以下に、本発明の第一の実施形態を適用したナビゲーション装置について、図面を参照して説明する。
図1に、ナビゲーション装置100の全体構成図を示す。ナビゲーション装置100は、地図情報を表示して、ナビゲーション装置100の現在地を示す地点と、設定された目的地までの経路を誘導する情報とを示すことが可能ないわゆるナビゲーション装置である。なお、ナビゲーション装置100は、図示しない通信網を介して図示しない外部のサーバと通信を行うことが可能であり、当該外部のサーバ等から種々の情報、例えば地図の更新情報や充電施設のサービス内容、充電能力、充電単価等の詳細な情報を定期的あるいは使用者からの指示により受信することができる。
ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4(音声入力装置としてマイクロフォン41、音声出力装置としてスピーカ42を備える)と、入力装置5と、ROM装置6と、車速センサ7と、ジャイロセンサ8と、GPS(Global Positioning System)受信装置9と、FM多重放送受信装置10と、ビーコン受信装置11と、通信装置12と、を備えている。
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば各種センサ7,8やGPS受信装置9、FM多重放送受信装置10等から出力される情報に基づいて現在地を検出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置3あるいはROM装置6から読み出す。
また、演算処理部1は、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ出力する。また、記憶装置3あるいはROM装置6に記憶されている地図データ等を用いて、使用者から指示された出発地又は現在地と、目的地(または、経由地や立ち寄り地)と、を結ぶ最適な経路(推奨経路という)を探索する。また、スピーカ42やディスプレイ2を用いて使用者を誘導するための誘導情報を生成し、生成した誘導情報をスピーカ42やディスプレイ2に出力する。
また、演算処理部1は、後述するように、充電施設ごとにおすすめ度を表示する充電施設検索処理および周辺充電施設検索処理を行うことができる。
ナビゲーション装置100の演算処理部1は、各デバイス間をバス25で接続した構成である。演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、記憶装置3から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、各種ハードウェアを演算処理部1と接続するためのI/F(インターフェイス)24と、を有する。
ディスプレイ2は、文字や画像の表示を行うための画面を備え、演算処理部1等で生成されたグラフィックス情報を前記画面上に表示するユニットである。ディスプレイ2は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどで構成される。
記憶装置3は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記憶媒体で構成される。
この記憶媒体には、通常の経路探索装置に必要な地図データ(地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを含む)であるリンクテーブル200と、施設ごとに、施設の充電サービスに関する情報が格納される施設テーブル300と、各種の基準に応じて、施設のおすすめ度を判定するためのおすすめ度判定テーブル400と、施設の充電設備を評価する基準となる情報が格納される設備基準テーブル500と、使用者が予め指定した優先すべき基準を格納する優先テーブル600と、が記憶されている。
図2は、リンクテーブル200の構成を示す図である。リンクテーブル200は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)201ごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータ202を含んでいる。
リンクデータ202は、リンクの識別子であるリンクID211ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報222、リンクを含む道路の種別を示す道路種別223、リンクの長さを示すリンク長224、予め記憶されたリンク旅行時間225、当該リンクの開始ノードに接続するリンクである開始接続リンクと、当該リンクの終了ノードに接続するリンクである終了接続リンクと、を特定する開始接続リンク、終了接続リンク226、リンクを含む道路の制限速度を示す制限速度227、などを含んでいる。
