JP5654381B2 - 紙の製造方法 - Google Patents
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Description
以上のような状況に鑑み、本発明の課題は、原料である紙料を工夫することによって、サイズプレスを行う場合であっても、乾燥負荷の増大を抑制しながら抄紙する技術を開発することである。
本発明においては、紙料に添加する填料としてタルクとロゼッタ型炭酸カルシウムを併用する。本発明において、タルクとロゼッタ型炭酸カルシウムを併用すると紙の乾燥負荷が低減する理由の詳細は明らかでなく、本発明は以下の推測に拘束されるものではないが、単にパルプのフリーネスを上げるだけの従来技術では脱水性は向上するもののサイズプレスでの吸液量が大きくなりドライヤー負荷が大きくなるのに対し、本発明のように特定の填料を組み合わせて使用することによって、紙料の脱水性を向上させつつ、さらに、サイズプレスでの吸液量が大きくなりすぎることが抑制され、結果として、ドライヤーパートでの乾燥負荷が低減されるものと推測される。
本発明においては、上記のように調成された紙料が適宜希釈され、必要に応じてスクリーンやクリーナーで紙料から異物を除去した後に、抄紙機のヘッドボックスから抄紙ワイヤー上に噴射される。本発明は種々の抄紙機や抄紙法に適用することができ、中性抄紙でも酸性抄紙でもよいが、ロゼッタ型炭酸カルシウムを使用するため中性抄紙であることが好ましい。具体的には、本発明においては、抄紙時の紙料pHが5.0〜9.0であることが好ましく、6.0〜8.0であることがより好ましい。
本発明においては、ポンド式サイズプレスによって紙に表面処理液を塗工する。ポンド式サイズプレスとは、表面処理液のポンド(液だめ)にウェブを通過させることによって表面処理液を紙表面に塗工するタイプのサイズプレスであり、例えば、プレドライヤーとアフタードライヤーの間に設置される。一般に、サイズプレスには、本発明で用いるポンド式サイズプレスの他に、ゲートロール型やロッドメタリング型のサイズプレスが知られているが、これらのサイズプレスは、ポンドに直接紙を通過させることはせず、ロールやロッドなどを媒体として紙の表面近傍にのみ表面処理液を塗工することができるので、アフタードライヤーでの乾燥負荷は比較的小さい。しかし、ポンド式サイズプレスでは、ポンド中の表面処理液と紙が直接接触するため、サイズプレスでの吸液量が増えてしまい、ドライヤーパート、特にアフタードライヤーにかかる乾燥負荷が増大してしまう。本発明によれば、このようなポンド式サイズプレスを使用して紙を製造する場合であってもドライヤーパートの乾燥負荷を軽減することができる。
本発明においては、上記のように表面処理液を塗工した紙を多筒式シリンダードライヤーによって乾燥する。多筒式シリンダードライヤーとは、円筒状のシリンダードライヤーが複数並んで構成され、複数のシリンダードライヤーに紙が接触しながら通過する間に紙の乾燥が行われる。一般に、紙の乾燥には、本発明の多筒式シリンダードライヤーの他に、1本の大径ドライヤー(ヤンキーともいう)に湿紙を押し付けながら乾燥するヤンキードライヤー、ティシューなどの衛生用紙の乾燥に用いられるエアスルードライヤー、赤外線ドライヤーなどが知られているが、多筒式シリンダードライヤーはその処理速度が比較的速いため、大量生産を行う場合に好適である。
このように製造された紙は、必要に応じてカレンダーで表面処理されたり、ワインダーで巻取りに加工してもよい。これらの処理は特に制限されず、公知の方法で処理することができる。カレンダー装置としては、例えば、金属ロールから成る通常のカレンダーやソフトニップカレンダー、高温ソフトニップカレンダーなどの公用の装置を適宜選定し、品質目標値に応じて、これらの装置の制御可能な範囲内で条件を設定すればよい。
本発明の製造方法で得られた紙は、例えば、上質または中質印刷用紙、新聞用紙、アート紙やキャストコート紙等のコート原紙、情報記録用紙等の各種用途に用いることができる。印刷用紙の場合、印刷方式はオフセット印刷、凸版印刷などの限定はないが、本発明は、中性抄紙や高速抄紙に好適に適用できることから、本発明により製造する紙は、新聞用紙などのオフセット印刷用紙であることが好ましい。
広葉樹晒クラフトパルプ(CSF500ml)100部を離解して調製したパルプスラリーに、填料を対パルプ固形分で10%、内添紙力増強剤として対パルプ固形分1%のカチオン変性澱粉を添加して紙料を調製した。填料配合(重量基準)は、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウム(白色度97.0%、吸油量120ml/100g、平均粒子径2.0μm、比表面積2.5m2/cc)85部に対してタルク(白色度83.8%、吸油量53ml/100g、平均粒子径12.6μm、比表面積0.62m2/cc)を15部併用した。
本実施例で用いたマシンは、ヘッドボックス、ワイヤーパート、プレスパート、プレドライヤー、サイズプレス、アフタードライヤーで構成され、その詳細は以下の通りである。
・ヘッドボックス:モジュールジェット型
・ワイヤーパート:ツインワイヤー式
・プレスパート:3プレス
・プレドライヤー:多筒式シリンダードライヤー(シリンダー数28本)
・サイズプレス:ポンド式サイズプレス
・アフタードライヤー:多筒式シリンダードライヤー(シリンダー数24本)
試験結果
上記条件で抄紙した結果を以下の表に示す。表から明らかなように、本発明に従ってロゼッタ型炭カルとタルクを併用すると、平均抄速が約10m/min以上向上した。すなわち、本発明によってドライヤーパートでの乾燥負荷が軽減された結果、より高速での操業が可能になり、より効率的に紙を製造できた。
Claims (4)
- タルクとロゼッタ型炭酸カルシウムを填料として併用した紙料から紙を抄造する工程、
抄造した紙にポンド式サイズプレスによって表面処理液を塗工する工程、
表面処理液を塗工した紙を多筒式シリンダードライヤーによって乾燥する工程、
を含む、紙の製造方法。 - 坪量が80g/m2以上の紙の製造方法である、請求項1に記載の方法。
- 非塗工紙の製造方法である、請求項1または2に記載の方法。
- 顔料塗工を施して塗工紙とする工程をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
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