JP5664660B2 - 無機有色顔料としてのカプセル化金属コロイドの製造方法 - Google Patents

無機有色顔料としてのカプセル化金属コロイドの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、無機有色顔料としてのカプセル化金属コロイドの製造方法に関する。
無機有色顔料は従来技術から知られており、数多くの特許文献に記載されている。これらは普通、雲母、ガラス鱗片、又はガラス粉末の表面を被覆することによって製造されている。大抵の場合、無機顔料は金属酸化物に基づいている。多くの場合には、顔料の核は透明であり、平面状又は鱗状であり、かつ単層又は多層であることにより、コーティング、ペイント、インク等において所定の光学的効果を達成する。
特許文献1は、水溶性金属塩を含有する粒子の水性分散体を開示しており、これは、金属光沢を備えた顔料(例えば銀コーティングされたガラス・フレーク)を得るために、還元剤(スクロース、グルコース、アルデヒド)で処理される。
特許文献2には、多層金属酸化物コーティングを有する黄色を帯びた顔料、及びその製造が記載されている。任意に、これらの顔料は、粒子とコーティングとの間に銀膜を含んでいる。
特許文献3には、金属酸化物でコーティングされた薄層状無機金属の製造が記載されている。特許請求されている材料は、フレーク状無機成分(雲母)と金属酸化物粒子とを含有する水性懸濁液を噴霧乾燥させ、そして焼成して、銀色の真珠様光沢を備えたフレークを得ることによって製造されている。
特許文献4には、SiOでコーティングされた金ナノ粒子、その製造、及びシャープで透明な色調を有するその赤色顔料が記載されている。
特許文献5には、随意に他の金属(Ag、Cu、Co、Ni、Sn、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt)又は混合物で改質されたコロイド金コーティングを備えた紫色顔料、その製造、及びその使用が記載されている。
特許文献6には、多層雲母板の製造が記載されている。ここでは、雲母板をFe−TiO−Al、SiO、TiO及びFeでコーティングし、そして850℃で焼成することにより、強い色、高い不透明性、及び強い光沢を有する金色顔料を得ている。
従来技術における上記顔料の欠点は、これらの着色性が不十分であり、不透明性が比較的低いことである。さらに、上記顔料の多くは、製造又は再現が難しい。
特許文献7には、その場で製造される金属コロイドによって着色される機能性ガラス状層の製造方法が記載されている。ここでは、コーティングを基体上に塗布し、熱緻密化することによって、ガラス状層を形成している。
このようなコーティングの欠点は、UV安定性が制限されることにある。さらに、そこで挙げられている金属コロイドは、プラスチック材料、インク又はペイントには適していない。
特許文献8に記載された無機顔料は、キセロゲル又はガラスでコーティングされており、これらのキセロゲル又はガラスは、ゾル・ゲル法及び噴霧乾燥工程によって製造可能である。
このような無機顔料の欠点は主に、UV安定性が不足し、かつ色堅牢度が不足していることにある。
特開昭55−160061号公報 特開平11−012488号公報 特開2001−288383号公報 特開2003−342496号公報 欧州特許第501139号明細書 国際公開第01/30921号パンフレット 国際公開第95/13249号パンフレット 国際公開第96/41840号パンフレット
本発明の課題は、従来技術における顔料の欠点を克服する有色顔料を提供することである。本発明の課題は特に、高い透明度、高い色度、及び高い色堅牢度、並びに高いUV安定性を達成するコーティング系のための顔料を提供することである。
このような課題は、独立請求項の特徴を有する本発明によって解決される。本発明の有利な更なる構成が、従属請求項において特徴づけられている。請求項全体の文言はここで参照することによって本明細書の内容にされる。本発明はまた、独立請求項及び/又は従属請求項の全ての有意義な組み合わせ、特に全ての言及された組み合わせを包含している。
以下に個々の工程をさらに詳しく説明する。これらの工程は必ずしも示された順序で実施する必要はない。また、説明しようとする方法は、言及していない別の工程を有していてもよい。
上述の課題を解決するために、下記の工程を特徴とする、無機有色顔料としてのカプセル化金属コロイドの製造方法を提案する:
(a)ゾル・ゲル法によって1種又は2種以上のガラス形成成分を反応させて、ゾルを得ること;
(b)得られたゾル中で、追加の還元剤の存在において、金属塩を分散させて、金属コロイドを形成すること;
(c)得られた分散体を、噴霧乾燥によって、キセロゲルでカプセル化された金属コロイドに転化させること;並びに
(d)得られたキセロゲル・カプセル化金属コロイドを加熱して、これらを緻密化すること。
具体的には、本発明の実施態様としては下記の態様を挙げることができる:
〈1〉下記の工程を特徴とする、無機有色顔料としてのカプセル化金属コロイドの製造方法:
(a)ゾル・ゲル法によって1種又は2種以上のガラス形成成分を反応させて、ゾルを得ること;
(b)得られた前記ゾル中で、追加の還元剤の存在において、金属塩を分散させて、金属コロイドを形成すること;
(c)得られた分散体を、噴霧乾燥によって、キセロゲルでカプセル化された金属コロイドに転化させること;及び
(d)得られたキセロゲル・カプセル化金属コロイドを加熱して、緻密化すること。
〈2〉工程(b)で得られた分散体にUV処理を施す、請求項1に記載の方法。
