JP5672992B2 - プラスチック表面の親水化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プラズマ処理を利用してプラスチック材料の表面を親水化するプラスチック表面の親水化方法に関する。
プラスチックのような高分子材料は、軽量であり、低コストで容易に加工できることから、身の回りの様々な製品の製造原料として利用されている。中でも、飲食品等を収容する容器や包装の多くはプラスチック製であるが、元来、プラスチックは疎水性材料であるので、そのままでは接着や印刷を施すことができない。このため、高分子材料の接着性や印刷性を向上させることを目的として、コロナ放電やプラズマを用いた表面処理が試みられている。
例えば、下記特許文献1では、フッ素系樹脂表面の接着性等の低さを改善するために、プラズマエッチング、イオンビームエッチング、コロナ放電処理等の方法を用いてフッ素系樹脂の表面粗さを増大させた後に、親水性薄膜を形成することを提案し、シリコン系親水性薄膜を形成したことによってフッ素系樹脂表面の親水性が改善されることを記載する。また、下記特許文献2では、酸素ガスを用いて形成した高い電子密度のプラズマにプラスチックを曝すことによってプラスチックの表面の親水性を向上させる方法を記載する。
特許第3274669号公報 特開2003−342400号公報
上記特許文献1の方法では、付与された親水性を持続可能な期間は薄膜の表面接着性に依存すると考えられるが、この点については不明であり、親水性がどの程度維持可能であるかは定かでない。
上記特許文献2では、ポリエステル表面の向上した親水性が15日間維持されたことを記載するが、ポリプロピレンについては親水化されないことが記載されており、この方法は、ポリエステル素材に限定された方法である。従って、ポリエステル以外のプラスチックについて適用可能で、プラスチック素材表面の親水性を長期間持続可能な親水化方法について開発する必要がある。
本発明の課題は、上述の問題を解決し、スチレン樹脂やポリオレフィン等の汎用性プラスチック素材に適用可能で、表面に付与される親水性が長期間持続可能なプラスチック表面の親水化方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、ガスプラズマを発生させる条件によって、プラスチック表面に付与される親水性の経時劣化を抑制可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の一態様によれば、プラスチック表面の親水化方法は、プラズマ発生位置との距離がイオン種の平均自由工程より小さくなる位置にプラスチックを配置し、希ガスを1.0×10 −2 Torr以下のガス圧で供給してプラズマを発生させてイオンをプラスチック表面に作用させる前処理と、親水基の導入原料となるガスを供給してプラズマを発生させてラジカルを選択的にプラスチック表面に作用させる親水化処理とを有することを要旨とする。
本発明によれば、疎水性プラスチックの表面改質を効率よく行い、プラスチック表面に付与される親水性の経時劣化を抑制して長期間の持続を可能とし、高品質な素材を製造することができるので、生体適合性を要する医療関連分野や、部品等の耐用年数を確保するために耐久性の高いプラスチック素材の親水化を必要とする様々な装置・器機分野において有用なプラスチック素材を提供できる。
本発明に係るプラスチック表面の親水化方法を実施可能なプラズマ発生装置の一実施形態を示す概略構成図。 本発明に係るプラスチック表面の親水化方法における親水化処理の効果を示すグラフ。 本発明に係るプラスチック表面の親水化方法における前処理の効果を示すグラフ。 本発明に係るプラスチック表面の親水化方法による表面の変化を示すスペクトル。 本発明に係るプラスチック表面の親水化方法の前処理におけるガス圧の影響を示すグラフ。 本発明に係るプラスチック表面の親水化方法の前処理における被処理***置の影響を示すグラフ。 本発明に係るプラスチック表面の親水化方法の前処理におけるガスの種類による影響を示すグラフ。
