以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る粉体回収容器の満杯検知装置及び粉体回収装置を適用した画像形成装置としてのタンデム方式のフルカラー画像形成装置を示すものである。なお、このタンデム方式のフルカラー画像形成装置は、画像読取装置を備えており、フルカラーの複写機としても機能するように構成されているが、画像読取装置を備えていなくとも勿論良い。
図2において、1は画像形成装置の本体を示すものであり、この画像形成装置本体1の上部の一端(図示例では、左端)には、原稿2の画像を読み取る画像読取装置4が配置されている。この画像読取装置4は、原稿押え部材3によって押圧された状態で原稿載せガラス5上に置かれた原稿2を光源6によって照明し、原稿2からの反射光像を、フルレートミラー7及びハーフレートミラー8、9及び結像レンズ10からなる縮小光学系を介してCCD等からなる画像読取素子11上に走査露光することにより、画像読取素子11によって原稿2の画像を予め定められたドット密度で読み取るように構成されている。
上記画像読取装置4によって読み取られた原稿2の画像は、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)(各8bit)の3色の画像データとして画像処理装置12に送られ、この画像処理装置12では、原稿2の画像データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の所定の画像処理が施される。また、上記の如く画像処理装置12で予め定められた画像処理が施された画像データは、同じく画像処理装置12によってイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)(各8bit)の4色の画像データに変換される。なお、上記画像処理装置12に入力される画像データとしては、図示しない通信回線を介してパーソナルコンピュータ等から送られてくるものであっても勿論良い。
ところで、この実施の形態では、互いに色相の異なった複数のトナーを用いて画像を形成するとともに、前記複数のトナーのうち少なくとも1色のトナーとして、濃度の異なる少なくとも2種類の同一色相のトナーを用いて画像を形成する画像形成手段を備えるように構成されている。
すなわち、この実施の形態に係る画像形成装置本体1の内部には、図2に示すように、画像形成手段100として、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色に対応した画像形成部13Y、13M、13C、13Kが、水平方向に沿って一定の間隔をおいて直列的に配置されているとともに、これらの画像形成部13Y、13M、13C、13Kの上流側には、上述したマゼンタ(M)色の画像形成部13Mと同一色相であって濃度が異なる濃度の相対的に低い淡マゼンタ色のトナーを用いた画像形成部13LMと、シアン(C)色の画像形成部13Cと同一色相であって濃度が異なる濃度の相対的に低い淡シアン色のトナーを用いた画像形成部13LCとが、2つ隣接して配置されている。このように、淡マゼンタ、淡シアンの画像形成部13LM、13LCを上流側に配置した場合には、淡マゼンタ及び淡シアンの画像を形成しないときに、下流側のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13Y、13M、13C、13Kにおいて直ちに画像形成工程を開始し、生産性を向上させることができるため望ましい。
なお、上記イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13Y、13M、13C、13Kと、淡マゼンタ、淡シアンの画像形成部13LM、13LCとの配列順序は、図示のものに限定されるものではなく、例えば、イエロー(Y)、淡マゼンタ(LM)、マゼンタ(M)、淡シアン(LC)、シアン(C)、黒(K)の順に同一色相の画像形成部が隣接するように配列しても良い。
上記濃度が異なる2種類のマゼンタ色のトナーを用いた画像形成部13M、13LM、及び濃度が異なる2種類のシアン色のトナーを用いた画像形成部13C、13LCのうち、マゼンタ色及びシアン色の画像形成部13M、13Cでは、例えば、従来と同様の濃度(相対的に高濃度)のマゼンタ色及びシアン色のトナーが用いられる。また、淡マゼンタ色及び淡シアン色の画像形成部13LM、13LCでは、同じマゼンタ色及びシアン色のトナーであっても、画像形成部13M、13Cで用いられているマゼンタ色及びシアン色のトナーよりも相対的に低濃度のマゼンタ色及びシアン色のトナーが用いられる。