〈3〉工程(a)のゾルが、物質量比(A):(B)=5〜50:50〜95で、下記の成分を加水分解及び重縮合させることによって得られるものである、請求項1又は2に記載の方法:
(A)一般式SiX (I)の少なくとも1種の加水分解性シラン、又はこれらから誘導されるオリゴマー(上記式中、基Xは同じ又は異なるものであり、かつ加水分解性基又はヒドロキシル基を意味する)、
(B)一般式R SiX (4−a−b) (II)の少なくとも1種のオルガノシラン、又はこれから誘導されるオリゴマー(上記式中、R は非加水分解性基であり、R は官能基を有する基であり、Xは前記のとおりであり、かつa及びbはそれぞれ0、1、2又は3であり、ここでこれらの和(a+b)は1、2又は3である)、並びに
(C)随意に、ガラス形成元素の1種又は2種以上の化合物。
〈4〉前記加水分解性シラン(A)として、テトラアルコキシシランが使用される、請求項3に記載の方法。
〈5〉前記オルガノシラン(B)として、エポキシシラン又はアミノシランが使用される、請求項3又は4に記載の方法。
〈6〉加水分解及び重縮合が、錯体形成剤の存在において行われる、請求項3〜5のいずれか一項に記載の方法。
〈7〉好ましくはB の使用によって、工程(a)において得られるゾルの屈折率が、特定の用途に適合させられる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
〈8〉前記金属塩、好ましくは錯化された形態の前記金属塩が、金属硝酸塩、金属ハロゲン化物、金属炭化物、金属窒化物、金属ヒ素化物、金属リン化物、及び金属カルコゲニドから成る群から選択されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
〈9〉前記金属塩が、銀、金、銅、鉄、鉛、パラジウム、及び白金の塩から成る群から選択されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
〈10〉工程(b)で使用される追加の還元剤が、グルコース、アスコルビン酸、ホルムアルデヒド、グリセリン、ヘキサメチレンテトラアミン、メトキシポリエチレングリコール、ヒドロキノン、及び尿素から成る群のうちの少なくとも1種である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
〈11〉得られた前記キセロゲル・カプセル化金属コロイドを775℃まで加熱する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
〈12〉コーティングされていない金属コロイド核の直径が5〜25nmである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
〈13〉前記カプセル化金属コロイドの粒度が50nm〜2μmである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
〈14〉金属塩から製造されかつカプセル内にカプセル化されている金属コロイドを有し、前記カプセルは、ガラス形成成分からゾル・ゲル法によって製造され緻密化されることによってキセロゲル又はガラスにされており、前記カプセル内の金属コロイドの割合が少なくとも80%、有利には少なくとも95%、特に好ましくはほぼ100%である、無機有色顔料特に請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法によって製造可能な無機有色顔料。
〈15〉前記カプセルが、物質量比(A):(B)=5〜50:50〜95で、下記の成分を加水分解及び重縮合させることによって得られる、請求項14に記載の無機有色顔料:
(A)一般式SiX (I)の少なくとも1種の加水分解性シラン、又はこれらから誘導されるオリゴマー(上記式中、基Xは同じ又は異なるものであり、かつ加水分解性基又はヒドロキシル基を意味する)、
(B)一般式R SiX (4−a−b) (II)の少なくとも1種のオルガノシラン、又はこれから誘導されるオリゴマー(上記式中、R は非加水分解性基であり、R は官能基を有する基であり、Xは前記のとおりであり、かつa及びbはそれぞれ0、1、2又は3であり、ここでこれらの和(a+b)は1、2又は3である)、並びに
(C)随意に、ガラス形成元素の1種又は2種以上の化合物。
〈16〉前記加水分解性シラン(A)として、テトラアルコキシシランが使用される、請求項15に記載の無機有色顔料。
〈17〉前記オルガノシラン(B)として、エポキシシラン又はアミノシランが使用される、請求項15又は16に記載の無機有色顔料。
〈18〉加水分解及び重縮合が、錯体形成剤の存在において行われる、請求項15〜17のいずれか一項に記載の無機有色顔料。
〈19〉前記金属塩、好ましくは錯化された形態の前記金属塩が、金属硝酸塩、金属ハロゲン化物、金属炭化物、金属窒化物、金属ヒ素化物、金属リン化物、及び金属カルコゲニドから成る群から選択される、請求項14〜18のいずれか一項に記載の無機有色顔料。
〈20〉前記金属塩は、銀、金、銅、鉄、鉛、パラジウム、及び白金の塩から成る群から選択されている、請求項14〜19のいずれか一項に記載の無機有色顔料。
〈21〉コーティングされていない金属コロイド核の直径が5〜25nmである、請求項14〜20のいずれか一項に記載の無機有色顔料。
〈22〉前記カプセル化金属コロイドの粒度が約1μmである、請求項14〜21のいずれか一項に記載の方法。
〈23〉特に請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法によって製造可能な、請求項14〜22のいずれか一項に記載の無機有色顔料の、コーティング系における使用。
