JP5676378B2 - D級増幅回路 - Google Patents

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Description

本発明は、D級増幅回路に係り、特に、出力オフセット電圧のキャンセルによる動作特性の向上等を図ったものに関する。
電力効率の高さから携帯音楽プレーヤーなどにおいてはD級増幅回路が多く用いられるが、近年の携帯機器の低消費電力化に伴い、さらなる低消費電流化が所望されている。また、携帯電話などにおいては、使用者がスピーカ部分を耳に接するようにして用いられるため、起動時ポップノイズ対策が必須とされる。
図4には、かかる従来のD級増幅回路と、その周辺回路の構成例が示されており、以下、同図を参照しつつ、この構成例について説明する。
このD級増幅回路402は、音声入力信号をPWM変調するPWM変調器403と、PWM変調信号をD級増幅するD級出力ドライバ404とを主たる構成要素として構成されてなるものである。
かかる構成において、入力された音声信号はPWM変調され、D級出力ドライバ404において、低インピーダンス信号に変換され、低インピーダンスPWM信号によりスピーカ405が鳴動されるようになっている。
このD級増幅回路402においては、PWM変調器403、D級出力ドライバ404は、リチウムイオンバッテリ等を用いたVDD電源401により駆動されるものとなっている。
このような回路において、さらなる音圧が必要なアプリケーションや、高い電圧振幅を必要とする圧電スピーカを駆動する必要がある場合には、出力のさらなる大振幅化が求められる。
出力の大振幅化の方策としては、VDD電源電圧を大きくする方法が考えられるが、VDD電源電圧を大きくすることにより消費電流の増大を招くため、低消費電力で、且つ、出力電圧の大振幅化の双方を両立させることが求められる。
図5には、上述のような目的を達成することができる従来の回路構成例が示されており、以下、同図を参照しつつ、この回路構成例について説明する。
このD級増幅回路502は、PWM変調器503と、レベルシフタ504と、D級出力ドライバ505と、昇圧電源506とを主たる構成要素として構成されたものとなっている。
このD級増幅回路502の電源構成は、リチウムイオンバッテリ等を用いたVDD電源501を有し、その電源電圧がPWM変調器503へ電源供給される一方、VDD電源電圧を昇圧してVDDO電源電圧を出力する昇圧電源506を有し、その昇圧電圧がD級出力ドライバ505に供給されるようになっており、低消費電力で、且つ、出力電圧の大振幅化を可能としている。
一方、PWM変調器503やD級出力ドライバ505は、先の図4に示されたPWM変調器403やD級出力ドライバ404と、基本的に同一構成を有してなるものである。
レベルシフタ504は、VDD電源電圧の振幅を有するPWM信号を、VDDO電源電圧の振幅を有するPWM信号にレベルシフトするよう構成されたものである。
そして、レベルシフタ504において、VDDO電源電圧の振幅にレベルシフトされたPWM信号は、D級出力ドライバ505において低インピーダンス信号に変換され、スピーカ507が鳴動されるようになっている。
図6には、図5に示された構成のD級増幅回路の具体回路構成例が示されており、以下、同図を参照しつつ、この具体回路構成例について説明する。
このD級増幅回路601は、PWM変調器602と、2つのレベルシフタ607,608と、D級出力ドライバブロック603とを主たる構成要素として構成されたものとなっている。
また、このD級増幅回路601においては、PWM変調器602と、2つのレベルシフタ607,608は、図示は省略されているが、VDD電源によるVDD電源電圧の供給を受ける一方、D級出力ドライバブロック603は、同じく図示は省略されている昇圧電源によるVDDO電源電圧の供給を受けるようになっている。
PWM変調器602は、全差動オペアンプA601と、2つのコンパレータA602P,A602Nと、三角波発生回路606とを主たる構成要素として構成されたものとなっている。
また、D級出力ドライバブロック603は、2つのドライバアンプA603P,A603Nを主たる構成要素として構成されたものとなっている。
次に、かかる構成における回路動作について説明する。
外部より互いに逆相の音声信号VINP,VINNが、VINP端子621、VINN端子622にそれぞれ印加されると、音声信号は、全差動オペアンプA601の入力側において、フィードバック抵抗器R602P,R602Nを介してフィードバックされた出力信号と減算され、その減算信号は、コンデンサC601P、C601N、全差動オペアンプA601からなる積分器により積分される。
そして、積分信号は、三角波発生回路606から出力される音声信号の周波数より十分高い周波数を有する三角波とコンパレータA602P、A602Nにおいて比較され、その結果、VDD電源電圧の振幅を有するPWM信号に変調される。
上述のようにして得られたPWM信号は、レベルシフタ607,608において、VDD電源電圧の振幅からVDDO電源電圧の振幅を有するPWM信号にレベルシフトされて、D級出力ドライバブロック603へ入力される。D級出力ドライバブロック603に入力されたPWM信号は、低インピーダンス信号VOUTP、VOUTNに変換されて、ローパスフィルタ604により音声信号周波数のみが通過せしめられ、いわゆるBTL(Bridged Transless)接続によりスピーカ605が鳴動されるようになっている。
図7乃至図9には、上記構成のD級増幅回路の主要各部における概略の信号波形図が示されており、以下、これらの図について説明する。
すなわち、図7(A)には、全差動オペアンプA601の反転入力端子に印加される音声信号VINPの波形図が、図7(B)には、コンパレータA602Pの非反転入力端子における信号V602Pの波形図が、図7(C)には、コンパレータA602Pの出力信号V603Pの波形図が、図7(D)には、レベルシフタ607の出力信号V604Pの波形図が、図7(E)には、ドライバアンプA603Pの出力信号VOUTPの波形図が、図7(F)には、出力信号VOUTPがローパスフィルタ604を通過せしめられた際の信号VSPKPの波形図が、それぞれ示されている。
