図1に示される如く、本実施の形態に係る画像処理装置10は、インターネット等のネットワーク通信回線網20に接続されている。図1では、2台の画像処理装置10が接続されているが、この数は限定されるものではなく、1台でもよいし、3台以上であってもよい。
また、このネットワーク通信回線網20には、情報端末機器としての複数のPC(パーソナルコンピュータ)21が接続されている。図1では、2台のPC21が接続されているが、この数は限定されるものではなく、1台でもよいし、3台以上であってもよい。また、情報端末機器としては、PC21に限定されるものではなく、さらには有線接続である必要もない。すなわち、無線によって情報を送受信する通信回線網であってもよい。
図1に示される如く、画像処理装置10では、PC21から当該画像処理装置10に対して、遠隔で、例えばデータを転送して画像形成(プリント)指示操作を行なう場合、或いは使用者(ユーザー)が画像処理装置10の前に立ち、各種操作によって、例えば、複写(コピー)、スキャン(画像読取)、ファクシミリ送受信等の処理を指示する場合がある。
図2には、本実施の形態に係る画像処理装置10が示されている。画像処理装置10は、記録用紙に画像を形成する画像形成部240と、原稿画像を読み取る画像読取部238と、ファクシミリ通信制御回路236を備えている。画像処理装置10は、メインコントローラ200を備えており、画像形成部240、画像読取部238、ファクシミリ通信制御回路236を制御して、画像読取部238で読み取った原稿画像の画像データを一次的に記憶したり、読み取った画像データを画像形成部240又はファクシミリ通信制御回路236へ送出したりする。
メインコントローラ200にはインターネット等のネットワーク通信回線網20が接続され、ファクシミリ通信制御回路236には電話回線網22が接続されている。メインコントローラ200は、例えば、ネットワーク通信回線網20を介してホストコンピュータと接続され、画像データを受信したり、ファクシミリ通信制御回路236を介して電話回線網22を用いてファクシミリ受信及びファクシミリ送信を実行する役目を有している。
画像読取部238は、原稿を位置決めする原稿台と、原稿台に置かれた原稿の画像を走査して光を照射する走査駆動系と、走査駆動系の走査により反射又は透過する光を受光して電気信号に変換するCCD等の光電変換素子と、が設けられている。
画像形成部240は、感光体を備え、感光体の周囲には、感光体を一様に帯電する帯電装置と、画像データに基づいて光ビームを走査する走査露光部と、前記走査露光部によって走査露光されることで形成された静電潜像を現像する画像現像部と、現像化された感光体上の画像を記録用紙へ転写する転写部と、転写後の感光体の表面をクリーニングするクリーニング部と、が設けられている。また、記録用紙の搬送経路上には、転写後の記録用紙上の画像を定着する定着部を備えている。
画像処理装置10には、入力電源線244の先端にコンセント245が取り付けられており、壁面Wまで配線された商用電源242の配線プレート243に、当該コンセント245を差し込むことで、画像処理装置10は、商用電源242から、電力の供給を受けるようになっている。
(制御系ハード構成)
図3は、画像処理装置10の制御系のハード構成の概略図である。
ネットワーク回線網20は、メインコントローラ200に接続されている。メインコントローラ200には、それぞれ、データバスやコントロールバス等のバス33A〜33Dを介して、ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240、UIタッチパネル216(図4に示すバックライト部216BLを含む)が接続されている。すなわち、このメインコントローラ200が主体となって、画像処理装置10の各処理部が制御されるようになっている。
また、画像処理装置10は、電源装置202を備えており、メインコントローラ200とはバス33Eで接続されている。電源装置202は、商用電源242から電力の供給を受けている。電源装置202では、メインコントローラ200、ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240、UIタッチパネル216のそれぞれに対して独立して電力を供給する電力供給線35A〜35Dが設けられている。このため、メインコントローラ200では、各処理部(デバイス)に対して個別に電力供給(電力供給モード)、或いは電力供給遮断(スリープモード)し、所謂部分節電制御を可能としている。
また、メインコントローラ200には、2個の第1の人感センサ28、第2の人感センサ30が接続されており、画像処理装置10の周囲の人の有無を監視している。この第1の人感センサ28、第2の人感センサ30については後述する。
(部分節電構成を主体とした機能ブロック図)
図4は、前記メインコントローラ200によって制御される処理部(「デバイス」、「モジュール」等と称する場合もある)、並びにメインコントローラ200、並びに各デバイスへ電源を供給するための電源装置202の電源ラインを主体とした概略構成図である。本実施の形態では、画像処理装置10が処理部単位で電力供給又は非供給が可能でとなっている(部分節電)。
[メインコントローラ200]