本発明の方法によって、驚くべきことに、コーティング系において色度を上昇させ、色堅牢度を高め、かつ透明性を改善する無機有色顔料(例えばペイントのための無機有色顔料)が得られる。本発明の方法によって得られた顔料は、規定された粒度及び粒度分布を有し、かつ例えば超音波を用いることによってコーティング系中で分散させることができる。結果として生じたコーティングは、高いUV安定性、高い色堅牢度、及び高い透明性を有している。カプセルは、有色顔料の直径を画定する。さらに、カプセルは、金属コロイドを酸化から保護する。無機ガラス状カプセルは、金属コロイド核に密に接触している。
得られたゾル中で、追加の還元剤の存在において金属塩を分散させるという事実(工程(b))によって、金属塩はほぼ完全に金属コロイドに転化させられる。このことは、結果として生じる顔料の高いUV安定性に貢献している。
本発明の別の大きい利点は、本発明の方法によって得られる有色顔料を有するコーティングの高い温度安定性にある。
有利には、本発明の方法の工程(b)において得られた分散体にUV処理を施す。UV処理によって、本発明の方法によって得られた無機有色顔料のさらに良好なUV安定性が達成される。
有利には、本発明の方法の工程(a)のゾルは、物質量比(A):(B)=5〜50:50〜95で、下記の成分を加水分解及び重縮合させることによって得られる:
(A)一般式SiX(I)の少なくとも1種の加水分解性シラン、又はこれらから誘導されるオリゴマー(上記式中、基Xは同じ又は異なるものであり、かつ加水分解性基又はヒドロキシル基を意味する)、
(B)一般式R SiX(4−a−b)(II)の少なくとも1種のオルガノシラン、又はこれから誘導されるオリゴマー(上記式中、Rは非加水分解性基であり、Rは官能基を有する基であり、Xは上記のとおりであり、かつa及びbは0、1、2又は3であり、ここで、これらの和(a+b)は1、2又は3である)、並びに
(C)随意の、ガラス形成元素の1種又は2種以上の化合物。
金属コロイドのためのカプセル化剤として使用されるこのようなゾルの利点は例えば、比較的高い比率の有機成分を有しているにもかかわらず、高温で熱緻密化できることである。この場合、有機改質ガラスから純然たる無機SiOガラスへの遷移が徐々に生じる。このような材料中にカプセル化された金属コロイドは、その機能(例えば光吸収機能)を維持し、かつコーティング系中に導入されると、強く着色されたガラス状コーティングをもたらす。比較的高い温度で熱緻密化し得ることは、種々様々な表面上に、高い熱安定性、機械安定性及び化学安定性を有する亀裂がないコーティングを製造することを可能にする。
有利には、加水分解性シラン(A)として、テトラアルコキシシランが使用される。アルコキシ基は有利には、C1−6アルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、及びブトキシ基である。
一般式(II)の上記オルガノシランの非加水分解性基Rは例えば、アルキル(有利にはC1−6アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル及びt−ブチル、ペンチル、ヘキシル又はシクロヘキシル)、アルケニル(有利にはC2−6アルケニル、例えばビニル、1−プロペニル、2−プロペニル及びブテニル)、アルキニル(有利にはC2−6アルキニル、例えばアセチレニル及びプロパルギル)、及びアリール(有利にはC6−10アリール、例えばフェニル及びナフチル)である。上記基R及びXは場合によっては、1つ又は2つ以上の通常の置換基、例えばハロゲン又はアルコキシを有していてよい。
基Rの官能基の具体例は、エポキシ基、ヒドロキシ基、エーテル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アミド基、カルボキシ基、メルカプト基、チオエーテル基、ビニル基、アクリルオキシ基、メタクリルオキシ基、シアノ基、ハロゲン基、アルデヒド基、アルキルカルボニル基、スルホン酸基、及びリン酸基である。これらの官能基は、酸素原子又は硫黄原子、又は−NH−基によって中断されていてもよいアルキレン、アルケニレン、又はアリーレン架橋基を介して、ケイ素原子に結合されている。上記架橋基は、例えば上記アルキル、アルケニル、又はアリール基から誘導される。基Rの炭素原子数は有利には1〜18、特に1〜8である。
一般式(II)において、aは有利には0、1又は2であり、bは有利には1又は2であり、かつこれらの和(a+b)は有利には1又は2である。
特に有利な加水分解性シラン(A)は、テトラアルコキシシラン、例えばテトラエトキシシラン(TEOS)である。特に有利なオルガノシランは、エポキシシラン、例えば3−グリシジルオキシ−プロピル−トリメトキシシラン(GPTS)、及びアミノシラン、例えば3−アミノプロピル−トリエトキシシラン及び3−(アミノエチルアミノ)−プロピル−トリエトキシシラン(DIAMO)である。
加水分解性シラン(A)とオルガノシラン(B)との物質量比は、5〜50:50〜95、有利には15〜25:75〜85である。
随意の成分(C)は有利には、反応媒体中で可溶性又は分散性である。使用可能なのは、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、錫、亜鉛、又はバナジウムの化合物(ハロゲン化物、アルコキシド、カルボキシレート、キレート等)である。加水分解又は重縮合は、溶剤の不存在において、又は有利には水性反応媒体中若しくは水性/有機反応媒体中で、随意に酸性又は塩基性の縮合触媒、例えばHCl、HNO、又はNHの存在下において行われる。液状反応媒体を使用するときには、出発成分は反応媒体中に可溶性である。有機溶剤としては、特に水混和性溶剤、例えば一価又は二価以上の脂肪族アルコール、エーテル、エステル、ケトン、アミド、スルホキシド及びスルホンが適している。
