JP5689138B2 - 総形溝の端面バリ除去方法及び面取り用総形回転切削工具 - Google Patents

総形溝の端面バリ除去方法及び面取り用総形回転切削工具 Download PDF

Info

Publication number
JP5689138B2
JP5689138B2 JP2012546640A JP2012546640A JP5689138B2 JP 5689138 B2 JP5689138 B2 JP 5689138B2 JP 2012546640 A JP2012546640 A JP 2012546640A JP 2012546640 A JP2012546640 A JP 2012546640A JP 5689138 B2 JP5689138 B2 JP 5689138B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chamfering
groove
total
cutting tool
rotary cutting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012546640A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2012073374A1 (ja
Inventor
講介 森
講介 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
OSG Corp
Original Assignee
OSG Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by OSG Corp filed Critical OSG Corp
Publication of JPWO2012073374A1 publication Critical patent/JPWO2012073374A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5689138B2 publication Critical patent/JP5689138B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23CMILLING
    • B23C3/00Milling particular work; Special milling operations; Machines therefor
    • B23C3/12Trimming or finishing edges, e.g. deburring welded corners
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23CMILLING
    • B23C3/00Milling particular work; Special milling operations; Machines therefor
    • B23C3/28Grooving workpieces
    • B23C3/30Milling straight grooves, e.g. keyways
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23CMILLING
    • B23C5/00Milling-cutters
    • B23C5/02Milling-cutters characterised by the shape of the cutter
    • B23C5/10Shank-type cutters, i.e. with an integral shaft
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23CMILLING
    • B23C5/00Milling-cutters
    • B23C5/02Milling-cutters characterised by the shape of the cutter
    • B23C5/12Cutters specially designed for producing particular profiles
    • B23C5/14Cutters specially designed for producing particular profiles essentially comprising curves
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23CMILLING
    • B23C2210/00Details of milling cutters
    • B23C2210/08Side or top views of the cutting edge
    • B23C2210/088Cutting edges with a wave form
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23CMILLING
    • B23C2220/00Details of milling processes
    • B23C2220/16Chamferring
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23CMILLING
    • B23C2220/00Details of milling processes
    • B23C2220/20Deburring
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23CMILLING
    • B23C2220/00Details of milling processes
    • B23C2220/36Production of grooves
    • B23C2220/366Turbine blade grooves
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23CMILLING
    • B23C2220/00Details of milling processes
    • B23C2220/48Methods of milling not otherwise provided for
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T407/00Cutters, for shaping
    • Y10T407/19Rotary cutting tool
    • Y10T407/1946Face or end mill
    • Y10T407/1948Face or end mill with cutting edge entirely across end of tool [e.g., router bit, end mill, etc.]
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T409/00Gear cutting, milling, or planing
    • Y10T409/30Milling
    • Y10T409/303752Process
    • Y10T409/303808Process including infeeding

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Milling Processes (AREA)

