JP5660027B2 - クローン病診断試薬 - Google Patents

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Description

本発明は、クローン病を安全かつ高感度で特異的に診断する方法及びクローン病の診断用試薬、並びにその試薬を含む診断用キットに関する。
クローン病は、潰瘍性大腸炎(UC)とともに、免疫学的応答の異常に基づく局所の炎症性腸疾患(IBD)に類別される疾患である。炎症が大腸に限局するUCと異なり、クローン病は口腔から肛門までの消化管の全ての部位にも潰瘍ができる病気である。臨床症状としては、腹痛、下痢が主で、さらに発熱、下血、吸収障害による体重減少、全身倦怠感、貧血などの症状もしばしば現れる。また、壊疽性膿皮症、結節性紅斑などの皮膚症状、関節病変、口内炎などの腸管外合併症を併発することがある。
しかし、クローン病の病因は未だ十分に解明されておらず、その診断と治療には限界がある。
例えば、クローン病の診断は、臨床所見のほか、X線造影検査、内視鏡検査、内視鏡下に採取した生検標本の組織検査などを総合的に判断して行われてきたが、これらの検査は、検査前の腸管内部清浄に時間を要し、造影剤の投与や内視鏡の腸管への挿入など、患者に対し肉体的・精神的に多大の負担を与えるものであるうえ、手技及び判別に経験と熟練した技術を必要とする。
殊に、小腸型又は小腸優位の小腸大腸型の場合、小腸の構造の複雑さ及び発症部位が内視鏡の挿入部(肛門又は口腔)から遠いことなどの理由で、X線造影検査或いは内視鏡による検査は、一層高度の技術を要する。
また、類似した病理所見を示すUCなどの他の炎症性腸疾患との鑑別が困難なケースも多く、安全で簡便、かつクローン病に特異的な診断方法が求められている。
クローン病の発症及び増悪には、様々な遺伝的及び環境的要因が複雑に影響していると考えられるが、なかでも腸内細菌を含む微生物由来抗原の関与が示唆されており、微生物に対する異常な免疫応答がクローン病における炎症反応に深く関わっていると考えられている。例えば、抗Saccharomyces cerevisiae抗体(ASCA)、抗I2抗体、抗外膜タンパク質C(OmpC)抗体、抗フラジェリン抗体などが、クローン病患者の血清中で特異的に増加していることが報告されている。一方、微生物以外でも、CRPやブタアミラーゼに対する抗体価がクローン病患者の血清中で特異的に増加しているとの報告もある。かかる知見に基づき、これらの抗体を検出することによる非侵襲的なクローン病の診断方法が提案されている(特許文献1及び2、非特許文献1〜3)。
しかし、単一の抗体をマーカーとして用いたこれらの方法では、いずれも感度(有病正診率)がたかだか40%程度に止まる。複数の抗体を組み合わせることにより感度を向上させることができるが(特許文献3)、I2抗原、OmpC抗原、フラジェリン抗原、CRP抗原は入手が困難であるなどの問題がある。
食餌も、腸内細菌と同様に、腸管を通過する異物として腸管免疫に影響を与える可能性がある。クローン病の治療に成分栄養療法が有効であることから、病因もしくは増悪因子として何らかの食餌抗原の存在が示唆されるが、特定の食餌抗原のクローン病への関与はいまだ明らかにされていない。
特開平11−190734号公報 特表2004−526122号公報 特開2006−308494号公報
Jpn J Electroph 1999;43:139-145 Gastroenterology 2002;123:689-699 Gastroenterology 2000;119:23-31
本発明が解決しようとする課題は、クローン病を、安全で簡便に、かつ特異的に診断する新規方法、並びにそのための試薬及びそれを含んでなる診断用キットを提供することにある。
前記課題の解決にあたり、本発明者らはまず、クローン病では腸管上皮のバリア機構に障害があるため膜透過性が亢進し、抗原に曝露されやすいとの報告があることに注目し、食餌抗原がクローン病における炎症反応に関与している可能性があると着想した。そこで、クローン病患者、UC患者及び健康人から採取した血清中の、種々の食餌成分に対する抗体価を測定、相互に比較した。その結果、クローン病患者由来の検体において特異的に血清抗体価の上昇が認められた食餌成分19品目を同定することに成功した。このうち14品目については、これまでクローン病との関連が全く示唆されていない食餌成分であった。
さらに、本発明者らは、これらの19品目のうちの2種以上を組み合わせて用いることにより、クローン病診断の感度及び特異度(無病正診率)をより向上させることができることを確認して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである:
〔1〕対象から採取した検体中の、グレープフルーツ、アルファルファ、アボカド、キャベツ、しし唐、レタス、玉ねぎ、ジャガイモ、ほうれん草、トマト、オーツ麦、ピーカンナッツ、イースト、サトウキビ、セロリ、そば、コーン、米及び大豆からなる群より選択される1種以上の食餌成分に対する各抗体を測定することを特徴とする、該対象におけるクローン病の診断方法(但し、1種の食餌成分に対する抗体を測定する場合、該食餌成分はセロリ、そば、コーン、イースト及び大豆以外である)。
〔2〕2種以上の食餌成分に対する各抗体を測定することを特徴とする、〔1〕の方法。