なお、ここでは、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、同じ道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理するようにしている。
図3は、施設テーブル300の構成を示す図である。施設テーブル300は、外部に存在するサーバ等から無線通信網等を介して受信した、施設ごとの充電サービスに関する情報を格納する。なお、施設テーブル300は、あらかじめ、施設ごとの充電サービスに関する情報が格納されており、上記受信した情報によって定期的にあるいは使用者からの指示に応じて更新される。
施設ID301には、所定の施設を特定する識別子である施設IDが格納される。例えば、ショッピングモールや、ガソリンスタンド、駐車場、その他の施設を識別することのできる識別子が格納される。施設ID301により特定される施設の情報に含まれる施設名311には、施設ID301に格納された情報に対応付けられた施設の名称または通称を特定する情報が格納される。例えば、施設ID301に対応付けられた施設の名称として、「○○ショッピングセンター」が格納される。
同様に、施設ID301により特定される施設の情報に含まれる施設種類312には、施設ID301に格納された情報に対応付けられた施設の種類を特定する情報が格納される。例えば、施設ID301に対応付けられた施設の種類を特定する情報として、「ショッピングセンター」等の情報が格納される。
また、施設ID301により特定される施設の情報に含まれる位置情報313には、施設ID301に格納された情報に対応付けられた施設の位置を特定する情報が格納される。例えば、施設ID301に対応付けられた施設の位置を特定する情報として、当該施設の緯度経度等の情報が格納される。なお、当該施設の緯度経度とは、あらかじめ施設を代表する位置として定められた緯度経度の情報である。また、当該施設の緯度経度とは、施設の中心位置や、施設の入口の位置等を特定する情報である。
施設ID301により特定される施設の情報に含まれる充電設備有無314には、施設ID301に格納された情報に対応付けられた施設が充電設備を備えるか否かを特定する情報が格納される。例えば、施設ID301に対応付けられた施設の充電設備の有無を特定する情報として、「有」、「無」等の情報が格納される。
施設ID301により特定される施設の情報に含まれる充電能力315には、施設ID301に格納された情報に対応付けられた施設の充電能力を特定する情報が格納される。例えば、施設ID301に対応付けられた施設の充電能力を特定する情報として、当該ショッピングセンターに備えられた充電設備の充電能力等の情報が格納される。なお、本実施例においては、充電能力は、kW(キロワット)単位で示すものとし、当該単位で表される値が大きいほど、より急速に充電を行うことができるといえる。
施設ID301により特定される施設の情報に含まれる充電単価316には、施設ID301に格納された情報に対応付けられた施設の充単価を特定する情報が格納される。例えば、施設ID301に対応付けられた施設の充電単価を特定する情報として、当該ショッピングセンターに備えられた充電設備の充電単価の情報が格納される。なお、本実施例においては、充電単価は、円/Ah(Ahあたりの価格)で示すものとし、当該単位で表される値が大きいほど、充電単価が高いといえる。
図4は、おすすめ度判定テーブル400の構成を示す図である。おすすめ度判定テーブル400は、施設ごとの充電サービスのおすすめ度を判定するための情報を格納する。おすすめ度判定テーブル400は、充電施設への到着時の充電残量と、充電施設の充電能力と、充電単価と、の組み合わせに、おすすめ度が対応付けられた判定用情報が格納される。おすすめ度判定テーブル400には、あらかじめ当該判定用情報が格納されている。
充電施設到着時の充電残量401には、充電残量の割合が、所定の区分に従って格納されている。本実施例においては、充電施設到着時の充電残量401は、0%未満、0%以上30%未満、30%以上60%未満、60%以上、に区分されている。なお、ここで、本実施形態における充電残量とは、所定の電圧(バッテリー管理モジュールごとに異なる)を維持してバッテリーすなわち充電池から電気を取り出すことができる電気量によって走行可能な距離に対する、走行した距離を減算した残りの走行可能距離の割合をいうものとする。ただし、これに限られるものではなく、例えば、所定の電圧を維持してバッテリーから取り出すことのできる電気量に対する、消費した電気量を減算した残りの電気量の割合をいうものであってもよい。
充電設備の充電能力402には、充電設備の充電能力が、所定の区分に従って格納されている。本実施例においては、充電設備の充電能力402は、急速充電、一般充電、低速充電、に区分されている。なお、ここで、本実施形態における充電能力とは、バッテリーを充電するのにかかる速さをいうものとする。すなわち、急速充電であれば、一般充電よりも急速に充電することができるため、充電能力は高いといえる。逆に、低速充電であれば、一般充電よりも充電時間は遅いため、充電能力は低いといえる。なお、本実施形態においては、基準となる一般充電とは、後述する設備基準テーブル500に規定された充電能力に相当するものをいう。