Description

本発明は、総形溝の端面バリ除去方法及び面取り用総形回転切削工具に関し、特に、簡単な機械作業により短時間で均一な面取り加工を実現するための改良に関する。
蒸気タービン等のタービン翼車を回転軸に取り付けるための取付構造として、図14に示すように回転軸10の外周部に形成された多数のツリー形溝12にタービン翼車の羽根14を1枚ずつ嵌合するようにしたものがある。図15は、上記ツリー形溝12を拡大して示す斜視図であり、溝中心Sに対して左右対称で且つ逆クリスマスツリーのように溝深さ方向(図の下方向)において溝幅が滑らかに増減しながら徐々に狭くなっており、両側の側面16a、16bには、それぞれ複数の凹部18及び凸部20が交互に連続して設けられている。
上記のようなツリー形溝12の切削加工は、例えばそのツリー形溝12の形状に対応した総形回転切削工具すなわち所謂クリスマスカッタを軸心まわりに回転駆動しつつ被加工物に対してその軸心と直角な方向へ相対移動させることにより行われるが、その切削加工に際しては通常、図16に斜線部で示すようにツリー形溝12の端面にバリ22が発生する。このバリ22の除去に関して、従来は機械作業により行う手段がなく、人的な手作業で行っていたことから、多大な作業時間や作業者の熟練を要するという弊害があった。そこで、上記ツリー形溝12のように傾斜した溝面を有する溝部の丸み付け加工(面取り加工)の機械化を可能とする技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載されたディスク部品加工装置がそれである。
特開2001−1206号公報
しかしながら、前記従来の技術は、被加工物に形成される総形溝の端面バリ除去の機械化を実現するものではあるが、例えばツリー形溝等の総形溝の切削加工における工具回転軸とその総形溝のバリ除去加工における工具回転軸とが直交しなければならないため、機械主軸或いは被加工物が90°旋回できない限り、バリ除去加工用の切削工具を、総形溝の切削加工に係る機械とは異なる機械に取り付け替えて加工しなければならない。また、前記従来の技術では、加工対象となる溝面の形状を逐一測定しながら加工を行う必要があり、斯かる測定乃至位置合わせに却って時間がかかる等、作業時間の短縮を実現できなかった。更に、機械作業ではあっても測定された位置情報に応じて位置合わせを行わなければならず、依然として作業者の熟練を要するという弊害を解消することができなかった。すなわち、簡単な機械作業により短時間で均一な面取り加工を実現する総形溝の端面バリ除去方法及び面取り用総形回転切削工具は、未だ開発されていないのが現状である。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、簡単な機械作業により短時間で均一な面取り加工を実現する総形溝の端面バリ除去方法及び面取り用総形回転切削工具を提供することにある。
斯かる目的を達成するために、第1発明の要旨とするところは、総形回転切削工具を軸心まわりに回転駆動しつつ被加工物に対してその軸心と直角な方向へ相対移動させることによりその被加工物に切削加工される総形溝の端面バリ除去方法であって、その総形溝の切削加工に用いられた前記総形回転切削工具の径方向形状を、予め定められた面取り角度に対応して変形させた面取り用総形回転切削工具を用いて、その面取り用総形回転切削工具を軸心まわりに回転駆動しつつ、前記総形溝の切削加工における前記総形回転切削工具の軸心移動軌跡に対して前記面取り角度を成す軸心移動軌跡で、前記総形溝の端面に対してその軸心と直角な方向へ相対移動させることにより、その端面におけるバリを除去する面取り加工を行うことを特徴とするものである。
また、前記目的を達成するために、第2発明の要旨とするところは、総形回転切削工具を軸心まわりに回転駆動しつつ被加工物に対してその軸心と直角な方向へ相対移動させることによりその被加工物に切削加工される総形溝の端面バリ除去に用いられる面取り用総形回転切削工具であって、その総形溝の切削加工に用いられた前記総形回転切削工具の径方向形状を、予め定められた面取り角度に対応して変形させたものであり、その面取り用総形回転切削工具を軸心まわりに回転駆動しつつ、前記総形溝の切削加工における前記総形回転切削工具の軸心移動軌跡に対して前記面取り角度を成す軸心移動軌跡で、前記総形溝の端面に対してその軸心と垂直な方向へ相対移動させることにより、その端面におけるバリを除去する面取り加工に用いられることを特徴とするものである。
このように、前記第1発明によれば、前記総形溝の切削加工に用いられた前記総形回転切削工具の径方向形状を、予め定められた面取り角度に対応して変形させた面取り用総形回転切削工具を用いて、その面取り用総形回転切削工具を軸心まわりに回転駆動しつつ、前記総形溝の切削加工における前記総形回転切削工具の軸心移動軌跡に対して前記面取り角度を成す軸心移動軌跡で、前記総形溝の端面に対してその軸心と直角な方向へ相対移動させることにより、その端面におけるバリを除去する面取り加工を行うものであることから、総形溝の切削加工に係る機械と同一の機械にてバリ除去加工を機械化できると共に、画一化された単純な作業であるため作業者の熟練を要せず、作業時間の短縮や無人化が可能となる。すなわち、簡単な機械作業により短時間で均一な面取り加工を実現する総形溝の端面バリ除去方法を提供することができる。
また、前記第2発明によれば、前記総形溝の切削加工に用いられた前記総形回転切削工具の径方向形状を、予め定められた面取り角度に対応して変形させたものであり、その面取り用総形回転切削工具を軸心まわりに回転駆動しつつ、前記総形溝の切削加工における前記総形回転切削工具の軸心移動軌跡に対して前記面取り角度を成す軸心移動軌跡で、前記総形溝の端面に対してその軸心と垂直な方向へ相対移動させることにより、その端面におけるバリを除去する面取り加工に用いられるものであることから、総形溝の切削加工に係る機械と同一の機械にてバリ除去加工を機械化できると共に、画一化された単純な作業であるため作業者の熟練を要せず、作業時間の短縮や無人化が可能となる。すなわち、簡単な機械作業により短時間で均一な面取り加工を実現する面取り用総形回転切削工具を提供することができる。
ここで、前記第1発明乃至第2発明において、好適には、前記面取り用総形回転切削工具の軸心方向位置xに対応する径方向形状f(x)は、前記総形溝の切削加工に用いられた前記総形回転切削工具の軸心方向位置xに対応する径方向形状をfbase(x)、前記面取り角度をθ、前記端面の垂線に対する前記総形溝方向の傾斜角度をαとして、次の(1)式で表されるものである。なお、この(1)式におけるg(α,θ)は、面取り加工の対象部分が鋭角側である場合には次の(2)式で、面取り加工の対象部分が鈍角側である場合には次の(3)式でそれぞれ表されるものである。このようにすれば、前記総形溝の端面バリ除去加工に好適に用いられる実用的な面取り用総形回転切削工具を提供することができる。
