JP5671793B2 - 仕上研磨を施したシリコンウェーハの洗浄方法 - Google Patents

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Description

本発明は、Haze(ヘイズ)レベルの悪化を抑制することができるシリコンウェーハの洗浄溶液、およびそれを使用したシリコンウェーハの洗浄方法に関する。
シリコンウェーハの洗浄溶液として、従来からSC−1溶液が広く用いられている。SC−1溶液は水酸化アンモニウムと過酸化水素の水溶液であり、ウェーハ表面のパーティクル除去性能が非常に優れているという特徴を有している。
しかし、シリコンウェーハに対してSC−1溶液による洗浄処理を実施すると、Hazeレベルが悪化することが確認されている。Hazeとは、いわゆる曇りとして表現されるものであり、シリコン表面の粗さの指標として広く用いられているものである。このHazeレベルが高い状態とはウェーハ表面の粗さが悪い状態であり、Hazeレベルが高い場合は、入射光に対し、シリコンウェーハ表面で乱反射を引き起こす状態となる。つまり、Hazeレベルはシリコンウェーハ表面での光反射に寄与する因子とも言え、シリコンウェーハ品質において、非常に重要な因子の一つである。この粗さ因子であるHazeレベルは、SC−1溶液による洗浄処理を実施することで悪化することが、従来より問題視されていた。
このHazeが増加する、つまりHazeレベルが高くなる(悪化する)と、デバイス特性に悪影響を及ぼすとともに、光学式表面検査装置を用いたウェーハ表面のLPD(Light Point Defect)において、カウントされる欠陥密度に誤差を生じることになり、測定精度への影響も大きくなる。そのため、微小LPDの測定を可能とするためにも、Hazeレベルの悪化を抑制することができるウェーハ洗浄処理技術の開発が必要とされている。
特許文献1には、半導体ウェーハを、NH4Clを含有する水溶液で洗浄するウェーハの洗浄方法が記載されている。従来、SC1溶液(前記SC−1溶液に同じ)による洗浄では、パーティクルは除去できるが金属不純物は除去できず、過酸化水素水と塩酸を含むSC2溶液による洗浄では、金属不純物は除去できるがパーティクルの除去はできないので、SC1とSC2を組み合わせた多段式装置により洗浄を行わざるを得なかった。これに対し、同文献に記載の方法によれば、パーティクルと金属不純物を同時に除去することができるとしている。
しかしながら、特許文献1に記載される実施例によれば、NH4OHとHClを混合した洗浄液を使用するものであるため、後述するように、シリコンウェーハ表面のHazeレベルを十分に低下させることができない問題がある。
特開平11−260786号公報
本発明は、Hazeレベルの悪化を抑制することができるシリコンウェーハの洗浄溶液、およびそれを使用したシリコンウェーハの洗浄方法を提供することを目的としている。
上記の課題を解決するために、本発明者らは、SC−1溶液を用いてシリコンウェーハを洗浄処理した場合の反応機構について考察した。
図1は、SC−1溶液によりシリコンウェーハを洗浄処理する場合の反応機構を説明するための図である。SC−1溶液を用いてシリコンウェーハを洗浄処理した場合、図1に示す(i)式〜(iii)式の反応が複合的に進行することにより洗浄が行われていると推定されている。(i)式の反応はH22によるウェーハ表面のSiの酸化である。(ii)式、(iii)式の反応は双方とも水酸化アンモニウム(NH4OH)がウェーハ表面に作用する反応であるが、(ii)式はウェーハ表面に形成されたSiO2がNH4 +の作用により(NH42SiO3を形成して溶解する(エッチングされる)反応であり、(iii)式はウェーハ表面のSiがOH-の作用により(NH42SiO3を形成して溶解する反応である。