〔3〕少なくとも1種の食餌成分がセロリ、そば、コーン、イースト及び大豆以外である、〔2〕の方法。
〔4〕グレープフルーツ、キャベツ、レタス、オーツ麦、ピーカンナッツ、イースト、サトウキビ、セロリ、そば及びコーンからなる群より選択される少なくとも1種の食餌成分に対する抗体を測定することを特徴とする、〔2〕又は〔3〕の方法。
〔5〕少なくともイースト及びコーンに対する各抗体を測定することを特徴とする、〔2〕〜〔4〕のいずれかの方法。
〔6〕3種以上の食餌成分に対する各抗体を測定することを特徴とする、〔2〕〜〔5〕のいずれかの方法。
〔7〕少なくともイースト、コーン、並びにそば又はセロリに対する各抗体を測定することを特徴とする、〔6〕の方法。
〔8〕食餌成分に含有されるポリペプチド抗原に対する各抗体を測定することを特徴とする、〔1〕〜〔7〕のいずれかの方法。
〔9〕前記ポリペプチド抗原がGlutelinである、〔8〕の方法。
〔10〕グレープフルーツ、アルファルファ、アボカド、キャベツ、しし唐、レタス、玉ねぎ、ジャガイモ、ほうれん草、トマト、オーツ麦、ピーカンナッツ、米及びサトウキビからなる群より選択される食餌成分の調製物を含有してなる、クローン病の診断用試薬。
〔11〕前記調製物が、単離又は精製されたポリペプチド抗原である、〔10〕の試薬。
〔12〕前記ポリペプチド抗原が、Glutelin又は抗原性を有するその部分ペプチドである、〔11〕の試薬。
〔13〕グレープフルーツ、アルファルファ、アボカド、キャベツ、しし唐、レタス、玉ねぎ、ジャガイモ、ほうれん草、トマト、オーツ麦、ピーカンナッツ、イースト、サトウキビ、セロリ、そば、コーン、米及び大豆からなる群より選択される2種以上の食餌成分の調製物を含んでなる、クローン病の診断用キット。
〔14〕前記調製物が、単離又は精製されたポリペプチド抗原である、〔13〕のキット。
〔15〕前記ポリペプチド抗原が、Glutelin又は抗原性を有するその部分ペプチドである、〔14〕のキット。
本発明の診断方法は、クローン病に特異的な抗食餌成分抗体の抗体価測定を組み合わせることによって、クローン病診断の感度及び特異度を格段に向上させ、高度の技術を要し患者への負担も大きい内視鏡などの侵襲的方法による診断の適応範囲を限定することができる点で、顕著な効果を奏する。また、食餌成分を用いるので、試薬の入手が容易であるとのさらなる利点を有する。
図1は、米タンパク質のCBB染色の結果を示す図である。レーンMはタンパク質分子量マーカーを、レーンaは米タンパク質をそれぞれ示し、左端の数値はタンパク質の分子量(kDa)を示す。 図2は、米タンパク質のウェスタンブロッティングの結果を示す図である。レーンCはクローン病患者(CD)の血清を、レーンHは健康人(HC)の血清を抗体としてそれぞれ用いた結果を示し、左端の数値はタンパク質の分子量(kDa)を示す。「A」は、CDの血清中の抗体と特異的な反応が見られたバンドを示す。
本発明は、診断対象から採取した検体中の、1種以上のクローン病特異的な抗食餌成分抗体を測定することを含む、クローン病の診断方法を提供する。本発明において「クローン病特異的な抗食餌成分抗体」とは、クローン病に罹患した動物において特異的に抗体価が上昇する、食餌成分に対する抗体をいい、具体的には、グレープフルーツ、アルファルファ、アボカド、キャベツ、しし唐、レタス、玉ねぎ、ジャガイモ、ほうれん草、トマト、オーツ麦、ピーカンナッツ、イースト、サトウキビ、セロリ、そば、コーン、米及び大豆の19種の食餌成分に対する各抗体を意味する(以下、「本発明の抗食餌成分抗体」ともいう)。尚、ここで「クローン病特異的」であるとは、クローン病に罹患した動物において抗体価が上昇している頻度(陽性率;有病正診率)が、少なくともUCに罹患した動物及び健康動物における当該頻度に比して有意に高いことをいう。
また、本発明の抗食餌成分抗体は、各種食餌成分に含有されるポリペプチド抗原(各種食餌成分の抗原)に対する各抗体であってもよい。食餌成分のポリペプチド抗原は、具体的には、グレープフルーツ、アルファルファ、アボカド、キャベツ、しし唐、レタス、玉ねぎ、ジャガイモ、ほうれん草、トマト、オーツ麦、ピーカンナッツ、イースト、サトウキビ、セロリ、そば、コーン、米及び大豆の食餌成分に含有されるポリペプチド抗原であって、クローン病特異的なポリペプチド抗原であれば如何なるものであってもよい。本発明では、上記19種類の食餌成分のうち、米、そば、コーン及びサトウキビが好ましく、これらに含まれるポリペプチド抗原としては、米であればglutelin、glyoxylase 1、enolase、UDP-glucose pyrophosphorylase、asparatic protease、prolamin、oleosin等が、そばであればclathrin等が、コーンであれば2,3-bisphosphoglycerate-independent phosphoglyceratemutase、protein disulfide isomerase、ketol-acid reductoisomerase、elongation factor 1 alpha、phenylalanine ammonia-lyase等が、サトウキビであればtriphosphate isomerase 1、NBS-LRR type RGA等が例示される。