f(x)=fbase(x)×cosθ×g(α,θ) ・・・(1)
g(α,θ)=1+tanα×tanθ ・・・(2)
g(α,θ)=1−tanα×tanθ ・・・(3)
本発明の端面バリ除去方法が好適に適用される総形溝を切削する総形回転切削工具の一例であるクリスマスカッタを軸心に垂直な方向から見ると共に、その一部を切り欠いて示す正面図である。 図1に示すクリスマスカッタの刃部の構成を詳しく説明するためにその刃部を拡大して示す図である。 図1に示すクリスマスカッタにより被加工物に切削加工される総形溝の一例であるツリー形溝を示す断面図である。 本発明の面取り用総形回転切削工具の一実施例であるツリー形溝面取り工具を軸心に垂直な方向から見ると共に、その一部を切り欠いて示す正面図である。 図4に示すツリー形溝面取り工具の刃部の構成を詳しく説明するためにその刃部を拡大して示す図である。 図4に示すツリー形溝面取り工具によるツリー形溝端面における鋭角側のバリ除去方法について説明する概略図である。 図4に示すツリー形溝面取り工具によるツリー形溝端面における鈍角側のバリ除去方法について説明する概略図である。 本発明の効果を検証するために本発明者が行った切削試験において切削加工された、バリ取り加工を行っていない総形溝の端面を正面から撮影した写真である。 本発明の効果を検証するために本発明者が行った切削試験において切削加工された、バリ取り加工を行っていない総形溝の端面を上面から撮影した写真である。 本発明の効果を検証するために本発明者が行った切削試験において切削加工された総形溝の端面を、バリ取りカッタにより面取り量0.5mmでバリ取り加工した総形溝の端面を正面から撮影した写真である。 本発明の効果を検証するために本発明者が行った切削試験において切削加工された総形溝の端面を、バリ取りカッタにより面取り量0.5mmでバリ取り加工した総形溝の端面を上面から撮影した写真である。 本発明の効果を検証するために本発明者が行った切削試験において切削加工された総形溝の端面を、バリ取りカッタにより面取り量1.5mmでバリ取り加工した総形溝の端面を正面から撮影した写真である。 本発明の効果を検証するために本発明者が行った切削試験において切削加工された総形溝の端面を、バリ取りカッタにより面取り量1.5mmでバリ取り加工した総形溝の端面を上面から撮影した写真である。 タービン翼車の羽根を取り付けるための多数のツリー形溝を示す図である。 図14のツリー形溝を拡大して示す断面図である。 図14のツリー形溝端面に発生するバリについて説明する図である。
本発明は、例えば側面に凹凸部を有する凹凸溝や、逆クリスマスツリー形状のツリー形溝等の端面バリ除去加工及び任意の大きさの面取り加工に好適に適用されるが、総形回転切削工具を軸心まわりに回転駆動しつつ被加工物に対してその軸心と直角な方向へ相対移動させることによりその被加工物に切削加工される総形溝の端面バリ除去加工に広く適用される。
本発明における面取り角度θは、面取り加工の対象となる総形溝の形状や、端面の垂線に対するその総形溝方向の傾斜角度α等に応じて予め定められるものであり、面取り加工時における面取り用総形回転切削工具の軸心移動軌跡を定めるものである。この傾斜角度αは、好適には0°以上60°以下の範囲内で適宜設定される。また、面取り角度θは、例えば傾斜角度α=0°すなわち総形溝方向が端面に対して垂直を成す総形溝に面取り加工を施す場合では5°以上85°以下の範囲内というように、その傾斜角度αに応じて好適な角度範囲が定まる。すなわち、面取り角度θは、好適には、面取り加工の対象部分が鋭角側である場合すなわち端面に対して総形溝方向が鋭角を成す部分に面取り加工を施す場合には5(°)以上85+α(°)以下の範囲内とされる一方、面取り加工の対象部分が鈍角側である場合すなわち端面に対して総形溝方向が鈍角を成す部分に面取り加工を施す場合には5(°)以上85−α(°)以下の範囲内とされる。
本発明における面取り用総形回転切削工具は、対象となる総形溝の切削加工に用いられた前記総形回転切削工具の径方向形状を、予め定められた面取り角度に対応して変形させたものである。すなわち、対象となる総形溝の切削加工に用いられる総形回転切削工具に対応して設計乃至作成された別工具であり、好適には、その総形回転切削工具専用の面取り工具である。この面取り用総形回転切削工具は、好適には、前記総形回転切削工具を軸心まわりに回転駆動しつつ被加工物に対してその軸心と直角な方向へ相対移動させることにより被加工物に切削加工を施す切削機械に取り付けられ、その切削機械により軸心まわりに回転駆動されつつ被加工物に対して前記総形回転切削工具とは異なる軸心移動軌跡で相対移動させられることにより端面におけるバリを除去する面取り加工を行う。
前記面取り用総形回転切削工具の軸心方向位置xに対応する径方向形状f(x)は、前記総形溝の切削加工に用いられた前記総形回転切削工具の軸心方向位置xに対応する径方向形状をfbase(x)、前記面取り角度をθ、前記端面の垂線に対する前記総形溝方向の傾斜角度をαとして、前記(1)式で表されるものである。また、前記(1)式におけるg(α,θ)は、面取り加工の対象部分が鋭角側である場合には前記(2)式で、面取り加工の対象部分が鈍角側である場合には前記(3)式でそれぞれ表されるものである。ここで、面取り加工の対象部分が鋭角側であるとは、総形溝方向(溝内周面の延伸方向)と端面方向とが鋭角を成す部分に対する面取り加工に相当し、面取り加工の対象部分が鈍角側であるとは、総形溝方向と端面方向とが鈍角を成す部分に対する面取り加工に相当する。すなわち、好適には、鋭角側の面取り加工用及び鈍角側の面取り加工用にそれぞれ個別の面取り用総形回転切削工具が用意される。
また、前記端面の垂線に対する前記総形溝方向の傾斜角度αが0である場合すなわち総形溝方向が端面に対して垂直を成す場合には、g(α,θ)=1となるため、前記面取り用総形回転切削工具の軸心方向位置xに対応する径方向形状f(x)は、前記総形溝の切削加工に用いられた前記総形回転切削工具の軸心方向位置xに対応する径方向形状をfbase(x)、前記面取り角度をθとして、次の(4)式で表される。
f(x)=fbase(x)×cosθ ・・・(4)
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の端面バリ除去方法が好適に適用される総形溝を切削する総形回転切削工具の一例であるクリスマスカッタ30を軸心に垂直な方向から見ると共に、その一部を切り欠いて示す正面図である。この図1に示すクリスマスカッタ30は、図3を用いて後述するツリー形溝52を切削加工するために用いられる総形回転切削工具であり、シャンク32において図示しない切削機械の駆動軸に取り付けられ、その切削機械により軸心まわりに回転駆動されつつ被加工物(図3に示す例では被加工物50)に対してその軸心と直角な方向へ相対移動させられることにより図3に示すようなツリー形溝52を切削加工する。