一般に、気体分子に電圧を付加すると、ある電圧において気体の絶縁が破壊され、高い運動エネルギーを持った電子の衝撃を受けた気体分子が解離して、電子、ラジカル、イオン、或いは励起電子等の化学種を含んだプラズマ状態を形成する。この中で、イオン種は、失速電子との再結合によって急速に消滅するが、ラジカル種は、これらに比べて寿命が長い。従って、高圧系でのプラズマ処理では、イオン種の平均自由工程が小さく、この内に被処理体を配置することが困難であるため、実質的にラジカル種による処理となるが、低圧系でのプラズマ処理では、被処理体の配置条件によって、イオン種の平均自由工程内におけるイオン種及びラジカル種の共存処理になる場合と、イオン種の平均自由工程外におけるラジカル種単独による処理になる場合とに分かれる。
本願発明者等は、プラスチック被処理体をプラズマ処理する際のプラズマ発生条件を様々に変化させてプラスチック表面の親水化処理を試みたところ、特定の条件において処理した場合にプラスチック表面に施された親水性を長期間持続させることが可能であり、それがプラズマの化学種に関係することを見出した。具体的には、本発明のプラスチック表面の親水化方法は、プラスチック被処理体にイオン種が作用可能な状態でプラズマを供給する前処理と、プラスチック被処理体にラジカル種が単独で作用可能な状態でプラズマを供給する親水化処理とを施すことを特徴とする。前処理では、プラズマ中のイオン種が被処理体に作用することが肝要であり、親水化処理では、被処理体にラジカル種が選択的に作用してイオン種は実質的に作用しないことが肝要である。
本発明において前処理のイオン種がどの様に機能するかは定かでない点が多いが、イオン種の衝突によって、ラジカル種と反応し易い活性サイトが生成することで、後続の親水化(親水基の導入)が促進されることや、イオン種はラジカル種に比べて被処理体の深部までエネルギーを供給し易く、深部の空隙の充填や緻密化、或いは、後続の親水化処理においてラジカル種の被処理体深部への反応及び親水基導入を促進することなどが考えられる。
本発明のプラスチック表面の親水化方法について、図面を参照して、以下に詳細に説明する。
(親水化処理方法を実施する装置)
本発明のプラスチック表面の親水化処理方法は、プラズマを発生可能な装置を用いて実施され、装置の作動条件を前処理及び親水化処理の各条件に設定可能であればよい。装置の一例として、例えば、図1のようなECRプラズマ発生装置等が挙げられる。図1のECRプラズマ発生装置1は、プラスチック製の被処理体Sを支持するための台3及びコイル5を備えるチャンバ7を有し、真空ポンプ(図示略)等を用いて排気口9から脱気することによってチャンバ7内は減圧され、ガス導入口11から供給するガス量を調節することによってチャンバ内圧を制御可能に構成されている。マイクロ波発生装置13によって発生されるマイクロ波は、方向性結合器15及びチューナー17によって波動方向及び周波数が調節され、導波管19を介してチャンバ上部の石英窓21からチャンバ7内に導入され、コイル5による磁場とマイクロ波とによる電子サイクロトロン共鳴(ECR)によって、コイル5内側にプラズマPが発生する。エネルギーを得たガス分子中の電子が原子と解離し、若しくは、ガス分子と衝突し、中性分子(又は原子)やイオン(荷電粒子)が生成する。
プラズマ中の分子又は原子の存在範囲は、平均自由工程として求めることができ、前述したように、プラズマ中のイオン種は、ラジカル種より平均自由工程が小さいので、プラズマの発生位置と被処理体との距離によって、被処理体に到達する化学種の割合が変化する。具体的には、プラズマ発生位置と被処理体との距離がイオン種の平均自由工程内であれば、ラジカル種及びイオン種が到達し、距離が伸びるに従ってイオン種の到達量は減少する。イオン種の平均自由工程外では、イオン種は到達せずラジカル種が到達する。平均自由工程は、下記式に従って求めることができ(式中、R:気体定数、T:温度、NA:アボガドロ数、σ:衝突断面積、p:圧力)、ガスの圧力が低下すれば、平均自由工程は増大するので、プラズマを発生させるガス圧によっても、被処理体に到達する化学種の制御は可能である。
平均自由工程λ=RT/(21/2×NA×σ×p)
従って、プラズマ発生位置(つまりコイル内側)と被処理体との距離をチャンバ7内の台3の位置の調節によって変更可能に構成したプラズマ発生装置や、チャンバ内のガス圧の調節によってイオン種の平均自由工程を変更可能に構成したプラズマ発生装置においては、本発明の親水化処理方法における前処理及び親水化処理の両方を好適に実施することができる。プラズマ発生位置と被処理体との距離の変更においては、前処理における距離は親水化処理における距離より短くなり、ガス圧の調節においては、前処理におけるガス圧は、親水化処理におけるガス圧より低く調節され、低いガス圧においてイオン種の到達可能距離が長くなる。