図4に示される如く、メインコントローラ200は、CPU204、RAM206、ROM208、I/O(入出力部)210、及びこれらを接続するデータバスやコントロールバス等のバス212を有している。I/O210には、UI制御回路214を介してUIタッチパネル216が接続されている。また、I/O210には、ハードディスク(HDD)218が接続されている。ROM208やハードディスク218等に記録されているプログラムに基づいて、CPU204が動作することによって、メインコントローラ200の機能を実現する。なお、該プログラムを格納した記録媒体(CD−ROM、DVD−ROM等)から該プログラムをインストールし、これに基づいてCPU204が動作することにより画像処理機能を実現してもよい。
I/O210には、タイマ回路220、通信回線I/F222が接続されている。さらに、I/O210には、ファクシミリ通信制御回路(モデム)236、画像読取部238、画像形成部240の各デバイスに接続されている。
なお、前記タイマ回路220は、前記ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240を節電状態(電源非供給状態)とするための契機として、初期設定時間の計時を行うものである。
メインコントローラ200及び各デバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)は、電源装置202から電源が供給される(図4の点線参照)。なお、図4では、電源線を1本の線(点線)で示しているが、実際には2本〜3本の配線である。
[電源装置202]
図4に示される如く、商用電源242から引き込まれた入力電源線244は、メインスイッチ246に接続されている。メインスイッチ246がオンされることで、第1の電源部248及び第2の電源部250へ電力供給が可能となる。
第1の電源部248は、制御用電源生成部248Aを備え、メインコントローラ200の電源供給制御回路252に接続されている。電源供給制御回路252は、メインコントローラ200に電源供給すると共に、I/O210に接続され、メインコントローラ200の制御プログラムに従って、前記各デバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)への電源供給線を導通/非導通させるためのスイッチング制御を行う。
一方、第2の電源部250へ接続される電源線254には、第1のサブ電源スイッチ256(以下、「SW−1」という場合がある。)が介在されている。このSW−1は、前記電源供給制御回路252で、オン・オフが制御されるようになっている。
また、第2の電源部250は、24V電源部250H(LVPS2)と5V電源部250L(LVPS1)を備えている。24V電源部250H(LVPS2)は主としてモーター等で使用される電源である。
第2の電源部250の24V電源部250H(LVPS2)及び5V電源部250L(LVPS1)は、選択的に、画像読取部電源供給部258、画像形成部電源供給部260、ファクシミリ通信制御回路電源供給部264、UIタッチパネル電源供給部266に接続されている。
画像読取部電源供給部258は、24V電源部250H(LVPS2)を入力源として、第2のサブ電源スイッチ268(以下、「SW−2」という場合がある。)を介して、画像読取部238に接続されている。
画像形成部電源供給部260は、24V電源部250H(LVPS2)と5V電源部250L(LVPS1)を入力源として、第3のサブ電源スイッチ270(以下、「SW−3」という場合がある。)を介して、画像形成部240に接続されている。
ファクシミリ通信制御回路電源供給部264は、24V電源部250H(LVPS2)と5V電源部250L(LVPS1)を入力源として、第5のサブ電源スイッチ274(以下、「SW−5」という場合がある。)を介して、ファクシミリ通信制御回路236及び画像形成部240に接続されている。
UIタッチパネル電源供給部266は、5V電源部250L(LVPS1)と24V電源部250H(LVPS2)を入力源として、第6のサブ電源スイッチ276(以下、「SW−6」という場合がある。)を介して、UIタッチパネル216(バックライト部216BLを含む)に接続されている。なお、UIタッチパネル216の本来の機能(バックライト部216BLを除く機能)へは、節電中監視制御部24から電源を供給可能としてもよい。
前記第2のサブ電源スイッチ268、第3のサブ電源スイッチ270、第5のサブ電源スイッチ274、第6のサブ電源スイッチ276は、それぞれ前記第1のサブ電源スイッチ256と同様に、メインコントローラ200の電源供給制御回路252からの電源供給選択信号に基づいて、オン・オフ制御される。図示していないが、24V電源部250Hと5V電源部250Lが供給されるスイッチや配線は、2系統で構成されている。また電源スイッチ268〜276は電源装置202でなく、電源供給先の各デバイス内に配置されても良い。
上記構成では、機能別に各デバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)を選択した電源を供給し、指示された機能に不要なデバイスへの電源を供給しないため、必要最小限の電力で済む。
(監視制御)
