JP5673519B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、走行用の駆動力を発生する内燃機関と、当該内燃機関の駆動力伝達経路の下流側に摩擦クラッチを介して配設され、走行用の駆動力を発生する電動機と、当該電動機の駆動力伝達経路の下流側にロックアップクラッチを介して配設され、前記内燃機関及び電動機の駆動力を変速する自動変速機と、を備える車両の制御装置に関する。
従来、エンジン(「内燃機関」に相当する。)とモータジェネレータ(「電動機」に相当する。)と自動変速機を有する車両において、エンジンを始動するときに発生する車両のショック(以下、「始動ショック」という。)を低減する種々の技術が知られている。
例えば、モータジェネレータと自動変速機との間にロックアップクラッチが介設されている車両において、前記ロックアップクラッチがスリップしている状態で、エンジンとモータジェネレータとの間に介設された摩擦クラッチを継合させるハイブリッド駆動装置が提案されている(特許文献1参照)。また、上記特許文献1に記載のハイブリッド駆動装置では、摩擦クラッチを継合させる際に、エンジンを始動するためのトルク分だけ、モータジェネレータのトルクを増大させることが記載されている。
特開2010−235089号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のハイブリッド駆動装置のように、摩擦クラッチを継合させる際に、エンジンを始動するためのトルク分だけ、モータジェネレータのトルクを増大させるときに、モータジェネレータのトルクを増大させるタイミングが適正ではない場合には、モータジェネレータの回転数が急変して、始動ショックが発生する虞がある。
例えば、モータジェネレータのトルクを増大させるタイミングが遅過ぎる場合には、摩擦クラッチを継合させる際に、モータジェネレータの回転数が低下することによって始動ショックが発生する虞がある(図8参照)。逆に、例えば、モータジェネレータのトルクを増大させるタイミングが早過ぎる場合には、摩擦クラッチを継合させる前に、モータジェネレータの回転数が増大することによって始動ショックが発生する虞がある(図7参照)。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、始動ショックを低減することの可能な車両の制御装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る車両の制御装置は、以下のように構成されている。
すなわち、本発明に係る車両の制御装置は、走行用の駆動力を発生する内燃機関と、当該内燃機関の駆動力伝達経路の下流側に摩擦クラッチを介して配設され、走行用の駆動力を発生する電動機と、当該電動機の駆動力伝達経路の下流側にロックアップクラッチを介して配設され、前記内燃機関及び電動機の駆動力を変速する自動変速機と、を備え、前記ロックアップクラッチをスリップ状態とし、前記ロックアップクラッチがスリップ状態とされた後に、前記内燃機関を始動するべく、前記摩擦クラッチを半継合状態とし、前記ロックアップクラッチがスリップ状態とされた後に、予め設定されたタイミングであるトルク増大タイミングで、前記電動機の発生する駆動トルクを増大する車両の制御装置であって、前記電動機の発生する駆動トルクが増大されたときの前記ロックアップクラッチのスリップ量を、予め設定された目標スリップ量と比較することによって、前記トルク増大タイミングを変更することを特徴としている。
かかる構成を備える車両の制御装置によれば、前記電動機と前記自動変速機との間に介設された前記ロックアップクラッチがスリップ状態とされた後に、前記内燃機関を始動するべく前記摩擦クラッチが半継合状態とされる。また、前記ロックアップクラッチがスリップ状態とされた後に、予め設定されたタイミングであるトルク増大タイミングで、前記電動機の発生する駆動トルクが増大される。そして、前記電動機の発生する駆動トルクが増大されたときの前記ロックアップクラッチのスリップ量が、予め設定された目標スリップ量と比較されて、前記トルク増大タイミングが変更されるため、始動ショックを低減することができる。
すなわち、前記トルク増大タイミングが早過ぎる場合には、前記電動機によって増大されたトルクが前記ロックアップクラッチに伝達されて、前記ロックアップクラッチのスリップ量が増大する。逆に、前記トルク増大タイミングが遅過ぎる場合には、前記摩擦クラッチが半継合状態とされることによって前記電動機の回転数が低下して、前記ロックアップクラッチのスリップ量が減少する。このように、前記ロックアップクラッチのスリップ量によって前記トルク増大タイミングの修正すべき方向が判る。したがって、前記ロックアップクラッチのスリップ量を前記目標スリップ量と比較して前記トルク増大タイミングを変更することによって、前記トルク増大タイミングを適正に修正することができるので、始動ショックを低減することができるのである。
また、本発明に係る車両の制御装置は、前記トルク増大タイミングを前記摩擦クラッチが半継合状態とされるタイミングと一致させるべく、前記トルク増大タイミングを変更することが好ましい。
かかる構成を備える車両の制御装置によれば、前記トルク増大タイミングを前記摩擦クラッチが半継合状態とされるタイミングと一致させるべく、前記トルク増大タイミングが変更されるため、前記トルク増大タイミングを適正に修正することができるので、始動ショックを低減することができる。
すなわち、前記摩擦クラッチが半継合状態にされると前記電動機によって停止状態の前記内燃機関が駆動される(いわゆる、クランキングされる)ため、前記摩擦クラッチが半継合状態とされるタイミングで、前記内燃機関を駆動するために必要なトルク分だけ前記電動機の発生する駆動トルクを増大する必要がある。したがって、前記トルク増大タイミングを前記摩擦クラッチが半継合状態とされるタイミングと一致させるべく、前記トルク増大タイミングを変更することによって、前記トルク増大タイミングを適正に修正することができるので、始動ショックを低減することができるのである。
また、本発明に係る車両の制御装置は、前記電動機の発生する駆動トルクが増大されたときの前記ロックアップクラッチのスリップ量が前記目標スリップ量より大きい場合に、前記トルク増大タイミングを遅延させることが好ましい。
かかる構成を備える車両の制御装置によれば、前記電動機の発生する駆動トルクが増大されたときの前記ロックアップクラッチのスリップ量が前記目標スリップ量より大きい場合に、前記トルク増大タイミングが遅延されるため、前記トルク増大タイミングを適正に修正することができる。
また、本発明に係る車両の制御装置は、前記電動機の発生する駆動トルクが増大されたときの前記ロックアップクラッチのスリップ量が前記目標スリップ量より小さい場合に、前記トルク増大タイミングを早めることが好ましい。
かかる構成を備える車両の制御装置によれば、前記電動機の発生する駆動トルクが増大されたときの前記ロックアップクラッチのスリップ量が前記目標スリップ量より小さい場合に、前記トルク増大タイミングが早められるため、前記トルク増大タイミングを適正に修正することができる。
また、本発明に係る車両の制御装置は、前記ロックアップクラッチのスリップ量から前記目標スリップ量を減じた差に基づいて、前記トルク増大タイミングを変更することが好ましい。
かかる構成を備える車両の制御装置によれば、前記ロックアップクラッチのスリップ量から前記目標スリップ量を減じた差に基づいて、前記トルク増大タイミングが変更されるため、前記トルク増大タイミングを適正に修正することができる。
また、本発明に係る車両の制御装置は、前記内燃機関のクランク角について予め設定された範囲毎に、前記電動機の駆動トルクを増大するときの駆動トルクの増大量である駆動トルク増大量を記憶しており、前記内燃機関のクランク角が含まれる前記内燃機関のクランク角の範囲に記憶された前記駆動トルク増大量を読み出して、読み出された前記駆動トルク増大量だけ前記電動機の発生する駆動トルクを増大することが好ましい。
