JP5688991B2 - 作業機械 - Google Patents
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Description
このようにすることで、エンジン始動直後のエンジン回転が安定していないときに、作業員が作業機械の操作を行っても、その操作を受け付けないため、エンジンに負荷がかからず、エンジンストールすることを防止できる。
例えば、高所作業車の場合、作業員はエンジンから遠く離れたバケットの中からエンジンを始動しブームの伸縮等の操作をするため、操作をしてもブーム等が動作しないと、エンジンが始動していないものと勘違いする場合がある。
第2発明の作業機械は、第1発明において、前記作動速度算出手段は、前記操作手段から前記油圧アクチュエータの動作が指示されているとき、前記エンジンが始動してからエンジン回転が安定するまでの間、前記エンジンにかかる負荷がエンジンストールしない負荷となる範囲内で、前記油圧アクチュエータの最大限の作動速度である不安定時間最大作動速度を算出し、前記操作手段の操作量に対応する前記油圧アクチュエータの通常の作動速度である通常作動速度を算出し、前記不安定時間最大作動速度または前記通常作動速度のいずれか低速の方に近づくように、前記作動速度を時間の経過とともに徐々に上昇させることを特徴とする。
第3発明の作業機械は、第1または第2発明において、前記エンジンが回転しているか否か検知するエンジン回転検知手段を備え、前記作動速度算出手段は、前記操作手段から前記油圧アクチュエータの動作が指示されているとき、前記エンジン回転検知手段がエンジン回転を検知してから所定時間経過するまでの間、前記エンジンにかかる負荷がエンジンストールしない負荷となる範囲内で、前記油圧アクチュエータの作動速度を算出するものであることを特徴とする。
第2発明によれば、作動速度を時間の経過とともに徐々に上昇させるので、油圧アクチュエータを緩起動でき、荷揺れを防止したり、作動のショックを軽減したりできる。
第3発明によれば、エンジン回転検知手段がエンジン回転を検知してから所定時間経過すればエンジン回転が安定していると判断するので、エンジン回転の様子を直接検出する場合に比べて判断が容易である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る作業機械は、エンジン10と、エンジン10により駆動される油圧ポンプ20と、油圧ポンプ20により供給される作動油により動作する複数の油圧アクチュエータ30A、30B、30Cと、その複数の油圧アクチュエータ30A、30B、30Cのそれぞれの動作を指示する操作手段40A、40B、40Cと、油圧アクチュエータ30A、30B、30Cの作動速度を制御するコントローラ50とを備えている。
図1においては、油圧アクチュエータ30A、30B、30Cは3つであるが、これより少数もしくは多数の油圧アクチュエータを備えていてもよい。また、エンジン10は、車両エンジンと共通のものでもよいし、車両エンジンとは別のエンジンでもよい。
本実施形態における電磁比例方向流量制御バルブ21A、21B、21Cは、3位置切換弁であり、油圧シリンダ30A、30Bのロッド側あるいは油圧モータ30Cの正転側に油圧ポンプ20からの圧油を流入させるI位置と、油圧シリンダ30A、30Bあるいは油圧モータ30Cからの圧油の流入・流出を停止するII位置と、油圧シリンダ30A、30Bのピストン側あるいは油圧モータ30Cの逆転側に油圧ポンプ20からの圧油を流入させるIII位置とがある。そのため、電磁比例方向流量制御バルブ21A、21B、21Cのソレノイドに供給する電流を制御することで、油圧シリンダ30A、30Bの伸長、収縮を切り換えることができ、その作動速度を制御することができる。また、油圧モータ30Cの正転と逆転とを切り換えることができ、その回転速度を制御することができる。
なお、電磁比例方向流量制御バルブは、特許請求の範囲に記載の「流量制御バルブ」に相当する。また、電磁比例方向流量制御バルブに代えて、流量制御バルブと方向制御バルブとを組み合わせて構成してもよい。
本実施形態における操作出力手段42A、42B、42Cは、操作レバー41A、41B、41Cの操作量aを検出するセンサであり、検出した操作量aを電気信号として出力できるようになっている。操作出力手段42A、42B、42Cは、後述のコントローラ50の操作入力手段51と接続されており、各操作レバー41A、41B、41Cの操作量aを操作入力手段51に出力できるようになっている。
なお、操作レバーに代えて、操作スイッチ等他の操作手段としてもよい。また、操作出力手段42A、42B、42Cと操作入力手段51とは、電気的に接続されるものに代えて、コントロールケーブル等物理的に接続されるものを用いてもよい。
