JP5679861B2 - インクジェット画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット画像形成方法に関する。
オフセット印刷等の商業用印刷機により印刷された印刷物は、排紙部で大量かつ高速に積み重ねられていく。そうすると、印刷物に印刷(記録)されたインク(画像)が、積み重ねられた別の印刷物と密着してしまい、それらの密着した印刷物を引き離すとと、インクが印刷物から剥がれて別の印刷物に付着する現象(ブロッキング)が生じることがある。このブロッキングを抑制するため、オフセット印刷では、印画後に、ブロッキング抑制剤としてデンプン等の粉末(パウダー)を散布し印画物表面に付着させることにより、インク同士の貼り付きを防止している。
しかし、この粉末散布は、過剰な量を散布してしまう場合がある。過剰な粉末は、印刷物に悪影響を及ばすだけでなく、粉末が広範囲に大量に空気中に飛散して印刷機、CTPプレートセッター、コンピューター、後加工機などの内部に入り込む。その結果、動作精度の低下又は故障などを引き起こす可能性があり、好ましくはない。
従って、特許文献1には、粉末を印刷物面に少量散布する方法が提案されている。
一方、特許文献2には、記録媒体上にインクジェット法により記録画像を記録する工程と、当該記録画像にマイクロカプセル含有液を噴霧した後、当該マイクロカプセルを破壊させる工程とを備えた方法が開示されている。
特開平10−130621号公報 特開2003−39645号公報
しかしながら、特許文献1では、特にインクジェットシステムに採用する場合、少量の粉末の散布でも空気中に粉末が存在してしまうと、インクジェットノズルの先に付着し、ノズル詰まりが容易に生じてしまうため、粉末を散布する方法は採用できない。
特許文献2は、画像表面に噴霧したマイクロカプセルを破壊して、離型性を有するコア部の物質(例えば、カルナウバワックス)の膜を画像表面に付与することにより、耐候性、耐水性等を向上させる方法であって、ブロッキングを抑制することは困難である。また、上記の離型性を有するコア部の物質の膜を付与する方法は、インクジェット法についてのみ具体的に開示しているに過ぎない。
本発明は、インクジェット法により記録媒体上に画像が記録する方式を採用する場合に、インクジェットのノズル詰まりを起こさずに、画像記録された記録媒体のブロッキングを抑制する画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記問題に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、下記の工程を備えることにより、上記課題を解決するに至った。すなわち、本発明は、下記の画像形成方法に関する。
項1.インクジェット法により記録媒体上に画像を記録する記録工程、及び
シリコーンオイル又はフッ素系オイルである液体に含有された粒径10μm以上30μm以下の粉末粒子を加熱ローラ表面に供給し、前記加熱ローラを介して前記粉末粒子を前記記録媒体に付与する付与工程、
を備えたインクジェット画像形成方法。
項2. 前記付与工程が、前記粉末粒子を含有した前記液体が含浸された布材を加熱ローラに接触させることにより前記粉末粒子を前記加熱ローラに供給し、前記加熱ローラを介して前記粉末粒子を前記記録媒体に付与する工程を備えた前記項1に記載のインクジェット画像形成方法。
項3.前記付与工程が、前記液体に含有された前記粉末粒子を加熱ローラ表面に供給し、前記加熱ローラを前記記録媒体に押圧する工程、を備えた前記項1又は2に記載のインクジェット画像形成方法。
項4.前記付与工程が、前記液体に含有された前記粉末粒子を加熱ローラ表面に供給し、前記加熱ローラと加圧ローラとの間に前記記録媒体を通過させる工程、を備えた前記項3に記載のインクジェット画像形成方法。
項5.前記付与工程が前記粉末粒子を破壊しないように前記粉末粒子を付与する工程である、前記項1〜4のいずれかに記載のインクジェット画像形成方法。
項6.前記粉末粒子は水不溶性である、前記項1〜のいずれかに記載のインクジェット画像形成方法。
.前記粉末粒子はポリメチル(メタ)アクリレート粒子又はシリカ粒子である、前記項1〜6のいずれかに記載のインクジェット画像形成方法。
項8.前記記録媒体は坪量が127g/m 以上である、項1〜7のいずれかに記載のインクジェット画像形成方法。
本発明によれば、インクジェット法により記録媒体上に画像を記録する際に、インクジェットのノズル詰まりを起こさずに、印画物のブロッキングを抑制することができる。また、耐擦性も向上させることができる。
図1は、本発明の付与工程時の装置の模式図を示した図である。 図2は、本発明の画像形成方法の装置の模式図を示した図である。
本発明のインクジェット画像形成方法は、インクジェット法により記録媒体上に画像を記録する記録工程、及び液体に含有された粉末粒子を加熱ローラ表面に供給し、前記加熱ローラを介して前記粉末粒子を前記記録媒体に付与する付与工程、を備えることを特徴とする。以下、各工程を詳述する。
1.記録工程
本発明の記録工程は、インクジェット法により記録媒体上に画像を記録する記録工程である。
(インクジェット法)
インクジェット法は、特に制限はなく、公知の方式、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット法、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式等のいずれであってもよい。尚、前記インクジェット法には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
インクジェット法で用いるインクジェットヘッドは、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。また、吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)などを具体的な例として挙げることができるが、いずれの吐出方式を用いても構わない。
尚、前記インクジェット法により記録を行う際に使用するインクノズル等については特に制限はなく、目的に応じて、適宜選択することができる。
インクジェットヘッドとしては、短尺のシリアルヘッドを用い、ヘッドを記録媒体の幅方向に走査させながら記録を行なうシャトル方式と、記録媒体の1辺の全域に対応して記録素子が配列されているラインヘッドを用いたライン方式とがある。ライン方式では、記録素子の配列方向と直交する方向に記録媒体を走査させることで記録媒体の全面に画像記録を行なうことができ、短尺ヘッドを走査するキャリッジ等の搬送系が不要となる。また、キャリッジの移動と記録媒体との複雑な走査制御が不要になり、記録媒体だけが移動するので、シャトル方式に比べて記録速度の高速化が実現できる。本発明のインクジェット記録方法は、これらのいずれにも適用可能であるが、一般にダミージェットを行なわないライン方式に適用した場合に、吐出精度及び画像の耐擦過性の向上効果が大きい。
インクジェットヘッドから吐出されるインク組成物の液滴量としては、高精細な画像を得る観点で、0.5〜15pl(ピコリットル)が好ましく、1〜12plがより好ましく、更に好ましくは2〜10plである。
(記録媒体)
本発明のインクジェット法は、記録媒体に上に画像を記録するものである。
記録媒体には、特に制限はないが、一般のオフセット印刷などに用いられる、いわゆる上質紙、コート紙、アート紙などのセルロースを主体とする一般印刷用紙を用いることができる。