図1に示すように、上記クリスマスカッタ30は、上記シャンク32及び刃部34を一体に備えており、その刃部34は、図3を用いて後述するツリー形溝52の凹凸形状に対応する逆クリスマスツリー形状を成している。すなわち、工具先端側(図の下方向)へ向かうに従って径寸法が滑らかに増減しながら徐々に小径となるように構成されている。上記刃部34には、軸心Cまわりに等角度間隔で複数(例えば4本)の切り屑排出溝36が設けられており、その切り屑排出溝36に沿って複数の外周切れ刃38と、それら外周切れ刃38に連続する底刃40とが設けられている。それら外周切れ刃38及び底刃40は、上記クリスマスカッタ30がシャンク32側から見て右まわりに回転駆動されることにより切削加工を行う切れ刃に相当するものであり、上記切り屑排出溝36は所定のねじれ角で右まわりに傾斜している。
図2は、前記クリスマスカッタ30の刃部34の構成を詳しく説明するためにその刃部34を拡大して示す図である。この図2に示すように、上記刃部34には、工具先端側からシャンク32側へ向かって順に第1大径部42、第1小径部44、第2大径部46、及び第2小径部48が形成されている。図2では、上記第1大径部42の径寸法をaで、第1小径部44の径寸法をbで、第2大径部46の径寸法をcで、第2小径部48の径寸法をdでそれぞれ示している。上述のように、前記クリスマスカッタ30の刃部34は、工具先端側へ向かうに従って径寸法が滑らかに増減しながら徐々に小径となるように構成されており、上記第1大径部42の径寸法は上記第2大径部46よりも小さく、上記第1小径部44の径寸法は上記第2小径部48よりも小さい。すなわち、図2に示す各径寸法に関して、a<c且つb<dとされている。また、上記径寸法a〜dは、上記第1大径部42及び第2大径部46それぞれにおける径寸法の極大値、乃至第1小径部44及び第2小径部48それぞれにおける径寸法の極小値に相当するものであり、換言すれば、工具先端側へ向かうに従って径寸法が滑らかに増減しながら徐々に小径となるように構成された前記刃部34の径方向形状における径(半径)が極大乃至極小となる部分における径寸法に相当する。
図3は、前記クリスマスカッタ30により被加工物50に切削加工される総形溝の一例であるツリー形溝52を示す断面図である。この図3に示すように、前記クリスマスカッタ30を軸心Cまわりに回転駆動しつつ被加工物50に対してその軸心Cと直角な方向へ相対移動させることによりその被加工物50に切削加工されるツリー形溝52では、溝中心Sに対して左右対称で且つ逆クリスマスツリーのように溝深さ方向(図の下方向)において溝幅が滑らかに増減しながら徐々に狭くなっており、両側の側面54a、54bには、溝の底側から開口側へ向かって順に第1凹部56、第1凸部58、第2凹部60、及び第2凸部62が交互に連続して形成されている。図3では、上記両側の側面54a、54bに形成された上記第1凹部56相互間の幅寸法をaで、第1凸部58相互間の幅寸法をbで、第2凹部60相互間の幅寸法をcで、第2凸部62相互間の幅寸法をdでそれぞれ示している。
図2及び図3に示すように、前記クリスマスカッタ30により被加工物50に切削加工されるツリー形溝52の断面形状は、そのクリスマスカッタ30における刃部34の軸心Cを含む断面形状に対応したものになる。すなわち、前記刃部34における第1大径部42に対応して前記ツリー形溝52の両側面54における第1凹部56が形成され、前記第1小径部44に対応して上記第1凸部58が形成され、前記第2大径部46に対応して上記第2凹部60が形成され、前記第2小径部48に対応して上記第2凸部62が形成される。従って、上記第1凹部56相互間の幅寸法は前記第1大径部42の径寸法aと等しくなり、上記第1凸部58相互間の幅寸法は前記第1小径部44の径寸法bと等しくなり、上記第2凹部60相互間の幅寸法は前記第2大径部46の径寸法cと等しくなり、上記第2凸部62相互間の幅寸法は前記第2小径部48の径寸法dと等しくなる。なお、実際の切削加工において、前記刃部34における各径寸法a〜dと上記ツリー形溝52における幅寸法a〜dとは必ずしも厳密には一致しないが、略等しい値となるものであり、本実施例においては実質的に同じ値として扱う。
図4は、本発明の面取り用総形回転切削工具の一実施例であるツリー形溝面取り工具70を軸心に垂直な方向から見ると共に、その一部を切り欠いて示す正面図である。図4に示すツリー形溝面取り工具70は、図3を用いて前述したツリー形溝52の切削加工に際して発生する端面バリを除去する面取り加工に用いられる面取り用総形回転切削工具であり、シャンク72において図示しない切削機械の駆動軸に取り付けられ、その切削機械により軸心まわりに回転駆動されつつ被加工物50におけるツリー形溝52に対してその軸心と直角な方向へ相対移動させられることにより、そのツリー形溝52における端面バリを除去する面取り加工を行う。なお、上記シャンク72としては、前記クリスマスカッタ30におけるシャンク32と同じものが好適に用いられる。
図4に示すように、上記ツリー形溝面取り工具70は、上記シャンク72及び刃部74を一体に備えており、その刃部74は、前記クリスマスカッタ30の刃部34と同様に逆クリスマスツリー形状を成している。すなわち、工具先端側(図の下方向)へ向かうに従って径寸法が滑らかに増減しながら徐々に小径となるように構成されている。上記刃部74には、軸心Cまわりに等角度間隔で複数(例えば4本)の切り屑排出溝76が設けられており、その切り屑排出溝76に沿って複数の外周切れ刃78と、それら外周切れ刃78に連続する底刃80とが設けられている。それら外周切れ刃78及び底刃80は、上記ツリー形溝面取り工具70がシャンク72側から見て右まわりに回転駆動されることにより切削加工を行う切れ刃に相当するものであり、上記切り屑排出溝76は所定のねじれ角で右まわりに傾斜している。
図5は、前記ツリー形溝面取り工具70の刃部74の構成を詳しく説明するためにその刃部74を拡大して示す図である。この図5に示すように、上記刃部74には、工具先端側からシャンク72側へ向かって順に第1大径部82、第1小径部84、第2大径部86、及び第2小径部88が形成されている。図5では、上記第1大径部82の径寸法をa1で、第1小径部84の径寸法をb1で、第2大径部86の径寸法をc1で、第2小径部88の径寸法をd1でそれぞれ示している。上記径寸法a1〜d1は、上記第1大径部82及び第2大径部86それぞれにおける径寸法の極大値、乃至第1小径部84及び第2小径部88それぞれにおける径寸法の極小値に相当するものであり、換言すれば、工具先端側へ向かうに従って径寸法が滑らかに増減しながら徐々に小径となるように構成された前記刃部74の径方向形状における径(半径)が極大乃至極小となる部分における径寸法に相当する。