一方、図8(A)には、全差動オペアンプA601の非反転入力端子に印加される音声信号VINNの波形図が、図8(B)には、コンパレータA602Nの非反転入力端子における信号V602Nの波形図が、図8(C)には、コンパレータA602Nの出力信号V603Nの波形図が、図8(D)には、レベルシフタ608の出力信号V604Nの波形図が、図8(E)には、ドライバアンプA603Nの出力信号VOUTNの波形図が、図8(F)には、出力信号VOUTNがローパスフィルタ604を通過せしめられた際の信号VSPKNの波形図が、それぞれ示されている。
そして、図9には、スピーカ605の鳴動信号、すなわち、互いに逆相の信号VSPKPと信号VSPKNの合成波としての信号VSPKP−VSPKNの波形図が示されている。
ここで、半導体プロセスのばらつきにより、全差動オペアンプA601のオフセット電圧VOFFSTOPと抵抗器R601P、R601N、R602P、R602N、R603P、R603Nの各抵抗値相互の相対ばらつきが存在すると、オフセット電圧VOFFSTDが発生する。なお、図6においては、全差動オペアンプA601のオフセット電圧VOFFSTOPを等価的に直流電源として表示してある。
以下、このオフセット電圧VOFFSTDの発生について説明すれば、まず、全差動オペアンプA601の反転入力端子側のノードV601P、非反転入力端子側のノードV601Nについて、キルヒホッフの電流則を解くと、電圧は、下記する式1、式2により表される。
V601P={(VOUTP/R602P)+(VINP/R601P)}/{(1/R601P)+(1/R602P)+(1/R603P)}・・・式1
V601N={(VOUTN/R602N)+(VINN/R601N)}/{(1/R601N)+(1/R602N)+(1/R603N)}・・・式2
図6に示された回路においては、全差動オペアンプA601へ出力信号が負帰還されているため、全差動オペアンプA601の入力端子におけるバーチャルショートにより、下記する式3が成立する。
VOFFSTOP=V601P−V601N・・・式3
音声信号が無入力の場合、VINP=VINNである。ここで、VINP=VINN=VINと置くと、式1、式2、式3より下記する式4が導出される。
VOFFSTOP={(VOUTP/R602P)+(VIN/R601P)}/{(1/R601P)+(1/R602P)+(1/R603P)}−{(VOUTN/R602N)+(VIN/R601N)}/{(1/R601N)+(1/R602N)+(1/R603N)}・・・式4
しかして、式4を満たすようなVOUTP、VOUTNの差分電圧が出力オフセット電圧VOFFSTDであり、下記する式5で表されるものとなる。
VOFFSTD=VOUTP−VOUTN・・・式5
この出力オフセット電圧VOFFSTDに起因して、図10乃至図12に示されたようにD級増幅回路の起動時において、スピーカ605に電圧信号が発生し、これがポップノイズとして再生されてしまう。
このようなポップノイズを低減するためには、D級増幅回路の起動時に出力オフセット電圧をキャンセルするための期間を設け、全差動オペアンプA601のオフセット電圧及び抵抗器のばらつきの影響を低減する出力オフセット電圧キャンセル回路による出力オフセット電圧のキャンセルを行う必要がある。
なお、図10(A)には、D級増幅回路起動時にポップノイズが生ずる場合のVINP端子621における信号VINPの波形図が、図10(B)には、コンパレータA602Pの非反転入力端子における信号V602Pの波形図が、図10(C)には、コンパレータA602Pの出力信号V603Pの波形図が、図10(D)には、レベルシフタ607の出力信号V604Pの波形図が、図10(E)には、ドライバアンプA603Pの出力信号VOUTPの波形図が、図10(F)には、出力信号VOUTPがローパスフィルタ604を通過せしめられた際の信号VSPKPの波形図が、それぞれ示されている。
一方、図11(A)には、D級増幅回路起動時にポップノイズが生ずる場合のVINN端子622における信号VINNの波形図が、図11(B)には、コンパレータA602Nの非反転入力端子における信号V602Nの波形図が、図11(C)には、コンパレータA602Nの出力信号V603Nの波形図が、図11(D)には、レベルシフタ608の出力信号V604Nの波形図が、図11(E)には、ドライバアンプA603Nの出力信号VOUTNの波形図が、図11(F)には、出力信号VOUTNがローパスフィルタ604を通過せしめられた際の信号VSPKNの波形図が、それぞれ示されている。
そして、図12には、ポップノイズが生ずる場合、スピーカ605に印加される信号VSPKP−VSPKNとしての出力オフセット電圧VOFFSTDの波形が示されている。
上述の出力オフセット電圧キャンセル回路を備えたD級増幅回路の構成例が、図13に示されており、以下、同図を参照しつつ、この回路構成例について説明する。
このD級増幅回路901は、出力オフセット電圧キャンセル回路909と、コントロールロジック回路910を具備したPWM変調回路902と、2つのレベルシフタ607,608と、D級出力ドライバブロック603とに大別されて構成されたものとなっている。
PWM変調器902は、出力オフセット電圧キャンセル回路909と、コントロールロジック回路910を具備した点を除けば、その基本的な回路構成は、図6に示されたPWM変調回路602と同一のものである。
次に、かかる構成における動作を説明する。
まず、回路を起動すると、出力オフセット電圧キャンセル期間へ移行する。
この出力オフセット電圧キャンセル期間においては、D級出力ドライバA603P、A603Nは、ハインピーダンス状態となり、全差動オペアンプA601がオープンループ動作となる。
全差動オペアンプA601において、オフセット電圧VOFFSTOPが生じ、抵抗器R601P、R601N、R603P、R603N間に、抵抗値相対ばらつきが生じた場合、全差動オペアンプA601のオフセット電圧VOFFSTOP及び上述の抵抗値相対ばらつきに起因するオフセット電圧は、全差動オペアンプA601のオープンゲイン倍に増幅され、積分される。
コントロールロジック回路910は、積分信号の極性に応じてスイッチSW902の開閉成を制御する。スイッチSW902により、全差動オペアンプA601の入力のいずれか一方とVCOM1端子921にキャパタC902を接続し、全差動オペアンプA601の他方の入力を抵抗器R906を介してVCOM1端子921に接続する。
