JP5685135B2 - クリーンルームの除塵システム - Google Patents
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このような従来技術として、例えば、外部に通じる入口とクリーンルームに通じる出口とを有する室内に、入口から出口に至る順路を設け、該順路に、少なくとも、一般着用ロッカー、手洗い器、無塵着用ロッカー、その他付帯設備及びエアーシャワーを当該順位で配置し、入口及び出口のそれぞれにドアを配置したクリーンルーム用更衣室が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、クリーンルームへの入室者がスムーズに移動することができるクリーンルームの除塵システムを提供することを目的としている。
また、本発明の他の形態に係るクリーンルームの除塵システムは、前記クリーンスーツ保管部は、前記クリーンスーツをハンガー掛けして保管し、保管している前記クリーンスーツの上部側を主に除塵するエアー除塵部を備え、前記ジェット除塵部は、前記クリーンスーツを着用した入室者の下肢部を主に除塵するように構成されていることを特徴としている。
また、本発明の他の形態に係るクリーンルームの除塵システムは、前記除塵装置は、当該除塵装置を通過する入室者を事前に検出する通過センサを備え、該通過センサで入室者を検出したときに起動状態となり、前記通過センサで所定時間入室者を検出していないときに作動停止状態となることを特徴としている。
図1は本発明の一実施形態を示す全体構成図である。
図中、1はクリーンルームであって、このクリーンルーム1の入口2に除塵室3が配置されている。この除塵室3は、クリーンルーム1にドアを介在させることなく連通している。
除塵室3には、クリーンルーム1とは反対側における外部の更衣前室との間に開閉ドア4が配置され、この開閉ドア4の上部と天井との間に除塵室3内の圧力を調整する差圧ダンパー5が配置されている。
また、除塵室3には開閉ドア4とクリーンルーム1の入口2との間に、クリーンスーツを清浄な状態で保管する開閉自在なクリーンスーツ保管室6を有する更衣室7と、靴の履き替えを行う靴履替領域8と除塵装置9とがこれらの順に配置されている。
噴出された加圧エアーは筐体63の下部の床部に配置された脱臭機構91で脱臭されてからエアー還流路88を通って上方のファンフィルタユニット74に戻される。ここで、脱臭機構91としては、例えば発泡セラミックに酸化チタンを担持させた光触媒フィルタや、この光触媒フィルタと例えばブラックライトなどの紫外線ランプとを組にした光触媒カートリッジ等を適用することができる。この他、オゾンを使用した脱臭機構等任意の脱臭機構を適用することができる。さらに、エアー循環路88の流路面積を利用し臭い因子との接触効果を上げる処方もある。
なお、ファンフィルタユニット74の送風量はインバータ機能により高低風量に可変調整が出来る構成とされ、クリーンスーツ69の保管数とその塵埃付着量に応じて任意の風量設定を可能とする為、運用場面に応じた省エネルギー管理をする事が出来る。例えば、図示しないタイマによって出退勤時間帯特に始業時ではクリーンスーツ69への着替えが頻繁に行われるので高風量動作に制御され、その他は低風量動作に切り換えられる。また、出退勤時間帯で、ビニールカーテン64a及び64bを開放している状態では、可動ルーバー76a及び76bを、エアー噴射孔80を下方に向けた状態で固定することにより、外部汚染空気の誘引つまり濃度変動が大きい更衣室内の塵埃と更衣入退室者自身の持込み塵埃誘引を抑える事ができるので、好ましい。
ジェット除塵部10は、図5〜図7に示すように、クリーンルーム1への入室者が通過する歩行通路11に沿って3つのジェット気流噴射領域12a〜12cが形成されている。各ジェット気流噴射領域12a〜12cのそれぞれは、図7に示すように、歩行通路11を挟む左右両側にジェット気流噴射機構13が左右対称的に設けられている。このジェット気流噴射機構13は、図5に示すように、前後2列で上下方向に4個のジェット気流を噴射するパンカルーバー14a〜14dが前後方向に所定間隔を保って2列配列されている。これらパンカルーバー14a〜14dのうち最上部のパンカルーバー14aは、図7に示すように、歩行者の腕部から腰部にかけてジェット気流を吹き付けるように垂直面から例えば45°の噴射角でジェット気流を噴射する。