記録媒体としては、一般に市販されているものを使用することができ、例えば、王子製紙(株)製の「OKプリンス上質」、日本製紙(株)製の「しおらい」、及び日本製紙(株)製の「ニューNPI上質」等の上質紙(A)、王子製紙(株)製の「OKエバーライトコート」及び日本製紙(株)製の「オーロラS」等の微塗工紙、王子製紙(株)製の「OKコートL」及び日本製紙(株)製の「オーロラL」等の軽量コート紙(A3)、王子製紙(株)製の「OKトップコート+」及び日本製紙(株)製の「オーロラコート」等のコート紙(A2、B2)、王子製紙(株)製の「OK金藤+」及び三菱製紙(株)製の「特菱アート」等のアート紙(A1)等が挙げられる。また、インクジェット記録用の各種写真専用紙を用いることも可能である。
記録媒体の中でも、一般のオフセット印刷などに用いられるいわゆる塗工紙が好ましい。塗工紙は、セルロースを主体とした一般に表面処理されていない上質紙や中性紙等の表面にコート材を塗布してコート層を設けたものである。特に、原紙とカオリン及び/又は重炭酸カルシウムを含むコート層とを有する塗工紙を用いるのが好ましい。これらは、アート紙、コート紙、軽量コート紙、又は微塗工紙であることがより好ましい。
(インク組成物)
本発明で使用するインク組成物は、色材及び水を含有するものであれば限定的でなく、公知又は市販のものを使用することができる。
(色材)
色材としては、公知の染料、顔料等を特に制限なく用いることができる。中でも、インク着色性の観点から、水に殆ど不溶であるか、又は難溶である色材であることが好ましい。具体的には例えば、各種顔料、分散染料、油溶性染料、J会合体を形成する色素等を挙げることができ、顔料であることがより好ましい。本発明においては、水不溶性の顔料自体または分散剤で表面処理された顔料自体を色材とすることができる。
本発明における顔料としては、その種類に特に制限はなく、従来公知の有機及び無機顔料を用いることができる。例えば、アゾレーキ、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、ジケトピロロピロール顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料や、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、酸化チタン、酸化鉄系、カーボンブラック系等の無機顔料が挙げられる。また、カラーインデックスに記載されていない顔料であっても水相に分散可能であれば、いずれも使用できる。更に、前記顔料を界面活性剤や高分子分散剤等で表面処理したものや、グラフトカーボン等も勿論使用可能である。前記顔料のうち、特に、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、カーボンブラック系顔料を用いることが好ましい。
本発明に用いられる有機顔料の具体的な例を以下に示す。以下の色材は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
オレンジ又はイエロー用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・オレンジ31、C.I.ピグメント・オレンジ43、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー13、C.I.ピグメント・イエロー14、C.I.ピグメント・イエロー15、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・イエロー93、C.I.ピグメント・イエロー94、C.I.ピグメント・イエロー128、C.I.ピグメント・イエロー138、C.I.ピグメント・イエロー151、C.I.ピグメント・イエロー155、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー185等が挙げられる。
マゼンタまたはレッド用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・レッド2、C.I.ピグメント・レッド3、C.I.ピグメント・レッド5、C.I.ピグメント・レッド6、C.I.ピグメント・レッド7、C.I.ピグメント・レッド15、C.I.ピグメント・レッド16、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド53:1、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド123、C.I.ピグメント・レッド139、C.I.ピグメント・レッド144、C.I.ピグメント・レッド149、C.I.ピグメント・レッド166、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド178、C.I.ピグメント・レッド222C.I.ピグメント・バイオレット19等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・ブルー15、C.I.ピグメント・ブルー15:2、C.I.ピグメント・ブルー15:3、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー16、C.I.ピグメント・ブルー60、C.I.ピグメント・グリーン7、米国特許4311775号明細書に記載のシロキサン架橋アルミニウムフタロシアニン等が挙げられる。
ブラック用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・ブラック1、C.I.ピグメント・ブラック6、C.I.ピグメント・ブラック7等が挙げられる。
本発明における着色材が顔料である場合、分散剤によって水系溶媒に分散されていてもよい。分散剤としては、ポリマー分散剤でも低分子の界面活性剤型分散剤でもよい。また、ポリマー分散剤としては水溶性の分散剤でも非水溶性の分散剤の何れでもよい。
本発明におけるポリマー分散剤のうち水溶性分散剤としては、親水性高分子化合物を用いることができる。例えば、天然の親水性高分子化合物では、アラビアガム、トラガンガム、グアーガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子などが挙げられる。
また、天然物を原料として化学修飾した親水性高分子化合物としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子などが挙げられる。
また、合成系の水溶性高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸又はそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物等が挙げられる。
ポリマー分散剤のうち非水溶性分散剤としては、疎水性部と親水性部の両方を有するポリマーを用いることができる。例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体等が挙げられる。
ポリマー分散剤の酸価としては、処理液が接触したときの凝集性が良好である観点から、100mgKOH/g以下が好ましい。更には、酸価は、25〜100mgKOH/gがより好ましく、30〜90mgKOH/gが特に好ましい。