キャパシタC902と全差動オペアンプA601の入力が接続された後、スイッチSW901によりキャパシタC902と電流源I901が接続され、キャパシタC902に蓄積された電荷は、電流源I901により放電される(図14(A)参照)。
なお、図14(A)は、キャパシタC902の電圧変化の概略を示す波形図、図14(B)は、積分信号V602Pと積分信号V602Nとの差分の概略変化を示す波形図、図14(C)は、D級出力ドライバブロック603の出力電圧VOUTP、VOUTNの概略変化を示す波形図である。
上述のようにキャパシタC902に蓄積された電荷が電流源I901により放電されることにより、全差動オペアンプA601の入力電圧が変化し、その変化電圧がオフセット電圧と一致した場合、積分信号が反転し(図14(B)参照)、同時に、スイッチSW901が動作して、キャパシタC902と抵抗器R904との接続が切断されると共に、スイッチSW901は開放状態となる。
スイッチSW901が開放状態となることで、キャパシタC902に生じた電圧V905が保持され、しかる後、回路動作は、通常動作期間に移行する(図14(A)、図14(C)参照。
上述の出力オフセット電圧キャンセル期間の回路動作により通常動作期間開始時には、オフセット電圧の影響が軽減されるため、通常動作期間に移行してスピーカ605を駆動開始してもポップノイズの発生が防止される。
上述のように通常動作期間に移行した後、スイッチSW901が切り替えられ、キャパシタC902が抵抗器905を介してVCOM1端子921と接続される。
キャパシタC902、抵抗器R905の時定数の影響でキャパシタC902に充電された電荷が穏やかにバイアス電圧VCOM1に充電される。
しかし、この電圧変動が人間の可聴周波数に比べて十分に長ければ、音声信号の再生品位にはほとんど影響を及ぼすことはない。
なお、上述のようなオペアンプのオフセット電圧のキャンセル方法としては、例えば、特許文献1等に開示されたものがある。
米国特許第7142047号明細書
しかしながら、上述の従来回路にあっては、全差動オペアンプA601が有するオフセット電圧VOFFSTOP、及び、抵抗器R601P、R601N、R603P、R603N間の抵抗値の相対ばらつきに起因するオフセット電圧をキャンセルすることはできるが、全差動オペアンプA601の帰還抵抗器となる抵抗器R602P、R602N間の抵抗値の相対ばらつきに起因するオフセット電圧をキャンセルできないという問題がある。
以下、かかる問題について説明する。
まず、図13において、抵抗器R904を介してキャパシタC902が、全差動オペアンプA601の非反転入力端子に接続されたノードV601と接続されたと仮定する。
このとき、出力オフセット電圧キャンセル期間における積分信号V601P、V601Nについて、キルヒホッフの電流則を解くと、電圧V601P、V601Nは、下記する式6、式7で表される。
V601P=(VINP/R601P)/{(1/R601P)+(1/R603P)}・・・式6
V601N={(V905/R904)+(VINN/R601N)}/{(1/R601N)+(1/R603N)+(1/R904)}・・・式7
また、全差動オペアンプA601の入力端子において、下記する式8が成立した際に、オフセット電圧がキャンセルされる。
VOFFSTOP=V601P−V601N・・・式8
式6、式7、式8より、出力オフセット電圧キャンセル回路909により発生される電圧V905を用いることで、下記する式9が成立する。
VOFFSTOP=(VINP/R601P)/{(1/R601P)+(1/R603P)}−{(V905/R904)+(VINN/R601N)}/{(1/R601N)+(1/R603N)+(1/R604)}・・・式9
この式9より、従来の出力オフセット電圧キャンセル回路909は、全差動オペアンプA601が有するオフセット電圧VOFFSTOP、抵抗器R601P、R601N、R603P、R603Nの抵抗値の相対ばらつきに起因する出力オフセット電圧をキャンセルする回路であることが解る。しかし、先の式4より、抵抗器R602P、R602Nの抵抗値の相対ばらつきに対してオフセット電圧がキャンセルされていないことが解る。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、PWM変調器に用いられる全差動オペアンプが有するオフセット電圧に起因する出力オフセット電圧のキャンセルを可能とする共に、全差動オペアンプの入力端子に接続される信号入力用の抵抗器、及び、出力電圧の全差動オペアンプの入力端子への帰還に用いられる抵抗器の抵抗値の相対ばらつきに起因する出力オフセット電圧のキャンセルを可能としたD級増幅回路を提供するものである。
上記本発明の目的を達成するため、本発明に係るD級増幅回路は、
全差動オペアンプを用いてなる積分回路を有し、前記積分回路の出力を三角波信号と比較し前記積分回路へ入力された音声入力信号をPWM変調可能に構成されてなるPWM変調器と、前記PWM変調器の出力信号を低インピーダンスで出力するD級ドライバとを具備し、前記D級ドライバの出力が、第1及び第2のフィードバック抵抗器を介して前記全差動オペアンプの入力段にフィードバックされるよう構成されると共に、前記PWM変調器は第1の電源電圧により動作し、前記D級ドライバは前記第1の電源電圧を昇圧して得られた第2の電源電圧で動作するよう構成されてなるD級増幅回路であって、
出力オフセット電圧をキャンセルする出力オフセット電圧キャンセル回路と、回路接続を切り替えるスイッチ回路と、前記スイッチ回路の動作を制御するコントロールロジック回路とを具備し、
前記出力オフセット電圧キャンセル回路は、回路起動時から前記全差動オペアンプの出力オフセット電圧の極性に応じて前記出力オフセット電圧を零に漸近せしめるべく電圧を前記全差動オペアンプの入力段に印加可能に構成され、
