以下、添付書類にもとづき、本発明の実施の形態について説明する。
<第一実施形態>
図1は、本実施形態に係るプラグコネクタ2および該プラグコネクタ2が上方から嵌合されるレセプタクルコネクタ1の斜視図であり、コネクタ嵌合前の状態を示している。図2は、図1のレセプタクルコネクタ1およびプラグコネクタ2を上下反転させて示した斜視図であり、プラグコネクタ2を下方から嵌合させるようにした姿勢で示した斜視図である。
本実施形態におけるプラグコネクタ2および該プラグコネクタ2の相手コネクタたるレセプタクルコネクタ1は、それぞれ異なる回路基板(図示せず)の実装面上に配される回路基板用コネクタであり、各回路基板の面に対して直角な方向(図1での上下方向)を挿抜方向とするコネクタ組立体を構成している。本実施形態では、相手コネクタたるレセプタクルコネクタ2に対するプラグコネクタ1の嵌合方向、すなわち図1でプラグコネクタ2を下方へ向けて移動させる方向を「コネクタ嵌合方向」とし(図1の矢印)、その反対方向、すなわち図1での上方を「コネクタ抜出方向」として説明する。また、プラグコネクタ1に対するレセプタクルコネクタ2の嵌合方向および抜出方向は、それぞれ上述のプラグコネクタ1の「コネクタ嵌合方向」および「コネクタ抜出方向」の反対方向になる。レセプタクルコネクタ2の嵌合方向および抜出方向について説明する場合には、「レセプタクルコネクタ2の嵌合方向」および「レセプタクルコネクタ2の抜出方向」と明記する。
まず、プラグコネクタ2の説明に先立って、相手コネクタたるレセプタクルコネクタ1について説明する。レセプタクルコネクタ1は、図1に見られるように、略直方体外形をなすレセプタクル側ハウジング10と、該レセプタクル側ハウジング10の長手方向を端子配列方向として該レセプタクル側ハウジング10によって二列に配列保持される複数の相手端子20と、上記長手方向での上記レセプタクル側ハウジング10の両端部で保持される二つの相手ロック金具30および四つの固定金具70とを有している。該レセプタクルコネクタ1は、図1で示される姿勢で、回路基板上に配置実装される。
上記レセプタクル側ハウジング10は、例えば樹脂等の電気絶縁材で作られており、回路基板の実装面と平行な一方向を長手方向(端子配列方向)として延びている。該レセプタクル側ハウジング10は、上記実装面に対して平行な底壁11(図2参照)と、図1にて、該底壁11から上方へ向けて起立するとともに端子配列方向に延びる突壁12と、上記底壁11から上方へ向けて起立するとともに上記突壁12を囲む枠状の周壁13とを有している。該周壁13は、上記端子配列方向に延びる一対の側壁14と、該端子配列方向に対して直角なコネクタ幅方向に延び上記一対の側壁14の端部同士を連結する一対の端壁15とを有している。突壁12と周壁13との間で上方へ向け開口する環状空間は、プラグコネクタ2の嵌合部としての周壁43を受け入れるための受入部16として形成されている。本実施形態では、突壁12および周壁13のコネクタ挿抜方向に対して平行な面、換言すると、互いに対向する突壁12の外周面および周壁13の内周面が、プラグコネクタ2との挿抜嵌合のための嵌合面として形成されている。
上記レセプタクル側ハウジング10には、相手端子20を保持するための端子保持溝17が、突壁12の長手方向中心線に対してコネクタ幅方向で対称な二列をなし、端子配列方向で等間隔に配列形成されている。各端子保持溝17は、突壁12の側面、底壁11の上面、側壁14の内側面(突壁12の側面と対向する面)、該側壁14の上面及び外側面にわたって連続して延びるとともに没していて、上記端子配列方向に見て横S字溝状をなして形成されている。
また、図1に見られるように、底壁11は、端子配列方向での両端壁寄り位置、換言すると、端子配列範囲外の位置に、固定金具70を保持するための固定金具保持溝11Aが形成されている。該固定金具保持溝11Aは、上下方向に延びるスリット状をなしており、下方そしてコネクタ幅方向外方へ向けて開放されている。
上記レセプタクル側ハウジング10は、端子配列方向での両端部に相手ロック金具30を収容して保持する形態をなしているが、その形態の理解のために、レセプタクル側ハウジング10のさらなる説明に先立ち、まず、上記相手ロック金具30について説明する。
図3は、図1のレセプタクルコネクタ1の相手ロック金具30のみを、図1のレセプタクルコネクタ1に保持されている姿勢で示した斜視図である。相手ロック金具30は、金属板を所定の形状に打ち抜いた後、折曲端縁30Aをもつように板厚方向で折り返した屈曲加工を受けて作られている。図3に見られるように、該相手ロック金具30は、上方から見たときに全体として略T字状をなし、上方から見て二つの略L字状部分が対称に位置することにより上記略T字状をなす基部31と、該基部31の右端側(折曲端縁30A側)部分から上方へ起立する起立部32と、該起立部32の上端寄り位置で左方へ向けて突出するロック部33とを有している。
図3に見られるように、二枚の基部31はいずれも、金属板が折り返されることにより端子配列方向に延びる帯板状部分が二枚重ねされた状態をなす基腕部31Aと、板厚方向に屈曲されて拡がる該基腕部31Aの上記帯板状部分の左端側でそれぞれコネクタ幅方向(上記端子配列方向に対して直角な方向)外方へ向けて互いに離れるように板厚方向に屈曲される二つのロック解除操作部31Bと、該ロック解除操作部31Bのそれぞれから連続して上記コネクタ幅方向外方へ向けて延長された二つの延長腕部31Cとを有している。
図3に見られるように、各基腕部31Aは、その左端側に、上記ロック解除操作部31Bに連結される連結部31A−1を有している。該連結部31A−1は、左方へ向かうにつれて二枚の基腕部31A同士間の距離が徐々に広がるように板厚方向で若干屈曲されていて、互いに離れて位置している。上記ロック解除操作部31Bは、上記基腕部31Aの板面に対して直角よりも若干小さい鋭角に屈曲されており、図3に見られるように、その屈曲頂部が端子配列方向(図3にて左右方向)で左方へ向けて突出している。また、上記屈曲頂部は、図1および図2に見られるように、レセプタクル側ハウジング10外に突出して露呈しており、後述するように、端子配列方向内方(突壁12側へ向けた方向)へ向けた押圧力をコネクタ同士のロック解除のための操作力として受ける部位をなしている。