上記低濃度の淡マゼンタ色及び淡シアン色のトナーとしては、例えば、淡マゼンタ色及び淡シアン色のトナーを製造する際に、トナーを構成する樹脂に対するマゼンタ色及びシアン色の顔料などの着色剤の量を少なく設定したり、使用するマゼンタ色及びシアン色の着色剤として濃度の低い着色材を使用したものが用いられる。
なお、図示の実施の形態では、マゼンタ色及びシアン色のトナーに対して、濃度の異なる2種類のトナーを用いたが、他のイエロー(Y)や黒(K)色のトナーとして、濃度の異なる少なくとも2種類のトナー、あるいは透明トナーなどを用いても良い。
また、濃度の異なるトナーの数も、2種類に限定されるものではなく、高濃度、中濃度、低濃度と3種類、あるいはそれ以上の種類を用いても良い。
これらの6つの画像形成部13LM、13LC 、13Y、13M 、13C、13Kは、図2に示すように、使用するトナーの種類を除いて、基本的にすべて同様に構成されており、大別して、矢印A方向に沿って予め定められた回転速度で駆動される像保持体としての感光体ドラム15と、この感光体ドラム15の表面を一様に帯電する一次帯電手段としてのスコロトロン16と、当該感光体ドラム15の表面に各色に対応した画像を露光して静電潜像を形成する画像露光装置14と、感光体ドラム15上に形成された静電潜像を対応する色のトナーで現像する現像装置17と、クリーニング装置18とから構成されている。
上記画像露光装置14は、図2に示すように、半導体レーザ19を画像データに応じて変調し、この半導体レーザ19からレーザ光LBを画像データに応じて出射する。この半導体レーザ19から出射されたレーザ光LBは、反射ミラー20、21を介して回転多面鏡22によって偏向走査され、図示しないf−θレンズで走査角度に応じて焦点距離が調整された状態で、複数枚の反射ミラー23、24等を介して像保持体としての感光体ドラム15上に走査露光される。
上記画像処理装置12からは、淡マゼンタ(LM)、淡シアン(LC)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成部13LM、13LC 、13Y、13M 、13C、13Kの画像露光装置14LM、14LC 、14Y、14M 、14C、14Kに各色の画像データが順次出力され、これらの画像露光装置14LM、14LC 、14Y、14M 、14C、14Kから画像データに応じて出射されるレーザ光LBが、それぞれの感光体ドラム15LM、15LC 、15Y、15M 、15C、15Kの表面に主走査方向に沿って走査露光されて静電潜像が形成される。上記各感光体ドラム15LM、15LC 、15Y、15M 、15C、15K上に形成された静電潜像は、現像装置17LM、17LC 、17Y、17M 、17C、17Kによって、それぞれ淡マゼンタ(LM)、淡シアン(LC)、イエロー(Y)、マゼンタ、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。
上記現像装置17LM、17LC 、17Y、17M 、17C、17Kとしては、図3に示すように、例えば、現像装置本体170の内部に非磁性粒子としてのトナーと磁性粒子としてのキャリアとからなる二成分の現像剤171を収容した二成分方式の現像装置が用いられる。上記現像装置本体170の内部には、予め定められたタイミングで図示しないトナーカートリッジからトナー補給装置176LM〜176Kによって予め定められた濃度のキャリアを含むトナーが補給され、現像装置本体170内のトナー濃度を予め定められた範囲内に維持するように構成されている。また、上記現像装置本体170の内部に供給されたトナーは、2本の現像剤攪拌搬送用のオーガ172、173によって現像装置本体170内の現像剤171と攪拌されて摩擦帯電され、循環移動する間に現像ロール174へ供給されるとともに、当該現像ロール174の表面に形成された現像剤171の磁気ブラシとして感光体ドラム15の表面と対向する現像領域へと搬送され、感光体ドラム15の表面に形成された静電潜像の現像に供される。
