<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態である燃料電池セル装置2を収納してなる燃料電池モジュール1について図1を用いて説明する。燃料電池セル装置2は収納容器8に取り付けられた状態で示している。また、燃料電池セル3の配列方向(以下、セル配列方向と略す場合がある。)をx、燃料電池セル3の幅方向(以下、セル幅方向と略す場合がある。)をyとして示しており、以降の図においても同様である。
燃料電池モジュール1(以下、モジュール1と略す場合がある。)は、直方体状の収納容器8の内部に、燃料電池セル装置2(以下、セルスタック装置2と称することがある。)を収納して構成されており、収納容器8の内部における中央部には収納容器8の上壁から垂下したガス供給部材9が設けられている。
図1においては、収納容器8の一部(前後面)を取り外し、内部に収納されているセルスタック4および改質器6を後方に取り出した状態を示している。ここで、図1に示した燃料電池モジュール1においては、セルスタック装置2を、収納容器8内にスライドして収納することが可能である。
燃料電池セル装置2は、複数個の燃料電池セル3を集電部材(図示せず)を介して電気的に接続してなるセルスタック4を、セル幅方向yに2つ並置された状態で、ガスタンク5に接合している。燃料電池セル3の上方には所定の間隔をあけて離間した状態で、石油等の液体燃料や、炭化水素系ガス等から燃料ガスを生成するための改質器6が設けられている。改質器6は、セル配列方向xに沿って折り返す形状を有し、平面視してUの字状の形状を有している。そして、改質器6の燃料ガスの下流側の端部には燃料ガス供給管7が接合されており、燃料ガス供給管7を通ってガスタンク5に燃料ガスが供給されている。
燃料電池セル3は、内側電極層としての燃料極層、固体電解質層、および外側電極層としての空気極層により構成されており、内部に第1の反応ガスとしての燃料ガスを流すために燃料電池セル3の一端から他端にかけて貫通した流路を有している。
燃料電池セル3としては、各種燃料電池セルが知られているが、例えば、燃料電池セル3を収納してなる燃料電池装置を小型化、高効率化する上で、高温下で作動する固体酸化物形燃料電池セルとすることができる。それにより、燃料電池装置を小型化、高効率化することができるとともに、家庭用燃料電池で求められる変動する負荷に追従する負荷追従運転を行なうことができる。さらに、発電により生じた熱を給湯システムと組み合わすことで効率のよい固体酸化物形燃料電池システムを構成することもできる。
燃料電池モジュール1は、セルスタック装置2を構成するセルスタック4の間に、ガス供給部材9が位置するようにセルスタック装置2を収納し、ガスタンク5から燃料電池セル3の内部に設けられた燃料ガス流路(図示せず)内に第1の反応ガスとしての燃料ガスが供給され、ガス供給部材9により燃料電池セル3の下端部(他端部)から第2の反応ガスとしての酸素含有ガスが供給される。そして、燃料電池セル3は、燃料電池セル3の一端から他端に向かって内部を流れる燃料ガスと、燃料電池セル3の一端から他端に向かって外部を流れる酸素含有ガスとにより発電を行なっている。
図2を用いて図1に示すモジュール1について詳細に説明を行なう。図2における実線の矢印は酸素含有ガスの流れを示し、以下同様である。
収納容器8は、収納容器8の側壁から所定の間隔をあけて第1の壁10が設けられており、第1の壁10から所定の間隔をあけて第2の壁11が設けられている。そして、収納容器8の上壁から所定の間隔をあけて第3の壁12が設けられており、収納容器8の下壁から所定の間隔をあけて第4の壁13が設けられ、第4の壁13から所定の間隔をあけて第5の壁14が設けられている。
第1の壁10の上端が第3の壁12に接合されており、第1の壁10の下端が第4の壁13とに接合されている。収納容器8の中央側でガス供給部材9と第3の壁12とが接合されており、ガス供給部材9は第3の壁12から下方に垂下し、セルスタック4の間に配置されている。第4の壁13は排ガス排出口(図示せず)に接続されており、第2の壁の下端が第5の壁14と接合されている。そして第2の壁11のセルスタック装置2側およびセルスタック装置2の下方に断熱材22が配置されている。断熱材22としては、市販されているものを用いることができ、板状のものやブランケットを用いることができる。