かかる構成を備える車両の制御装置によれば、前記内燃機関のクランク角について予め設定された範囲毎に、前記電動機の駆動トルクを増大するときの駆動トルクの増大量である駆動トルク増大量が記憶されており、前記内燃機関のクランク角が含まれる前記内燃機関のクランク角の範囲に記憶された前記駆動トルク増大量が読み出されて、読み出された前記駆動トルク増大量だけ前記電動機の発生する駆動トルクが増大されるため、前記内燃機関のクランク角について予め設定された範囲毎に、適正な前記駆動トルク増大量を記憶しておくことによって、前記電動機の発生する駆動トルクを適正な量だけ増大することができる。
すなわち、前記内燃機関のクランク角によって規定され、初爆が最初に起こる気筒におけるピストンの停止位置が上死点に近い程、コンプレッショントルクが小さいため、前記内燃機関のクランキングトルクが小さくなり、前記駆動トルク増大量が小さな値となる。したがって、前記内燃機関のクランク角について予め設定された範囲(例えば、30度)毎に、適正な前記駆動トルク増大量を記憶しておくことによって、前記電動機の発生する駆動トルクを適正な量だけ増大することができるのである。
また、本発明に係る車両の制御装置は、前記内燃機関のクランク角の前記範囲毎に、前記トルク増大タイミングを更に記憶しており、前記内燃機関のクランク角が含まれる前記内燃機関のクランク角の前記範囲に記憶された前記トルク増大タイミングを読み出して、読み出された前記トルク増大タイミングで、前記電動機の発生する駆動トルクを増大することが好ましい。
かかる構成を備える車両の制御装置によれば、前記内燃機関のクランク角の前記範囲毎に、前記トルク増大タイミングが記憶されており、前記内燃機関のクランク角が含まれる前記内燃機関のクランク角の前記範囲に記憶された前記トルク増大タイミングが読み出されて、読み出された前記トルク増大タイミングで、前記電動機の発生する駆動トルクが増大されるため、適正な前記トルク増大タイミングを記憶しておくことによって、適正な前記トルク増大タイミングで前記電動機の発生する駆動トルクを増大することができる。
すなわち、前記内燃機関のクランク角によって規定され、初爆が最初に起こる気筒におけるピストンの停止位置が上死点に近い程、コンプレッショントルクが小さいため、前記内燃機関のクランキングトルクが小さくなり、前記駆動トルク増大量が小さな値となるため、適正な前記トルク増大タイミングが遅くなる。したがって、前記内燃機関のクランク角について予め設定された範囲(例えば、30度)毎に、適正な前記駆動トルク増大タイミングを記憶しておくことによって、適正な前記駆動トルク増大タイミングで、前記電動機の発生する駆動トルクを増大することができるのである。
また、本発明に係る車両の制御装置は、記憶された前記トルク増大タイミングのうち、前記内燃機関のクランク角が含まれる前記内燃機関のクランク角の前記範囲に記憶された前記トルク増大タイミングを書き換えることが好ましい。
かかる構成を備える車両の制御装置によれば、記憶された前記トルク増大タイミングのうち、前記内燃機関のクランク角が含まれる前記内燃機関のクランク角の前記範囲に記憶された前記トルク増大タイミングが書き換えられるため、前記トルク増大タイミングを適正に修正することができる。
すなわち、前記内燃機関のクランク角によって規定され、初爆が最初に起こる気筒におけるピストンの停止位置が上死点に近い程、コンプレッショントルクが小さいため、前記内燃機関のクランキングトルクが小さくなり、前記駆動トルク増大量が小さな値となるため、適正な前記トルク増大タイミングが遅くなる。したがって、前記内燃機関のクランク角について予め設定された範囲(例えば、30度)毎に区分されて、前記トルク増大タイミングが書き換えられるため、前記トルク増大タイミングを適正に修正することができるのである。
本発明に係る車両の制御装置によれば、前記電動機と前記自動変速機との間に介設された前記ロックアップクラッチがスリップ状態とされた後に、前記内燃機関を始動するべく前記摩擦クラッチが半継合状態とされる。また、前記ロックアップクラッチがスリップ状態とされた後に、予め設定されたタイミングであるトルク増大タイミングで、前記電動機の発生する駆動トルクが増大される。そして、前記電動機の発生する駆動トルクが増大されたときの前記ロックアップクラッチのスリップ量が、予め設定された目標スリップ量と比較されて、前記トルク増大タイミングが変更されるため、始動ショックを低減することができる。
本発明に係る車両の制御装置が搭載される車両のパワートレーンの一例を示す構成図である。 図1に示す車両のパワートレーンの一例を示すスケルトン図である。 図1に示す変速機における各クラッチ、各ブレーキ及びワンウェイクラッチの変速段ごとの継合状態を示す継合表である。 図1に示す車両に搭載されるECUの構成を示すブロック図である。 図4に示すECUの機能構成の一例を示す機能構成図である。 図5に示すトルク記憶部に記憶された内容の一例を示す図表である。 図5に示すトルク記憶部に記憶されたトルク増大タイミングが早過ぎる場合の図1に示す車両のパワートレーンの動作の一例を示すタイミングチャートである。 図5に示すトルク記憶部に記憶されたトルク増大タイミングが遅過ぎる場合の図1に示す車両のパワートレーンの動作の一例を示すタイミングチャートである。 図5に示すトルク記憶部に記憶されたトルク増大タイミングが適正である場合の図1に示す車両のパワートレーンの動作の一例を示すタイミングチャートである。 図5に示すECUの動作の一例を示すフローチャート(前半部)である。 図5に示すECUの動作の一例を示すフローチャート(後半部)である。
以下、本発明に係る「車両の制御装置」の実施形態を、図面を参照して説明する。
まず、図1及び図2を参照して本発明に係る「車両の制御装置」が搭載される車両のパワートレーンについて説明する。図1は、本発明に係る「車両の制御装置」が搭載されるハイブリッド車両HVのパワートレーンの一例を示す構成図である。図2は、図1に示すハイブリッド車両HVのパワートレーンの一例を示すスケルトン図である。
−ハイブリッド車両HVのパワートレーン−
本実施形態に係るハイブリッド車両HVは、例えば、FR(フロントエンジン・リアドライブ)方式のハイブリッド車両HVであって、そのパワートレーンは、エンジン1、及び、モータジェネレータ(以下、「MG」と略記することもある)3を有し、これらによって駆動輪62R、62Lを回転駆動するものである。
具体的には、ハイブリッド車両HVは、エンジン1、クラッチ2、MG3、トルクコンバータ4、及び、自動変速機5を備え、エンジン1の出力軸としてのクランク軸11と、MG3の出力軸としてのロータ軸21とがクラッチ2を介して接続され、MG3のロータ軸21と駆動輪62R、62Lとがトルクコンバータ4、自動変速機5及びデファレンシャル装置6を介して接続される。そして、ハイブリッド車両HVは、エンジン1が発生する駆動力とMG3が発生する駆動力とを、自動変速機5で変速して、デファレンシャル装置6、及び、ドライブシャフト61を順次介して左右の駆動輪62L、62Rに伝達される。なお、クラッチ2、MG3、トルクコンバータ4、及び、自動変速機5は、軸心に対して略対称に構成されているので、図2のスケルトン図では下側半分を省略している。
オイルポンプ7は、クラッチ2、トルクコンバータ4及び自動変速機5等に含まれる各摩擦継合要素を動作させるための油圧を発生させるポンプである。
油圧制御回路8は、オイルポンプ7が発生させる油圧を、クラッチ2、トルクコンバータ4及び自動変速機5に含まれる摩擦継合要素に配分すると共に、これらの摩擦継合要素に配分する油圧を制御することができる。油圧制御回路8は、自動変速機5に含まれる各変速段の摩擦継合要素に対応するソレノイドバルブ(クラッチソレノイド)を有しており、変速前後の変速段に対応するソレノイドバルブをそれぞれ制御して変速を実行する。