色材の平均粒子径としては、10〜200nmが好ましく、10〜150nmがより好ましく、10〜100nmがさらに好ましい。平均粒子径は、200nm以下であると色再現性が良好になり、インクジェット法で打滴する際の打滴特性が良好になり、10nm以上であると耐光性が良好になる。また、色材の粒径分布に関しては、特に制限はなく、広い粒径分布又は単分散性の粒径分布のいずれであってもよい。また、単分散性の粒径分布を持つ色材を2種以上混合して使用してもよい。
色材のインク組成物中における含有量としては、画像濃度の観点から、インク組成物に対して、1〜25質量%であることが好ましく、2〜20質量%がより好ましい。
(ポリマー粒子)
本発明のインク組成物は必要に応じてポリマー粒子を含有することが好ましい。これにより、画像の耐擦過性、定着性等をより向上させることができる。
本発明におけるポリマー粒子としては、例えば、熱可塑性、熱硬化性あるいは変性のアクリル系、エポキシ系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、ポリアミド系、不飽和ポリエステル系、フェノール系、シリコーン系、又はフッ素系の樹脂、塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、又はポリビニルブチラール等のポリビニル系樹脂、アルキド樹脂、フタル酸樹脂等のポリエステル系樹脂、メラミン樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、アミノアルキド共縮合樹脂、ユリア樹脂、尿素樹脂等のアミノ系材料、あるいはそれらの共重合体又は混合物などのアニオン性基を有する樹脂の粒子が挙げられる。これらのうち、アニオン性のアクリル系樹脂は、例えば、アニオン性基を有するアクリルモノマー(アニオン性基含有アクリルモノマー)及び必要に応じて該アニオン性基含有アクリルモノマーと共重合可能な他のモノマーを溶媒中で重合して得られる。前記アニオン性基含有アクリルモノマーとしては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、及びホスホン基からなる群より選ばれる1以上を有するアクリルモノマーが挙げられ、中でもカルボキシル基を有するアクリルモノマー(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、エタアクリル酸、プロピルアクリル酸、イソプロピルアクリル酸、イタコン酸、フマル酸等)が好ましく、特にはアクリル酸又はメタクリル酸が好ましい。ポリマー粒子は、1種単独又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明におけるポリマー粒子の分子量範囲は、重量平均分子量で、3000〜20万であることが好ましく、5000〜15万であることがより好ましく、10000〜10万であることが更に好ましい。上記重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフ(ポリスチレン換算)で測定される。
ポリマー粒子の平均粒子径は、体積平均粒子径で10〜400nmの範囲が好ましく、10〜200nmの範囲がより好ましく、10〜100nmの範囲が更に好ましく、特に好ましくは10〜50nmの範囲である。この範囲とすることにより、製造適性、保存安定性等が向上する。ポリマー粒子の平均粒子径は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒径を測定することにより求められるものである。
ポリマー粒子の液体組成物中における含有量としては、画像の光沢性などの観点から、インク組成物に対して、1〜30質量%であることが好ましく、3〜20質量%であることがより好ましい。
(水)
インク組成物は、水を含有するものであるが、水の量には特に制限はない。中でも、水の好ましい含有量は、10〜99質量%であり、より好ましくは30〜80質量%であり、更に好ましくは50〜70質量%である。
(有機溶媒)
必要に応じて上記水に加えて水溶性有機溶媒を含有していてもよい。このような水溶性有機溶媒としては、吐出性の観点から、アルキレンオキシアルコールが好ましい。更にはアルキレンオキシアルコールの少なくとも1種とアルキレンオキシエーテルの少なくとも1種とを含む2種以上の水溶性有機溶媒を含有する場合が特に好ましい。
前記アルキレンオキシアルコールとしては、好ましくは、プロピレンオキシアルコールである。プロピレンオキシアルコールとしては、例えば、サンニックスGP250、サンニックスGP400(三洋化成工業(株)製)が挙げられる。
前記アルキレンオキシアルキルエーテルとしては、好ましくは、アルキル部位の炭素数が1〜4のエチレンオキシアルキルエーテル又はアルキル部位の炭素数が1〜4のプロピレンオキシアルキルエーテルである。アルキレンオキシアルキルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルなどが挙げられる。
また、上記の親水性有機溶媒に加え、必要に応じて、乾燥防止、浸透促進、粘度調整などを図る目的で、他の有機溶媒を含有してもよい。
(その他の添加剤)
インク組成物は、上記の成分に加え、必要に応じて、その他の添加剤を含むことができる。その他の添加剤としては、例えば、活性エネルギー線により重合する重合性化合物、重合開始剤、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、ワックス、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、インク組成物を調製後に直接添加してもよく、インク組成物の調製時に添加してもよい。
2.付与工程
本発明の付与工程は、液体に含有された粉末粒子を加熱ローラ表面に供給し、前記加熱ローラを介して前記粉末粒子を前記記録媒体に付与することを特徴とする。
液体は、粉末粒子を分散させることができるものであればよいが、本発明では不揮発性溶媒を用いることが好ましい。これにより、粉末粒子含有液の塗布性を向上させることができる。本発明における不揮発性溶媒とは、1気圧において150℃以下で沸騰しない溶媒をいう。このような溶媒としては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、フッ素オイル、フロロシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル等のシリコーンオイル又はフッ素系オイル;流動パラフィン等が挙げられる。中でも、均質な離型剤層を加熱ローラ表面層に形成し、粉末粒子を記録画像表面に容易に転写できる観点より、シリコーンオイル又はフッ素系オイルが好ましい。
これらの液体としては、例えば、信越化学工業(株)製の「KF−96−10cs」、「KF−96−20cs、KF−96−30cs」、「KF−96−50cs」、「KF−96−100cs」、「KF−96−200cs」、「KF−96−300cs」、「KF−96−500cs」、「KF−96−1000cs」、「KF−96−3000cs」、「KF−96−5000cs」、「KF−96−1万cs」、東レ・ダウコーニング(株)製の「SH200−10CS」、「SH200−100CS」、「SH200−1000CS」、「SH200−10000CS」等のジメチルシリコーンオイル;
