以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態によるデジタルカメラ(例えば、デジタル一眼レフレックスカメラシステム)の概略構成を示したブロック図である。図1に示したデジタルカメラ1は、レンズユニット部2、イメージセンサ3、記録装置4、表示装置5、画像信号処理装置6、カメラ制御装置7から構成される。なお、図1に示したデジタルカメラ1は、イメージセンサ3を遮光するためのメカニカルシャッタを搭載せず、イメージセンサ3の全ての画素を同時に露光するグローバル露光を行うデジタルカメラである。
レンズユニット部2は、カメラ制御装置7によってズーム、フォーカス、絞りなどが駆動制御され、被写体像をイメージセンサ3に結像させる。
イメージセンサ3は、カメラ制御装置7によって駆動、制御され、レンズユニット部2を介してデジタルカメラ1内に入射した被写体光を画像信号に変換するMOS型撮像素子である。なお、このイメージセンサ3に関する詳細な説明は、後述する。
画像信号処理装置6は、イメージセンサ3から出力された画像信号に対して、信号の増幅、画像データへの変換および各種の補正、画像データの圧縮などの処理を行う。また、画像信号処理装置6は、デジタルカメラ1が撮影する被写体を確認するためのライブビュー画像に基づいて、デジタルカメラ1が静止画像や動画(ライブビューも含む)を撮影する際のAF(オートフォーカス:自動焦点)やAE(自動露光制御)など、撮影条件を設定するための様々な処理を行う。
記録装置4は、半導体メモリなどの着脱可能な記録媒体であり、画像データの記録または読み出しを行う。
表示装置5は、イメージセンサ3に結像され、画像信号処理装置6によって処理された画像データ、または記録装置4から読み出された画像データに基づく画像を表示する液晶などの表示装置である。
カメラ制御装置7は、デジタルカメラ1の全体の制御を行う制御装置である。
<第1の実施形態>
次に、本第1の実施形態のイメージセンサについて説明する。図2は、本第1の実施形態によるイメージセンサ3の概略構成を示したブロック図である。図2において、イメージセンサ3は、イメージセンサ制御信号発生回路31、垂直走査回路32、水平読み出し回路33、画素アレイ部34、垂直信号線35から構成される。画素アレイ部34は、複数の単位画素36と、複数の補助読み出し部37とから構成される。なお、図2に示した画素アレイ部34は、画素アレイ部34の2行に対して1行の割合で補助読み出し部37が配置された例、すなわち、2つの単位画素36で1つの補助読み出し部37を共有する例を示している。このイメージセンサ3の構成によって、後述する画像読み出しタイミングでの動作を行う。
なお、図2に示したイメージセンサ3において、各符号の後に表す“():括弧”内の数字は、イメージセンサ3内に配置されている単位画素36または補助読み出し部37の行番号を表している。なお、単位画素36および補助読み出し部37の列番号は省略している。例えば、2行目の単位画素36は、単位画素36(2)と表す。また、1行目の補助読み出し部37は、補助読み出し部37(1)と表す。なお、以下の説明において、行番号を特定しない場合には、各符号の後の“():括弧”を表記せずに説明する。
イメージセンサ制御信号発生回路31は、垂直走査回路32および水平読み出し回路33を制御する。
垂直走査回路32は、画素アレイ部34内のそれぞれの単位画素36および補助読み出し部37を制御し、各単位画素36および各補助読み出し部37の出力信号(画素信号)を垂直信号線35に出力させる。垂直走査回路32は、単位画素36を制御するための制御信号(リセットパルスΦRST1、転送パルスΦTX1、セレクトパルスΦSEL1)を、画素アレイ部34に配置された単位画素36の行毎に出力する。また、垂直走査回路32は、単位画素36を制御するための制御信号(排出パルスΦFT)を、画素アレイ部34内の全ての単位画素36に共通して出力する。なお、排出パルスΦFTを、画素アレイ部34に配置された単位画素36の行毎に出力する構成とすることもできる。また、垂直走査回路32は、補助読み出し部37を制御するための制御信号(リセットパルスΦRST2、転送パルスΦTX2AおよびΦTX2B、セレクトパルスΦSEL2)を、画素アレイ部34に配置された補助読み出し部37の行毎に出力する。垂直走査回路32による単位画素36および補助読み出し部37の制御は、単位画素36および補助読み出し部37のそれぞれに出力された制御信号のレベルによって行われる。
水平読み出し回路33は、垂直信号線35に出力された画素信号を信号処理し、信号処理した後の画素信号を順次読み出す。また、水平読み出し回路33には、各単位画素36および補助読み出し部37用の電流源も含まれている。このイメージセンサ制御信号発生回路31、垂直走査回路32、および水平読み出し回路33による制御によって、イメージセンサ3は、入射した被写体光の画像信号を出力する。
次に、本第1の実施形態のイメージセンサ3に備えた単位画素36および補助読み出し部37について説明する。図3は、本第1の実施形態のイメージセンサ3における画素アレイ部34の概略構成を示した回路図である。図3に示した画素アレイ部34の概略構成では、2つの単位画素36(i行目の単位画素36(i)およびi+1行目の単位画素36(i+1))に対して、1つの補助読み出し部37(j行目の補助読み出し部37(j))を設けた構成を示している。なお、以下の説明において、行番号を特定しない場合には、各符号の後の“():括弧”を表記せずに説明する。
単位画素36は、入射した光を電気信号に変換した画素信号を、垂直信号線35に出力する回路である。単位画素36は、それぞれ、フォトダイオードPDを備え、さらに、第1の電荷蓄積部FD1、第1のリセットトランジスタM2、第1の転送トランジスタM1、第1の増幅トランジスタM3、第1の選択トランジスタM4、排出トランジスタM5から構成される。
なお、電荷蓄積部FD1は、増幅トランジスタM3のゲート端子に接続されたノードに付随する容量であり、図3に示した単位画素36(i)および単位画素36(i+1)の概略構成においては、キャパシタの記号で示している。なお、図3に示した単位画素36の概略構成は、フォトダイオードPDに蓄積された信号電荷を出力することができる以外は、図10に示した従来の単位画素の概略構成と同様である。
フォトダイオードPDは、入射した光を光電変換した信号電荷を発生する光電変換部である。電荷蓄積部FD1は、信号電荷を蓄積する蓄積部である。転送トランジスタM1は、垂直走査回路32から入力された転送パルスΦTX1、に基づいて、フォトダイオードPDで発生した信号電荷を、増幅トランジスタM3のゲート端子に接続された電荷蓄積部FD1に転送する。転送トランジスタM1によって転送された信号電荷は、電荷蓄積部FD1に蓄積される。増幅トランジスタM3は、電荷蓄積部FD1に蓄積された信号電荷に応じた電圧を出力する。リセットトランジスタM2は、垂直走査回路32から入力されるリセットパルスΦRST1に基づいて、電荷蓄積部FD1を電源電圧Vddにリセットする。選択トランジスタM4は、垂直走査回路32から入力されたセレクトパルスΦSEL1に基づいて、増幅トランジスタM3が出力した電圧を、単位画素36の出力信号として垂直信号線35に出力する。排出トランジスタM5は、垂直走査回路32から入力される排出パルスΦFTに基づいて、フォトダイオードPDで発生した信号電荷を、電源電圧Vddにリセットする。
補助読み出し部37は、第2の電荷蓄積部FD2、第2のリセットトランジスタM7、第2の転送トランジスタM6AおよびM6B、第2の増幅トランジスタM8、第2の選択トランジスタM9から構成される。補助読み出し部37は、単位画素36のフォトダイオードPDに蓄積された信号電荷を、第2の電荷蓄積部FD2を経由して垂直信号線35に出力する。