操作入力手段51は、前述の操作出力手段42A、42B、42Cから各操作レバー41A、41B、41Cの操作量aが入力され、その操作量aを作動速度算出手段52に出力するものである。具体的には、操作出力手段42A、42B、42Cと操作入力手段51とが電気的に接続される場合、操作入力手段51にはアナログ‐デジタル変換回路が用いられる。
なお、図1中、操作入力手段51と作動速度算出手段52とは、1本の矢印で接続されているが、作動速度算出手段52には、複数の操作出力手段42A、42B、42Cのそれぞれの操作量が入力されている。
具体的には、エンジン回転検知手段61は、エンジン10に接続された発電機から出力される電圧もしくは電流を検知することでエンジン10が回転しているか否か検知するものが挙げられる。そのほか、エンジン回転検知手段61はエンジン回転パルスを検知するものでもよい。また、エンジン10に直接取り付けられるものに限らず、油圧ポンプ20の回転を検知するものでもよいし、油圧回路の油圧を検出するものでもよい。
なお、特許請求の範囲における「操作手段から油圧アクチュエータの動作が指示されているとき」とは、動作の指示の開始時点に加えて、操作入力手段51から操作量aが入力されている期間(後述の図2〜図7におけるt3以降の期間)も含む概念である。
なお、図1中、操作入力手段51とバルブ駆動手段53およびエンジン回転数制御手段54とは、1本の矢印で接続されているが、バルブ駆動手段53およびエンジン回転数制御手段54には、複数の油圧アクチュエータ30A、30B、30Cのそれぞれの作動速度が入力されている。
バルブ駆動手段53は、作動速度算出手段52から入力された作動速度cに基づいて、各油圧アクチュエータ30A、30B、30Cの作動速度が、その作動速度cと一致するように、各電磁比例方向流量制御バルブ21A、21B、21Cのソレノイドに電流を供給して流量制御を行う。電磁比例方向流量制御バルブ21A、21B、21Cで流量制御を行うことで、各油圧アクチュエータ30A、30B、30Cの作動速度を制御することができる。
エンジン10には、エンジンコントロールユニット62が接続されており、エンジン回転数制御手段54は、そのエンジンコントロールユニット62と接続されている。そのため、エンジン回転数制御手段54がエンジンコントロールユニット62にアクセル信号を出力することにより、エンジンコントロールユニット62を介してエンジン10の回転数を制御できるようになっている。
エンジン始動操作手段64は、例えば押しボタンスイッチであり、作業員が押下してエンジン10を始動するためのものである。エンジン始動操作手段64が操作されると、エンジン始動操作手段64から操作信号dがエンジン始動装置63に入力される。
エンジン始動装置63は、入力された操作信号dをきっかけにエンジン始動出力eをエンジン10に出力し、エンジン10を始動するものである。具体的には、エンジン始動装置63としては、セルモータが用いられる。
なお、エンジン始動操作手段64は、物理的なスイッチに限らず、ソフトウェアによるスイッチでもよい。具体的には、ソフトウェアによりアイドリングストップ状態からエンジン10を再始動する条件を判断し、再始動する条件を満たした時にエンジン始動装置63に操作信号dを出力するようにしてもよい。
さらになお、コントローラ50でエンジン10を再始動する条件の判断を行い、再始動する条件を満たした時にコントローラ50からエンジン始動装置63に操作信号dを出力するようにしてもよい。
エンジン始動装置63は、入力された操作信号dの立ち上がりをきっかけにエンジン始動出力eをエンジン10に出力し、エンジン10を始動させる(t1)。
そうすると作動速度算出手段52は、エンジン回転の検知結果bが入力されてからの時間を計測しはじめ、所定時間が経過しているか否かを随時判断するようになる。以下、この所定時間を不安定時間と称する。
不安定時間としては、エンジン10が始動してからエンジン回転が安定するまでに要する時間が設定され、例えば2秒間である。この不安定時間は予め作動速度算出手段52に記憶されている。
そうすると、作動速度算出手段52は、エンジン10にかかる負荷がエンジンストールしない負荷となる範囲内で、油圧アクチュエータ30の最大限の作動速度である不安定時間最大作動速度c1を算出する。そして、作動速度算出手段52は、時間の経過とともに不安定時間最大作動速度c1に近づくように作動速度cを除々に上昇させつつ、その作動速度cをバルブ駆動手段53およびエンジン回転数制御手段54に出力する。
これにより、油圧アクチュエータ30は、不安定時間内であっても緩起動される。
なお、不安定時間最大作動速度c1は、所定の定数として予め作動速度算出手段52に記憶しておいてもよいし、エンジン10の回転数等種々の条件から算出するようにしてもよい。
そのため、エンジン開始直後の不安定時間内に作業員が作業機械の操作を行っても、エンジン10にかかる負荷が過大とならず、エンジンストールすることを防止できる。また、作業機械は作業員の操作に従って低速で動作するため、作業員の違和感を低減できる。