有利には、オルガノシラン(B)としては、エポキシシラン又はアミノシランが使用される。
有利には、上記成分の加水分解及び重縮合は、錯体形成剤の存在において、例えばニトレート、β−ジカルボニル化合物(例えばアセチルアセトネート又はアセト酢酸エステル)、カルボン酸(例えばメタクリル酸)又はカルボキシレート(例えばアセテート、シトレート又はグリコレート)、ベタイン、ジオール、ジアミン(例えばDIAMO)又はクラウンエーテルの存在において行われる。
本発明の方法の特に有利な態様では、工程(a)で得られるゾルの屈折率を、有利にはBの使用によって、その用途に適合させる。本発明の方法では、カプセル組成を変更して、結果として生じるコーティングの光学特性を制御することを可能にする。例えば、コーティング内においてカプセルが見えないようにするために、屈折率を適合させることが1つの目標である。ポリマーとガラス複合材料との間の屈折率の差は、不都合な散乱現象を引き起こすおそれがある。さらに、カプセル材料の屈折率を変化させると、種々異なる特定の光学効果が生じる。
有利には使用する金属塩、好ましくは錯化されている使用する金属塩が、金属硝酸塩、金属ハロゲン化物、金属炭化物、金属窒化物、金属ヒ化物、金属リン化物、及び金属カルコゲニドから成る群から選択されている。
金属塩は、有利には、銀、金、銅、鉄、鉛、パラジウム、及び白金の塩から成る群から選択されている。
工程(b)で使用される追加の還元剤は、有利には、グルコース、アスコルビン酸、ホルムアルデヒド、グリセリン、ヘキサメチレンテトラアミン、メトキシポリエチレングリコール、ヒドロキノン、及び尿素から成る群のうちの少なくとも1種である。これらの物質は、使用される金属塩を金属コロイドにほぼ完全に転化させる。このことは、得られる有色顔料のUV安定性を著しく高める。
本発明の方法の有利な態様では、得られたキセロゲル・カプセル化金属コロイドは、775℃にまで加熱される。このことは有利には、2K/分の速度で行われ、かつ有利には、窒素雰囲気下で3時間にわたって実施される。775℃に加熱する前に、キセロゲル・カプセル化金属コロイドは有利には、3時間にわたって空気雰囲気下で、500℃に加熱される。この温度も有利には2K/分の速度で達成される。
有利には、コーティングされていない金属コロイド粒子の直径は、5〜25nmである。金属コロイドの大きさは主に、高い温度(例えば775℃)で処理することによって制御できる。
有利には、カプセル化金属コロイドの粒度は、50nm〜2μmであり、より有利には100nm〜1.5μm、例えば約1μm又は1μm(HREMで測定)である。このような粒子の大きさは主に、噴霧乾燥プロセス及びゾル系におけるパラメータを変化させることによって制御できる。
追加の還元剤は、有利には、金属塩に対して同じ又は過剰のモル数で、例えば1:1〜1:100(還元されるべき金属イオン:追加の還元剤(モル比))、又は1:2〜1:100で使用される。ただし、1:0.01〜1:1、又は1:0.1〜1:0.5という比較的小さいモル比で使用してもよい。下記の比は、様々な還元剤に対する例である:グルコースの場合には1:1〜1:10、アスコルビン酸の場合には1:0.1〜1:10、ホルムアルデヒドの場合には1:1〜1:100、有利には1:1〜1:10、ヘキサメチレンテトラアミンの場合には1:1〜1:10、メトキシポリエチレングリコールの場合には1:1〜1:10、ヒドロキノンの場合には1:1〜1:10、又は尿素の場合には1:1〜1:10。2種又は3種以上の還元剤の組み合わせを使用することもできる。この場合、合計のモル比が上記の比になる。例えば、1:2:1〜1:1:2、有利には1:1:1の比のAg、ヒドロキノン及びアスコルビン酸、又は1:1:0.2〜1:1:1、好ましくは1:1:0.5の比のAg、ヒドロキノン及びホルムアルデヒドをもたらす。
本発明はさらに、特に上記の本発明の方法によって製造可能な、金属コロイドを含む無機有色顔料に関する。ここで、この金属コロイドは、金属塩から製造され、かつカプセル内に封入されており、このカプセルは、ガラス形成成分からゾル・ゲル法によって製造され、緻密化されてキセロゲル又はガラスにされている。また、カプセル内の金属コロイドの割合は、少なくとも80%、好ましくは少なくとも95%、特に好ましくはほぼ100%である。本発明による有色顔料では、カプセル内における金属コロイドの比率が高いことによって、このような有色顔料の特に高いUV安定性、及び高い温度安定性が達成される。本発明の有色顔料、及び本発明による有色顔料を含有しているコーティングの高いUV安定性は、耐候性試験又はUV−VIS分光分析によって証明された。本発明の有色顔料を含有しているコーティングの耐候性試験では、退色は決して観察されなかった。しかしながら、実際には、強いUV照射は、コーティングの色を若干増強させる。このことは、カプセル内に場合によってはまだ存在している金属塩が金属コロイドに転化させられたことに帰因させることができる。さらに、本発明の有色顔料を含有しているコーティングは、高い透明性、高い色度、及び上昇した色堅牢度を示す。加えて、本発明の有色顔料を製造するために使用される材料は通常、非毒性であり、環境に優しい。