本発明の診断方法において、診断対象は、クローン病(ヒトのクローン病に相当する非ヒト炎症性腸疾患を含む)に罹患し得る任意の動物であってよいが、例えば哺乳動物であり、具体的にはヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、及びマウスなどが例示される。
診断のための検体は、診断対象から単離可能であって、クローン病特異的な抗食餌成分抗体が存在する可能性のある対象由来の成分又は組織であれば、特に限定されず、例えば血液(全血、血清、血漿)、唾液、その他の体液、各種組織等が挙げられるが、特に血清又は血漿が好ましい。参考のための潰瘍性大腸炎患者及び/又は対照とする健康人の検体を用いる場合には、それらの検体についても同様である。
検体中の各抗体の測定方法は、免疫学的測定法として、抗体を検出し測定するために使用される方法であればいずれでもよく、酵素、蛍光物質、発光物質、放射性物質、着色物質などを標識物質とする慣用の測定方法がいずれも使用可能であるが、酵素免疫測定法、イムノクロマトグラフィー法などが好ましく、さらに、検体中の抗体量を着色量や吸光度によって容易に数値化できる点で酵素免疫測定法、例えばELISA法が特に好ましい。多品目に対する抗体を同時に測定する方法としては、例えば食品93品目IgGが測定可能な市販のELISAキット(93 Food IgGScreen/GENESIS Diagnostics社など)を用いることができ、又は民間の検査機関に測定を依頼することもできる(IgG Food Antibody Assessment/Genova Diagnostics社など)。測定に必要な各種器具、資材、試薬類、標識方法及び測定条件は、既知のものがいずれも使用可能である。
抗体に結合した標識量の測定は、標識物質の種類に応じて慣用の方法が選択され、例えば、酵素を標識物質とする場合には発色基質の分解を分光光度計により吸光度として測定するのが有利である。
例えば、ELISA法による本発明の抗食餌成分抗体の測定は、まず、検体を食餌成分の調製物と反応させて抗原−抗体複合体を生成させ、次いで、酵素標識した、抗食餌成分抗体と反応する物質を添加し、さらに酵素基質を添加して反応させ、反応生成物の標識量を酵素活性により測定することにより行うことができる。
食餌成分の調製物は、慣用の方法により食餌成分を処理することによって調製できる。原料となる食餌成分は、市販の生鮮・冷凍・凍結乾燥品、又はその粉末材料(Allergon社など)、食餌成分の処理方法としては、好ましくは抽出が挙げられる。抽出は、例えば原料を、水、有機溶媒、緩衝液、又はグリセロール中で物理的に(超音波、フレンチプレス、乳鉢、ホモジナイザー、ガラスビーズ、凍結融解など)又は界面活性剤で処理することによって行える。塩の添加や、加温することにより抽出効率を上げることが可能である。また、食餌成分の調製物としては、前記方法で得られる抽出物のほかに、市販のタンパク質抽出液(BioChain社、Antigen Laboratories社など)及び/又は診断用アレルゲンエキス(鳥居薬品株式会社、Antigen Laboratories社など)等を使用可能である。
食餌成分の調製物としては、食餌成分に含有される上記ポリペプチド抗原の単離又は精製物であってもよい。単離又は精製されたポリペプチド抗原は、例えば、(a)食餌成分の組織又は細胞から公知の方法或いはそれに準ずる方法を用いて調製、(b)ペプチドシンセサイザー等を使用する公知のペプチド合成方法で化学的に合成、(c)ポリペプチド抗原をコードするDNAを含有する形質転換体を培養、あるいは(d)ポリペプチド抗原をコードする核酸を鋳型として無細胞転写/翻訳系を用いて生化学的に合成することによって製造される。
(a)食餌成分の組織又は細胞からポリペプチド抗原を調製する場合、その組織又は細胞をホモジナイズした後、粗分画物(例:膜画分、可溶性画分)をそのままポリペプチド抗原として用いることもできる。あるいは酸、界面活性剤又はアルコールなどで抽出を行い、該抽出液を、塩析、透析、ゲル濾過、逆相クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーを組み合わせることにより精製単離することもできる。得られたタンパク質をそのままポリペプチド抗原とすることもできるし、ペプチダーゼ等を用いた限定分解により部分ペプチドを調製してそれをポリペプチド抗原とすることもできる。
(b)化学的にポリペプチド抗原を調製する場合、合成ペプチドとしては、例えば上述の(a)の方法を用いて天然材料より精製したタンパク質と同一の構造を有するもの、具体的には、該タンパク質のアミノ酸配列において少なくとも3個以上、好ましくは6個以上のアミノ酸からなる任意の箇所のアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を1種あるいは2種以上含有するペプチドなどが用いられる。
