JP5667959B2 - 影響度分析方法、影響度分析装置及びそのプログラム - Google Patents
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Description
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、コンテンツを閲覧する際のユーザの他者からの影響度を高精度に推定可能にする影響度分析方法、影響度分析装置及びそのプログラムを提供することにある。
本発明の第1の態様は、コンピュータによって、複数の概念についてユーザが他ユーザから受ける影響度スコアを体系化した概念体系を用いて前記ユーザへの影響度を分析する方法、装置及びプログラムであって、前記ユーザが複数のコンテンツを一覧として閲覧した第1のコンテンツリストと、前記第1のコンテンツリストからコンテンツの本体を閲覧した第2のコンテンツリストとをクラスタ化し、前記クラスタ毎に、前記第1のコンテンツリストのコンテンツの総数を第1の総数とし、前記第1のコンテンツリストにおいて前記他ユーザによりお薦め情報が付与されたコンテンツが出現する数を第1の出現数とし、前記第2のコンテンツリストのコンテンツの総数を第2の総数とし、前記第2のコンテンツリストにおいて前記お薦め情報が付与されたコンテンツが出現する数を第2の出現数としたとき、前記第1の総数、前記第1の出現数、及び前記第2の総数の条件下で、前記第2のコンテンツリストに前記お薦め情報が付与されたコンテンツの出現数が、前記第2の出現数以上となる第1の確率及び前記第2の出現数以下となる第2の確率を算出し、前記第1の確率及び前記第2の確率のうちのいずれか一方をもとに標準正規分布の累積分布関数の逆関数により特徴スコアを算出し、前記クラスタ毎に算出した特徴スコアを用いて前記概念に対する前記影響度スコアを更新する。
第2の態様によれば、他者からの影響度の推定において、各概念や複数の概念が属するジャンル毎の影響度を推定することが可能となる。
第3の態様によれば、人間体系を用いたコンテンツ閲覧履歴分析において、コンテンツにお薦め情報を付与した個人だけでなく、組織やグループ属性についても、統計的な観点で合理的かつ的確に分析可能となる。また、特定の個人が付与するお薦め情報は少ないために、影響度分析を行うために十分な量の履歴が確保できない、という場合であっても、複数ユーザが属する所定の集合単位で影響度を分析することにより、十分な履歴を確保できる。
図1は本発明に係る影響度分析装置を用いた情報提示システムの全体構成図である。このシステムは、クライアント端末400と、コンテンツサーバ500と、興味分析装置100と、影響度分析装置200と、コンテンツスコアリング装置300を備える。クライアント端末400とコンテンツサーバ500との間、及びコンテンツサーバ500と興味分析装置100との間、及び、コンテンツサーバ500と影響度分析装置200との間、及び、コンテンツサーバ500とコンテンツスコアリング装置300との間はそれぞれ通信ネットワークで接続される。ユーザは、クライアント端末400での閲覧操作により、所望のコンテンツをコンテンツサーバ500から取得し、取得したコンテンツをクライアント端末400の画面に提示して閲覧する。
影響度分析装置200は、上記一覧閲覧コンテンツリストおよび詳細閲覧コンテンツリストをもとに、コンテンツに“オススメタグ”を付与した他ユーザ(個人あるいは集団)に対する影響度の特徴スコア及び影響度スコアを算出し、当該ユーザへの他ユーザ(個人あるいは集合)からの影響度を推定する。
[興味分析装置]
興味分析装置100は、履歴情報受信部110、興味の特徴スコア算出部120、興味概念体系更新処理部130、及び概念体系/ユーザ興味スコアデータベース140を備える。概念体系/ユーザ興味スコアデータベース140は、ルート概念ノードIDと、概念体系テーブルと、ユーザ興味スコアテーブルとを有する。
概念体系テーブルは、自概念ID、親概念IDリスト、及び子概念IDリストを格納する。概念体系内の全ての自概念IDは、親概念ID及び子概念ID(ただし、自概念が最下位の場合には子概念IDは無し)と紐付けて保存されており、これにより概念構造が定義される。
ユーザ興味スコアテーブルは、概念ID、ユーザID(クライアント端末ID)、TotalZ(ユーザ興味スコア)の値を格納する。TotalZの定義及び算出方法は後述する。
