JP5676329B2 - 電気めっき装置 - Google Patents

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本発明は、鋼帯などの金属帯の表面に電気めっき処理を施す際に適用される電気めっき装置に関するものである。
鋼板等の表面処理は、防錆や防食、装飾といった多様な目的でおこなわれるものであり、表面処理によって鋼板の品質を向上させ、その用途の多様化や広範化を図ることができる。
鋼板等の表面処理法は多岐に亘るが、その一つの処理法として、電解槽を用いた連続表面処理法があり、この方法によって製造された電気めっき鋼板などがたとえば車両の車体部材等に適用されている。なお、めっきで使用される金属も多岐に亘るが、Zn,Ni、Sn,Cr、Cuなどを単独で、もしくは、Zn−Fe合金、Zn−Ni合金、Zn−Ni−Co合金などの合金からなるめっき材料が鋼板等の表面に電気めっき処理される。
この連続電気めっきの際に適用される電解槽の型式には、横型電解槽や竪型電解槽、湾曲型電解槽がある。たとえば、横型電解槽では、めっき液が水平方向に噴流する電解槽内に配設された不溶性の電極間を被めっき対象の金属帯が通板されるようになっていて、金属帯を陰極とし、陽極である電極間に金属帯を通板させる過程で金属帯の表面に電気めっきを施すものである。
たとえば、上記する横型電解槽においては、電解槽内でのめっき液の噴流形態が複数存在しており、電極間を通板する金属帯の通板方向と反対側の方向でめっき液を噴流させる水平タイプ片側流入式の電解槽や、電極中央から通板方向とこれと反対側の方向の2方向にめっき液を噴流させる水平タイプ中央流入式の電解槽などがある。なお、竪型電解槽においても、垂直タイプ片側流入式等の電解槽が存在する。
ところで、連続電気めっき用の電解槽において一般に適用されている電極は、金属帯と一定の間隔が保持される平面状をなしている。
上記する平面状の電極間では一定電流密度でめっき液が電解されるが、たとえば金属帯の通板速度が比較的遅い場合に、析出するめっき金属の結晶が節状や樹枝状の結晶となり易く、このように節状や樹枝状の金属結晶が金属帯の表面にめっき処理されると、後工程で金属帯を曲げ加工等した際に、節状や樹枝状の金属結晶の界面に沿ってクラックが生じ易く、めっき品質の低下を招くといった課題が本発明者等によって特定されている。
ここで、従来の公開技術に目を転じるに、特許文献1には、電極の寿命を大幅に延長することを目的として、表面に凹凸部を有する電極と、この電極を用いた金属帯の連続電気めっき方法が開示されている。
より具体的には、電極基体である金属基体の放電側の表面に機械加工などによって溝を設けて凹凸状とし、電極表面の実表面積を増加させた後に皮膜をコーテイングしたものである。金属基体である平板に皮膜を被覆した従来構造の電極と異なり、電極使用時の電極単位表面積当たりの電流負荷を減少させることができ、皮膜の消耗速度を小さくすることによって同一電極を長時間使用可能にする、というものである。
特許文献1には上記する本発明者等によって特定されている課題の開示は一切ないものの、本発明者等によれば、電極表面を特許文献1で開示されるように凹凸状にすることで対向する電極間の距離を交互に変化させることができ(対向する凸部間で電極間距離が短くなり、対向する凹部間で電極間距離が長くなる)、たとえば設備費が高価なものとなるパルス電流を通電することなく、直流電流を通電して一つの電極間で電解電流密度を変化させることができる。
このように一つの電極間で電解電流密度を変化させることにより、対向する凸部間には相対的に高電流密度域を形成してここで緻密な金属結晶を析出させ、対向する凹部間には相対的に低電流密度域を形成して金属結晶を析出・成長させ、これらが交互に繰り返されることで、節状や樹枝状の金属結晶が生じ難いことを本発明者等は見出している。
しかしながら、単に電極表面に凹凸部を設けただけでは金属帯とめっき層(めっき被膜)の間の密着性が不十分であることもまた、本発明者等によって特定されている。
特開平9−235698号公報