(c)DNAを含有する形質転換体を用いてポリペプチド抗原を製造する場合、該DNAは、公知のクローニング方法(例えば、Molecular Cloning 2nd ed.(J. Sambrook et al., Cold Spring HarborLab. Press, 1989)に記載の方法など)に従って作製することができる。該クローニング方法とは、(1)ポリペプチド抗原をコードする遺伝子配列に基づきデザインしたDNAプローブを用い、食餌成分のcDNAライブラリーからハイブリダイゼーション法により該ポリペプチド抗原をコードするDNAを単離するか、(2)ポリペプチド抗原をコードする遺伝子配列に基づきデザインしたDNAプライマーを用い、食餌成分由来のcDNAを鋳型としてPCR法により該抗原をコードするDNAを調製し、該DNAを宿主に適合する発現ベクターに挿入する方法などが挙げられる。該発現ベクターで宿主を形質転換して得られる形質転換体を適当な培地中で培養することにより、所望のポリペプチド抗原を得ることができる。
(d)無細胞転写/翻訳系を利用する場合、上記(c)と同様の方法により調製したポリペプチド抗原をコードするDNAを挿入した発現ベクター(例えば、該DNAがT7、SP6プロモーター等の制御下におかれた発現ベクターなど)を鋳型とし、該プロモーターに適合するRNAポリメラーゼおよび基質(NTPs)を含む転写反応液を用いてmRNAを合成した後、該mRNAを鋳型として公知の無細胞翻訳系(例:大腸菌、ウサギ網状赤血球、コムギ胚芽等の抽出液)を用いて翻訳反応を行わせる方法などが挙げられる。塩濃度等を適当に調整することにより、転写反応と翻訳反応を同一反応液中で一括して行うこともできる。
なお、「単離又は精製」とは、目的とする成分以外の成分を除去する操作がなされていることを意味する。「単離又は精製されたポリペプチド抗原」に含まれる、目的とするポリペプチドの含有量は、試料中のポリペプチドの通常60重量%以上、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、最も好ましくは95重量%以上である。
ポリペプチド抗原としては完全なタンパク質分子やその部分アミノ酸配列を含む抗原性を有するペプチド(抗原性を有する部分ペプチド)を用いることができる。部分アミノ酸配列としては、例えば3個以上の連続するアミノ酸残基からなるもの、好ましくは4個以上、より好ましくは5個以上、いっそう好ましくは6個以上の連続するアミノ酸残基からなるものが挙げられる。これらのアミノ酸残基の一部(例:1ないし数個)は置換可能な基(例:Cys、水酸基等)によって置換されていてもよい。ポリペプチド抗原として用いられるペプチドは、このような部分アミノ酸配列を1ないし数個含むアミノ酸配列を有する。
好ましい一実施態様においては、食餌成分の調製物は、適当な固相(例えば、イムノアッセイ用マルチウェルプレート等)上に固定化される。固定化は、必要に応じて一般的なコーティング用緩衝液で希釈した該調製物を固相に添加し、一定時間インキュベートすることにより行うことができる。固相から液体を除去した後、該固相に検体を添加して抗原−抗体複合体を形成させ、目的の抗体を固相上に捕捉する。
抗食餌成分抗体と反応する物質としては、例えば、抗免疫グロブリン抗体、プロテインA、プロテインG、ジャカリン等が挙げられ、抗免疫グロブリン抗体、特に抗IgG抗体又は抗IgA抗体が好ましい。
標識酵素としては、ペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、アルカリホスファターゼ、マイクロペルオキシダーゼ、カルボキシペプチダーゼ、ホスホリラーゼなどが挙げられるが、特に限定されない。
酵素基質は、標識酵素の種類に応じて適宜選択されるが、ペルオキシダーゼを標識酵素とする場合は、例えば、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB;Vector Laboratories Inc.社、#SK-4400)を用いることができる。
反応液を除去し、マイクロプレートリーダー等を用いて、固相上の測定波長450nmにおける吸光度を測定することによって、固相に結合した標識量すなわち抗体量を測定することができる。
診断対象において調べられた抗食餌成分抗体が上昇しているか否かの判定は、例えば、健康動物における抗体価との比較において、統計学的に有意であるか否かによって行うことができる。例えば、健康動物における測定値の平均+SD(標準偏差)、平均+2SD、平均+3SDなどを陽性の基準とすることができるが、これらに限定されない。
本発明の診断方法の好ましい実施態様においては、上記19種のクローン病特異的な抗食餌成分抗体のうちの2種以上(例、2、3、4、5、6、8、10又は15種)の抗体が測定対象となる。2種以上の抗体を組み合わせることによって、クローン病の診断感度及び/又は診断特異度をさらに向上させることができる。2種以上の抗体を組み合わせる場合、グレープフルーツ、キャベツ、レタス、オーツ麦、ピーカンナッツ、イースト、サトウキビ、セロリ、そば及びコーンから選ばれる少なくとも1種の食餌成分に対する抗体を含むことが好ましく、少なくともイースト及びコーンに対する各抗体を含むことがより好ましい。また、別の好ましい態様において、本発明の診断方法は、3種又は4種以上の抗体を組み合わせて用いる。3種以上の抗体を組み合わせる場合、少なくともイースト、コーン、並びにそば又はセロリに対する各抗体を含むことがより好ましい。具体的な組合せの例としては、以下の食餌成分に対する抗体の組合せが挙げられる。
(2種の食餌成分の組合せの例)
・コーン、キャベツ
・コーン、レタス
・コーン、そば
・イースト、グレープフルーツ
・イースト、キャベツ