また、上記現像装置本体170内の二成分現像剤171は、図3に示すように、2本の現像剤攪拌搬送用オーガ172、173のいずれか一方の端部に設けられた図示しない排出用オーガによって微量ずつ現像装置本体170の外部に排出されるとともに、現像装置本体170の内部には、図示しないトナーカートリッジ175LM〜175Kから予め定められた濃度のキャリアを含むトナーを補給することにより、現像剤の劣化を防止する所謂“トリクル現像方式”を採用するように構成されている。
このように、上記画像形成部13LM 、13M及び画像形成部13LC、13Cでは、現像装置17LM 、17M及び現像装置17LC、17Cで使用するマゼンタ色及びシアン色のトナーの濃度が異なっており、現像装置17M及び17Cでは、濃度の濃いトナー(以下、「濃トナー」ともいう。)が使用され、現像装置17LM及び17LCでは、濃度の淡い(低い)トナー(以下、「淡トナー」ともいう。)が使用される。ただし、上記濃トナーと淡トナーとは、相対的な濃度の違いを意味するものであり、絶対的な濃度の違いを意味するものではない。
上記各画像形成部13LM、13LC、13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15LM、15LC、15Y、15M、15C、15K上に、順次形成された淡マゼンタ(LM)、淡シアン(LM)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、図2に示すように、各画像形成部13LM、13LC、13Y、13M、13C、13Kの下方に配置された中間転写体としての中間転写ベルト25上に、一次転写ロール26LM、26LC、26Y、26M、26C、26Kによって互いに重ね合わせた状態で一次転写される。
上記中間転写ベルト25は、駆動ロール27と、張力付与ロール28と、従動ロール29と、従動ロール30と、背面支持ロール31と、従動ロール32などからなる複数のロール間に予め定められた張力で掛け回されており、図示しない定速性に優れた専用の駆動モータによって回転駆動される駆動ロール27により、矢印B方向に沿って感光体ドラム15LM、15LC 、15Y、15M、15C、15Kと略等しい予め定められた速度で循環移動するように駆動される。上記中間転写ベルト25としては、例えば、可撓性を有するポリイミドやポリアミドイミド等の合成樹脂フィルムを無端ベルト状に形成したものが用いられる。
上記中間転写ベルト25上に多重に転写された淡マゼンタ(LM)、淡シアン(LM)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、背面支持ロール31に中間転写ベルト25を介して圧接する二次転写ロール33によって記録媒体としての記録用紙34上に一括して二次転写され、これらの各色のトナー像が転写された記録用紙34は、二連の搬送ベルト35、36によって定着装置37へと搬送される。そして、上記各色のトナー像が転写された記録用紙34は、定着装置37の加熱ロール38及び加圧ロール39によって熱及び圧力で定着処理を受け、片面プリントの場合には、そのまま画像形成装置本体1の外部に設けられた排出トレイ40上に排出される。
上記記録用紙34は、図2に示すように、例えば、複数の給紙トレイ41、42のうちの何れかから予め定められたサイズや材質のものが、給紙ローラ43及び用紙搬送用のローラ対44、45からなる用紙搬送経路46を介して、レジストロール47まで一旦搬送されて停止される。上記給紙トレイ41、42のうちの何れかから供給された記録用紙34は、所定のタイミングで回転駆動されるレジストロール47によって中間転写ベルト25の二次転写位置へと送出される。
また、上記画像形成装置によって記録用紙34の両面に画像を形成する場合には、定着装置37によって片面に画像が定着された記録用紙34を、そのまま機外に排出せずに、図示しない切り替えゲートによって、記録用紙34の搬送経路を下方に切り替え、反転用の用紙搬送路48に一旦搬送する。そして、この反転用の用紙搬送路48に搬送された記録用紙34は、その搬送方向を反転した状態で、両面用の用紙搬送路49及び通常の用紙搬送経路46を介して、表裏が反転された状態で、再度、中間転写ベルト25の二次転写位置まで搬送され、裏面に画像が形成された後、定着装置37の加熱ロール38及び加圧ロール39によって熱及び圧力で定着処理を受けて、画像形成装置本体1の外部に設けられた排出トレイ40上に排出される。
なお、トナー像の一次転写が終了した後の感光体ドラム15は、その表面がクリーニング装置18によって清掃される。また、トナー像の二次転写が終了した後の中間転写ベルト25は、その表面がベルトクリーニング装置50によって清掃される。