前記コントロールロジック回路は、回路起動時から前記全差動オペアンプの出力オフセット電圧が零となるまでの出力オフセット電圧キャンセル期間、前記スイッチ回路に、第1のフィードバック用抵抗器を前記全差動オペアンプの反転入力端子と正出力端子との間に、第2のフィードバック用抵抗器を前記全差動オペアンプの非反転入力端子と負出力端子との間に、それぞれ接続せしめる一方、前記出力オフセット電圧キャンセル期間終了後の通常動作期間において、前記第1のフィードバック用抵抗器を前記全差動オペアンプの反転入力端子と前記D級ドライバの出力段との間に、前記第2のフィードバック用抵抗器を前記全差動オペアンプの非反転入力端子と前記D級ドライバの出力段との間に、それぞれ接続せしめるよう構成されてなるものである。
本発明によれば、出力オフセット電圧キャンセル期間において、全差動オペアンプの入力側に全差動オペアンプの出力を零とできるよう電圧を発生させるよう構成することにより、全差動オペアンプが有するオフセット電圧及び抵抗器の相対ばらつきに起因する出力オフセット電圧を確実にキャンセルすることができ、従来に比してより信頼性の高いD級増幅回路を提供することができるという効果を奏するものである。
本発明の実施の形態におけるD級増幅回路の構成例を示す回路図である。 図1に示された回路に用いられる可変電流源の具体回路構成例を示す回路図である。 図1に示されたD級増幅回路の主要部における信号波形を概略的に示した波形図であり、図3(A)は第1の可変電流源の出力電流の変化を概略的に示した波形図、図3(B)は積分信号の波形を概略的に示した波形図、図3(C)は出力電圧の変化を概略的に示した波形図である。 従来のD級増幅回路の一構成例を示す構成図である。 低消費電力で、且つ、出力電圧の大振幅化を図った従来のD級増幅回路の一構成例を示す構成図である。 図5に示されたD級増幅回路の具体回路例を示す回路図である。 図6に示されたD級増幅回路に入力される一方の音声信号VINPに対する主要部における概略の信号波形を示す波形図で、図7(A)は全差動オペアンプA601の反転入力端子に印加される音声信号VINPの波形図、図7(B)はコンパレータA602Pの非反転入力端子における信号V602Pの波形図、図7(C)はコンパレータA602Pの出力信号V603Pの波形図、図7(D)はレベルシフタ607の出力信号V604Pの波形図、図7(E)はドライバアンプA603Pの出力信号VOUTPの波形図、図7(F)は出力信号VOUTPがローパスフィルタ604を通過せしめられた際の信号VSPKPの波形図である。 図6に示されたD級増幅回路に入力される他方の音声信号VINNに対する主要部における概略の信号波形を示す波形図で、図8(A)は全差動オペアンプA601の非反転入力端子に印加される音声信号VINNの波形図、図8(B)はコンパレータA602Nの非反転入力端子における信号V602Nの波形図、図8(C)はコンパレータA602Nの出力信号V603Nの波形図、図8(D)はレベルシフタ608の出力信号V604Nの波形図、図8(E)はドライバアンプA603Nの出力信号VOUTNの波形図、図8(F)は出力信号VOUTNがローパスフィルタ604を通過せしめられた際の信号VSPKNの波形図である。 図6に示されたD級増幅回路のスピーカ605に入力される信号VSPKP−VSPKNの波形図である。 図6に示されたD級増幅回路の起動時に一方の音声信号VINPに対する主要部における概略の信号波形を示す波形図で、図10(A)はD級増幅回路起動時にポップノイズが生ずる場合のVINP端子における信号VINPの波形図、図10(B)はコンパレータA602Pの非反転入力端子における信号V602Pの波形図、図10(C)はコンパレータA602Pの出力信号V603Pの波形図、図10(D)はレベルシフタ607の出力信号V604Pの波形図、図10(E)はドライバアンプA603Pの出力信号VOUTPの波形図、図10(F)は出力信号VOUTPがローパスフィルタ604を通過せしめられた際の信号VSPKPの波形図である。 図6に示されたD級増幅回路の起動時に他方の音声信号VINNに対する主要部における概略の信号波形を示す波形図で、図11(A)はD級増幅回路起動時にポップノイズが生ずる場合のVINN端子における信号VINNの波形図、図11(B)はコンパレータA602Nの非反転入力端子における信号V602Nの波形図、図11(C)はコンパレータA602Nの出力信号V603Nの波形図、図11(D)はレベルシフタ608の出力信号V604Nの波形図、図11(E)はドライバアンプA603Nの出力信号VOUTNの波形図、図11(F)は出力信号VOUTNがローパスフィルタ604を通過せしめられた際の信号VSPKNの波形図である。 図6に示されたD級増幅回路においてポップノイズが生ずる場合にスピーカ605に印加される信号VSPKP−VSPKNの波形図である。 出力オフセット電圧キャンセル回路を有する従来のD級増幅回路の構成例を示す構成図である。 図13に示されたD級増幅回路の主要部における概略の波形図で、図14(A)はキャパシタC902の電圧変化の概略を示す波形図、図14(B)は積分信号V602Pと積分信号V602Nとの差分の概略変化を示す波形図、図14(C)はD級出力ドライバブロック603の出力電圧VOUTP、VOUTNの概略変化を示す波形図である。
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図3を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態におけるD級増幅回路の回路構成について、図1を参照しつつ説明する。
本発明の実施の形態におけるD級増幅回路101は、PWM変調器102と、D級出力ドライバブロック103と、第1及び第2のレベルシフタ(図1においては、それぞれ「SFT1」、「SFT2」と表記)107,108と、スイッチ回路115と、コントロールロジック回路(図1においては「CONT」と表記)113とに大別されて構成されたものとなっている。
本発明の実施の形態においては、従来回路(図5参照)と同様、電源は2系統による供給となっている。すなわち、図示されないリチウムイオンバッテリ等によるVDD電源からのVDD電源電圧の供給と、VDD電源電圧を昇圧回路(図示せず)により昇圧して得られるVDDO電源電圧の供給の2系統となっており、PWM変調器102は、VDD電源電圧を、D級出力ドライバブロック103は、VDDO電源電圧を、それぞれ供給されて動作するものとなっている。