ここで、前記ツリー形溝面取り工具70の刃部74は、加工対象となる前記ツリー形溝52の切削加工に用いられた前記クリスマスカッタ30の刃部34の径方向形状を、予め定められた面取り角度θに対応して変形させたものである。すなわち、前記ツリー形溝面取り工具70の刃部74の軸心方向寸法Lは、前記クリスマスカッタ30の刃部34の軸心方向寸法L(図2を参照)に等しく、軸心方向に係る上記第1大径部82、第1小径部84、第2大径部86、及び第2小径部88の相対位置は、前記刃部34における前記第1大径部42、第1小径部44、第2大径部46、及び第2小径部48の軸心方向に係る相対位置に等しい。すなわち、前記ツリー形溝面取り工具70の刃部74及び前記クリスマスカッタ30の刃部34においては、径寸法の極大値乃至極小値をとる部分が軸心方向に等しい間隔で設けられている。一方、前記刃部74の径方向形状は、前記クリスマスカッタ30における刃部34の径方向形状と異なるものとされており、全体的にその刃部34よりも小径に構成されている。
例えば、前記ツリー形溝面取り工具70における刃部74の軸心方向位置xに対応する径方向形状f(x)は、前記クリスマスカッタ30における刃部34の軸心方向位置xに対応する径方向形状をfbase(x)、面取り角度をθ、端面の垂線に対するツリー形溝12方向の傾斜角度をαとして、次の(1)式で表されるものである。この(1)式におけるg(α,θ)は、面取り加工の対象部分が鋭角側である場合には次の(2)式で、面取り加工の対象部分が鈍角側である場合には次の(3)式でそれぞれ表されるものである。また、前記端面の垂線に対する溝方向の傾斜角度αが0である場合すなわち溝方向が端面に対して垂直を成す場合には、g(α,θ)=1となるため、前記刃部74の軸心方向位置xに対応する径方向形状f(x)は次の(4)式で表される。ここで、面取り角度θ、端面の垂線に対する溝方向の傾斜角度α、面取り加工の対象部分が鋭角側である場合乃至鈍角側である場合の別については、図6及び図7を用いて後述する。すなわち、前記ツリー形溝面取り工具70は、好適には、鋭角側の面取り加工用及び鈍角側の面取り加工用にそれぞれ個別の工具が設計乃至用意されるものであるが、本実施例では図4及び図5においてそれらを統括的に図示乃至説明している。
f(x)=fbase(x)×cosθ×g(α,θ) ・・・(1)
g(α,θ)=1+tanα×tanθ ・・・(2)
g(α,θ)=1−tanα×tanθ ・・・(3)
f(x)=fbase(x)×cosθ ・・・(4)
上記(1)〜(3)式に従って前記ツリー形溝面取り工具70における刃部74の軸心方向位置xに対応する径方向形状f(x)を考えた場合、前述した図2及び図4に示す構成例では、前記刃部74における第1大径部82の径寸法a1が、前記クリスマスカッタ30の刃部34における第1大径部42の径寸法をaとしてa1=a×cosθ×g(α,θ)で表される値となる。また、前記刃部74における第1小径部84の径寸法b1が、前記クリスマスカッタ30の刃部34における第1小径部44の径寸法をbとしてb1=b×cosθ×g(α,θ)で表される値となる。また、前記刃部74における第2大径部86の径寸法c1が、前記クリスマスカッタ30の刃部34における第2大径部46の径寸法をcとしてc1=c×cosθ×g(α,θ)で表される値となる。また、前記刃部74における第2小径部88の径寸法d1が、前記クリスマスカッタ30の刃部34における第2小径部48の径寸法をdとしてd1=d×cosθ×g(α,θ)で表される値となる。
以上、代表として前記刃部34、74それぞれにおける径寸法の極大値乃至極小値をとる部分の対応関係を例示したが、それ以外の部分も同様に上記(1)〜(3)式を満たす径方向形状とされる。例えば、前記刃部74の第1大径部82から第1小径部84へと滑らかに連なる部分に関して、軸心方向位置x1、x2、x3、・・・(図示せず)に対応する径方向形状(すなわち各xに対応する径寸法)をf(x1)、f(x2)、f(x3)、・・・とすると、それらは何れも上記(1)〜(3)式に従ってf(x1)=fbase(x1)×cosθ×g(α,θ)、f(x2)=fbase(x2)×cosθ×g(α,θ)、f(x3)=fbase(x3)×cosθ×g(α,θ)、・・・とされる。このように、前記ツリー形溝面取り工具70における刃部74の軸心方向位置xに対応する径方向形状f(x)に関して、前記クリスマスカッタ30における刃部34の軸心方向位置xに対応する径方向形状をfbase(x)に対応して連続的に(或いはサンプリングされた値を用いて離散的に)上記(1)〜(3)式に基づく計算を行ってプロファイルを出すことにより、前記ツリー形溝面取り工具70における刃部74の径方向形状が上記(1)〜(3)式を満たす形状に設計される。
図6は、前記ツリー形溝面取り工具70による前記ツリー形溝52端面における鋭角側のバリ除去方法について説明する概略図である。また、図7は、前記ツリー形溝面取り工具70による前記ツリー形溝52端面における鈍角側のバリ除去方法について説明する概略図である。図6に示すように、前記ツリー形溝52端面における鋭角側のバリ除去とは、前記ツリー形溝52の端面90の垂線に対してそのツリー形溝52の延伸方向(溝方向)が傾斜している場合すなわち上記端面90の垂線に対する溝方向の傾斜角度αが0ではない場合において、前記ツリー形溝52の端面90であって溝方向と端面方向(端面90を含む平面)とが鋭角を成す部分に対する面取り加工に相当する。また、図7に示すように、前記ツリー形溝52端面における鈍角側のバリ除去とは、前記ツリー形溝52の端面90であって溝方向と端面方向(端面90を含む平面)とが鈍角を成す部分に対する面取り加工に相当する。
図6及び図7に示すように、本実施例のバリ除去方法では、前記ツリー形溝面取り工具70を軸心まわりに回転駆動しつつ、前記ツリー形溝52の切削加工における前記クリスマスカッタ30の軸心移動軌跡92に対して予め定められた面取り角度θを成す軸心移動軌跡94で、前記ツリー形溝52の端面90に対して軸心Cと垂直な方向へ相対移動させることにより、その端面90におけるバリを除去する面取り加工を行う。図6及び図7では、前記ツリー形溝52の切削加工における前記クリスマスカッタ30の軸心移動軌跡92を細い一点鎖線で、面取り加工における前記ツリー形溝面取り工具70の軸心移動軌跡94を太い一点鎖線でそれぞれ示している。これらの図に示すように、本実施例のバリ除去方法における前記ツリー形溝面取り工具70の軸心移動軌跡94は、前記ツリー形溝52の切削加工における前記クリスマスカッタ30の軸心移動軌跡92に対して面取り角度θを成し、且つ上記端面90から溝方向内側へ所定距離k入った交点Pにおいてその軸心移動軌跡92と交差する直線状の軌跡とされる。ここで、前記ツリー形溝面取り工具70は上記交点Pからツリー形溝52の外側へ向けて上記軸心移動軌跡94を相対移動させられるものであってもよいし、ツリー形溝52の外側から上記交点Pへ向けて上記軸心移動軌跡94を相対移動させられるものであってもよい。また、上記所定距離kは面取り加工における面取り量を定めるものであり、所望される面取り量に基づいて適宜設定される。