以下、ハイブリッド車両HVのパワートレーンを構成するエンジン1、クラッチ2、MG3、トルクコンバータ4、及び、自動変速機5について、順次説明する。
−エンジン−
エンジン1は、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等の燃料を燃焼させて動力を出力する公知の動力装置であって、例えば、吸気通路に設けられたスロットルバルブ(図示省略)のスロットル開度(吸気空気量)、燃料噴射量、点火時期等の運転状態を制御可能に構成されている。エンジン1の運転状態はECU100によって制御される。ECU100は、上記した吸入空気量制御、燃料噴射量制御、及び、点火時期制御等を含むエンジン1の各種制御を実行する。
エンジン1の出力は、図2に示すように、クランク軸11、クラッチ2を介して、MG3のロータ軸21に伝達される。エンジン1の出力軸であるクランク軸11の回転数は、エンジン回転数センサ101によって検出される。ここで、エンジン回転数センサ101は、クランク軸11の回転角を検出するものであって、「クランク角センサ」としても機能する(図4参照)。なお、エンジン1は、特許請求の範囲に記載の「内燃機関」に相当する。
−クラッチ−
クラッチ2は、走行用駆動力の伝達経路において、エンジン1とMG3との間に介設されている。クラッチ2は、例えば、乾式単板式クラッチ等の公知のクラッチを用いることができ、エンジン1のクランク軸11とMG3のロータ軸21とを、動力伝達可能な継合状態、動力伝達不可能な解放状態、及び、一部の動力伝達が可能な半継合状態に切り換えるものである。なお、クラッチ2は、特許請求の範囲に記載の「摩擦クラッチ」に相当する。
また、クラッチ2は、エンジン1側の回転部材であるクランク軸11とMG3側の回転部材であるロータ軸21とを継合状態とすることで、クランク軸11とロータ軸21との間で動力を伝達可能とする。一方、クラッチ2は、クランク軸11とロータ軸21とを解放状態とすることで、クランク軸11とロータ軸21との間で動力の伝達を遮断する。
また、クラッチ2の継合状態、半継合状態、及び、解放状態の切り換えは、ECU100からの指示情報に基づいて、油圧制御回路8によって行われる。
−モータジェネレータ−
モータジェネレータ(MG)3は、クラッチ2におけるMG3側の回転部材であるロータ軸21と一体に回転自在に構成された永久磁石からなるロータMGRと、3相巻線が巻回されたステータMGSとを備えた交流同期発電機であって、発電機(ジェネレータ)として機能すると共に電動機(モータ)としても機能する。モータジェネレータ(MG)3は、特許請求の範囲に記載の「電動機」に相当する。
モータジェネレータ(MG)3には、ロータMGRの回転角度(電動機回転軸の回転角度)を検出するMG回転数センサ(レゾルバ)102が設けられている。MG回転数センサ102は、MG3の各回転角度を高精度且つ高い応答性で検出することができ、その各回転数センサにて検出された回転角度から、MG3の回転数を得ることができる。MG回転数センサ102の出力信号(回転角度検出値)は、ECU100に入力され、MG3の駆動制御などに用いられる。
図4に示すように、モータジェネレータ(MG)3は、インバータ31を介してバッテリ(蓄電装置)32に接続されている。インバータ31はECU100によって制御される。
インバータ31は、MG3の制御用のIPM(Intelligent Power Module:インテリジェントパワーモジュール)を備えている。このIPMは、複数(例えば、6個)の半導体スイッチング素子(例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)等によって構成されている。
ECU100は、インバータ31を制御して、MG3の力行又は回生を制御する。具体的には、例えば、バッテリ32からの直流電流を、MG3を駆動する交流電流に変換する一方、エンジン1の駆動力によってMG3で発電された交流電流、及び、回生ブレーキによってMG3で発電された交流電流を、バッテリ32を充電するための直流電流に変換する。また、走行状態に応じて、バッテリ32に蓄電された電力を、MG3の駆動用電力として供給する。
−トルクコンバータ−
トルクコンバータ4は、入力側のポンプインペラ41、出力側のタービンランナ42、及び、トルク増幅機能を発現するステータ43等を備えており、ポンプインペラ41とタービンランナ42との間で流体(オイル)を介して動力伝達を行うものである。ポンプインペラ41は、MG3側の回転部材であるロータ軸21に連結されている。よって、ポンプインペラ41の回転数は、モータジェネレータ(MG)3に配設された回転数センサ(レゾルバ)102によって検出されるため、回転数センサ(レゾルバ)102は、ポンプインペラ41の回転数を検出する「ポンプ回転数センサ」としても機能している(図4参照)。タービンランナ42はタービンシャフト48を介して自動変速機5に連結されている。タービンシャフト48の回転数は、タービン回転数センサ103によって検出されて、検出信号はECU100へ入力される(図4参照)。
トルクコンバータ4には、このトルクコンバータ4の入力側と出力側とを直結するロックアップクラッチ(ロックアップクラッチ機構)44が設けられている。ロックアップクラッチ44は、継合側油室45内の油圧と解放側油室46内の油圧との差圧((ロックアップ差圧)=(継合側油室45内の油圧Pon)−(解放側油室46内の油圧Poff))を制御することによって、完全継合状態、半継合状態(スリップ状態での継合状態)及び解放状態が切り換えられる。
ロックアップクラッチ44を完全継合させることによって、ポンプインペラ41とタービンランナ42とが一体回転する。また、ロックアップクラッチ44を所定のスリップ状態(半継合状態)で継合させることによって、エンジン駆動力の伝達時には所定のスリップ量でタービンランナ42がポンプインペラ41に追随して回転することになる。一方、ロックアップ差圧を、負又は「0」に設定することによって、ロックアップクラッチ44は解放状態となる。なお、トルクコンバータ4には、ポンプインペラ41に連結して駆動される機械式のオイルポンプ(油圧発生源)47が設けられている。
ロックアップクラッチ44の完全継合状態、半継合状態(スリップ状態での継合状態)及び解放状態の切り換え制御は、ECU100からの指示に基づいて、油圧制御回路8によって行われる。
−自動変速機−
自動変速機5は、図1に示すように、トルクコンバータ4とデファレンシャル装置6との間の動力伝達経路に設けられている。自動変速機5は、トルクコンバータ4からタービンシャフト48に入力される回転動力を変速して出力軸53に出力する。自動変速機5の出力軸53の回転数は出力軸回転数センサ104によって検出される。この出力軸回転数センサ104の出力信号はECU100(図4参照)に入力される。
自動変速機5は、第1遊星歯車機構51、第2遊星歯車機構52、第1〜第3クラッチC1〜C3、第1ブレーキB1及び第2ブレーキB2、ワンウェイクラッチF1などによって構成されている。
第1遊星歯車機構51は、シングルピニオン型の歯車式遊星機構であって、サンギヤS1、互いに噛み合う複数のピニオンギヤP1、これら複数のピニオンギヤP1を自転及び公転可能に支持するプラネタリキャリアCA1、及び、ピニオンギヤP1を介してサンギヤS1と噛み合うリングギヤR1を備えている。
第2遊星歯車機構52も同様に、シングルピニオン型の歯車式遊星機構であって、サンギヤS2、互いに噛み合う複数のピニオンギヤP2、これら複数のピニオンギヤP2を自転及び公転可能に支持するプラネタリキャリアCA2、及び、ピニオンギヤP2を介してサンギヤS2と噛み合うリングギヤR2を備えている。
第1遊星歯車機構51のプラネタリキャリアCA1は、第2遊星歯車機構52のリングギヤR3に連結されており、そのリングギヤR2と一体的に回転駆動可能となっている。リングギヤR1は第2遊星歯車機構52のプラネタリキャリアCA2に連結されており、そのプラネタリキャリアCA2と一体的に回転駆動可能となっている。