履歴情報受信部110は、クライアント端末400からの一覧閲覧コンテンツリスト及び詳細閲覧コンテンツリストを、コンテンツサーバ500を介して受信する。一覧閲覧コンテンツリストとは、例えば、ユーザがコンテンツのタイトルのみを一覧で閲覧したコンテンツのリストである。詳細閲覧コンテンツリストとは、ユーザがコンテンツ本体の内容(詳細)を閲覧したコンテンツのリストである。例えば、図3において、一覧閲覧コンテンツリストには、コンテンツ1〜8が含まれ、詳細閲覧コンテンツリストには、コンテンツ1,3,4が含まれる。また、図3において、斜線パターンで示すコンテンツは、概念Bがコンテンツ1,6,7,8に出現することを示す。
図4(a)に分析パラメータ抽出処理の模式図を示す。例えば、50個(=S)のコンテンツが一覧表示されている中から、ユーザが10個(=a)のコンテンツの詳細を閲覧した場合を示す。ここで、一覧表示されている50個のコンテンツのうち「野球」という概念が含まれている記事が15個(=N)あり、ユーザが閲覧した10個のコンテンツのうち、「野球」という概念が含まれているコンテンツが5個(=n)あったことを示す。
ここで、クラスタとは、一覧閲覧コンテンツリスト及び詳細閲覧コンテンツリストに一意に付与される識別子である。別の時刻(時間帯)に表示した一覧閲覧コンテンツをユーザが閲覧した場合は、別のクラスタIDが付与される。なお、時刻以外の条件でクラスタIDを新たに付与する条件としては、一覧閲覧コンテンツリスト表示中に一定時間操作が無かった場合や、閲覧するユーザ(ユーザID)を切り替えた場合、一覧閲覧コンテンツリストに対して、コンテンツジャンル等を観点に絞り込み検索を掛けた場合、その他閲覧アプリケーションにおいて閲覧モードを切り替えた場合がある。
そして、興味の特徴スコア算出部120は、図5に示すように、上記算出した累積確率H1及びH2を用いて、標準正規分布の累積分布関数の逆関数により興味の特徴スコアZを算出する。図4(c)に示すように、上記H1を累積確率とする標準正規分布の累積分布関数の逆関数により特徴スコアZを求める。なお、累積確率としてH2を利用する場合には、標準正規分布の累積分布関数の逆関数の返値の符号を負にして特徴スコアZを求める。この特徴スコアZを用いて、後述する興味概念体系更新処理部130は、「野球」という概念に対するユーザ興味スコア(TotalZ)を求める。
図2において、クライアント端末400は、履歴収集部410、履歴情報送信部420、コンテンツ提示部430、コンテンツ要求送信部440、及びオススメタグ付与部450を備える。
コンテンツ要求送信部440は、ユーザの指示(入力)によりコンテンツサーバ500に対して、コンテンツの提示要求を行う。具体的には、例えば、クライアント端末ID(もしくはユーザID)及び要求時刻を含むコンテンツ要求データをコンテンツサーバ500に送信する。なお、要求時刻は、コンテンツサーバ500において追加するようにしてもよい。クライアント端末ID(もしくはユーザID)は、端末(もしくはユーザ)毎に一意に付与される数字であって、後述する概念体系/ユーザ興味スコアデータベース140のユーザ興味スコアテーブルのユーザIDと一致するIDである。
上記図2において、コンテンツサーバ500は、コンテンツ送信処理部510、ソート済み提示コンテンツリスト受信部520、提示コンテンツリスト送信部530、提示コンテンツリスト入力部540、履歴情報転送部550、コンテンツ要求転送部560、オススメタグ入力部570、及びオススメタグ送信部580を備える。
提示コンテンツリスト入力部540には、サービス運用者により、ユーザの利用するクライアント端末400に提示するコンテンツを一覧にした提示コンテンツリストが入力される。提示コンテンツリスト送信部530は、上記入力された提示コンテンツリストをコンテンツスコアリング装置300へ通信ネットワークを介して送信する。
コンテンツ要求転送部560は、クライアント端末400のコンテンツ要求送信部440からのコンテンツ提示要求であるコンテンツ要求データをコンテンツ評価処理部320に転送する。
影響度分析装置200は、履歴情報受信部210と、人間関係データベース220と、影響度の特徴スコア算出部230と、各人・グループに対する影響度の概念体系更新処理部240と、各人・グループに対する影響度スコアを持つ影響度概念体系データベース250を備える。