また、ジェット気流噴射機構13は、シロッコファン等で構成される加圧気体を送風する送風機15を有し、この送風機15の送風出口側に塵埃除去率の高い高性能フィルタ(HEPA:High Efficiency Particulate Air Filter)16を介して加圧気体を2列のパンカルーバー14a〜14dに分配する圧力室17が配置されている。
また、ジェット除塵部10は、図5に示すように、隣接するジェット気流噴射領域12a〜12cにおけるジェット気流噴射機構13のクリーンルーム1側に静電気を除電するイオナイザ20が上下方向に延長して配置されている。
言い換えると、外乱に強いエアーバリア的流線を得たエアーカーテン36が形成される。
また、エアーシャワー部30でも、ジェット除塵部10と同様に、床に、ファンフィルタユニット32a〜32dから吹き出されたクリーンエアーを通過させるグレーチング床37が配置されている。そして、図8に示すように、グレーチング床37の下端側から天井のファンフィルタユニット32a〜32dの送風ファンの吸気口までの間に左右の側壁内を通ってエアーを還流させるエアー還流路38が形成されている。
表示灯41は、ランプの点灯速度を変えることで、入室者の歩行速度を指示することができる。また、特定のランプを所望の時間だけ点灯もしくは消灯することで、歩行者へ特定のランプがある場所に所望の時間だけ滞在するよう指示することができる。
表示部42は、足型表示に限定されるものではなく、たとえば矢印表示としてもよく、この矢印の向きを使って、歩行者の身体の向きをコントロールしてもよい。
以上のような表示灯41または表示部42を、単独もしくは組み合わせて使うことで、入室者の歩行速度や歩行経路、身体の向き、滞在時間を制御でき、入室待ち渋滞を解消するよう制御したり、入室者の付着塵埃を低減し、清浄度を高めたりすることができる。
今、出退勤時間帯ではない時間帯では、除塵室3内のクリーンスーツ保管室6はビニールカーテン64a及び64bが閉じられた閉状態となっており、この閉状態が磁石65の吸引力によって保持されている。このクリーンスーツ保管室6内では、ファンフィルタユニット74が低風量動作されて、内部の支持棒67にハンガー68で掛けられているクリーンスーツ69の肩口から腰下にかけて可動ルーバー76a及び76bから噴射される加圧エアーが吹き付けられて、付着した塵埃が吹き飛ばされて除塵される。このとき、加圧エアーは、筐体63の下部側からエアー還流路88を通って上方のファンフィルタユニット74に戻される。この際、加圧エアーは床下に配設された脱臭機構91を通ってエアー還流路88に向かう。このため、脱臭機構91で光触媒等による加圧エアーの脱臭が行われる。本発明者等の実験では人体及び着用後のクリーンスーツからの臭い因子としては、アセトアルデヒド、オクタナール、デカナール等が確認されている。本クリーンスーツ保管室6では、アセトアルデヒド、オクタナール、デカナール等の臭い因子が脱臭された加圧エアーがクリーンスーツ保管室6内を循環するので、クリーンスーツ69の脱臭を確実に行うことができる。この場合、脱臭機構91として光触媒フィルタと紫外線ランプとを組み合わせた光触媒カートリッジを使用することにより、より確実な脱臭を行うことができる。
この除塵の際に、可動ルーバー76a及び76bが互いに同期してスイングされるので、クリーンスーツ69に付着した塵埃を効率よく吹き飛ばすことができる。このため、塵埃残留率を低下させることができる。しかも、可動ルーバー76a及び76bが支持軸77で回動可能に支持されたV字形状の樋状部78と、この樋状部78に摺接するシール部79とで構成される簡易な構成とされている。そして、樋状部78でファンフィルタユニット74から噴出される加圧エアーを集約して底部に形成されたエアー噴射孔80から加圧エアーをクリーンスーツ69に個別に吹き付ける。このとき、可動ルーバー76a及び76bに突起類が存在しないので、カルマン渦の発生を抑制してクリーンスーツ69毎に的確な除塵を行うことができる。
このようにクリーンルーム1への入退室がない時間帯では、エアーシャワー部30におけるファンフィルタユニット32dを除くジェット除塵部10及びエアーシャワー部30の動作が停止されて省エネルギー化されている。この状態では、クリーンルーム1内の加圧エアーがエアーカーテン36を通じてエアーシャワー部30に入り、その後ジェット除塵部10を通り、靴履替え領域8及び更衣室7を通って差圧ダンパー5から外部に排気される。このため、除塵装置9に塵埃が浮遊していたとしても、この塵埃がクリーンルーム1内に侵入することは確実に阻止される。しかも、ファンフィルタユニット32dによって常時エアーカーテン36が形成されているので、このエアーカーテン36によって塵埃のクリーンルーム1側への侵入が確実に阻止される。