ここで、本実施の形態のメインコントローラ200は、必要最小限の電力消費となるように、部分的にその機能を停止させる場合がある。或いは、メインコントローラ200の大部分を含め、電力の供給を停止させる場合がある。これらを総称して「スリープモード(節電モード)」という場合がある。
スリープモードは、例えば、画像処理が終了した時点でタイマを起動させることで移行可能である。すなわち、前記タイマが起動してから所定時間をカウントすることで電力供給を停止させている。なお、所定時間が経過するまでに、何らかの操作(ハードキーの操作等)があれば、当然、スリープモードへのタイマカウントは中止され、次の画像処理終了時からタイマが起動される。
一方、上記スリープモード中において、常に電力を供給を受ける素子として、節電中監視制御部24がI/O210に接続されている。この節電中監視制御部24は、例えば、ASICと称される、自身で動作プログラムが格納され、当該動作プログラムで処理されるCPU,RAM,ROM等を備えたICチップ等で構成することができる。
ところで、前記節電中の監視において、例えば、通信回線検出部からプリント要求などが来たり、FAX回線検出部からFAX受信要求が来ることで、節電中であったデバイスに対して、節電中監視制御部24では、電源供給制御回路252を介して、第1のサブ電源スイッチ256、第2のサブ電源スイッチ268、第3のサブ電源スイッチ270、第5のサブ電源スイッチ274、第6のサブ電源スイッチ276を制御することで、電力を供給を行なうことが前提である。
また、メインコントローラ200のI/O210には、節電解除ボタン26が接続されており、節電中に使用者がこの節電解除ボタン26を操作することで、節電が解除可能となっている。
ここで、スリープモードで監視するためには、節電中監視制御部24以外に、節電解除ボタン26や各検出部には節電中に必要最小限の電力を供給しておくことが好ましい。すなわち、電力非供給状態であるスリープモードであっても、予め定めた電力以下(例えば、0.5W以下)であり電力供給を行うか否かの判別制御に必要な電力の供給を受ける場合がある。
なお、スリープモードの特定の期間(図5に示すアウェイクモード(awk)において、UIタッチパネル216やICカードリーダー217等の入力系を主体とした必要最小限の電力供給を含む。
ところで、スリープモード時に使用者が画像処理装置10の前に立ち、その後に節電解除ボタン26を操作して、電力供給を再開した場合、画像処理装置10が立ち上がるまでに時間を要する場合があった。
そこで、本実施の形態では、前記節電中監視制御部24に、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30を設置すると共に、スリープモードでは、使用者が節電解除ボタンを押す前に人感センサで検知して早期に電力供給を再開して、使用者が早く使えるようにした。なお、節電解除ボタン26と第1の人感センサ28、第2の人感センサ30とを併用しているが、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30のみで全ての監視を行うことも可能である。
第1の人感センサ28、第2の人感センサ30は、検出部28A、30Aと回路基板部28B、30Bとを備えており、回路基板部28B,30Bは、検出部28A、30Aで検出した信号の感度を調整したり、出力信号を生成する。
なお、第1の人感センサ28は、「人感」としているが、これは、本実施の形態に則した固有名詞であり、少なくとも人が感知(検出)できればよく、言い換えれば、人以外の移動体の感知(検出)も含むものである。従って、以下において、人感センサの検出対象を「人」に言及する場合があるが、将来的には、人に代わって実行するロボット等も感知対象範囲である。なお、逆に、人と特定して感知できる特殊センサが存在する場合は、当該特殊センサを適用可能である。
第1の人感センサ28の仕様は、画像処理装置10の周囲において、人の動きを検出するものである。この場合、焦電素子の焦電効果を用いた赤外線センサ等が代表的である(焦電型センサ)。本実施の形態では、第1の人感センサ28として焦電型センサを適用している。
この第1の人感センサ28に適用された焦電素子の焦電効果を用いたセンサの最大の特徴は、検出領域が広いことである。また、人の動きを感知するため、検出領域内であって、人が静止していると、人の存在を検出しない。例えば、人の移動時にハイレベル信号が出力されている場合、検出範囲内の人が静止すると、当該信号がローレベル信号になるものである。
一方、第2の人感センサ30の仕様は、人の有無(存在・不存在)を検出するものが適用されている。この第2の人感センサ30に適用されるセンサは、投光部と受光部とを備えた反射型センサ等が代表的である(反射型センサ)。なお、投光部と受光部とが分離された形態であってもよい。
この第2の人感センサ30に適用された反射型センサ等の最大の特徴は、受光部に入る光を遮断する/しないによって人の有無を確実に検出することである。また、投光部から投光される光量等により、受光部へ入射する光量に制限があるため、比較的近距離が検出領域である。
なお、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30として、以下に示す機能をそれぞれ達成することが可能であれば、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30として、焦電型センサや反射型センサに限定されるものではない。
