JP5688250B2 - 風力発電装置および風力発電装置の運転方法 - Google Patents

風力発電装置および風力発電装置の運転方法 Download PDF

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Description

本発明は、風力発電装置および風力発電装置の運転方法に関し、特に、垂直軸型風車を用いた風力発電装置における着氷や着雪による悪影響の発生を防止することができる垂直軸型風力発電装置および風力発電装置の運転方法に関する。
近年の地球環境問題に対する関心の高まりや、化石燃料の枯渇に対する懸念等から、再生可能エネルギを利用した電力の発電装置の開発が盛んになりつつある。その中でも、風力発電装置は、風のエネルギを電力に変換するものであり、太陽光発電装置、太陽熱発電装置、水力発電装置、地熱発電装置などと並んで、再生可能エネルギを利用した発電装置であり、発電時に二酸化炭素を排出しない発電装置として注目を浴びている。
しかしながら、寒冷地域に設置された風力発電装置を用いて発電を行う上で、下記の問題が発生する可能性がある。つまり、寒冷地域では冬期になると、低温のため、風車の羽根に氷や雪が付着する場合がある。氷や雪が付着すると、羽根の翼断面は付着した氷や雪によって変化するため、羽根の空力特性が悪化し、風力発電装置の発電効率が低下するおそれがある。その他にも、羽根の空力特性が悪化して風車の回転バランスが崩れることにより、風車を支持する構造に繰り返し荷重が加えられ、風車を支持する構造が疲労破壊するおそれがある。さらに、羽根への氷や雪の付着量が増えると、風が吹いても風車が回転(起動)せず、発電が行えないおそれもある。
このような問題を解決するために、回転軸が風向に対して水平方向に延びる水平軸型風車において、風車における羽根のピッチ角を変更することにより、羽根に付着した氷や雪を振り落とす技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−084527号公報
特許文献1に記載された技術では、風車における羽根のピッチ角を変更することにより、風車の羽根に付着した氷や雪を振り落とす加振力を加えるため、羽根のピッチ角を変更できない風車を備えた風力発電装置には適用できない問題があった。例えば、回転軸が風向に対して垂直方向に延びる垂直軸型風車は、風車における羽根のピッチ角を変更できない風車(φ‐ダリウス型風車や、H‐ダリウス型(ジャイロミル型)風車など)を用いているため、特許文献1に記載された技術を適用できない。
また、特許文献1に記載されたように、径が大きな水平軸型風車の場合、風車の回転速度を加速または減速させることにより、羽根に付着した氷や雪に大きな加振力を加えることができ、容易に氷や雪を振り落とすことができる。しかしながら、風車の回転径が比較的小さな垂直軸型風車の場合には、風車の回転速度を加速または減速させるだけでは、羽根に付着した氷や雪に大きな加振力を加えることができず、付着した氷や雪を振り落とすことが難しい問題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、羽根に付着した氷や雪による悪影響の発生を防止することができる風力発電装置および風力発電装置の運転方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の風力発電装置は、風向に対して略垂直方向に延びる中心軸線まわりに回転可能に支持された回転軸、および風を受けて回転軸まわりに回転する回転駆動力を発生する複数の羽根からなる風車を備え、さらに、回転軸の回転速度を繰り返し変動させる回転速度変動部を備えている。この回転速度変動部を用いて回転負荷を加え、回転軸の回転速度を繰り返し変動させることにより、回転軸に取り付けられた複数の羽根の回転速度も繰り返し変動する。つまり、回転速度変動部を用いて風車を振動させることができる。風車が振動すると、風車、特に羽根に付着した氷や雪に対して加振力が働き、付着した氷や雪を振り落とすことができる。
さらに、回転軸は支持部によって中心軸線まわりに回転可能に支持されており、風車の振動が支持部に伝わることで、支持部に付着した氷や雪に対しても加振力が働き、支持部から付着した氷や雪を振り落とすことができる。特に、垂直軸型風車の支持部のように、長尺部材を格子状に組合せて地面に対して立てて配置された回転軸を支持するものの場合には、長尺部材に氷や雪が付着しやすい。このような支持部では、回転軸等から風車の振動が伝わりやすく、長尺部材に付着した氷や雪を振り落としやすい。
上記発明においては、制御部によって、回転軸の回転速度を変動させるタイミング、および、変動した回転速度を維持する期間の少なくとも一方が変更可能とされていることが望ましい。このように、回転軸の回転速度を変動させるパターンを変更することにより、風車における振動の周期や、振動モードを変更することができる。言い換えると、風車、支持部、または、風車および支持部からなる構造体における振動の振幅を変更したり、振幅の節および腹となる位置を変更したりすることができる。節の位置と比較して大きな加振力が働く腹の位置を変更できるため、風車における回転速度を変動させるパターンが固定された場合と比較して、より広い範囲において付着した氷や雪を振り落としやすくなる。特に、風車、支持部、または、風車および支持部からなる構造体が共振する周波数で回転軸の回転速度を変動させることが、付着した氷や雪を振り落とす観点から好ましい。
なお、回転速度を変動させるタイミングおよび変動した回転速度を維持する期間の変更方法は、予め離散的に定められたタイミングや期間を次々と切り替える方法であってもよいし、タイミングや期間を連続して変更する方法であってもよい。また、タイミングおよび期間を同時に変更してもよいし、タイミングのみを変更して期間を固定してもよいし、タイミングを固定して期間のみを変更してもよい。