信越化学工業(株)製の「KF−393」、「KF−859」、「KF−860」、「KF−861」、「KF−864」、「KF−865」、「KF−867」、「KF−868」、「KF−869」、「KF−6012」、「KF−880」、「KF−8002」、「KF−8004」、「KF−8005」、「KF−877」、「KF−8008」、「KF−8010」、「KF−8012」、「X−22−3820W」、「X−22−3939A」、「X−22−161A」、「X−22−161B」、「X−22−1660B−3」、東レ・ダウコーニング(株)の「BY16−871」、「BY16−853U」、「FZ−3705」、「SF8417」、「BY16−849」、「FZ−3785」、「BY16−890」、「BY16−208」、「BY16−893」、「FZ−3789」、「BY16−878」、「BY16−891」等のアミノ変性シリコーンオイル;
信越化学工業(株)製の「FL−5」、「X22−821」、「X−22−822」、「FL−100−100CS」、「FL−100−450CS」、「FL−100−1000CS」、「FL−100−10000CS」、東レ・ダウコーニング(株)の「FS1265-300CS」、「FS1265−1000CS」、「FS1265−10000CS」等のフロロシリコーンオイル;等が挙げられる。
粉末粒子は、ブロッキングを抑制できるものであれば限定的でない。水難溶性及び水不溶性のいずれであってもよいが、本発明では水不溶性のものであることが好ましい。これにより、粉末粒子が記録画像上に付与された際に当該記録画像内部に粉末粒子が溶解ないし浸透することにより生じる、ブロッキング抑制効果の低下及び記録画像面のムラの発生を効果的に防止することができる。本発明において水不溶性とは、水100質量部(25℃)に対する溶解量が、5.0質量部以下であることをいう。本発明における粉末粒子が含有した液体(粉末粒子含有液体)は、分散状態であること、すなわち粉末粒子分散液であることが好ましい。
粉末粒子としては、無機粒子及び有機粒子のいずれも挙げることができる。具体的には、例えば、無機粒子としては、シリカ(二酸化珪素)、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。有機粒子としては、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリエステル等が挙げられる。これらの中でも、ポリメチル(メタ)アクリレート又はシリカが好ましい。なお、ポリメチル(メタ)アクリレートとは、ポリメチルアクリレート及びポリメチルメタアクリレート(PMMA)のうち少なくとも1種をいう。
粉末粒子の体積平均粒径は、粒径1μm以上であることを必須とする。これにより、ブロッキング抑制が可能となる。粉末粒子の体積平均粒径は、記録媒体の坪量に依存せず十分なブロッキング抑制効果を有し、且つ印刷サンプルの触感を変化させずに高品位な印刷サンプルを得る観点から、1μm以上40μm以下であり、好ましくは5μm以上35μm以下程度であり、より好ましくは10μm以上30μm以下程度である。特に、厚手のコート紙や包装用の板紙など坪量が127g/m以上の記録媒体を使用する場合、スタッカーブロッキングを抑制する観点から、粉末粒子の体積平均粒径は10μm以上30μm以下が好ましい。
粉末粒子の体積平均粒径は、マイクロトラック粒度分布測定装置MT−3200(日機装(株)製)の乾式セルによって測定される値である。粉末粒子の粒度分布については特に限定なく、分布のあるものから単分散のものまで使用することができるが、好ましい粒子径を有した粒子の分布が多い方がブロッキング抑制効果が大きく、単分散の方が好ましく使用される。
液体に含有させる粉末粒子の含有量は限定的でないが、例えば、粉末粒子含有液全量に対して、1〜50質量%程度、好ましくは5〜40質量%程度とすればよい。
加熱ローラの表面温度(加熱温度)は、インク組成物中のポリマー粒子を皮膜化できる温度であれば限定的でなく、例えば30〜120℃程度、好ましくは50〜90℃程度とすればよい。これにより、画像の膜強度を向上させることができる。
加熱の方法は、特に制限されないが、ニクロム線ヒーター等の発熱体で加熱する方法、温風又は熱風を供給する方法、ハロゲンランプ、赤外線ランプなどで加熱する方法など、非接触で加熱する方法を好適に挙げることができる。
前記加熱ローラとしては、金属製の金属ローラであってもよく、金属製の芯金の表面に弾性体からなる被覆層及び必要に応じて表面層(離型層ともいう)が設けられたローラであってもよい。金属ローラ及び金属製の芯金は、例えば、鉄製、アルミニウム製、SUS製等の円筒体で構成することができる。被覆層は、特に、離型性を有するシリコーン樹脂またはフッ素樹脂で形成されるのが好ましい。また、加熱ローラの一方の芯金内部には、発熱体が内蔵されていることが好ましく、ローラ間に記録媒体を通すことによって、加熱処理と加圧処理とを同時に施したり、あるいは必要に応じて、2つの加熱ローラを用いて記録媒体を挟んで加熱してもよい。発熱体としては、例えば、ハロゲンランプヒーター、セラミックヒーター、ニクロム線等が好ましい。
粉末粒子の加熱ローラへの供給は、前記粉末粒子を含有する液体(粉末粒子含有液)を直接又は間接的に付着させればよい。例えば、粉末粒子含有液を含浸させた布材を加熱ローラ表面に接触させる方法、粉末粒子含有液を加熱ローラ表面に噴霧する方法、ロールコーターで塗布する方法等が挙げられる。特に、布材を加熱ローラに接触させる方法は、ムラなく適量の粉末粒子含有液をローラ表面に供給できる点で好ましい。この際の布材(ウェブ部材)は、織物、不織布等のいずれであってもよく、市販又は公知のものを使用すればよいが、加熱ローラに接触させるため耐熱性の不織布が好ましい。例えば、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、アラミド、ポリエステル、ポリアミドまたはこれらの混合物等が挙げられる。粉末粒子含有液の布材への含浸量は限定的でないが、例えば1〜100g/m(特に2〜50g/m)程度とすればよい
本発明における付与工程は、例えば、粉末粒子がローラ表面に付着した加熱ローラを、画像が記録された記録媒体(印画物)に押圧することにより、前記粉末粒子を印画物表面に付与することができる。押圧の方法は限定的でなく、例えば、 (i)加圧ローラを更に使用し、これら一対のローラ(加熱ローラ及び加圧ローラ)の間を、記録された画像面が加熱ローラに接触するように通過させる方法、(ii)2つの加熱ローラを用い、これら一対の加熱ローラの間を通過させる方法、(iii)搬送ベルト上で搬送されてくる印画物を、記録された画像面が加熱ローラに接触するように通過させる方法、(iv)これらの方法の組合せ等が挙げられる。
本発明の付与工程には、加熱ローラによる工程の前又は後に画像記録の定着工程を備えていてもよい。通常、定着工程には定着部材である定着ローラを用いる必要があるが、本発明では、加熱ローラが、粉末粒子付与のローラとしての役割に加えて定着ローラとしての役割も果たすことができる。よって、別個の定着ローラを必要とせずに、画像記録の定着及び粉末粒子の付与を同時に行うことも可能であり、設備の小型化が図れる。なお、さらに別個の定着ローラ等の定着部材を使用して定着する方法も本発明の態様に含まれる。
押圧する際の圧力としては限定的でないが、前記粉末粒子を破壊しないような圧力下で行うことが好ましい。このような圧力としては、例えば、0.1MPa〜3.0MPaの範囲が好ましく、より好ましくは0.1MPa〜1.0MPaの範囲であり、更に好ましくは0.1MPa〜0.5MPaの範囲である。
記録媒体が加熱ロールを通過する際の好ましいニップ時間は、1ミリ秒〜10秒であり、より好ましくは2ミリ秒〜1秒であり、更に好ましくは4ミリ秒〜100ミリ秒である。また、好ましいニップ幅は、0.1mm〜100mmであり、より好ましくは0.5mm〜50mmであり、更に好ましくは1mm〜10mmである。