(第1実施例)
図9は、第1実施例に係る影響度分析処理を示す図である。影響度の特徴スコア算出部230は、上記S,a,M,mを分析パラメータとして利用して、AAさんへのAさんからの影響度の特徴スコアZ´を算出する。影響度の特徴スコアZ´は、上記図5に示す算出式において、N,nをM,mに置き換えることで算出することができる。
以上より「Aさんオススメ」に対する影響度の特徴スコアが算出される。算出された特徴スコアを、各人・グループに対する影響度スコアを持つ影響度概念体系データベース250に渡す。各人・グループに対する影響度スコアを持つ影響度概念体系データベース250には、興味推定と同様の概念体系を構成する各概念に影響度スコアを持たせておく。
第2実施例では、AAさんへのAさんからの特定の概念(又は特定のジャンル)毎の影響度を推定する手法を説明する。図10は、第2実施例に係る影響度分析処理を示す図である。影響度の特徴スコア算出部230は、分析パラメータS,a,P,pを利用してAさんに対する影響度の特徴スコアZ´を算出する。この場合の影響度の特徴スコアZ´は、上記図5に示す算出式において、N,nをP,pに置き換えることで算出することができる。
以上より、「Aさんの野球に関するオススメ」に対する影響度の特徴スコアが算出される。
「Aさんオススメ」に関する影響度のスコア更新が終了した後に、同一の一覧閲覧コンテンツに含まれる、Aさん以外の「オススメタグ」を付与した人についても、上記と同様の方法で影響度に関する特徴スコアを算出し、上記式(1)を用いて影響度スコアの更新を行う。
図11は、第3実施例に係る影響度分析処理を示す図である。第3実施例では、AAさんへのグループFからの影響度を推定する手法を説明する。つまり、お薦め情報を付与した他ユーザらがグループ属性や組織体系を有し、これらの関係について階層的な体系を作成できる場合(以後、前述の人から成る体系を、人間体系という)に、一覧閲覧コンテンツリスト及び詳細閲覧コンテンツリストのコンテンツに出現するオススメタグを付与した他ユーザの上位のグループ属性を人間体系から抽出し、上位のグループ属性が当該コンテンツに出現するものとみなして、上位のグループ属性に対するユーザの影響度スコアを更新することをさらに特徴とするものである。なお、上記人間体系の関係情報は、多数の前記他ユーザあるいはグループ属性が相互に関連を持つことでグラフ構造を持つことができる。グラフ構造を持つ場合には、各前記他者あるいはグループ属性の直接あるいは間接の上位属性を「親グループ」、直接あるいは間接の下位属性を「子グループ」と呼ぶ(個人の場合も所属するメンバーが一人のグループとみなす)。
(第4実施例)
図12は、第4実施例に係る影響度分析処理を示す図である。人間関係データベース220は、上記第3実施例と同様のものとする。影響度の特徴スコア算出部230は人間関係データベース220から受け取ったオススメタグについて、上記第2実施例と同様の方法を用いて、オススメタグを付与した人(またはグループ)ついての、ジャンル毎の影響度スコアを更新する。
コンテンツスコアリング装置300は、ソート済みコンテンツスコアリスト送信部310、コンテンツ評価処理部320、コンテンツデータベース330、及び提示コンテンツリスト・オススメタグ受信部340を備える。図13は、コンテンツスコアリング処理を示す図である。
以上述べたように、上記実施形態では、ユーザ自身の興味と当該ユーザへの他ユーザからの影響を考慮することで、コンテンツを閲覧する際のユーザの他者からの影響度を高精度に推定することができる。これにより、ユーザに対して実際の社会生活や選択行動に近しい情報推薦サービスが実現可能となる。
Claims (6)
- コンピュータによって、複数の概念についてユーザが他ユーザから受ける影響度スコアを体系化した概念体系を用いて前記ユーザへの影響度を分析する方法であって、
前記ユーザが複数のコンテンツを一覧として閲覧した第1のコンテンツリストと、前記第1のコンテンツリストからコンテンツの本体を閲覧した第2のコンテンツリストとをクラスタ化するステップと、