なお、電荷蓄積部FD2は、増幅トランジスタM8のゲート端子に接続されたノードに付随する容量であり、図3に示した補助読み出し部37(j)の概略構成においては、キャパシタの記号で示している。なお、図3に示した補助読み出し部37(j)は、2つの単位画素36(単位画素36(i)および単位画素36(i+1))で共有されるため、単位画素36(i)および単位画素36(i+1)のそれぞれに対応する2つの転送トランジスタM6AおよびM6Bを備えている。
電荷蓄積部FD2は、信号電荷を蓄積する蓄積部である。転送トランジスタM6AおよびM6Bは、それぞれ、垂直走査回路32から入力された転送パルスΦTX2Aまたは転送パルスΦTX2Bに基づいて、フォトダイオードPD(単位画素36(i)のフォトダイオードPD、または単位画素36(i+1)のフォトダイオードPD)で発生した信号電荷を、増幅トランジスタM8のゲート端子に接続された電荷蓄積部FD2に転送する。転送トランジスタM6AまたはM6Bによって転送された信号電荷は、電荷蓄積部FD2に蓄積される。増幅トランジスタM8は、電荷蓄積部FD2に蓄積された信号電荷に応じた電圧を出力する。リセットトランジスタM7は、垂直走査回路32から入力されるリセットパルスΦRST2に基づいて、電荷蓄積部FD2を電源電圧Vddにリセットする。選択トランジスタM9は、垂直走査回路32から入力されたセレクトパルスΦSEL2に基づいて、増幅トランジスタM8が出力した電圧を、補助読み出し部37の出力信号として垂直信号線35に出力する。
このような構成によって、補助読み出し部37(j)は、転送トランジスタM6AまたはM6Bを介して転送された、単位画素36(i)または単位画素36(i+1)の、いずれか1つのフォトダイオードPDに蓄積された信号電荷に応じた出力信号を補助的に読み出して、垂直信号線35に出力する。
なお、図3からもわかるように、補助読み出し部37(j)は、図3に示した単位画素36(i)または単位画素36(i+1)の構成要素の内、フォトダイオードPDと排出トランジスタM5とが削除され、対応する単位画素36(すなわち、フォトダイオードPD)の数と同じ数の転送トランジスタM6を備えた構成である。従って、1つの補助読み出し部37内に備える転送トランジスタM6の数を変更することによって、対応する単位画素36の数を変更することができる。
次に、本第1の実施形態のイメージセンサ3の駆動タイミングについて説明する。図4は、本第1の実施形態のイメージセンサ3における各駆動のタイミングを示したタイミングチャートである。なお、図4に示したタイミングチャートは、図2に示したイメージセンサ3の構成において、2行分の単位画素36が連続で処理されるタイミングを示している。実際の動作においては、イメージセンサ3の、例えば、画素数や、分割したフィールドの数などのパラメータによって、連続で処理される単位画素36の行や、処理される単位画素36などが変化する。
図4に示した(a)〜(d)のタイミングは、それぞれ、以下の駆動タイミングを示している。以下の駆動タイミングは、イメージセンサ3内の垂直走査回路32から出力される制御信号によって制御される。なお、以下の説明においては、リセットされた単位画素36または補助読み出し部37から出力される画素信号をリセット信号といい、入射した被写体光に応じた画素信号を露光信号という。
(a):単位画素36の静止画像用のリセット信号の読み出しタイミング。
(b):補助読み出し部37によるライブビュー用の露光信号の読み出しタイミング。
(c):単位画素36の一括リセットおよび一括転送(グローバル露光)タイミング。
(d):単位画素36の静止画像用の露光信号の読み出しタイミング。
ここで、上述の駆動タイミングにおける詳細な駆動方法について説明する。図4(a)に示した単位画素36の静止画像用のリセット信号の読み出しタイミングは、静止画像を得るための一連の撮影動作において、静止画像の露光前に各単位画素36内の電荷蓄積部FD1に固有のリセット電圧に応じたリセット信号を読み出す駆動タイミングである。リセット信号の読み出しタイミングでは、まず、リセットパルスΦRST1(i)を“High”レベルにして、画素アレイ部34内のi行目の単位画素36(i)のリセットトランジスタM2をON状態にする。これにより、単位画素36(i)の電荷蓄積部FD1が電源電圧Vddにリセットされる。その後、リセットパルスΦRST1(i)を“Low”レベルにして、電荷蓄積部FD1のリセット電圧が安定した後、セレクトパルスΦSEL1(i)が“High”レベルの間に垂直信号線35に出力されたリセット信号を、水平読み出し回路33がサンプリングする。そして、水平読み出し回路33がサンプリングしたi行目の各単位画素36(i)のリセット信号を、画素アレイ部34の列毎に順次読み出す。続いて、同様に、リセットパルスΦRST1(i+1)を制御して、セレクトパルスΦSEL1(i+1)が“High”レベルの間に垂直信号線35に出力された、画素アレイ部34内のi+1行目の各単位画素36(i+1)のリセット信号を、水平読み出し回路33がサンプリングする。そして、同様に、水平読み出し回路33がサンプリングしたi+1行目の各単位画素36(i+1)のリセット信号を、画素アレイ部34の列毎に順次読み出す。このように、リセット信号の読み出しタイミングの駆動を、画素アレイ部34の各行毎に行うことによって、全ての単位画素36のリセット信号を読み出すことができる。読み出したリセット信号は、例えば、画像信号処理装置6に保持しておく。
図4(b)に示したライブビュー用の露光信号(以下、「ライブビュー信号」という)の読み出しタイミングは、静止画像を得るための一連の撮影動作中に、ライブビュー信号を読み出す駆動タイミングである。本第1の実施形態のイメージセンサ3を搭載したデジタルカメラ1においては、単位画素36内のフォトダイオードPDが発生した信号電荷(露光信号電圧)を、補助読み出し部37を用いて取得し、通常のローリングシャッタ制御と同様のタイミングで補助読み出し部37からライブビュー信号を取得する。ライブビュー信号の読み出しタイミングでは、まず、セレクトパルスΦSEL2(j)が“High”レベルのときに、リセットパルスΦRST2(j)を“High”レベルにして、画素アレイ部34のj行目の補助読み出し部37(j)のリセットトランジスタM7をON状態にする。これにより、補助読み出し部37(j)の電荷蓄積部FD2が電源電圧Vddにリセットされる。その後、電荷蓄積部FD2のリセット電圧が安定した後、セレクトパルスΦSEL2(j)が“High”レベルの間に垂直信号線35に出力されたリセット信号を、水平読み出し回路33がサンプリングする。そして、リセットパルスΦRST2(j)を“Low”レベルにして、ライブビュー画像用の露光を行い、ライブビューの露光期間を終了するときに、転送パルスΦTX2A(j)を“High”レベルにして、ライブビューの露光によって、画素アレイ部34のi行目の単位画素36(i)内のフォトダイオードPDが発生した露光信号電圧を、補助読み出し部37(j)の電荷蓄積部FD2に転送する。その後、セレクトパルスΦSEL2(j)が“High”レベルの間に、電荷蓄積部FD2に転送された露光信号電圧に応じたライブビュー信号を、水平読み出し回路33がサンプリングする。このようにサンプリングされた画素アレイ部34内のj行目の各補助読み出し部37(j)のリセット信号とライブビュー信号とは、水平読み出し回路33によって、例えば、CDS処理などの画像処理がされ、画素アレイ部34の列毎に順次読み出される。ここで、補助読み出し部37に接続されたもう1つの単位画素36(i+1)の読み出しを行う場合は、引き続き、同様に、セレクトパルスΦSEL2(j)が“High”レベルのときに、リセットパルスΦRST2(j)および転送パルスΦTX2Bを制御して、画素アレイ部34のj行目の各補助読み出し部37(j)のリセット信号と、画素アレイ部34のi+1行目の単位画素36(i+1)内のフォトダイオードPDが発生した露光信号電圧に応じたライブビュー信号とを、水平読み出し回路33がサンプリングする。そして、同様に、水平読み出し回路33によって、例えば、CDS処理などの画像処理がされ、画素アレイ部34の列毎に順次読み出す。このように、ライブビュー信号の読み出しタイミングの駆動を、画素アレイ部34の各行毎に行うことによって、補助読み出し部37を介してライブビュー信号を読み出すことができる。読み出したライブビュー信号は、画像信号処理装置6によって処理され、ライブビュー画像として、例えば、表示装置5に表示される。