また、前記圧力(ニップ圧)を実現するには、例えば、加熱ローラ等のローラ両端に、ニップ間隙を考慮して所望のニップ圧が得られるように、張力を有するバネ等の弾性部材を選択して設置すればよい。
記録媒体を搬送するベルト基材としては限定的でなく、例えば、シームレスのニッケル電鍮が好ましく、基材の厚さは10μm〜100μmが好ましい。また、ベルト基材の材質としては、ニッケル以外にもアルミニウム、鉄、ポリエチレン等を用いることができる。シリコーン樹脂あるいはフッ素樹脂を設ける場合は、これら樹脂を用いて形成される層の厚みは、1μm〜50μmが好ましく、更に好ましくは10μm〜30μmである。
記録媒体の搬送速度は、200〜700mm/秒の範囲が好ましく、より好ましくは300〜650mm/秒であり、更に好ましくは400〜600mm/秒である。
粉末粒子の記録媒体への付与量は限定的でなく、また、加熱ロールへの供給量、粉末粒子含有液の濃度等で適宜調整できる。更に粉末粒子含有液を含浸させた布材(ウェブ部材)を用いる方法においては、布材への含浸量、布材の送出し量等で調整できる。
本発明の画像形成方法には、記録工程と付与工程の間に又は付与工程の後に、インク乾燥ゾーン等の装置を設けて、乾燥工程を行ってもよい。
本発明の付与工程の一例を図1を用いて説明する。加熱ローラ(定着ローラ)1には、ウェブ押圧ローラ3によって、粉末粒子含有液に含浸された布材(ウェブ部材)5が、押圧されている。布材5は、送出ローラ2及び巻き取りローラ4の回転により巻き取られながら、加熱ローラ1と接触することにより、加熱ローラ表面に粉末粒子含有液を連続的に供給している。
本発明の画像形成方法の好ましい一例を図2に記載の装置の概略図を用いて説明する。装置内に、記録媒体11が搬送ベルト10等により送り込まれてくると、まず処理液塗布部12にて処理液塗布用バー13により処理液が付与され、次いで加熱乾燥部14にて記録媒体が乾燥される。その後、インクジェット記録部16に到達すると、インクジェットノズル17からインク組成物が記録媒体に向かって噴射され、記録媒体上に記録画像が形成される。この画像が記録された記録媒体(印画物)はさらに加熱乾燥部を経て定着部に搬送される。定着部には、加熱ローラ(定着ローラ)1と加圧ローラ6とが備えられている。加熱ローラは、粉末粒子含有液に一部含浸された布材5が押圧されており、その結果、そのローラ表面に粉末粒子が付着している。搬送された印画物はその加熱ローラ1と加圧ローラ6との間を通過する。この通過により、記録媒体上に形成された画像が定着されるとともに、加熱ローラ表面上に付着していた粉末粒子は印画物表面に転写される。その後、必要に応じて所定の大きさに切断された後、排出口から排出され、排出トレー(図示せず)の上に印画物が積み重ねられていく。なお、図2では、まず処理液塗布部12を設けて処理液塗布用バーを接触することにより記録媒体表面に処理液付与工程(後述)を行い、さらに処理液付与塗布部12及びインクジェット記録部16の後にそれぞれ加熱乾燥部14を設けて乾燥工程を行っているが、これらの処理液付与工程及び加熱工程は必須ではない。
−処理液付与工程−
本発明の画像形成方法は、処理液を記録媒体に付与する処理液付与工程を備えてもよい。処理液付与工程は、インク組成物と接触することで凝集体を形成可能な処理液を記録媒体に付与し、処理液をインク組成物と接触させて画像化する。この場合、インク組成物中のポリマー粒子や色材(例えば顔料)などの分散粒子が凝集し、記録媒体上に画像が固定化される。
処理液の付与は、塗布法、インクジェット法、浸漬法などの公知の方法を適用して行なうことができる。塗布法としては、バーコーター、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター等を用いた公知の塗布方法によって行なうことができる。インクジェット法の詳細については、既述の通りである。
処理液付与工程は、インク組成物を用いたインク付与工程の前又は後のいずれに設けてもよい。
本発明においては、処理液付与工程で処理液を付与した後に記録工程を設けた態様が好ましい。すなわち、記録媒体上に、インク組成物を付与する前に、予めインク組成物中の色材(好ましくは顔料)を凝集させるための処理液を付与しておき、記録媒体上に付与された処理液に接触するようにインク組成物を付与して画像化する態様が好ましい。これにより、インクジェット記録を高速化でき、高速記録しても濃度、解像度の高い画像が得られる。
処理液の付与量としては、インク組成物を凝集可能であれば特に制限はないが、好ましくは、凝集成分(例えば、2価以上のカルボン酸又はカチオン性有機化合物)の付与量が0.1g/m以上となる量とすることができる。中でも、凝集成分の付与量が0.1〜1.0g/mとなる量が好ましく、より好ましくは0.2〜0.8g/mである。凝集成分の付与量は、0.1g/m以上であると凝集反応が良好に進行し、1.0g/m以下であると光沢度の点で好ましい。
本発明における処理液は、既述のインク組成物と接触することで凝集体を形成可能なように構成されたものである。具体的には、処理液は、インク組成物中の色材(顔料等)などの分散粒子を凝集させて凝集体を形成可能な凝集成分を少なくとも含むことが好ましく、必要に応じて、他の成分を用いて構成することができる。インク組成物と共に処理液を用いることで、インクジェット記録を高速化でき、高速記録しても濃度、解像度の高い描画性(例えば細線や微細部分の再現性)に優れた画像が得られる。
処理液は、インク組成物と接触して凝集体を形成可能な凝集成分の少なくとも1種を含有することができる。インクジェット法で吐出された前記インク組成物に処理液が混合することにより、インク組成物中で安定的に分散している顔料等の凝集が促進される。
処理液の例としては、インク組成物のpHを変化させることにより凝集物を生じさせることができる液体が挙げられる。このとき、処理液のpH(25℃)は、インク組成物の凝集速度の観点から、1〜6であることが好ましく、1.2〜5であることがより好ましく、1.5〜4であることが更に好ましい。この場合、記録工程で用いる前記インク組成物のpH(25℃)は、7.5〜9.5(より好ましくは8.0〜9.0)であることが好ましい。中でも、本発明においては、画像濃度、解像度、及びインクジェット記録の高速化の観点から、前記インク組成物のpH(25℃)が7.5以上であって、処理液のpH(25℃)が1.5〜3である場合が好ましい。前記凝集成分は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
処理液は、凝集成分として、酸性化合物の少なくとも1種を用いて構成することができる。酸性化合物としては、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、又はカルボキシル基を有する化合物、あるいはその塩(例えば多価金属塩)を使用することができる。中でも、インク組成物の凝集速度の観点から、リン酸基又はカルボキシル基を有する化合物がより好ましく、カルボキシル基を有する化合物であることが更に好ましい。
カルボキシル基を有する化合物としては、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、オルトリン酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩(例えば多価金属塩)等の中から選ばれることが好ましい。これらの化合物は、1種単独で用いるほか2種以上併用してもよい。