このうち、(iii)式で示される反応は、シリコンウェーハ表面のSiが溶解するいわゆるアルカリエッチング反応(NaOH、KOH等のアルカリが関与する反応)と同一機構によるものである。さらに、アルカリエッチング反応ではシリコンの結晶方位等によって溶解速度が異なる異方性エッチングが進行しやすく、表面粗さ(すなわち、Haze)が増大する。したがって、シリコンウェーハの洗浄処理の際に生じるHazeレベルの悪化を抑制するには、(iii)式で示される反応を抑制することが重要である。
特許文献1に記載される発明では、洗浄液を構成する薬液組成として、OH-を含むNH4OHをそのまま使用するものであるため、この(iii)式で示される反応を抑制することが不可能である。
図1に示したように、H22にはSiを酸化してSiO2を形成させる作用がある((i)式の反応)。また、NH4 +はSiO2に対するエッチング作用を有している((ii)式の反応)。したがって、NH4OHの代わりに、NH4 +の対イオンとしてOH-以外のイオンを有し、溶解してNH4 +を生成する化合物(すなわち、アンモニウム塩)を使用すれば、(iii)式で示されるSiが直接エッチングされる反応を抑制し、ウェーハ表面を先ず酸化してSiO2を形成させ、続いてこのSiO2を溶解するという緩やかなエッチング反応を進行させることができる。これにより、ウェーハ表面の洗浄効果を維持するとともに、Hazeレベルの悪化を抑制することが可能になると考えられる。
本発明はこのような考察に基づき、種々の薬液およびそれらの濃度等について検討を重ねた結果なされたもので、下記の仕上研磨を施したシリコンウェーハの洗浄方法を要旨とする。以下の説明で、本発明の洗浄方法で使用する洗浄溶液を「本発明のシリコンウェーハの洗浄溶液」または「本発明の洗浄溶液」と記す
すなわち、塩化アンモニウム(NH Cl)、炭酸アンモニウム((NH CO )、臭化アンモニウム(NH Br)、硫酸アンモニウム((NH SO )および硝酸アンモニウム(NH NO )群から選択される1種または2種以上を組み合わせ化合物として純水に溶解させた無機アンモニウム塩、過酸化水素および水からなる洗浄溶液を使用することを特徴とする仕上研磨を施したシリコンウェーハの洗浄方法である。
ここで、「無機アンモニウム塩」の「塩」とは、酸に含まれている一つ以上の解離しうる水素イオンが金属イオンやアンモニウムイオンなどのカチオンと置換された化合物をいう。したがって、「無機アンモニウム塩」とは、酸に含まれる一つ以上の水素イオンがアンモニウムイオンと置き換えられた無機化合物であり、具体的に例示すると、塩化アンモニウム(NH4Cl)、炭酸アンモニウム((NH42CO3 )、臭化アンモニウム(NH4Br)、硫酸アンモニウム((NH42SO4)および硝酸アンモニウム(NH4NO3から選択される1種または2種以上のアンモニウム塩である。
本発明のシリコンウェーハの洗浄溶液においては、さらに、pH調整のための水酸化アンモニウムを含むものとする実施形態を採ることができる。この洗浄溶液は、洗浄により除去したパーティクルのウェーハ表面への再付着を抑制して洗浄効果を高めることができる。
本発明のシリコンウェーハの洗浄溶液(前記実施形態の洗浄溶液)において、そのpHが6〜12であれば、パーティクルのウェーハ表面への再付着抑制効果が大きく、望ましい。
本発明のシリコンウェーハの洗浄溶液(前記の各実施形態を含む)において、アンモニウム塩の濃度が0.01〜4質量%、過酸化水素の濃度が0.1〜8質量%であれば、洗浄効果が得られるとともに、Hazeレベルの悪化が抑制される。
ここでいう「質量%」とは、洗浄溶液とそれに含まれる溶質(アンモニウム塩、過酸化水素)の質量比を百分率で表した濃度である。以下、単に「%」と記す。
本発明のシリコンウェーハの洗浄溶液は、無機アンモニウム塩と過酸化水素を含む水溶液からなるものである。この洗浄溶液にはOH-の含有量が十分少ないので、ウェーハ表面のSiが直接エッチング作用を受けることがない。この洗浄液を使用する本発明のシリコンウェーハの洗浄方法によれば、ウェーハ表面のエッチングがSiO2の形成を介して比較的緩やかに進行するので、従来用いられているSC−1溶液による洗浄と比較して、Hazeレベルの悪化を抑制することが可能である。