図4(c)に示した単位画素36の一括リセットおよび一括転送(グローバル露光)タイミングは、静止画像を得るための一連の撮影動作において、静止画像の露光前にフォトダイオードPDを一括してリセットし、フォトダイオードPDが発生した信号電荷(露光信号電圧)を電荷蓄積部FD1に一括して転送する駆動タイミングである。グローバル露光では、フォトダイオードPDの一括リセットによってグローバル露光が開始され、電荷蓄積部FD1への一括転送によってグローバル露光が終了する。グローバル露光タイミングでは、まず、一括リセットタイミングにおいて、排出パルスΦFTを“High”レベルにして、画素アレイ部34内の全ての単位画素36の排出トランジスタM5を同時にON状態にする。これにより、画素アレイ部34内の全ての単位画素36のフォトダイオードPDが同時に電源電圧Vddにリセットされる。なお、一括リセットタイミングでは、フォトダイオードPDのみがリセットされるため、図4(a)に示したリセット信号の読み出しタイミングによってリセット電圧が安定した電荷蓄積部FD1のリセット電圧を破壊することなく、フォトダイオードPDをリセットすることができる。そして、排出パルスΦFTを“Low”レベルにして、グローバル露光を行い、静止画用の露光時間(グローバル露光時間)が経過した後、一括転送タイミングにおいて、全ての行同時のタイミングで転送パルスΦTX1を“High”レベルにして、画素アレイ部34内の全ての単位画素36の転送トランジスタM1を同時にON状態にする。これにより、グローバル露光期間において画素アレイ部34内の全ての単位画素36のフォトダイオードPDが発生した露光信号電圧が、同時に電荷蓄積部FD1に転送される。
図4(d)に示した単位画素36の静止画像用の露光信号(以下、「静止画像信号」という)の読み出しタイミングは、静止画像を得るための一連の撮影動作において、静止画像の露光後に各単位画素36内の電荷蓄積部FD1に一括して転送した露光信号電圧を読み出す駆動タイミングである。静止画像信号の読み出しタイミングでは、まず、セレクトパルスΦSEL1(i)を“High”レベルにして、画素アレイ部34内のi行目の単位画素36(i)の選択トランジスタM4をON状態にする。これにより、i行目の単位画素36(i)の電荷蓄積部FD1に転送された露光信号電圧に応じた静止画像信号が垂直信号線35に出力され、水平読み出し回路33が、垂直信号線35に出力された静止画像信号をサンプリングする。そして、水平読み出し回路33がサンプリングしたi行目の各単位画素36(i)の静止画像信号を、画素アレイ部34の列毎に順次読み出す。続いて、同様に、セレクトパルスΦSEL1(i+1)を制御して、セレクトパルスΦSEL1(i+1)が“High”レベルの間に垂直信号線35に出力された、画素アレイ部34内のi+1行目の各単位画素36(i+1)の静止画像信号を、水平読み出し回路33がサンプリングする。そして、同様に、水平読み出し回路33がサンプリングしたi+1行目の各単位画素36(i+1)の静止画像信号を、画素アレイ部34の列毎に順次読み出す。このように、静止画像信号の読み出しタイミングの駆動を、画素アレイ部34の各行毎に行うことによって、全ての単位画素36の静止画像信号を読み出すことができる。なお、読み出した静止画像信号は、例えば、画像信号処理装置6によって、すでに保持しているリセット信号が減算される。リセット信号が減算された静止画像信号は、さらに、画像信号処理装置6によって処理され、例えば、記録装置4に記録される。
次に、本第1の実施形態のイメージセンサ3を搭載したデジタルカメラ1において、静止画像を得るための一連の撮影動作中に、ライブビュー画像を得るための撮影動作について説明する。図5は、本第1の実施形態のイメージセンサ3を搭載したデジタルカメラ1における画像読み出しタイミングを示したタイミングチャートである。図5に示した画像読み出しタイミングは、画素アレイ部34内に配置された単位画素36を行毎に3つのフィールド(フィールドf1、f2、f3)に分割して、静止画像を取得するタイミングの例を示している。そして、デジタルカメラ1がグローバルシャッタ制御によって静止画像を得るための一連の撮影動作中に、ライブビュー信号の読み出しを行っている。すなわち、静止画像を得るための撮影動作中にライブビュー画像が更新されない時間を短縮することができる固体撮像装置の読み出し方法を示している。
本第1の実施形態のイメージセンサ3では、静止画像用のリセット信号の読み出しが完了したフィールドの単位画素36や、静止画像信号の読み出しが完了していないフィールドの単位画素36内のフォトダイオードPDからも、露光信号電圧(ライブビュー信号)を読み出すことができる。図5に示した画像読み出しタイミングにおいては、ライブビュー信号の読み出しに必要な単位画素36の領域が、フィールドf3に相当する行の領域であるもとし、フィールドf3に相当する行の単位画素36内のフォトダイオードPDからライブビュー信号を読み出すものとする。
なお、図5のタイミングチャートに示した「ΦFT」は、図4(c)に示したグローバル露光の開始を表す一括リセットのタイミング、「ΦTX1」は、図4(c)に示したグローバル露光の終了を表す一括転送のタイミングをそれぞれ表している。また、「ΦVD」は、イメージセンサ3からリセット信号、静止画像信号、およびライブビュー信号の読み出し開始タイミングを示す垂直同期パルスを表している。
また、垂直同期パルスΦVDの下部に示した斜線は、イメージセンサ3からリセット信号、静止画像信号、およびライブビュー信号を順次読み出している動作の様子を模式的に表したものであり、図5に示した(a)〜(m)の動作は、それぞれ、以下の読み出し動作を表している。なお、イメージセンサ3からの各信号の読み出しは、垂直同期パルスΦVDが“High”レベルの期間中に行われる。
(a):フィールドf1の単位画素36からの静止画像用のリセット信号の読み出し動作。
(b):補助読み出し部37からのライブビュー信号の読み出し動作(フィールドf3の単位画素36内のフォトダイオードPDを使用)。
(c):フィールドf2の単位画素36からの静止画像用のリセット信号の読み出し動作。
(d):補助読み出し部37からのライブビュー信号の読み出し動作(フィールドf3の単位画素36内のフォトダイオードPDを使用)。
(e):フィールドf3の単位画素36からの静止画像用のリセット信号の読み出し動作。
(f):補助読み出し部37からのライブビュー信号の読み出し動作(フィールドf3の単位画素36内のフォトダイオードPDを使用)。
(g):静止画用露光時間(グローバル露光)
(h):補助読み出し部37からのライブビュー信号の読み出し動作(フィールドf3の単位画素36内のフォトダイオードPDを使用)。
(i):フィールドf1の単位画素36からの静止画像信号の読み出し動作。
(j):補助読み出し部37からのライブビュー信号の読み出し動作(フィールドf3の単位画素36内のフォトダイオードPDを使用)。
(k):フィールドf2の単位画素36からの静止画像信号の読み出し動作。
(l):補助読み出し部37からのライブビュー信号の読み出し動作(フィールドf3の単位画素36内のフォトダイオードPDを使用)。
(m):フィールドf3の単位画素36からの静止画像信号の読み出し動作。