PWM変調器102は、全差動オペアンプ(図1においては「A101」と表記」)1を中心に構成された積分回路と、2つのコンパレータ(図1においては、それぞれ「A102P」、「A102N」と表記)2,3と、三角波発生器106と、出力オフセット電圧キャンセル回路109とに大別されて構成されたものとなっており、出力オフセット電圧キャンセル回路109を除いた部分は、基本的に従来同様の回路構成によるPWM変調器が構成されたものとなっている。
また、スイッチ回路115は、後述する第1及び第2のスイッチ41,42、第1及び第2のフィードバック用スイッチ43,44、並びに、第1及び第2のバイアススイッチ45,46により構成されたものとなっている。なお、第1及び第2の可変電流源11,12が、後述するように図2の構成を有する場合には、その構成で用いられる可変電流源用第1乃至第5のスイッチ71〜75もスイッチ回路115を構成するものとなる。
まず、全差動オペアンプ1には、第1及び第2のバイアススイッチ(図1においては、それぞれ「SW105」、「SW106」と表記)45,46の切替により第1のバイアス電圧VCOM1と第2のバイアス電圧VCOM2が、択一的に印加されるようになっている。
すなわち、全差動オペアンプ1のバイアス入力段には、第1のバイアス電圧印加端子61が第1のバイアススイッチ45を介して接続されると共に、第2のバイアス電圧印加端子62が第2のバイアススイッチ46を介して接続されたものとなっている。
第1のバイアス電圧印加端子61には、第1のバイアス電圧VCOM1が、第2のバイアス電圧印加端子62には、第2のバイアス電圧VCOM2が、それぞれ印加されるようになっている。
ここで、第1のバイアス電圧VCOM1は、図示されないVDD電源の電源電圧を基に生成されるバイアス電圧である。
また、第2のバイアス電圧VCOM2は、図示されないVDDO電源の電源電圧を基に生成されるバイアス電圧であり、第1のバイアス電圧VCOM1<第2のバイアス電圧VCOM2に設定されたものとなっている。
また、全差動オペアンプ1の反転入力端子には、入力抵抗器(図1においては「R101P」と表記)21を介して第1の音声信号VINP入力端子63が接続される一方、全差動オペアンプ1の非反転入力端子には、入力抵抗器(図1においては「R101N」と表記)22を介して第2の音声信号VINN入力端子64が接続されている。なお、図1においては、全差動オペアンプ1の反転入力端子側に現れるオフセット電圧VOFFSTOPを等価的に直流電源とし、入力抵抗器21と反転入力端子との間において、負極が全差動オペアンプ1の反転入力端子側に位置するように直列に設けられたものとして表されている。
これら第1の音声信号VINP入力端子63と第2の音声信号VINN入力端子64には、互いに逆相の音声信号が外部から印加されるものとなっている。
さらに、全差動オペアンプ1の正出力端子(図1においては「+」と表記)と反転入力端子との間には、第1の積分用キャパシタ(図1においては「C101P」と表記)31が、全差動オペアンプ1の負出力端子(図1においては「−」と表記)と非反転入力端子との間には、第2の積分用キャパシタ(図1においては「C101N」と表記)32が、それぞれ接続されて、積分回路が構成されたものとなっている。
そして、全差動オペアンプ1の正出力端子は、第1のコンパレータ2の非反転入力端子、後述する出力オフセット電圧キャンセル回路109のコンパレータ(図1においては「A104」と表記)4の反転入力端子、及び、後述する第1のスイッチ(図1においては「SW101」と表記)41の一端に、それぞれ接続されている。
一方、全差動オペアンプ1の負出力端子は、第2のコンパレータ3の非反転入力端子、後述する出力オフセット電圧キャンセル回路109のコンパレータ4の非反転入力端子、及び、後述する第2のスイッチ(図1においては「SW102」と表記)42の一端に、それぞれ接続されている。
第1のコンパレータ2の反転入力端子と第2のコンパレータ3の反転入力端子には、共に三角波発生器106の出力信号が印加されるようになっている。
そして、第1のコンパレータ2の出力端子は、第1のレベルシフタ107の入力段に、第2のコンパレータ3の出力端子は、第2のレベルシフタ108の入力段に、それぞれ接続されている。
ここで、第1及び第2のレベルシフタ107,108は、基本的に従来同様の構成を有してなるもので、VDD電源電圧の振幅を有するコンパレータ107,108の出力信号であるPWM信号を、VDDO電源電圧の振幅を有するPWM信号にレベルシフトするよう構成されてなるものである。
第1のレベルシフタ107の出力段は、第1のD級ドライバ(図1においては「A103P」と表記)5の入力段に、第2のD級ドライバ(図1においては「A103N」と表記)6の入力段に、それぞれ接続されており、第1及び第2のD級ドライバ5,6の出力段は、D級増幅回路101の外部に設けられたフィルタ104を介して、スピーカ105に接続されるようになっている。
すなわち、フィルタ104は、2つのローパスフィルタ(図1においては「LPF」と表記)104a,104bを有してなり、第1のD級ドライバ5の出力段は、一方のローパスフィルタ104aを介してスピーカ105の一端に、また、第2のD級ドライバ6の出力段は、他方のローパスフィルタ104bを介してスピーカ105の他端に、それぞれ接続されたものとなっている。
また、第1のD級ドライバ5の出力段は、第1のフィードバック用スイッチ(図1においては「SW103」と表記)43を介して第1のフィードバック用抵抗器(図1においては「R102P」と表記)23の一端に接続され、この第1のフィードバック用抵抗器23の他端は、先の入力抵抗器21と第1の積分用キャパシタ31の相互の接続点に接続されると共に、抵抗器(図1においては「R103P」と表記)25を介してグランドに接続されるようになっている。
さらに、第1のフィードバック用抵抗器23と第1のフィードバック用スイッチ43の接続点には、第1のスイッチ41の他端が接続されている。
一方、第2のD級ドライバ6の出力段は、第2のフィードバック用スイッチ(図1においては「SW104」と表記)44を介して第2のフィードバック用抵抗器(図1においては「R102N」と表記)24の一端に接続され、この第2のフィードバック用抵抗器24の他端は、先の入力抵抗器22と第2の積分用キャパシタ32の相互の接続点に接続されると共に、抵抗器(図1においては「R103N」と表記)26を介してグランドに接続されるようになっている。