上記構成の第1の人感センサ28、第2の人感センサ30の適用形態は、画像処理装置10の状態(モード)によって設定する必要がある。
図5は、画像処理装置10における、各モード状態と、当該モード状態の移行の契機となる事象を示したタイミングチャートである。
画像処理装置10は、処理がなされていないと動作状態は、スリープモードとなり、本実施の形態では、節電中監視制御部24にのみ電力が供給されている。
ここで、立ち上げ契機(立ち上げトリガの検出、或いは操作部の操作入力(キー入力))があると、動作状態はウォームアップモードへ遷移する。
なお、立ち上げトリガとは、操作者による節電解除操作、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30による検出結果に基づく信号や情報等がある。
ウォームアップモードは画像処理装置10を迅速に処理可能状態にもっていくため、各モードの内最大の電力消費量となるが、例えば、定着部におけるヒータとしてIHヒータを利用することによって、ハロゲンランプを用いたヒータよりもウォームアップモード時間は、比較的短い時間とされている。
ウォームアップモードによる暖機運転が終了すると、画像処理装置10はスタンバイモードに遷移するようになっている。
スタンバイモードは、文字通り「事に備えて準備が完了している」モードであり、画像処理装置10においては、画像処理の動作が即実行できる状態となっている。
このため、キー入力としてジョブ実行操作があると、画像処理装置10の動作状態は、ランニングモードに遷移し、指示されたジョブに基づく画像処理が実行されるようになっている。
画像処理が終了すると(連続した複数のジョブが待機している場合は、その連続したジョブの全てが終了したとき)、画像処理装置10の動作状態はスタンバイモードへ遷移する。このスタンバイモード中にジョブ実行指示があれば、再度ランニングモードへ遷移し、立ち下げトリガの検出がある、或いは予め定めた時間が経過したとき、スリープモードへ遷移するようになっている。
なお、立ち下げトリガとは、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30による検出結果に基づく信号や情報等がある。
また、画像処理装置10における実際の動作におけるモード状態の遷移が、全てこのタイミングチャートのとおり時系列で進行するものではない。例えば、ウォームアップモード後のスタンバイモードで処理が中止され、スリープモードへ移行する場合もある。
ここで、電力の供給を受けて動作する各デバイスは、図5におけるスリープモードからアウェイクモード、ウォームアップモードを経てスタンバイモードへ遷移することで、それぞれの処理を即時に実行可能となる。
ところが、スリープモードからスタンバイモードへ遷移するまでに必要な時間は、デバイス毎に異なる。言い換えれば、全てのスリープモードのデバイスに対して同時にスタンバイモードへの遷移を指示すると、スタンバイモードへの遷移時間がまちまちとなる。
例えば、利便性を求めるのであれば、スリープモードからスタンバイモードへ遷移するのに要する時間が長いデバイスを優先して遷移させることが好ましい。
一方、省エネ性を求めるのであれば、スタンバイモードでの電力消費量が少ないデバイスを優先して遷移させることが好ましい。
図7(A)は、画像処理装置10の各デバイス(画像形成部240、画像読取部238、UIタッチパネル216(バックライトを除く)、ICカードリーダー217)の起動までの時間とスタンバイ時の電力消費量の関係を示している。各デバイスの位置は、目安であり、画像処理装置10の種類や型式等によって変動するものである。なお、この図7で選択したデバイスは、本実施の形態において、スリープモードへ遷移するデバイスを列挙したものであり、これらのデバイスに限定されるものではない。例えば、ファクシミリ通信制御回路236において、送信部と受信部とが分離できるのであれば、送信部をスリープモードに遷移するデバイスとしてもよい。
図7(A)に示される如く、スリープモードからスタンバイモードへ遷移するのに要する時間が最も長く、かつ、スタンバイ時の電力消費量が最も多いのが画像形成部240であることがわかる(事象1に分類)。
また、スリープモードからスタンバイモードへ遷移するのに要する時間が最も短く、かつ、スタンバイ時の消費電力消費量が最も少ないのがICカードリーダー217であることがわかる(事象3に分類)。
なお、画像読取部238、UIタッチパネル216は、上記画像形成部240と、ICカードリーダー217との中間に割り当てられる(事象2,事象3に分類)。
なお、この各デバイスの事象分類は目安であり、適用される画像処理装置10の型式、機能、システムプログラムのバージョン等によって変更される場合がある。
本実施の形態では、第1の人感センサ28と第2の人感センサ30により、最大検出範囲(例えば、図1の領域M)を2つの領域(図6の第1の領域Fと第2の領域N)に分け、各デバイスをこの2つの領域の何れかに割り当て、相対的に遠い検出範囲と、相対的に近い検出範囲のそれぞれに、各デバイスを割り当てて、当該領域に移動体(使用者)が進入した時点でスリープモードからスタンバイモードへの立ち上げを指示するようにした。