収納容器8と第1の壁10との間が、収納容器8の外部から供給された酸素含有ガスを下方から上方へ向けて流す第1の流路15となっており、収納容器8と第3の壁12との間が、収納容器8の中央部側に向けて流す第2の流路16となっている。収納容器8の中央部側に設けられたガス供給部材9の内部が第3の流路17となっており、セルスタック4(燃料電池セル3)に酸素含有ガスが供給されることとなる。
燃料電池セル3に供給された酸素含有ガスは、燃料電池セル3の発電に使用されることとなる。燃料電池セル3の側方を流れ発電に使用されなかった酸素含有ガス(以下、酸素含有オフガスと称する場合がある。)は、燃料電池セル3の一端部(上端部)にて、燃料電池セル3の内部を流れ発電に使用されなかった燃料ガス(以下、燃料オフガスと称する場合がある。)と混合され、燃料ガスを燃焼させる。そのため、燃料電池セル3の他端部(上端部)の上方が燃焼部57となっている。そして燃焼により生じた高温な排ガスは、第1の壁10と第2の壁11との間の第4の流路18を上方から下方に向けて流れる。収納容器8の下方に向けて流れた排ガスは、第4の壁13と第5の壁14との間の第5の流路19を流れ収納容器8の外部へと排出される。
燃料電池モジュール1に供給された酸素含有ガスは、第1の流路15を下方から上方に向けて流れる間に、第4の流路18を流れる高温な排ガスにより温められることとなる。そして第2の流路16を流れる酸素含有ガスは、燃焼部57における燃焼熱により温められながら収納容器8の中央部に向けて流れる。ガス供給部材9は燃焼部57における燃焼熱により温められていることから、ガス供給部材9の内部に設けられた第3の流路17を上方から下方に向けて流れる間に、酸素含有ガスは温められることとなる。そして、第1の吹出口20より温度の上昇した酸素含有ガスを燃料電池セル3の側方に供給することができる。
また、燃焼部57における燃焼熱は、セルスタック装置2の上方に配置された改質器6を温めることとなり、効率のよい改質反応を生じさせることができる。特に、燃料ガスを生成するために水蒸気改質法により、改質反応を行なう場合は、水蒸気改質法が吸熱反応であるため、より効果的に改質反応を生じさせることができる。さらに、燃料ガスそのものを温めることができ、温度の上昇した燃料ガスを燃料電池セル3に供給することができる。
ガス供給部材9は、内部に空間が設けられた板状の部材により形成されており、燃料電池セル3の一端部(下端部)に酸素含有ガスを供給するための第1吹出口20を有している。第1吹出口20は、燃料電池セル3の側面に対向して設けられており、燃料電池セル3の外部に酸素含有ガスを供給している。ガス供給部材9の燃料電池セル3の上端部には、燃焼部57に向けて酸素含有ガスを供給するための第2の吹出口21が設けられており、燃焼部57に酸素含有ガスを供給している。第2の吹出口21は、例えば燃焼部57に対向する位置に設けることができる。
収納容器8の外部より供給された酸素含有ガスは、ガス供給部材9(第3の流路17)を下方に向けて流れる際に、第2の吹出口21より燃焼部57に向けて一部が供給される。そして、残りの酸素含有ガスは第1の吹出口20から燃料電池セル3の下端部に向けて排出されて燃料電池セル3に酸素含有ガスが供給される。燃料電池セル3に供給された酸素含有ガスは、燃料電池セル3の側面に沿って一端から他端に向かって流れる間に発電に使用され、発電に使用されなかった酸素含有オフガスは、燃焼部57にて燃焼されることとなる。
ガス供給部材9が燃料電池セルの上端部に第2の吹出口21を有することから、収納容器8に供給される酸素含有ガスの量が少ない場合においても、燃焼部57に燃焼に十分な量の酸素含有ガスを供給することができる。そのため、燃料ガスと酸素含有ガスとを効率よく混合させることができ、燃焼部57にて燃焼を生じさせることができる。
特に、燃料電池装置が低出力で運転しており、燃料電池装置に供給される燃料ガスおよび酸素含有ガスが少ない場合や、燃料利用率や空気利用率を高い値に設定し、ガス流路から排出される燃料オフガスや燃料電池セル3の側方を流れ、酸素含有オフガスが少ない場合においても、燃焼部57にて効率よく燃料オフガスと酸素含有ガスとを混合することができ、燃焼部57にて燃焼を生じさせることができる。それにより、燃料電池モジュール1を温めることができ、発電効率の向上した燃料電池モジュール1とすることができる。