ここで、図5に示した画像読み出しタイミングにおける動作について詳細について説明する。例えば、デジタルカメラ1のレリーズボタンが押下されたことにより、静止画撮影開始の命令が発せられると、時刻t1のときに、静止画像を得るための撮影動作に移行する。図5(a)に示したフィールドf1の単位画素36からの静止画像用のリセット信号の読み出し動作では、図4(a)に示した単位画素36の静止画像用のリセット信号の読み出しタイミングで、画素アレイ部34のフィールドf1に相当する行の単位画素36からリセット信号を順次読み出す。そして、読み出したフィールドf1のリセット信号を、画像信号処理装置6に保持する。
静止画像用のリセット信号の読み出し動作中にも、補助読み出し部37を介して、ライブビュー信号の読み出しに必要な単位画素36の領域(本第1の実施形態では、フィールドf3に相当する行の単位画素36)を使用して、ライブビュー画像を得ることができる。なお、ライブビュー信号の読み出しは、フィールドf3に相当する行の単位画素36の一部のみを使用して行うこともできる。図5(b)に示した補助読み出し部37からのライブビュー信号の読み出し動作では、図4(b)に示したライブビュー信号の読み出しタイミングで、ローリングシャッタ制御によって、画素アレイ部34のフィールドf3に相当する行の単位画素36内のフォトダイオードPDから、補助読み出し部37を介してライブビュー信号を順次読み出し、表示装置5にライブビュー画像を表示させる。
続いて、図5(c)に示したフィールドf2の単位画素36からの静止画像用のリセット信号の読み出し動作では、図4(a)に示した単位画素36の静止画像用のリセット信号の読み出しタイミングで、画素アレイ部34のフィールドf2に相当する行の単位画素36からリセット信号を順次読み出す。そして、読み出したフィールドf2のリセット信号を、画像信号処理装置6に保持する。
続いて、図5(d)に示した補助読み出し部37からのライブビュー信号の読み出し動作では、図4(b)に示したライブビュー信号の読み出しタイミングで、ローリングシャッタ制御によって、画素アレイ部34のフィールドf3に相当する行の単位画素36内のフォトダイオードPDから、補助読み出し部37を介してライブビュー信号を順次読み出し、表示装置5にライブビュー画像を表示させる。
続いて、図5(e)に示したフィールドf3の単位画素36からの静止画像用のリセット信号の読み出し動作では、図4(a)に示した単位画素36の静止画像用のリセット信号の読み出しタイミングで、画素アレイ部34のフィールドf3に相当する行の単位画素36からリセット信号を順次読み出す。そして、読み出したフィールドf3のリセット信号を、画像信号処理装置6に保持する。
続いて、図5(f)に示した補助読み出し部37からのライブビュー信号の読み出し動作では、図4(b)に示したライブビュー信号の読み出しタイミングで、ローリングシャッタ制御によって、画素アレイ部34のフィールドf3に相当する行の単位画素36内のフォトダイオードPDから、補助読み出し部37を介してライブビュー信号を順次読み出し、表示装置5にライブビュー画像を表示させる。
このように、本第1の実施形態のイメージセンサ3では、静止画像用のリセット信号の読み出しが完了したか否かに係わらず、フィールドf3に相当する行の単位画素36内のフォトダイオードPDからライブビュー信号を読み出すことができる。図10に示したような、従来のイメージセンサの構成では、全ての単位画素からのリセット信号の読み出しが完了した後は、電荷蓄積部FDがリセットされた状態を維持しておく必要があるため、フォトダイオードPDで発生したライブビュー用の露光信号電圧を、電荷蓄積部FDに転送することができない。これに対し、本第1の実施形態のイメージセンサ3では、リセット信号の読み出しが完了した単位画素36の電荷蓄積部FD1を経由せずに、補助読み出し部37を介してライブビュー信号の読み出しを行うことができる。すなわち、リセット信号の読み出しが完了した単位画素36の電荷蓄積部FD1にフォトダイオードPDで発生したライブビュー用の露光信号電圧を転送するのではなく、単位画素36に対して設けられた補助読み出し部37内の電荷蓄積部FD2にフォトダイオードPDで発生したライブビュー用の露光信号電圧を転送することができる。このようにすることによって、本第1の実施形態のイメージセンサ3では、リセット信号の読み出しが完了した単位画素36内の電荷蓄積部FD1で安定しているリセット電圧を破壊することなく、フォトダイオードPDで発生したライブビュー用の露光信号電圧に応じたライブビュー信号を読み出読み出し、表示装置5にライブビュー画像を表示させることができる。
続いて、画素アレイ部34内に配置された全ての単位画素36からの静止画像用のリセット信号を画像信号処理装置6に保持した後、時刻t2のときに、静止画像を得るためのグローバル露光の動作に移行する。図5(g)に示した静止画用露光時間(グローバル露光)の動作では、図4(c)に示したグローバル露光タイミングで、画素アレイ部34内の全ての単位画素36のフォトダイオードPDを一括してリセットする。そして、任意に設定した静止画用露光時間が経過した時刻t3のときに、画素アレイ部34内の全ての単位画素36のフォトダイオードPDが発生した露光信号電圧を、それぞれの単位画素36の電荷蓄積部FD1に一括して転送する。
その後、静止画像信号の読み出し動作に移行する。静止画像信号の読み出し動作中にも、補助読み出し部37を介して、ライブビュー信号の読み出しに必要な単位画素36の領域(本第1の実施形態では、フィールドf3に相当する行の単位画素36)を使用して、ライブビュー画像を得ることができる。なお、静止画像信号の読み出し動作中のライブビュー信号の読み出しも、静止画像用のリセット信号の読み出し動作中のライブビュー信号の読み出しと同様に、フィールドf3に相当する行の単位画素36の一部のみを使用して行うこともできる。図5(h)に示した補助読み出し部37からのライブビュー信号の読み出し動作では、図4(b)に示したライブビュー信号の読み出しタイミングで、ローリングシャッタ制御によって、画素アレイ部34のフィールドf3に相当する行の単位画素36内のフォトダイオードPDから、補助読み出し部37を介してライブビュー信号を順次読み出し、表示装置5にライブビュー画像を表示させる。
このように、本第1の実施形態のイメージセンサ3では、静止画像信号の読み出しが完了したか否かに係わらず、フィールドf3に相当する行の単位画素36内のフォトダイオードPDからライブビュー信号を読み出すことができる。図10に示したような、従来のイメージセンサの構成では、フィールドf3の静止画像信号の読み出しが完了する前は、電荷蓄積部FDが静止画像用の露光信号電圧を保持しておく必要があるため、フォトダイオードPDで発生したライブビュー用の露光信号電圧を、電荷蓄積部FDに転送することができない。これに対し、本第1の実施形態のイメージセンサ3では、静止画像信号の読み出しが完了していない単位画素36の電荷蓄積部FD1を経由せずに、補助読み出し部37を介してライブビュー信号の読み出しを行うことができる。すなわち、静止画像信号の読み出しが完了していない単位画素36の電荷蓄積部FD1にフォトダイオードPDで発生したライブビュー用の露光信号電圧を転送するのではなく、単位画素36に対して設けられた補助読み出し部37内の電荷蓄積部FD2にフォトダイオードPDで発生したライブビュー用の露光信号電圧を転送することができる。このようにすることによって、本第1の実施形態のイメージセンサ3では、静止画像信号の読み出しが完了していない単位画素36内の電荷蓄積部FD1に保持している露光信号電圧を破壊することなく、フォトダイオードPDで発生したライブビュー用の露光信号電圧に応じたライブビュー信号を読み出読み出し、表示装置5にライブビュー画像を表示させることができる。
続いて、図5(i)に示したフィールドf1の単位画素36からの静止画像信号の読み出し動作では、図4(d)に示した単位画素36の静止画像信号の読み出しタイミングで、画素アレイ部34のフィールドf1に相当する行の単位画素36から静止画像信号を順次読み出す。そして、読み出したフィールドf1の静止画像信号を、画像信号処理装置6に保持する。