図6及び図7に示すような本実施例のバリ除去方法によれば、前記ツリー形溝面取り工具70が加工対象となるツリー形溝52の切削加工に用いられたクリスマスカッタ30と同じ切削機械に取り付けられ、その切削機械における設定を変更するだけで前記ツリー形溝52端面の面取り加工が可能とされるため、新たに面取り用の機械を設ける必要がないという利点がある。また、面取り量に対応する上記所定距離k及び面取り角度θを決定すれば上記軸心移動軌跡94が一義的に定まり、更にその軸心移動軌跡94が直線的なものであるため熟練を要せず誰にでも設定でき、機械作業による簡単且つ均一な面取り加工を実現することができる。これにより、簡便で効率的な面取り加工により工数の削減、作業時間の短縮、更には作業の無人化を図ることができる。
続いて、本発明の効果を検証するために本発明者が行った試験について説明する。本発明者は、本発明の総形溝の端面バリ除去方法及び面取り用総形回転切削工具の効果を検証するために、以下に示す切削試験条件で切削試験を行った。すなわち、荒カッタ及び仕上カッタにより前記ツリー形溝52のような総形溝を切削加工した後、本発明の面取り用総形回転切削工具の一実施例であるバリ取りカッタを用いて前述した本発明の端面バリ除去方法によりその総形溝端面におけるバリ取り加工(面取り加工)を行った。
[切削試験条件]
・試験工具:試験用クリスマスカッタ
荒カッタ(3山形状、最大径約22mmφ、最小径約6mmφ)
仕上カッタ(3山形状、最大径約22mmφ、最小径約6mmφ)
バリ取りカッタ(溝傾斜角α=0°、45°面取り用)
・被削材質:SS400(JIS規格)
・切削油剤:不水溶性切削油剤(JIS2種5号)
・加工機械:たて型M/C
・切削速度:約30m/min
・送り速度:約30mm/min(荒、仕上)、約50mm/min(バリ取り)
・切込深さ:約30mm
・バリ取り工具移動長さ:約8mm(加工時間約10秒)
図8及び図9は、上記切削試験において荒カッタ及び仕上カッタにより切削加工された、バリ取り加工(面取り加工)を行っていない総形溝の端面を示す写真であり、図8は端面を正面から撮影した正面写真、図9は端面を上面から撮影した平面写真である。これらの写真に示すように、荒カッタ及び仕上カッタにより切削加工された総形溝においては、その端面にバリが発生する。図10及び図11は、上記切削試験において荒カッタ及び仕上カッタにより切削加工された総形溝の端面を、バリ取りカッタにより面取り量(交点Pの端面からの距離k)0.5mmでバリ取り加工(面取り加工)した総形溝の端面を示す写真であり、図10は端面を正面から撮影した正面写真、図11は端面を上面から撮影した平面写真である。また、図12及び図13は、上記切削試験において荒カッタ及び仕上カッタにより切削加工された総形溝の端面を、バリ取りカッタにより面取り量(交点Pの端面からの距離k)1.5mmでバリ取り加工(面取り加工)した総形溝の端面を示す写真であり、図12は端面を正面から撮影した正面写真、図13は端面を上面から撮影した平面写真である。図10〜図13に示すように、本発明の面取り用総形回転切削工具の一実施例であるバリ取りカッタを用いて前述した本発明の端面バリ除去方法により総形溝のバリ取り加工(面取り加工)を行ったものでは、その端面におけるバリが好適に除去されていることがわかる。
このように、本実施例によれば、総形溝すなわち前記ツリー形溝52の切削加工に用いられた総形回転切削工具である前記クリスマスカッタ30の径方向形状を、予め定められた面取り角度θに対応して変形させた面取り用総形回転切削工具であるツリー形溝面取り工具70を用いて、そのツリー形溝面取り工具70を軸心Cまわりに回転駆動しつつ、前記ツリー形溝52の切削加工における前記クリスマスカッタ30の軸心移動軌跡92に対して前記面取り角度θを成す軸心移動軌跡94で、前記ツリー形溝52の端面90に対してその軸心Cと直角な方向へ相対移動させることにより、その端面90におけるバリを除去する面取り加工を行うものであることから、バリ除去加工を機械化できると共に、画一化された単純な作業であるため作業者の熟練を要せず、作業時間の短縮や無人化が可能となる。すなわち、簡単な機械作業により短時間で均一な面取り加工を実現する総形溝の端面バリ除去方法を提供することができる。
また、本実施例のツリー形溝面取り工具70は、前記ツリー形溝52の切削加工に用いられた前記クリスマスカッタ30の径方向形状を、予め定められた面取り角度θに対応して変形させたものであり、そのツリー形溝面取り工具70を軸心Cまわりに回転駆動しつつ、前記ツリー形溝52の切削加工における前記クリスマスカッタ30の軸心移動軌跡92に対して前記面取り角度θを成す軸心移動軌跡94で、前記ツリー形溝52の端面90に対してその軸心Cと垂直な方向へ相対移動させることにより、その端面90におけるバリを除去する面取り加工に用いられるものであることから、ツリー形溝52の切削加工に係る機械と同一の機械にてバリ除去加工を機械化できると共に、画一化された単純な作業であるため作業者の熟練を要せず、作業時間の短縮や無人化が可能となる。すなわち、簡単な機械作業により短時間で均一な面取り加工を実現するツリー形溝面取り工具70を提供することができる。
また、前記ツリー形溝面取り工具70の軸心方向位置xに対応する径方向形状f(x)は、前記ツリー形溝52の切削加工に用いられた前記クリスマスカッタ30の軸心方向位置xに対応する径方向形状をfbase(x)、前記面取り角度をθ、前記端面90の垂線に対する前記ツリー形溝52の延伸方向の傾斜角度をαとして前記(1)式で表されるものであり、この(1)式におけるg(α,θ)は、面取り加工の対象部分が鋭角側である場合には前記(2)式で、面取り加工の対象部分が鈍角側である場合には前記(3)式でそれぞれ表されるものであるため、前記ツリー形溝52の端面バリ除去加工に好適に用いられる実用的なツリー形溝面取り工具70を提供することができる。
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
10:回転軸、12:ツリー形溝、14:羽根、16:側面、18:凹部、20:凸部、22:バリ、30:クリスマスカッタ(総形回転切削工具)、32:シャンク、34:刃部、36:切り屑排出溝、38:外周切れ刃、40:底刃、42:第1大径部、44:第1小径部、46:第2大径部、48:第2小径部、50:被加工物、52:ツリー形溝(総形溝)、54:側面、56:第1凹部、58:第1凸部、60:第2凹部、62:第2凸部、70:ツリー形溝面取り工具(面取り用総形回転切削工具)、72:シャンク、74:刃部、76:切り屑排出溝、78:外周切れ刃、80:底刃、82:第1大径部、84:第1小径部、86:第2大径部、88:第2小径部、90:端面、92、94:軸心移動軌跡、a〜d:径寸法、幅寸法、a1〜d1:径寸法、C:軸心、L:軸心方向寸法、S:溝中心、α:溝方向の傾斜角度、θ:面取り角度