(前処理)
前処理においては、プラズマ発生位置と被処理体との距離がイオン種の平均自由工程より小さくなる位置に被処理体を配置してプラズマを発生させ、イオン種を被処理体に作用させる。プラズマ中のイオン種は、ラジカル種に比べて寿命が短いので、失速電子との再結合によって急速に消滅し、平均自由工程が小さいが、被処理体をイオン種の平均自由工程内に配置すれば、前処理の効果が得られる。従って、プラズマを発生させるガス圧に関わらず、イオン種の平均自由工程内に被処理体を配置可能である限り、前処理を施すことは可能である。但し、実用的には、ガス圧を低下させて平均自由工程を増加させると、プラズマが拡散してイオン種の到達を調整し易く、条件設定が行い易い。従って、前処理において低いガス圧を適用すると、処理条件を適切に調節してイオン種を良好に被処理体に作用させることが容易である。このような点から、好ましくは1.0×10-2Torr以下、より好ましくは5.0×10-3Torr以下のガス圧に設定すると好適である。前処理においてプラズマ発生に使用するガスは、被処理体に対して不活性なガスが好適であり、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン等の希ガスが好ましく、これらの希ガスを単独又は2種以上を組み合わせて用いても良い。中でもアルゴン及びヘリウムが好ましく、アルゴンが最も有効であり、後続の親水化処理によって付与される親水性を長期間持続させる効果が高い。前処理に供給されるガスは、上述の不活性なガス以外のガスを含んでも良いが、希ガスの割合が低下するとそのイオン種の作用が低下するので、希ガスの割合(全ガス流量比)は、好ましくは75%以上、より好ましくは90%以上であると良い。
前処理においては、イオン種だけでなくラジカル種も被処理体に作用し、被処理体表面ではイオン種の物理的作用とラジカル種の化学的作用が競合する。イオン種の物理的作用によって、巨視的には被処理体表面積を増加し、微視的には高分子鎖の破断や表面水素の解離等を生じて活性サイトを増加し、ラジカルとの反応を容易にする。アルゴンイオンは、ラジカル種や酸素由来の化学種に比べて重いので、プラズマ発生部位より下方に配置する被処理体はアルゴンイオンの作用を受け易い。
チャンバに供給されるガスが、酸素や窒素等の親水化作用を有するガスを含んでいると、酸素ラジカル等による化学的作用により親水基の導入反応も同時に進行し得る。しかし、実際には親水基の導入効率は低く、その原因は定かではないが、イオン種とラジカル種とが競合する状態では、ラジカル種によって被処理体表面に導入された官能基が、イオン種によって脱離したり、活性化・分解したりすると考えられる。
前処理は、被処理体表面を活性化させる処理であるので、他のエネルギー供給手段を併用しても良く、例えば、紫外線等の放射線照射を前処理中に施してもよい。
(親水化処理)
プラスチック表面の親水化は、親水基の導入が無くても可能であり、希ガスプラズマによる処理では、表面の粗面化によって親水性が高まる。しかし、この効果のみでは十分ではなく、プラスチック表面の水に対する接触角が20度程度以下に低下するような親水化には親水基の導入が必要である。このためには、親水化作用を有するガスが用いられ、チャンバに親水化作用を有するガスを供給してプラズマを発生させる。親水化作用を有するガスは、親水基の由来となる原料ガスを含有し、原料ガスから生成するラジカル種がプラスチック被処理体の表面に衝突して化学反応により親水基が導入される。親水基の原料となる原料ガスとしては、酸素、窒素、二酸化炭素等が挙げられるが、導入される親水基が付与する親水性の高さの点において、特に酸素が好ましく、水酸基、カルボニル基等が導入される。チャンバに供給するガスは、原料ガス単独である必要はなく、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン等の希ガスを含む混合ガスであっても良く、この場合、原料ガスの割合が高い方が処理効率は高い。従って、原料ガス/希ガスの混合ガスを用いて好適に親水化するには、原料ガスの割合が、好ましくは20%程度以上(全ガス流量比)、より好ましくは50%程度以上であるとよい。