相対的に遠い検出範囲は、第1の人感センサ28による検出領域であり、図6の第1の領域F(単に、「領域F」という場合がある)に相当する。また、相対的に近い検出範囲は、第2の人感センサ30による検出領域であり、図6の第2の領域N(単に、「領域N」という場合がある)に相当する。
ここで、第1の領域F又は第2の領域Nのそれぞれへの、デバイスの割り当てであるが、前述のように、立ち上げ条件によって、割り当てを変更する必要がある。このため、本実施の形態では、図4に示される如く、節電中監視制御部24に省エネ/利便性切替スイッチ219が接続されている。この省エネ/利便性切替スイッチ219は、本実施の形態では、少なくとも1ビットの信号切替(オン/オフ、1/0、H/L等)が可能なスイッチであればよい。しかし、例えば、領域が3以上に増加するようなシステムを構築した場合は、全ての組み合わせに対応する桁数(ビット数)の信号を準備する必要がある(例えば、3ビットであれば、8通りの組み合わせになる。)。或いは、各デバイス毎に領域へ割り当てる複数ビットのスイッチを設けるようにしてもよい。
さらには、監視制御のソフトプログラムの初期設定として、UIタッチパネル216等を用いて、デバイスと領域との関係を登録する構成としてもよい。また、監視制御プログラムそのものを、完全に切り替えるようにしてもよい。
図7(B)は、図7(A)に基づく、各デバイス((画像形成部240、画像読取部238、UIタッチパネル216(バックライトを除く)、ICカードリーダー217)の割り当て表である。
本実施の形態では、第1の人感センサ28及び第2の人感センサ30によって、第1の領域Fと第2の領域Nとの2種類の領域が形成されるので(図6参照)、図7(A)に示される如く、利便性優先の際の振り分けは、事象1及び4の群と、事象2及び3の群の2種類とされ、省エネ性優先の際の振り分けは、事象3及び4の群と、事象1及び2の群の2種類とされ、それぞれの事象に属するデバイスが割り当てられる。
すなわち、立ち上げ条件として省エネ性優先時は、省エネ/利便性切替スイッチ219を「0」側に切り替えることで、事象3に属するUIタッチパネル216、ICカードリーダー217が第1の人感センサ28の領域に割り当てられ、事象1に属する画像形成部240、事象2に属する画像読取部238が第2の人感センサ30に割り当てられるようになっている。
また、立ち上げ条件として利便性優先時は、省エネ/利便性切替スイッチ219を「1」側に切り替えることで、事象1に属する画像形成部240が第1の人感センサ28の領域に割り当てられ、事象3に属するUIタッチパネル216、事象2に属する画像読取部238、事象3に属するICカードリーダー217が第2の人感センサ30に割り当てられるようになっている。
なお、本実施の形態では、省エネ/利便性切替スイッチ219を設け、立ち上げ条件を選択可能としたが、当然、何れか一方の特定した監視プログラムであってもよい。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
上記の如く画像処理装置10は、スリープモード、ウォームアップモード、ランニングモードの間を相互に遷移しており、各モード毎に電力供給量が異なっている。
本実施の形態の画像処理装置10では、予め定められた条件が揃うと、スリープモードへ移行する。このスリープモードでは、ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240の各デバイスのみならず、節電中監視制御部24を除くメインコントローラ200、並びにUIタッチパネル216に対しても電力供給を遮断する。この場合、メインコントローラ200に接続されている節電解除ボタン26の機能も停止されることが好ましい。このため、周囲から画像処理装置10を見ると、メイン電源スイッチが切られている状態とほぼ同等の状態となる。すなわち、スリープモードが確実に実行されていることが、周囲から確認可能な状態となる(「見える化」の実現)。
ここで、本実施の形態では、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30を適用し、当該第1の人感センサ28、第2の人感センサ30を画像処理装置10の動作状態(各モード)に適応させ、画像処理装置10の全体として、消費電力を軽減するための制御を実行している。
第1の人感センサ28は、画像処理装置10の周囲において、第2の人感センサ30の検出領域よりも広い領域を検出領域(以下、「第1の領域F」という)としている。例えば、第1の人感センサ28の検出領域は、画像処理装置10が設置されている場所の環境にもよるが、目安として2〜3m程度である(図6の第1の領域F(far)参照)。
一方、第2の人感センサ30は、前記第1の人感センサ28の検出領域(第1の領域F)よりも狭い領域を検出領域(以下、「第2の領域N」という)としている。例えば、第2の人感センサ30の検出領域は、画像処理装置10のUIタッチパネル216やハードキーの操作が可能な範囲であり、目安として0〜0.5m程度である(図6の第2の領域N(near)参照)。
第1の人感センサ28の仕様は、人の動きを検出するものであり、焦電素子の焦電効果を用いた赤外線センサ等が代表的である。