さらに、第2のフィードバック用抵抗器24と第2のフィードバック用スイッチ44の接続点には、第2のスイッチ42の他端が接続されている。
なお、第1及び第2のスイッチ41,42、第1及び第2のフィードバック用スイッチ43,44、並びに、第1及び第2のバイアススイッチ45,46は、例えば、CMOSトランジスタを用いてなり、後述するコントロールロジック回路113により、その開閉成が制御されるようになっているものである。
次に、出力オフセット電圧キャンセル回路109は、コンパレータ4と、デコーダ110と、ラッチ111と、セレクタ112と、第1及び第2の可変電流源11,12とに大別されて構成されたものとなっている。
コンパレータ4は、先の全差動オペアンプ1の2つの出力信号V102P,V102Nの大小比較を行うもので、比較結果に応じた極性の信号が出力されるようになっている。すなわち、コンパレータ4の非反転入力端子側に印加されるオペアンプ出力信号V102Nが反転入力端子側に印加されるオペアンプ出力信号V102Pより大きい場合には、論理値Highに相当する正極性の所定電圧信号が出力される一方、反転入力端子側に印加されるオペアンプ出力信号V102Pが非反転入力端子側に印加されるオペアンプ出力信号V102Nよりも大きい場合には、論理値Lowに相当する正極性の所定電圧信号が出力されるようになっている。
かかるコンパレータ4の出力端子は、デコーダ110の入力段に接続されており、デコーダ110においては、コンパレータ4の出力信号の極性がデコードされるようになっている。
ラッチ111は、デコーダ110のデコード結果をラッチし、セレクタ112には、ラッチ111のラッチ結果に応じて、第1の可変電流源11又は第2の可変電流源12のいずれかを選択し、動作状態とするようになっている。
第1の可変電流源11と第2の可変電流源12は、共に同一の構成を有してなるもので、後述するような電流出力が可能とされており、それによって全差動オペアンプ1の入力電圧を可変可能としているものである。
コントロールロジック回路113は、第1及び第2のスイッチ41,42、第1及び第2のフィードバック用スイッチ43,44、並びに、第1及び第2のバイアススイッチ45,46の開閉成を制御する制御信号を生成、出力するものである。本発明の実施の形態におけるD級増幅回路101の動作は、後述するように出力オフセット電圧キャンセル期間と通常動作期間の2つに区分されるが、コントロールロジック回路113は、この2つの動作期間を制御すべく、上述の各スイッチ41〜46に必要な制御信号を生成、出力するよう、いわゆる論理回路により構成されてなるものである。
次に、かかる構成における動作について説明する。
始めに出力オフセット電圧キャンセル期間における動作について説明する。
図示されない電源電圧が印加され、D級増幅回路101が起動されると、コントロールロジック回路113により、第1及び第2のスイッチ41,42、並びに、第2のバイアススイッチ46が閉成状態とされる一方、第1及び第2のフィードバック用スイッチ43,44、並びに、第1のバイアススイッチ45が開成状態とされる。
その結果、第1及び第2のフィードバック用抵抗器23,24が、全差動オペアンプ1の入出力間にそれぞれ接続されると共に、全差動オペアンプ1には第2のバイアス電圧VCOM2が印加され、その結果、全差動オペアンプ1は、コモンモードフィードバックによる動作状態となる。
かかる状態において、全差動オペアンプ1の反転入力端子における電圧V101P、非反転入力端子における電圧V101Nについてキルヒホッフ電流則を解くと、下記する式10、式11が成立する。
V101P={(V102P/R102P)+(VINP/R101P)}/{(1/R101P)+(1/R102P)+(1/R103P)}・・・式10
V101N={(V102N/R102N)+(VINP/R101N)}/{(1/R101N)+(1/R102N)+(1/R103N)}・・・式11
ここで、V102Pは全差動オペアンプ1の正極出力信号、VINPは第1の音声信号VINP入力端子63に印加される音声信号である。
また、R102Pは第1のフィードバック用抵抗器23の抵抗値、R101Pは入力抵抗器21の抵抗値、R103Pは抵抗器25の抵抗値である。
また、V102Nは全差動オペアンプ1の負極出力信号、VINNは第2の音声信号VINN入力端子64に印加される音声信号である。
さらに、R102Nは第2のフィードバック用抵抗器24の抵抗値、R101Nは入力抵抗器22の抵抗値、R103Nは抵抗器26の抵抗値である。
この状態においては、負帰還がかかっているため、全差動オペアンプ1の入力端子におけるいわゆるバーチャルショートにより下記する式12が成立する。
VOFFSTOP=V101P−V101N・・・式12
ここで、VOFFSTOPは全差動オペアンプ1の入力段に現れるオフセット電圧である(図1参照)。
そして、音声信号無入力の場合、VINP=VINNであり、VINP=VINN=VINとおくと、式10乃至式12により下記する式13が導出される。
VOFFSTOP={(V102P/R102P)+(VIN/R101P)}/{(1/R101P)+(1/R102P)+(1/R103P)}−{(V102N/R102N)+(VIN/R101N)}/{(1/R101N)+(1/R102N)+(1/R103N)}・・・式13
しかして、式13が成立するような出力オフセット電圧が全差動オペアンプ1の正出力端子と負出力端子間に出力される。そして、出力オフセット電圧が生じると、コンパレータ4により比較され、出力オフセット電圧の極性に応じた信号が出力されることとなる。
このコンパレータ4により出力された信号の極性がデコーダ110により解読読(デコード)され、その解読結果に応じた論理信号が出力され、ラッチ111において、その論理値が取り込まれる。そして、ラッチ111に取り込まれた論理値に応じて、セレクタ112により可変電流源11,12のいずれか一方が選択され動作状態となる。
可変電流源11,12のいずれかが動作状態となると、抵抗器25、又は、抵抗器26において電圧変換され、全差動オペアンプ1の入力電圧が変化する。