親水化処理は、ガス圧が高い方が進行し易い傾向があり、この傾向は、混合ガスを用いた場合により顕著になる。このような傾向が生じる理由は、ガス圧が高いと被処理体に入射するラジカルの選択性が高くなり、ラジカル種による化学的作用、つまり、親水基導入を受け易いことによると考えられる。従って、親水化処理におけるガス圧は、ラジカル種を被処理体に好適に作用させるために、好ましくは0.01Torr程度以上、より好ましくは0.1Torr程度以上に調節するとよく、大気圧でのプラズマ処理による親水化処理は有用である。低圧における親水化処理は、イオンが到達し得る領域外に被処理体を配置することによって可能であるが、処理効率の点からガス圧が高い方が良い。
被処理体にイオン種を作用させる前処理においては、イオン種とラジカル種とが競合するので、前処理と親水化処理とを同時に施す可能性が期待される。しかし、イオン種による前処理の効果は、酸素ガスを単独で用いた場合には充分に得られず、処理後の親水性は経時劣化し易い。このため、供給ガスはアルゴン等の希ガスを含む必要があるが、酸素及びアルゴンの混合ガスを用いたプラズマによってイオン種を作用させると、ラジカル種によって導入される親水基がイオン種の作用によって脱離等を起こし、親水化は困難になる。このため、前処理及び親水化処理の同時実施は困難であり、イオン種が作用した後にはラジカル種が選択的に作用することが肝要である。
従って、前処理とは分離した親水化処理が必要であり、前処理において親水化処理が同時進行するような条件(原料ガス由来ラジカルと希ガスイオンが競合する)の場合でも、この後に親水化処理単独(ラジカル種の選択的作用)の状態を確保する必要がある。
ラジカル種は、反応性が高いが、被処理体に衝突した際に与えるエネルギーは比較的小さく、被処理体に対する作用は表面近辺に限られると考えられる。これに対し、イオン種は、ラジカル種に比べて重く、被処理体に衝突した際に与えるエネルギーが大きいので、被処理体深部にまでエネルギーが伝播すると考えられる。このことから、被処理体に付与された親水性が経時劣化する現象は、イオン種のみが作用し得る領域又は機能に関連すると思われ、例えば、イオン種の衝突によって被処理体の表面が粗面化すると共に深部の材料構造(空隙等)を変化させ、表面に導入された親水基が徐々に内部に潜り込み難くすることや、イオン種によって被処理体深部に供給されたエネルギーによって深部が活性化して、後続の親水化処理において深部に親水基が導入され易くなり、表面の親水基が内部に潜り込むのを抑制すること等が考えられる。
ラジカル種の選択的作用による親水化処理は、単に親水基の導入だけでなく、前処理によって被処理体に供給されたエネルギーを消費して被処理体を安定な状態に戻す機能もあると考えられる。イオン種の作用によって被処理体に供給されたエネルギーは、被処理体深部や表面の有機基等を活性化するので、そのままでは、被処理体表面に親水基があっても残留エネルギーによる影響を受けて、表面の親水性が失われるとが考えられるが、ラジカル種の選択的作用によって残留エネルギーが消費されると、親水基の安定性が高まると思われる。
(実施形態及び応用)
上述から、本発明の親水化方法の一実施形態として以下のような手順が挙げられる。この実施形態においては、前処理に供給するガスとしてアルゴンガスが、親水基を導入する原料ガスとして酸素ガスが用いられる。
チャンバ7内において、コイル5の約30cm下方に被処理体としてプラスチック基板を配置する。真空ポンプでチャンバ7内を排気しながら、チャンバ内圧が3×10-3Torr程度となるようにアルゴンガスを導入し、マイクロ波発振器15を作動させてプラズマを生成し、被処理体をばく露する(前処理)。この後に連続して、チャンバ内圧が0.1Torr程度となるように酸素、又は、アルゴン/酸素混合ガスを導入してプラズマを生成し、被処理体をばく露する(親水化処理)。
コイル内側で生じたプラズマは被処理体上方に局在する。イオン種はラジカル種に比べて寿命が短いため、低圧の前処理では被処理体に到達するが、内圧を高めた親水化処理では、被処理体への到達前に殆ど消失するので、ラジカル種のみが選択的に被処理体に作用する。前処理で生成した活性サイトに酸素ラジカルが選択的に作用して親水基が導入され、活性サイトは安定化する。これにより、親水性が付与されて長期間の持続が可能となる。親水化処理における雰囲気中の酸素濃度が高いほど、高い親水性を付与することが可能である。換言すれば、アルゴン/酸素混合ガスにおける酸素の濃度を調節することで、被処理体に付与する親水性を調節可能である。