SC−1溶液によりシリコンウェーハを洗浄処理する場合の反応機構を説明するための図である。 本発明のシリコンウェーハの洗浄溶液を用いた場合の洗浄のメカニズムを、従来のSC−1溶液を用いた場合と比較して説明する図である。
本発明のシリコンウェーハの洗浄溶液は、前記のとおり、無機アンモニウム塩、過酸化水素および水からなることを特徴とする洗浄溶液である。すなわち、無機アンモニウム塩および過酸化水素を含む水溶液であり、従来、多用されているSC−1溶液に含まれている水酸化アンモニウムを含んでいない。
本発明の洗浄溶液の構成をこのように規定するのは、例えば、ウェーハの加工工程において、ポリッシング(仕上研磨)後に行われるウェーハ表面の洗浄処理に伴うHazeレベルの悪化を抑制するためである。前記図1を参照して説明したように、洗浄溶液中に水酸化アンモニウム(NH4OH)が含まれていると、ウェーハ表面(Si)がOH-の作用によりエッチングを受けやすく、表面粗さ(すなわち、Haze)が増大する。
図2は、本発明のシリコンウェーハの洗浄溶液を用いた場合の洗浄のメカニズムを、従来のSC−1溶液を用いた場合と比較して説明する図である。
図2の比較例は、水酸化アンモニウム(NH4OH)と過酸化水素水(H22)の水溶液であるSC−1溶液を洗浄溶液として用いた場合であり、液中にはOH-が多量に含まれている。この場合は、OH-によるウェーハ1表面のSiの直接エッチング(図1の(iii)式の反応)、H22によるSiO22の生成(図1の(i)式の反応)、およびNH4 +によるSiO22のエッチング(同(ii)式の反応)が複合的に進行するが、OH-の濃度が高い場合は、図示するように、OH-によるSiの直接エッチングが優先的に起こる。エッチングの進行に伴いウェーハ表面の粗さは顕著になり、Hazeレベルが悪化する。
これに対し、図2の本発明例では、洗浄溶液中にOH-が存在せず、NH4 +が多量に含まれているので、ウェーハ1表面でのH22によるSiO22の生成反応と、NH4 +によるSiO22の溶解反応(エッチング)とが連続的に起こる。SC−1溶液を用いた場合に比べると、ウェーハ表面のエッチングは緩やかに進行するのでエッチング速度(ひいては洗浄速度)は低下するが、ウェーハ表面は殆ど粗くならず、Hazeレベルの悪化が抑制される。
前掲の特許文献1にはNH4Clを含有する水溶液でウェーハを洗浄する方法が記載されている。しかし、同文献に記載された発明は、パーティクルと金属不純物を同時に除去できるウェーハの洗浄方法であって、Hazeレベルの悪化の抑制を目的とするものではない。そのため、同文献記載の発明では、NH4Clを含有する水溶液の調製法として、アンモニア水(NH4OH濃度28%程度)と塩酸溶液(HCl濃度30%程度)をはかり取り、所定量の純水と混合する方法が提案され、NH4OHまたはHClが過剰に含まれていてもよいと規定している。すなわち、同文献記載の発明で使用される洗浄液は、OH-そのものを含む水酸化アンモニウム(NH4OH)を使用して調整された塩化アンモニウム水溶液である。
本発明のシリコンウェーハの洗浄溶液は、後述するように、調製に際して無機アンモニウム塩を使用するものであり、NH4OH、HClのいずれをも共存させることはない。ウェーハ表面のSiO2形成を介した比較的緩やかなエッチングによる洗浄効果を維持しつつ、Hazeレベルの悪化を抑制するためである。
無機アンモニウム塩としては、水に溶解可能なものであれば特に制限はなく、前記の種々のアンモニウム塩が使用可能である。そのなかで、コスト等を考慮した実用面からは、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウムが好適である。これらのアンモニウム塩はそれぞれ単独で使用してもよいし、2種以上を合わせて使用してもよい。