・イースト、セロリ
・イースト、レタス
・イースト、そば
・イースト、コーン
・イースト、オーツ麦
・イースト、ピーカンナッツ
・サトウキビ、キャベツ
・サトウキビ、コーン
・サトウキビ、イースト
(3種の食餌成分の組合せの例)
・イースト、コーン、そば
・イースト、コーン、セロリ
(4種の食餌成分の組合せの例)
・イースト、コーン、そば、グレープフルーツ
・イースト、コーン、そば、キャベツ
・イースト、コーン、そば、しし唐
・イースト、コーン、そば、トマト
・イースト、コーン、そば、大豆
・イースト、コーン、そば、セロリ
・イースト、コーン、アルファルファ、セロリ
・イースト、コーン、サトウキビ、セロリ
(5種の食餌成分の組合せの例)
・イースト、コーン、そば、グレープフルーツ、アルファルファ
・イースト、コーン、そば、グレープフルーツ、サトウキビ
・イースト、コーン、そば、セロリ、アルファルファ
・イースト、コーン、そば、セロリ、サトウキビ
・イースト、コーン、そば、しし唐、アルファルファ
・イースト、コーン、そば、しし唐、サトウキビ
・イースト、コーン、そば、トマト、アルファルファ
・イースト、コーン、そば、トマト、サトウキビ
・イースト、コーン、そば、大豆、アルファルファ
・イースト、コーン、そば、大豆、サトウキビ
2種以上の抗食餌成分抗体を組み合わせて診断を行う場合、一部の抗体のみ陽性で他の抗体については陰性となる結果が生じるが、その場合、好ましくは、いずれか1つの抗体について陽性であれば、診断対象はクローン病に罹患しているか罹患する可能性が高いと判定する。そうすることにより、一定の診断特異度を維持したまま、診断感度を格段に向上させることができる。
本発明はまた、本発明の抗食餌成分抗体と反応する1種以上の食餌成分調製物を含む、クローン病の診断用試薬を提供する。具体的には、食餌成分調製物は、グレープフルーツ、アルファルファ、アボカド、キャベツ、しし唐、レタス、玉ねぎ、ジャガイモ、ほうれん草、トマト、オーツ麦、ピーカンナッツ、イースト、サトウキビ、セロリ、そば、コーン、米及び大豆の19種から選ばれる食餌成分を処理することにより調製される。当該調製物の調製法は、上記の本発明の方法において記載したとおりである。得られた食餌成分調製物は、例えば、プラスチックチューブ等の容器中に、水、緩衝液、グリセロール等に溶解した状態で提供され、使用直前まで冷蔵もしくは凍結保存することができる。
上述のように、本発明のクローン病の診断においては、検体中の2種以上の抗食餌成分抗体を測定することが好ましい。したがって、好ましい実施態様において、本発明のクローン病診断用試薬は、2種以上(例、2、3、4、5、6、8、10又は15種)の食餌成分調製物を構成として含んでよい。好ましい2種以上の食餌成分の組合せとしては、上記した通りである。
尚、複数の食餌成分調製物が用いられる場合、それらを混合して1つの試薬としてもよく、あるいは別々の試薬として調製してもよいが、それぞれの抗食餌成分抗体に特異的に反応する物質を提供することは容易ではないので、通常別々の試薬として調製する方が好都合である。
本発明はまた、本発明の試薬を含むクローン病の診断用キットを提供する。本発明のキットは、食餌成分調製物を単独で又は2種以上の組合せで含み、他の成分として、免疫学的測定方法の種類や採用される検出手段に応じて、必要とされる試薬類を任意に包含し得る。好ましくは、抗食餌成分抗体と反応する物質(例えば、抗IgG抗体、抗IgA抗体などの二次抗体)を含み得る。該物質は、酵素、蛍光物質、発光物質、放射性同位元素、着色物質などの標識物質で予め標識化されていてもよいし、別途、標識物質をキットの構成に含めることもできる。また、食餌成分調製物は予め固相に固定化されていてもよいし、別途、固相をキットの構成に含めることもできる。
また、本発明のキットには、標識物質に応じた基質、又は標識物質と基質との反応を検出するための検出試薬が含まれていてもよく、さらに測定の実施の便宜のために適当な検体希釈液、二次抗体希釈液、標準抗体、緩衝液、洗浄液、酵素基質液、反応停止液などが含まれていてもよい。他に、対照として用いられる健康人由来の標準血清が含まれていてもよい。
以下に、本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
参考例1 ヒト血清或いは血漿の取得
クローン病患者80例、潰瘍性大腸炎患者44例及び健康人52例の血液は、社会保険中央総合病院或いは味の素(株)にて文書を用いた同意の下採取し、血清或いは血漿を得た。検体は番号等で表示し、匿名化した。
実施例1 食餌88品目抗体価(IgG)の測定