この第1の人感センサ28の最大の特徴は、検出領域が広いことである(前記2〜3m、又はそれ以上が可能)。また、人の動きを感知するため、検出領域内であって、人が静止していると、人の存在を検出しない。例えば、人の移動時にハイレベル信号が出力されている場合、検出範囲内の人が静止すると、当該信号がローレベル信号になるものである。
本実施の形態における「静止」とは、スチルカメラ等で撮影した静止画のように完全静止も当然含まれるが、例えば、人が画像処理装置10の前に操作を目的として立ち止まることを含むものとする。従って、予め定めた範囲の微動(呼吸に伴う動き等)や、手足、首等を動かすといった場合を静止の範疇とする。
但し、人が画像処理装置10の前で、例えば画像形成や画像読取等の処理を待つ間、その場でストレッチ運動等を行うと、人感センサ28では、人の存在を検出する場合もある。
従って、当該「静止」を定義して第1の人感センサ28の感度を調整するのではなく、感度は、比較的おおまか、かつ標準的に調整し、当該第1の人感センサ28の検出状態に依存するようにしてもよい。すなわち、第1の人感センサ28が二値信号の内の1つ(例えば、ハイレベル信号)を出力しているときは人が動いていることを示し、第2の第1の人感センサ28の検出領域内に人が存在し、かつ二値信号の内の他の1つ(例えば、ローレベル信号)が出力された場合を静止とすればよい。
第2の人感センサ30の仕様は、人の有無(存在・不存在)を検出するものであり、投光部と受光部とを備えた反射型センサ等が代表的である。なお、投光部と受光部とが分離された形態であってもよい。
この第2の人感センサ30の最大の特徴は、受光部に入る光を遮断する/しないによって人の有無を確実に検出することである。また、投光部から投光される光量等により、受光部へ入射する光量に制限があるため、比較的近距離が検出領域である(前記0〜0.5m前後)。
ここで、本実施の形態の画像処理装置10に搭載される、前記第1の人感センサ28及び第2の人感センサ30は、前述したように前記節電中監視制御部24に接続され、その検出信号が節電中監視制御部24へ入力されるようになっている。
ところで、人(移動体)と画像処理装置10との関係は、大きく分けて3形態あり、第1の形態は、人が画像処理装置10に対して、使用目的で操作可能位置まで近づいてくる形態(図6のA線矢視の動向(Aパターン)参照)、第2の形態は、人が処理装置を使用目的ではないが、操作可能位置まで近づいてくる形態(図6のB線矢視の動向(Bパターン)参照)、第3の形態は、人が処理装置の操作可能位置まで近づかないが、第1の形態、第2の形態に移行する可能性のある距離まできている形態(図6のC線矢視の動向(Cパターン)参照)。
節電中監視制御部24では、前記第1の人感センサ28の検出信号に基づく、上記3種類の形態に基づいて、まず、第1の人感センサ30、並びにメインコントローラ200におけるUIタッチパネル216や節電解除ボタン26を含むコピー実行等を指示するハードキー等の入力系への電力供給を実行する。この状態は、依然としてスリープモードと定義してもよいし、節電中監視制御部24のみの電力供給よりも電力供給量が増加するので、アウェイクモード「awk」(目覚めモード)として定義してもよい(図5の遷移図における、スリープモード範囲の括弧[ ]内参照)。
その後、第2の人感センサ30による使用者の検出、或いはUIタッチパネル216又はハードキー等による操作指示によって、当該操作指示された機能に必要なデバイスに対して電力供給を実行する。
ここで、スリープモードからスタンバイモードへ遷移するまでに必要な時間は、デバイス毎に異なるため、利便性を求めるか、省エネ性を求めかによって、スタンバイモードへ優先して遷移させるデバイスの対象が異なることになる。
そこで、本実施の形態では、図7(A)に示される如く、画像処理装置10の各デバイス(画像形成部240、画像読取部238、UIタッチパネル216(バックライト部216BLを除く))、ICカードリーダー217)の起動までの時間とスタンバイ時の電力消費量の関係に基づいて、事象分類し、立ち上げ条件として省エネ性を選択したときの優先順位と、利便性を選択したときの優先順位とをそれぞれ設定し、設定(選択)された立ち上げ条件に適合する遷移制御を確立した。以下、図8〜図10のフローチャートに従い、立ち上げ条件適合遷移制御の流れについて説明する。
(省エネ/利便性選択制御)
図8は、画像処理装置10のシステムがスリープモードへ遷移するときに実行されるルーチンであり、ステップ100では、省エネ/利便性切替スイッチ219の状態を認識する。
次のステップ102において、前記ステップ100で認識した省エネ/利便性切替スイッチ219の状態が「利便性」である場合は、ステップ104へ移行して、図9に示すスリープモード時監視制御(利便性優先)ルーチンを実行する。
また、ステップ102において、前記ステップ100で認識した省エネ/利便性切替スイッチ219の状態が「省エネ」である場合は、ステップ106へ移行して、図10に示すスリープモード時監視制御(省エネ優先)ルーチンを実行する。
(利便性優先スリープモード時監視制御)
図9は、図8のステップ104におけるスリープモード時監視制御(利便性優先)の流れを示すフローチャートである。