続いて、図5(j)に示した補助読み出し部37からのライブビュー信号の読み出し動作では、図4(b)に示したライブビュー信号の読み出しタイミングで、ローリングシャッタ制御によって、画素アレイ部34のフィールドf3に相当する行の単位画素36内のフォトダイオードPDから、補助読み出し部37を介してライブビュー信号を順次読み出し、表示装置5にライブビュー画像を表示させる。なお、静止画像信号の読み出しが完了していないフィールドf3に相当する行の単位画素36内のフォトダイオードPDからライブビュー信号を読み出すことができる理由は、図5(h)の動作と同様の理由である。
続いて、図5(k)に示したフィールドf2の単位画素36からの静止画像信号の読み出し動作では、図4(d)に示した単位画素36の静止画像信号の読み出しタイミングで、画素アレイ部34のフィールドf2に相当する行の単位画素36から静止画像信号を順次読み出す。そして、読み出したフィールドf2の静止画像信号を、画像信号処理装置6に保持する。
続いて、図5(l)に示した補助読み出し部37からのライブビュー信号の読み出し動作では、図4(b)に示したライブビュー信号の読み出しタイミングで、ローリングシャッタ制御によって、画素アレイ部34のフィールドf3に相当する行の単位画素36内のフォトダイオードPDから、補助読み出し部37を介してライブビュー信号を順次読み出し、表示装置5にライブビュー画像を表示させる。なお、静止画像信号の読み出しが完了していないフィールドf3に相当する行の単位画素36内のフォトダイオードPDからライブビュー信号を読み出すことができる理由は、図5(h)の動作と同様の理由である。
続いて、図5(m)に示したフィールドf3の単位画素36からの静止画像信号の読み出し動作では、図4(d)に示した単位画素36の静止画像信号の読み出しタイミングで、画素アレイ部34のフィールドf3に相当する行の単位画素36から静止画像信号を順次読み出す。そして、読み出したフィールドf3の静止画像信号を、画像信号処理装置6に保持する。
このように、画素アレイ部34内に配置された全ての単位画素36からの静止画像信号を画像信号処理装置6に保持した後、時刻t4のときから、画像信号処理装置6において、全ての単位画素36の静止画像用のリセット信号と、全ての単位画素36の静止画像信号との差分処理を行う。これにより、各単位画素36の固定パターンノイズ、リセットノイズや熱ノイズなどのKTCノイズ(リセットノイズ)を除去した全画素同時露光(グローバル露光)の静止画像を得ることができる。このリセットノイズが除去された静止画像信号は、さらに、画像信号処理装置6によって処理され、デジタルカメラ1が撮影した静止画像として、記録装置4に記録される。
また、時刻t4のときから、ライブビュー信号の読み出し動作に移行することもできる。時刻t4以降のライブビュー信号の読み出し動作では、図4(b)に示したライブビュー信号の読み出しタイミングで、ローリングシャッタ制御によって、ライブビュー信号の読み出しに必要な領域の単位画素36内のフォトダイオードPDから、補助読み出し部37を介してライブビュー信号を順次読み出し、表示装置5にライブビュー画像を表示させる。
以降、このライブビュー信号の読み出し動作は、例えば、次の静止画像を得るための撮影動作に移行するまで継続して行われる。
なお、読み出されたライブビュー信号は、ライブビュー画像として表示装置5に表示する以外に、デジタルカメラ1が静止画像を撮影する際のAF(オートフォーカス:自動焦点)やAE(自動露光制御)などの撮影条件を設定や、動画記録などに利用される。
上記に述べたように、本第1の実施形態のイメージセンサ3を搭載したデジタルカメラ1では、グローバル露光によって静止画像を撮影する撮影動作の期間中に、補助読み出し部37を介してライブビュー信号を取得し、表示装置5にライブビュー画像を表示させることができる。そして、図5に示した画像読み出しタイミングでは、ライブビュー信号の読み出しに使用する単位画素36がフィールドf3に相当する行の単位画素36である場合の例について説明したが、ライブビュー信号の読み出しに使用する単位画素36は、分割したフィールドとは関係なく、任意の単位画素36を使用してライブビュー信号を取得することができる。
また、本第1の実施形態のイメージセンサ3を搭載したデジタルカメラ1では、静止画用のグローバル露光の直前や直後でもライブビュー信号を取得することができる。これにより、静止画像を得るための一連の撮影動作中にライブビュー画像が更新されず、ライブビューの表示がフリーズやブラックアウトの状態となってしまう時間を短縮することができる。
さらに、本第1の実施形態のイメージセンサ3では、複数の単位画素36に対して1つ補助読み出し部37(本第1の実施形態では、2つの単位画素36に対して1つの補助読み出し部37)を設けることにより、イメージセンサに補助読み出し部37を追加したことによる、イメージセンサの画素構成要素の増加を最小限に抑えることができる。すなわち、画素構成要素の増加に伴ってイメージセンサ内のフォトダイオードPDの占有面積が減少してしまうのを最小限に抑えることができる。これにより、フォトダイオードPDの面積が影響を及ぼす、イメージセンサの感度特性や飽和特性などの低下による撮像素子のS/N(Signal−to−Noise ratio)の劣化を最小限に抑圧することができる。
<第2の実施形態>
次に、本第2の実施形態のイメージセンサについて説明する。図6は、本第2の実施形態によるイメージセンサ30の概略構成を示したブロック図である。図6において、イメージセンサ30は、イメージセンサ制御信号発生回路31、垂直走査回路32、水平読み出し回路33、画素アレイ部340、垂直信号線35から構成される。画素アレイ部340は、複数の単位画素38と、複数の補助読み出し部37とから構成される。なお、図6に示した画素アレイ部340は、画素アレイ部340の2行に対して1行の割合で補助読み出し部37が配置された例、すなわち、2つの単位画素38で1つの補助読み出し部37を共有する例を示している。このイメージセンサ30の構成によって、後述する画像読み出しタイミングでの動作を行う。
なお、図6に示したイメージセンサ30において、各符号の後に表す“():括弧”内の数字は、図2に示したイメージセンサ3と同様に、イメージセンサ30内に配置されている単位画素38または補助読み出し部37の行番号を表している。また、図2に示したイメージセンサ3と同様に、単位画素38および補助読み出し部37の列番号は省略している。従って、以下の説明において、行番号を特定しない場合には、同様に、各符号の後の“():括弧”を表記せずに説明する。
また、本第2の実施形態のイメージセンサ30を搭載したデジタルカメラと、図2に示した第1の実施形態のイメージセンサ3を搭載したデジタルカメラ1との異なる点は、イメージセンサ30の構成、イメージセンサ30内の単位画素の構成、および駆動タイミングのみである。従って、以下の説明においては、図1に示した本実施形態のデジタルカメラ1のイメージセンサ3に代えて、本第2の実施形態のイメージセンサ30を搭載したものとして、本第2の実施形態のイメージセンサ30を搭載したデジタルカメラの概略構成を示すブロック図は省略する。また、以下の説明においては、イメージセンサ30の構成要素以外の各構成要素は、同一の符号を用いて、それぞれの詳細な説明は省略する。
また、本第2の実施形態のイメージセンサ30と、図2に示したイメージセンサ3との異なる点は、単位画素36が単位画素38に代わり、これに伴って、画像アレイ部34が画素アレイ部340に代わり、垂直走査回路32から入力されていた排出パルスΦFTが削除されているのみである。従って、以下の説明においては、イメージセンサ30内の単位画素36および画素アレイ部340以外の各構成要素にも、同一の符号を用いて、それぞれの詳細な説明は省略する。