図3を用いて、ガス供給部材9について説明する。ガス供給部材9は、セル配列方向xに長く、セル幅方向yの厚みが薄い上面が開口した箱状の部材により形成されている。第1の吹出口20および第2の吹出口21は、セル配列方向xに沿って、大きく開口しており、第1の吹出口20は燃料電池セル3の側面と対向する位置に設けられ、第2の吹出口21は燃料電池セル3の上端部の上方における燃焼部57に対向するように設けられている。第1の吹出口20および第2の吹出口は図3では示されてないが、それぞれガス供給部材9の両側に設けられており、ガス供給部材9の左右に設けられた第1の吹出口20と第2の吹出口21とはそれぞれ左右同等の高さに設けることが好ましい。それにより、ガス供給部材9の両側方に配置されたセルスタック4に均一な量の酸素含有ガスを供給することができる。
第1の吹出口20はそれぞれ燃料電池セル3の側面と、第2の吹出口21は燃焼部57と対向して設けられていることから、燃料電池セル3の側面、燃焼部57にむけて効率よく酸素含有ガスを供給することができる。そして、セル配列方向xに沿って大きく開口して第1の吹出口20が設けられていることから、セルスタック4を構成する各燃料電池セル3に均一に供給することができる。
また、燃焼部57はセルスタック4を構成する各燃料電池セル3の上端部の上方に形成されるため、セルスタック4の上端部の上方の全域にわたって燃焼部57が形成されている。そのため、第2の吹出口21がセル配列方向xに沿って大きく開口して設けられていることから、燃焼部57に酸素含有ガスを効率よく供給することができる。ここで、燃焼部57は燃焼が生じている領域を示し、燃料ガスは空気よりも比重が小さいため燃料電池セル3を排出された後、上方に向けて流れるため燃焼部57は、燃料電池セル3の上端部の上方に配置されることとなる。燃料電池セル3を水平方向に配置した場合も同様である。
図4を用いて、ガス供給部材9の変形例であるガス供給部材23について説明する。図4においても、酸素含有ガスの流れを実線の矢印で示しており、同一の部材については同一の符号を付するものとし、説明を省略する。
ガス供給部材23は、酸素含有ガスが供給される開口を下面に備え、第1の吹出口20として、セル配列方向xに沿って複数の円形状の開口24が設けられているとともに、第2の吹出口として、セル配列方向xに沿って複数の円形状の開口25が設けられている。開口24および開口25は、図4においては16個ずつ設けられている。第1の吹出口20として設けられた開口24はそれぞれ同じ大きさの径を有しており、第2の吹出口21として設けられた開口25も同様にそれぞれ同じ大きさの径を有している。
ガス供給部材23の内部に形成された第3の流路17を酸素含有ガスは、下方から上方に向けて流れることとなる。そのため、酸素含有ガスが開口24に供給された後に、開口25に供給され、燃料電池セル3の下端部に十分な量の酸素含有ガスを供給することができる。
また、図示していないが、ガス供給部材23の反対側の側面においても、同様に開口24および開口25が設けられている。それにより、ガス供給部材23の両側方に配置されたセルスタック4に酸素含有ガスを供給することができるとともに、燃料電池セル3の上方における燃焼部57にも酸素含有ガスを供給することができる。それぞれの側面に設けられた開口24および開口25は、それぞれ対応するように設けてもよく、互い違いになるようにずらして配置してもよい。
第1の吹出口として設けられた開口24の径は、第2の吹出口として設けられた開口25の径よりも大きく形成されている。それにより、燃料電池セル3の側面に酸素含有ガスを不足することなく供給することができる。さらに、開口25の径が開口24の径に比べて小さいことにより、開口25から排出される酸素含有ガスの流速を速くすることができ、燃焼部57に酸素含有ガスを効率よく供給することができる。
また、開口24および開口25の径の大きさをセル配列方向xにおいて適宜変更してもよい。例えば、セル配列方向xの中央部における燃料電池セル3は、周りに燃料電池セル3が密集していることから温度が上昇しやすく高温となり、セルスタック4においてセル配列方向xに温度分布が生じる場合があるが、セル配列方向xの中央部における開口24を大きくすることで、セル配列方向xの中央部に位置する燃料電池セル3により多くの酸素含有ガスを供給することができる。それにより、セル配列方向xの中央部に位置する燃料電池セル3の温度を下げることができ、セル配列方向xにおける温度分布を改善することができる。