さらに、上記の如く構成される画像形成装置では、画質等を維持するために、淡マゼンタ(LM)、淡シアン(LC)、イエロー(Y)、マゼンタ、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成装置13LM、13LC、13Y、13M、13C、13Kにおいて、画像の濃度や画像位置を調整するためのトナー像を予め定められたタイミングで形成するとともに、いずれかの画像形成装置13LM、13LC、13Y、13M、13C、13Kにおいて低画像濃度の画像を連続して形成した場合などに、対応する現像装置17LM、17LC 、17Y、17M 、17C、17K内の現像剤が劣化するのを防止するために、対応する画像形成装置13LM、13LC、13Y、13M、13C、13Kにおいて帯状のトナー画像であるトナーバンドを形成するように構成されている。
これらの画像の濃度や画像位置を調整するためのトナー像、あるいはトナーバンドは、中間転写ベルト25上に一次転写された後、ベルトクリーニング装置50によって清掃される。
ところで、この実施の形態では、図2に示すように、淡マゼンタ(LM)、淡シアン(LC)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成装置13LM、13LC、13Y、13M、13C、13Kにおいて、各現像装置17LM、17LC 、17Y、17M 、17C、17Kから排出されるトナーとキャリアからなる廃棄現像剤や、各クリーニング装置18から排出される廃棄トナー、あるいは中間転写ベルト25のベルトクリーニング装置50から排出される廃棄トナー等が、図4に示すように、粉体回収装置としての廃トナー回収装置200の廃トナー回収容器201内に回収されるように構成されている。
上記淡マゼンタ(LM)、淡シアン(LC)、イエロー(Y)、マゼンタ、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成装置13LM、13LC、13Y、13M、13C、13Kにおいて、各現像装置17LM、17LC 、17Y、17M 、17C、17K、各クリーニング装置18、ベルトクリーニング装置50から排出される廃棄トナー等からなる粉体210は、図4に示すように、各画像形成装置13LM、13LC、13Y、13M、13C、13Kに対応して配置された第1の回収部202と、ベルトクリーニング装置50に対応して配置された第2の回収部203を介して、これらの回収部202、203を繋ぐ搬送パイプ204へと搬送され、当該搬送パイプ204の途中に設けられた排出トナー等の第1の搬送部205、及び当該搬送部205の下端部に連結された第2の搬送部206を通して、廃トナー回収容器201の内部へと回収される。
また、上記廃トナー回収容器201は、複数(図示例では2つ)の廃トナー回収容器201が並列的に配置されており、1つの廃トナー回収容器201が満杯になった場合に、第2の搬送部206に連結されている図示しない搬送部によって自動的に他方の廃トナー回収容器201に廃トナー等の粉体を回収するように構成されている。なお、上記廃トナー回収容器201は1つのみ配置し、廃トナー回収容器201が満杯になった場合に満杯検知装置によって満杯状態を検知してユーザーインターフェイスによってユーザーに通知し、ユーザーが新しいものと交換するように構成しても勿論良い。
図1に示すように、当該廃トナー回収容器201の内部に予め定められた上限ULまで粉体210が回収されたときに、廃トナー回収容器201の満杯を検知する廃トナー満杯検知装置300が、上記廃トナー回収容器201に密接するように配置されている。
この廃トナー満杯検知装置300は、図1に示すように、廃トナー回収容器201の外側の上端部近傍に、当該廃トナー回収容器201の上下方向に沿った上端部近傍に位置する側壁201aに対向する位置に配置される満杯検知手段としての透磁率センサ301を備えている。また、上記廃トナー回収容器201の上端部近傍には、図1及び図5に示すように、その側壁201aに側面矩形状の開口部304が設けられているとともに、当該開口部304には、薄いフィルム302が貼り付けられて閉塞されており、透磁率センサ301の検知用の窓部303を構成し、且つ後述する検知用補助部材を取り付けるための取り付け部を兼ねている。この検知用窓部303は、廃トナー回収容器201の側壁201aに比較して薄肉に形成されており、透磁率センサ301の検知感度を向上させており、検知用補助部材の取り付けに支障がなければ、廃トナー回収容器201の側壁201aを薄肉化することによって形成したものであっても良い。
