JP5685825B2 - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents
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Description
ンクを吐出するインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
で、ノズルから液滴を吐出する液体噴射ヘッドが知られており、その代表例としては、ノ
ズルからインク滴を噴射するインクジェット式記録ヘッド(以下、ヘッドとも言う)が挙
げられる。
ル開口に連通する圧力発生室が形成された流路形成基板と、圧力発生室に圧力を付与する
圧力発生手段とを備えたヘッド本体が、樹脂から形成されたヘッドケースに保持されたも
のがある。
路に供給されるインクを加熱するための加熱体として、金具をヘッドケース内部に埋設し
たものがある(例えば、特許文献1参照)。このようなヘッドケースは、一般にインサー
ト成形により形成される。
保持して樹脂を流し込む必要があるため、完成したヘッドケースには、金型が当接してい
た金具の一部が露出した溝部が現れる。この溝部における樹脂と金具との界面はインクが
浸入する流路となり得るので、ヘッド本体を構成する各部材が浸入したインクで短絡し、
故障を生じる虞がある。
このような溝部がある場合、インクカートリッジ等の流路部材から漏れ出たインクが、ヘ
ッドケースの外面における樹脂と金具との界面に流れ込み、収納部における溝部にまで達
して当該インクが収納部内に漏れ出し、ヘッド本体に達する虞がある。
、他の液滴を噴射する液体噴射ヘッドにおいても同様に存在し、また、金具のヘッドケー
スへの埋設をインサート成形により行った場合だけでなく、ヘッドケースに埋設した金具
が一部露出したヘッド一般においても同様に存在する。
護して信頼性を向上することができる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを
課題とする。
かかる態様では、液体が収容部の溝部に浸入しても、当該液体は、溝部を流れ落ちて貯留部に貯留される。このように液体が貯留部に貯留されるので、液体が液体噴射ヘッド本体を構成する各部材に付着することが防止され、これらの部材に動作不良や故障が生じることが防止される。特に、ヘッドケースの外面に露出した補強部材の一部におけるヘッドケースと補強部材との界面に、液体が浸入すると、収容部の内側面に設けられた溝部にまで達することがあるが、このような場合においても当該液体は溝部を流れ落ちて貯留部に貯留されるので、液体噴射ヘッド本体を構成する各部材を液体から保護することができる。本発明に係る液体噴射ヘッドは、このような貯留部が設けられたことにより、ヘッドケースの収容部に浸入した液体から各部材が保護されるので、信頼性が向上したものとなる。
り、溝部に流れ落ちた液体を好適に貯留することができる。
とが好ましい。これにより、溝部の底面側とその側面との成す角が鈍角になるため、貯留
部に貯留された液体が、当該底面とその側面との境界部を表面張力で上方に昇っていくこ
とが抑制される。これにより、貯留部外に液体があふれ出すことが防止され、より一層、
液体噴射ヘッド本体の保護を確実なものとすることができる。
部の開口が広くなるため、開口縁部の近傍では液体の表面張力が弱くなり、貯留部から液
体があふれ出にくくなる。
前記圧電素子の先端面が固定される振動板を有すると共にノズル開口に連通する複数の圧
力発生室が設けられた流路形成基板とを備え、前記圧電素子形成部材は、前記収容部内に
固定され、前記流路形成基板は、前記ヘッドケースの鉛直方向下側の端面に接合されてい
ることが好ましい。これにより、液体噴射ヘッド本体を構成する圧電素子形成部材や、流
路形成基板を液体から保護することができる。
装置にある。かかる態様では、信頼性が向上した液体噴射装置が提供される。
〈実施形態1〉
図1は、本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの一例を示す平面図で
あり、図2は、図1のA−A線断面図であり、図3は、図1のB−B線断面図である。
ヘッドケース50とから構成されている。
12と、ヘッドケース50に設けられた収容部51に保持された2つの圧電素子ユニット
34とから構成されている。
の隔壁17によって画成された圧力発生室11がその幅方向(短手方向)に並設されてい
る。また、各圧力発生室11の長手方向一端部側には、各圧力発生室11に液体の一例で
あるインクを供給するためのマニホールド18がインク供給路19を介して連通されてい