更なる詳細及び特徴が、従属請求項と関連する有利な実施例についての以下の説明から明らかになる。これに関して、それぞれの特徴は、単独で、又は複数のものを互いに組み合わせて、実現することができる。課題を解決する可能性は、実施例に限定されない。例えば範囲の記述は常に、(言及されていない)全ての中間値、及び考えられ得る全ての部分区間を含む。記載された実施例の数多くの変更形及び更なる構成を、実現することができる。
実施される耐候性試験の例:
「キセノン・アーク耐候性試験」:
試験条件:
設備: Atlas Ci 4000
作業サイクル: 102分間の照射、18分間の照射+降雨
光強度(300〜400nm): 60W/m
乾燥段階: 63℃、50%相対空気湿度
降雨段階: 45℃、95%相対空気湿度
噴霧速度: 200ml/分
試験は、ガラス板上の着色コーティングに対して1000時間にわたって行った。L値、a値、b値を、UV−VIS分光分析によって、耐候性試験前、試験中、及び試験後に測定した。
好ましくは、本発明による無機有色顔料のカプセルは、物質量比(A):(B)=5〜50:50〜95で、下記の成分を加水分解及び重縮合させることによって得ることができる:
(A)一般式SiX(I)の少なくとも1種の加水分解性シラン、又はこれらから誘導されるオリゴマー(上記式中、基Xは同じ又は異なるものであり、かつ加水分解性基又はヒドロキシル基を意味する)、
(B)一般式R SiX(4−a−b)(II)の少なくとも1種のオルガノシラン、又はこれから誘導されるオリゴマー(上記式中、Rは非加水分解性基であり、Rは官能基を有する基であり、Xは前記のとおりであり、かつa及びbはそれぞれ0、1、2又は3であり、ここでこれらの和(a+b)は1、2又は3である)、並びに
(C)随意に、ガラス形成元素の1種又は2種以上の化合物。
有利には、加水分解性シラン(A)として、テトラアルコキシシランが使用される。アルコキシ基は有利には、C1−6アルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、及びブトキシ基である。
一般式(II)の上記オルガノシランの非加水分解性基Rは例えば、アルキル(有利にはC1−6アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル及びt−ブチル、ペンチル、ヘキシル又はシクロヘキシル)、アルケニル(有利にはC2−6アルケニル、例えばビニル、1−プロペニル、2−プロペニル及びブテニル)、アルキニル(有利にはC2−6アルキニル、例えばアセチレニル及びプロパルギル)、及びアリール(有利にはC6−10アリール、例えばフェニル及びナフチル)である。上記基R及びXは随意に、1つ又は2つ以上の通常の置換基、例えばハロゲン又はアルコキシを有していてよい。
基Rの官能基の具体例は、エポキシ基、ヒドロキシ基、エーテル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アミド基、カルボキシ基、メルカプト基、チオエーテル基、ビニル基、アクリルオキシ基、メタクリルオキシ基、シアノ基、ハロゲン基、アルデヒド基、アルキルカルボニル基、スルホン酸基、及びリン酸基である。これらの官能基は、酸素原子又は硫黄原子又は−NH−基によって中断されていてもよいアルキレン、アルケニレン、又はアリーレン架橋基を介して、ケイ素原子に結合されている。上記架橋基は、例えば上記アルキル、アルケニル、又はアリール基から誘導される。基Rの炭素原子数は有利には1〜18、特に1〜8である。
一般式(II)において、aは有利には0、1又は2であり、bは有利には1又は2であり、かつこれらの和(a+b)は有利には1又は2である。
特に有利な加水分解性シラン(A)は、テトラアルコキシシラン、例えばテトラエトキシシラン(TEOS)である。特に有利なオルガノシランは、エポキシシラン、例えば3−グリシジルオキシ−プロピル−トリメトキシシラン(GPTS)、及びアミノシラン、例えば3−アミノプロピル−トリエトキシシラン及び3−(アミノエチルアミノ)−プロピル−トリエトキシシラン(DIAMO)である。
加水分解性シラン(A)とオルガノシラン(B)との物質量比は、5〜50:50〜95、有利には15〜25:75〜85である。
随意の成分(C)は有利には、反応媒体中で可溶性又は分散性である。使用可能なのは、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、錫、亜鉛、又はバナジウムの化合物(ハロゲン化物、アルコキシド、カルボキシレート、キレート等)である。加水分解又は重縮合は、溶剤の不存在において、又は有利には水性反応媒体中若しくは水性/有機反応媒体中で、随意に酸性又は塩基性の縮合触媒、例えばHCl、HNO、又はNHの存在において行われる。液状反応媒体を使用するときには、出発成分は反応媒体中に可溶性である。特に適切な有機溶剤は、水混和性溶剤であり、これは例えば、一価又は二価以上の脂肪族アルコール、エーテル、エステル、ケトン、アミド、スルホキシド及びスルホンである。
有利には、オルガノシラン(B)としては、エポキシシラン又はアミノシランが使用される。
加水分解及び重縮合は、錯体形成剤の存在において、例えばニトレート、β−ジカルボニル化合物(例えばアセチルアセトネート又はアセト酢酸エステル)、カルボン酸(例えばメタクリル酸)、又はカルボキシレート(例えばアセテート、シトレート又はグリコレート)、ベタイン、ジオール、ジアミン(例えばDIAMO)、又はクラウンエーテルの存在において行われると有利である。
有利には、金属塩、好ましくは錯化されている金属塩が、金属硝酸塩、金属ハロゲン化物、金属炭化物、金属窒化物、金属ヒ素化物、金属リン化物、及び金属カルコゲニドから成る群から選択される。