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、金属帯の表面に電気めっきをおこなう装置に関し、節状や樹枝状のめっき金属結晶が金属帯の表面に生じ難く、しかも、めっき層と金属帯を高い密着性のもとで電気めっき処理することのできる電気めっき装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明による電気めっき装置は、電解槽と、電解槽内で金属帯を通板させる送り機構と、電解槽内で金属帯の通板方向もしくはこれと逆の方向にめっき液を流す流通機構と、金属帯を挟む位置に配設された一対の電極と、から構成された電気めっき装置であって、前記一対の電極はともに、対応する位置でかつ通板方向に凸部と凹部を交互に備え、双方の電極の凸部間で電極間距離が短くなり、双方の凹部間で電極間距離が長くなっており、前記電極の金属帯が該電極に入ってくる入側の端部において、複数の凹部の中でも通板方向長さの最も長い凹部が配されているものである。
本発明の電気めっき装置は、めっき液が収容された電解槽内で陽極をなす一対の電極の間に陰極をなす鋼板等の金属帯を通板させて、金属帯の表面に電気めっきをほどこす装置である。この装置は横型電解槽や竪型電解槽、湾曲型電解槽のいずれであってもよく、たとえば横型電解槽の場合には、電極間を通板する金属帯の通板方向と反対側の方向でめっき液を噴流させる水平タイプ片側流入式の電解槽や、電極中央から通板方向とこれと反対側の方向の2方向にめっき液を噴流させる水平タイプ中央流入式の電解槽などのいずれであってもよい。
また、電気めっき処理されるめっき金属も何等限定されるものでなく、たとえば、ZnやNi、Sn,Cr、Cuなどの単一の純金属のほか、Zn−Fe合金やZn−Ni合金、Zn−Ni−Co合金などの合金などであってもよい。
電気めっき装置を構成する一対の電極は、凹部と凸部を交互に備えて、対応する凹部間で電極間距離が長く、対応する凸部間で電極間距離が短いものであり、さらに、電極の金属帯が該電極に入ってくる入側の端部において、複数の凹部の中でも通板方向長さの最も長い凹部が配されているものである。
電極が凹凸部を交互に備えていることで、パルス電流を通電することなく、一つの電極間で電解電流密度を変化させることができ、このことによって、電極間距離の短い対向する凸部間には相対的に高電流密度域を形成してここで緻密な金属結晶を析出させ、電極間距離の長い対向する凹部間には相対的に低電流密度域を形成してゆっくりと金属結晶を析出・成長させ、これらが交互に繰り返されることで、節状や樹枝状のめっき金属結晶を抑制することができる。
さらに、電極の金属帯が該電極に入ってくる入側の端部に凹部を設け、この凹部の通板方向長さを他の凹部に比して最も長くしたことにより、金属帯の表面におけるめっき初期の電流密度を低くすることができ、このことによってめっき金属の析出速度を抑制することができる。たとえば、この入側端部の凹部の長さを、他の凹部の長さの2倍程度に調整することができる。ここで、流通機構によって噴流されためっき液が電極間の凹凸による攪拌効果によって渦流を生じさせるが、めっき初期のめっき金属の析出速度が抑制されるとともに金属帯表面におけるめっき液が十分に攪拌され、この攪拌されためっき液を金属帯に接触させることによって、金属帯とめっき金属が析出してなるめっき層の間の密着性を高めることができる。
めっき初期の金属帯とめっき層の間の密着性が保証されれば、金属帯が電極間を通板される過程での金属析出によって所望厚のめっき層が形成されることになるが、同一種のめっき金属同士の密着性が良好であることは言うまでもないことである。
ここで、電極表面の凹凸形態には以下のようなものがある。
その一つは、前記通板方向長さの最も長い凹部以外の凹部と凸部の通板方向長さがすべて一定となっている形態である。
また、他の一つは、電極の前記入側の端部から出側の端部に向かって、凹部と凸部双方の通板方向長さが漸次短くなっている形態である。
さらに他の一つは、電極の前記入側の端部から出側の端部に向かって、凹部の通板方向長さのみが漸次短くなっている形態である。
また、電極間における金属帯の通板位置と凹部の間の長さをLとした際に、凹部に対する凸部の金属帯側への突出長さがL/6〜L/3の範囲となっているのが好ましい。