第1遊星歯車機構51のサンギヤS1は、第3クラッチC3を介して、トルクコンバータ4のタービンシャフト48に選択的に連結されており、その第3クラッチC3が継合状態になるとサンギヤS1はタービンシャフト48と一体的に回転する。第3クラッチC3が解放状態になると、サンギヤS1はタービンシャフト48に対して相対回転可能な状態になる。
また、サンギヤS1は、第1ブレーキB1を介して、トランスミッションケース50に選択的に連結されており、第1ブレーキB1が継合状態になるとサンギヤS1の回転が停止され、第1ブレーキB1が解放状態になるとサンギヤS1は回転可能な状態になる。
第1遊星歯車機構51のプラネタリキャリアCA1は、第2クラッチC2を介して、トルクコンバータ4のタービンシャフト48に選択的に連結されており、第2クラッチC2が継合状態になると、プラネタリキャリアCA1はタービンシャフト48と一体的に回転する。第2クラッチC2が解放状態になると、プラネタリキャリアCA1はタービンシャフト48に対して相対回転可能な状態になる。
第2遊星歯車機構52のサンギヤS2は、第1クラッチC1を介して、トルクコンバータ4のタービンシャフト48に選択的に連結されており、第1クラッチC1が継合状態になるとサンギヤS2はタービンシャフト48と一体的に回転する。第3クラッチC3が解放状態になると、サンギヤS2はタービンシャフト48に対して相対回転可能な状態になる。
第2遊星歯車機構52のリングギヤR2は、第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース50に選択的に連結されており、第2ブレーキB2が継合状態になるとリングギヤR2の回転が停止され、第2ブレーキB2が解放状態になるとリングギヤR2は回転可能な状態になる。更に、リングギヤR2、及び、第1遊星歯車機構51のプラネタリキャリアCA1はワンウェイクラッチF1を介してトランスミッションケース50に連結されており、リングギヤR2及びプラネタリキャリアCA1の逆回転が阻止されている。そして、第2遊星歯車機構52のプラネタリキャリアCA2が出力軸53に連結されており、プラネタリキャリアCA2と出力軸53とが一体的に回転する。
以上の第1〜第3クラッチC1〜C3、第1ブレーキB1及び第2ブレーキB2は、いずれも油圧アクチュエータ(油圧シリンダ)によって摩擦継合される湿式多板摩擦継合装置(摩擦継合要素)であって、これらクラッチC1〜C3及びブレーキB1,B2の継合又は解放は、ECU100及び油圧制御回路8(図1、図4参照)によって制御される。
−変速段−
図3は、第1〜第3クラッチC1〜C3、第1ブレーキB1及び第2ブレーキB2、ワンウェイクラッチF1における継合状態又は解放状態と、各変速段(1st〜4th、Rev、N)との関係を示す継合表である。図3の継合表において、○印は「継合状態」を示し、空白は「解放状態」を示している。以下、図3に示す継合表を参照して、自動変速機5の各変速段について説明する。
第1変速段(1st)
この変速段(前進1速)においては、第1クラッチC1及びワンウェイクラッチF1のみが継合状態とされる。第1クラッチC1が継合状態になると、第2遊星歯車機構52のサンギヤS2にトルクコンバータ4のタービンシャフト48の回転が伝動される。また、第2遊星歯車機構52のプラネタリギヤCA2にあっては、ワンウェイクラッチF1によってリングギヤR2の逆回転が止められることにより、サンギヤS2からの入力回転が減速されて、プラネタリキャリアCA2の回転として出力される。
第2変速段(2nd)
この変速段(前進2速)においては、第1クラッチC1及び第1ブレーキB1のみが継合状態とされる。第1クラッチC1が継合状態になると、第2遊星歯車機構52のサンギヤS2にトルクコンバータ4のタービンシャフト48の回転が伝動される。また、第1ブレーキB1が継合状態になることにより、第1遊星歯車機構51のサンギヤS1の回転が止められる。このサンギヤS1の回転停止によって、第2遊星歯車機構52のサンギヤS2からの入力回転が減速されて、第2遊星歯車機構52のキャリアCA2の回転として出力される。この状態における減速比は、第1変速段より小さくなる。
第3変速段(3rd)
この変速段(前進3速)においては、第1クラッチC1及び第2クラッチC2のみが継合状態とされる。第1クラッチC1が継合状態になると、第2遊星歯車機構52のサンギヤS2にトルクコンバータ4のタービンシャフト48の回転が伝動される。また、第2クラッチC2が継合状態になると、第2遊星歯車機構52のサンギヤS2とリングギヤR2との回転速度が同じとなるため、この第2遊星歯車機構52は固定状態となる。これにより、トルクコンバータ4のタービンシャフト48の回転がそのまま出力軸53に伝達される、いわゆる直結状態となる。
第4変速段(4th)
この変速段(前進4段)においては、第2クラッチC2及び第1ブレーキB1のみが継合状態とされる。第2クラッチC2が継合状態になると、第1遊星歯車機構51のプラネタリキャリアCA1にトルクコンバータ4のタービンシャフト48の回転が伝動される。また、第1ブレーキB1が継合状態になることによって、第1遊星歯車機構51のサンギヤS1の回転が止められる。このサンギヤS1の回転停止によって、プラネタリキャリアCA1からの入力回転が増速されて、リングギヤR1の回転として出力される。
リバース段(Rev)
この後進段においては、第3クラッチC3及び第2ブレーキB2のみが継合状態とされる。第3クラッチC3が継合状態になると、第1遊星歯車機構51のサンギヤS1にトルクコンバータ4のタービンシャフト48の回転が伝動される。また、第2ブレーキB2が係合状態になることによって、第1遊星歯車機構51のプラネタリキャリアCA1の回転が止められる。このプラネタリキャリアCA1の回転停止によって、サンギヤS1からの入力回転が逆回転されて、リングギヤR1の回転として出力される。
ニュートラルレンジ(N)
ニュートラルレンジでは、クラッチC1〜クラッチC3及びブレーキB1,B2の全てが解放状態とされ、動力伝達が遮断される。また、パーキングレンジにおいても、クラッチC1〜クラッチC3及びブレーキB1,B2の全てが解放状態とされる。ただし、パーキングレンジにおいては、例えばパーキングロック機構(図示せず)によって出力軸53の回転が機械的に固定される。
−ECU100の構成−
次に、図4を参照してECU100の構成について説明する。図4は、図1に示す車両に搭載されるECU100の構成を示すブロック図である。ECU100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、バックアップRAM等を備えている。
ROMは、種々の制御プログラム等を記憶する。CPUは、ROMに記憶された種々の制御プログラムを読み出して実行することによって各種処理を実行する。RAMは、CPUでの演算結果等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAMは、エンジン1及びMG3の停止時に保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
また、ECU100には、エンジン回転数センサ(クランク角センサ)101、ポンプ回転数センサ(MG回転数センサ)102、タービン回転数センサ103、出力軸回転数センサ104、エンジン1のスロットル開度を検出するスロットル開度センサ105、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ106、シフト位置を検出するシフトポジションセンサ107、車速を検出する車速センサ108、ブレーキが踏まれているか否かを検出するブレーキスイッチ109、及び、ブレーキペダルの踏み込み力を検出するブレーキペダルセンサ110等が通信可能に接続されている。