充電設備の充電単価403には、充電設備の充電単価が、所定の区分に従って格納されている。本実施形態においては、充電設備の充電単価403は、無料、平均単価未満、平均単価以上、に区分されている。なお、ここで、本実施形態における充電単価とは、バッテリーを充電する電気量の単位あたりの価格をいうものとする。すなわち、無料であれば、充電料金はかからず、有料すなわち平均単価未満あるいは平均単価以上のいずれかである場合には、充電量に単価を乗じた金額の支払が発生する。なお、平均単価として、後述する設備基準テーブル500に規定された地域ごとの平均単価を用いるものとする。
おすすめ度404には、充電施設への到着時の充電残量と、充電施設の充電能力と、充電施設の充電単価と、の組合せに応じて対応付けられたおすすめ度が格納されている。本実施形態においては、おすすめ度は、0〜3の4段階で表現され、数値が大きいほどおすすめの施設であることを表す。基本的には、充電施設の能力が高いほどおすすめ度は高くなり、充電単価が低いほどおすすめ度は高くなる。また、施設への到着時の充電残量が少なくなると推定される場合ほど、充電能力が高い施設のおすすめ度は高くなる。
図5は、設備基準テーブル500の構成を示す図である。設備基準テーブル500には、施設の充電能力を評価する基準となる情報である標準充電能力501と、充電単価を評価する基準となる地域ごとの充電単価平均502の情報と、が格納されている。より具体的には、設備基準テーブル500には、充電能力を急速充電、一般充電、低速充電、のいずれであるかを判定する際に基準となる情報である一般充電の充電能力が、標準充電能力501として格納されている。また、設備基準テーブル500には、充電単価を無料、平均単価未満、平均単価以上、のいずれであるかを判定する際に基準となる情報である、地域ごとの一般充電の単価の地域内平均が、地域ごとに充電単価平均502として格納されている。
図6は、優先テーブル600の構成を示す図である。優先テーブル600には、おすすめ度を修正する際に優先する条件が格納される。より具体的には、優先テーブル600は、おすすめ度を修正する際に優先する基準601の情報を備える。本実施例においては、基準601には、料金優先、時間優先(または能力優先)等の条件が格納される。例えば、基準601の情報が「料金優先」である場合には、充電料金が平均あるいは平均よりも高い施設のおすすめ度は、平均よりも低い施設よりも低く取り扱われることを示す。また、基準601の情報が「時間優先(または能力優先)」である場合には、充電能力が高い施設のおすすめ度は、充電能力が低い施設よりも高く取り扱われることを示す。
図1に戻って説明する。音声入出力装置4は、音声入力装置としてマイクロフォン41と、音声出力装置としてスピーカ42と、を備える。マイクロフォン41は、使用者やその他の搭乗者が発した声などのナビゲーション装置100の外部の音声を取得する。
スピーカ42は、演算処理部1で生成された使用者へのメッセージ等の音声情報を音声として出力する。マイクロフォン41とスピーカ42は、車両の所定の部位に、別個に配されている。ただし、一体の筐体に収納されていても良い。ナビゲーション装置100は、マイクロフォン41及びスピーカ42を、それぞれ複数備えることができる。
入力装置5は、使用者からの指示を使用者による操作を介して受け付ける装置である。入力装置5は、タッチパネル51と、ダイヤルスイッチ52と、その他のハードスイッチ(図示しない)であるスクロールキー、縮尺変更キーなどで構成される。
タッチパネル51は、ディスプレイ2の表示面側に搭載され、表示画面を透視可能である。タッチパネル51は、ディスプレイ2に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して出力する。タッチパネル51は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。
ダイヤルスイッチ52は、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、演算処理部1に出力する。演算処理部1では、パルス信号の数から、回転角度を求める。
ROM装置6は、CD-ROMやDVD-ROM等のROM(Read Only Memory)や、IC(Integrated Circuit)カードといった、少なくとも読み取りが可能な記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、例えば、動画データや、音声データなどが記憶されている。