さらに、セル配列方向xの中央部に位置する燃料電池セル3は、セル配列方向xの他の領域に位置する燃料電池セル3に比べ温度が高くなることから、他の領域に位置する燃料電池セル3に比べて発電効率が高くなり、多くの酸素含有ガスを使用する場合がある。それにより、燃焼部57にて酸素含有ガスが不足し燃焼が生じない場合があるが、セル配列方向xの中央部における開口25の径を大きくすることで、セル配列方向xの中央部における燃焼部57に酸素含有ガスを供給することができ、効率よく燃焼を生じさせることで発電効率の向上した燃料電池装置とすることができる。
図5を用いてガス供給部材9の変形例であるガス供給部材26について説明する。ガス供給部材26は、第1の吹出口20´がガス供給部材26の底面に設けられている点および第2の吹出口19に延伸部27が設けられている点でガス供給部材9と異なっており、その他の構成はガス供給部材9と同一のため説明を省略する。
ガス供給部材26は、ガス供給部材9と同様に中空の箱状の部材により形成されており、底面にセル配列方向xに大きく開口した第1の吹出口20´を有している。第1の吹出口20´は下方に向けて開口しており、ガスタンク5と対向して設けられている。第2の吹出口21はガス供給部材9のようにセル配列方向xに大きく開口し、燃焼部57に対向して設けられており、第2の吹出口19に延伸部27が接続されている。
延伸部27は、図5(b)に示すように、両側面(図5(b)においては正面および裏面)が開口した箱状の部材により形成されている。延伸部27は、第2の吹出口21の全周を取り囲むように配置されており、第2の吹出口21の全周と接続されている。図示されていないが、延伸部27は燃焼部57に向けて延伸するように配置されており、延伸部27の第2の吹出口21と接続されていない開口は、燃焼部57と対向するように設けられ、燃焼部57近傍に配置されている。燃焼部57近傍とは、燃料電池セル3の上端部の上方における近傍を示し、燃料電池セル3の上方を含む概念である。
延伸部27は、ガス供給部材26と同様の部材により形成することができ、延伸部27を作製した後に、ガス供給部材26の第2の吹出口21に溶接等により接続することで設けることができる。
第1の吹出口20´はガス供給部材26の下面に設けられ、ガスタンク5と対向するように設けられているが、この場合においても、燃料電池セル3(セルスタック4)の下端部に酸素含有ガスを供給することができる。
ガス供給部材26は、延伸部27を備えることから、第2の吹出口21から排出された酸素含有ガスを上方に向けて逃がすことなく、効率よく燃焼部57に供給することができる。そのため、燃焼部57にて燃焼を行なうことができ、燃料電池装置の発電効率を向上させることができる。
図5において、第2の吹出口21としてセル配列方向xに大きく開口した例を示したが、ガス供給部材23のように複数の開口25を有してもよい。その場合においても、効率よく燃焼部57に酸素含有ガスを供給することができる。
図6を用いてガス供給部材23の変形例であるガス供給部材28について説明する。ガス供給部材28は、第2の吹出口21に筒状の延伸部29を備える点でガス供給部材23と異なりその他の構成はガス供給部材23と同一のため説明を省略する。
ガス供給部材28に設けられた延伸部29について説明すると、延伸部29は、両端が開口した筒状の部材により形成され、筒状の部材は開口の大きさが異なり円錐状の筒状部材である。延伸部29の径の大きい開口と第3の流路17とが連通しており、径の小さい開口は、燃焼部57に対向するように設けられ、燃焼部57近傍に配置されている。
第2の吹出口21として開口25が複数設けられており、それぞれの開口25に延伸部29の一方の開口(径の大きな開口)が連通している。図6で示すように、開口25と延伸部29とをそれぞれ接合してもよく、複数の開口25を延伸部29の一方の開口が覆うように接合してもよい。
ガス供給部材28は、延伸部29を備えることから、燃焼部57に酸素含有ガスを効率よく供給することができる。それにより、燃焼部57に供給される酸素含有ガスが少ない場合においても、燃焼部57にて燃焼を生じさせることができる。