本発明者等によれば、凹部に対する凸部の金属帯側への突出長さがL/6よりも小さいと、電極内における電流密度の変化が小さすぎてめっき液の攪拌効果や節状や樹枝状のめっき金属結晶抑制効果が少ないことが特定されている。一方、突出長さがL/3よりも大きいと、対向する凸部間の距離が小さくなり過ぎて電極同士の接触の危険性が高まることが特定されており、これらのことより、上記する上下限値が規定されたものである。
さらに、電極間における金属帯の通板位置と凹部の間の長さをLとした際に、凹部と凸部の通板方向長さがともに、2L〜10Lの範囲となっているのが好ましい。
本発明者等によれば、凹部と凸部の通板方向長さがともに2Lよりも小さいと、電流密度の変化が小さ過ぎること、凹部と凸部の通板方向長さがともに10Lよりも大きいと、噴流するめっき液が一定電流密度内に留まる時間が長くなり過ぎることより、いずれも凹凸電極による効果が少なくなることが特定されており、これらのことから上記する上下限値が規定されたものである。
以上の説明から理解できるように、本発明の電気めっき装置によれば、電気めっき装置を構成する一対の電極が凹部と凸部を交互に備え、対応する凹部間で電極間距離が長く、対応する凸部間で電極間距離が短いことにより、パルス電流を通電することなく、一つの電極間で電解電流密度を変化させることができ、このことによって、電極間距離の短い対向する凸部間には相対的に高電流密度域を形成してここで緻密な金属結晶を析出させ、電極間距離の長い対向する凹部間には相対的に低電流密度域を形成してゆっくりと金属結晶を析出・成長させ、これらが交互に繰り返されることで、節状や樹枝状のめっき金属結晶を抑制することができる。さらに、電極の金属帯が該電極に入ってくる入側の端部において、複数の凹部の中でも通板方向長さの最も長い凹部が配されていることにより、金属帯の表面におけるめっき初期の電流密度を低くすることができ、このことによってめっき金属の析出速度が抑制されるとともに金属帯表面におけるめっき液が十分に攪拌され、この攪拌されためっき液を金属帯に接触させることによって、金属帯とめっき金属が析出してなるめっき層の間の密着性を高めることができる。
本発明の電気めっき装置の一実施の形態の模式図である。 (a)は本発明の電気めっき装置を構成する電極における電流密度分布図であり、(b)は従来の電気めっき装置を構成する電極における電流密度分布図である。 電極間を流れるめっき液の流れを模擬した図である。 (a)、(b)はともに電極の他の実施の形態の模式図である。
以下、図面を参照して本発明の電気めっき装置の実施の形態を説明する。なお、図示する電気めっき装置は、水平タイプ片側流入式の電解槽を具備するものであるが、これ以外にも、水平タイプ中央流入式の電解槽や、竪型電解槽、湾曲型電解槽などであってもよいことは勿論のことである。
図1は、本発明の電気めっき装置の一実施の形態の模式図である。図示する電気めっき装置10は、電解槽2と、電解槽2内で金属帯Sを通板させる送り機構3と、電解槽2内で金属帯Sの通板方向(X3方向)と逆の方向(X4方向)にめっき液Mを噴流させる流通機構5と、金属帯Sを挟む位置に配設された一対の電極1A,1Bと、直流電源4とから大略構成されている。なお、同図において、金属帯Sが電極1A,1Bに入ってくる端部を入側、電気めっき処理された金属帯Sが電極1A,1Bから出て行く端部を出側としている。
送り機構3を構成する送りローラは電極ローラとなっており(上ローラはX1方向回転、下ローラはX2方向回転)、直流電源4の陰極がこれに通じていて、送り機構3に接触する金属帯Sが陰極となり、めっきの金属陽イオンが金属帯Sの表面に電気めっきされるようになっている。
電解槽2内で金属帯Sの通板方向と逆方向に噴流されるめっき液Mには、ZnやNi、Sn,Cr、Cuなどの単一の純金属、Zn−Fe合金やZn−Ni合金、Zn−Ni−Co合金などの合金が用いられる。
図示する一対の電極1A,1Bはともに、対応する位置でかつ通板方向(X3方向)に凸部1bと凹部1aを交互に備えており、双方の電極1A,1Bの凸部1b、1b間で電極間距離が短くなり、双方の凹部1a,1a間で電極間距離が長くなっている。