垂直走査回路32は、画素アレイ部340内のそれぞれの単位画素38および補助読み出し部37を制御し、各単位画素38および各補助読み出し部37の出力信号(画素信号)を垂直信号線35に出力させる。垂直走査回路32は、単位画素38を制御するための制御信号(リセットパルスΦRST1、転送パルスΦTX1、セレクトパルスΦSEL1)を、画素アレイ部340に配置された単位画素38の行毎に出力する。また、垂直走査回路32は、補助読み出し部37を制御するための制御信号(リセットパルスΦRST2、転送パルスΦTX2AおよびΦTX2B、セレクトパルスΦSEL2)を、画素アレイ部340に配置された補助読み出し部37の行毎に出力する。垂直走査回路32による単位画素38および補助読み出し部37の制御は、単位画素38および補助読み出し部37のそれぞれに出力された制御信号のレベルによって行われる。
次に、本第2の実施形態のイメージセンサ30に備えた単位画素38および補助読み出し部37について説明する。図7は、本第2の実施形態のイメージセンサ30における画素アレイ部340の概略構成を示した回路図である。図7に示した画素アレイ部340の概略構成では、2つの単位画素38(i行目の単位画素38(i)およびi+1行目の単位画素38(i+1))に対して、1つの補助読み出し部37(j行目の補助読み出し部37(j))を設けた構成を示している。なお、以下の説明において、行番号を特定しない場合には、各符号の後の“():括弧”を表記せずに説明する。
図7に示した画素アレイ部340の概略構成を、図3に示した画素アレイ部34の概略構成と比較すると、図6に示したイメージセンサ30の概略構成からもわかるように、単位画素36が単位画素38に代わっているのみである。
単位画素38は、図3に示した単位画素36と同様に、入射した光を電気信号に変換した画素信号を、垂直信号線35に出力する回路である。単位画素38は、それぞれ、フォトダイオードPDを備え、さらに、第1の電荷蓄積部FD1、第1のリセットトランジスタM2、第1の転送トランジスタM1、第1の増幅トランジスタM3、第1の選択トランジスタM4から構成される。
単位画素38と、図3に示した単位画素36との異なる点は、単位画素36の構成要素である排出トランジスタM5が削除されているのみである。従って、単位画素38の動作は、排出トランジスタM5に係る動作以外は単位画素36と同様であるため、単位画素38内の各構成要素にも、同一の符号を用いて、それぞれの詳細な説明は省略する。
単位画素38は、図3に示した単位画素36から排出トランジスタM5が削除されたことにより、単位画素38内のフォトダイオードPDで発生した信号電荷を、電源電圧Vddにリセットするための駆動方法が異なる。単位画素38においては、補助読み出し部37を使用して、フォトダイオードPDのリセットを行う。より具体的には、垂直走査回路32が、補助読み出し部37を制御するためのリセットパルスΦRST2、転送パルスΦTX2AおよびΦTX2Bを制御して、補助読み出し部37内のリセットトランジスタM7、転送トランジスタM6AおよびM6Bを同時にON状態にすることによって、画素アレイ部340内の単位画素38のフォトダイオードPDを、電源電圧Vddにリセットする。単位画素38では、このような駆動を行うことによって、図3に示した単位画素36と同等の動作を行うことができる。
次に、本第2の実施形態のイメージセンサ30の駆動タイミングについて説明する。図8は、本第2の実施形態のイメージセンサ30における各駆動のタイミングを示したタイミングチャートである。なお、図8に示したタイミングチャートは、図4に示したタイミングチャートと同様に、図6に示したイメージセンサ30の構成において、2行分の単位画素38が連続で処理されるタイミングを示している。実際の動作においては、イメージセンサ3と同様に、イメージセンサ30の、例えば、画素数や、分割したフィールドの数などのパラメータによって、連続で処理される単位画素38の行や、処理される単位画素38などが変化する。
図8に示した(a)〜(d)のタイミングは、それぞれ、以下の駆動タイミングを示している。以下の駆動タイミングは、イメージセンサ30内の垂直走査回路32から出力される制御信号によって制御される。なお、以下の説明においても、リセットされた単位画素38または補助読み出し部37から出力される画素信号をリセット信号といい、入射した被写体光に応じた画素信号を露光信号という。
(a):単位画素38の静止画像用のリセット信号の読み出しタイミング。
(b):補助読み出し部37によるライブビュー用の露光信号の読み出しタイミング。
(c):単位画素38の一括リセットおよび一括転送(グローバル露光)タイミング。
(d):単位画素38の静止画像用の露光信号の読み出しタイミング。
ここで、上述の駆動タイミングにおける詳細な駆動方法について説明する。なお、図8(a)、図8(b)、および図8(d)に示したタイミングは、単位画素38から削除された排出トランジスタM5に係る駆動を行っていないため、図4(a)、図4(b)、および図4(d)に示したイメージセンサ3の駆動タイミングと同様であるため、それぞれの詳細な説明は省略する。
図8(c)に示した単位画素38の一括リセットおよび一括転送(グローバル露光)タイミングは、図4(c)に示したイメージセンサ3の駆動タイミングと同様に、静止画像を得るための一連の撮影動作において、静止画像の露光前にフォトダイオードPDを一括してリセットし、フォトダイオードPDが発生した露光信号電圧を電荷蓄積部FD1に一括して転送する駆動タイミングである。図8(c)に示したグローバル露光においても、フォトダイオードPDの一括リセットによってグローバル露光が開始され、電荷蓄積部FD1への一括転送によってグローバル露光が終了する。図8(c)に示したグローバル露光タイミングでは、まず、一括リセットタイミングにおいて、リセットパルスΦRST2、転送パルスΦTX2AおよびΦTX2Bを同時に“High”レベルにして、画素アレイ部340内の全ての補助読み出し部37内のリセットトランジスタM7、転送トランジスタM6AおよびM6Bを同時にON状態にする。これにより、画素アレイ部340内の全ての単位画素38のフォトダイオードPDが発生した信号電荷が同時に、転送トランジスタM6AまたはM6BとリセットトランジスタM7とを介して、電源電圧Vddにリセットされる。なお、図8(c)に示した単位画素38の一括リセットタイミングでは、フォトダイオードPDの信号電荷のみが、転送トランジスタM6AまたはM6BとリセットトランジスタM7とを介してリセットされる。このため、図8(a)に示したリセット信号の読み出しタイミングによってリセット電圧が安定した電荷蓄積部FD1のリセット電圧を破壊することなく、フォトダイオードPDをリセットすることができる。そして、リセットパルスΦRST2、転送パルスΦTX2AおよびΦTX2Bを同時に“Low”レベルにして、グローバル露光を行い、静止画用の露光時間(グローバル露光時間)が経過した後、図4(c)に示したイメージセンサ3の駆動タイミングと同様に、フォトダイオードPDが発生した露光信号電圧を電荷蓄積部FD1に一括して転送する。より具体的には、一括転送タイミングにおいて、全ての行同時のタイミングで転送パルスΦTX1を“High”レベルにして、画素アレイ部340内の全ての単位画素38の転送トランジスタM1を同時にON状態にし、グローバル露光期間において画素アレイ部340内の全ての単位画素38のフォトダイオードPDが発生した露光信号電圧を、同時に電荷蓄積部FD1に転送する。