本発明における処理液は、上記酸性化合物に加えて、水系溶媒(例えば、水)を更に含んで構成することができる。
酸性化合物の処理液中における含有量としては、凝集効果の観点から、処理液の全質量に対して、5〜95質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましく、更に好ましくは15〜50質量%であり、特に好ましくは18〜30質量%である。
また処理液の例には、凝集剤として多価金属塩を添加した処理液が挙げられ、高速凝集性を向上させることができる。多価金属塩としては、周期表の第2属のアルカリ土類金属(例えば、マグネシウム、カルシウム)、周期表の第3属の遷移金属(例えば、ランタン)、周期表の第13属からのカチオン(例えば、アルミニウム)、及びランタニド類(例えば、ネオジム)の塩を挙げることができる。金属の塩としては、カルボン酸塩(蟻酸、酢酸、安息香酸塩など)、硝酸塩、塩化物、及びチオシアン酸塩が好適である。中でも、好ましくは、カルボン酸(蟻酸、酢酸、安息香酸塩など)のカルシウム塩又はマグネシウム塩、硝酸のカルシウム塩又はマグネシウム塩、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、及びチオシアン酸のカルシウム塩又はマグネシウム塩である。
多価金属の塩の処理液中における含有量としては、凝集効果の観点から、1〜10質量%が好ましく、より好ましくは1.5〜7質量%であり、更に好ましくは2〜6質量%の範囲である。
また、処理液は、凝集成分として、カチオン性有機化合物の少なくとも1種を用いて構成することができる。カチオン性有機化合物としては、例えば、ポリ(ビニルピリジン)塩、ポリアルキルアミノエチルアクリレート、ポリアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリエチレンイミン、ポリビグアニド、ポリグアニド、又はポリアリルアミン及びその誘導体などのカチオン性ポリマーを挙げることができる。
前記カチオン性ポリマーの重量平均分子量としては、処理液の粘度の観点では分子量が小さい方が好ましい。処理液をインクジェット法で記録媒体に付与する場合には、1,000〜500,000の範囲が好ましく、1,500〜200,000の範囲がより好ましく、更に好ましくは2,000〜100,000の範囲である。重量平均分子量は、1000以上であると凝集速度の観点で有利であり、500,000以下であると吐出信頼性の点で有利である。但し、処理液をインクジェット法以外の方法で記録媒体に付与する場合には、この限りではない。
さらに、前記カチオン性有機化合物として、例えば、1級、2級、又は3級アミン塩型の化合物が好ましい。このアミン塩型の化合物の例として、塩酸塩もしくは酢酸塩等の化合物(例えば、ラウリルアミン、ヤシアミン、ステアリルアミン、ロジンアミンなど)、第4級アンモニウム塩型化合物(例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウムなど)、ピリジニウム塩型化合物(例えば、セチルピリジニウムクロライド、セチルピリジニウムブロマイドなど)、イミダゾリン型カチオン性化合物(例えば、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリンなど)、高級アルキルアミンのエチレンオキシド付加物(例えば、ジヒドロキシエチルステアリルアミンなど)等のカチオン性の化合物や、例えば、アミノ酸型の両性界面活性剤、カルボン酸塩型両性界面活性剤(例えば、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなど)、硫酸エステル型、スルホン酸型、又は燐酸エステル型等の両性界面活性剤など所望のpH領域でカチオン性を示す両性界面活性剤などを挙げることができる。
中でも、2価以上のカチオン性有機化合物が好ましい。
カチオン性有機化合物の処理液中における含有量としては、凝集効果の観点から、1〜50質量%が好ましく、より好ましくは2〜30質量%である。
上記のうち、凝集成分としては、凝集性及び画像の耐擦過性の点で、2価以上のカルボン酸、又は2価以上のカチオン性有機化合物が好ましい。
処理液の粘度としては、インク組成物の凝集速度の観点から、1〜30mPa・sの範囲が好ましく、1〜20mPa・sの範囲がより好ましく、2〜15mPa・sの範囲がさらに好ましく、2〜10mPa・sの範囲が特に好ましい。なお、粘度は、VISCOMETER TV−22(TOKI SANGYO CO.LTD製)を用いて20℃の条件下で測定されるものである。
また、処理液の表面張力としては、インク組成物の凝集速度の観点から、20〜60mN/mであることが好ましく、20〜45mN/mであることがより好ましく、25〜40mN/mであることがさらに好ましい。なお、表面張力は、Automatic Surface Tensiometer CBVP−Z(協和界面科学(株)製)を用いて25℃の条件下で測定されるものである。
本発明における処理液は、凝集成分に加え、一般には水溶性有機溶剤を含むことができ、本発明の効果を損なわない範囲内で、更にその他の各種添加剤を用いて構成することができる。水溶性有機溶剤の詳細については、既述のインク組成物におけるものと同様である。
前記その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられ、既述のインク組成物に含まれるその他の添加剤の具体的な例に挙げたものが適用できる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した。GPCは、HLC−8220GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとして、TSKgeL SuperHZM−H、TSKgeL SuperHZ4000、TSKgeL SuperHZ2000(いずれも東ソー(株)製の商品名)を用いて3本直列につなぎ、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。また、条件としては、試料濃度を0.45質量%、流速を0.35ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、RI検出器を用いて行なった。また、検量線は、東ソー(株)製「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、「A−1000」、「n−プロピルベンゼン」の8サンプルから作製した。酸価は、JIS規格(JIS K0070:1992)に記載の方法により求めた。
粉末粒子の体積平均粒径は、マイクロトラック粒度分布測定装置MT−3200(日機装(株)製)によって測定した。
<インク組成物の調製>
(シアンインクC1の組成)
下記の組成となるように、シアンインクC1を調製した。
・シアン顔料(ピグメント・ブルー15:3) : 4質量%
・アクリル系ポリマー分散剤(酸価65.2mgKOH/g、重量平均分子量44600): 2質量%
・アクリル系ポリマー粒子(重量平均分子量66000) : 4質量%
・サンニックスGP250 :10質量%
(三洋化成工業(株)製、水溶性有機溶剤)
・トリプロピレングリコールモノエチルエーテル :10質量%
(和光純薬工業(株)製、水溶性有機溶剤)
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製、界面活性剤) : 1質量%