Claims (4)

  1. 総形回転切削工具を軸心まわりに回転駆動しつつ被加工物に対して該軸心と直角な方向へ相対移動させることにより該被加工物に切削加工される総形溝の端面バリ除去方法であって、
    該総形溝の切削加工に用いられた前記総形回転切削工具の径方向形状を、予め定められた面取り角度に対応して変形させた面取り用総形回転切削工具を用いて、
    該面取り用総形回転切削工具を軸心まわりに回転駆動しつつ、前記総形溝の切削加工における前記総形回転切削工具の軸心移動軌跡に対して前記面取り角度を成す軸心移動軌跡で、前記総形溝の端面に対して該軸心と垂直な方向へ相対移動させることにより、該端面におけるバリを除去する面取り加工を行う
    ことを特徴とする総形溝の端面バリ除去方法。
  2. 前記面取り用総形回転切削工具の軸心方向位置xに対応する径方向形状f(x)は、前記総形溝の切削加工に用いられた前記総形回転切削工具の軸心方向位置xに対応する径方向形状をfbase(x)、前記面取り角度をθ、前記端面の垂線に対する前記総形溝方向の傾斜角度をαとして、
    f(x)=fbase(x)×cosθ×g(α,θ)
    但し、面取り加工の対象部分が鋭角側である場合、
    g(α,θ)=1+tanα×tanθ
    面取り加工の対象部分が鈍角側である場合、
    g(α,θ)=1−tanα×tanθ
    で表されるものである
    請求項1に記載の総形溝の端面バリ除去方法。
  3. 総形回転切削工具を軸心まわりに回転駆動しつつ被加工物に対して該軸心と直角な方向へ相対移動させることにより該被加工物に切削加工される総形溝の端面バリ除去に用いられる面取り用総形回転切削工具であって、
    該総形溝の切削加工に用いられた前記総形回転切削工具の径方向形状を、予め定められた面取り角度に対応して変形させたものであり、
    該面取り用総形回転切削工具を軸心まわりに回転駆動しつつ、前記総形溝の切削加工における前記総形回転切削工具の軸心移動軌跡に対して前記面取り角度を成す軸心移動軌跡で、前記総形溝の端面に対して該軸心と垂直な方向へ相対移動させることにより、該端面におけるバリを除去する面取り加工に用いられるものである
    ことを特徴とする面取り用回転切削工具。
  4. 前記面取り用総形回転切削工具の軸心方向位置xに対応する径方向形状f(x)は、前記総形溝の切削加工に用いられた前記総形回転切削工具の軸心方向位置xに対応する径方向形状をfbase(x)、前記面取り角度をθ、前記端面の垂線に対する前記総形溝方向の傾斜角度をαとして、
    f(x)=fbase(x)×cosθ×g(α,θ)
    但し、面取り加工の対象部分が鋭角側である場合、
    g(α,θ)=1+tanα×tanθ
    面取り加工の対象部分が鈍角側である場合、
    g(α,θ)=1−tanα×tanθ
    で表されるものである
    請求項3に記載の面取り用回転切削工具。
JP2012546640A 2010-12-02 2010-12-02 総形溝の端面バリ除去方法及び面取り用総形回転切削工具 Active JP5689138B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2010/071611 WO2012073374A1 (ja) 2010-12-02 2010-12-02 総形溝の端面バリ除去方法及び面取り用総形回転切削工具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2012073374A1 JPWO2012073374A1 (ja) 2014-05-19
JP5689138B2 true JP5689138B2 (ja) 2015-03-25