延長腕部31Cは、該ロック解除操作部31Bから連続して延長することで形成されており、コネクタ幅方向外方へ向かうにつれて起立部32側へ若干傾斜して延びる弾性変形部31C−1と、上記延長腕部31Cの自由端寄り位置で弾性変形部31C−1とは逆の傾斜をなすように屈曲され端子配列方向に対して直角な板面をもつ被保持部31C−2が形成されている。相手ロック金具30は、上記被保持部31C−2でレセプタクル側ハウジング10に保持されるようになっている。上記弾性変形部31C−1は、自由状態にてレセプタクル側ハウジング10の後述の傾斜面18A−1と端子配列方向で間隔をもって位置し(図7(A)の実線部分を参照)、該傾斜面18A−1へ向けて弾性変形可能となっており(図7(B)の破線部分を参照)、後述するように、起立部32そしてロック部33の端子配列方向での移動を可能としている。
被保持部31C−2は、上下方向に延びる縁部(自由端縁)の上部からコネクタ幅方向外方へ突出する被係止突部31C−2Aが形成されており、該被係止突部31C−2Aでレセプタクル側ハウジング10の後述の係止部18A−3に対して上下方向で係止可能となっている(図5参照)。
図3に見られるように、起立部32は、金属板が折り返されることにより、上下方向に延びる縦帯板状部分が二枚重ねにされた状態をなしており、該縦帯板状部分が上下方向に延びる右端縁となる既述の折曲端縁30Aで連結されている。該起立部32は、上下方向における基腕部31Aとロック部33との間の範囲で、上下方向に延びる各縦帯板状部分の左端縁からコネクタ幅方向外方へ向けて直角に屈曲されて被規制部32Aを有している。後述するように、該被規制部32Aは、レセプタクル側ハウジング10の規制部18B−1Aに対して係止可能となっている。
図3に見られるように、ロック部33も、基腕部31Aや起立部32と同様に、金属板部分が二枚重ねにされた状態で形成されており、全体として一つのロック部を形成している。該ロック部33は、上縁が左方へ向かうにつれて下方に傾斜する斜縁を有しているとともに、下縁が上下方向に対して直角な左右方向(端子配列方向)に延びていて鉤状に形成されている。後述するように、該ロック部33は、コネクタ嵌合状態にて、プラグコネクタ2に設けられた後述のロック金具60の被ロック部62C−1に対して上方へ向けて係止可能となっている。
レセプタクル側ハウジング10の説明に戻る。図2に見られるように、レセプタクル側ハウジング10は、相手ロック金具30を収容するための二つの収容溝部18が、端子配列方向での中央位置に対して対称となるようにしてレセプタクル側ハウジング10の端子配列方向両端側、上方(底壁11側)から見て略T字状をなし上方へ向けて開口して形成されている。
以下、図1ないし図7を参照しながら、収容溝部18の形状を説明する。ここで、図4は、図1のレセプタクルコネクタ1の相手ロック金具30の取付工程を示す、コネクタ幅方向に対して直角な面での断面斜視図であり、(A)は相手ロック金具30の取付前、(B)は該相手ロック金具30の取付後を示している。図5は、図1のレセプタクルコネクタ1の端子配列方向に対して直角な面での断面図であり、上記端子配列方向における相手ロック金具30の被保持部31C−2の位置での断面を示している。図6は、図1のレセプタクルコネクタ1のコネクタ挿抜方向に対して直角な面での断面図であり、上記端子配列方向での側壁14の範囲では、ロック部33の位置での断面を示し、上記端子配列方向での端壁15の範囲では、上下方向で被保持部31C−2の上端の位置での断面を示している。図7は、相手ロック金具30の移動を示すレセプタクルコネクタ1の一部の断面図であり、(A)はコネクタ挿抜方向に対して直角な面での断面を上方から見て示しており、(B)は端子配列方向に対して直角な面での断面を示している。
図4(A)によく見られるように、収容溝部18は、端壁15の下部で端子配列方向外側に位置して底壁11に形成されコネクタ幅方向に延びる外溝部18Aと、突壁12の端子配列方向での端部と該端部の下方で端子配列方向内側の位置での底壁とに形成され上下方向に延びる内溝部18Bと、端壁15および底壁11に形成され上記外溝部18Aおよび上記内溝部18Bを互いに連通させるように端子配列方向に延びる底溝部18Cとを有している。
図2に見られるように、上記外溝部18Aは、コネクタ幅方向で同方向両端部を除くほぼ全域にわたって延び、底壁11側(図2にて上方)および端子配列方向外方へ向けて開放されており、相手ロック金具30の二つの延長腕部31Cを収容している(図4(B)をも参照)。また、上記外溝部18Aは、コネクタ幅方向で各延長腕部31Cの弾性変形部31C−1に対応する位置に、コネクタ幅方向内方へ向かうにつれて端子配列方向外方へ傾斜する傾斜面18A−1が形成されている。該傾斜面18A−1は、既述したように、上記弾性変形部31C−1との間に間隔を形成している。
また、図2に見られるように、上記外溝部18Aのコネクタ幅方向での両端部には、上記延長腕部31Cの被保持部31C−2を収容して保持するためのスリット状の保持溝部18A−2が、上下方向に延びるとともにコネクタ幅方向内方へ向けて開放されて形成されている(図5をも参照)。図5に見られるように、保持溝部18A−2は、該保持溝部18A−2を形成する溝内壁面のうち上記被保持部31C−2の上下方向に延びる縁部に対向する溝内壁面の上部に、上記被保持部31C−2の被係止突部31C−2Aよりも下方位置で該被係止突部31C−2Aの下縁と対向して該下縁と係止可能な段状の係止部18A−3が形成されている。
図4(A)に見られるように、底溝部18Cは、上下方向に貫通しており(図7(B)をも参照)、図4(B)基腕部31Aのうち起立部32の下方に位置する端部を除く部分を収容している。