上記発明においては、風の風速を測定する風速測定部と、回転軸の回転速度を測定する回転速度測定部と、予め測定された風速および回転速度の関係を記憶する記憶部と、がさらに設けられていることが望ましく、風力測定部により測定された風速および回転速度測定部により測定された回転軸の回転速度との関係と、記憶部に記憶された風速および回転速度の関係と、を対比して、測定された風速に対する測定された回転速度が、測定された風速と同じ記憶された風速に対する記憶された回転速度よりも低い場合には、制御部によって、回転速度変動部による回転軸における回転速度の変動を行う制御を開始することが望ましい。このようにすることで、風車の羽根に氷や雪などが付着して回転軸の回転速度が遅くなった場合に、風車を振動させて、羽根に付着した氷や雪を振り落とすことができる。一般的に、風車の羽根に氷や雪が付着すると、羽根の空力特性が悪化して、同じ風速に対する風車の回転速度が低下する。そのため、予め取得した風車に氷や雪が付着していない状態における風速と回転速度との関係、または、風車における風速と回転速度との理論上の関係と、測定された風速と回転速度との関係とを対比して、同じ風速に対して測定された回転速度が低い場合には、羽根に氷や雪などの異物が付着しているか否かを推定することができる。その結果、羽根に氷や雪が付着している場合にのみ、風車を振動させて、羽根に付着した氷や雪を振り落とすことができる。さらに、羽根に氷や雪が付着しているか否かを検出する装置を用いることなく、羽根への氷や雪の付着の有無を判定できる。
上記発明においては、回転速度変動部として、回転軸によって伝達された回転駆動力を用いて電力を発電する発電部を用いるとともに、回転速度測定部として、発電部から出力された電力を測定する出力測定部を用いることが望ましい。このようにすることで、回転速度変動部と発電部とを別々に備える場合と比較して、風力発電装置を構成する部品の数を減らすことができる。発電部は回転軸の回転駆動力を用いて発電を行う負荷であるため、発電部における発電の有無を制御することにより、風車に対する負荷を変動させることができ、回転軸の回転速度を変動させることができる。
なお、上述のように回転速度変動部は風車によって回転駆動される発電部であってもよいし、回転軸の回転速度を機械的に制御するブレーキ部であってもよい。
上記発明において、支持部は複数の前記風車を支持している場合には、複数の風車のそれぞれには、回転軸の回転速度を変動させる回転速度変動部を配置し、制御部によって回転軸の回転速度を変動させる制御を行う回転速度変動部の数を制御することが望ましい。このように回転速度の変動制御を行う回転速度変動部の数を制御することで、複数の風車を支持する支持部における振動の振幅を制御でき、支持部における振動モードを制御できる。つまり、回転速度の変動制御を行う回転速度変動部の数を増やすと、支持部を振動させる加振点の数が増え、支持部における振動の振幅が大きくなる。また、回転速度の変動制御を行う回転速度変動部を選択することにより、支持部を振動させる加振点の位置が選択され、支持部における振動モードを制御できる。
上記発明において、回転軸を鉛直方向に延ばして配置し、複数の羽根を、回転軸の軸線を中心とした、上方から下方に向かって広がる円錐面上に等間隔に、かつ、回転軸とともに回転可能に配置することが望ましい。このように回転軸の前記軸線を中心とした、上方から下方に向かって広がる円錐面上に羽根を配置することにより、羽根は下向きに広がるハの字状に配置される。すると、氷や雪の付着が発生しやすい羽根における回転軸側の面が、常に下方に向いて配置されることとなり、氷や雪の付着が発生しにくくなる。さらに、羽根における回転軸側の面に付着した氷や雪に対して、重力は回転軸側の面から剥がれる方向に働くため、羽根から付着した氷や雪を振り落としやすくなる。
上記発明においては、羽根における回転軸側の面に、前縁と後縁との間から後縁まで、羽根の翼厚を薄くするように切り欠かいた凹部と、凹部の面から回転軸に向かって突出するとともに前縁から後縁に向かって延びる補強部と、を設けて、補強部にける上端面を、上方から下方に向かって、回転軸側に近づく傾斜面、または、前縁から後縁に向かう傾斜面とすることが望ましい。このようにすることで、羽根における回転軸側の面に付着した氷や雪が、補強部の上端面に落下しても、氷や雪は上端面に乗ることなく羽根から落下し、再度、羽根に付着することを防止できる。例えば、上端面が、上方から下方に向かって回転軸に近づく傾斜面である場合、上端面に落下した氷や雪は、上端面を回転軸側に向かって滑り落ちる。また、上端面が、上方から下方に向かって前縁から後縁に向かう傾斜面である場合、上端面に落下した氷や雪は、上端面を後縁側に向かって滑り落ちる。
上記発明において、羽根における回転軸側の面に太陽光を熱に変換する変換層を設けることが望ましい。このようにすることで、変換層が設けられていない場合と比較して、羽根における回転軸側の面の温度は高くなりやすい。そのため、羽根における回転軸側の面に付着した氷や雪は溶けやすくなる。
本発明の風力発電装置の運転方法は、風車の風向に対して略垂直方向に延びる回転軸を回転駆動させる風の風速を測定するとともに、発電部から出力される電力を測定した後、予め測定され記憶部に記憶された風車に関する風速および電力の関係と、測定された風車に関する風速および電力の関係と、を対比し、測定された風速に対する測定された電力が、記憶された電力よりも低い場合には、回転負荷を加えることにより回転軸における回転速度の抑制を行い、風車を振動させる。
このように、風車の羽根に氷や雪などが付着して回転軸の回転速度が遅くなった場合に、風車を振動させて、羽根に付着した氷や雪を振り落とすことができる。一般的に、風車の羽根に氷や雪が付着すると、羽根の空力特性が悪化して、同じ風速に対する風車の回転速度が低下する。そのため、予め取得した風車に氷や雪が付着していない状態における風速と回転速度との関係、または、風車における風速と回転速度との理論上の関係と、測定された風速と回転速度との関係とを対比して、同じ風速に対して測定された回転速度が低い場合には、羽根に氷や雪などの異物が付着しているか否かを推定することができる。その結果、羽根に氷や雪が付着している場合にのみ、風車を振動させて、羽根に付着した氷や雪を振り落とすことができる。さらに、羽根に氷や雪が付着しているか否かを検出する装置を用いることなく、羽根への氷や雪の付着の有無を判定できる。