そのため、油圧アクチュエータ30は、不安定時間を経過すれば再度緩起動され、その後、操作量aに応じた作動速度で動作するようになる。
図3は、作業員がエンジン始動操作手段64を操作してから(t1)、エンジン回転検知手段61がエンジン回転を検知する(t2)までの間に、作業員が操作レバー41を操作して操作入力手段51から作動速度算出手段52に操作量aが出力された(t3)場合を示す。
これにより、油圧アクチュエータ30が緩起動される。
図4は、作業員がエンジン始動操作手段64を操作し(t1)、エンジン回転検知手段61がエンジン回転を検知し(t2)、さらに不安定期間が経過した後に(t5)、作業員が操作レバー41を操作して操作入力手段51から作動速度算出手段52に操作量aが出力された(t3)場合を示す。
図5は、図2に示す条件において、作業員が操作した操作レバー41の操作量aが小さい場合を示す(t3)。
操作量aが小さく、不安定時間最大作動速度c1よりも通常作動速度c2の方が低速の場合には、作動速度算出手段52は、時間の経過とともに通常作動速度c2に近づくように作動速度cを除々に上昇させつつ、その作動速度cをバルブ駆動手段53およびエンジン回転数制御手段54に出力する。
これにより、油圧アクチュエータ30は、緩起動され、通常と同様の動作を行うことができる。
上記実施形態では、操作量aが出力された後(t3)および不安定期間が経過した後等に(t5)、作動速度cは除々に上昇させられるが、これに代えて、図6に示すように、作動速度cを階段状に変化させてもよい。上記実施形態では、油圧アクチュエータ30は緩起動されるが、速度cを階段状に変化させれば、油圧アクチュエータ30の応答を速くすることができる。
なお、作動速度算出手段52からバルブ駆動手段53およびエンジン回転数制御手段54へ出力する作動速度cは、それぞれ徐々に上昇するようにしてもよいし、徐々に上昇するものと階段状に上昇するものとを組み合わせてもよい。例えば、バルブ駆動手段53へ出力する作動速度cを徐々に上昇させ、エンジン回転数制御手段54へ出力する作動速度cを階段状に変化させるようにしてもよい。
このようにすれば、エンジン10が確実に始動しているので、より安定してアクチュエータを動作させることができる。
ただし、上記実施形態のようにすれば、エンジン回転の様子を検出する場合に比べて判断が容易であるので、好ましい。
20 油圧ポンプ
21 電磁比例方向流量制御バルブ
30 油圧アクチュエータ
40 操作手段
50 コントローラ
51 操作入力手段
52 作動速度算出手段
53 バルブ駆動手段
54 エンジン回転数制御手段
61 エンジン回転検知手段
Claims (3)
- エンジンと、
該エンジンにより駆動される油圧ポンプと、
該油圧ポンプにより供給される作動油により動作する油圧アクチュエータと、
該油圧アクチュエータの動作を指示する操作手段と、
前記油圧アクチュエータの作動速度を制御する作動速度制御装置と、を備え、
前記作動速度制御装置は、
前記油圧アクチュエータに供給される前記作動油の流量を制御する流量制御バルブと、
前記操作手段から前記油圧アクチュエータの動作が指示されているとき、前記エンジンが始動してからエンジン回転が安定するまでの間、前記エンジンにかかる負荷がエンジンストールしない負荷となる範囲内で、前記油圧アクチュエータの作動速度を算出する作動速度算出手段と、
前記油圧アクチュエータの作動速度が、前記作動速度算出手段で算出した作動速度となるように前記流量制御バルブを駆動するバルブ駆動手段と、
前記油圧アクチュエータが前記作動速度算出手段で算出した作動速度で動作するのに必要な流量の作動油を前記油圧ポンプが供給するように、前記エンジンの回転数を制御するエンジン回転数制御手段と、を備える
ことを特徴とする作業機械。 - 前記作動速度算出手段は、
前記操作手段から前記油圧アクチュエータの動作が指示されているとき、前記エンジンが始動してからエンジン回転が安定するまでの間、前記エンジンにかかる負荷がエンジンストールしない負荷となる範囲内で、前記油圧アクチュエータの最大限の作動速度である不安定時間最大作動速度を算出し、
前記操作手段の操作量に対応する前記油圧アクチュエータの通常の作動速度である通常作動速度を算出し、
前記不安定時間最大作動速度または前記通常作動速度のいずれか低速の方に近づくように、前記作動速度を時間の経過とともに徐々に上昇させる
ことを特徴とする請求項1記載の作業機械。 - 前記エンジンが回転しているか否か検知するエンジン回転検知手段を備え、
前記作動速度算出手段は、
前記操作手段から前記油圧アクチュエータの動作が指示されているとき、前記エンジン回転検知手段がエンジン回転を検知してから所定時間経過するまでの間、前記エンジンにかかる負荷がエンジンストールしない負荷となる範囲内で、前記油圧アクチュエータの作動速度を算出するものである
ことを特徴とする請求項1または2記載の作業機械。
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