前処理及び親水化処理の効果の程度は、処理によって被処理体に供給されるエネルギーに依存するので、処理時間が長いほど効果は増大する。プラズマの発生状態は、プラズマ発生装置の構造設計等によって異なるので、一定のプラズマ発生条件において実際に被処理体に付与される親水性のデータに基づいて、被処理体の配置及びガスの供給条件(ガス圧、混合ガスの場合の濃度割合)等を適宜変更することによって処理条件を適正化し、必要とされる親水性に応じて処理時間を設定することができる。
チャンバ7内の台3が可動式である場合、台3の移動によって前処理と親水化処理との切り替えが可能である。この場合、例えば、供給ガスとして、アルゴンと酸素との混合ガスを用い、チャンバ内圧を3×10-3Torr程度の低圧に維持してアルゴンイオンが達成可能な領域内に被処理体を配置してプラズマを発生させることで前処理が施され、この後、台3をコイル5から遠ざけて被処理体をイオンが達成可能な領域の外へ移動することによって、酸素ラジカルが作用して親水化処理が施される。
上述した本発明のプラスチック表面の親水化方法は、ポリオレフィン主鎖のような安定な分子結合に親水基を導入できるので、様々なプラスチック素材に適用でき、例えば、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−11、ナイロン−12、ナイロン−610、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリα−メチルスチレン、ポリカーボネート、ポリメタクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリn−ブチルメタクリレート、ポリ乳酸、ポリアミド、スチレン−アクリロニトリル共重合体、等が挙げられる。
以下、実施例を参照して、本発明について詳細に説明する。尚、以下の記載において、ガスの組成割合を示す百分率は、プラズマ中の全ガス流量比によって表示する。
<親水化処理及びその効果>
被処理体として、直径25mmのポリスチレン基板を用意し、エタノールで2分間超音波洗浄し、風乾した。これを、図1に示すようなECRプラズマ発生装置(マイクロ波発振周波数:2.45GHz)のチャンバ7内に入れて、コイル5の約30cm下方の台3上に設置した。真空ポンプでチャンバ7内を排気しながら、アルゴンガスを流量15sccmでチャンバに供給してチャンバ内圧3×10-3Torrに維持し、コイル電流30Aの条件でプラズマを発生させて、基板を1分間プラズマ処理した。
また、上述の操作においてアルゴンガスの流量を変化させてチャンバ内圧を変更させたこと以外は同様にして、ガス圧の異なるプラズマ処理を施したポリスチレン基板を得た。
更に、上述の操作においてチャンバに供給するガスをアルゴンガスからアルゴン/酸素混合ガスに変更して、ガス組成の異なるプラズマ処理を施したポリスチレン基板、及び、異なるガス圧のプラズマ処理を施したポリスチレン基板を得た。
上述で得たポリスチレン基板の各々について、表面の親水性を評価するために、基板の任意の箇所にシリンジで純水2mlを滴下し、接触角計を用いて接触角を測定した。測定は、水滴の滴下を2箇所に行って各水滴について2箇所で行い、4つの値の平均値を算出した。又、参考のために、未処理のポリスチレン基板についても接触角を測定した。結果を図2のグラフに示す。一般に、接触角が低くなるほど親水性が増加するとみなされる。
元来、疎水性のポリスチレン基板表面の接触角は高いが、図2によれば、プラズマ処理することによって基板表面の水に対する接触角が低下し、親水性が付与されることがわかる。さらに、供給ガス(アルゴン/酸素)中の酸素の割合およびチャンバ内のガス圧を変化させると、プラズマ処理直後の基板表面の接触角は変化し、ガス中の酸素の割合及びチャンバ内圧がそれぞれ増加するほど親水化効果が増大することがわかる。これは、プラズマ中で生じる酸素由来のイオン種又は活性種(ラジカル)が親水性付与に大きく寄与していることを示唆している。