次に、本第2の実施形態のイメージセンサ30を搭載したデジタルカメラ1において、静止画像を得るための一連の撮影動作中に、ライブビュー画像を得るための撮影動作について説明する。図9は、本第2の実施形態のイメージセンサ30を搭載したデジタルカメラ1における画像読み出しタイミングを示したタイミングチャートである。なお、図9に示した画像読み出しタイミングは、図5に示した画像読み出しタイミングと同様に、画素アレイ部340内に配置された単位画素38を行毎に3つのフィールド(フィールドf1、f2、f3)に分割して、静止画像を取得するタイミングの例を示している。そして、デジタルカメラ1がグローバルシャッタ制御によって静止画像を得るための一連の撮影動作中に、ライブビュー信号の読み出しを行い、静止画像を得るための撮影動作中にライブビュー画像が更新されない時間を短縮することができる固体撮像装置の読み出し方法を示している。
本第2の実施形態のイメージセンサ30では、イメージセンサ3と同様に、静止画像用のリセット信号の読み出しが完了したフィールドの単位画素38や、静止画像信号の読み出しが完了していないフィールドの単位画素38内のフォトダイオードPDからも、露光信号電圧(ライブビュー信号)を読み出すことができる。図9に示した画像読み出しタイミングにおいては、図5に示した画像読み出しタイミングと同様に、フィールドf3に相当する行の単位画素38内のフォトダイオードPDからライブビュー信号を読み出している。
なお、図9のタイミングチャートに示した「ΦRST2,ΦTX2A,ΦTX2B」は、図8(c)に示したグローバル露光の開始を表す一括リセットのタイミング、「ΦTX1」は、図8(c)に示したグローバル露光の終了を表す一括転送のタイミングをそれぞれ表している。また、「ΦVD」は、イメージセンサ30からリセット信号、静止画像信号、およびライブビュー信号の読み出し開始タイミングを示す垂直同期パルスを表している。
また、垂直同期パルスΦVDの下部に示した斜線は、イメージセンサ30からリセット信号、静止画像信号、およびライブビュー信号を順次読み出している動作の様子を模式的に表したものであり、図9に示した(a)〜(m)の動作は、それぞれ、以下の読み出し動作を表している。なお、イメージセンサ30からの各信号の読み出しは、垂直同期パルスΦVDが“High”レベルの期間中に行われる。
(a):フィールドf1の単位画素38からの静止画像用のリセット信号の読み出し動作。
(b):補助読み出し部37からのライブビュー信号の読み出し動作(フィールドf3の単位画素38内のフォトダイオードPDを使用)。
(c):フィールドf2の単位画素38からの静止画像用のリセット信号の読み出し動作。
(d):補助読み出し部37からのライブビュー信号の読み出し動作(フィールドf3の単位画素38内のフォトダイオードPDを使用)。
(e):フィールドf3の単位画素38からの静止画像用のリセット信号の読み出し動作。
(f):補助読み出し部37からのライブビュー信号の読み出し動作(フィールドf3の単位画素38内のフォトダイオードPDを使用)。
(g):静止画用露光時間(グローバル露光)
(h):補助読み出し部37からのライブビュー信号の読み出し動作(フィールドf3の単位画素38内のフォトダイオードPDを使用)。
(i):フィールドf1の単位画素38からの静止画像信号の読み出し動作。
(j):補助読み出し部37からのライブビュー信号の読み出し動作(フィールドf3の単位画素38内のフォトダイオードPDを使用)。
(k):フィールドf2の単位画素38からの静止画像信号の読み出し動作。
(l):補助読み出し部37からのライブビュー信号の読み出し動作(フィールドf3の単位画素38内のフォトダイオードPDを使用)。
(m):フィールドf3の単位画素38からの静止画像信号の読み出し動作。
ここで、図9に示した画像読み出しタイミングにおける動作について詳細について説明する。なお、図9(a)〜図9(f)、および図9(h)〜図9(m)に示したタイミング、すなわち、図9(g)以外のタイミングは、単位画素38から削除された排出トランジスタM5に係る駆動を行っていないため、図5に示したそれぞれ対応するタイミングと同様であるため、それぞれの詳細な説明は省略する。
例えば、デジタルカメラ1のレリーズボタンが押下されたことにより、静止画撮影開始の命令が発せられると、時刻t1のときに、静止画像を得るための撮影動作に移行する。これにより、図9(a)〜図9(f)において、図5(a)〜図5(f)と同様に、単位画素38からの静止画像用のリセット信号の読み出し動作と、補助読み出し部37からのライブビュー信号の読み出し動作とを、交互に行う。これにより、静止画像用のリセット信号の画像信号処理装置6への保持と、表示装置5へのライブビュー画像の表示とが、交互に行われる。
このように、本第2の実施形態のイメージセンサ30では、イメージセンサ3と同様に、静止画像用のリセット信号の読み出しが完了したか否かに係わらず、フィールドf3に相当する行の単位画素38内のフォトダイオードPDからライブビュー信号を読み出すことができる。なお、ライブビュー信号を読み出すことができる理由は、イメージセンサ3と同様である。
続いて、画素アレイ部340内に配置された全ての単位画素38からの静止画像用のリセット信号を画像信号処理装置6に保持した後、時刻t2のときに、静止画像を得るためのグローバル露光の動作に移行する。図9(g)に示した静止画用露光時間(グローバル露光)の動作では、図8(c)に示したグローバル露光タイミングで、画素アレイ部340内の全ての単位画素38のフォトダイオードPDを一括してリセットする。そして、任意に設定した静止画用露光時間が経過した時刻t3のときに、画素アレイ部340内の全ての単位画素38のフォトダイオードPDが発生した露光信号電圧を、それぞれの単位画素38の電荷蓄積部FD1に一括して転送する。
その後、静止画像信号の読み出し動作に移行する。これにより、図9(h)〜図9(m)において、図5(h)〜図5(m)と同様に、助読み出し部37からのライブビュー信号の読み出し動作と、単位画素38からの静止画像信号の読み出し動作とを、交互に行う。これにより、表示装置5へのライブビュー画像の表示と、静止画像信号の画像信号処理装置6への保持とが、交互に行われる。
このように、本第2の実施形態のイメージセンサ30では、イメージセンサ3と同様に、静止画像信号の読み出しが完了したか否かに係わらず、フィールドf3に相当する行の単位画素38内のフォトダイオードPDからライブビュー信号を読み出すことができる。なお、ライブビュー信号を読み出すことができる理由は、イメージセンサ3と同様である。
このように、画素アレイ部340内に配置された全ての単位画素38からの静止画像信号を画像信号処理装置6に保持した後、時刻t4のときから、イメージセンサ3と同様に、画像信号処理装置6において静止画像用のリセット信号と静止画像信号との差分処理が行われ、リセットノイズが除去された静止画像信号に基づいた静止画像が、デジタルカメラ1の記録装置4に記録される。
また、時刻t4のときから、イメージセンサ3と同様に、ライブビュー信号の読み出し動作に移行し、時刻t4以降のライブビュー信号に基づいたライブビュー画像を表示装置5に表示させることもできる。
上記に述べたように、本第2の実施形態のイメージセンサ30を搭載したデジタルカメラ1においても、イメージセンサ3を搭載したデジタルカメラ1と同様に、静止画像を撮影する撮影動作の期間中のグローバル露光の直前や直後に、任意の単位画素38から補助読み出し部37を介してライブビュー信号を取得し、表示装置5にライブビュー画像を表示させることができる。
さらに、本第2の実施形態のイメージセンサ30では、イメージセンサ3の構成要素である単位画素36が、単位画素36よりもトランジスタ数が少ない単位画素38に代わっている。これにより、イメージセンサに補助読み出し部37を追加したことによるイメージセンサの画素構成要素の増加を、さらに抑えることができる。このことにより、フォトダイオードPDの面積が影響を及ぼす、イメージセンサの感度特性や飽和特性などの低下による撮像素子のS/Nの劣化を、さらに抑圧することができる。