本発明の風力発電装置および風力発電装置の運転方法によれば、回転速度変動部を用いて回転負荷を加え、回転軸における回転速度を繰り返し変動させて回転速度を繰り返し変動させることにより、風向に対して略垂直方向に延びる回転軸を有する風車を振動させることができる。風車が振動すると、風車の羽根に付着した氷や雪に対して加振力が働き、付着した氷や雪を羽根から振り落とすことができ、羽根に付着した氷や雪による悪影響の発生を防止することができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態に係る風力発電装置の全体構成を説明する模式図である。 図1の垂直軸型風車、発電部、および、架台の構成を説明する斜視図である。 図2の垂直軸型風車、および、架台の構成を説明する部分拡大図である。 図3の主支柱の構成を説明する部分拡大図である。 図3の下方支持部の構成を説明する模式図である。 本発明の第2の実施形態の風力発電装置における垂直軸型風車の構成を説明する模式図である。 図6のブレードにおける翼形を説明する模式図である。 図6のブレードにおける正圧面の構成を説明するブレードを正圧面側から見た図である。 図9は、図8の抵抗部の構成を説明するブレードを後縁側から見た図である。 本発明の第3の実施形態の風力発電装置に係るブレードの構成を説明する模式図である。 本発明の第4の実施形態の風力発電装置に係るブレードの構成を説明する模式図である。
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の第1の実施形態に係る風力発電装置について、図1から図5を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る風力発電装置の全体構成を説明する模式図である。
本実施形態の風力発電装置1は、図1に示すように、垂直軸型風車(風車)10および発電部(回転速度変動部)20の組合せを複数備えたものであり、出力がMW級の大型水平軸型風車を用いた風力発電装置と比較して小型な(例えば、1台あたりの出力が数十kWから十数kW程度の)垂直軸型風車10および発電部20の組合せを備えたものである。風力発電装置1には、垂直軸型風車10と、発電部20と、架台(支持部)30と、出力測定部(回転速度測定部)40と、風速計(風速測定部)50と、制御部60と、記憶部70と、が主に設けられている。
図2は、図1の垂直軸型風車10、発電部20および架台30の構成を説明する斜視図である。
垂直軸型風車10は、風を受けて回転駆動力を発生させるものであり、発電部20に回転駆動力を供給するものである。垂直軸型風車10には、図1および図2に示すように、シャフト(回転軸)11と、ブレード(羽根)12と、アーム13と、が主に設けられている。
シャフト11は、垂直軸型風車10の中心に配置されるものであり、柱状、より具体的には円柱状に形成されたものである。シャフト11は、架台30によって、その中心線である回転軸線まわりに回転可能に支持されており、シャフト11を回転可能に支持する部材としては、ベアリングなど公知の軸受け部材を用いることができる。さらに、垂直軸型風車10のシャフト11は、その回転軸線が風の流れ方向に対して交差する方向、例えば垂直方向に延びて配置されている。本実施形態では、シャフト11が鉛直方向に延びて配置された例に適用して説明する。
ブレード12は、風を受けてシャフト11を中心として回転する回転駆動力を発生させるものである。本実施形態では、ブレード12は、直線状に延びて形成されるとともに断面が翼形、つまり直線翼状に形成された羽根である。ブレード12は、シャフト11の回転軸線を中心とした同一の円筒面周上に、等間隔に配置されている。さらに、ブレード12は、翼形における正圧面がシャフト11側を向き、負圧面がシャフト11と反対側を向くように配置されている。本実施形態では、3つのブレード12,12,12が120°間隔に配置されている例に適用して説明する。
さらに、1本のシャフト11には、3つのブレード12の組が2組、合計6つのブレード12が配置されている。つまり、1本のシャフト11を長手方向に2分割したうちの一方(シャフト11の上側部分)に3つのブレード12の組が配置され、他方(シャフト11の下側部分)に他の3つのブレード12の組が配置されている。
下側部分に配置されたブレード12の組は、上側部分に配置されたブレード12の組と対比して、ブレード12が配置される位相(位置)が異なった状態でシャフト11に取り付けられている。本実施形態では、下側部分に配置されたブレード12の組は、上側部分に配置されたブレード12の組と対比して、位相を60°異ならせて配置されている。このようにすることで、垂直軸型風車10の起動性を向上させることができる。つまり、風の吹く方向による垂直軸型風車10における起動性のばらつきを抑えることができる。
アーム13は、シャフト11とブレード12との間に配置された棒状の部材であって、シャフト11の回転軸線を中心に放射状に配置された部材である。アーム13は、シャフト11に対してブレード12を取り付けて固定するものであり、かつ、風を受けたブレード12において発生した揚力や抗力などの力をシャフト11に伝達するものである。1つのブレード12に対して2本のアーム13,13が用いられ、アーム13は、ブレード12に対して、ブレード12における上端側、および下端側に取り付けられ、シャフト11に対して、上下方向(回転軸線方向)に位置をずらして取り付けられている。
発電部20は、垂直軸型風車10のシャフト11によって回転駆動されることにより、電力を発生させるものである。発電部20により発電された電力は、風力発電装置1とつながれた外部の系統に供給されて(売電して)もよいし、風力発電装置1が設置された地域において消費されてもよいし、さらに充電池などに蓄電されてもよく、特に限定するものではない。発電部20には、シャフト11の端部(下端)が回転駆動力の伝達が可能に接続されている。発電部20とシャフト11との間には、回転速度の増速または減速、あるいは、回転トルクの変換を行う複数のギアを組み合わせた変速部(図示せず)が設けられていてもよい。発電部20としては、公知の発電機を用いてもよく、特に限定するものではない。図3は、図2の垂直軸型風車10および架台30の構成を説明する部分拡大図である。