・マイクロクリスタリンワックス : 2質量%
(日本精蝋(株)製HI−MIC1090)
上記成分にイオン交換水を加えて100質量%となるように調整した。
(マゼンタインクM1の組成)
前記シアンインクC1の組成中のシアン顔料を、顔料の量が同量になるようにマゼンタ顔料(ピグメント・レッド122)に変更したこと以外は、シアンインクC1と同様の組成とした。
(イエローインクY1の組成)
前記シアンインクC1の組成中のシアン顔料を、顔料の量が同量になるようにイエロー顔料(ピグメント・イエロー74)に変更したこと以外は、シアンインクC1と同様の組成とした。
(ブラックインクK1の組成)
前記シアンインクC1の組成中のシアン顔料を、顔料の量が同量になるようにブラック顔料(カーボンブラック)に変更したこと以外は、シアンインクC1と同様の組成とした。
<処理液の調製>
下記組成となるように各成分を混合し、処理液を調製した。
・マロン酸(2価のカルボン酸、和光純薬工業(株)製) 15.0質量%
・ジエチレングリコールモノメチルエーテル(和光純薬工業(株)製) 20.0質量%
・N−オレオイル−N−メチルタウリンナトリウム(界面活性剤) 1.0質量%
・イオン交換水 64.0質量%
処理液の物性値は、粘度2.6mPa・s、表面張力37.3mN/m、pH1.6であった。なお、表面張力の測定は、Automatic Surface Tensiometer CBVP−Z(協和界面科学(株)製)を用いて、白金プレートを用いたウィルヘルミ法にて25℃の条件下で行なった。粘度の測定は、VISCOMETER TV−22(TOKI SANGYO CO.LTD製)を用いて30℃の条件下で行なった。pHは、東亜DKK(株)製のpHメータWM−50EGを用い、原液のまま25℃にて測定した。
−ウェブ部材1−
・シリコーンオイル : 85.0質量%
(信越化学工業(株)製、「KF−96−100cs」)
・ポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子 : 15.0質量%
(日本触媒(株)製、「エポスターMA1010」、体積平均粒径10μm)
上記組成の液1Lをシルバーソン製乳化装置で8000rpm、10分混合させ、粉末粒子分散液1を作製した。粉末粒子分散液1を不織布に30g/mになるように含浸させ、ウェブ部材1を作製した。不織布は、ポリアミドとポリエステルとの混合材料で、重さ30g/m、厚さ0.1mmのものを使用した。
−ウェブ部材2−
・シリコーンオイル : 85.0質量%
(信越化学工業(株)製、「KF−96−100cs」)
・PMMA粒子 : 15.0質量%
(綜研化学(株)製、「MX−6」、体積平均粒径6μm)
上記組成の液1Lをシルバーソン製乳化装置で8000rpm、10分混合させ、粉末粒子分散液2を作製した。粉末粒子分散液2を不織布に30g/mになるように含浸させ、ウェブ部材2を作製した。上記不織布は、ウェブ部材1の作製に用いたものと同じものを使用した。
−ウェブ部材3−
・シリコーンオイル : 85.0質量%
(信越化学工業(株)製、「KF−96−100cs」)
・PMMA粒子 : 15.0質量%
(綜研化学(株)製、「MX−1500」、体積平均粒径15μm)
上記組成の液1Lをシルバーソン製乳化装置で8000rpm、10分混合させ、粉末粒子分散液3を作製した。粉末粒子分散液3を不織布に30g/mになるように含浸させ、ウェブ部材3を作製した。上記不織布は、ウェブ部材1の作製に用いたものと同じものを使用した。
−ウェブ部材4−
・シリコーンオイル : 85.0質量%
(信越化学工業(株)製、「KF−96−100cs」)
・シリカ粒子 : 15.0質量%
(キャボット社製、「CAB−O−SIL TG−820F」、体積平均粒径10μm)
上記組成の液1Lをシルバーソン製乳化装置で8000rpm、10分混合させ、粉末粒子分散液4を作製した。粉末粒子分散液4を不織布に30g/mになるように含浸させ、ウェブ部材4を作製した。上記不織布は、ウェブ部材1の作製に用いたものと同じものを使用した。
−ウェブ部材5−
・シリコーンオイル : 100.0質量%
(信越化学工業(株)製、「KF−96−100cs」)
上記シリコーンオイルを不織布に30g/mになるように含浸させ、ウェブ部材5を作製した。上記不織布は、ウェブ部材1の作製に用いたものと同じものを使用した。
−ウェブ部材6−
・シリコーンオイル : 85.0質量%
(信越化学工業(株)製、「KF−96−100cs」)
・PMMA粒子 : 15.0質量%
(綜研化学(株)製、「MP−1600」、体積平均粒径0.8μm)
上記組成の液1Lをシルバーソン製乳化装置で8000rpm、10分混合させ、粉末粒子分散液6を作製した。粉末粒子分散液6を不織布に30g/mになるように含浸させ、ウェブ部材6を作製した。上記不織布は、ウェブ部材1の作製に用いたものと同じものを使用した。
−ウェブ部材11−
・シリコーンオイル : 70.0質量%
(信越化学工業(株)製、「KF−96−100cs」)
・PMMA粒子 : 30.0質量%
(綜研化学(株)製、「ケミスノーMX-800」、体積平均粒径8μm)
上記組成の液1Lをシルバーソン製乳化装置で8000rpm、10分混合させ、粉末粒子分散液11を作製した。粉末粒子分散液11を不織布に140g/mとなるように含浸させ、ウェブ部材11を作製した。不織布は、ポリエステル材料で、重さ80g/m、厚さ0.3mmのKYS−80(呉羽テック社製)を使用した。
−ウェブ部材12−
・シリコーンオイル : 70.0質量%
(信越化学工業(株)製、「KF−96−100cs」)
・架橋ポリスチレン粒子 : 30.0質量%
(積水化成品工業(株)製、「テクポリマーSBX−17」、体積平均粒径16μm)
上記組成の液1Lをシルバーソン製乳化装置で8000rpm、10分混合させ、粉末粒子分散液12を作製した。粉末粒子分散液12を不織布に140g/mとなるように含浸させ、ウェブ部材12を作製した。上記不織布は、前記KYS−80(呉羽テック社製)を使用した。
−ウェブ部材13−
・シリコーンオイル : 70.0質量%
(信越化学工業(株)製、「KF−96−100cs」)
・PMMA粒子 : 30.0質量%
(綜研化学(株)製、「ケミスノーMX−2000」、体積平均粒径20μm)
上記組成の液1Lをシルバーソン製乳化装置で8000rpm、10分混合させ、粉末粒子分散液13を作製した。粉末粒子分散液13を不織布に140g/mとなるように含浸させ、ウェブ部材13を作製した。上記不織布は、前記KYS−80(呉羽テック社製)を使用した。
−ウェブ部材14−
・シリコーンオイル : 70.0質量%
(信越化学工業(株)製、「KF−96−100cs」)
・PMMA粒子 : 30.0質量%
(綜研化学(株)製、「ケミスノーMX−3000」、体積平均粒径30μm)
上記組成の液1Lをシルバーソン製乳化装置で8000rpm、10分混合させ、粉末粒子分散液14を作製した。粉末粒子分散液14を不織布に140g/mとなるように含浸させ、ウェブ部材14を作製した。上記不織布は、前記KYS−80(呉羽テック社製)を使用した。
−ウェブ部材15−
・シリコーンオイル : 70.0質量%
(信越化学工業(株)製、「KF−96−100cs」)
・架橋ポリメタクリル酸メチル粒子 : 30.0質量%
(積水化成品工業(株)製、「テクポリマーMBX−40」、体積平均粒径40μm)