上記透磁率センサ301は、図1及び図5に示すように、その突出した検知部301aが廃トナー回収容器201の検知用窓部303の表面に接触するように配置されている。
そして、上記透磁率センサ301では、図6(a)に示すように、廃トナー回収容器201の内部に回収された廃トナーや廃棄現像剤などからなる粉体210の量が予め定められた上限値に達すると、回収された粉体210が当該透磁率センサ301の検知部301aと対向する位置に来るため、廃トナー回収容器201が満杯に達する以前の検知部301aと対向する位置に空気層211が存在する状態から、廃トナー回収容器201が満杯に達した状態である粉体210が検知部301aと対向する状態となる。そのため、上記透磁率センサ301は、廃トナー回収容器210が満杯に達する以前の空気層211が存在する状態から、廃トナー回収容器201が満杯に達した状態である磁性粒子を含む粉体210が検知部301aと対向する状態への透磁率の変化として検出し、当該透磁率センサ301によって検出される透磁率が予め定められた値を越えた場合に、透磁率センサ301から出力される信号に基づいて廃トナー回収容器201の満杯を検知するように構成されている。
しかしながら、上記廃トナー満杯検知装置300では、図2に示すように、廃トナー回収容器201内に廃棄現像剤以外に、トナーバンドをベルトクリーニング装置50で清掃した場合のように、相対的に大量の非磁性粒子としてのトナーのみが回収される場合がある。
すると、上記廃トナー回収容器201の内部に回収される非磁性粒子としてのトナーTのみが相対的に大量に回収される場合や、キャリアの比率が相対的に低くトナーTの比率が相対的に高い場合には、図6(b)に示すように、廃トナー回収容器201が満杯になったときであっても、廃トナーTは非磁性粒子であるため、透磁率センサ301によって透磁率の変化として検出することができず、廃トナー回収容器201の満杯が検知できないという虞れがある。
そこで、この実施の形態では、図1に示すように、廃トナー回収容器201の内部に配置された検知補助部材310を備えるように構成されている。この検知補助部材310は、透磁率検知手段の検知部と予め定められた間隙を介して対向するように、自由端をなす下端部が前記粉体回収容器の内部に垂下した状態で設けられるとともに、前記透磁率検知手段の検知部と対向する位置に磁性材料が配置され、前記粉体回収容器の内部に回収される粉体の押圧力によって弾性変形することで、前記磁性材料が前記透磁率検知手段の検知部に近接する方向に変位するように構成されている。
すなわち、上記検知補助部材310は、図8に示すように、大別して、その一側に設けられた保持部材311と、保持部材311の上端部に位置する側面に固定した状態で設けられたフィルム状部材312と、フィルム状部材312の下端部に近い位置に配置された磁性材料313とから構成されている。
上記保持部材311は、図1及び図5に示すように、検知補助部材310を廃トナー回収容器201の側壁201aに取り付け、フィルム状部材312の下端部が透磁率センサ301の検知部301aと予め定められた間隙Gを介して対向するように、当該フィルム状部材312を保持するための部材である。この保持部材311は、図8に示すように、例えば、合成樹脂等によって一体的に形成されており、予め定められた厚さを有する平板状部311aの下端に、上方に折り返した状態でクリップ部311bが一体的に設けられたものである。なお、上記間隙Gは、必ずしも予め定められた値に設定する必要はなく、フィルム状部材312の下端部が間隙Gをもって透磁率センサ301の検知部301aと対向すれば良い。
上記保持部材311のクリップ部311bは、図5に示すように、廃トナー回収容器201の側壁201aに設けられた開口部304の上端縁304aを挟んだ状態で保持することによって、廃トナー回収容器201の側壁201aに取り付けられる。なお、上記保持部材311のクリップ部311bは、図5に示すように、廃トナー回収容器201の開口部を閉塞する薄いフィルム302によって廃トナー回収容器201の側壁201aに固定されている。