更に、ECU100は、各種センサの出力に基づいて、インジェクタの燃料噴射制御、点火プラグの点火時期制御、スロットルモータの駆動制御等を含むエンジン1の各種制御を実行する。また、ECU100は、各種センサの出力に基づいて、油圧制御回路8を解して、クラッチ2、トルクコンバータ4、及び、自動変速機5の動作を制御する。
次に、図5を参照して、本発明に係る「車両の制御装置」について説明する。図5は、図4に示すECU100の機能構成の一例を示す機能構成図である。図5に示すように、ECU100は、ROMに記憶された制御プログラムを読み出して実行することによって、走行モード制御部111、第1クラッチ制御部112、第2クラッチ制御部113、駆動トルク変更部114、タイミング変更部115、及び、トルク記憶部116として機能する。ここで、第1クラッチ制御部112、第2クラッチ制御部113、駆動トルク変更部114、タイミング変更部115、及び、トルク記憶部116は、本発明に係る「車両の制御装置」に相当する。
走行モード制御部111は、ハイブリッド車両HVの走行モードを制御する機能部である。以下に、ハイブリッド車両HVの走行モードの制御について説明する。なお、以下の制御は、全て走行モード制御部111によって実行される。ここでは、走行モード制御部111が、例えば、図略の制御マップに基づいて、エンジン1、MG3の駆動制御、及び、クラッチ2の継合制御を実行し、種々の走行モードを実現している。
−走行モード−
ハイブリッド車両HVは、運転状態に応じて、エンジン1とMG3とを併用又は選択使用することで、様々な走行モードを実現することができる。例えば、クラッチ2を解放状態とし、且つ、エンジン1を停止して、MG3の出力する駆動力で走行する走行モード(以下、「EV走行モード」ともいう)と、クラッチ2を継合状態とし、且つ、エンジン1を作動させて、エンジン1及びMG3の出力する駆動力を利用して走行する走行モード(以下、「HV走行モード」ともいう)とを実現可能である。
また、例えば、エンジン1を始動する場合、クラッチ2を係合させてMG3が出力する駆動力(トルク)によってエンジン1を回転させる(クランキングする)ことで、エンジン1を始動させることができる。更に、ハイブリッド車両HVの制動時にMG3を制御して回生制御を実行可能である。
すなわち、ハイブリッド車両HVは、クラッチ2を継合状態とし、エンジン1を作動させ、走行用駆動源であるエンジン1及びMG3のうち、エンジン1のクランク軸11から出力される駆動力(エンジントルク)のみを駆動輪62R、62Lに伝達させることで、エンジン1のみを用いる「エンジン走行モード」を実現することができる。
また、ハイブリッド車両HVは、エンジン1を作動させた状態で、例えば、運転者により駆動輪62R、62Lに生じることが要求される要求駆動力、MG3に供給する電力を貯蔵するバッテリ32の蓄電状態(SOC:State Of Charge)に応じてMG3を力行させるようにしてもよい。これによって、ハイブリッド車両HVは、エンジン1のクランク軸11から出力される駆動力(エンジントルク)と、MG3のロータ軸21から出力される駆動力(モータトルク)とを統合して駆動輪62R、62Lに伝達させることで、エンジン1とMG3とを併用する「HV走行モード」を実現することができる。
更に、ハイブリッド車両HVは、クラッチ2を解放状態とし、エンジン1を停止させ、走行用駆動源であるエンジン1及びMG3のうち、MG3のロータ軸21から出力される駆動力(モータトルク)のみを駆動輪62R、62Lに伝達させることで、MG3のみを用いる「EV走行モード」を実現することができる。つまり、ハイブリッド車両HVのEV走行モードでは、基本的には、エンジン1のクランク軸11とMG3のロータ軸21とがクラッチ2によって機械的に切り離された状態となり、エンジン1から駆動輪62R、62Lへのエンジントルクがクラッチ2にて機械的に遮断される状態となる。
また、ハイブリッド車両HVは、被駆動時(減速時)において、駆動輪62R、62Lから自動変速機5、トルクコンバータ4等を介して、MG3のロータ軸21に駆動力が入力され、これによって、MG3が回生によって発電し、これに伴ってロータ軸21に生じる駆動力(負のモータトルク)を駆動輪62R、62Lに伝達することで、MG3によって回生制動を行う「回生走行モード」を実現することができる。
−車両の制御装置−
第1クラッチ制御部112は、エンジン1を始動する前に、ロックアップクラッチ44をスリップ状態とする機能部である。具体的には、第1クラッチ制御部112は、例えば、走行モード制御部111によって「EV走行モード」から「HV走行モード」(又は、「エンジン走行モード」)に遷移する旨の指示情報を受け付けられたときに、エンジン1を始動する前の準備として、ロックアップクラッチ44を予め設定された目標スリップ量ΔN0とするべく制御する。ここで、目標スリップ量ΔN0とは、例えば、ポンプ回転数Npとタービン回転数Ntとの差の回転数ΔN0(例えば、70rpm)によって規定される。また、第1クラッチ制御部112は、エンジン1が始動され、クラッチ2が継合状態とされた後に、ロックアップクラッチ44を継合状態とする。
第2クラッチ制御部113は、第1クラッチ制御部112によってロックアップクラッチ44がスリップ状態とされた後に、エンジン1を始動するべく、クラッチ2を半継合状態とする機能部である。具体的には、第2クラッチ制御部113は、クラッチ2を介して、MG3の駆動力をエンジン1に伝達して、エンジン1をクランキングするべく、クラッチ2を半継合状態とする。また、第2クラッチ制御部113は、エンジン1の回転数Neがポンプ回転数Np(MG3の回転数)と一致したときに、クラッチ2を継合状態とする。
トルク記憶部116は、エンジン1のクランク角θについて予め設定された範囲(例えば、30度)毎に、MG3の駆動トルクTRを増大するときの駆動トルクの増大量である駆動トルク増大量ΔTR、及び、MG3の発生する駆動トルクを増大するタイミングであるトルク増大タイミングTUを記憶する機能部である。また、トルク記憶部116は、例えば、ECU100のROMに、ルックアップテーブル(又は、マップ)として記憶されている。
ここで、図6を参照して、トルク記憶部116について説明する。図6は、図5に示すトルク記憶部116に記憶された内容の一例を示す図表である。左側欄は、クランク角θであり、中央欄は、トルク増大タイミングTUであり、右側欄は、駆動トルク増大量ΔTRである。ここでは、初爆が最初に起こる気筒におけるピストンの停止位置を規定するクランク角θが、ピストンの上死点(θ=0の点)を中心として30度毎に区分されている。また、トルク増大タイミングTUは、例えば、第1クラッチ制御部112によってロックアップクラッチ44がスリップ状態とされた時点T0(図7〜図9参照)から、MG3の駆動トルクの増大を開始する時点(例えば、図7では時点T11)までの期間として規定されている。
また、トルク記憶部116に記憶されたトルク増大タイミングTU及び駆動トルク増大量ΔTRは、駆動トルク変更部114によって読み出される。更に、トルク記憶部116に記憶されたトルク増大タイミングTUは、タイミング変更部115によって書き換えられる。
本実施形態では、トルク増大タイミングTU及び駆動トルク増大量ΔTRが1つの機能部(ここでは、トルク記憶部116)に記憶されている場合について説明するが、トルク増大タイミングTU及び駆動トルク増大量ΔTRが、それぞれ、別々の機能部に記憶されている形態でもよい。
駆動トルク変更部114は、第1クラッチ制御部112によってロックアップクラッチ44がスリップ状態とされた後に、予め設定されたタイミングであるトルク増大タイミングTUで、MG3の発生する駆動トルクTRを増大する機能部である。