また、延伸部29は、一方の開口の径と他方の開口の径とが異なる構成をしており、酸素含有ガスの流れ方向の先端部の開口(酸素含有ガスの流れ方向の下流側の開口)が、酸素含有ガスの流れ方向の上流側の開口と比較して小さくなっている。それにより、第2の開口21に供給される酸素含有ガスの流速が遅い、つまりは、供給される酸素含有ガスの流量が少ない場合においても、延伸部29により酸素含有ガスの流速を速めることができ、さらに燃焼部57に酸素含有ガスを効率よく供給することができる。
なお、ガス供給部材26、28においては、延伸部27、29を第2の吹出口21、25にのみ設けた例を示したが、第1の吹出口20に設けてもよい。また、ガス供給部材26の下面に第1の吹出口20´を設けた場合、延伸部は、例えば、燃料電池セル3の下端部の側面に向けて屈曲するものを設ければよい。
<第2の実施形態>
図7を用いて本発明の第2の実施形態である燃料電池モジュール30について説明する。同一の部材には同一の符号を付している。
燃料電池モジュール30は、収納容器31内に、セルスタック4が一列のみ接合されたセルスタック装置47を収納して構成されている。セルスタック4の上方には所定の距離をあけて改質器6が配置されており、改質器6により改質された燃料ガスがガスタンク5に供給され、各燃料電池セル3に燃料ガスが供給されている。第1の実施形態と同様に、セルスタック装置47も、燃料電池セル3の上端部の上方に燃焼部57が配置されており、改質器を温める構成となっている。
収納容器31の両側部について説明すると、収納容器31の側壁と所定の距離をあけてセルスタック装置47側に第1の壁33が設置されており、第1の壁33から所定の距離をあけてセルスタック装置47側に第2の壁34が設置されている。第2の壁34に隣り合うようにセルスタック装置47側にガス供給部材32が配置されている。そして、収納容器31の側壁と第1の壁33の間とが第1の流路39となっており、第1の壁33と第2の壁34との間が第5の流路43となっている。ガス供給部材32の内部は、中空となっており酸素含有ガスを流すための第4の流路42となっている。
続いて、収納容器31の上部について説明すると、収納容器31の上壁に所定の距離をあけてセルスタック装置47側に第3の壁35が設置されており、第3の壁35から所定の距離をあけてセルスタック装置47側に第4の壁36が設置されている。そして、収納容器31の上壁と第3の壁35の間が第2の流路40となっており、第3の壁35と第4の壁36との間が第3の流路41となっている。
続いて、収納容器31の上部について説明すると、収納容器31の上壁に所定の距離をあけてセルスタック装置47側に第3の壁35が設置されており、第3の壁35から所定の距離をあけてセルスタック装置47側に第4の壁36が設置されている。そして、収納容器31の上壁と第3の壁35の間が第2の流路40となっており、第3の壁35と第4の壁36との間が第3の流路41となっている。
収納容器31の下部について説明すると、収納容器31の下壁に所定の距離をあけてセルスタック装置47側に第5の壁37が設置されており、第5の壁37から所定の距離をあけてセルスタック装置47側に第6の壁38が設置されている。そして、収納容器31の下壁と第5の壁37との間が酸素含有ガス収集室48となっており、第5の壁37と第6の壁38との間が第6の流路44となっている。
第1の壁33は上端が第3の壁35と接続されており、下端が第5の壁37と接続されている。それにより、外部より供給された酸素含有ガスが流れる酸素含有ガス収集室48、第1の流路39および第2の流路40を形成している。
第2の壁34は上端が第3の壁35と接続されており、下端が第6の壁38と接続されている。図示していないが、第2の壁34の上端側における第3の流路41と直交する部位に、第5流路に通じる開口(図示せず)が設けられており、第3の流路41と第5の43とが連通している。第2の壁34のセルスタック47側に接した状態でガス供給部材32が配置されており、ガス供給部材32と第6の壁との間には断熱材22が配置されている。
ガス供給部材32はセルスタック装置47の両側に配置され、セルスタック装置47側に第1の吹出口45および第2の吹出口46がそれぞれ設けられている。ガス供給部材32は、上述したガス供給部材9、23、26、28を用いることができるが、第1の吹出口45および第2の吹出口46をセルスタック装置47側にのみ設けたものを用いる必要がある。