上記に述べたように、本発明を実施するための形態によれば、固体撮像装置に備えた画素の、予め定めた数の画素に1つの割合で、補助読み出し部を設ける。これにより、撮像装置が、グローバル露光によって静止画像を撮影する撮影動作の期間中に、補助読み出し部を介してライブビュー用の露光信号を取得することができる。このことにより、従来の固体撮像装置では、グローバル露光によって静止画像を撮影する撮影動作の期間中のライブビュー用の露光信号を取得することができない期間が長かったが、本発明を実施するための形態では、このライブビュー用の露光信号を取得することができない期間を短縮することができる。より具体的には、従来の固体撮像装置では、静止画用のグローバル露光の直前や直後に、ライブビュー用の露光信号を取得することができない期間が存在していたが、本発明を実施するための形態では、静止画用のグローバル露光の直前や直後でも、ライブビュー用の露光信号を取得することができる。
例えば、撮像装置では、ライブビュー用の露光信号から得られた画像信号を、静止画像を撮影する際のAF(オートフォーカス:自動焦点)やAE(自動露光制御)などの撮影条件を設定にも利用している。静止画用のグローバル露光の直前にライブビュー用の露光信号を取得することができることによって、静止画像の露光期間の開始直前のライブビューの画像信号に基づいた、適切な撮影条件を設定することができ、AFやAEの精度を向上させることができる。また、例えば、撮像装置によって、静止画像の連続撮影(連写)を行うときに、従来では、連続で行われている撮影動作の期間の間、ライブビューの表示がフリーズやブラックアウトの状態となっているため、被写体の動きに追従した撮影を行うことができなかった。静止画用のグローバル露光の直後にライブビュー用の露光信号を取得することができることによって、例えば、被写体が速く動いているような場合であっても、ライブビューの表示を確認しながら被写体の動きに追従した撮影を行うことができる。そして、静止画像の連写では、前回のグローバル露光が終了した後から、次にグローバル露光を開始するまでの期間、すなわち、静止画像の連写の間の期間に取得したライブビュー用の露光信号に基づいて、連続で撮影する静止画像のそれぞれに応じた適切な撮影条件を設定することができ、被写体の移動などによるAF精度の低下を抑えることができる。
また、従来の固体撮像装置では、ライブビュー用の露光信号を取得することができる画素に制限があったが、本発明を実施するための形態では、ライブビュー用の露光信号を取得することができる画素の制限をなくすことができる。すなわち、従来の固体撮像装置では、ライブビュー用の露光信号を取得する際に読み出す画素は、静止画像用のリセット信号の読み出し期間中のリセット信号の読み出しが完了していない画素、または静止画像用の露光信号の読み出し期間中の露光信号の読み出しが完了した画素の限定されていた。これに対し、本発明を実施するための形態では、静止画像用のリセット信号の読み出しや、静止画像用の露光信号の読み出しが完了したか否かに係わらず、ライブビュー用の露光信号の読み出しを行うことができ、ライブビュー用の露光信号を取得する際に読み出す画素の限定をなくすことができる。
また、本発明を実施するための形態では、補助読み出し部を予め定めた数の画素に1つの割合で補助読み出し部を設けるため、補助読み出し部の追加に伴う固体撮像装置の画素構成要素の増加を抑えることができる。これにより、固体撮像装置内の光電変換部(フォトダイオード)の占有面積の減少を抑えることができ、フォトダイオードの面積に影響される固体撮像装置の感度特性や飽和特性などの低下を抑え、固体撮像装置のS/Nの劣化を最小限にすることができる。このことにより、撮像装置によって最終的に得られる静止画像の画質への影響を軽減することができる。
なお、本発明を実施するための形態では、画素アレイ部34(画素アレイ部340)の2行に対して1行の割合で補助読み出し部37を配置したときの例について説明したが、画素アレイ部に配置する補助読み出し部の割合は、本発明を実施するための形態に限定されるものではない。例えば、画素アレイ部の4行に対して1行の割合、すなわち、4つの画素で1つの補助読み出し部を共有する割合で補助読み出し部を配置することもできる。また、例えば、画素アレイ部の2行2列に対して1つの割合、すなわち、画素アレイ部の1行目の1列目および2列目の画素と、画素アレイ部の2行目の1列目および2列目の画素との4つの画素で1つの補助読み出し部を共有する割合で補助読み出し部を配置することもできる。このように、1つの補助読み出し部が対応する画素が異なる構成とした場合においても、補助読み出し部に備える第2の転送トランジスタM6、および垂直走査回路32が出力する転送パルスΦTX2の数を、対応する画素(フォトダイオード)の数に応じて変更することによって、同様に制御することができる。
また、本発明を実施するための形態では、画素アレイ部34(画素アレイ部340)内に配置された単位画素36(単位画素38)を行毎に3つのフィールドに分割して読み出すときの例について説明したが、フィールドの分割数は、本発明を実施するための形態に限定されるものではない。例えば、静止画像およびライブビュー画像の解像度や、ライブビュー画像のフレームレートを考慮して、フィールドの分割数を変更することもできる。また、ライブビュー信号の読み出しに使用する画素を、分割したフィールドとは関係なく、例えば、予め定められた領域の画素とすることもできる。そして、ライブビュー信号の読み出しに使用する画素のみを、補助読み出し部が対応する画素として、補助読み出し部を配置することもできる。
また、本発明を実施するための形態では、静止画像を撮影する撮影動作中のリセット信号、静止画像信号、またはライブビュー信号の読み出しを、単位画素36(単位画素38)の行単位で分割したフィールド毎に行う場合の例について説明したが、静止画像の撮影動作中にそれぞれの信号を分割して読み出す方法は、本発明を実施するための形態に限定されるものではない。例えば、静止画像の撮影動作中に読み出すそれぞれの信号を、グループ単位または画素単位でそれぞれ分割して読み出すこともできる。
また、本発明を実施するための形態では、ライブビュー信号を取得する際のイメージセンサ3(イメージセンサ30)における電子シャッタのタイミングに関して図示していないが、被写体の露光条件に応じて、適宜電子シャッタを使用しても構わない。
なお、本発明における回路構成および駆動方式の具体的な構成は、本発明を実施するための形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更をすることができる。例えば、分割するフィールド数を増やすこともできる。また、画素の構成要素および駆動方法が変わった場合においても、イメージセンサ3(イメージセンサ30)や単位画素36(単位画素38)内の構成要素や回路構成に応じて駆動方法を変更することによって対応することができる。例えば、補助読み出し部の回路構成は、本発明を実施するための形態と同様に、画素の回路構成における転送トランジスタ以降の回路構成と同様の構成とし、転送トランジスタを対応する画素の数分とすることによって実現することができる。より具体的には、補助読み出し部の回路構成を、例えば、図3の単位画素36における転送トランジスタM1以降の電荷蓄積部FD1、リセットトランジスタM2、増幅トランジスタM3、選択トランジスタM4と同様の回路構成、すなわち、電荷蓄積部FD2、リセットトランジスタM7、増幅トランジスタM8、選択トランジスタM9とする。そして、転送トランジスタM1を対応する画素の数分、すなわち、対応する画素の数が2つの場合には、転送トランジスタM6AおよびM6Bとする。このように、補助読み出し部の回路構成を、画素の回路構成に似た回路構成とすることによって、異なる回路構成の画素にも本発明の考えを適用することができる。
以上、本発明の実施形態について、図面を参照して説明してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲においての種々の変更も含まれる。