前記クラスタ毎に、前記第1のコンテンツリストのコンテンツの総数を第1の総数とし、前記第1のコンテンツリストにおいて前記他ユーザによりお薦め情報が付与されたコンテンツが出現する数を第1の出現数とし、前記第2のコンテンツリストのコンテンツの総数を第2の総数とし、前記第2のコンテンツリストにおいて前記お薦め情報が付与されたコンテンツが出現する数を第2の出現数としたとき、前記第1の総数、前記第1の出現数、及び前記第2の総数の条件下で、前記第2のコンテンツリストに前記お薦め情報が付与されたコンテンツの出現数が、前記第2の出現数以上となる第1の確率及び前記第2の出現数以下となる第2の確率を算出し、前記第1の確率及び前記第2の確率のうちのいずれか一方をもとに標準正規分布の累積分布関数の逆関数により特徴スコアを算出する算出ステップと、
前記クラスタ毎に算出した特徴スコアを用いて前記概念に対する前記影響度スコアを更新する更新ステップと
を有することを特徴とする影響度分析方法。 - 前記算出ステップにおいて、前記第1のコンテンツリストにおいて前記お薦め情報が付与され、かつ所定の概念が出現するコンテンツの数を前記第1の出現数とし、前記第2のコンテンツリストにおいて前記お薦め情報が付与され、かつ前記所定の概念が出現するコンテンツの数を前記第2の出現数とすることを特徴とする請求項1記載の影響度分析方法。
- 前記算出ステップにおいて、前記第1のコンテンツリストにおいて前記他ユーザの属する所定の集合により前記お薦め情報が付与されたコンテンツが出現する数を前記第1の出現数とし、前記第2のコンテンツリストにおいて前記所定の集合により前記お薦め情報が付与されたコンテンツが出現する数を前記第2の出現数とすることを特徴とする請求項1記載の影響度分析方法。
- 前記クラスタ毎に、前記第1のコンテンツリストのコンテンツの総数を第1の総数と、前記第1のコンテンツリストにおいて前記概念が出現するコンテンツの数を第1の出現数と、前記第2のコンテンツリストのコンテンツの総数を第2の総数と、前記第2のコンテンツリストにおいて前記概念が出現するコンテンツの数を第2の出現数としたとき、前記第1の総数、前記第1の出現数、及び前記第2の総数の条件下で、前記第2のコンテンツリストに前記概念が出現するコンテンツの数が、前記第2の出現数以上となる第1の確率及び前記第2の出現数以下となる第2の確率を算出し、前記第1の確率及び前記第2の確率のうちのいずれか一方をもとに標準正規分布の累積分布関数の逆関数により特徴スコアを算出するステップと、
前記クラスタ毎に算出した特徴スコアを用いて前記概念に対する前記ユーザ興味スコアを更新するステップと、
前記概念が出現するコンテンツについて、当該コンテンツに出現する各概念の前記ユーザ興味スコア及び前記影響度スコアを用いて、当該コンテンツに対する評価スコアを算出する評価ステップと
をさらに有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の影響度分析方法。 - 複数の概念についてユーザが他ユーザから受ける影響度スコアを体系化した概念体系を用いて前記ユーザへの影響度を分析する装置であって、
前記ユーザが複数のコンテンツを一覧として閲覧した第1のコンテンツリストと、前記第1のコンテンツリストからコンテンツの本体を閲覧した第2のコンテンツリストとをクラスタ化する手段と、
前記クラスタ毎に、前記第1のコンテンツリストのコンテンツの総数を第1の総数とし、前記第1のコンテンツリストにおいて前記他ユーザによりお薦め情報が付与された前記概念が出現するコンテンツの数を第1の出現数とし、前記第2のコンテンツリストのコンテンツの総数を第2の総数とし、前記第2のコンテンツリストにおいて前記お薦め情報が付与された前記概念が出現するコンテンツの数を第2の出現数としたとき、前記第1の総数、前記第1の出現数、及び前記第2の総数の条件下で、前記第2のコンテンツリストに前記お薦め情報が付与されたコンテンツの出現数が、前記第2の出現数以上となる第1の確率及び前記第2の出現数以下となる第2の確率を算出し、前記第1の確率及び前記第2の確率のうちのいずれか一方をもとに標準正規分布の累積分布関数の逆関数により特徴スコアを算出する算出手段と、
前記クラスタ毎に算出した特徴スコアを用いて前記概念に対する前記影響度スコアを更新する更新手段と
を有することを特徴とする影響度分析装置。 - 請求項5に記載の影響度分析装置を構成する各手段としてコンピュータを機能させる影響度分析プログラム。
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