図7で示すように、両側方に配置されたガス供給部材32の第1の吹出口45および第2の開口46は互いに対向するように設けられており、ガス供給部材32のセルスタック装置47側の第1の吹出口45および第2の吹出口46の間の領域には、断熱材22が設けられている。ガス供給部材32においても、第2の壁34と同様に開口が設けられており、燃焼により生じた排ガスを第5の流路43に流す構成となっている。また、図示したとおり、第2の吹出口46の開口を構成する壁の一部が第4の流路42の内部(ガス供給部材32の内部)に向かって突出する形状となっており、ガス供給部材32を流れる酸素含有ガスを効率よく燃焼部57に供給することができる。
第3の壁35は、収納容器31における中央部にセル配列方向xに大きな開口が設けられており、第2の流路40を流れた酸素含有ガスを第3の流路41へ流すことができる。第4の壁36は、セルスタック装置47の両側方に位置するガス供給部材32のセルスタック装置47側を接合しており、ガス供給部材32と一体的に形成することもできる。
第5の壁37は、収納容器31における中央部に排ガス送出管48を有しており、第6の流路44を流れる排ガスを収納容器31の外部に排出している。第6の壁38は、断熱材22を介してセルスタック装置47が配置されている。断熱材22を間に配置することにより、第6の流路44を流れる排ガスによりセルスタック装置47が冷却されることを抑えることができる。また、図示していないが、収納容器31には酸素含有ガス収集室48と外部とを接続する酸素含有ガス供給管(図示せず)が設けられており、酸素含有ガス送出管48と酸素含有ガス供給管とが2重管により設けられている。
次に、燃料電池モジュール30の内部を流れる各種ガスの流れについて説明する。
外部より供給された酸素含有ガスは、酸素含有ガス供給管から流入し、酸素含有ガス収集室48に供給され収納容器31の両側方に向けて流れる。そして、第1の流路39を下方から上方に向けて流れ、第2の流路40を収納容器31の両側方から中央へ向けて流れることとなる。第2の流路40を流れた酸素含有ガスは、第3の壁35に設けられた開口を通り、第3の流路41を収納容器31の中央部から両側部に向けて流れる。第3の流路41を流れた酸素含有ガスは、ガス供給部材32の内部に設けられた第4の流路42を上方から下方に向けて流れることとなる。第4の流路42を上方から下方に向けて流れる間に、酸素含有ガスの一部が第2の吹出口46より吹き出されて燃焼部57に供給されることとなり、残りの酸素含有ガスは、第1の吹出口45より燃料電池セル3の下端部に向けて吹き出されて、燃料電池セル3に供給されることとなる。
燃焼部57により生じた排ガスは、改質器6を温めながら、ガス供給部材32および第2の壁34に設けられた開口を流通し第5の流路43を上方から下方に向けて流れることとなる。その際に、第1の流路39を流れる酸素含有ガスと第4の流路42を流れる酸素含有ガスと第5の流路43を流れる排ガスとが熱交換をし、第1の流路39を流れる酸素含有ガスと第4の流路42を流れる酸素含有ガスの温度を上昇させることができる。そのため、温められた酸素含有ガスを燃料電池セル3に供給することができ、発電効率の向上した燃料電池モジュール30とすることができる。
また、燃焼部57の上方に位置する第2の流路40および第3の流路41は燃焼部57における燃焼熱によって直接温められるため、第2の流路40および第3の流路41を流れる酸素含有ガスの温度を上昇させることができる。
ガス供給部材32は、セルスタック装置47の両側方にそれぞれ配置され、燃料電池セル3の下端部と対向するように第1の吹出口45が設けられており、燃焼部57と対向するように第2の吹出口46が設けられている。それにより、第1の吹出口45および第2の吹出口46から吹き出された酸素含有ガスがそれぞれ、燃料電池セル3および燃焼部57近傍にて衝突し、流れが乱れることとなる。そのため、特には燃焼部57にて燃料電池セル3から排出された燃料ガスと酸素含有ガスとを効率よく混合することができ、燃焼部57に供給される燃焼ガスが少ない場合においても、燃焼部57にて燃焼を行なうことができる。
なお、燃料電池モジュール30においては、ガス供給部材32として箱形状の部材を設けた例を示したが、ガス供給部材32を断熱材22や第2の壁34により仕切って、第4の流路43を形成してもよい。その場合は断熱材22や第2の壁34により仕切られた空間をガス供給部材32と呼ぶことができる。