架台30は、少なくとも垂直軸型風車10および発電部20からなる組を、複数組、支持するであるとともに、垂直軸型風車10および発電部20の周囲を取り囲むトラス構造またはラーメン構造を有するものである。本実施形態では、4組の垂直軸型風車10および発電部20を水平方向に直線状に並べた状態で支持する架台30の例に適用して説明する。架台30には、図3に示すように、主支柱31と、副支柱32と、下方支持部33と、上方支持部34と、中央支持部35と、梁部36と、筋交い部37と、が主に設けられている。
主支柱31は、地面から架台30の上端(本実施形態では地面から11m上方)まで、鉛直方向に延びて配置された柱状の部材であり、架台30の外形を形成するものである。主支柱31は、垂直軸型風車10および発電部20の質量の大半を支えるものであり、地面から上方へ離れた位置で、垂直軸型風車10および発電部20を支えるものである。主支柱31は柱状の部材であり、1つの垂直軸型風車10および発電部20の組を中心として四方に離れた4か所(上方から見て四角形の頂点の位置)に配置されている。垂直軸型風車10および発電部20の組が隣接し、2本の主支柱31が重複する場所では、一方の主支柱31を省略して、残りの1本の主支柱31が共用される。
図4は、図3の主支柱31の構成を説明する部分拡大図である。
さらに主支柱31の上端には、図3および図4に示すように、取り付け部38が設けられている。取り付け部38は取り付けフランジ状に形成されたものであり、例えば、垂直軸型風車10よりも小型な垂直軸型風車と小型な垂直軸型風車に駆動される発電部が取り付けられるものである。
副支柱32は、図3に示すように、地面から発電部20まで、鉛直方向に延びて配置された柱状の部材であり、主支柱31および下方支持部33とともに発電部20を下方から支持するものである。副支柱32は、架台30を上方から見て、発電部20が配置された位置、あるいは、シャフト11が配置された位置に配置されている。
図5は、図3の下方支持部33の構成を説明する模式図である。
下方支持部33は、主支柱31および副支柱32とともに垂直軸型風車10および発電部20の質量を支えるものである。下方支持部33は、地面から所望の距離だけ上方に離れた位置(本実施形態では約2m)において、4本の主支柱31の間を水平方向に延びて配置されるとともに、架台30を上方から見て、4本の主支柱31を対角線状につなぐように配置された棒状の部材である。より具体的には、下方支持部33は、図5に示すように、対角線が交差する中心部である発電部20が配置される位置において、四角い枠を形成するように配置されている。このようにすることで、下方支持部33の上に発電部20を安定して設置することができる。さらに、四角い枠の内部に副支柱32を通して、発電部20を副支柱32によって直接支持させることができる。本実施形態では、下方支持部33として、断面がI字状やH字状に形成された部材が用いられた例に適用して説明する。
上方支持部34はシャフト11の上端を回転可能に支持するものである。上方支持部34は、主支柱31の上端近傍において、4本の主支柱31の間を水平方向に延びて配置されるとともに、架台30を上方から見て、4本の主支柱31を対角線状につなぐように配置された棒状の部材である。
中央支持部35はシャフト11の中央部分を回転可能に支持するものである。中央支持部35は、下方支持部33と上方支持部34との間であって、上下に並んで配置されたブレード12の間において、4本の主支柱31の間を水平方向に延びて配置されるとともに、架台30を上方から見て、4本の主支柱31を対角線状につなぐように配置された棒状の部材である。上方支持部34とシャフト11の上端との間、および、中央支持部35とシャフト11との間には、シャフト11を回転軸線まわりに回転可能に支持するベアリングなどの公知の軸受けが配置されている。
梁部36および筋交い部37は、隣接する主支柱31の間をつないで架台30の強度を確保する部材である。
梁部36は、上方支持部34および中央支持部35が配置された高さにおいて、4本の主支柱31の間を水平方向に延びて配置されるとともに、4本の主支柱31を頂点とした四角形の辺を形成するように配置された棒状の部材である。
筋交い部37は、2本の主支柱31の間を鉛直方向に斜めに延びて配置されるものである。具体的には、一方の主支柱31と下方支持部33との接続部と、他方の主支柱31と中央支持部35との接続部との間をつなぐもの、または、一方の主支柱31と中央支持部35との接続部と、他方の主支柱31と上方支持部34との接続部との間をつなぐものである。
出力測定部40は、発電部20によって発電された単位時間当たりの電力を計測するものである。出力測定部40は、計測された電力量(例えば、単位時間当たりの電力量)を表す電力信号を生成し、生成された電力信号は制御部60へ出力されている。風速計50は、垂直軸型風車10が設置された領域における風速を測定するものである。風速計50は、計測された風速(例えば、単位時間当たりの平均風速)を表す風速信号を生成し、生成された風速信号は制御部60へ出力されている。出力測定部40や風速計50としては、公知の計測器を用いることができ、特に限定するものではない。
制御部60は、垂直軸型風車10に氷や雪の付着が発生したか否かを判定するとともに、発電部20における発電を制御するものである。記憶部70は、垂直軸型風車10に氷や雪が付着していない状態における風速計50により測定された風速と、出力測定部40により測定された電力との関係を記憶するものである。制御部60および記憶部70による制御については後述する。
次に、上記の構成からなる風力発電装置1における発電について説明するとともに、垂直軸型風車10や架台30などに付着した氷や雪の振り落とし方法について説明する。
まず、風力発電装置1における発電について説明する。図1に示すように、風力発電装置1の垂直軸型風車10は、風を受けるとシャフト11を中心として回転する。具体的には、垂直軸型風車10のブレード12は、風を受けることにより、揚力や抗力を発生してシャフト11を中心として回転する。垂直軸型風車10が回転し始めると、ブレード12は風に加えて自らの回転による相対的な空気の流れを受けることにより、揚力や抗力を発生してシャフト11を中心として回転する。