好ましくは、金属塩は、銀、金、銅、鉄、鉛、パラジウム、及び白金の塩から成る群から選択される。
好ましくは、コーティングされていない金属コロイド粒子の直径は、5〜25nmである。金属コロイドの大きさは主に、高い温度(例えば775℃)での処理によって制御できる。
カプセル化されている金属コロイドの粒度は、好ましくは50nm〜2μm、より好ましくは100nm〜1.5μm、例えば約1μm又は1μmである(HREMで測定)。このような粒子の大きさは主に、噴霧乾燥プロセス及びゾル系におけるパラメータを変化させることによって制御できる。
カプセル化金属コロイドは所定の粒度を有していると有利である。このような粒子の大きさは主に、噴霧乾燥プロセス及びゾル系におけるパラメータを変化させることによって制御できる。
本発明はさらに、本発明の無機有色顔料、特に上記の本発明の方法によって製造可能な本発明の無機有色顔料の、コーティング系における使用に関する。
例:
1.黄色顔料粉末としてのナノサイズ範囲のSiOカプセル化Agコロイドの製造
(a)AgNOを含むベース・ゾル系
出発材料:
166mlのエタノール
34.2mlの3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(GPTS)
8.5mlのテトラエトキシシラン(TEOS)
6.3mlの0.1M硝酸
5.2gのテトラエチルボレート(TEB)
1.47gの硝酸銀
2.5mlの蒸留水
6.25mlの[3−(2−アミノエチル−アミノ)−プロピル]トリメトキシシラン(DIAMO)
還流冷却器及び滴下漏斗を備えた250ml三首フラスコ内で、34.2mlのGPTS及び8.5mlのTEOSを、25.5mlのエタノールと混合する。次いで、6.3mlの0.1M硝酸をゆっくりと混合物に滴下し、そして得られた混合物を還流させながら5時間にわたって加熱する。結果として生じる予備加水分解されたGPTS/TEOSゾルを、125.5mlのエタノールで溶解させ、次いで5.2gのTEBを添加し、室温で溶解させる。
第2の混合物において、100ml二首フラスコ内の2.5mlの蒸留水及び15mlのエタノール中に、1.47gの硝酸銀を溶解させ、そして6.25mlのDIAMOを強く攪拌させながらゆっくりと添加する。
この銀含有溶液を、GPTS/TEOS/TEBゾル系に、室温で直接に滴下し、そして16時間にわたって50℃に加熱する。このような熱処理中、混合物全体の色は、淡黄色から暗い透明な褐色に変わる。
室温まで冷ました後、このゾル系を、小型噴霧乾燥器B−191 (Buechi)を使用して噴霧乾燥させる。噴霧乾燥器の入口温度は170℃であり、出口温度は109℃であった。
結果として生じる黄褐色のキセロゲル粉末を、アルシニト(Alsinit)セラミック坩堝内に満たし、そして閉じたNabertherm炉内において所定の温度プログラムで熱処理することにより、有機化合物を燃焼させる。先ず、キセロゲルを2K/分の速度で500℃に加熱し、この温度を3時間にわたって空気雰囲気下で保持する。続いて2K/分の速度で775℃に加熱し、この温度を3時間にわたって窒素雰囲気下で保持する。その後、材料を、閉じた炉内で室温まで冷ます。結果として生じるナノサイズの無機SiOカプセル化Ag顔料は、黄色を帯びている。
(b)AgNOを含むベース・ゾル系、追加の還元剤
出発材料:
170mlのエタノール
34.2mlの3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(GPTS)
8.5mlのテトラエトキシシラン(TEOS)
6.3mlの0.1M硝酸
5.2gのテトラエチルボレート(TEB)
1.47gの硝酸銀
2.5mlの蒸留水
6.25mlの[3−(2−アミノエチル−アミノ)−プロピル]トリメトキシシラン(DIAMO)
0.95gのヒドロキノン
GPTS/TEOS/TEBゾル系を上記のように製造する。硝酸銀及びDIAMOを含む第2の混合物も上記のように製造し、これをGPTS/TEOS/TEBゾル系に、室温で直接に滴下し、そして16時間にわたって50℃に加熱する。このような熱処理中、混合物全体の色は、淡黄色から暗い透明な褐色に変わる。室温まで冷ました後、還元剤としての0.95gのヒドロキノン(4mlのエタノール中の溶液として)を加え、この混合物を30分間にわたって攪拌する。Ag:還元剤のモル比はこの場合、1:1である。次いで、この完全ゾル系を、上記噴霧乾燥パラメータを用いて小型噴霧乾燥器B−191 (Buechi)を使用して噴霧乾燥させる。結果として生じる黄褐色のキセロゲル粉末を上述のように緻密化する。結果として得られるナノサイズの無機SiOカプセル化Ag顔料は、黄色を帯びている。
試験された還元剤:
・グルコース Ag:還元剤のモル比=1:1及び1:10
・アスコルビン酸 Ag:還元剤のモル比=1:1及び1:5
・ホルムアルデヒド Ag:還元剤のモル比=1:1
・グリセリン Ag:還元剤のモル比=1:1及び1:5
・ヘキサメチレンテトラアミン Ag:還元剤のモル比=1:1
・メトキシポリエチレングリコール Ag:還元剤のモル比=1:1
・ヒドロキノン Ag:還元剤のモル比=1:1及び1:2及び1:5
・尿素 Ag:還元剤のモル比=1:4
(c)AgNOを含むベース・ゾル系、追加のUV処理
出発材料:
166mlのエタノール
34.2mlの3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(GPTS)
8.5mlのテトラエトキシシラン(TEOS)