血液採取後、すみやかに遠心分離し取得した血清を冷凍保存し、デトックス(株)を介してGenova Diagnostics(IL, USA)に送付し、IgG Food Antibody Assessment(食餌88品目)測定を依頼した。食餌88品目の内訳は、乳製品7品目(カゼイン、チェダーチーズ、カッテージチーズ、牛乳、ヤギのミルク、ラクトアルブミン、ヨーグルト)、野菜22品目(アルファルファ、アスパラガス、アボカド、大根、ブロッコリー、キャベツ、人参、セロリ、きゅうり、にんにく、しし唐、レタス、マッシュルーム、オリーブ、玉ねぎ、豆、さつまいも、じゃがいも、ほうれん草、サヤインゲン、トマト、ズッキーニ)、果物16品目(りんご、杏、バナナ、ブルーベリー、クランベリー、ぶどう、グレープフルーツ、レモン、オレンジ、パパイヤ、桃、梨、パイナップル、プラム、木苺、苺)、魚介・肉類19品目(はまぐり、鱈、カニ、ロブスター、牡蠣、鯛、鮭、鰯、海老、カレイ、鱒、ツナ、牛肉、鶏肉、卵白、卵黄、ラム、豚肉、ターキー)、穀類・ナッツ類19品目(アーモンド、そば、コーン、コーングルテン、グルテン、いんげん豆、レンズ豆、ライ豆、オーツ麦、ピーナッツ、ピーカンナッツ、うずら豆、米、ライ麦、胡麻、大豆、ひまわりの種、くるみ、小麦)、その他5品目(イースト、サトウキビ、チョコレート、コーヒー、はちみつ)であった。IgGはELISAにより測定され、それぞれの食餌品目の健康人における「平均値+2SD」を基準として、それ以上のものを陽性とした。食餌88品目における血清抗体価陽性品目数の平均はクローン病患者で11品目、潰瘍性大腸炎患者で2品目、健康人では1品目であった。
各品目における抗体の陽性率(陽性検体数/全検体数×100)をそれぞれクローン病患者、潰瘍性大腸炎患者、健康人について算出した。
次に、2〜5品目を組合せた時の陽性率及び特異度(陰性検体数/全検体数×100)、診断効率(陽性率×特異度/100)を算出した。
結果
クローン病患者において健康人及び潰瘍性大腸炎患者より有意に陽性率が高かった食餌品目は19品目(グレープフルーツ、アルファルファ、アボカド、キャベツ、セロリ、しし唐、レタス、玉ねぎ、じゃがいも、ほうれん草、トマト、そば、コーン、オーツ麦、ピーカンナッツ、米、大豆、イースト、サトウキビ)であった。19品目のクローン病患者(CD)、潰瘍性大腸炎患者(UC)、及び健康人(HC)における陽性率を表1に示す。
また、各測定によって得られた吸光度(抗体量)から、19種の食餌抗原に対する抗体2種を組合せた場合における、感度(クローン病患者の全検体に対し陽性と判定された検体数;陽性率)を算出した結果を表2に示す。
各測定によって得られた吸光度(抗体量)から、各食餌抗原に対する抗体単独及びそれら抗体を2種〜19種組合せた場合における、感度、及び特異度を算出した。2品目から5品目を組合せた時の一部の組合せについて、CD陽性率、UC、HCの特異度、UCに対するCDの診断効率を表3−1〜表3−4に示す。
以上の結果より、抗体を組合せることによって、1種の抗体量を単独で測定した場合と比較して、感度が有意に向上することが明らかとなった。また各組合せにおいて高い特異性が見られ、感度と特異度を掛け合わせて算出した診断効率も同様に、抗体の組合せにおいて顕著に向上した。
したがって、本発明によれば、クローン病の特異的かつ効率的な診断が可能となり、内視鏡検査など高度の経験と技術を要し、しかも患者に身体的・精神的苦痛与える侵襲的方法を経ないでも、安全かつ高感度にクローン病の診断が実施可能となる。
実施例2 食餌成分の調製物に対する血清抗体価の測定
上記の結果より得られた有用な食餌成分のうち、コーン、イースト、そば、セロリを選択し、98例のCD、50例のUC、52例のHCの血清について、各種食餌成分の調製物に対する血清抗体価の測定を行った。なお、本実施例では食餌成分の調製物として粉末材料を使用した。
血清抗体価測定用の抗原液として、コーン、イースト、そば、セロリの各種粉末(いずれもAllergon社製)をPBS(-)で懸濁し、遠心分離(5000rpm、5分間)することにより得られた上清を用いた。抗原液は、タンパク質濃度がそれぞれ1μg/mlとなるようcoating buffer(SIGMA社製、cat. No. 076K8206)により調製し、ELISAプレート(住友ベークライト社製、cat. No. MS-8896F)に50μl/wellで添加し、4℃で一晩反応させた。ウェル中の抗原液を除去した後、洗浄液(0.1% Tween20含有PBS(-)で20倍希釈したイムノブロック(DSファーマバイオメディカル社製、cat. No. KN001A))により1回洗浄し、蒸留水で5倍希釈したイムノブロックを室温で1時間反応させた。洗浄液で1回洗浄した後、洗浄液で10000倍希釈した血清を添加し、室温で2時間反応させた。反応後、洗浄液で3回洗浄を行い、洗浄液で500倍希釈したHRP標識マウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体(Invitrogen社製、cat. No. 05-4220)を加えて室温で1時間反応させた。その後、洗浄液で洗浄を3回行い、TMB(BD Biosciences社製、cat. No. 555214)を反応させ、2N 硫酸で反応を停止し、マイクロプレートリーダー(BIO-RAD Benchmark Plus)を用いて波長450nmの吸光度を測定した。
同プレートに、coating bufferで1000倍希釈した抗ヒトIgG抗体(EXBIO社製、cat. No.11-31-9-C100)を50μl/well添加したウェルを準備し、reference serum(BETHYL社製、cat. No.RS10-101)を0.01〜10μg/mlで反応させ、波長450nmの吸光度を各濃度において測定して検量線を作成し、血清サンプルのIgG Titerを算出した。
各種食餌成分に対する健康人のIgG Titerの「平均値+2SD」を算出し、それ以上の場合を陽性と評価した。各種食餌成分における陽性率(陽性検体数/全検体数×100)を、CD、UC、HCごとに算出した。