内溝部18Bは、図4(A)に見られるように、突壁12の端面(端子配列方向に対して直角な面)から没して形成されており、下方および端子配列方向外方(図4(A)における左方)へ向けて開放されている。該内溝部18Bは、端子配列方向外方寄り位置にて、コネクタ幅方向で互いに対向する溝内壁面に、該溝内壁面から突出する突出部18B−1が形成されている。該突出部18B−1は、コネクタ幅方向に見て略L字形状をなしており、内溝部18Bの端子配列方向中間位置にて上下方向で内溝部18Bのほぼ全域にわたって延びる縦部分と、該縦部分の下部から端子配列方向外方へ延びる横部分とから形成されていて、上記縦部分と上記横部分とで上記略L字形状をなしている。
突出部18B−1は、図4(B)に見られるように、相手ロック金具30の基腕部31Aの右端部および起立部32に対応する領域で突出している。コネクタ幅方向で互いに対向する突出部18B−1の頂部の突出対向面(コネクタ幅方向に対して直角な面)同士間の間隔は、上記基腕部31Aおよび起立部32の幅寸法よりも若干広く形成されている(図6および図7(A)をも参照)。したがって、上記突出部18B−1は、突出対向面が基腕部31Aの上記端部および起立部32のそれぞれの側面に対して若干の隙間をもって当接可能に位置し、該基腕部31Aの右端部および起立部32のコネクタ幅方向での位置を規制している。なお、上記突出部18B−1に上記縦部分を設けることは必須ではなく、例えば、相手ロック金具30の起立部32が十分な剛性をもつなどして上記コネクタ幅方向で変位しにくくなっている場合には、上記突出部18B−1から上記縦部分を省略して上記横部分のみからなる構成としてもよい。
上記突出部18B−1の横部分は、上記起立部32の被規制部32Aよりも下方に位置する段状の規制部18B−1Aとして形成されている。図4(B)に見られるように、該規制部18B−1Aの上端面が被規制部32Aの下縁と対向して該下縁と上下方向に係止可能に位置しており、上記相手ロック金具30の下方への移動を規制している。また、上記規制部18B−1Aの下隅部には、下方へ向かうにつれて端子配列方向内方へ傾斜する傾斜面18B−1Bが形成されている。該傾斜面18B−1Bは、後述するように、レセプタクル側ハウジング10への相手ロック金具30の取付けの際に、上記被規制部32Aを案内するための案内面として機能する。
また、図4(A),(B)に見られるように、突壁12は、端子配列方向にて上記突出部18B−1の縦部分から内溝部18Bの溝底18B−2(端子配列方向に対して直角な面)にまでわたる範囲で、該内溝部18Bの上側を閉塞する上壁12Aが形成されている。該上壁12Aの下面は、相手ロック金具30の起立部32の上縁と対向していて該上縁と係止可能に位置しており(図7(B)をも参照)、後述するように、上記起立部32の上部の上方への変位を規制している。
次に、図4(A),(B)にもとづいて、レセプタクル側ハウジング10への相手ロック金具30の取付けについて説明する。相手ロック金具30は、図4(A)に示されるように、レセプタクル側ハウジング10の収容溝部18へ下方から取り付けられる。相手ロック金具30の取付過程にて、該相手ロック金具30の被保持部31C−2の被係止突部31C−2Aが、外溝部18Aの保持溝部18A−2(図5参照)の溝内壁面(コネクタ幅方向に対して直角な面)に当接して押圧力を受けると、弾性変形部31C−1が外溝部18Aの傾斜面18A−1から離れるように弾性変形することにより、上記被保持部31C−2のさらなる上方への移動が許容される。そして、被係止突部31C−2Aが上記保持溝部18A−2の係止部18A−3よりも上方に達すると、図5に見られるように、弾性変形部31C−1が弾性復元力により弾性変形量を減じるように変形し、被係止突部31C−2Aが係止部18A−3に対して下方へ向けて係止可能に位置する。また、被保持部31C−2の上下方向に延びる縁部が保持溝部18A−2の上記溝内壁面に接圧をもって当接し、該接圧によって保持溝部18A−2内で保持される。
また、相手ロック金具30の取付過程にて、該相手ロック金具30の起立部32の被規制部32Aは、突出部18B−1の規制部18B−1Aに形成された傾斜面18B−1Bに当接する。被規制部32Aが上記傾斜面18B−1Bから端子配列方向外方へ向けた押圧力を受けると、弾性変形部31C−1が外溝部18Aの傾斜面18A−1から離れるように弾性変形することにより、上記被規制部32Aが端子配列方向外方(図4(A),(B)にて左方)へ変位し、上記被規制部32Aのさらなる上方への移動が許容される。該被規制部32Aが上記規制部18B−1Aより上方に達すると、上記弾性変形部31C−1が弾性変形状態から開放されて、弾性復元力により被規制部32Aが端子配列方向内方(図4(A),(B)にて右方)へ変位して戻ることにより、該被規制部32Aが上記規制部18B−1Aに対して下方へ係止可能に位置する。
上述したように、相手ロック金具30の上記被保持部31C−2および上記被規制部32Aがそれぞれレセプタクル側ハウジング10の係止部18A−3および上記規制部18B−1Aに対して係止可能に位置する結果、上記相手ロック金具30が上記収容溝部18で収容保持され、該相手ロック金具30の取付けが完了する。
相手端子20は、図1に見られるように、金属板を打ち抜いて得られた帯状片を板厚方向に屈曲して作られている。該相手端子20は、端子配列方向に見て全体が横S字状をなしており、プラグコネクタ2に設けられた端子50と接触するように屈曲された接触部21が一端側にそして回路基板の対応回路部に半田接続される接続部22が他端側に形成されている。該相手端子20は、上記端子配列方向に見たとき、逆U字形状をなす被保持部23が側壁14を跨ぐようにして、上方から端子保持溝17内に圧入されて取り付けられており、該側壁14の長手方向で等間隔をなして配列されている。被保持部23には、上記端子50と係止するためのロック突部23Aが上記接触部21側へ向けて突出して形成されている。