シャフト11の回転は発電部20に伝達され、発電部20は伝達された回転駆動力を用いて発電を行う。発電部20における発電を行うか否かは制御部60によって制御される。例えば、風力発電装置1のオペレータによって手動で入力される発電を行うか否かの情報や、発電を行う時期を規定するタイムスケジュールなどによって制御されてもよいし、風速計50から入力される風速信号に基づいて制御されてもよい。つまり、風速計50によって測定された風速が、風力発電装置1における発電が可能な領域である、カットイン風速からカットアウト風速の範囲である場合には、発電部20における発電を行い、それ以外の場合には、発電部20における発電を停止する制御を行ってもよい。
発電部20により発電された電力は、例えば、電圧、周波数などの安定化を図る系統連係部(図示せず)を介して、商用電力系統に供給される。つまり、売電される。その他にも、発電された電力を蓄電池に蓄電してもよいし、電力を消費する設備(例えば、工業設備や商業設備など)に供給してもよい。
次に、本実施形態の特徴である垂直軸型風車10や架台30などに付着した氷や雪の振り落とし方法について説明する。
まず、制御部60による垂直軸型風車10や架台30などに氷や雪が付着しているか否かの判定方法について説明する。氷や雪の付着の有無の判定は、風力発電装置1において発電されているときに行われ、風速計50により測定された風速と、出力測定部40により測定された電力に基づいて判断される。
まず、風速計50により垂直軸型風車10に当たる風の風力と、出力測定部40により発電部20により発電された電力と、が測定される(測定ステップ)。風速計50は測定した風速に応じた風速信号を生成し、制御部60に出力する。出力測定部40も同様に、測定した電力に応じた電力信号を生成し、制御部60に出力する。
制御部60は、記憶部70に予め記憶された風速と電力との関係と、風速計50により測定された風速と出力測定部40により測定された電力との関係と、を対比して氷や雪の付着の有無の判定を行う(対比ステップ)。ここで、記憶部70に予め記憶された風速と電力との関係とは、垂直軸型風車10や架台30などに氷や雪が付着していない状態における、風速計50によって測定された風速と、出力測定部40によって測定された発電部20によって発電された電力との関係である。
氷や雪の付着の有無の判定は、以下のようにして行われる。
つまり、風速計50により測定された風速の値に対する、出力測定部40により測定された電力の値が、記憶部70に記憶された電力の値よりも低い場合には、垂直軸型風車10や架台30などに氷や雪が付着している可能性があると制御部60に判断される。例えば、垂直軸型風車10や架台30に氷や雪が付着すると、ブレード12の周囲における空気の流れが乱れるため、ブレード12は氷や雪が付着していない状態の(設計時に設定された)空力特性を発揮することができない。そのため、同じ風速の風が垂直軸型風車10に当たっても、垂直軸型風車10や架台30に氷や雪が付着していると、垂直軸型風車10は、氷や雪が付着していない状態と比較して、小さな回転駆動力しか発生させることができない。すると、垂直軸型風車10により駆動される発電部20において発電される電力も、氷や雪が付着していない状態と比較して小さくなる。
なお、氷や雪が付着している可能性があると判断する場合における出力測定部40により測定された電力の値と、記憶部70に記憶された電力の値との差は、個々の風力発電装置1における個体差や、発電される電力の値の時間変動の態様などの影響を考慮して、誤判定がない程度の余裕を持たせることが望ましい。
垂直軸型風車10や架台30などに氷や雪が付着していると判定されると、制御部60は、付着した氷や雪を垂直軸型風車10や架台30などから振り落とす制御を開始する(制御ステップ)。具体的には、制御部60は、発電部20に対して、断続的に発電および発電停止を繰り返す制御、言い換えると発電を断続的に行う制御を開始する。発電部20による発電は垂直軸型風車10に対して負荷として働くため、断続的に発電を行うと垂直軸型風車10に断続的に負荷が働く。つまり、シャフト11まわりに働く加振力が、垂直軸型風車10に対して加えられ、垂直軸型風車10はシャフト11まわりに加振される。さらに、垂直軸型風車10におけるシャフト11まわりの振動は、架台30に伝わり、架台30も加振される。その結果、垂直軸型風車10および架台30に付着した氷や雪は、垂直軸型風車10および架台30の振動によって、垂直軸型風車10や架台30から振り落とされる。
制御部60は、上述の発電を断続的に行う制御を、予め定められた期間だけ継続すると、発電部20によって通常の発電を行う制御を再開する。以後、上述の測定ステップに戻り、氷や雪が垂直軸型風車10および架台30に付着したか否かの判定を繰り返す。
なお、制御部60は、4台の発電部20のそれぞれに対して個別に上述の制御を行ってもよいし、4台の発電部20に対して同時に上述の制御を行ってもよい。個別に上述の制御を行う場合には、氷や雪が付着した可能性が高い垂直軸型風車10や、氷や雪が付着した架台30に近い垂直軸型風車10に対してのみ氷や雪を振り落とす制御が行われる。その間、他の垂直軸型風車10による発電は継続されるため、風力発電装置1の全体としての発電効率低下が抑制される。また、4台の発電部20に対して同時に上述の制御を行う場合には、架台30を振動させる加振源が4つとなるため、個別に上述の制御を行う場合と比較して、架台30に同時に加えられる加振力が大きくなり、架台30に付着した氷や雪をより確実に振り落とすことができる。さらに、4台の発電部20のうち1台から3台の発電部20を選択し、選択した発電部20に対して上述の制御を行ってもよい。
このように上述の制御が行われる発電部20の台数を制御することにより、複数の垂直軸型風車10を支持する架台30における振動の振幅を制御でき、架台30における振動モードを制御できる。つまり、上述の制御が行われる発電部20の台数を増やすと、架台30を振動させる加振点の数が増え、架台30における振動の振幅が大きくなる。また、上述の制御が行われる発電部20を選択することにより、架台30を振動させる加振点の位置が選択され、架台30における振動モードを制御できる。