結果
各種食餌成分に対する陽性率を表4に示す。食餌成分の調製物を用いて測定した抗体陽性率は、使用した食餌原料が異なるにも関わらず、CD、UC、HCのいずれもGenova Diagnosticsにて測定した陽性率(表1)と比べてほぼ同等であった。
さらに、上記4品目の食餌成分の2〜4品目を組み合わせたときの、CD陽性率、UC及びHCの特異度、UCに対するCDの診断効率を、表5−1〜5−3に示す。食餌成分の調製物を用いて測定した場合、2〜4品目を組み合わせた陽性率はいずれも約70%、特異度も90%以上であり、約65〜74%の診断効率が得られた。本結果は、Genova Diagnosticsにて測定した結果(表3−1〜3−3)と比較すると陽性率はやや低いものの、特異度は同程度以上であった。これらの結果により、本測定方法を用いたクローン病の診断が可能であることが示唆された。
実施例3 抗原の同定
実施例1の結果より得られた有用な食餌の抗原について、具体的に抗原として使用可能なタンパク質の同定を行った。
その中の一つとして、米の粉末(Allergon社製)を2% SDS溶液に懸濁し、1レーン当り125μg相当の粉末の懸濁液をSDS-PAGEに供した。SDS-PAGEでタンパク質を分離した後、60mA定電流の条件で60分間、PVDF膜に転写した。PVDF膜をラピッドステインCBB(ナカライテスク社製)で染色してタンパク質を検出した後、HCの血清及び米に対する抗体価が陽性であったCDの血清をそれぞれ1000倍希釈したものを1次抗体とし、5000倍希釈したHRP標識抗ヒトIgG抗体(GEヘルスケア社製)を2次抗体として、ウェスタンブロッティングを行った。CDの血清により特異的に検出されたバンドについて、プロテイン・リサーチ・ネットワーク(http://protein-research.org/)にてPeptide Mass Finger printing(PMF)解析を行った。
結果
米タンパク質のCBB染色結果を図1に、ウェスタンブロッティングの結果を図2にそれぞれ示す。図2中のバンドAのタンパク質が、CD血清中の抗体と特異的に反応した。バンドAのタンパク質(約33kDa)をPMF解析した結果を表6に示す。PMF解析により得られたペプチドフラグメントの分子量パターンより、バンドAのタンパク質はGlutelin(Accession No. ABF96730.1)と推定された(表7)。
また、米粉末におけるGlutelin以外のタンパク質を上記と同様の方法で同定し、さらに米以外の食餌成分として、そば、コーン及びサトウキビの各種粉末(いずれもAllergon社製)を用いて、上記の米粉末と同様の処理により各種食餌成分に含まれる有用なタンパク質抗原を同定した。これらの結果を表8に示す。
実施例4 Glutelinを用いた血清抗体価の測定
米(ひとめぼれ)よりSpectrum(商標) Plant Total RNA kit(SIGMA Aldrich社製)でtotal RNAを抽出した。Glutelin type-A 3 precursor(Accession No. ABF96730.1)のmRNA配列(Accession No. NM_001056948)より設計した以下のプライマーを用い、全長Glutelin遺伝子を取得した。
Forward primer:GGATCCATGGCAACCATCAAATTCCCTATAG(配列番号:1)
Reverse primer:GCGGCCGCTTAGTGGTGATGATGGTGATGTGCACTC(配列番号:2)
取得したGlultelin遺伝子を発現ベクターpGEX-6P-1(GEヘルスケア社製)に導入し、Hisタグ、GST(Glutathione S-Transferase)融合Glutelin発現ベクター(pGEX-GSTOSG30His)を構築した。pGEX-GSTOSG30Hisを導入した大腸菌BL21-CodonPlus(DE3)-RIPL(Stratagene社製)を用い、GST-Glutelin-Hisタグ融合タンパク質を発現し、菌体よりNi-NTA Agarose(QIAGEN社製)で精製を行い、以下の抗Glutelin抗体価測定に供試した。
98例のCD及び52例のHCの血清についてELISAにより抗Glutelin抗体価の測定を行った。抗Glutelin抗体価は、Sutton CLらの方法(Gastroenterology 119:23-31, 2000)に従い、GST融合タンパク(Glutelin-GST)に対する反応として得られた値からGSTに対する反応の値を引き算することにより算出した。
抗原液として、Glutelin-GST及びGSTについて等モル数になるようcoating buffer(SIGMA社製、cat. No. 076K8206)を用いて100μg/ml及び32μg/mlに調製し、ELISAプレート(住友ベークライト社製、cat. No. MS-8896F)に50μl/wellで添加し、4℃で一晩反応させた。抗原液を除去した後、洗浄液(0.1% Tween20含有PBS(-)で20倍希釈したイムノブロック(DSファーマバイオメディカル社製、cat. No. KN001A))により1回洗浄し、0.1% Tween20含有PBS(-)で5倍希釈したイムノブロックを室温で1時間反応させた。洗浄液で1回洗浄した後、洗浄液で100倍希釈した血清をウェルに添加し、室温で2時間反応させた。次いで洗浄液で3回洗浄し、洗浄液で500倍希釈したHRP標識マウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体(Invitrogen社製、cat. No. 05-4220)を室温で1時間反応させた。反応後、洗浄液による洗浄を3回行い、TMB(BD Biosciences社製、cat. No. 555214)を反応させ、2N 硫酸で反応を停止し、マイクロプレートリーダー(BIO-RAD Benchmark Plus)を用いて波長450nmの吸光度を測定した。