上記相手端子20が上記端子保持溝17で保持された状態では、図1に見られるように、該相手端子20の接触部21が突壁12の側面から受入部16へ向けて突出するとともに、上記ロック突部23Aが側壁14の内側面から受入部16へ向けて突出する。また、上記相手端子20の接続部22がレセプタクル側ハウジング10の底面とほぼ同じ高さでコネクタ幅方向外方へ向けて該レセプタクル側ハウジング10から延出している。
固定金具70は、金属板の平坦面を維持するようにして該金属板を打ち抜いて作られており、レセプタクル側ハウジング10の固定金具保持溝11Aへ下方から圧入されて保持されている。上記固定金具70は、回路基板の対応部(図示せず)に半田付けされることにより、該回路基板に対するレセプタクルコネクタ1の固定に寄与する。
次に、図1、図2および図7(B)にもとづいてプラグコネクタ2の構成を説明する。プラグコネクタ2は、略直方体外形をなすプラグ側ハウジング40と、該プラグ側ハウジング40の長手方向を端子配列方向として該プラグ側ハウジング40によって二列に配列保持される複数の端子50と、上記長手方向での上記プラグ側ハウジング40の両端部(後述の端壁45)で保持される二つのロック金具60とを有している。該プラグコネクタ2は、図2に示される姿勢で回路基板上に配置実装され、図1に示されるように上下反転させた姿勢でレセプタクルコネクタ1に嵌合接続される。
上記プラグ側ハウジング40は、例えば樹脂等の電気絶縁材で作られており、回路基板の実装面と平行な一方向を長手方向(端子配列方向)として延びている。該プラグ側ハウジング40は、上記実装面に対して平行な底壁41(図1参照)と、図2に見られるように、該底壁41から上方へ向けて起立する枠状の嵌合部としての周壁43とを有している。該周壁43は、上記端子配列方向に延びる一対の側壁44と、該端子配列方向に対して直角なコネクタ幅方向に延び上記一対の側壁44の端部同士を連結する一対の端壁45とを有している。該周壁43に囲まれ上方へ開口する空間は、レセプタクルコネクタ1の突壁12を受け入れるための受入部46として形成されている。本実施形態では、周壁43のコネクタ挿抜方向に対して平行な面、換言すると、該周壁43の外周面および内周面が、レセプタクルコネクタ1との挿抜嵌合のための嵌合面として形成されている。
図7(B)によく見られるように、端壁45は、該端壁45に取り付けられる後述のロック金具60の折返板部62を収容して保持するための保持凹部45Aが、上記端壁45の内壁面(嵌合面)から没するとともに上方へ開放されて形成されている。また、底壁41は、図7(B)に見られるように、保持凹部45Aの上方位置で上下方向にスリット状に貫通し該保持凹部45Aと連通する貫通孔41Aが形成されている(図1をも参照)。
図2に見られるように、端壁45は、保持凹部45Aよりも上方にプラグコネクタ2の案内のための案内部45Bが形成されている。案内部45Bの上面は、端子配列方向に向かうにつれて下方へ傾斜しており、コネクタ嵌合過程にて、プラグコネクタ2を端子配列方向でレセプタクル側ハウジング10の受入部16へ案内するための案内面として機能する。上記案内部45Bはコネクタ幅方向での中央位置で切り欠かれている。この切り欠かれた部分である切欠部45Cは、コネクタ幅方向で後述する相ロック金具60の孔部62Cと同位置に形成されている。コネクタ嵌合過程では、レセプタクルコネクタ1の相手金具30のロック部33が該切欠部45C内を通過することにより、ロック部33と上記案内部45Bとの干渉を回避できるので、該案内部45Bの損傷(削れ)を防止できる。
端子50は、金属板を打ち抜いて得られた帯状片を板厚方向に屈曲して作られている。該端子50は、プラグ側ハウジング40の各側壁44に一体モールド成形されて保持されており、該側壁44の長手方向で等間隔をなして配列されている。該端子50は、プラグ側ハウジング40の底壁41とほぼ同じ高さ位置で側壁44からコネクタ幅方向外方へ延出する直状の接続部51と、該接続部51に連続して図2での上方(図1での下方)へ向けて屈曲されるとともに逆U字状に折り返され上記側壁44に埋没保持される逆U字部分とを有している。該逆U字部分は、上記側壁44に沿って延びていて、逆U字状の板面が該側壁44と同一面を形成するようにして露呈している。
上記端子50の逆U字状部分の二つの脚部のうち、側壁44の内側面側に位置する一方の脚部は、レセプタクルコネクタ1の相手端子20の突状の接触部21を受け入れて該接触部21と接触するための接触凹部52が板面から没して形成されている。また、側壁44の外側面側に位置する他方の脚部は、上記相手端子20のロック突部23Aを受け入れて該ロック突部23Aと係止するための被ロック凹部53が板面から没して形成されている。
図8(A)は、図1における上下方向での姿勢にあるときのロック金具60を示す斜視図であり、図8(B)は、本実施形態に係るプラグコネクタ2の一部の横断面図であり、コネクタ挿抜方向に対して直角な面での断面を上方から見て示している。ロック金具60は、図8(A)に見られるように、金属板を所定の形状に打ち抜いた後、板厚方向で折り返すように屈曲加工して作られている。図7(B)に見られるように、該ロック金具60は、端子配列方向でのプラグ側ハウジング40の端壁45の位置にて底壁41の底面(図1での上面)とほぼ同じ高さに位置で端子配列方向外方へ延出する固定部61(図1をも参照)と、該固定部61に連続して図7(B)での下方(図2では上方)へ向けて屈曲されるとともに下端(後述の折返縁部62D)で上方(図2では下方)へ向けて折り返された折返板部62とを有している(図8(A)をも参照)。