全差動オペアンプ1の入力電圧変化により、全差動オペアンプ1の正出力端子と負出力端子間の電圧は零に漸近してゆく。そして、全差動オペアンプ1の正出力端子と負出力端子間の電圧が零となったとき、コンパレータ4の出力が反転する。
この際、全差動オペアンプ1の正出力端子における出力電圧V102Pと負出力端子における出力電圧V102Nは、コモンモード電圧となり、V102P=V102N=VC0M2となる。
例えば、可変電流源11が動作して上述のように出力オフセット電圧がキャンセルされたとすると、下記する式14が成立する。
VOFFSTOP={(VCOM2/R102P)+(VIN/R101P)I101P}/{(1/R101P)+(1/R102P)+(1/R103P)}−{(VCOM2/R102N)+(VIN/R101N)}/{(1/R101N)+(1/R102N)+(1/R103N)}・・・式14
同様に、可変電流源12が動作して上述のように出力オフセット電圧がキャンセルされたとすると、下記する式15が成立する。
VOFFSTOP={(VCOM2/R102P)+(VIN/R101P)I101P}/{(1/R101P)+(1/R102P)+(1/R103P)}−{(VCOM2/R102N)+(VIN/R101N)+I101N}/{(1/R101N)+(1/R102N)+(1/R103N)}・・・式15
なお、ここで、I101Pは可変電流源11の出力電流、I101Nは可変電流源12の出力電流である。
そして、上述のコンパレータ4の出力の反転時に、ラッチ111により可変電流源11、又は、可変電流源12の電流の極性が保持されることで出力オフセット電圧キャンセル期間が終了する(図3参照)。
図3には、出力オフセット電圧キャンセル期間、及び、通常動作期間における主要部の波形図が示されており、図3(A)には可変電流源11、又は、可変電流源12の出力電流の変化を示した波形図、図3(B)には全差動オペアンプ1の正出力端子における出力電圧V102Pと負出力端子における出力電圧V102Nとの差分の変化を示した波形図、図3(C)にはD級出力ドライバブロック103の出力電圧VOUTP、VOUTNの変化を示した波形図が、それぞれ示されている。
同図において、時刻t1までが出力オフセット電圧キャンセル期間である。
次に、通常動作期間に移行すると、コントロールロジック回路113により、第1及び第2のスイッチ41,42、並びに、第2のバイアススイッチ46が開成状態とされる一方、第1及び第2のフィードバック用スイッチ43,44、並びに、第1のバイアススイッチ45が閉成状態とされる。
その結果、第1のフィードバック用抵抗器23は、全差動オペアンプ1の反転入力端子と第1のD級ドライバ5の出力段の間に、また、第2のフィードバック用抵抗器24は、全差動オペアンプ1の非反転入力端子と第2のD級ドライバ6の出力段の間に、それぞれ接続されると共に、全差動オペアンプ1には第1のバイアス電圧VCOM1が印加されて動作状態となる。
そして、音声信号が無入力状態にある場合には、D級出力ドライバブロック103により第2のバイアス電圧VCOM2の平均値を有するPWM信号が出力されるため、出力オフセット電圧キャンセル期間と通常動作期間の間でバイアス電圧が一致し、そのため、抵抗器の相対ばらつきに起因するオフセットの発生が防止されることとなる(図3参照)。
図2には、可変電流源11,12の具体回路構成例が示されており、以下、同図を参照しつつ、その内容について説明する。
図2に示された回路構成例は、可変電流源11,12が統合された形態のもので、第1及び第2の定電流源55,56と、可変電流源用第1乃至第4のMOSトランジスタ(図2においては、それぞれ「M210」、「M202」、「M203」、「M204」と表記)51〜54と、コンデンサ(図2においてはC201と表記)57と、可変電流源用第1乃至第5のスイッチ(図2においては、それぞれ「SW201」、「SW202」、「SW203」、「SW204」、「SW205」と表記)71〜75とを主たる構成要素として構成されたものとなっている。
以下、具体的な回路接続について説明すれば、まず、VDD電源電圧を供給する図示されないVDD電源とグランドとの間に、VDD電源側から第1の定電流源55と可変電流源用第1のスイッチ71と、コンデンサ57が直接接続されて設けられている。
本発明の実施の形態においては、可変電流源用第1乃至第5のスイッチ71〜75は、例えば、CMOSトランジスタを用いてなり、コントロールロジック回路113により、その開閉成が制御されるようになっているものである。
そして、コンデンサ57と並列に可変電流源用第2のスイッチ72が接続されると共に、可変電流源用第5のスイッチ75と第2の定電流源56が直列接続されて、先の可変電流源用第1のスイッチ71とコンデンサ57との接続点とグランドとの間には、可変電流源用第1のスイッチ71とコンデンサ57との接続点側から可変電流源用第5のスイッチ75と第2の定電流源56が順に直列接続されて設けられている。
さらに、可変電流源用第1のスイッチ71とコンデンサ57との接続点は、可変電流源用第1のP型MOSトランジスタ51のゲートに接続されている。
そして、可変電流源用第1のP型MOSトランジスタ51のソースは、ソース抵抗器(図2においては「R210」と表記)58を介してグランドに接続される一方、ドレインは、可変電流源用第2のN型MOSトランジスタ52のドレインに接続されている。
可変電流源用第2乃至第4のN型MOSトランジスタ52〜54は、カレントミラー回路を構成しており、後述するように第1の可変電流源11の出力電流I101P、第2の可変電流源12の出力電流I101Nを出力するようになっている。
すなわち、可変電流源用第2乃至第4のN型MOSトランジスタ52〜54のゲートが相互に接続されると共に、可変電流源用第2のN型MOSトランジスタ52のドレインと接続されたものとなっている。
また、可変電流源用第2乃至第4のN型MOSトランジスタ52〜54のソースには、図示されないVDD電源からのVDD電源電圧が印加可能となっている。
そして、可変電流源用第3のN型MOSトランジスタ53のドレインからは、可変電流源用第3のスイッチ73を介して電流I101Pが、可変電流源用第4のN型MOSトランジスタ54のドレインからは、可変電流源用第4のスイッチ74を介して電流I101Nが、それぞれ出力可能に構成されたものとなっている。
次に、かかる構成における動作について説明する。