また、上記フィルム状部材312は、図8に示すように、PET等の合成樹脂製のフィルム又はシートなどによって、予め定められた厚さ、幅及び長さを有する略矩形状に形成されており、当該フィルム状部材312の上端部312aは、保持部材311の一方の側面に接着等の手段で固定されている。その結果、上記フィルム状部材312は、図1に示すように、透磁率センサ301の検知部301aと予め定められた間隙を介して対向するように、自由端をなす下端部312bが廃トナー回収容器201の内部に垂下した状態で設けられている。
なお、この実施の形態では、検知補助部材を構成するフィルム状部材312が、その重力方向の上方が固定されて弾性変形可能に構成されているが、検知補助部材は、必ずしも弾性変形可能である必要はなく、当該検知補助部材の重力方向の上方がヒンジ等を支点として変位可能に構成しても良い。
さらに、上記フィルム状部材312は、図8に示すように、その下端312cが廃トナー回収容器201の側壁201aから離間する方向に予め定められた角度で折り曲げられている。このように、上記フィルム状部材312の下端312cを廃トナー回収容器201の側壁201aから離間する方向に折り曲げた場合には、図7に示すように、フィルム状部材312の下端312cと廃トナー回収容器201の側壁201aとの間に廃トナー回収容器201の内部に回収された粉体210が回り込んだときであっても、折り曲げられた下端312cによって弾性変形することができ、粉体210が満杯状態に達したことを精度良く検知することができる。
また、上記フィルム状部材312には、図8に示すように、その下端部312bの裏面側に磁性材料313が接着等の手段によって固定した状態で配置されており、粉体210が磁性を有しないか又は磁性を有する粒子の比率が低い場合であっても、粉体210によってフィルム状部材312が透磁率センサ301の検知部301aに近接する方向に弾性変形することにより、フィルム状部材312に設けられた磁性材料313と透磁率センサ301の検知部301aとの距離が近くなり、透磁率センサ301によって粉体210の満杯状態が確実に検知できるように構成されている。
さらに、上記フィルム状部材312には、図8に示すように、磁性材料313の上方に縦方向に沿って長く形成された開口部312dが設けられており、フィルム状部材312の前面側に位置する粉体210が当該開口部312dを通して容易に透磁率センサ301の対向位置に移動可能となっている。また、上記フィルム状部材312には、図8に示すように、開口部312dとともに、又は開口部312dとは別に、その中間部312eに幅の狭い狭幅部を設けて、フィルム状部材312の前面側に位置する粉体210が容易に透磁率センサ301側に移動可能となるように構成しても良い。
このように、上記フィルム状部材312に開口部312dや狭幅部312eを設けた場合には、図10に示すように、フィルム状部材312の前面側に位置する粉体210が開口部312dや狭幅部312eを介してフィルム状部材312の背面側に回り込み易くなり、透磁率センサ301によってより一層確実に満杯を検知することが可能となる。
上記磁性材料313としては、例えば、竹内工業株式会社製の品番「GM010S」の厚さ0.1mmの高周波吸収シートを用いることができるが、これに限定されるものではなく、磁性材料からなるものであれば他のものを用いても勿論良い。
以上の構成において、この実施の形態に係る廃トナー回収容器の満杯検知装置を適用した画像形成装置においては、次のようにして、廃棄されるトナー等の粉体として磁性粒子とトナーのみからなる非磁性粒子の混合率がどのような場合であっても、廃棄される粉体が満杯に達したことを確実に検知することが可能となっている。
すなわち、上記画像形成装置では、図2に示すように、淡マゼンタ(LM)、淡シアン(LC)、イエロー(Y)、マゼンタ、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成部13LM、13LC 、13Y、13M 、13C、13Kにおいて、感光体ドラム15の表面に対応する色のトナー像が形成されるとともに、これらの各色のトナー像は、中間転写ベルト25上に多重に一次転写された後、中間転写ベルト25上から記録用紙34上に一括して二次転写され、定着装置37によって定着処理が施されて、フルカラーやモノクロ等の画像が形成される。