図8を用いて、ガス供給部材32の変形例であるガス供給部材49a、49bについて説明する。
図8(a)に示す、ガス供給部材49aは、ガス供給部材49aの内部に、第1の吹出口45に連通する第4の流路42bと、第2の吹出口46に連通する第4の流路42aとを仕切る仕切部材が設けられている、そのため、ガス供給部材49aの内部にて第4の流路42が第4の流路42a、42bとに仕切られる構成となっている。
そのため、第1の吹出口45および第2の吹出口46に確実に酸素含有ガスを供給することができ、燃料電池セル3の発電に使用される酸素含有ガスを確保することができるとともに、燃焼部57に十分な量の酸素含有ガスを供給することができる。
仕切部材の配置は、燃料電池モジュール30の構成に合わせて適宜設定すればよいが、ガス供給部材49aのセルスタック装置47側に接合する部位は第2の吹出口46の下方とすることが好ましい。それにより、第2の吹出口46に効率よく酸素含有ガスを供給することができる。
図8(b)に示す、ガス供給部材49bは、第1の吹出口45に連通する第4の流路42bと、第2の吹出口46に連通する第4の流路42aとがそれぞれ別部材により形成されており、パイプ状の部材からなる第4の流路42a、42bに、第1の吹出口45と第2の吹出口46がそれぞれ設けられている構造となっている。
このように、それぞれ別部材によりガス供給部材49bを構成することにより、燃料電池モジュール30内にガス供給部材49bを配置する際における自由度を増すことができる。また、第1の吹出口45および第2の吹出口46を、例えば、パイプの一端を折り曲げて形成することにより容易にガス供給部材49bを作製することができる。
また、ガス供給部材9の変形例として、図8(b)に示すようなパイプ形状の部材により、ガス供給部材を作製する場合は、第1の吹出口45および第2の吹出口46をそれぞれ両側方に設けた構成とすればよい。また、第1の吹出口45および第2の吹出口46を折り曲げて作製せず、パイプの燃料電池セル3の下端部側を封止し、側面に開口を設けることにより第1の吹出口45および第2の吹出口46を作製することもできる。
図9は、外装ケース内に図1で示した第1の実施形態に係る燃料電池モジュール1と、燃料電池モジュール1を動作させるための補機(図示せず)とを収納してなる本発明の燃料電池装置50の一例を示す分解斜視図である。図9においては一部構成を省略して示している。
図9に示す燃料電池装置50は、支柱51と外装板52から構成される外装ケース内を仕切板53により上下に区画し、その上方側を上述した燃料電池モジュール1を収納するモジュール収納室54とし、下方側を燃料電池モジュール1を動作させるための補機を収納する補機収納室55として構成されている。補機収納室55に収納する補機は省略している。
また、仕切板53には、補機収納室55の空気をモジュール収納室54側に流すための空気流通口56が設けられており、モジュール収納室54を構成する外装板52の一部に、モジュール収納室54内の空気を排気するための排気口57が設けられている。
このような燃料電池装置50においては、上述したように、発電効率を向上させることができ、耐久性の向上した燃料電池モジュール1をモジュール収納室54に収納し、燃料電池モジュール1を動作させるための補機を補機収納室55に収納して構成されることにより、長期信頼性の向上した燃料電池装置50とすることができる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
例えば、上述したセルスタック4においては、燃料電池セル3内の流路に燃料ガスを供給し、燃料電池セル3の外側に酸素含有ガスを供給する例を示しているが、流路に酸素含有ガスを供給し、燃料電池セル3の外側に燃料ガスを供給する構成としてもかまわない。その場合においては、内側電極層を空気極層とし、外側電極層を燃料極層とする構成の燃料電池セル3とすればよい。それに併せて、燃料電池モジュール1および燃料電池装置50の構成を適宜変更すればよい。
また、燃料電池モジュール1内に、1つのセルスタック装置2を収納してもよく、複数のセルスタック装置2を収納してもよい。複数のセルスタック装置2を収納することで、燃料電池モジュールの発電効率を向上させることができる。さらに、外装ケース内に1つの燃料電池モジュール1を収納する例を示したが、複数の燃料電池モジュール1を収納してもよい。