さらに、発電を断続的に行う制御における断続の周期は、予め定められた一定の周期であってもよいし、予め定められた変化する周期であってもよい。予め定められた一定の周期としては、垂直軸型風車10の固有振動周期や、架台30の固有振動周期などを例示することができる。予め定められた変化する周期としては、時間の経過とともに間隔が短くなる周期や、間隔が長くなる周期などを例示することができる。
上記の構成によれば、発電部20によって、垂直軸型風車10のシャフト11における回転速度を繰り返し変動させることにより、シャフト11に取り付けられた複数のブレード12における回転速度も繰り返し変動する。つまり、発電部20によって、垂直軸型風車10における回転速度を繰り返し変動させて、垂直軸型風車10を振動させることができる。垂直軸型風車10が振動すると、ブレード12に付着した氷や雪に対して加振力が働き、付着した氷や雪をブレード12から振り落とすことができる。
さらに、垂直軸型風車10の振動が架台30に伝わることで、架台30に付着した氷や雪に対しても加振力を働かせることができ、付着した氷や雪を架台30から振り落とすことができる。特に、本実施形態の架台30のように、主支柱31や梁部36や筋交い部37などの長尺部材を格子状に組合せた構造を有し、地面に対して立てて配置されたシャフト11を少なくとも2ヶ所で支持するものの場合には、主支柱31等の長尺部材に氷や雪が付着しやすい。このような架台30では、垂直軸型風車10の振動が架台30に伝わりやすく、主支柱31等に付着した氷や雪を振り落としやすい。
さらに、垂直軸型風車10におけるシャフト11の回転速度を変動させるパターンを変更することにより、垂直軸型風車10における振動の周期や、振動モードを変更することができる。言い換えると、垂直軸型風車10、架台30、または、垂直軸型風車10および架台30からなる構造体における振動の振幅を変更したり、振幅の節および腹となる位置を変更したりすることができる。節の位置と比較して大きな加振力が働く腹の位置を変更できるため、垂直軸型風車10における回転速度を変動させるパターンが固定された場合と比較して、より広い範囲において付着した氷や雪を振り落としやすくなる。特に、垂直軸型風車10、架台30、または、垂直軸型風車10および架台30からなる構造体が共振する周波数でシャフト11の回転速度を変動させることが、付着した氷や雪を振り落とす観点から好ましい。
発電部20を用いてシャフト11の回転速度を変動させることにより、例えば、シャフト11の回転速度を変動させる回転速度変動部と、発電部20とを別々に備える場合と比較して、風力発電装置1を構成する部品の数を減らすことができる。発電部20はシャフト11の回転駆動力を用いて発電を行う負荷であるため、発電部20における発電の有無を制御することにより、垂直軸型風車10に対する負荷を変動させることができ、シャフト11の回転速度を変動させることができる。
なお、上述の実施形態ように、発電部20を用いてシャフト11の回転速度を制御して、垂直軸型風車10を加振してもよいし、シャフト11の回転速度を機械的に制御するブレーキ部が垂直軸型風車10に設けられている場合には、当該ブレーキ部を用いてシャフト11の回転速度を制御して、垂直軸型風車10を加振してもよい。発電部20を用いてシャフト11の回転速度を制御する場合と比較して、ブレーキ部を用いるとシャフト11の回転速度をより急激に変動させることができ、垂直軸型風車10に対してより大きな加振力を与えることができる。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について図6から図9を参照して説明する。
本実施形態の風力発電装置の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、垂直軸型風車の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図6から図9を用いて垂直軸型風車の構成のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。図6は、本実施形態の風力発電装置における垂直軸型風車の構成を説明する模式図であり、図7は、図6のブレード112における翼形を説明する模式図である。
本実施形態の風力発電装置101における垂直軸型風車(風車)110には、図6に示すように、シャフト11と、ブレード(羽根)112と、アーム13a,13bと、が主に設けられている。
ブレード112は、第1の実施形態のブレード12と同様に、風を受けてシャフト11を中心として回転する回転駆動力を発生させるものである。ブレード112は、図7に示すように、直線状に延びて形成されるとともに断面が翼形、つまり直線翼状に形成された羽根である。ブレード112における回転方向前方(図7の左方)には前縁LEが設けられ、回転方向後方(図7の右方)には後縁TEが設けられている。さらにブレード112におけるシャフト11側(図7の下方)には正圧面PSが設けられ、シャフト11と反対側(図7の上方)には負圧面SSが設けられている。
図8は、図6のブレード112における正圧面PSの構成を説明するブレード112を正圧面側から見た図であり、図9は、図8の抵抗部113の構成を説明するブレード112を後縁側から見た図である。
ブレード112における後縁TE側の正圧面PSには、図8および図9に示すように、正圧面PSの中ほどから後縁TEにわたって、負圧面SS側に凹み、ブレード112の翼厚を薄くするように切り欠いた抵抗部(凹部)113が設けられている。抵抗部113における前縁LE側には、後縁TEから前縁LEに向かって吹く風を受け止める壁面が設けられ、後縁TE側は外部に開放されている。抵抗部113は、垂直軸型風車110の起動時に、後縁TE側から前縁LE側に向かって吹く風を受け止めるものであり、垂直軸型風車110の起動性を高めるものである。言い換えると、抵抗部113がない場合と比較して、より低い風速で垂直軸型風車110を回転させ始めるものである。