Family

ID=46171357

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012546640A Active JP5689138B2 (ja) 2010-12-02 2010-12-02 総形溝の端面バリ除去方法及び面取り用総形回転切削工具

Country Status (5)

Country Link
US (1) US9403222B2 (ja)
JP (1) JP5689138B2 (ja)
CN (1) CN103249512B (ja)
DE (1) DE112010006049B4 (ja)
WO (1) WO2012073374A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2972380A1 (fr) * 2011-03-11 2012-09-14 Alstom Technology Ltd Procede de fabrication d'un diaphragme de turbine a vapeur
KR101919721B1 (ko) * 2014-09-18 2018-11-16 오에스지 가부시키가이샤 총형 회전 절삭 공구
CN105562801A (zh) * 2014-10-17 2016-05-11 基准精密工业(惠州)有限公司 铣刀
JP2016190299A (ja) * 2015-03-31 2016-11-10 三菱マテリアル株式会社 総形エンドミル
EP3736071B1 (en) * 2019-05-09 2022-03-16 AB Sandvik Coromant Solid end mill

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000254812A (ja) * 1998-11-28 2000-09-19 Barta Ag 切削工具、切削工具の準備方法及び切削工具の使用法
JP2001001206A (ja) * 1999-06-17 2001-01-09 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ディスク部品加工装置
JP2007276010A (ja) * 2006-04-03 2007-10-25 Tatsuno Metate Kakosho:Kk 回転切削工具及びその製造方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3432936A1 (de) 1984-09-07 1986-03-20 Gerhard 7311 Notzingen Stark Entgratwerkzeug
JP3364168B2 (ja) * 1999-05-17 2003-01-08 三菱重工業株式会社 翼溝加工カッター及び該カッターを用いた翼溝加工方法
JP2008279548A (ja) * 2007-05-10 2008-11-20 Osg Corp 切削加工方法および総形回転切削工具
JP2008279547A (ja) * 2007-05-10 2008-11-20 Osg Corp 溝加工方法および総形回転切削工具
US8973264B2 (en) * 2007-12-11 2015-03-10 United Technologies Corporation Method of machining a turbine disk
WO2010013319A1 (ja) * 2008-07-30 2010-02-04 オーエスジー株式会社 ツリー状溝の切削加工方法および切削回転工具
JP4704495B2 (ja) 2008-12-10 2011-06-15 日立ツール株式会社 タービン翼接続用溝の切削加工方法およびそれに用いるクリスマスカッタ

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000254812A (ja) * 1998-11-28 2000-09-19 Barta Ag 切削工具、切削工具の準備方法及び切削工具の使用法
JP2001001206A (ja) * 1999-06-17 2001-01-09 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ディスク部品加工装置
JP2007276010A (ja) * 2006-04-03 2007-10-25 Tatsuno Metate Kakosho:Kk 回転切削工具及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN103249512A (zh) 2013-08-14
US9403222B2 (en) 2016-08-02
WO2012073374A1 (ja) 2012-06-07
JPWO2012073374A1 (ja) 2014-05-19
CN103249512B (zh) 2015-09-09
DE112010006049B4 (de) 2019-02-21
DE112010006049T5 (de) 2013-09-19
US20130251472A1 (en) 2013-09-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6487435B2 (ja) 歯縁部を機械加工する方法、およびこの目的のために設計された機械加工ステーション
ES2835600T3 (es) Dispositivo para el mecanizado de descortezado por generación de una pieza de trabajo para la fabricación de un bisel y procedimiento de funcionamiento perteneciente
JP5689138B2 (ja) 総形溝の端面バリ除去方法及び面取り用総形回転切削工具
TWI577472B (zh) 旋轉切削工具
JP2008279547A (ja) 溝加工方法および総形回転切削工具
KR20170094447A (ko) 적어도 부분 라운드 처리된 톱니 팁들을 생성하기 위한 호브 필링 방법 및 절삭 공구
JP2021514862A5 (ja)
CN106794525B (zh) 切向切削刀片和包括该切削刀片的铣刀
US10220452B2 (en) Formed rotary cutting tool
JP4945382B2 (ja) 溝切削加工方法および溝切削加工装置
JP2007144610A (ja) オフセット工具によるワークの加工方法
JP6896101B2 (ja) フライス工具及びワークの加工方法
WO2016152396A1 (ja) 切削工具、スカイビング加工装置および方法
JP2010234462A (ja) エンドミル
JP6565399B2 (ja) 歯車加工装置
JP6643087B2 (ja) スパイラルベベルギヤまたはハイポイドギヤの製造方法
JP2021024024A (ja) 切削加工方法
JP7169223B2 (ja) 総形削り加工方法
CN110730700A (zh) 铣削方法和切削刀片的用途
JP4881190B2 (ja) ダブ溝加工方法
RU2604742C2 (ru) Режущая многогранная пластина
JP2016155178A (ja) 回転工具、及び回転工具の製造方法
US20230051567A1 (en) Machining program creation method, workpiece machining method, and machine tool control device
JP3100882U (ja) 円形軸用メタルソー
JP2018192566A (ja) エンドミルとその加工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140507

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150127

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5689138

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250