過酸化水素は、無色の油状流体であるが、一般に30〜35%の水溶液(過酸化水素水)として市販されているので、これら過酸化水素水を適宜希釈して用いればよい。
無機アンモニウム塩および過酸化水素の濃度について特に限定はない。両者とも比較的低濃度で洗浄効果があり、また、薬液コスト低減の観点から過度に高濃度とすることは、通常は行われず、洗浄溶液として使用される一般的な薬液濃度範囲であれば、洗浄効果が維持される。しかし、これら薬液(この場合の溶質は、無機アンモニウム塩または過酸化水素)の濃度が極端に低かったり、一般的な薬液濃度範囲を越える場合には、洗浄後のウェーハ品質(LPD等)が低下し、Hazeレベルも悪化する傾向がある。したがって、実操業においては、実績を踏まえて、良好な洗浄効果が得られ、Hazeレベルが低く抑えられる薬液濃度範囲内で洗浄処理を行うことが望ましい。
なお、前記本発明の洗浄溶液を調製するにあたり、無機アンモニウム塩を含有させる際には、化合物としての無機アンモニウム塩を純水に溶解させて所定濃度とする。所定量のアンモニアガス(NH3)と各種酸性ガス(例えば、HCl)を純水に溶解させることによっても無機アンモニウム塩を純水に溶解した溶液と同一組成になし得るが、酸性ガス溶解時に同時にH+を純水に添加することになり、対イオンであるOH-も系の平衡維持のため生成する。その結果、前述のOH-に起因する反応が促進され、Hazeレベルが悪化するからである。
本発明のシリコンウェーハの洗浄溶液においては、無機アンモニウム塩および過酸化水素に加え、さらに、pH調整のための水酸化アンモニウムを含むものとする実施形態を採用することができる。
この実施形態の洗浄溶液において、pH調整のための水酸化アンモニウムを含むこととするのは、洗浄により除去したパーティクルのウェーハ表面への再付着を防止するためである。
ウェーハ表面から除去されたパーティクルは洗浄溶液中で粒子として存在するが、この粒子の表面からある厚さの層内にある溶液は粒子とともに運動する。この層の表面(滑り面)とこの面から充分に離れた溶液部分との電位差はゼータ(ζ)電位と称され、固相と液相の界面の性質、特にコロイドの分散・凝集性等を評価する上での指標とされている。前記の実施形態(水酸化アンモニウムを添加した洗浄溶液)においては、そのpHをコントロールすることにより、ウェーハ表面から除去されたパーティクルのゼータ電位が適切に制御されることとなり、パーティクルのウェーハ表面への再付着が抑制されるものと考えられる。
水酸化アンモニウムの濃度について特に限定はない。pH調整のために含有させるので、pH調整の範囲を超えて過度に添加することはなく、また、少量の添加でも、洗浄溶液のpHを多少なりとも上昇させるに足る添加であれば、効果が認められるからである。しかし、pHが12を超えて高くなると、洗浄後のウェーハ品質(LPD等)が低下し、Hazeレベルも悪化する傾向がみられるので、実操業においては、実績に基づき適正なpH領域で洗浄処理を行うことが望ましい。
前記の実施形態(水酸化アンモニウムを添加した洗浄溶液)において、そのpHが6〜12であれば、パーティクルのウェーハ表面への再付着抑制効果が大きく、望ましい。より望ましいpHの範囲は、8.5〜9.5であり、その場合は、後述する実施例に示すように、LPDの洗浄除去に対しても顕著な効果を発揮する。
本発明のシリコンウェーハの洗浄溶液(前記の各実施形態を含む)において、アンモニウム塩の濃度が0.01〜4%、過酸化水素の濃度が0.1〜8%であれば、洗浄効果が得られるとともに、Hazeレベルの悪化が抑制される。
アンモニウム塩の濃度を0.01〜4%と規定するのは、当該濃度が0.01%に満たないと、エッチングが進行し難く、所望の洗浄効果が得られにくい。一方、アンモニウム塩の濃度が4%を超えると、後段のリンス(水洗)工程において、水洗に長時間を要するなど、生産効率低下の要因になる。なお、2種以上のアンモニウム塩を使用した場合は、それらを合わせた濃度を前記規定範囲内とすればよい。