また、電極1A,1Bにおいて金属帯Sが入ってくる入側の端部には、複数の凹部の中でも通板方向長さの最も長い凹部1a’が配されている(ここでの通板方向長さs1>他の凹部1aの通板方向長さs2)。なお、この通板方向長さs1は、通板方向長さs2の1.5〜3倍程度の範囲に調整される。
なお、図示する電極1A,1Bは、入側端部の凹部1a’以外の凹部1aおよび凸部1bの通板方向長さが、同一長さs1となっている。
この電極1A,1Bに直流電源4から通電すると、図2aで示すように、平均電流密度に対して、凸部1b、1b間には相対的に高い電流密度域が形成され、凹部1a,1a間には相対的に低い電流密度域が形成され、直流電源からの通電にもかかわらず、パルス電流のごとき通電態様で異なる電流密度の電流が印加される。さらに、この電流密度分布は、電極の入側および出側から中央にむかってパルス状の電流密度が低くなるような電流密度分布を呈することになる。なお、図2bで示す従来構造の電極(電極表面が平坦)では、パルス状の電流密度分布が生じることはなく、電極の入側および出側から中央にむかって電流密度が低くなる二次曲線状を呈する。
このようなパルス状の電流密度分布を呈する電極1A,1B間で金属帯Sを通板させ(X3方向)、この通板方向と逆向きにめっき液を噴流させると(X4方向)、図3で示すように、めっき液は電極表面の凹部1aと凸部1bを通過する過程でうねりながら噴流し(X4’方向)、最も長さの長い入側端部の凹部1a’では、うねりによってめっき液が攪拌される(X4”方向)。この攪拌により、金属帯表面への析出(めっき)によって消費され、減少した金属帯表面近傍のめっき液中の金属イオン濃度が均一化されためっき液が金属帯Sの表面に接触し、これによって金属板とめっき層の間の密着性が高まる。
図示するように、電極1A,1Bが対応する凹部1a,1a’と凸部1bを交互に備えていることで、パルス電流を通電することなく、一つの電極1A,1B間で電解電流密度を変化させることができ、このことによって、電極間距離の短い対向する凸部1b、1b間には相対的に高電流密度域を形成してここで緻密な金属結晶を析出させ、電極間距離の長い対向する凹部1a,1a間(および凹部1a’,1a’間)には相対的に低電流密度域を形成してゆっくりと金属結晶を析出・成長させ、これらが交互に繰り返されることで、節状や樹枝状のめっき金属結晶を抑制することができる。このことは、1〜10m/分程度の低速で通板して電解する場合に、電解槽2中を金属帯Sが通過するのに長時間を要することから、仮に一定の電流密度で電解をおこなった場合には節状や樹枝状のめっき金属結晶の析出が顕著であることより、低速で金属帯を通板しながら電気めっきする際に本発明の装置の奏する効果は極めて大きい。
さらに、電極1A、1Bにおける金属帯Sの入側の端部に通板方向長さの最も長い凹部1a’を設けたことにより、図2aで示すように金属帯Sの表面におけるめっき初期の電流密度を低くすることができ、このことによってめっき金属の析出速度を抑制することができるとともに金属帯Sの表面におけるめっき液が上記するように十分に攪拌され、この攪拌されためっき液を金属帯Sに接触させることによって、金属帯Sとめっき金属が析出・成長してなるめっき層の間の密着性を高めることができる。
ここで、電極間における金属帯Sの通板位置と凹部1aの間の長さをLとした際に、凹部1aに対する凸部1bの金属帯側への突出長さhは、L/6〜L/3の範囲となっているのがよい。
凹部1aに対する凸部1bの金属帯S側への突出長さhがL/6よりも小さいと、電極1A,1B内における電流密度の変化が小さすぎてめっき液の攪拌効果や節状や樹枝状のめっき金属結晶抑制効果が少ないことが特定されている。一方、突出長さhがL/3よりも大きいと、対向する凸部1b、1b間の距離が小さくなり過ぎて接触の危険性が高まることが特定されている。
また、同様に金属帯Sの通板位置と凹部1aの間の長さをLとした際に、凹部1a、1a’と凸部1bの通板方向長さがともに、2L〜10Lの範囲となっているのがよい。