その際、上記淡マゼンタ(LM)、淡シアン(LC)、イエロー(Y)、マゼンタ、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成部13LM、13LC 、13Y、13M 、13C、13Kでは、感光体ドラム15の表面に残留したトナー等がクリーニング装置18によって除去されるとともに、中間転写ベルト25の表面に残留したトナー等がベルトクリーニング装置50によって除去される。
また、上記淡マゼンタ(LM)、淡シアン(LC)、イエロー(Y)、マゼンタ、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成部13LM、13LC 、13Y、13M 、13C、13Kでは、現像装置17から劣化したキャリアとトナーからなる現像剤171が僅かずつ排出される。
さらに、上記画像形成装置では、画質の維持等を目的として、淡マゼンタ(LM)、淡シアン(LC)、イエロー(Y)、マゼンタ、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成部13LM、13LC 、13Y、13M 、13C、13Kにおいて、感光体ドラム15の表面に帯状のトナー画像からなるトナーバンドを形成し、かかるトナーバンドは、中間転写ベルト25の表面に転写された後、中間転写ベルト25の表面からベルトクリーニング装置50によって除去される。
そして、上記画像形成装置では、図4に示すように、画像形成手段100から排出される廃棄トナーやキャリアとトナーからなる現像剤171が、廃トナー回収装置200によって回収されて、廃トナー回収容器201の内部に回収されて収容されるようになっている。
ところで、上記廃トナー回収容器201の内部では、図1及び図5に示すように、回収された廃棄トナーやキャリアとトナーからなる粉体210の流動性に応じて、当該廃トナー回収容器201の内部に回収された粉体210がキャリアとトナーからなる現像剤171の場合のように相対的に流動性が高く、廃トナー回収容器201の内部で比較的平らに近い状態で均されて、ある一定量に達した場合には、図7(a)に示すように、透磁率センサ310によって透磁率の変化として検知され、廃トナー回収容器201が満杯となったことが検知される。
これに対して、上記廃トナー回収容器201の内部に回収された粉体210がキャリアの比率が相対的に低くトナーの比率が相対的に高い場合には、図7(b)に示すように、粉体210の流動性が相対的に低く、廃トナー回収容器201の内部で山状に堆積して平坦に均され難く、ある一定量に達した場合であっても、透磁率センサ310によって透磁率の変化として検知され難く、廃トナー回収容器201が満杯となったことを検知することができない虞れがある。
このとき、上記実施の形態に係る廃トナー回収容器の満杯検知装置を適用した画像形成装置では、図7(b)に示すように、回収された粉体210が廃トナー回収容器201の内部で山状に堆積した場合であっても、回収された粉体210によってフィルム状部材312の下端312cや下端部312bが押されるため、フィルム状部材312の下端部312bが廃トナー回収容器201の側壁201aに近接する方向に弾性変形する。
その結果、図11に示すように、上記フィルム状部材312の下端部312bに設けられた磁性材料313が廃トナー回収容器201の側壁201aに近接する方向に移動し、当該磁性材料313と透磁率センサの検知部との距離が短くなるため、回収された粉体210が満杯に達したことを確実に検知することができる。
また、上記廃トナー回収容器の満杯検知装置300では、図11に示すように、フィルム状部材312の下端312cが廃トナー回収容器201の側壁201aから離間する方向に折り曲げられているため、図9に示すように、フィルム状部材312の下端312cを平面状に形成した場合と比較して、図12に示すように、廃トナー回収容器201の側壁201aから離間する方向に折り曲げられた下端312cによって、フィルム状部材312の下端312cと廃トナー回収容器201の側壁201aとの間に回り込んだ粉体210が存在する場合でも、これを避けてフィルム状部材312の磁性材料313を透磁率センサ301の検知部301aに近接させることができる。その結果、回収された粉体210が満杯に達したことを確実に検知することができる。
なお、本実施の形態では、中間転写体を用いた画像形成装置に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、モノクロの画像形成装置等にも適用することができることは勿論である。