6.3mlの0.1M硝酸
5.2gのテトラエチルボレート(TEB)
1.47gの硝酸銀
2.5mlの蒸留水
6.25mlの[3−(2−アミノエチル−アミノ)−プロピル]トリメトキシシラン(DIAMO)
GPTS/TEOS/TEBゾル系を上記のように製造する。硝酸銀及びDIAMOを含む第2の混合物も上記のように製造し、これをGPTS/TEOS/TEBゾル系に、室温で即座に滴下し、そしてすぐに、混合物を攪拌しながらキセノンランプ(Oriel、100W)を使用して1時間にわたって、混合物をUV照射で処理する。ここで、混合物を保持しているフラスコのガラス表面上でのUV強度は、1mW/cmから4mW/cmまで(360nmで測定)変化させることができる。ゾル成分であるTEB及び/又はDIAMOは、硝酸銀のための穏やかな還元剤として反応したが、しかしAgコロイド形成は極めて遅かった。この試験は、UV−VIS分光分析によってのみ行い、(硝酸銀の還元が遅いため)噴霧乾燥による顔料の製造に関しては検査しなかった。
(d)AgNOを含むベース・ゾル系、追加の還元剤及びUV処理
出発材料:
170mlのエタノール
34.2mlの3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(GPTS)
8.5mlのテトラエトキシシラン(TEOS)
6.3mlの0.1M硝酸
5.2gのテトラエチルボレート(TEB)
1.47gの硝酸銀
2.5mlの蒸留水
6.25mlの[3−(2−アミノエチル−アミノ)−プロピル]トリメトキシシラン(DIAMO)
0.95gのヒドロキノン
GPTS/TEOS/TEBゾル系を上記のように製造する。硝酸銀及びDIAMOを含む第2の混合物も上記のように製造し、これをGPTS/TEOS/TEBゾル系に、室温で即座に滴下し、そしてすぐに、混合物を攪拌しながらキセノンランプ(Oriel、100W)を使用して約2時間にわたって、混合物をUV照射で処理する。ここで、混合物を保持しているフラスコのガラス表面上でのUV強度は、1mW/cmから4mW/cmまで(360nmで測定)変化させることができる。1時間にわたるUV処理後、このような条件下で約45分間にわたってゾル系に更なるUV処理を施し、そして攪拌しながら、0.95gのヒドロキノン還元剤(4mlのエタノール中の溶液として、Ag:還元剤のモル比1:1)を添加する。次いで、この完全ゾル系を上記のように噴霧乾燥させる。結果として生じる黄褐色を帯びたキセロゲル粉末を上述のように緻密化する。結果として得られるナノサイズの無機SiOカプセル化Ag顔料は、黄色を帯びている。
試験された還元剤:
・ヒドロキノン Ag:還元剤のモル比=1:1及び1:5
・グルコース Ag:還元剤のモル比=1:1
・アスコルビン酸 Ag:還元剤のモル比=1:1及び1:0.2
・ホルムアルデヒド Ag:還元剤のモル比=1:9、1:18、1:45及び1:90
(e)AgNOを含むベース・ゾル系、組み合わされた追加の還元剤
出発材料:
170mlのエタノール
34.2mlの3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(GPTS)
8.5mlのテトラエトキシシラン(TEOS)
6.3mlの0.1M硝酸
5.2gのテトラエチルボレート(TEB)
1.47gの硝酸銀
2.5mlの蒸留水
6.25mlの[3−(2−アミノエチル−アミノ)−プロピル]トリメトキシシラン(DIAMO)
0.95gのヒドロキノン
1.52gのアスコルビン酸
GPTS/TEOS/TEBゾル系を上記のように製造する。硝酸銀及びDIAMOを含む第2の混合物も上記のように製造し、これを即座にGPTS/TEOS/TEBゾル系に室温で滴下し、そして16時間にわたって50℃に加熱する。このような熱処理中、混合物全体の色は淡黄色から暗い透明な褐色に変わる。室温まで冷ました後、0.95gのヒドロキノン及び1.52gのアスコルビン酸(4mlのエタノール中の溶液として)を添加し、この混合物を30分間にわたって攪拌する。Ag:ヒドロキノン:アスコルビン酸のモル比は、1:1:1である。次いで、この完全ゾル系を、上記噴霧乾燥パラメータを用いて小型噴霧乾燥器B−191 (Buechi)を使用して噴霧乾燥させる。結果として生じる黄褐色を帯びたキセロゲル粉末を上述のように緻密化する。結果として得られたナノサイズの無機SiOカプセル化Ag顔料は黄色を帯びている。
試験された還元剤の組み合わせ:
・ヒドロキノン+アスコルビン酸
Ag:ヒドロキノン:アスコルビン酸のモル比=1:1:1
・ヒドロキノン+ホルムアルデヒド
Ag:ヒドロキノン:ホルムアルデヒドのモル比=1:1:0.5
これらの顔料を形態に関して検査し(TEM、HREM、ESEM)、かつUV−VIS分光分析によっても測定する(拡散反射の測定、Kubelka−Munk法を用いた吸収データへの変換)。
カプセル化されていない状態のAgコロイド(金属核)の直径は、TEM及びHTEMによって測定すると、約5〜25nmである。完成した顔料(SiOを含むAg)は、HREMによって測定すると、直径約1μmを有している。
2. ガラス板上の着色コーティングの製造
先ず、二成分クリアペイント系(アクリル樹脂+イソシアネート硬化剤)中に、約6.6重量%の製造されたAg顔料を導入する。ここで、この顔料は、超音波ランスを使用して(約5〜10分間)、アクリル樹脂中に取り込む。次いで硬化剤(アクリル樹脂に対して半分の重量)を添加し(樹脂:硬化剤の混合比2:1)、そして完成した混合物を数分にわたって室温で攪拌する。黄色に着色されたこのようなコーティング系を、ガラス板(10cm×10cm)上に手動ナイフを使用して約120μmの湿潤膜厚で塗布する。次いで、塗布済みコーティングを18分間にわたって、温度140℃で緻密化する。結果として生じる硬質層は、黄色を帯びており、概して透明である。