具体的には、駆動トルク変更部114は、第1クラッチ制御部112によってロックアップクラッチ44がスリップ状態とされた後に、クランク角センサ101を介してクランク角θを検出し、検出されたクランク角θに対応するトルク増大タイミングTU及び駆動トルク増大量ΔTRをトルク記憶部116から読み出す。例えば、クランク角θが「0」である場合には、トルク増大タイミングTU7及び駆動トルク増大量ΔTR7が読み出される(図6参照)。そして、駆動トルク変更部114は、トルク記憶部116から読み出されたトルク増大タイミングTUで、MG3の発生する駆動トルクTRをトルク記憶部116から読み出された駆動トルク増大量ΔTRだけ増大する。
このようにして、エンジン1のクランク角θについて予め設定された範囲(ここでは、30度)毎に、MG3の駆動トルクを増大するときの駆動トルクの増大量である駆動トルク増大量ΔTRがトルク記憶部116に記憶されており、トルク記憶部116からエンジン1のクランク角θが含まれるエンジン1のクランク角θの範囲に記憶された駆動トルク増大量ΔTRが読み出されて、読み出された駆動トルク増大量ΔTRだけMG3の発生する駆動トルクが増大されるため、トルク記憶部116にエンジン1のクランク角θについて予め設定された範囲毎に、適正な駆動トルク増大量ΔTRを記憶することによって、MG3の発生する駆動トルクを適正な量だけ増大することができる。
すなわち、クランク角θによって規定され、初爆が最初に起こる気筒におけるピストンの停止位置が上死点(ここでは、クランク角θ=「0」の位置)に近い程、コンプレッショントルクが小さいため、エンジン1のクランキングトルクが小さくなり、駆動トルク増大量ΔTRが小さな値となる。したがって、エンジン1のクランク角θについて予め設定された範囲(例えば、30度)毎に、適正な駆動トルク増大量ΔTRをトルク記憶部116に記憶することによって、MG3の発生する駆動トルクを適正な量だけ増大することができるのである。
本実施形態では、駆動トルク増大量ΔTR及びトルク増大タイミングTUが、クランク角θの範囲(ここでは、30度)毎に、トルク記憶部116に記憶されている場合について説明するが、駆動トルク増大量ΔTR及びトルク増大タイミングTUが、それぞれ1つだけトルク記憶部116に記憶されている形態でもよい。この場合には、トルク記憶部116を記憶する記憶容量を削減すると共に、処理を簡素化することができる。
タイミング変更部115は、駆動トルク変更部114によってMG3の発生する駆動トルクが増大されたときのロックアップクラッチ44のスリップ量ΔNを、予め設定された目標スリップ量ΔN0(例えば、70rpm)と比較することによって、トルク増大タイミングTUを変更する機能部である。
具体的には、タイミング変更部115は、トルク増大タイミングTUを、第2クラッチ制御部113によってクラッチ2が半継合状態とされるタイミングと一致させるべく、トルク増大タイミングTUを変更する。
このように、トルク増大タイミングTUをクラッチ2が半継合状態とされるタイミングと一致させるべく、トルク増大タイミングTUが変更されるため、トルク増大タイミングTUを適正に修正することができるので、始動ショックを低減することができる。
すなわち、クラッチ2が半継合状態にされると、MG3によって停止状態のエンジン1が駆動される(いわゆる、クランキングされる)ため、クラッチ2が半継合状態とされるタイミングで、エンジン1を駆動するために必要なトルク分だけMG3の発生する駆動トルクを増大する必要がある。したがって、トルク増大タイミングTUをクラッチ2が半継合状態とされるタイミングと一致させるべく、トルク増大タイミングTUを変更することによって、トルク増大タイミングTUを適正に修正することができる(図9参照)ので、始動ショックを低減することができるのである。
更に具体的には、タイミング変更部115は、MG3の発生する駆動トルクTRが増大されたときのロックアップクラッチ44のスリップ量ΔNが目標スリップ量ΔN0より大きい場合には、トルク増大タイミングTUを遅延させる。また、逆に、MG3の発生する駆動トルクTRが増大されたときのロックアップクラッチ44のスリップ量ΔNが目標スリップ量ΔN0より小さい場合には、タイミング変更部115は、トルク増大タイミングTUを早める。更に、タイミング変更部115は、ロックアップクラッチ44のスリップ量ΔNから目標スリップ量ΔN0を減じた差に基づいて、トルク増大タイミングTUを変更する。
図7を用いて後述するように、トルク増大タイミングTUが早過ぎる場合には、MG3の発生する駆動トルクTRが増大されたときのロックアップクラッチ44のスリップ量ΔNが、目標スリップ量ΔN0よりも大きくなる。したがって、MG3の発生する駆動トルクTRが増大されたときのロックアップクラッチ44のスリップ量ΔNが、目標スリップ量ΔN0よりも大きい場合には、トルク増大タイミングTUを遅延させることによって、トルク増大タイミングTUを適正に修正することができる。
また、図8を用いて後述するように、トルク増大タイミングTUが遅過ぎる場合には、MG3の発生する駆動トルクTRが増大されたときのロックアップクラッチ44のスリップ量ΔNが、目標スリップ量ΔN0よりも小さくなる。したがって、MG3の発生する駆動トルクTRが増大されたときのロックアップクラッチ44のスリップ量ΔNが、目標スリップ量ΔN0よりも小さい場合には、トルク増大タイミングTUを早めることによって、トルク増大タイミングTUを適正に修正することができる。
更に、図7から推定できるように、MG3の発生する駆動トルクTRが増大されたときのロックアップクラッチ44のスリップ量ΔNが目標スリップ量ΔN0より大きい場合に、その差が大きい程、トルク増大タイミングTUを大幅に遅延させればよい。同様に、図8から推定できるように、MG3の発生する駆動トルクTRが増大されたときのロックアップクラッチ44のスリップ量ΔNが目標スリップ量ΔN0より小さい場合に、その差が大きい程、トルク増大タイミングTUを大幅に早めればよい。したがって、ロックアップクラッチ44のスリップ量ΔNから目標スリップ量ΔN0を減じた差の絶対値が大きい程、トルク増大タイミングTUを大幅に変更することによって、トルク増大タイミングTUを適正に修正することができる。
例えば、タイミング変更部115は、次の(1)式によって、トルク増大タイミングTUを変更する。
TU←TU+(ΔN−ΔN0)×G (1)
ここで、ゲインGは、正の定数であって、実験等によって適正な値が探索されて、設定される。そして、タイミング変更部115は、トルク記憶部116においてエンジン1のクランク角θに対応する区分に記憶されたトルク増大タイミングTUを、変更されたトルク増大タイミングTUに書き換える。
このように、トルク記憶部116に記憶されたトルク増大タイミングTUのうち、エンジン1のクランク角θに対応する区分のトルク増大タイミングTUが書き換えられるため、トルク増大タイミングTUを適正に修正することができる。
すなわち、クランク角θによって規定され、初爆が最初に起こる気筒におけるピストンの停止位置が上死点に近い程、コンプレッショントルクが小さいため、エンジン1のクランキングトルクが小さくなり、駆動トルク増大量ΔTRが小さな値となるため、適正なトルク増大タイミングTUが遅くなる。したがって、エンジン1のクランク角θについて予め設定された範囲(例えば、30度)毎に区分されて、トルク増大タイミングTUが書き換えられる(すなわち、学習される)ため、トルク増大タイミングTUを適正に修正することができるのである。
なお、タイミング変更部115は、次の(2)式、及び、(3)式を満たさない場合には、上記(1)式によるトルク増大タイミングTUの変更(すなわち、学習)を行わない。
ΔN−ΔN0≧SLA (2)
ΔN−ΔN0≦SLB (3)
ここで、定数SLAは、正の値であり、定数SLBは負の値であって、定数SLA及び定数SLBは、例えば、ポンプ回転数Np及びタービン回転数Ntの検出精度に基づいて設定される。すなわち、スリップ量ΔNから目標スリップ量ΔN0を減じた差の絶対値が、スリップ量ΔN(=(ポンプ回転数Np)−(タービン回転数Nt))の検出精度と同程度であれば、トルク増大タイミングTUの変更を行わない。