さらに、抵抗部113には、抵抗部113の底面から正圧面PSに向かって突出するとともに、前縁LE側から後縁TEに向かって延びる補強部114が設けられている。補強部114は、抵抗部113によって翼厚が薄くなったブレード112の強度を保つものである。
本実施形態では、ブレード112が、シャフト11の回転軸線を中心とした同一の円錐面周上に、等間隔に配置されている点が、第1の実施形態と異なっている。言い換えると、上方から下方に向かって、ブレード112がシャフト11から離れる方向に傾いて配置されている。そのため、ブレード112におけるシャフト11側の面である正圧面PSが下方を向き、シャフト11と反対側の面である負圧面SSが上方を向いている。
アーム13a,13bは、シャフト11とブレード112との間に配置された棒状の部材であって、シャフト11の回転軸線を中心に放射状に配置された部材である。アーム13aは、アーム13bと比較して、長手方向の長さ(図6の水平方向)が短く形成された部材である。アーム13aはブレード112の上側に取り付けられ、アーム13bはブレード112の下側に取り付けられている。そのため、ブレード112は、上方から下方に向かって、シャフト11から離れる方向に傾いて配置される。
なお、上記の構成からなる風力発電装置101における発電、および、垂直軸型風車110や架台30などに付着した氷や雪の振り落とし方法については、第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
上記の構成によれば、シャフト11を中心とした、上方から下方に向かって広がる円錐面上にブレード112を配置されているため、ブレード112は下向きに広がるハの字状に配置される。すると、氷や雪の付着が発生しやすい補強部114が設けられた正圧面PSが、常に下方に向いて配置されることとなり、氷や雪の付着が発生しにくくなる。さらに、重力は、ブレード112における正圧面PSに付着した氷や雪に対して、正圧面PSから剥がれる方向に働くため、ブレード112から付着した氷や雪を振り落としやすくなる。
さらに、上述の実施形態においてブレード112の正圧面PSに、太陽熱を吸収して熱に変換する変換層が設けられてもよい。変換層としては、黒色の塗料の膜や、赤外線を吸収して熱に変換する材料からなる膜等、種々のものを用いることができる。このようにすることで、変換層が設けられていない場合と比較して、ブレード112の正圧面PSにおける温度が高くなりやすくなる。そのため、ブレード112の正圧面PSに付着した氷や雪は溶けやすくなる。
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について図10を参照して説明する。
本実施形態の風力発電装置の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、ブレードの構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図10を用いてブレードの構成のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図10は、本実施形態の風力発電装置に係るブレードの構成を説明する模式図である。
本実施形態におけるブレード(羽根)212は、第1の実施形態のブレード12と同様に、風を受けてシャフト11を中心として回転する回転駆動力を発生させるものである(図1参照。)。ブレード212は、図10に示すように、直線状に延びて形成されるとともに断面が翼形、つまり直線翼状に形成された羽根である。ブレード212における回転方向前方(図10の紙面奥方向)には前縁LE(図示せず。)が設けられ、回転方向後方(図10の紙面手前方向)には後縁TEが設けられている。さらにブレード212におけるシャフト11側(図10の左方)には正圧面PSが設けられ、シャフト11と反対側(図10の右方)には負圧面SSが設けられている。
ブレード212における後縁TE側の正圧面PSには、負圧面SS側に凹み、ブレード212の翼厚を薄くするように切り欠いた抵抗部113が設けられている。さらに、抵抗部113には、抵抗部113の底面から正圧面PSに向かって突出するとともに、前縁LE側から後縁TEに向かって延びる補強部214が設けられている。補強部214における上方に向いた上端面214aは、負圧面SS側から正圧面PSに向かって、上方から下方に傾斜する傾斜面とされている。なお、図10に示すように、補強部214における上側の面のみを傾斜させてもよいし、補強部214を平行板状に形成し、平行板全体を同様に傾斜して配置してもよい。
なお、本実施形態における発電、および、付着した氷や雪の振り落とし方法については、第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
上記の構成によれば、ブレード212における正圧面PSに付着した氷や雪が、補強部214の上端面214aに落下しても、氷や雪は上端面214aに乗ることなくブレード212から落下し、再度、ブレード212に付着することを防止できる。本実施形態のように、上端面214aが、上方から下方に向かってシャフト11に近づく傾斜面である場合、上端面214aに落下した氷や雪は、上端面214aをシャフト11に向かって滑り落ちる。
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態について図11を参照して説明する。
本実施形態の風力発電装置の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、ブレードの構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図11を用いてブレードの構成のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図11は、本実施形態の風力発電装置に係るブレードの構成を説明する模式図である。