一般に、プラズマ処理においては、基板に対してイオン種による物理的作用(表面への衝突)とラジカル種による化学的作用(表面との化学反応)が競合するが、本装置による操作において、圧力が高くなるにつれてプラズマが基板上方のコイル間に局在する。従って、処理時のガス圧力を高めると、プラズマ−基板間の距離が長くなり、ライフタイムが短いイオン種は基板到達前に消失し易くなるのに対し、ラジカル種は、基板に到達して基板表面との作用及び改質に寄与することになる。従って、図2に見られる高圧側における親水性付与効果の向上は、ラジカル種が選択的に表面と反応することによってもたらされると考えられ、ガス圧0.1Torrにおける接触角が供給ガスの酸素割合と相関性を示すことは、親水化が酸素由来ラジカルによる作用であることを示唆する。又、ガス圧が低い場合の接触角は、アルゴン(つまり酸素以外のガス)の有無によって明確に異なる。つまり、酸素によって導入される親水基がアルゴンイオンによって除去されると理解される。このことから、イオン種は、基板表面を活性化して有機基を解離又は脱離する作用を有し、ラジカル種によって導入された親水基を脱離すると考えられ、酸素より重いアルゴンのイオン種が存在すると、基板に導入された親水基の脱離が著しくなると考えられる。
従って、親水化処理による親水性付与効果を好適に得るには、ラジカル種が被処理体に作用し易い高いガス圧において、親水基の原料ガス濃度が高い状態で行うことが好ましいことが解る。
アルゴンガスを用いた大気圧プラズマ(大気由来の少量の酸素を含む)によってポリスチレン基板を処理した場合、処理時間2秒間の短い処理によって表面の接触角が約12℃に減少し、高い親水性が得られることを確認している。この処理基板は前処理を施していないので、接触角は6日後には50度まで上昇したが、前処理と組み合わせて実施することによって高い親水性を長期間持続可能となることは、後述の実験結果から明らかである。
<前処理及びその効果>
(試料の調製)
25mm×25mmのポリスチレン基板を用意し、エタノールで2分間超音波洗浄し、風乾した。これを、ECRプラズマ発生装置(マイクロ波発振周波数:2.45GHz)のチャンバ内に入れて、コイル5の約30cm下方の台3上に設置した。真空ポンプでチャンバ7内を排気しながら、アルゴンガスを流量15sccmでチャンバに供給して、チャンバ内圧3×10-3Torrに維持して、コイル電流28Aの条件でプラズマを発生させ、基板を1分間プラズマ処理した(前処理)。この後、親水化処理として、供給ガスの流量を、アルゴン100sccm、酸素300sccmに変更してアルゴン/酸素混合ガス(酸素含有割合75%)とし、チャンバ内圧を0.1Torrに維持して、コイル電流30Aの条件でプラズマを発生させ、基板を3分間プラズマ処理して(本処理)、試料1のポリスチレン基板を得た。
また、前処理を行わず、本処理の時間を4分間に変更したこと以外は上述の試料1と同様の操作を行って、試料2のポリスチレン基板を得た。
(接触角の測定)
試料1,2及び未処理のポリスチレン基板の各々について、前述と同様に表面の水に対する接触角を測定した。更に、これらの基板を保存して、表面の接触角の経時変化を調べた。結果を表3のグラフに示す。
尚、低分子化合物による接触角への影響の有無を確認するために、試料2の手順に従って処理を施した3片のポリスチレン基板を用意し、接触角の測定前に純水洗浄(基板を純水に浸して1分間洗浄し風乾)又はエタノール洗浄(エタノールに浸して1分間超音波洗浄し風乾)を施したものと、洗浄を行わないものとを比較した。この結果、基板の接触角(平均)は、洗浄しないものでは20度、純水洗浄後では20.7度、エタノール洗浄後では19.05度となり、洗浄による変化は実質的に見られなかった。従って、基板の親水性の経時変化は、分解による低分子化合物の喪失によるものではないことが明らかである。
(試料の評価)
図3によれば、未処理基板では接触角の大きな経時変化はみられず、その表面性状はほぼ一定である。一方、プラズマ処理を実施した試料1及び2の基板では、プラズマ処理後の時間経過による接触角の上昇がみられる。しかし、試料1と試料2とでは、プラズマ照射時間は共通であるものの、接触角の上昇程度が大きく異なり、前処理を実施した試料1では接触角の上昇が抑制されている。特に、プラズマ処理から82日経過後も約27度と低い接触角を保つことから、前処理を施した基板では、付与された親水性の経時劣化が抑制されることが明らかである。