上記固定部61は、回路基板の対応部(図示せず)に半田付けされることにより、該回路基板に対するプラグコネクタ2の固定に寄与する。また、図7(B)および図8(B)によく見られるように、上記折返板部62は、端壁45の内壁面側、すなわち受入部46を形成する嵌合面側でプラグ側ハウジング40の保持凹部45A内に収容保持されている。該折返板部62は、上記内壁面に対して平行な面をなす二つの板部が、該折返板部62の下端で折り返されてコネクタ幅方向に延びる折返縁部62Dを境にして上記端子配列方向で互いに対面して設けられている。本実施形態では、上記折返板部62の二つの板部のうち、端子配列方向外側(図7(B)にて左側)で上記内壁面を含む面に沿って位置し上端が上記固定部61に連結されている板部を「沿板部62A」といい、端子配列方向内側(図7(B)にて右側)で折返縁部62Dを境にして上記沿板部と反対側で平行に位置する板部を「平行板部62B」という。
沿板部62Aおよび平行板部62Bは、図7(B)および図8(A),(B)に見られるように、それぞれ板厚方向に貫通する孔部62Cが、端子配列方向から見て同位置に形成されている(図2をも参照)。本実施形態では、これらの二つの孔部62Cが相俟って、相手ロック金具30のロック部33と係止するための被ロック部62C−1として機能する(図7(B)参照)。また、図8(A)によく見られるように、沿板部62Aの両側で上下方向に延びる板厚面をなす両側縁部には、プラグ側ハウジング40の保持凹部45A内での折返板部62の圧入時の係止保持のための圧入突部62A−1が突出形成されている。
また、図8(A)に見られる姿勢でのロック金具60にて、平行板部62Bは、該平行板部62Bの両側で上下方向に延びる板厚面をなす両側縁部の上端位置に、不用意なコネクタ抜出時にロック金具60の抜けを防止するためのストッパ突部62B−1が突出形成されている。該ストッパ62B−1は、折返板部62がプラグ側ハウジング40の保持凹部45A内で保持された状態にて、該保持凹部45Aに形成されたストッパ段部(図示せず)に対してレセプタクルコネクタ1の抜出方向(例えば、図7(B)での下方)で係止可能に位置することにようになっている。コネクタ嵌合状態にあるプラグコネクタ2が不用意な抜出力を受けると、レセプタクルコネクタ1の抜出方向へ向けた上記抜出力がロック金具60に作用する。このとき、平行板部62Bのストッパ突部62B−1がプラグ側ハウジング40の上記ストッパ段部に対して係止することにより、ロック金具60の上記抜出方向への抜けが防止される。
ロック金具60は、折返板部62を底壁41の底面側(図7(B)の上方)から貫通孔41Aを経て保持凹部45A内に圧入することにより、プラグ側ハウジング40に取り付けられる。取付けが完了した状態では、沿板部62Aの圧入突部62A−1が上記保持凹部45Aの上下方向に延びる対応面たる両側内縁部に対して喰い込み、これによってロック金具60の抜けが防止される。また、上記平行板部62Bの板面は、該端壁45の内壁面と同一面を形成するようにして受入部46へ向けて露呈している(図2をも参照)。
次に、図1および図7(A),(B)にもとづいて、レセプタクルコネクタ1とプラグコネクタ2とのコネクタ嵌合動作について説明する。まず、レセプタクルコネクタ1およびプラグコネクタ2をそれぞれ対応する回路基板に半田接続により取り付ける。次に、図1に見られるように、レセプタクルコネクタ1を受入部16が上方へ向いた姿勢とするとともに、該レセプタクルコネクタ1の上方で、プラグコネクタ2の受入部46(図2参照)が下方へ向いた姿勢とする。
次に、図1の姿勢を維持したままプラグコネクタ2を降下させて、レセプタクルコネクタ1の突壁12をプラグコネクタ2の受入部46内へ下方から進入させるとともに、プラグコネクタ2の周壁43をレセプタクルコネクタ1の受入部16内へ上方から進入させる。この結果、レセプタクルコネクタ1の相手端子20の接触部21そしてロック突部23Aが、プラグコネクタ2の端子50の接触凹部52内そして被ロック凹部53内にそれぞれ突入係止して、端子同士の電気的な接触及びコネクタ抜出方向(上方)へのロックがなされる。
また、コネクタ嵌合過程において、ロック金具60の折返板部62の下端が、相手ロック金具30のロック部33の上縁(傾斜縁)に当接し、該ロック部33を端子配列方向内方へ向けた押圧力をもって押圧する。ロック部33が上記押圧力を受けると、該ロック部33は、図7(A)にて破線で示されるように、内溝部18Bの溝底18B−2(端子配列方向に対して直角な面。図4をも参照)側へ向けて移動して、内溝部18B内に収容される。このとき、ロック部33の移動は、相手ロック金具30の延長腕部31Cの弾性変形によって許容される。具体的には、図7(A)にて破線で示されるように、延長腕部31Cの弾性変形部31C−1が、被保持部31C−2との境界位置近傍を支点として、端子配列方向内方へ向けて、換言すると外溝部18Aの傾斜面18A−1へ向けて弾性変形する。この結果、相手ロック金具30の連結部31A−1同士が互いに近づくように変位し、起立部32およびロック部33が上記端子配列方向内方へ向けて、すなわち内溝部18Bの溝底18B−2側へ向けて移動する。
また、上記折返板部62の下端に位置する折返縁部62Dが上記ロック部33の上縁に当接すると、該ロック部33は、押圧力を受ける上縁が傾斜縁となっているので、上述した端子配列方向内方へ向けた分力の押圧力に加え、下方へ向けた分力の押圧力も受ける。しかし、本実施形態では、レセプタクル側ハウジング10の規制部18B−1Aが相手ロック金具30の被規制部32Aの下方にて該被規制部32Aと係止可能に位置していて、相手ロック金具30の下方への移動が規制されるようになっているので、レセプタクル側ハウジング10からの相手ロック金具30の抜けが防止される。
上述したように、ロック部33が内溝部18B内へ収容されることにより、プラグコネクタ2のさらなる降下が許容される。そして、図7(B)に見られるように、ロック金具60の孔部62Cが、相手ロック金具30のロック部33の位置に達して該ロック部33が上述の押圧力から開放されると、図7(A),(B)にて実線で示されるように、延長腕部31Cが弾性変形状態から開放されてその弾性復元力により自由状態に戻る。この結果、ロック部33は、図7(B)にて実線で示されるように、孔部62C内へ進入し、被ロック部62C−1、すなわち孔部62Cの下縁に対してコネクタ抜出方向(上方)へ係止可能に位置してロック状態となる。