車速センサ7,ジャイロセンサ8およびGPS受信装置9は、ナビゲーション装置100で現在地(自車位置)を検出するために使用されるものである。車速センサ7は、車速を算出するのに用いる値を出力するセンサである。ジャイロセンサ8は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体の回転による角速度を検出するものである。GPS受信装置9は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率とを3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在地、進行速度および進行方位を測定するものである。
FM多重放送受信装置10は、FM放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などやFM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
ビーコン受信装置11は、VICS情報などの概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報や緊急警報などを受信する。例えば、光により通信する光ビーコン、電波により通信する電波ビーコン等の受信装置である。
通信装置12は、図示しない無線通信網に接続する。このような通信装置12は、例えば携帯電話網に接続して外部の情報配信センター等のセンターのサーバとデータ通信を行う装置であり、例えば使用者の携帯電話機を取り付けられて通信が可能となるものを含む。
図7は、演算処理部1の機能ブロック図である。図示するように、演算処理部1は、主制御部101と、入力受付部102と、出力処理部103と、バッテリー管理部104と、おすすめ度算出部105と、充電施設検索部106と、経路探索部107と、経路誘導部108と、を有する。
主制御部101は、様々な処理を行う中心的な機能部であり、処理内容に応じて、他の処理部を制御する。また、各種センサ7、8、GPS受信装置9等の情報を取得し、マップマッチング処理等を行って現在地を特定する。また、随時、走行した日付および時刻と、位置と、を対応付けて、リンクごとに走行履歴を記憶装置3に記憶する。さらに、各処理部からの要求に応じて、GPS受信装置9によって受信したGPS情報に含まれる現在時刻を出力する。また、主制御部101は、他の処理部から推奨経路の情報を要求されると、当該情報を出力する。
入力受付部102は、入力装置5またはマイクロフォン41を介して入力された使用者からの指示を受け付け、その要求内容に対応する処理が実行されるように、受け付けた要求内容を主制御部101に出力する。例えば、使用者が推奨経路の探索を要求したときは、受け付けた推奨経路の探索要求を主制御部101へ出力する。
また、所定の機能メニュー画面がディスプレイ2に表示されている状態で、メニュー内の様々な操作について、タッチパネル51を介して入力を受け付ける。
出力処理部103は、例えばグラフィックス情報等の表示させる画面情報を受け取り、ディスプレイ2に描画するためのグラフィックス情報に変換して、ディスプレイ2に対して描画する指示を行う。また、処理内容に応じて、スピーカ42から出力する指示を行う。
バッテリー管理部104は、バッテリーに関する情報を管理する。具体的には、バッテリー管理部104は、バッテリーの残量を監視し、他の処理部から残量情報の要求を受け付けると、残量を示す情報を当該要求元に出力する。なお、本実施例においては、バッテリー管理部104は、バッテリーの残量の情報を、バッテリーに付属するバッテリー管理モジュール(図示せず)から百分率で取得し、残量の情報として管理する。また、バッテリー管理部104は、所定の電圧を維持してバッテリーから電力を取り出せる電力量によって走行できる距離(以降、「満充電走行可能距離」という)および所定の距離あたりの平均的な電力の消費量(以降、「平均電力消費量」という)を予め設定値として保持している。そして、バッテリー管理部104は、他の処理部から満充電走行可能距離または平均電力消費量の情報の開示要求を受け付けると、これらの情報を当該要求元に出力する。
おすすめ度算出部105は、他の処理部からの指示を受けて、さまざまな形態の充電施設のおすすめ度を、おすすめ度算出処理により算出し、出力する。おすすめ度算出処理の詳細は後述するが、以下にその概要を説明する。おすすめ度算出部105は、おすすめ度を算出する対象の施設ごとに、当該施設へ到着する時点でのバッテリーの残量と、施設の充電能力と、充電単価と、をおすすめ度判定テーブル400に当てはめて、おすすめ度を算出する。なお、その際、おすすめ度算出部105は、優先テーブル600の優先する基準601に応じて、おすすめ度を修正する処理を行う。そして、おすすめ度算出部105は、算出したおすすめ度を指示元へ出力する。