る。また、流路形成基板12の圧力発生室11の開口面側は振動板15で封止され、他方
面側にはノズル開口13が穿設されたノズルプレート14が接着剤や熱溶着フィルムを介
して接着されている。
らなる弾性膜27と、この弾性膜27を支持する、例えば、金属材料等からなる支持板2
8との複合板で形成されており、弾性膜27側が流路形成基板12に接合されている。例
えば、本実施形態では、弾性膜27は、厚さが数μm程度のPPS(ポリフェニレンサル
ファイド)フィルムからなり、支持板28は、厚さが数十μm程度のステンレス鋼板(S
US)からなる。また、振動板15の各圧力発生室11に対向する領域内には、圧電素子
の先端部が当接する島部29が設けられている。すなわち、振動板15の各圧力発生室1
1の周縁部に対向する領域に他の領域よりも厚さの薄い薄肉部30が形成され、この薄肉
部30の内側にそれぞれ島部29が設けられている。本実施形態では、振動板15に島部
29を設けることで、振動板15に他の領域(薄肉部30)よりも厚い厚肉部が設けられ
ている。
板28がエッチングにより除去されて実質的に弾性膜27のみで構成されるコンプライア
ンス部31が設けられている。なお、このコンプライアンス部31は、マニホールド18
内に圧力変化が生じた時に、このコンプライアンス部31の弾性膜27が変形することに
よって圧力変化を吸収し、マニホールド18内の圧力を常に一定に保持する役割を果たす
。
一例であるインク供給路33を有するヘッドケース50が固定されており、このヘッドケ
ース50には、圧電素子ユニット34が高精度に位置決めされて固定されている。具体的
には、ヘッドケース50には厚さ方向に貫通した収容部51が設けられており、この収容
部51の一方の内側面に圧電素子ユニット34が固定されている。また、各圧電素子の先
端は、振動板15上の各圧力発生室11に対応する領域に設けられた各島部29(厚肉部
)に接着剤等を介して固定されている。
16と、圧電素子形成部材16の先端部(一端部)側が自由端となるようにその基端部(
他端部)側が固定端として接合される固定板24とを有する。圧電素子形成部材16は、
圧電材料21と電極形成材料22及び23とを縦に交互にサンドイッチ状に挟んで積層す
ることにより形成されている。このような圧電素子ユニット34は、固定板24の圧電素
子形成部材16が固定された面とは反対側の面が、ヘッドケース50の収容部51の内側
面に固定される。
搭載された回路基板35が接続されている。回路基板35は、例えば、本実施形態では、
チップオンフィルム(COF)からなる。回路基板35の各配線は、その基端部側では、
例えば、半田、異方性導電材等によって圧電素子を構成する電極に接続されている。一方
、先端部側では、特に図示しないが、ヘッドケース50上に配設される配線基板に接合さ
れている。
ス部31の変形を許容する空間である空間部32が形成されている。この空間部32はヘ
ッドケース50に設けられる連通孔(図示せず)を介して外部と連通している。つまり空
間部32は大気開放されている。これによりコンプライアンス部31がマニホールド18
の圧力変化に伴って良好に変形する。
ヘッドケース50は、鉛直方向に貫通する貫通孔である収容部51が2つ設けられており
、各収容部51にヘッド本体40の圧電素子ユニット34が保持されている。
る。具体的には、ヘッドケース50の2つの収容部51を隔てる隔壁52に、補強部材6
0(金属部材)が埋設されている。
際に、金型内に補強部材60を予め挿入しておくことで、ヘッドケース50と一体化(一
体成形)することができる。勿論、ヘッドケース50に補強部材60を埋設する方法は、
一体成形に限定されず、ヘッドケース50に埋設孔を設け、埋設孔内に補強部材60を接
着剤や圧入等によって埋設するようにしてもよい。
部材60は、ヘッドケース50よりも高い剛性を有している。このため、ヘッドケース5
0の隔壁52に補強部材60を設けることで、ヘッドケース50の剛性を向上することが
できる。
の両方の端面61が露出している。本実施形態では、端面61は、ヘッドケース50を成
形する際に金型が当接されて保持されていた部分である。このため、端面61は樹脂で覆
われず、ヘッドケース50の外面に露出している。
一部が底面に露出した溝部53が形成されている。本実施形態では、溝部53は、上端側
へは隔壁52の頂面に達するまで延設され、下端側へは隔壁52の途中まで延設されてい
る。このような溝部53が隔壁52の両側面にそれぞれ4つ形成されている。
を成形する際に金型が当接されて保持されていた部分である。一体成形時の樹脂の熱で補
強部材60が膨張、変形することを抑制するために、補強部材60の各面の4カ所を金型