本実施形態では、折返板部62は、プラグ側ハウジング40の端壁45の内壁面側、すなわち、一方の嵌合面側に位置している。つまり、折返板部62は、端壁45を跨いでいないので、沿板部62Aと平行板部62Bとを端子配列方向にて互いに近接した位置で対向し合うように設けることができる。このように、平行板部62Bを沿板部62Aに近接した位置に設けることにより、平行板部62Bの被ロック部62C−1とプラグ側ハウジング60に保持される沿板部62Aとの間の距離を小さくできる。したがって、コネクタ嵌合状態あるプラグコネクタ2に不用意な抜出力としてのコネクタ抜出方向への外力が作用して、上記平行板部62Bの被ロック部62C−1が上記抜出力を受けても、上記距離が小さい分、折返板部62に曲げ変形が生じにくくなるので、ロック金具60の破損を防止できる。
また、沿板部62Aの被ロック部62C−1にも上記抜出力が作用するが、該沿板部62Aは圧入突部62A−1によってプラグ側ハウジング40に保持されており、該圧入突部62A−1と上記被ロック部62C−1との上記端子配列方向における距離が零となるので、折返板部に曲げ変形が生じることがなく、ロック金具60の破損を防止できる。
また、本実施形態では、ロック金具60の被ロック部62C−1は、ロック金具60の折返板部62の二つの板部、すなわち外板部62Aおよび内板部62Bで、同一位置にて同一径で貫通する孔部の縁部として形成されているので、一つの板部だけに被ロック部を設ける場合と比較して、相手ロック金具30のロック部33に対して係止可能な部分の範囲が二枚の板厚分となって倍増し、その分、ロック状態の確実性そして安定性を向上させることができる。本実施形態では、被ロック部を二つの板部に設けることしたが、三つ以上の板部に設けることにより、ロック状態をさらに安定させることができるのは言うまでもない。
また、本実施形態では、沿板部62Aの圧入突部62A−1は、該沿板部62Aの板厚面をなす両側縁部から突出している。つまり、圧入突部62A−1は板厚方向には突出していないので、沿板部62Aと平行板部62Bの板面同士をより近接させることができる。この結果、折返板部62が変形しにくくなり、ロック金具62の破損をより確実に防止できる。また、上記圧入突部62A−1は上記板厚方向には突出していないので、その分、端壁45の壁厚を確保でき、該端壁45の強度を大きく維持できる。
このように、端子20,50同士が互いに接続そしてロックされ、相手ロック金具30,60同士がロックされることにより、コネクタ嵌合動作が完了する。既述したように、レセプタクル側ハウジング10の突壁12には、相手ロック金具30の起立部の上縁と対向して該上縁と係止可能に位置する上壁12Aが設けられている。したがって、コネクタ嵌合状態にて、プラグコネクタ2がコネクタ抜出方向(上方)へ不用意にもち上げられたとしても、上記起立部32の上縁が上記上壁12Aの下面に係止するので、上記起立部32の上部の変位が規制される。この結果、相手ロック金具30のロック部33とロック金具60の被ロック部62C−1との係止状態が維持され、安定したロック状態を維持できる。
また、既述したように、相手ロック金具30の起立部32および基腕部31Aは、内溝部18Bの対向内壁面から突出する突出部18B−1の突出対向面によって、コネクタ幅方向での位置が規制されているので、上記ロック部33と上記被ロック部62C−1との係止状態を確実に確保でき、安定したロック状態を維持できる。
次に、図7(A),(B)にもとづいて、コネクタ抜出動作について説明する。レセプタクルコネクタ1とのコネクタ嵌合状態にあるプラグコネクタ2を抜出する際には、レセプタクルコネクタ1の相手ロック金具30のロック解除操作部31Bを端子配列方向内方へ向けて押圧して解除操作を行う。ロック解除操作部31Bが上記端子配列方向内向への押圧力を解除操作力として受けると、延長腕部31Cの弾性変形部31C−1が同方向に弾性変形する。そして、既述したコネクタ嵌合過程について説明したのと同様に、相手ロック金具30の連結部31A−1同士が互いに近づくように変位し、起立部32およびロック部33が上記端子配列方向内方へ向けて、すなわち内溝部18Bの溝底18B−2側へ向けて移動する(図7(A),(B)の破線参照)。
この結果、ロック部33が内溝部18B内に収容され、該ロック部33とプラグコネクタ2のロック金具60の被ロック部62C−1との係止可能なロック状態が解除される。そして、プラグコネクタ2をコネクタ抜出方向(上方)へもち上げることにより、該プラグコネクタ2が難なく抜出され、コネクタ抜出動作が完了する。
本実施形態では、相手ロック金具30は、起立部32が内溝部18B内に位置しているとともに、ロック部33が上記起立部32の上部から内溝部18B外へ向けて突出して受入部16内に位置している。換言すると、起立部32およびロック部33が端子配列方向での端壁15同士間の範囲内に位置しており、この範囲内で移動するようになっている。したがって、ロック部33の突出量を大きく確保しても、相手ロック金具30の配置の有無にかかわらず存在する上記範囲内で該ロック部33そして起立部32の上記端子配列方向での移動を許容するための空間を容易に確保でき、上記端子配列方向でコネクタの大型化を回避できる。また、本実施形態では、相手ロック金具30のうち上記範囲内に配される部分は、コネクタ幅方向に対して直角な板面をもつ板状をなしている。したがって、該コネクタ幅方向では上記部分の板厚分の寸法を、同方向での側壁14同士間の範囲に確保すれば済むので、同方向でもコネクタの大型化を回避できる。