充電施設検索部106は、他の処理部からの指示を受けて、後述する充電施設検索処理および周辺充電施設検索処理を実施する。両処理の詳細は後述するとおりである。なお、充電施設検索処理および周辺充電施設検索処理では、充電施設検索部106は、充電施設とそのおすすめ度とを対応付けて表示する。また、充電施設検索部106は、表示した充電施設のうち一つの充電施設を目的地または経由地として設定するよう主制御部101へ依頼する。また、充電施設検索部106は、外部のサーバから送信された充電施設の情報を受信すると、受信した情報に基づいて、施設テーブル300を更新する。
経路探索部107は、使用者から指示された出発地又は現在地と、目的地と、を結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。当該経路探索においては、ダイクストラ法等の経路探索ロジックを用いて、道路の所定の区間(リンク)に対して予め設定されたリンクコストに基づいて経路を探索する。なお、経路探索部107は、経路探索の際に、現在の日時に基づいて予測した到着日時・日の種類に対応する統計情報に含まれるリンクコストを用いて探索するようにしてもよい。
経路誘導部108は、車両の現在地が推奨経路から逸脱しないよう、誘導情報を生成し、出力処理部103へ出力する。
上記した演算処理部1の各機能部、すなわち主制御部101、入力受付部102、出力処理部103、バッテリー管理部104、おすすめ度算出部105、充電施設検索部106、経路探索部107、経路誘導部108は、CPU21が所定のプログラムを読み込み実行することにより構築される。そのため、RAM22には、各機能部の処理を実現するためのプログラムが記憶されている。
なお、上記した各構成要素は、ナビゲーション装置100の構成を、理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。そのため、構成要素の分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。ナビゲーション装置100の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
また、各機能部は、ハードウェア(ASIC、GPUなど)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
[動作の説明]次に、ナビゲーション装置100が実施する充電施設検索処理の動作について説明する。図8は、ナビゲーション装置100が実施する充電施設検索処理を示すフロー図である。このフローは、ナビゲーション装置100が稼働している状態において、所定の機能メニュー表示画面が操作されると開始される。
まず、入力受付部102は、タッチパネル51等を介して検知した入力情報を受け付けて、メニュー上の目的地のカテゴリとして存在する「充電施設」の選択を受け付け、主制御部101へ選択された内容を出力する(ステップS001)。そして、主制御部101は、入力受付部102、出力処理部103、バッテリー管理部104、おすすめ度算出部105、充電施設検索部106、経路探索部107、経路誘導部108に順次指示を出して、以下の処理を実行させる。
まず、主制御部101は、選択を受け付けたカテゴリ「充電施設」に含まれる施設を、施設テーブル300から抽出する(ステップS002)。そして、主制御部101は、おすすめ度算出部105に対して、抽出した施設のおすすめ度を算出するよう指示する。
そして、おすすめ度算出部105は、各施設のおすすめ度を算出する(ステップS003)。おすすめ度を算出後、おすすめ度算出部105は、算出したおすすめ度を主制御部101に出力する。当該処理においては、おすすめ度算出部105は、処理時点でのバッテリー残量を、充電施設到着時の充電残量とみなして、おすすめ度を算出する。具体的には、おすすめ度算出部105は、バッテリー管理部104にバッテリーの残量の情報を要求する。バッテリー管理部104は、バッテリー管理モジュールからバッテリーの残量情報を取得し、おすすめ度算出部105に出力する。そして、おすすめ度算出部105は、後述するおすすめ度算出処理を実施することで、おすすめ度を算出する。
そして、主制御部101から処理の指示を受けた充電施設検索部106は、ステップS002にて抽出した各充電施設について、おすすめ度を対応付けてリスト表示する画面の表示情報を構成すると、当該表示情報を出力処理部103に出力する(ステップS004)。出力処理部103は、受け取った表示情報をディスプレイ2に表示させる。
