増加させるよう、前記調湿制御装置にて設定する前記運転パラメータを指定する監視ステップと、
    を含むことを特徴とする運用監視方法。

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