また、上記突壁12は端子配列方向、すなわちレセプタクル側ハウジング10の長手方向に延びているので、端壁の壁厚内に溝部を形成する場合と比較して、上記溝部(内溝部18B)の深さを十分に大きくすることができる。したがって、ロック部33の突出量を大きく確保しても、起立部32が、該ロック部33が上記内溝部18B内に収容されるのに必要な寸法分だけ上記内溝部18B内で移動できる。つまり、ロック部33の突出量を十分に大きくして、ロック金具60の被ロック部62C−1と係止可能な部分の範囲を大きく確保できるので、確実なロック状態を安定して得ることができる。
また、本実施形態では、相手ロック金具30の基部31に設けられた弾性変形部31C−1の弾性変形により、ロック部33および起立部32の端子配列方向での移動が許容されている。このように、基部31に弾性変形部31C−1を設けたことにより、ロック部33自体に弾性をもたせる必要がなくなるので、ロック部33自体の剛性ひいては強度を高くでき、安定したロック状態を得ることができる。また、ロック部33の突出量を大きくすることにより、該ロック部33の剛性ひいては強度をさらに高くできるので、ロック状態の安定性のさらなる向上を図ることができる。
本実施形態では、ロック金具60の折返板部62は、沿板部62Aおよび平行板部62Bの両方に被ロック部62Cが形成されていることとしたが、ロック強度が十分に確保できる場合には、沿板部62Aおよび平行板部62Bのいずれか一方のみに被ロック部62Cを形成することとしてもよい。
沿板部62Aのみに被ロック部62Cを形成する場合には、例えば、図7(B)において、沿板部62Aの孔部62Cの上下方向寸法を若干小さくして、該孔部62Cの下縁を平行板部62Bの孔部62Cの下縁よりも上方に位置するようにする。これによって、プラグコネクタ2が上方へもち上げられたときに、沿板部62Aの孔部62Cの下縁のみが相手ロック金具30のロック部33に係止するようになり、該下縁のみが被ロック部62C−1として機能する。また、図7(B)において、平行板部62Bの孔部62Cの上下方向寸法を若干小さくして、該孔部62Cの下縁を沿板部62Aの孔部62Cの下縁よりも上方に位置するようにすれば、平行板部62Bのみに被ロック部62C−1を形成することができる。
<第二実施形態>
第一実施形態では、プラグコネクタ2のロック金具60の折返板部62は、プラグ側ハウジング40の端壁45に形成された一方の嵌合面としての内壁面(受入部46を形成する面)側に設けられているが、第二実施形態では、折返板部が端壁の他方の嵌合面としての外壁面側に設けられており、この点で、第一実施形態と構成が異なっている。図9は、第二実施形態に係るプラグコネクタの一部の断面図であり、(A)は、コネクタ挿抜方向に対して直角な面での横断面を上方から見て示しており、(B)は、コネクタ嵌合状態におけるコネクタ幅方向に対して直角な面での縦断面を示している。第二実施形態のプラグコネクタの形状は、上記ロック金具の折返板部の位置および形状を除いて、第一実施形態と同じであるので、同一部分には、第一実施形態の符号に「100」を加えて説明を省略する。
図9(A),(B)に見られるように、第二実施形態では、ロック金具160の折返板部162を収容して保持するための保持凹部145Aが、プラグ側ハウジング140の端壁145の外壁面(嵌合面)から没するとともに図9(B)での上方へ開放されて形成されている。また、図9(B)に見られるように、底壁141は、保持凹部145Aの上方位置で上方そして端子配列方向外方(図9(B)にて左方)へ開放され保持凹部145Aと連通する凹部141Aが形成されている。
ロック金具160は、圧入突部162A−1が形成された沿板部162Aが図9(B)での上方から保持凹部145Aへ圧入されて該保持凹部145A内に収容保持されることにより、折返板部162が端壁145の外側面側に設けられている。本実施形態では、沿板部162Aが端子配列方向内側(図9(A),(B)にて右側)にそして平行板部162Bが端子配列方向外側(図9(A),(B)にて左側)に位置している。該平行板部162Bの板面は、端壁145の外壁面と同一面を形成するようにして端子配列方向外方へ向けて露呈している。また、固定部161は、図9(B)によく見られるように、沿板部162Aの上端で端子配列方向外方へ向けて直角に屈曲されて、プラグ側ハウジング140外へ延出している。
図9(B)に見られるように、本実施形態では、レセプタクルコネクタ101の相手ロック金具130は、起立部132およびロック部133が端壁145側に設けられており、ロック部133が端子配列方向内方(図9(B)にて右方)へ向けて突出しており、受入部116内に位置している。上記相手ロック金具130は、弾性変形部131C−1が端子配列方向に弾性変形することにより、起立部132およびロック部133が同方向で移動可能となっている。そして、コネクタ嵌合状態にでは、図9(B)に見られるように、相手ロック金具130のロック部133が、ロック金具160の沿板部162Aおよび平行板部162Bのそれぞれの孔部162Cに進入して、該孔部162Cの下縁で形成された被ロック部162C−1に対してコネクタ抜出方向で係止可能に位置する。この結果、コネクタ同士の不用意な抜けが防止されている。
<第三実施形態>
第二実施形態では、ロック金具160の沿板部162Aおよび平行板部162Bの両方に孔部162Cが形成されていて、両孔部162Cの縁部に被ロック部が162C−1をなしていることとしたが、第三実施形態では、孔部そして被ロック部は平行板部のみに形成され、沿板部は相手ロック金具のロック部と接触して電気的に導通可能となっており、この点で、第二実施形態と構成が異なっている。
図10(A)は、第三実施形態に係るプラグコネクタを示す斜視図であり、図10(B)は、図10(A)のプラグコネクタの一部のコネクタ幅方向に対して直角な面での縦断面図である。第三実施形態のプラグコネクタの形状は、上記ロック金具の沿板部の形状を除いて、第二実施形態と同じであるので、同一部分には、第二実施形態の符号に「100」を加えて説明を省略する。
図10(A),(B)に見られるように、第三実施形態に係るプラグコネクタ202のロック金具260の沿板部262Aは、第二実施形態の沿板部162Aに孔部162Cを塞いだ形状、すなわち、該沿板部162Aに孔部162Cを形成することなく沿板部全域を板面とした板状部分をなしている。