前処理では10-3Torrの低圧でアルゴンプラズマを発生させているので、プラズマは、親水化処理の場合より広くチャンバ内に拡散し、アルゴンイオン種の物理的作用が基板表面に及ぶ。これにより、巨視的には基板表面積の増加、微視的にはポリスチレン分子鎖の解裂等が生じて反応サイトが増加し、後続の親水化処理における酸素由来ラジカルの反応効率が向上すると考えられる。また、イオン種の作用による構造変化が、親水性を示す要素を固定化するために有利に働くと考えられる。
<親水化における変化>
プラズマ処理による基板の表面状態の変化を調べるために、上述の試料1の基板及び未処理基板について、X線光電子分光(XPS)による分析を行った。分析において、ディテクタの検出角度は基板表面に対して45度に設定した。得られたスペクトルを図4に示す。
図4によれば、ポリスチレンは炭素と水素のみからなる分子であり、そのスペクトルは285.0eVに現れるC−C結合またはC−H結合に帰属するピーク、291.5eVに現れるC=C結合由来のπ−πに帰属するピークのみからなる。これに対し、プラズマ処理後のスペクトルでは、285.0eVのピークがブロードになり、高エネルギー側に裾が広がっている。この領域は、酸素由来の官能基が結合した炭素由来のピークが生じることが一般的に知られている。結合した官能基を把握するため、スペクトルをガウス関数でフィッティングしたところ、C=C(284.4eV)、C−C/C−H(285.0eV)、C−O(286.6eV)、C=O(288.0eV)、O−C=O(289.1eV)、π−π(291.5eV)が合致した。これは、プラズマ処理によって酸素を含んだ官能基がポリスチレンに結合したことを示しており、これらが基板表面の親水性を決定していると考えられる。従って、接触角の測定時に見られる親水性の経時劣化の要因には、これらの表面官能基の経時変化が含まれると推察される。これを検証するため、プラズマ処理後の数日間におけるスペクトルを測定し、各官能基に帰属する部分のピーク全面積に対する面積比の経時変化を調べたところ、酸素を含む結合の中では、O−C=Oのみが時間経過と共に減少することがわかった。このことから、ポリスチレン表面の親水性には主にO−C=Oが関与し、その表面からの消失が親水性劣化要因の一つであると考えられる。また、前処理におけるアルゴンイオン種の物理的作用における表面構造の変化がO−C=Oの消失速度の遅延に関与し、親水性の劣化を抑制していると思われる。
以下の手順に従って試料3〜7のポリスチレン基板を用意し、実施例1の試料1と共に下記の評価に用いた。
(試料3)
前処理におけるアルゴンガスの流量を増加してチャンバ内圧を1.5×10-2Torrに維持したこと以外は実施例1の試料1と同様の操作を行って、試料3のポリスチレン基板を得た。
(試料4)
前処理におけるアルゴンガスの流量を増加してチャンバ内圧を1.5×10-1Torrに維持したこと以外は実施例1の試料1と同様の操作を行って、試料4のポリスチレン基板を得た。
(試料5)
チャンバ内の台3の位置を100mm下方に下げたこと以外は実施例1の試料1と同様の操作を行って、試料4のポリスチレン基板を得た。
(試料6)
チャンバ内の台3の位置を100mm下方に下げ、前処理におけるアルゴンガスの流量を増加してチャンバ内圧を1.5×10-2Torrに維持したこと以外は実施例1の試料1と同様の操作を行って、試料6のポリスチレン基板を得た。
(試料7)
チャンバ内の台3の位置を100mm下方に下げ、前処理におけるアルゴンガスの流量を増加してチャンバ内圧を1.5×10-1Torrに維持したこと以外は実施例1の試料1と同様の操作を行って、試料7のポリスチレン基板を得た。
(試料の評価)
試料3〜7のポリスチレン基板の各々について、実施例1の記載と同様にして表面の水に対する接触角を測定した。更に、これらの基板を保存して、表面の接触角の経時変化を調べた。試料3及び4の結果を試料1の結果と併せて図5のグラフに示し、試料5〜7の結果を図6のグラフに示す。
図5によれば、前処理におけるチャンバ内圧によって基板表面の親水性の持続性が異なりことが明らかであり、低いチャンバ内圧で前処理を施した時に基板に付与される親水性の持続性が高い。チャンバ内圧が低い状態ではプラズマ中のイオン種が基板に作用し易いので、図5の結果から、前処理においてプラズマ中のイオン種が基板に作用することが要点であると考えられる。この点は、基板位置を下げてプラズマから遠ざけた試料5〜7による図6の結果によって支持され、その理由は以下の通りである。