一方、クリーンルーム1からの退室者は、入口2の近傍の退室用通過センサ39oを通過することにより、除塵装置9のジェット除塵部10及びエアーシャワー部30が動作状態となる。このため、エアーカーテン36を通過してエアーシャワー部30で層流状態のエアーによって塵埃を払い落とし、次いでジェット除塵部10でジェット気流によってクリーンスーツ69の下肢部を中心に除塵する。
そして、最後の退室者が退室する際に、クリーンスーツ保管室6のビニールカーテン64a及び64bを閉じる。これによって、ハンガー68に掛けられたクリーンスーツ69に対して可動ルーバー76a及び76bによって加圧エアーが噴射されて、クリーンスーツ69の上半部が除塵されるとともに、イオナイザ90によってクリーンスーツ69に帯電した静電気が除電される。
そして、出退勤時間帯が過ぎると、クリーンスーツ保管室6のファンフィルタユニット74が低風量運転状態となり、省エネルギー状態で、クリーンスーツ69の除塵及び除電を継続する。
そして、クリーンスーツ69の下肢部については、入室者が着用した状態で、ジェット除塵部10を通過することにより、パンカルーバー14b〜14dによって下肢部に集中的にジェット気流を吹き付けて除塵するので、クリーンスーツ69の全体を確実に除塵することができる。
なお、上記実施形態においては、クリーンスーツ保管室6で可動ルーバー76a及び76bを使用して加圧ガスを噴射する場合について説明したが、可動ルーバー76a及び76bを省略して、ファンフィルタユニット74から直接エアーをクリーンスーツ69に吹き掛けるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、除塵装置9のジェット除塵部10に3つのジェット気流噴射領域12a〜12cを形成した場合について説明したが、ジェット気流噴射領域の配置数はクリーンスーツへの塵埃付着量に応じて任意の配置数に設定することができる。
また、上記実施形態においては、ジェット除塵部10及びエアーシャワー部30を直線状に形成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、平面から見てC字状やU字状等の任意の形状に形成することができる。
Claims (4)
- 外部との間に開閉ドアを有する更衣室と、除塵装置を有する除塵室とがその順にクリーンルームに連通して配置され、当該更衣室及び除塵室に前記クリーンルームの加圧エアーが導入され、
前記除塵装置は、
前記更衣室側に設けた前記クリーンルームの入室者に対して歩行状態で側面からジェット気流を噴射するジェット除塵部と、
該ジェット除塵部と連通するとともに、前記クリーンルームとも連通し前記入室者に対して歩行状態でエアーを上方から下方に向けて層流状態で流すエアーシャワー部と
を備えていることを特徴とするクリーンルームの除塵システム。 - 前記更衣室は、クリーンスーツを清浄状態で保管するクリーンスーツ保管部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のクリーンルームの除塵システム。
- 前記クリーンスーツ保管部は、前記クリーンスーツをハンガー掛けして保管し、保管している前記クリーンスーツの上部側を主に除塵するエアー除塵部を備え、前記ジェット除塵部は、前記クリーンスーツを着用した入室者の下肢部を主に除塵するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のクリーンルームの除塵システム。
- 前記除塵装置は、当該除塵装置を通過する入室者を事前に検出する通過センサを備え、該通過センサで入室者を検出したときに起動状態となり、前記通過センサで所定時間入室者を検出していないときに作動停止状態となることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のクリーンルームの除塵システム。
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