で挟持したため、このような溝部53が形成されている。
されている。図4及び図5を用いて貯留部54を詳細に説明する。
4が形成されている。具体的には、貯留部54は、溝部53の下端部に立設した壁部55
と、溝部53の側面56a、56bと、溝部53の底面57(溝部53に露出した補強部
材60の一部)とが凹部の側壁を構成することにより形成されている。
界面に浸入したインクなどの液体は、溝部53において底面に露出した補強部材60と溝
部53の側面56a(56b)との界面にまで達することがある。このように外部から補
強部材60とヘッドケース50との界面を伝ってインクが収容部51内に浸入しても、当
該インクは、溝部53に達し、そのまま溝部53を流れ落ちて貯留部54に貯留される。
素子や回路基板35の配線やIC等の各部材に付着することが防止され、これらの部材に
動作不良や故障が生じることが防止される。本実施形態に係るヘッド10は、このような
貯留部54が設けられたことにより、ヘッドケース50の収容部51に浸入したインクな
どの液体から各部材が保護されるので、信頼性が向上したものとなる。
ス50と、ヘッドケース50の上に接合される流路部材等との界面からインクが浸入する
虞がある。この場合においても、当該インクが溝部53を流れ落ちても貯留部54に貯留
されるので、圧電素子や回路基板35等をインクから保護することができる。
状に形成されている。すなわち、図4に示すように、平面視において、壁部55、側面5
6a、56b及び底面57とから形成された開口が、底面57の部分を短辺とする略台形
状に形成されている。このように貯留部54の開口が略台形状に形成されていることで、
底面57と側面56a、56bとの成す角θ1が鈍角になっている。
り、底面57と側面56a、56bとの境界部を上方に昇っていくことが抑制される。角
θ1が鈍角であるほどインクの表面張力が弱くなり、当該境界部を上昇して行き難くなる
からである。このように貯留部54の角θ1を鈍角にしたことにより、貯留部54に貯留
されたインクが底面57と側面56a、56bとの境界部を上昇して、貯留部54外にあ
ふれ出してしまうことが防止される。より一層、ヘッド本体40を構成する各部材の保護
を確実なものとすることができる。
とで、さらに貯留部54に貯留されたインクが貯留部54外にあふれ出すことを防止でき
る。例えば、図5に示すように、壁部55の開口縁部58をR形状とすることで、壁部5
5の開口縁部58は、側面56aから離れて距離が開くことになるため、上述した角θ1
が鈍角である場合と同様に、開口縁部58近傍ではインクの表面張力が弱くなり、貯留部
54からインクがあふれ出にくくなるからである。
素子及び振動板15の変形によって各圧力発生室11の容積を変化させて所定のノズル開
口13からインク滴を吐出させるようになっている。具体的には、図示しないインクカー
トリッジから、インク供給路33を介してマニホールド18にインクが供給されると、イ
ンク供給路19を介して各圧力発生室11にインクが分配される。実際には、圧電素子に
電圧を印加することにより圧電素子を収縮させる。これにより、振動板15が圧電素子と
共に変形されて圧力発生室11の容積が広げられ、圧力発生室11内にインクが引き込ま
れる。そして、ノズル開口13に至るまで内部にインクを満たした後、配線基板を介して
供給される記録信号に従い、圧電素子の電極に印加していた電圧を解除する。これにより
、圧電素子が伸張されて元の状態に戻ると共に振動板15も変位して元の状態に戻る。結
果として圧力発生室11の容積が収縮して圧力発生室11内の圧力が高まりノズル開口1
3からインク滴が吐出される。
以上、本発明の実施形態を説明したが、勿論、本発明は上述したものに限定されるもの
ではない。例えば、貯留部54は、上述した構成に限定されず、溝部53を流れ落ちるイ
ンクを貯留できる形状であればよい。例えば、溝部53の下端部に、溝部53の底面57
側に向けて下降する傾斜面を設けることにより貯留部を形成してもよい。この場合におい
ても、溝部53を流れ落ちたインクは、傾斜面の下側に貯留されるので、インクが貯留部
54外に漏れ出ることが防止される。
示したが、このような目的に限らない。例えば、ヘッドケース50のインク供給路33を
流れるインクを加熱するための熱を伝達する媒体として金属部材をヘッドケース50に一
体成形した場合においても、本発明の作用効果が得られる。
発明を説明したが、圧力発生手段の構成は特に限定されず、例えば、いわゆる撓み振動型
の圧電素子や、静電気力を用いるタイプのものや、発熱素子等であってもよい。
るインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装
置に搭載される。図6は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
例えば、ブラック(B)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)等の複数の異
なる色のインクが貯留される貯留室を有するインクカートリッジ(液体貯留手段)2が装
着されたインクジェット式記録ヘッド10を具備する。ヘッド10はキャリッジ3に搭載
されており、ヘッド10が搭載されたキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャ
リッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。そして、駆動モーター6の駆動力が図示
しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、
キャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸
5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙装置等により給紙された紙等の
被記録媒体Sがプラテン8上を搬送されるようになっている。
ット式記録ヘッドを説明したが、液体噴射ヘッドの基本的構成は上述したものに限定され
るものではない。本発明は、広く液体噴射ヘッドの全般を対象としたものであり、インク
以外の液体を噴射するものにも勿論適用することができる。液体噴射ヘッドとしては、例
えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等
のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED
(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchi
p製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
ド(液体噴射ヘッド)、 11 圧力発生室、 12 流路形成基板、 13 ノズル開
口、 14 ノズルプレート、 15 振動板、 18 マニホールド、 34 圧電素
子ユニット、 35 回路基板、 40 ヘッド本体、 50 ヘッドケース、 51
収容部、 52 隔壁、 53 溝部、 54 貯留部、 55 壁部、 56a、56
b 側面、 57 底面、 58 開口縁部、 60 補強部材、 61 端面
Claims (5)
- 液滴を吐出する液体噴射ヘッド本体と、
前記液体噴射ヘッド本体の一部を収容する収容部を備え、金属部材が一体成形された樹脂で構成されるヘッドケースと、
を具備し、
前記ヘッドケースの前記収容部は、前記ヘッドケースの厚み方向に貫通して設けられ、
前記収容部の内壁には、前記金属部材の板状部が埋設されているとともに、前記内壁の表面から該内壁に埋設された前記金属部材の板状部の方向に向かって形成された溝部が、前記内壁の上端部側から下端部側に向けて延設されており、
前記溝部の最深部は前記金属部材の前記板状部が露出され、前記溝部の下端部に液体が貯留される貯留部が形成されており、
前記内壁における、前記溝部の前記金属部材の前記板状部が露出された箇所から、前記内壁の表面側に向かって、前記収容された液体噴射ヘッド本体の一部に至るまでの間の位置に前記貯留部が配置されている
ことを特徴とする液体噴射ヘッド。 - 請求項1に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
前記貯留部は、鉛直方向の下方に窪んだ凹部である
ことを特徴とする液体噴射ヘッド。 - 請求項2に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
前記凹部の開口は、前記溝部の前記金属部材の前記板状部が短辺となる略台形状に形成されている
ことを特徴とする液体噴射ヘッド。 - 請求項2又は請求項3に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
前記凹部の開口縁部がR形状となっている
ことを特徴とする液体噴射ヘッド。 - 請求項1〜請求項4の何れか一項に記載する液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。
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