凹部1a、1a’と凸部1bの通板方向長さがともに2Lよりも小さいと、電流密度の変化が小さ過ぎること、凹部1a、1a’と凸部1bの通板方向長さがともに10Lよりも大きいと、噴流するめっき液が一定電流密度内に留まる時間が長くなり過ぎることより、いずれも凹凸電極による効果が少なくなるためである。
また、電気めっきにおいて、電流密度が一定の値を超えると金属光沢のある正常なめっき層が得られず、たとえば亜鉛めっきなどでは黒みを帯びたいわゆる「ヤケ」が生じ、電流密度の増大にともなって電流効率が低下する恐れがある。ここで、限界電流密度:Dkに関しては以下の一般式が妥当する。
Figure 0005676329
ここで、Fはファラデー定数、Dは金属イオンの拡散係数(イオン固有の値)、Cは電解液中の金属イオン濃度(電解液の各種成分濃度によって制約があり、たとえば、薬剤の溶解度や組成による制約)、δは拡散層の厚さ(電解液の攪拌によって薄くできる)である。
凸部1b、1b間では、めっき液の流速が速くなるため、Dkが高くてもヤケは生じない。
また、凹部1a,1a間では、めっき液の流速が遅くなるが、Dkも低くなることから同様にヤケは生じない。このように、本発明の装置10を構成する電極1A,1Bを適用した場合であっても、めっきヤケの問題は生じ得ない。
(電極の他の実施の形態)
図4a,bはいずれも、電極の他の実施の形態を示す模式図である。
図4aで示す電極1A’、1B’は、金属帯Sが入ってくる入側の端部において通板方向長さの最も長い凹部1a’が配されている構成は図1で示す実施の形態と同様であるが、電極の入側の端部から出側の端部に向かって、それ以外の凹部と凸部がともにそれらの通板方向長さが漸次短くなっているものである。
また、図4bで示す電極1A”、1B”は、金属帯Sが入ってくる入側の端部において通板方向長さの最も長い凹部1a’が配されている構成は図1および図4aで示す実施の形態と同様であるが、電極の入側の端部から出側の端部に向かって、凹部の通板方向長さのみが漸次短くなっているものである。
いずれの形態の電極であっても、金属帯Sとめっき金属が析出してなるめっき層の間の密着性を高めることができる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1A、1A’、1A”、1B、1B’、1B”…電極、1a’… 入側端部の凹部、1a…凹部、1b…凸部、2…電解槽、3…送り機構(電極ローラ)、4…直流電源、5…流通機構、10…電気めっき装置、S…金属帯、M…めっき液

Claims (6)

  1. 電解槽と、電解槽内で金属帯を通板させる送り機構と、電解槽内で金属帯の通板方向もしくはこれと逆の方向にめっき液を流す流通機構と、金属帯を挟む位置に配設された一対の電極と、から構成された電気めっき装置であって、
    前記一対の電極はともに、対応する位置でかつ通板方向に凸部と凹部を交互に備え、双方の電極の凸部間で電極間距離が短くなり、双方の凹部間で電極間距離が長くなっており、
    前記電極の金属帯が該電極に入ってくる入側の端部において、複数の凹部の中でも通板方向長さ最も長く、他に同じ長さのものがない凹部が配されている電気めっき装置。
  2. 前記通板方向長さの最も長い凹部以外の凹部と凸部の通板方向長さが統合されてすべて一定である請求項1に記載の電気めっき装置。
  3. 電極の前記入側の端部から出側の端部に向かって、凹部と凸部双方の通板方向長さが個別に漸次短くなっている請求項1に記載の電気めっき装置。
  4. 電極の前記入側の端部から出側の端部に向かって、凹部の通板方向長さのみが漸次短くなっている請求項1に記載の電気めっき装置。
  5. 電極間における金属帯の通板位置と凹部の間の長さをLとした際に、凹部に対する凸部の金属帯側への突出長さがL/6〜L/3の範囲となっている請求項1〜4のいずれかに記載の電気めっき装置。
  6. 電極間における金属帯の通板位置と凹部の間の長さをLとした際に、凹部と凸部の通板方向長さがともに、2L〜10Lの範囲となっている請求項1〜5のいずれかに記載の電気めっき装置。
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