図10(a)は、ステップS004にてディスプレイ2に表示される画面700の例を示す図である。画面700は、充電施設のリスト表示領域701と、充電施設を絞り込む指示を受け付けるための絞込みボタン702と、を備える。リスト表示領域701には、複数の充電施設が一覧表示される。リスト表示領域701には、各充電施設について、充電が有料か無料かを示す料金種別アイコン703と、充電能力が急速か、一般か、低速か、のいずれかを示す能力表示領域704と、施設名称705と、施設までの直線距離706と、おすすめ度を数値又はグラフにて示すおすすめ度表示領域707と、が含まれる。ここで、充電施設検索部106は、料金種別アイコン703として、施設テーブル300の充電単価316を参照して、「有料」または「無料」のいずれのアイコンを表示させるか選択する。また、充電施設検索部106は、能力表示領域704には、施設テーブル300の充電能力315が設備基準テーブル500の標準充電能力501で示される基準を上回るか、下回るか、基準内にあるか、を判定し、それぞれ「急速」、「低速」、「一般」のいずれかの表示を選択する。また、充電施設検索部106は、施設名称705として、施設テーブル300の施設名311を表示するよう画面情報を構成する。また、充電施設検索部106は、施設までの直線距離706には、主制御部101から現在値を取得して、現在地から当該施設の位置情報313で特定される位置までの直線距離を算出し、算出した距離を表示するよう画面情報を構成する。また、充電施設検索部106は、おすすめ度表示領域707には、ステップS003で算出したおすすめ度を、星の数で表示する等直観的に分かり易いようグラフ化して表示するよう画面情報を構成する。
図8のフローチャートの説明に戻る。入力受付部102は、画面700において、使用者からの絞込みボタン702への指定入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS005)。受け付けた場合には(ステップS005にて「Yes」)、さらに、入力受付部102は、絞り込むおすすめ度の指定を受け付ける(ステップS006)。主制御部101は、指定を受け付けたおすすめ度の条件で、充電施設の絞り込みを実施する。そして、充電施設検索部106は、絞り込んだ施設リストを画面に表示する(ステップS007)。
図10(b)は、ステップS007にてディスプレイ2に表示される画面710の例を示す図である。画面710は、充電施設のリスト表示領域701と、絞り込みを行った条件を表示する条件表示領域711と、を備える。リスト表示領域701については、図10(a)と同様の表示の構成を備える。充電施設検索部106は、条件表示領域711には、ステップS006で受け付けたおすすめ度の指定条件が表示されるよう、画面情報を構成する。
図8のフローチャートの説明に戻る。ステップS005にて絞込みボタン702への指定入力を受け付けなかった場合(ステップS005にて「No」)、充電施設検索部106は、ステップS008へ処理を進める。
入力受付部102は、画面700または画面710において、リスト表示領域701に表示された施設への選択入力を受け付ける(ステップS008)。そして、充電施設検索部106は、選択された施設を経路探索の目的地として経路探索を行うよう、主制御部101に要求を出力する(ステップS009)。主制御部101は、要求を受け付けると、経路探索部107に経路探索を行わせ、得られた経路を推奨経路に設定する(ステップS010)。
以上が、充電施設検索処理の処理内容である。このようにすることで、経路誘導部108は、推奨経路に従って経路の誘導情報を生成し、出力することができる。そのため、ナビゲーション装置100は、様々な態様の充電施設のおすすめ度を表示することができ、当該充電施設への経路誘導を行うことができるといえる。
次に、図9を用いて、おすすめ度算出処理について説明する。図9は、ナビゲーション装置100が実施するおすすめ度算出処理を示すフロー図である。このフローは、ナビゲーション装置100が稼働している状態において、充電施設検索処理のステップS003において開始される。
まず、おすすめ度算出部105は、おすすめ度を算出する対象となる一つまたは複数の対象施設の指定を主制御部101から受け付ける(ステップS101)。
そして、おすすめ度算出部105は、受け付けた各対象施設について、施設の充電能力を参照して能力ランクを特定する(ステップS102)。具体的には、おすすめ度算出部105は、設備基準テーブル500の標準充電能力501の範囲に施設の充電能力315が含まれるか否か、含まれない場合には当該範囲を下回るのか上回るのか、を特定する。そして、おすすめ度算出部105は、当該施設の充電能力が、当該範囲に含まれる場合には、施設の能力ランクを「一般」として特定し、上回る場合には、「急速」として特定し、下回る場合には、「低速」として特定する。
そして、おすすめ度算出部105は、受け付けた各対象施設について、施設の充電単価を参照して料金ランクを特定する(ステップS103)。具体的には、おすすめ度算出部105は、各施設について、施設テーブル300の充電単価316を参照し、無料であるか否かを判定し、無料であれば、料金ランクを「無料」として特定する。無料でない場合には、おすすめ度算出部105は、設備基準テーブル500の充電単価平均502のうち、当該施設の位置が含まれる地域の平均充電単価を特定する。そして、おすすめ度算出部105は、各施設について、施設テーブル300の充電単価316を参照し、特定した平均充電単価未満であるか否かを判定し、平均充電単価未満であれば、料金ランクを「平均単価未満」として特定する。おすすめ度算出部105は、平均充電単価以上であれば、料金ランクを「平均単価以上」として特定する。