ステップ110では、第1の人感センサ28で移動体を検出したか否かが判断され、否定判定された場合は、このルーチンは終了する。なお、この場合、スリープモード中はメインコントローラ200等での処理が行われていない状態であるので、前記省エネ/利便性切替スイッチ219の切替操作がなされていない場合(現状維持の場合)は、直ちにこの図9のステップ110に戻ることになる。
以下、前記「移動体」の定義として、デバイスを使用する意志のある使用者が主体であるが、それ以外の移動体、例えば、デバイスを使用する目的ではないが画像処理装置10の近傍の通過するもの、立ち止まるものを含むこととする。
ステップ110で肯定判定されると、第1の人感センサ28の領域である第1の領域Fに移動体が進入したと判断し、ステップ112へ移行して、利便性において最優先とされる(優先順位が高い)画像形成部240に対して立ち上げ指示(スリープモード→スタンバイモード)を実行し、ステップ114へ移行する。
ステップ114では、第2の人感センサ30で移動体を検出したか否かが判断される。
このステップ114で肯定判定されると、第2の人感センサ30の領域である第2の領域Nに移動体が進入、すなわち、使用者が画像処理装置10に対面していると判断し、ステップ116へ移行して、利便性において優先順位が低いUIタッチパネル216、画像読取部238、ICカードリーダー217に対して立ち上げ指示(スリープモード→スタンバイモード)を実行し、ステップ118へ移行する。
ステップ118では、ジョブ実行指示操作があったか否かが判断される。このステップ118で否定判定された場合は、ステップ114へ戻り、上記工程を繰り返す。なお、この繰り返し処理でのステップ116の処理において、何度も立ち上げ指示を出してもよいが、一度立ち上げ指示(ステップ112→114→116の流れによる立ち上げ指示)を実行した場合は、2度目以降の処理は、立ち上げ指示をキャンセルすることが好ましい。また、この間(ステップ114、116、118の繰り返し中)は、使用者が、例えば、ジョブとして複写処理をしようとするときの、倍率、用紙サイズ、部数、カラー/白黒等の機能設定操作が行われる。
ここで、ステップ118で肯定判定されると、例えば、スタートキーが操作されたと判断され、ステップ120へ移行する。なお、スタートキーが操作されることで、メインコントローラ200での別処理でジョブが実行される。
ステップ120では、ジョブが終了したか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ114へ移行する。
一方、前記ステップ114で否定判定されると、第2の人感センサ30の領域である第2の領域Nから移動体が離脱、すなわち、使用者が画像処理装置10から離れたと判断し、ステップ122へ移行して、利便性において優先順位が低いUIタッチパネル216、画像読取部238、ICカードリーダー217に対して立ち下げ指示(スタンバイモード→スリープモード)を実行し、ステップ124へ移行する。
ステップ124では、第1の人感センサ28で移動体を検出したか否かが判断され、肯定判定された場合は、第2の領域Nからは出たが、第1の領域Fには残っていると判断し、ステップ114へ戻り、上記肯定を繰り返す。なお、この繰り返し処理(ステップ114、122、124)において、ステップ122で、何度も立ち下げ指示を出してもよいが、既に立ち下げ状態の場合は、立ち下げ指示をキャンセルすることが好ましい。
ステップ124で否定判定、すなわち、移動体(使用者)が、第1の領域Fからも離脱したと判断された場合は、ステップ126へ移行して予め定められた時間(例えば、15秒)経過したか否かが判断される。
ステップ126で否定判定された場合は、ステップ124へ戻り、第1の人感センサ28による移動体検出を継続する。これは、例えば、画像処理を実行しようとする使用者が、書類を忘れてとりに戻るといったような場合を想定し、画像形成部240の立ち下げに、ある程度の時間の猶予を与えるものである。従って、一例として示した15秒は利便性(+方向)と省エネ(−方向)の微調整の中間位置(微調整量±0)であって、15秒に限定されるものではない。基本は利便性優先であるが、若干省エネ性寄りにしたい場合は15秒未満にすればよいし(微調整を−方向、例えば、10秒〜14秒)、さらに利便性を高めたい場合は、15秒を超える設定とすればよい(微調整+方向、例えば16秒〜20秒)。
前記ステップ126で肯定判定された場合は、ステップ128へ移行して、画像形成部240に対して立ち下げ指示を実行し(スタンバイモード→スリープモード)、このルーチンは終了する。
(省エネ優先スリープモード時監視制御)
図10は、図8のステップ106におけるスリープモード時監視制御(省エネ優先)の流れを示すフローチャートである。
ステップ150では、第1の人感センサ28で移動体を検出したか否かが判断され、否定判定された場合は、このルーチンは終了する。なお、この場合、スリープモード中はメインコントローラ200等での処理が行われていない状態であるので、前記省エネ/利便性切替スイッチ219の切替操作がなされていない場合(現状維持の場合)は、直ちにこの図9のステップ150に戻ることになる。