上記組成の液1Lをシルバーソン製乳化装置で8000rpm、10分混合させ、粉末粒子分散液15を作製した。粉末粒子分散液15を不織布に140g/mとなるように含浸させ、ウェブ部材15を作製した。上記不織布は、前記KYS−80(呉羽テック社製)を使用した。
−ウェブ部材16−
・シリコーンオイル : 70.0質量%
(信越化学工業(株)製、「KF−96−100cs」)
・PMMA粒子 : 30.0質量%
(綜研化学(株)製、「ケミスノーMX−6」、体積平均粒径0.6μm)
上記組成の液1Lをシルバーソン製乳化装置で8000rpm、10分混合させ、粉末粒子分散液16を作製した。粉末粒子分散液16を不織布に140g/mとなるように含浸させ、ウェブ部材16を作製した。上記不織布は、前記KYS−80(呉羽テック社製)を使用した。
<画像記録及び評価>
以下に示すように、インクC1/M1/Y1/K1を用いて画像を記録すると共に、下記評価を行なった。評価結果は、下記表1及び表2に示す。
−耐擦性−
GELJET GX5000プリンターヘッド(リコー社製のフルラインヘッド)を用意し、これに繋がる貯留タンクを上記で得たシアンインクC1、マゼンタインクM1、イエローインクY1、ブラックインクK1に詰め替えた。記録媒体として特菱アート両面N(坪量104.7g/m、三菱製紙(株)製)または表2記載の記録媒体を用意した。各記録媒体を500mm/秒で所定の直線方向に移動可能なステージ(搬送ベルト)上に固定し、これに上記で得た反応液をワイヤーバーコーターで約1.5μm(マロン酸0.34g/m相当)の厚みとなるように塗布し、塗布直後に50℃で2秒間乾燥させた(図2)。
その後、GELJET GX5000プリンターヘッド(リコー社製のフルラインヘッド)を、前記ステージの移動方向(副走査方向)と直交する方向に対して、ノズルが並ぶラインヘッドの方向(主走査方向)が75.7°傾斜するように固定配置し、記録媒体を副走査方向に定速移動させながらインク液滴量3.5pL、吐出周波数24kHz、解像度1200dpi×600dpiの吐出条件にてライン方式で吐出し、ベタ画像を印画して評価サンプルを得た。印画直後、60℃で3秒間乾燥させた。
次いで、実施例及び比較例ごとに表1及び表2記載のウェブ部材を使用し、図2のように設置されたウェブ部材を加熱ローラに接触させ、ウェブ部材に含ませた粉末粒子を加熱ローラに供給した。そして、60℃に加熱された一対のローラ間(加熱ローラ及び加圧ローラ)に記録媒体を通過させ、ニップ圧0.25MPa、ニップ幅4mmにて定着処理を実施し、評価サンプルを得た。
なお、図2の加熱ローラ(定着ローラ)は、内部にハロゲンランプが内装されたSUS製の円筒体の芯金の表面がシリコーン樹脂で被覆されたものを使用した。
10mm×50mmに裁断した未印字の各記録媒体を文鎮(重量470g、サイズ15mm×30mm×120mm)に巻きつけ(未印字の各記録媒体と評価サンプルが接触する面積は150mm)、上記で作製した評価サンプルを3往復擦った(荷重260kg/mに相当)。擦った後の印画面を目視により観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。
<評価基準>
A:印字面の画像の剥れは全く視認できなかった。
B:印字面の画像の剥れが、わずかに視認されたが、実用上問題ないレベルであった。
C:印字面の画像の剥れが視認でき、実用上問題があるレベルであった。
−ブロッキング評価−
耐擦性と同様にベタ画像を作製した。2枚の評価サンプルを4cm×4cmのサイズに裁断し、記録面同士を重ね合わせるように貼り合わせ、プレス機で2.0MPaの圧力を30秒間かけ、評価サンプルを剥がした。このときの剥がれ易さ及び剥がした後の色移りを目視で観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。
<評価基準>
A:自然に剥がれ、互いの紙への色移りもみられなかった。
B:くっつきが生じ、互いの紙への色移りが多少みられた。
C:くっつきが強く、互いの紙へ多く色移りし、実用上問題があるレベルであった。
−加熱ローラへのオフセット−
耐擦性の評価においてインク液適量を7.0pLに変更してベタ画像を作製し、加熱ローラと加圧ローラの温度を70℃とした以外は、耐擦性の評価と同様に出力した。この時、加熱ローラへの画像の転写による画像部の剥がれを目視で観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。
<評価基準>
A:印画面の画像の剥れは全く視認できなかった。
B:印画面の画像の剥れが、わずかに視認されたが、実用上問題ないレベルであった。
C:印画面の画像の剥れが視認でき、実用上問題があるレベルであった。
本発明の画像形成方法にてインクジェット印画物を製造すると、粉末粒子を液中に含有して一旦加熱ローラに供給してから記録媒体に付与しているため、粉末粒子の空気中への飛散を抑制でき、空気飛散に起因するインクジェットノズルのつまりを抑制できる。その上、表1及び表2の結果から明らかなように、ブロッキングも抑制でき、耐擦性も良好であることが分かる。さらには、本発明の形成方法は、加熱ローラによる粉末粒子の転写時において、記録画像の剥れも効果的に防止(定着オフセットの改善)できることが分かる。
1.加熱ローラ
2.送出ローラ
3.ウェブ押圧ローラ
4.巻取ローラ
5.布材(ウェブ部材)
6.加圧ローラ
10.搬送ベルト
11.記録媒体
12.処理液塗布部
13.処理液塗布用バー
14.加熱乾燥部
15.乾燥機
16.インクジェット記録部
17.インクジェットのノズル

Claims (8)

  1. インクジェット法により記録媒体上に画像を記録する記録工程、及び
    シリコーンオイル又はフッ素系オイルである液体に含有された粒径10μm以上30μm以下の粉末粒子を加熱ローラ表面に供給し、前記加熱ローラを介して前記粉末粒子を前記記録媒体に付与する付与工程、
    を備えたインクジェット画像形成方法。
  2. 前記付与工程が、前記粉末粒子を含有した前記液体が含浸された布材を加熱ローラに接触させることにより前記粉末粒子を前記加熱ローラに供給し、前記加熱ローラを介して前記粉末粒子を前記記録媒体に付与する工程を備えた請求項1に記載のインクジェット画像形成方法。
  3. 前記付与工程が、前記液体に含有された前記粉末粒子を加熱ローラ表面に供給し、前記加熱ローラを前記記録媒体に押圧する工程、を備えた請求項1又は2に記載のインクジェット画像形成方法。
  4. 前記付与工程が、前記液体に含有された前記粉末粒子を加熱ローラ表面に供給し、前記加熱ローラと加圧ローラとの間に前記記録媒体を通過させる工程、を備えた請求項3に記載のインクジェット画像形成方法。
  5. 前記付与工程が前記粉末粒子を破壊しないように前記粉末粒子を付与する工程である、請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット画像形成方法。
  6. 前記粉末粒子は水不溶性である、請求項1〜のいずれかに記載のインクジェット画像形成方法。
  7. 前記粉末粒子はポリメチル(メタ)アクリレート粒子又はシリカ粒子である、請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット画像形成方法。
  8. 前記記録媒体は坪量が127g/m 以上である、請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェット画像形成方法。
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