そして、おすすめ度算出部105は、おすすめ度判定テーブル400を参照して、各充電施設について、充電残量、能力ランク、料金ランクに合致するおすすめ度を特定する(ステップS104)。具体的には、各充電施設について、おすすめ度算出部105は、充電施設検索処理のステップS003にてバッテリー管理部104から取得したバッテリー残量と、推奨度算出処理のステップS102にて特定した能力ランクと、推奨度算出処理のステップS103にて特定した料金ランクと、の組合せに該当するおすすめ度404を、おすすめ度判定テーブル400から特定する。
そして、おすすめ度算出部105は、優先する充電施設が、急速充電優先であるか否かを判定する(ステップS105)。具体的には、おすすめ度算出部105は、優先テーブル600の優先する基準601が、「時間優先」となっているか否かを判定する。
急速充電優先である場合(ステップS105において「Yes」)、おすすめ度算出部105は、能力ランクが基準を超えない施設、すなわち能力ランクが「一般」および「低速」である施設のおすすめ度を、所定量(例えば、「1」)減らして、最終的なおすすめ度とする(ステップS106)。そして、おすすめ度算出部105は、推奨度算出処理を終了させる。
急速充電優先でない場合(ステップS105において「No」)、おすすめ度算出部105は、料金ランクが基準を下回らない施設、すなわち料金ランクが「平均単価以上」である施設のおすすめ度を、所定量(例えば、「1」)減らして、最終的なおすすめ度とする(ステップS106)。そして、おすすめ度算出部105は、推奨度算出処理を終了させる。
以上が、おすすめ度算出処理の処理内容である。このようにすることで、おすすめ度算出部105は、様々な態様の充電施設について、おすすめ度を特定することができる。
次に、ナビゲーション装置100が実施する周辺充電施設検索処理の動作について説明する。図11は、ナビゲーション装置100が実施する周辺充電施設検索処理を示すフロー図である。このフローは、ナビゲーション装置100が稼働している状態において、現在地周辺の周辺充電施設検索メニュー画面が操作されると開始される。
まず、入力受付部102は、タッチパネル51等を介して検知した入力情報を受け付けて、メニュー上の周辺充電施設検索の選択を受け付け、主制御部101へ選択された内容を出力する(ステップS201)。そして、主制御部101は、入力受付部102、出力処理部103、バッテリー管理部104、おすすめ度算出部105、充電施設検索部106、経路探索部107、経路誘導部108に順次指示を出して、以下の処理を実行させる。
まず、充電施設検索部106は、主制御部101に対して現在地の情報を要求し、現在値を特定する情報を取得する(ステップS202)。
次に、充電施設検索部106は、現在地周辺の(例えば、現在地から所定距離以内の)充電施設を、施設テーブル300から抽出する(ステップS203)。
そして、主制御部101は、おすすめ度算出部105に対して、抽出した施設のおすすめ度を算出させる(ステップS204)。当該処理においては、充電施設検索部106は、各充電施設への到着時の充電残量を推定して算出し、算出した到着時の充電残量を用いて、おすすめ度算出部105に各施設のおすすめ度を算出させる。
なお、本実施形態においては、充電施設検索部106は、ステップS204の処理において、各施設への到着時の充電残量を、下式(1)を用いて推定する。
到着時の充電残量=現在の充電残量−現在地から施設までの距離×距離あたりの平均消費電力量・・・式(1)
上式(1)においては、充電残量は、処理時点の充電残量にあたる。すなわち、充電施設検索部106は、バッテリー管理部104に充電残量を問い合わせ、その応答情報を取得することで充電残量を特定する。また、現在地から施設までの距離は、現在地から当該充電施設までの直線距離である。すなわち、充電施設検索部106は、主制御部101から現在地を取得して、現在地から当該施設の位置情報313で特定される位置までの直線距離を算出する。また、距離あたりの平均消費電力量は、所定の規格や計測方法に則る、予め定められた値である。
そして、充電施設検索部106は、ステップS203にて抽出した各充電施設について、おすすめ度を対応付けてリスト表示する画面の表示情報を構成すると、当該表示情報を出力処理部103に出力する(ステップS205)。出力処理部103は、受け取った表示情報をディスプレイ2に表示させる。