本実施形態におけるブレード(羽根)312は、第1の実施形態のブレード12と同様に、風を受けてシャフト11を中心として回転する回転駆動力を発生させるものである(図1参照。)。ブレード312は、図11に示すように、直線状に延びて形成されるとともに断面が翼形、つまり直線翼状に形成された羽根である。ブレード312における回転方向前方(図11の左方)には前縁LEが設けられ、回転方向後方(図11の右方)には後縁TEが設けられている。さらにブレード312におけるシャフト11側(図11の紙面手前側)には正圧面PSが設けられ、シャフト11と反対側(図11の紙面奥側)には負圧面SS(図示せず。)が設けられている。
ブレード312における後縁TE側の正圧面PSには、負圧面SS側に凹み、ブレード312の翼厚を薄くするように切り欠いた抵抗部113が設けられている。さらに、抵抗部113には、抵抗部113の底面から正圧面PSに向かって突出するとともに、前縁LE側から後縁TEに向かって延びる補強部314が設けられている。補強部314における上方に向いた上端面314aは、前縁LE側から後縁TEに向かって、上方から下方に傾斜する傾斜面とされている。なお、図11に示すように、補強部314の全体を傾斜して配置してもよいし、第3の実施形態と同様に、上端面314aのみを傾斜させてもよい。
上記の構成によれば、上端面314aが、上方から下方に向かって、前縁LE側から後縁TEに向かう傾斜面であるため、上端面314aに落下した氷や雪は、上端面314aを後縁TE側に向かって滑り落ちる。
1,101・・・風力発電装置、10,110・・・垂直軸型風車(風車)、11・・・シャフト(回転軸)、12,112,212,312・・・ブレード(羽根)、20・・・発電部(回転速度変動部)、30・・・架台(支持部)、40・・・出力測定部(回転速度測定部)、50・・・風速計(風速測定部)、60・・・制御部、70・・・記憶部、113・・・抵抗部(凹部)、114,214,314・・・補強部、LE・・・前縁、TE・・・後縁

Claims (9)

  1. 風向に対して略垂直方向に延びる中心軸線まわりに回転可能に支持された回転軸、および、該回転軸に取り付けられ、風を受けて前記回転軸まわりに回転する回転駆動力を発生する複数の羽根を少なくとも有する風車と、
    前記回転軸および前記複数の羽根を、前記中心軸線まわりに回転可能に支持する支持部と、
    回転負荷を加えることにより前記回転軸の回転速度を繰り返し変動させる回転速度変動部と、
    が設けられている風力発電装置。
  2. 前記回転速度変動部による前記回転軸の回転速度を変動させるタイミング、および、変動した回転速度を維持する期間の少なくとも一方を変更する制御部が、さらに設けられている請求項1記載の風力発電装置。
  3. 前記複数の羽根を回転させる風の風速を測定する風速測定部と、
    前記回転軸の回転速度を測定する回転速度測定部と、
    予め測定された前記風車における前記風速および前記回転速度の関係を記憶する記憶部と、
    がさらに設けられ、
    前記制御部は、前記風力測定部により測定された前記風速および前記回転速度測定部により測定された前記回転軸の回転速度との関係と、前記記憶部に記憶された前記風速および前記回転速度の関係と、を対比して、
    前記測定された風速に対する前記測定された回転速度が、前記測定された風速と同じ前記記憶された風速に対する前記記憶された回転速度よりも低い場合には、前記回転速度変動部による前記回転軸における回転速度の変動を行う制御を開始する請求項2記載の風力発電装置。
  4. 前記回転速度変動部は、前記回転軸によって伝達された回転駆動力を用いて電力を発電する発電部であり、
    前記回転速度測定部は、前記発電部から出力された電力を測定する出力測定部である請求項3記載の風力発電装置。
  5. 前記支持部は、複数の前記風車を支持し、
    複数の前記風車には、それぞれの前記回転軸の回転速度を変動させる前記回転速度変動部が配置され、
    前記制御部は、前記回転軸の回転速度を変動させる制御を行う前記回転速度変動部の数を制御する請求項1から4のいずれか一項に記載の風力発電装置。
  6. 前記回転軸は、鉛直方向に延びて配置され、
    前記複数の羽根は、前記回転軸の前記軸線を中心とした、上方から下方に向かって広がる円錐面上に等間隔に、かつ、前記回転軸とともに回転可能に配置されている請求項1から4のいずれか一項に記載の風力発電装置。
  7. 前記回転軸は、鉛直方向に延びて配置され、
    前記複数の羽根は、断面が翼型に形成されるとともに、前記回転軸の前記軸線を中心とした円周上に等間隔に、かつ、前記回転軸とともに回転可能に配置され、
    前記羽根における前記回転軸側の面には、前縁と後縁との間から前記後縁まで、前記羽根の翼厚を薄くするように切り欠かいた凹部と、該凹部の面から前記回転軸に向かって突出するとともに前記前縁から前記後縁に向かって延びる補強部と、が設けられ、
    該補強部にける上端面は、上方から下方に向かって、前記回転軸側に近づく傾斜面、または、前記前縁から前記後縁に向かう傾斜面である請求項1から4のいずれか一項に記載の風力発電装置。
  8. 前記羽根における前記回転軸側の面には、太陽光を熱に変換する変換層が設けられている請求項6または7に記載の風力発電装置。
  9. 風を受けて風向に対して略垂直方向に延びる回転軸を回転させる回転駆動力を発生する風車と、前記回転軸によって伝達された回転駆動力を用いて発電を行う発電部と、が設けられている風力発電装置の運転方法であって、
    前記回転軸まわりに前記風車を回転駆動させる風の風速を測定するとともに、前記発電部から出力される電力を測定する測定ステップと、
    予め測定され記憶部に記憶された前記風車に関する前記風速および前記電力の関係と、前記測定ステップにおいて測定された前記風車に関する前記風速および前記電力の関係と、を対比する対比ステップと、
    前記測定された風速に対する前記測定された電力が、前記記憶された電力よりも低い場合には、回転負荷を加えることにより前記回転速度の回転速度を抑制する回転速度抑制部を用いて前記回転速度の抑制を行い、前記風車を振動させる制御ステップと、
    を有する風力発電装置の運転方法。
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