過酸化水素の濃度を0.1〜8%と規定するのは、当該濃度が0.1%に満たないと、H22によるウェーハ表面(Si)の酸化が起こりにくく、SiO2が形成されにくい。その結果、所望の洗浄効果が得られにくくなる。一方、過酸化水素の濃度が8%を超えると、SiO2の形成が過剰に進み、アンモニウム塩によるエッチングが進行し難くなり、所望の洗浄効果が得られにくい。
アンモニウム塩および過酸化水素の望ましい濃度範囲は、アンモニウム塩が0.1〜3%で、過酸化水素が0.5〜5%である。より望ましい濃度範囲は、アンモニウム塩が0.5〜2%で、過酸化水素が1.5〜3%である。
以上説明したように、本発明のシリコンウェーハの洗浄溶液は、無機アンモニウム塩と過酸化水素を含む水溶液からなるものであり、OH-は含まれていない(厳密には、水の解離によるOH-、あるいはpH調整のために添加したNH4OHの解離によるOH-は含まれているが、薬液構成成分としては添加していないので、ここでは、「含まれていない」という表現を用いる)。したがって、ウェーハ表面のSiが直接エッチング作用を受けることがなく、エッチングは過酸化水素による酸化で形成されたSiO2を介して比較的緩やかに進行するので、ウェーハ表面の洗浄効果が維持されるとともに、Hazeレベルの悪化が抑制される。
本発明のシリコンウェーハの洗浄方法は、本発明のシリコンウェーハの洗浄溶液(前述の各実施形態の洗浄溶液を含む)を使用することを特徴とする洗浄方法である。
OH-が含まれていない本発明の洗浄溶液を用いることにより、前記の図1および図2を参照して説明したように、ウェーハ表面の洗浄効果を維持しつつ、Hazeレベルの悪化を抑制することができる。
本発明のシリコンウェーハの洗浄方法においては、洗浄溶液として前述の本発明の洗浄溶液を使用し、その他の一連の操作、条件等については、従来のSC−1溶液を用いたシリコンウェーハの洗浄の際に採用されている操作、条件等に準じて行えばよい。
例えば、洗浄処理の際の洗浄溶液の温度(処理温度)は、20〜80℃とするのが望ましい。また、処理時間は、処理温度にもよるが、1〜30分とするのが望ましい。
本発明のシリコンウェーハの洗浄方法によれば、従来用いられているSC−1溶液による洗浄と比較し、同一の洗浄条件においても、Hazeレベルの悪化を抑制することが可能である。
仕上研磨を施した後のシリコンウェーハ(直径:300mm)に対して本発明の洗浄溶液を用いて洗浄処理を行い、処理後のウェーハの品質(HazeおよびLPD)を調査した。洗浄処理温度は60℃、処理時間は20分とした。なお、洗浄処理後のウェーハは、通常行われている方法に準じて、ウェーハに付着している薬液を水(室温)により洗い落とした後、乾燥処理に付した。
Hazeレベルは、パーティクルカウンター(SP−2)により、DWOモードで測定した。また、LPDは、同じくパーティクルカウンターで、サイズが35nm以上のものをカウントした。
(実施例1)
アンモニウム塩の種類を変えた本発明の洗浄溶液を使用してウェーハを洗浄処理し、洗浄後のウェーハの品質を調査した。比較のために、アンモニウム塩に代えて水酸化アンモニウムを含有させた洗浄溶液についても同様の調査を行った。
表1に洗浄溶液の組成およびウェーハの品質調査結果を示す。表1のLPDの欄の「個/W」は、ウェーハの全表面当たりのLPDの個数を意味する。なお、品質調査の測定値はいずれも複数のウェーハについての平均値である。
Figure 0005671793
表1に示すように、アンモニウム塩として塩化アンモニウム(NH4Cl)、炭酸アンモニウム((NH42CO3)のいずれを含む洗浄溶液を使用した場合でも(本発明例1、2)、LPD数は少なく、洗浄効果に優れており、しかもHazeレベルの悪化が抑制されていることがわかる。