ステップ150で肯定判定されると、第1の人感センサ28の領域である第1の領域Fに移動体が進入したと判断し、ステップ152へ移行して、省エネにおいて最優先とされる(優先順位が高い)UIタッチパネル216、ICカードリーダー217に対して立ち上げ指示(スリープモード→スタンバイモード)を実行し、ステップ154へ移行する。
ステップ154では、第2の人感センサ30で移動体を検出したか否かが判断される。
このステップ154で肯定判定されると、第2の人感センサ30の領域である第2の領域Nに移動体が進入、すなわち、使用者が画像処理装置10に対面していると判断し、ステップ156へ移行して、省エネにおいて優先順位が低い画像形成部240、画像読取部238に対して立ち上げ指示(スリープモード→スタンバイモード)を実行し、ステップ158へ移行する。
ステップ158では、ジョブ実行指示操作があったか否かが判断される。このステップ158で否定判定された場合は、ステップ154へ戻り、上記工程を繰り返す。なお、この繰り返し処理でのステップ156の処理において、何度も立ち上げ指示を出してもよいが、一度立ち上げ指示(ステップ152→154→156の流れによる立ち上げ指示)を実行した場合は、2度目以降の処理は、立ち上げ指示をキャンセルすることが好ましい。また、この間(ステップ154、156、158の繰り返し中)は、使用者が、例えば、ジョブとして複写処理をしようとするときの、倍率、用紙サイズ、部数、カラー/白黒等の機能設定操作が行われる。
ここで、ステップ158で肯定判定されると、例えば、スタートキーが操作されたと判断され、ステップ160へ移行する。なお、スタートキーが操作されることで、メインコントローラ200での別処理でジョブが実行される。
ステップ160では、ジョブが終了したか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ154へ移行する。
一方、前記ステップ154で否定判定されると、第2の人感センサ30の領域である第2の領域Nから移動体が離脱、すなわち、使用者が画像処理装置10から離れたと判断し、ステップ162へ移行して、省エネにおいて優先順位が低い画像形成部240、画像読取部238に対して立ち下げ指示(スタンバイモード→スリープモード)を実行し、ステップ164へ移行する。
ステップ1624では、第1の人感センサ28で移動体を検出したか否かが判断され、肯定判定された場合は、第2の領域Nからは出たが、第1の領域Fには残っていると判断し、ステップ154へ戻り、上記肯定を繰り返す。なお、この繰り返し処理(ステップ154、162、164)において、ステップ162で、何度も立ち下げ指示を出してもよいが、既に立ち下げ状態の場合は、立ち下げ指示をキャンセルすることが好ましい。
ステップ164で否定判定、すなわち、移動体(使用者)が、第1の領域Fからも離脱したと判断された場合は、ステップ166へ移行して予め定められた時間(例えば、15秒)経過したか否かが判断される。
ステップ166で否定判定された場合は、ステップ164へ戻り、第1の人感センサ28による移動体検出を継続する。これは、例えば、画像処理を実行しようとする使用者が、書類を忘れてとりに戻るといったような場合を想定し、画像形成部240の立ち下げに、ある程度の時間の猶予を与えるものである。従って、一例として示した15秒は省エネ(−方向)と利便性(+方向)の微調整の中間位置(微調整量±0)であって、15秒に限定されるものではない。基本は省エネ優先であるが、若干利便性寄りにしたい場合は15秒を超えるようにすればよいし(微調整を+方向、例えば、16秒〜20秒)、さらに省エネを高めたい場合は、15秒未満に設定すればよい(微調整−方向、例えば、10秒〜14秒)。
前記ステップ166で肯定判定された場合は、ステップ168へ移行して、UIタッチパネル216、ICカードリーダー217に対して立ち下げ指示を実行し(スタンバイモード→スリープモード)、このルーチンは終了する。
なお、本実施の形態では、2個の人感センサ28,30を用いて、2つの領域(領域F、領域N)を設定し、各デバイスをこの2つの領域に割り当てるようにしたため、起動までの時間やスタンバイ時の電力消費量が異なるデバイスが同じ領域に割り当てられる場合があったが、デバイスの数又はそれ以上の領域を設定すれば、よりきめ細かく、省エネ性又は利便性を得る立ち上げ順序の設定(図7(A)の利便性優先矢印、省エネ性優先矢印参照)が可能である。
また、立ち上げ条件は、利便性、省エネ、或いは他の条件を固定的に設定してもよく、この場合は、予め各デバイスの起動優先順位が決まるので、切替のためのスイッチ(省エネ/利便性切替スイッチ219)は不要である。
なお、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30の検出領域は、図6に示すように、領域面積が異なり、かつ第1の人感センサ28の検出領域は、第2の人感センサ30の検出領域に含まれるようにし、画像処理装置10から距離的に遠い検出領域から先に検出する形態としたが、例えば、検出領域(面積)が関係なく、指向性のある人感センサを用い、検出領域は狭いが、検出する時間差で2種類の人感センサを適用してもよい。この場合、機能的には、先に検出する人感センサが、本実施の形態に係る第2の人感センサ30に相当し、後に検出する人感センサが、本実施の形態に係る第1の人感センサ28に相当する。