まず、可変電流源11,12の回路初期状態、すなわち、非動作状態においては、可変電流源用第1及び第5のスイッチ71,75が開成状態、可変電流源用第2のスイッチ72が閉成状態とされるようになっており、コンデンサ57は電荷が蓄積されていない状態とされている。
次いで、出力オフセット電圧キャンセル期間が開始されると、コントロールロジック回路113により、可変電流源用第1のスイッチ71が閉成状態とされる一方、可変電流源用第2のスイッチ72が開成状態とされ、コンデンサ57は、第1の定電流源55による充電が開始されることとなる。
コンデンサ57の充電開始から時間t経過後における可変電流源用第1のP型MOSトランジスタ51のゲート電圧V201は、下記する式16に表される。
V201=(IREF/C210)×t・・・式16
ここで、IREFは、第1の定電流源55の出力電流値、C210は、コンデンサ57の容量値とする。
そして、電圧V201が可変電流源用第1のP型MOSトランジスタ51の閾値電圧に達し、可変電流源用第1のP型MOSトランジスタ51が電流を流し始めた際の出力電流I101P、I101Nは、下記する式17で表される。
I101P=I101N=[{(IREF/C210)×t}−VGS1]×M/R210・・・式17
ここで、VGS1は可変電流源用第1のP型MOSトランジスタ51のゲート・ソース間電圧、R210はソース抵抗器58の抵抗値である。
また、Mは、可変電流源用第2乃至第4のN型MOSトランジスタ52〜54のトランジスタサイズ比であり、M203/M202=M204/M202=Mである。なお、説明の便宜上、M202を可変電流源用第2のN型MOSトランジスタ52のトランジスタサイズ、M203を可変電流源用第3のN型MOSトランジスタ53のトランジスタサイズ、M204を可変電流源用第4のN型MOSトランジスタ54のトランジスタサイズとする。
以上述べたように、本発明の実施の形態におけるD級増幅回路101は、PWM変調器102とD級出力ドライバブロック103の電源電圧が異なるものであっても、全差動オペアンプ1、及び、抵抗器の相対ばらつきに起因する出力オフセット電圧を確実に打ち消すことが可能に構成されたものとなっている。
PWM変調器とD級出力ドライバブロックの電源電圧が異なるD級増幅回路における出力オフセット電圧の低減、キャンセルが所望されるD級増幅回路に適用できる。
1…全差動オペアンプ
102…PWM変調器
103…D級出力ドライバブロック
109…出力オフセット電圧キャンセル回路
113…コントロールロジック回路
115…スイッチ回路

Claims (3)

  1. 全差動オペアンプを用いてなる積分回路を有し、前記積分回路の出力を三角波信号と比較し前記積分回路へ入力された音声入力信号をPWM変調可能に構成されてなるPWM変調器と、前記PWM変調器の出力信号を低インピーダンスで出力するD級ドライバとを具備し、前記D級ドライバの出力が、第1及び第2のフィードバック抵抗器を介して前記全差動オペアンプの入力段にフィードバックされるよう構成されると共に、前記PWM変調器は第1の電源電圧により動作し、前記D級ドライバは前記第1の電源電圧を昇圧して得られた第2の電源電圧で動作するよう構成されてなるD級増幅回路であって、
    出力オフセット電圧をキャンセルする出力オフセット電圧キャンセル回路と、回路接続を切り替えるスイッチ回路と、前記スイッチ回路の動作を制御するコントロールロジック回路とを具備し、
    前記出力オフセット電圧キャンセル回路は、回路起動時から前記全差動オペアンプの出力オフセット電圧の極性に応じて前記出力オフセット電圧を零に漸近せしめるべく電圧を前記全差動オペアンプの入力段に印加可能に構成され、
    前記コントロールロジック回路は、回路起動時から前記全差動オペアンプの出力オフセット電圧が零となるまでの出力オフセット電圧キャンセル期間、前記スイッチ回路に、第1のフィードバック用抵抗器を前記全差動オペアンプの反転入力端子と正出力端子との間に、第2のフィードバック用抵抗器を前記全差動オペアンプの非反転入力端子と負出力端子との間に、それぞれ接続せしめる一方、前記出力オフセット電圧キャンセル期間終了後の通常動作期間において、前記第1のフィードバック用抵抗器を前記全差動オペアンプの反転入力端子と前記D級ドライバの出力段との間に、前記第2のフィードバック用抵抗器を前記全差動オペアンプの非反転入力端子と前記D級ドライバの出力段との間に、それぞれ接続せしめるよう構成されてなることを特徴とするD級増幅回路。
  2. 出力オフセット電圧キャンセル回路は、全差動オペアンプの出力オフセット電圧の極性を判定する比較器と、前記比較器の出力をデコードして前記出力オフセット電圧に応じた論理信号を生成するデコーダと、前記デコーダの論理信号をラッチするラッチ回路と、第1の可変電流源と、第2の可変電流源とを有し、前記第1の可変電流源は、一端がグランドに他端が全差動オペアンプの反転入力端子に接続された抵抗器の前記全差動オペアンプの反転入力端子との接続点に接続され、前記第2の可変電流源は、一端がグランドに他端が全差動オペアンプの非反転入力端子に接続された抵抗器の前記全差動オペアンプの非反転入力端子との接続点に接続され、
    前記第1及び第2の可変電流源は、前記ラッチ回路にラッチされた論理信号に応じて、いずれか一方が動作せしめられ、
    前記前記第1及び第2の可変電流源は、動作開始と共に出力電流が漸増する一方、出力オフセット電圧キャンセル期間終了時から漸減するよう構成されてなることを特徴とする請求項1記載のD級増幅回路。
  3. 全差動オペアンプには、スイッチ回路により、出力オフセット電圧キャンセル期間には、第2の電源電圧を基に生成された第2のバイアス電圧がコモンモードフィードバック電圧として印加せしめられる一方、出力オフセット電圧キャンセル期間終了後の通常動作期間には、第1の電源電圧を基に生成された第1のバイアス電圧がコモンモードフィードバック電圧として印加せしめられ、
    PWM変調器は、前記通常動作期間において、音声信号無入力時の出力信号の平均値が前記第2のバイアス電圧に等しくなるよう構成されてなることを特徴とする請求項2記載のD級増幅回路。
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