図12は、ステップS205にてディスプレイ2に表示される画面800の例を示す図である。画面800は、充電施設のリスト表示領域801と、充電施設を絞り込む指示を受け付けるための絞込みボタン802と、現在地と、充電施設と、充電残量と、が地図表示される地図表示領域810と、を備える。リスト表示領域801には、複数の充電施設が一覧表示される。リスト表示領域801には、各充電施設について、施設名称803と、施設までの直線距離804と、が含まれる。ここで、充電施設検索部106は、施設名称803として、施設テーブル300の施設名311を表示するよう画面情報を構成する。また、充電施設検索部106は、施設までの直線距離804には、主制御部101から現在地を取得して、現在地から当該施設の位置情報313で特定される位置までの直線距離を算出し、算出した距離を表示するよう画面情報を構成する。また、充電施設検索部106は、絞り込みボタン802には、ステップS204で算出したおすすめ度を、星の数で表示する等直観的に分かり易いようグラフ化して表示するよう画面情報を構成する。
ここで、地図表示領域810には、現在地の位置を示すカーマーク811と、抽出された充電施設の位置を示す充電設備マーク812および813と、充電残量を示すインジケータ814と、が表示される。充電設備マーク812および813には、それぞれ、当該充電施設についてのおすすめ度が付帯されて表示される。充電施設検索部106は、ステップS204で算出したおすすめ度を、星の数で表示する等直観的に分かり易いようグラフ化し、当該充電施設に付帯させて表示情報を構成する。また、充電施設検索部106は、処理時点での充電残量を、インジケータ814に反映させて表示情報を構成する。すなわち、充電施設検索部106は、ステップS204において主制御部101から取得した充電残量を用いて、当該充電残量に近似するようにインジケータ画像を構成する。
図11のフローチャートの説明に戻る。入力受付部102は、画面800において、使用者からの絞込みボタン802への指定入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS206)。受け付けた場合には(ステップS206にて「Yes」)、さらに、入力受付部102は、絞り込むおすすめ度の指定を受け付ける(ステップS207)。主制御部101は、指定を受け付けたおすすめ度の条件で、充電施設の絞り込みを実施する。そして、充電施設検索部106は、絞り込んだ施設リストを画面に表示する(ステップS208)。
ステップS206にて絞込みボタン802への指定入力を受け付けなかった場合(ステップS206にて「No」)、充電施設検索部106は、ステップS209へ処理を進める。
入力受付部102は、画面800において、リスト表示領域801に表示された施設への選択入力を受け付ける(ステップS209)。そして、充電施設検索部106は、選択された施設を経路探索の目的地として経路探索を行うよう、主制御部101に要求を出力する(ステップS210)。主制御部101は、要求を受け付けると、経路探索部107に経路探索を行わせ、得られた経路を推奨経路に設定する(ステップS211)。
以上が、周辺充電施設検索処理の処理内容である。このようにすることで、経路誘導部108は、推奨経路に従って経路の誘導情報を生成し、出力することができる。そのため、ナビゲーション装置100は、現在地周辺の施設を検索し、様々な態様の充電施設のおすすめ度を表示することができ、当該充電施設への経路誘導を行うことができるといえる。
以上、本発明の第一の実施形態について説明した。本発明の第一の実施形態によると、ナビゲーション装置100は、様々な態様となることが予想される充電施設について、使用者の状況に応じておすすめ度を示すことが可能となる。このことは、例えば、使用者が地理に詳しくない地域において、充電施設を適切に選択することの一助となり、不意にバッテリーが電力不足になってしまうトラブルを未然に回避することにつながる。
本発明は、上記第一の実施形態に制限されない。上記第一の実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。例えば、自車の保管場所(車庫)のある地点(通常、自宅が該当する)まで充電残量が走行可能に維持されると見込まれる場合には、自宅よりも自宅以外の充電施設のおすすめ度が低くするようにおすすめ度を算出することとしてもよい。
また例えば、自宅の充電施設の能力および充電料金等を施設テーブル300に追加登録可能としてもよい。これらのようにすることで、ナビゲーション装置100は、自宅での充電を考慮したおすすめ度の提示が可能となる。
以上、本発明について、実施形態を中心に説明した。なお、上記の実施形態では、本発明を車載ナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明はナビゲーション装置に限らず、電力を消費することで動力を得る移動体の経路案内を行う装置全般に適用することができる。