同プレートに、coating bufferで1000倍希釈した抗ヒトIgG抗体(EXBIO社製、cat. No.11-31-9-C100)を50μl/well添加したウェルを準備し、reference serum(BETHYL社製、cat. No.RS10-101)を0.01〜10μg/mlで反応させ、波長450nmの吸光度を各濃度において測定して検量線を作成し、血清サンプルのIgG Titerを算出した。
結果
HCにおけるIgG Titerの「平均値+2SD」以上を陽性と評価した。HCのIgGの平均値は0.09であり、2SDの値は0.56であったため、0.64以上を陽性とした。このときのCDにおける陽性検体は、98例中29例であり、陽性率は30%であった。これに対して、健康人における陽性検体は52例中2例であり、陽性率は3.8%であった。
以上の結果は、表1中の米について示されたCDにおける陽性率30%及び健康人における陽性率0%と同等の陽性率であった。
このように食餌に対する抗体価測定方法として、食餌成分の粉末材料又は食餌中の単一抗原タンパク質を代用することにより、その食餌に対する抗体の陽性判定及びクローン病診断が可能となる。また、リコンビナントタンパク質産生を利用することにより抗原タンパク質を均一かつ安定に供給することができ、そのようにして供給された単一の抗原タンパク質を用いれば、診断キットの安定的な生産及び信頼性の向上を実現することが可能となる。
クローン病に特異的な抗食餌成分抗体の測定を組み合わせることによって、クローン病の診断効率及び特異性を格段に向上させることが可能となり、また高度の技術を要し患者への負担も大きい内視鏡などの侵襲的方法を経ないでも、クローン病の確定診断が可能となる範囲が格段に拡張される。
本出願は、日本で出願された特願2009-052692(出願日:2009年3月5日)を基礎としており、その内容は本明細書に全て包含されるものである。

Claims (15)

  1. 対象から採取した検体中の、イースト及びコーンに対する各抗体を測定することを特徴とする、該対象におけるクローン病の罹患可能性の検査法。
  2. 更に、対象から採取した検体中の、グレープフルーツ、アルファルファ、アボカド、キャベツ、しし唐、レタス、玉ねぎ、ジャガイモ、ほうれん草、トマト、オーツ麦、ピーカンナッツ、サトウキビ、セロリ、そば、米及び大豆からなる群より選択される1以上の食餌成分に対する各抗体を測定することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 少なくともイースト、コーン、並びにそば又はセロリに対する各抗体を測定することを特徴とする、請求項記載の方法。
  4. 食餌成分に含有されるポリペプチド抗原に対する各抗体を測定することを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  5. 対象から採取した検体中の、Glutelinに対する抗体を測定することを特徴とする、該対象におけるクローン病の罹患可能性の検査方法。
  6. イースト及びコーンの調製物を含有してなる、クローン病の診断用試薬。
  7. 更に、グレープフルーツ、アルファルファ、アボカド、キャベツ、しし唐、レタス、玉ねぎ、ジャガイモ、ほうれん草、トマト、オーツ麦、ピーカンナッツ、サトウキビ、セロリ、そば、米及び大豆からなる群より選択される1以上の調製物を含有する、請求項6に記載の試薬。
  8. 少なくともイースト、コーン、並びにそば又はセロリの調製物を含有する、請求項7に記載の試薬。
  9. 前記調製物が、単離又は精製されたポリペプチド抗原である、請求項に記載の試薬。
  10. Glutelin又は抗原性を有するその部分ペプチドを含有する、クローン病の診断用試薬。
  11. ースト及びコーンの調製物を含んでなる、クローン病の診断用キット。
  12. 更に、グレープフルーツ、アルファルファ、アボカド、キャベツ、しし唐、レタス、玉ねぎ、ジャガイモ、ほうれん草、トマト、オーツ麦、ピーカンナッツ、サトウキビ、セロリ、そば、米及び大豆からなる群より選択される1以上の調製物を含む、請求項11に記載のキット。
  13. 少なくともイースト、コーン、並びにそば又はセロリの調製物を含む、請求項12に記載のキット。
  14. 前記調製物が、単離又は精製されたポリペプチド抗原である、請求項13に記載のキット。
  15. Glutelin又は抗原性を有するその部分ペプチドを含んでなる、クローン病の診断用キット。
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