このように、タイミング変更部115が、トルク増大タイミングTUの学習において、いわゆる「バンド制御」を行うことによって、トルク増大タイミングTUの不要な学習を禁止して、且つ、学習結果を安定させることができる。
次に、図7〜図9を参照して、トルク増大タイミングTUの影響について説明する。図7は、図5に示すトルク記憶部116に記憶されたトルク増大タイミングTUが早過ぎる場合の図1に示す車両のパワートレーンの動作の一例を示すタイミングチャートである。図8は、図5に示すトルク記憶部116に記憶されたトルク増大タイミングTUが遅過ぎる場合の図1に示す車両のパワートレーンの動作の一例を示すタイミングチャートである。図9は、図5に示すトルク記憶部116に記憶されたトルク増大タイミングTUが適正である場合の図1に示す車両のパワートレーンの動作の一例を示すタイミングチャートである。なお、図7〜図9において、横軸は全て時間である。
まず、図7について説明する。グラフG11は、ポンプ回転数Npを示すグラフであり、グラフG12は、タービン回転数Ntを示すグラフであり、グラフG13は、エンジン回転数Neを示すグラフである。また、グラフG14は、MG3の発生する駆動トルクTRを示すグラフであり、グラフG15は、クラッチ2の伝達トルクを示すグラフであり、グラフG16は、ロックアップクラッチ44の伝達トルクを示すグラフである。
時点T0において、ロックアップクラッチ44が継合状態から半継合状態とされる。そして、時点T11において、MG3の発生する駆動トルクTRの増大が開始される。次に、時点T12において、クラッチ2の解放状態から半継合状態への変化が開始され、時点T13において、クラッチ2が半継合状態となる。そして、時点T14において、MG3の発生する駆動トルクTRの増大が終了され、時点T15において、グラフG13に示すエンジン回転数Neが、グラフG11に示すポンプ回転数Npと一致するため、クラッチ2が完全継合状態とされる。
図7に示すように、時点T11から時点T13までの期間においては、クラッチ2が半継合状態となっていないにも拘わらず、MG3の発生する駆動トルクTRの増大される(すなわち、トルク増大タイミングTUが早過ぎる)ため、ポンプ回転数Npが増大し、ポンプ回転数Npとタービン回転数Ntとの差(すなわち、ロックアップクラッチ44のスリップ量)ΔNが目標スリップ量ΔN0よりも大きくなる。
次に、図8について説明する。グラフG21は、ポンプ回転数Npを示すグラフであり、グラフG22は、タービン回転数Ntを示すグラフであり、グラフG23は、エンジン回転数Neを示すグラフである。また、グラフG24は、MG3の発生する駆動トルクTRを示すグラフであり、グラフG25は、クラッチ2の伝達トルクを示すグラフであり、グラフG26は、ロックアップクラッチ44の伝達トルクを示すグラフである。
時点T0において、ロックアップクラッチ44が継合状態から半継合状態とされる。そして、時点T21において、クラッチ2の解放状態から半継合状態への変化が開始される。次に、時点T22において、MG3の発生する駆動トルクTRの増大が開始され、時点T23において、MG3の発生する駆動トルクTRが駆動トルク増大量ΔTRだけ増大される。そして、時点T24において、MG3の発生する駆動トルクTRの増大が終了され、時点T25において、グラフG23に示すエンジン回転数Neが、グラフG21に示すポンプ回転数Npと一致するため、クラッチ2が完全継合状態とされる。
図8に示すように、時点T21から時点T23までの期間においては、クラッチ2が半継合状態となっているにも拘わらず、MG3の発生する駆動トルクTRが増大されていない(すなわち、トルク増大タイミングTUが遅過ぎる)ため、ポンプ回転数Npが減少し、ポンプ回転数Npとタービン回転数Ntとの差(すなわち、ロックアップクラッチ44のスリップ量)ΔNが目標スリップ量よりも小さくなる。
最後に、図9について説明する。グラフG31は、ポンプ回転数Npを示すグラフであり、グラフG32は、タービン回転数Ntを示すグラフであり、グラフG33は、エンジン回転数Neを示すグラフである。また、グラフG34は、MG3の発生する駆動トルクTRを示すグラフであり、グラフG35は、クラッチ2の伝達トルクを示すグラフであり、グラフG36は、ロックアップクラッチ44の伝達トルクを示すグラフである。
時点T0において、ロックアップクラッチ44が継合状態から半継合状態とされる。そして、時点T31において、クラッチ2の解放状態から半継合状態への変化が開始されると共に、MG3の発生する駆動トルクTRの増大が開始される。次に、時点T32において、クラッチ2が半継合状態となると共に、MG3の発生する駆動トルクTRが駆動トルク増大量ΔTRだけ増大される。そして、時点T33において、MG3の発生する駆動トルクTRの増大が終了され、時点T34において、グラフG33に示すエンジン回転数Neが、グラフG31に示すポンプ回転数Npと一致するため、クラッチ2が完全継合状態とされる。
図9に示すように、トルク増大タイミングTUが、クラッチ2が半継合状態とされるタイミングと一致している(すなわち、トルク増大タイミングTUが適正である)ため、ポンプ回転数Npとタービン回転数Ntとの差(すなわち、ロックアップクラッチ44のスリップ量)ΔNが目標スリップ量に一致した状態が維持される。
−ECU100の動作−
次に、図10、図11を参照して、本発明に係るECU100の動作を説明する。図10は、図5に示すECU100の動作の一例を示すフローチャート(前半部)であって、図11は、図5に示すECU100の動作の一例を示すフローチャート(後半部)である。まず、図10に示すように、第1クラッチ制御部112によって、走行モード制御部111から、「EV走行モード」から「HV走行モード」(又は、「エンジン走行モード」)に遷移する旨の指示情報を受け付けられたか否かの判定が行われる(ステップS101)。ステップS101でNOの場合には、処理が待機状態とされる。ステップS101でYESの場合には、処理がステップS103へ進められる。
そして、駆動トルク変更部114によって、エンジン1のクランク角θが検出される(ステップS103)。次いで、駆動トルク変更部114によって、ステップS103において検出されたクランク角θに対応するトルク増大タイミングTU及び駆動トルク増大量ΔTRがトルク記憶部116から読み出される(ステップS105)。次に、第1クラッチ制御部112によって、ロックアップクラッチ44をスリップ状態とする旨の指示情報が出力される(ステップS107)。そして、第2クラッチ制御部113によって、クラッチ2を半継合状態とする旨の指示情報が出力される(ステップS109)。
次に、駆動トルク変更部114によって、トルク増大タイミングTUに到達したか否かの判定が行われる(ステップS111)。ステップS111でNOの場合には、処理が待機状態とされる。ステップS111でYESの場合には、処理がステップS113へ進められる。そして、駆動トルク変更部114によって、MG3の発生する駆動トルクTRが、ステップS105で読み出された駆動トルク増大量ΔTRだけ増大される(ステップS113)。
そして、図11に示すように、タイミング変更部115によって、上記(2)式を満たすか否かの判定が行われる(ステップS115)。ステップS115でYESの場合には、処理がステップS119へ進められる。ステップS115でNOの場合には、処理がステップS117へ進められる。次いで、タイミング変更部115によって、上記(3)式を満たすか否かの判定が行われる(ステップS117)。ステップS117でYESの場合には、処理がステップS119へ進められる。ステップS117でNOの場合には、処理がステップS121へ進められる。