これに対し、アンモニウム塩に代えて水酸化アンモニウム(NH4OH)を含有させた洗浄溶液を使用した場合は(比較例1)、本発明例1、2に比べてLPD数が多く、Hazeレベルが高かった。これは、OH-の作用によりウェーハ表面(Si)の直接エッチングが起こり、ウェーハ表面が粗くなったことによるものである。
(実施例2)
アンモニウム塩として塩化アンモニウム(NH4Cl)を使用した本発明の洗浄溶液について、NH4Cl濃度およびH22濃度をそれぞれ広範囲に変えた洗浄溶液を使用してウェーハを洗浄処理し、洗浄後のウェーハの品質を調査した。
表2にNH4Cl濃度を変えた洗浄溶液を使用した場合のウェーハの品質調査結果を、また、表3にH22濃度を変えた洗浄溶液を使用した場合のウェーハの品質調査結果を示す。なお、表2および表3におけるLPDの欄の「<10000」とは、LPD数が10000個/W以上で、測定不能であったことを意味する。
Figure 0005671793
Figure 0005671793
表2に示すように、NH4Cl濃度が0.005%と極端に小さい場合、および5.0%以上を除く広い濃度範囲で、洗浄効果が認められ、Hazeレベルの悪化が抑制された。また、表3に示すように、H22濃度が0.01%以下と非常に小さい場合、および8%を超える高濃度の場合を除く広い濃度範囲で、同じく洗浄効果が認められ、Hazeレベルの悪化が抑制された。すなわち、NH4Cl濃度が0.01〜4%、H22濃度が0.01〜8%であれば、洗浄の効果が得られるとともに、Hazeレベルの悪化が抑制される。
NH4Cl濃度およびH22濃度を前記の望ましい濃度範囲(NH4Cl:0.1〜3%、H22:0.5〜5%)とした場合、さらには、より望ましい濃度範囲(NH4Cl:0.5〜2%、H22:1.5〜3%)とした場合は、表2、表3に示すように、LPD数を大幅に減少させ、Hazeレベルも著しく低下させることができた。
(実施例3)
アンモニウム塩として塩化アンモニウム(NH4Cl)を使用し、NH4Cl濃度およびH22濃度をそれぞれ0.6%および2.6%の一定とし、pHを5.97〜12.5の範囲で変えた本発明の洗浄溶液を使用してウェーハを洗浄処理し、洗浄後のウェーハの品質を調査した。
表4に洗浄溶液の組成およびウェーハの品質調査結果を示す。pHは、水酸化アンモニウム(アンモニア水)の添加量を加減して調製した。なお、表4において、pH5.97の洗浄溶液を使用したケースは、水酸化アンモニウムを添加しなかった場合である。
Figure 0005671793
表4に示すように、広いpH領域で効果が認められる。pHの範囲を6〜12、さらには8.5〜9.5とした場合は、Hazeレベルの悪化抑制に対してより効果的であり、LPDの洗浄除去に対しても顕著な効果があった。
本発明のシリコンウェーハの洗浄溶液は、無機アンモニウム塩と過酸化水素を含む水溶液からなるものであり、OH-が含まれていない。この洗浄溶液を使用する本発明のシリコンウェーハの洗浄方法によれば、ウェーハ表面のエッチングが、過酸化水素の作用により形成されるSiO2を介して比較的緩やかに進行するので、ウェーハ表面の洗浄効果を維持しつつHazeレベルの悪化を抑制することが可能である。
したがって、本発明のシリコンウェーハの洗浄溶液およびそれを使用した洗浄方法は、シリコンウェーハならびに半導体デバイスの製造において広く利用することができる。
1:ウェーハ、 2:SiO2

Claims (2)

  1. 塩化アンモニウム(NH Cl)、炭酸アンモニウム((NH CO )、臭化アンモニウム(NH Br)、硫酸アンモニウム((NH SO )および硝酸アンモニウム(NH NO )群から選択される1種または2種以上を組み合わせ化合物として純水に溶解させた無機アンモニウム塩、過酸化水素および水からなる洗浄溶液を使用することを特徴とする仕上研磨を施したシリコンウェーハの洗浄方法。
  2. pHが6〜12であることを特徴とする請求項1に記載の仕上研磨を施したシリコンウェーハの洗浄方法。
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