図5の結果と図6の結果との相異は、基板位置の変更によるものであり、これらを比較すると、基板をプラズマから遠ざけることで、基板表面の親水性の経時劣化がより顕著になり、チャンバ内圧に関わらず同様の結果となることが明らかである。1.0×10-3Torr、20℃におけるアルゴンイオンの平均自由工程を計算によって求めると約60mmとなるので、試料5〜7における100mmの基板位置の降下は、プラズマ中のアルゴンイオンが到達し得る範囲から基板を確実に排除することを意味する。従って、図6の結果は、アルゴンイオンが基板に作用しないものであり、図5と図6とにおける結果の相異は、前処理におけるアルゴンイオンの作用に起因することになる。つまり、試料1と試料5との相異は、アルゴンイオンの作用の有無に起因する。前処理における内圧が低い試料1と試料5とにおいて相異が顕著になるのは、低圧におけるイオン種の平均自由工程が長いためである。
前処理において供給するガスを、アルゴンから、ヘリウム、水素、窒素又は酸素に変更したこと以外は実施例1の試料1と同様の操作を行って、プラズマ処理を施したポリスチレン基板を用意した。
得られたポリスチレン基板の各々について、前述と同様に表面の水に対する接触角を測定した。更に、これらの基板を保存して、表面の接触角の経時変化を調べた。これらの結果を試料1の結果と併せて図7のグラフに示す。
図7によれば、基板表面の親水性の持続性は、前処理においてアルゴンガスを用いた場合に最も高く、次いでヘリウムガス、水素ガスを用いたものが高い。これはイオンの重さによって衝突時に供給されるエネルギーが異なるためと考えられる。酸素ガスを用いた場合は、直後の親水性は高いが、親水性の経時劣化はあまり抑制されず、窒素ガスを用いた場合も親水性の経時劣化はあまり抑制されない。このことから、被処理体に対する反応性が低いガスの方が、イオン種による前処理に適していると考えられる。
窒素ガスを用いた場合に親水化効果が他のガスに比べて小さいのは、前処理において競合する窒素由来ラジカルによって窒素含有基が導入されるために、後続の親水化処理において酸素含有基の導入が減少し、窒素含有基の親水性が酸素含有基より低いことによると考えられる。
疎水性プラスチックの表面改質を効率よく行って、表面に付与される親水性の持続性が改善されたプラスチックが提供されるので、生体適合性を要する医療関連分野や、耐久性の高いプラスチック素材の親水化を必要とする様々な装置・器機分野において有用なプラスチック素材を提供でき、部品等の耐用年数や機能性を改善するために有用である。
る。
1:ECRプラズマ発生装置、 3:台、 5:コイル、 7:チャンバ、
9:排気口、 11:ガス導入口、 13:マイクロ波発生装置、
15:方向性結合器15、 17:チューナー、 19:導波管19、
21:石英窓。

Claims (5)

  1. プラズマ発生位置との距離がイオン種の平均自由工程より小さくなる位置にプラスチックを配置し、希ガスを1.0×10 −2 Torr以下のガス圧で供給してプラズマを発生させてイオンをプラスチック表面に作用させる前処理と、
    親水基の導入原料となるガスを供給してプラズマを発生させてラジカルを選択的にプラスチック表面に作用させる親水化処理と
    を有するプラスチック表面の親水化方法。
  2. 前記前処理において、プラスチック表面はイオンの作用によって活性化し、前記親水化処理において、プラスチック表面にイオンは実質的に作用しないことにより、ラジカルによってプラスチック表面に導入される親水基の安定性が高まる請求項1記載のプラスチック表面の親水化方法。
  3. 前記希ガスは、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン及びキセノンから選択される少なくとも1種を含み、前記親水化処理において供給されるガスは、酸素、窒素及び二酸化炭素から選択される少なくとも1種を含む請求項1又は2に記載のプラスチック表面の親水化方法。
  4. 前記親水化処理におけるガス圧は、0.01Torr以上である請求項1〜3の何れか一項に記載のプラスチック表面の親水化方法。
  5. 前記親水化処理におけるプラスチックとプラズマとの距離を、イオン種の平均自由工程より遠ざける請求項1〜4の何れか一項に記載のプラスチック表面の親水化方法。
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