ステップS115でYESの場合、又は、ステップS117でYESの場合には、タイミング変更部115によって、上記(1)式によって、トルク増大タイミングTUが変更される(=学習される)(ステップS119)。そして、処理がステップS121へ進められる。
ステップS117でNOの場合、又は、ステップS119の処理が終了した場合に、エンジン1の回転数Neがポンプ回転数Np(MG3の回転数)と一致したときに、第2クラッチ制御部113によって、クラッチ2が継合状態とされる(ステップS121)。そして、第1クラッチ制御部112によって、ロックアップクラッチ44が継合状態に戻されて(ステップS123)、処理が図10に示すステップS101に戻され、ステップS101以降の処理が繰り返し実行される。
このようにして、MG3と自動変速機5との間に介設されたロックアップクラッチ44がスリップ状態とされた後に、エンジン1を始動するべくクラッチ2が半継合状態とされる。また、ロックアップクラッチ44がスリップ状態とされた後に、予め設定されたタイミングであるトルク増大タイミングTUで、MG3の発生する駆動トルクが増大される。そして、MG3の発生する駆動トルクが増大されたときのロックアップクラッチ44のスリップ量ΔNが、予め設定された目標スリップ量ΔN0と比較されて、トルク増大タイミングTUが変更されるため、始動ショックを低減することができる。
すなわち、トルク増大タイミングTUが早過ぎる場合には、MG3によって増大されたトルクがロックアップクラッチ44に伝達されて、ロックアップクラッチ44のスリップ量ΔNが増大する。逆に、トルク増大タイミングTUが遅過ぎる場合には、クラッチ2が半継合状態とされることによってMG3の回転数Npが低下して、ロックアップクラッチ44のスリップ量ΔNが減少する。このように、ロックアップクラッチ44のスリップ量ΔNによってトルク増大タイミングTUの修正すべき方向が判る。したがって、ロックアップクラッチ44のスリップ量ΔNを目標スリップ量ΔN0と比較してトルク増大タイミングTUを変更することによって、トルク増大タイミングTUを適正に修正することができるので、始動ショックを低減することができるのである。
−他の実施形態−
本実施形態においては、「車両の制御装置」が、第1クラッチ制御部112、第2クラッチ制御部113、駆動トルク変更部114、タイミング変更部115、及び、トルク記憶部116等の機能部を備える場合について説明したが、第1クラッチ制御部112、第2クラッチ制御部113、駆動トルク変更部114、タイミング変更部115、及び、トルク記憶部116のうち、少なくとも1つが、電子回路等のハードウェアで構成されている形態でもよい。
また、本実施形態では、自動変速機5が、前進4段、後進1段の自動変速機である場合について説明したが、自動変速機5が、その他の種類の有段式自動変速機でもよいし、無段式自動変速機(Continuously Variable Transmission:CVT)でもよい。
本発明は、走行用の駆動力を発生する内燃機関と、当該内燃機関の駆動力伝達経路の下流側に摩擦クラッチを介して配設され、走行用の駆動力を発生する電動機と、当該電動機の駆動力伝達経路の下流側にロックアップクラッチを介して配設され、前記内燃機関及び電動機の駆動力を変速する自動変速機と、を備える車両の制御装置に利用することができる。
1 エンジン(内燃機関)
2 クラッチ(摩擦クラッチ)
3 モータジェネレータ(電動機)
4 トルクコンバータ
44 ロックアップクラッチ
5 自動変速機
6 デファレンシャル装置
7 オイルポンプ
8 油圧制御回路
101 エンジン回転数センサ(クランク角センサ)
102 ポンプ回転数センサ(モータジェネレータ回転数センサ)
103 タービン回転数センサ
104 出力軸回転数センサ
105 スロットル開度センサ
106 アクセル開度センサ
107 シフトポジションセンサ
108 車速センサ
109 ブレーキスイッチ
110 ブレーキペダルセンサ
100 ECU
111 走行モード制御部
112 第1クラッチ制御部
113 第2クラッチ制御部
114 駆動トルク変更部
115 タイミング変更部
116 トルク記憶部

Claims (8)

  1. 走行用の駆動力を発生する内燃機関と、当該内燃機関の駆動力伝達経路の下流側に摩擦クラッチを介して配設され、走行用の駆動力を発生する電動機と、当該電動機の駆動力伝達経路の下流側にロックアップクラッチを介して配設され、前記内燃機関及び電動機の駆動力を変速する自動変速機と、を備え、
    前記ロックアップクラッチをスリップ状態とし、
    前記ロックアップクラッチがスリップ状態とされた後に、前記内燃機関を始動するべく、前記摩擦クラッチを半継合状態とし、
    前記ロックアップクラッチがスリップ状態とされた後に、予め設定されたタイミングであるトルク増大タイミングで、前記電動機の発生する駆動トルクを増大する車両の制御装置であって、
    前記電動機の発生する駆動トルクが増大されたときの前記ロックアップクラッチのスリップ量を、予め設定された目標スリップ量と比較することによって、前記トルク増大タイミングを変更することを特徴とする車両の制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両の制御装置において、
    前記トルク増大タイミングを前記摩擦クラッチが半継合状態とされるタイミングと一致させるべく、前記トルク増大タイミングを変更することを特徴とする車両の制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両の制御装置において、
    前記電動機の発生する駆動トルクが増大されたときの前記ロックアップクラッチのスリップ量が前記目標スリップ量より大きい場合に、前記トルク増大タイミングを遅延させることを特徴とする車両の制御装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の車両の制御装置において、
    前記電動機の発生する駆動トルクが増大されたときの前記ロックアップクラッチのスリップ量が前記目標スリップ量より小さい場合に、前記トルク増大タイミングを早めることを特徴とする車両の制御装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の車両の制御装置において、
    前記ロックアップクラッチのスリップ量から前記目標スリップ量を減じた差に基づいて、前記トルク増大タイミングを変更することを特徴とする車両の制御装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の車両の制御装置において、
    前記内燃機関のクランク角について予め設定された範囲毎に、前記電動機の駆動トルクを増大するときの駆動トルクの増大量である駆動トルク増大量を記憶しており、
    前記内燃機関のクランク角が含まれる前記内燃機関のクランク角の範囲に記憶された前記駆動トルク増大量を読み出して、読み出された前記駆動トルク増大量だけ前記電動機の発生する駆動トルクを増大することを特徴とする車両の制御装置。
  7. 請求項6に記載の車両の制御装置において、
    前記内燃機関のクランク角の前記範囲毎に、前記トルク増大タイミングを更に記憶しており、
    前記内燃機関のクランク角が含まれる前記内燃機関のクランク角の前記範囲に記憶された前記トルク増大タイミングを読み出して、読み出された前記トルク増大タイミングで、前記電動機の発生する駆動トルクを増大することを特徴とする車両の制御装置。
  8. 請求項7に記載の車両の制御装置において、
    記憶された前記トルク増大タイミングのうち、前記内燃機関のクランク角が含まれる前記内燃機関のクランク角の前記範囲に記憶された前記トルク増大タイミングを書き換えることを特徴とする車両の制御装置。
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