図10(A),(B)に見られるように、平行板部262Bの両側の上下方向に延びる縁部の下端位置には、ストッパ部262B−1が突出形成されている。また、プラグ側ハウジング240の保持凹部245Aを形成する内壁面のうちコネクタ幅方向で両側に位置する内壁面(コネクタ幅方向に対して直角な面)の下端位置には、上記ストッパ部262B−1に対して係止可能なストッパ段部245A−1が形成されている。この結果、コネクタ嵌合状態にあるプラグコネクタ2が不用意な抜出力を受けると、上記ストッパ突部262B−1が上記ストッパ段部245A−1に対して係止することにより、レセプタクルコネクタ202の抜出方向へのロック金具260の抜けが防止される。
第三実施形態では、ロック金具260および相手ロック金具230は、コネクタ同士をロックするためのロック機能のみならず、互いに接触することにより電気的に導通する端子としての機能をも有している。具体的には、ロック金具260の沿板部262Aおよび相手ロック金具230のロック部233が互いに接触する接触部として機能する。第三実施形態では、図10(B)に見られるように、コネクタ嵌合状態において、相手ロック金具230のロック部233が上記平行板部262Bの孔部262Cに進入して被ロック部262C−1に対して係止可能に位置したときに、孔部262Cから突出した先端が上記接触部としての板部232Aの板面(沿板部262Aと対面する板面)に接触することにより、ロック金具260と相手ロック金具230とが電気的に導通可能となる。
<第四実施形態>
第一実施形態では、プラグコネクタ2のロック金具60の被ロック部62C−1は折返板部62の孔部62Cの縁部に設けられているが、第四実施形態では、被ロック部が折返板部の平行板部の板面から突出する突部として形成されており、この点で、第一実施形態と異なっている。図11は、第四実施形態に係るプラグコネクタ502を示しており、(A)はプラグコネクタ502を示す斜視図であり、(B)は(A)のプラグコネクタ502のコネクタ幅方向に対して直角な面での断面斜視図である。第四実施形態のプラグコネクタ502の形状は、上記ロック部および沿板部を除いて、第一実施形態のプラグコネクタ2と同じであるので、同一部分には、第一実施形態の符号に「500」を加えて説明を省略する。
図11(A),(B)に見られるように、ロック金具560の沿板部562Aおよび平行板部562Bには、第一実施形態のような孔部は形成されていない。第四実施形態では、ロック金具560の被ロック部562Cは、平行板部562Bの板面から端子配列方向内方へ向けて突出する突部として形成されている。上記被ロック部562Cは、図11(B)に見られるように、内側板部562Bにプレス加工を施すことにより形成されている。コネクタ嵌合状態では、図11(B)に見られるように、上記被ロック部562Cは、レセプタクルコネクタ501の相手ロック金具530のロック部533の下方に位置で、該ロック部533に対してコネクタ抜出方向(上方)へ向けて係止可能に位置する。
第四実施形態では、上述のように、被ロック部562Cが突部として形成されているので、上記突部の突出量を大きくすることにより、相手ロック金具530のロック部533に対して係止可能な範囲をその突出量の分だけ確保することができる。
第一ないし第四実施形態では、相手ロック金具のロック部の下縁は、上下方向に対してほぼ直角に延びていて、プラグコネクタの抜出は、別部位でのロック解除操作が必要であることしたが、これに代えて、端子配列方向外方へ向かうにつれて上方へ向けて傾斜する傾斜縁を有していていてもよい。このようにロック部に傾斜縁を設けた場合、コネクタ抜出の際にプラグコネクタを一定量以上の抜出力をもって上方へもち上げると、上記被ロック部が上記ロック部の傾斜縁(下縁)に下方から当接して該ロック部を端子配列方向内方へ向けて押圧する。この結果、ロック金具の弾性変形部の弾性変形によって、上記ロック部の端子配列方向内方への移動が許容されて、ロック状態が解除されるので、プラグコネクタの抜出が可能になる。つまり、プラグコネクタをもち上げる操作だけで該プラグコネクタを抜出できるので、ロック部にロック解除操作部を設ける必要がなくなる。このような形態は、ロック強度がさほど大きくないようなコネクタに適用されるのが好ましい。また、ロック部の下縁に代えてあるいはロック部の下縁とともに、被ロック部の縁部に、端子配列方向内方へ向かうにつれて下方へ傾斜する傾斜縁を設けた場合も同様の効果が得られる。
第一ないし第四実施形態では、ロック金具は、ハウジングに保持されるための圧入突部が沿板部に設けられていたが、該圧入突部は、上記沿板部とともに、あるいは上記沿板部に代えて、平行板部に設けられていてもよい。圧入突部が平行板部に設けられた場合には、被ロック部と圧入突部の両方が上記平行板部に設けられることとなるので、上記沿板部と平行板部との対向方向における上記圧入突部との上記被ロック部との距離が零となる。したがって、コネクタ嵌合状態ある相手コネクタに不用意な抜出力としてのコネクタ抜出方向への外力が作用しても、折返板部に曲げ変形が生じることがなく、ロック金具の破損を防止できる。
第一ないし第四実施形態では、コネクタおよび相手コネクタは回路基板用電気コネクタであることとしたが、コネクタの種類はこれに限られず、例えば、ケーブルに接続されるケーブル用電気コネクタであることとしてもよい。また、第一ないし第四実施形態では、ロック金具は、プラグコネクタに設けられることとしたが、これに代えて、レセプタクル側コネクタに設けることとしてもよい。
第一ないし第四実施形態では、ロック金具は、ハウジングの端壁で保持されることとしたが、これに代えて、ハウジングの側壁で保持されることとしてもよい。この場合、上記ロック金具の折返板部の位置は、該側壁の嵌合面側であることが必要であり、該嵌合面として形成されているのであれば該側壁の内側面側および外側面側のいずれであってもよい。