このような着色コーティングは、耐候性試験、形態検査(TEM、HREM、ESEM)、及び分光分析(UV−VIS)のために使用する。
製造されたAg顔料(追加の還元剤なし)の、このような二成分クリアペイント系内への取り込み量を、下記のように変化させた:2.5重量%、5重量%、7.5重量%、10重量%。ガラス板上の結果として生じた着色コーティングは、種々異なる色及び色強度を示す。クリアペイント系中の2.5重量%のAg顔料によって、青みを帯びた黄色が得られる。クリアペイント系中の5重量%又は7.5重量%のAg顔料によって、明るい黄色に着色された透明コーティングが得られる。クリアペイント系中の10重量%のAg顔料によって、橙色から淡褐色が得られる。
追加の還元剤及び/又はUV照射を用いて製造されたAg顔料に関して、6.6重量%の顔料をクリアペイント系中に取り込む。これは、明るい黄色に着色されたコーティングをもたらす。例外は、尿素を還元剤として使用する場合である(Ag:尿素のモル比=1.4)。この場合、結果として生じたコーティングは、より褐色を帯びて着色されている。

Claims (16)

  1. 下記の工程を特徴とする、無機有色顔料としてのカプセル化金属コロイドの製造方法:
    (a)ゾル・ゲル法によって1種又は2種以上のガラス形成成分を反応させて、ゾルを得ること;
    (b)得られた前記ゾル中で、追加の還元剤の存在において、金属塩を分散させて、金属コロイドを形成すること;
    (c)得られた分散体を、噴霧乾燥によって、キセロゲルでカプセル化された金属コロイドに転化させること;及び
    (d)得られたキセロゲル・カプセル化金属コロイドを加熱して、緻密化すること。
  2. 工程(b)で得られた分散体にUV処理を施す、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(a)のゾルが、物質量比(A):(B)=5〜50:50〜95で、下記の成分を加水分解及び重縮合させることによって得られるものである、請求項1又は2に記載の方法:
    (A)一般式SiX(I)の少なくとも1種の加水分解性シラン、又はこれらから誘導されるオリゴマー(上記式中、基Xは同じ又は異なるものであり、かつ加水分解性基又はヒドロキシル基を意味する)、並びに
    (B)一般式R SiX(4−a−b)(II)の少なくとも1種のオルガノシラン、又はこれから誘導されるオリゴマー(上記式中、Rは非加水分解性基であり、Rは官能基を有する基であり、Xは前記のとおりであり、かつa及びbはそれぞれ0、1、2又は3であり、ここでこれらの和(a+b)は1、2又は3である)。
  4. 工程(a)のゾルが、前記成分(A)及び(B)に加えて、下記の成分(C)を加水分解及び重縮合させることによって得られるものである、請求項3に記載の方法:
    (C)ガラス形成元素の1種又は2種以上の化合物。
  5. 前記加水分解性シラン(A)として、テトラアルコキシシランが使用される、請求項3又は4に記載の方法。
  6. 前記オルガノシラン(B)として、エポキシシラン又はアミノシランが使用される、請求項3〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 加水分解及び重縮合が、錯体形成剤の存在において行われる、請求項3〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. の使用によって、工程(a)において得られるゾルの屈折率を調節する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記金属塩が、金属硝酸塩、金属ハロゲン化物、金属炭化物、金属窒化物、金属ヒ素化物、金属リン化物、及び金属カルコゲニドから成る群から選択されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記金属塩が、銀、金、銅、鉄、鉛、パラジウム、及び白金の塩から成る群から選択されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 工程(b)で使用される追加の還元剤が、グルコース、アスコルビン酸、ホルムアルデヒド、グリセリン、ヘキサメチレンテトラアミン、メトキシポリエチレングリコール、ヒドロキノン、及び尿素から成る群のうちの少なくとも1種である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 得られた前記キセロゲル・カプセル化金属コロイドを775℃まで加熱する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. コーティングされていない金属コロイド核の直径が5〜25nmである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記カプセル化金属コロイドの粒度が50nm〜2μmである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法によって製造された前記カプセル化金属コロイドを有する、無機有色顔料。
  16. 請求項15に記載の無機有色顔料の、コーティング系における使用。
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