JP5648350B2 - 定着ベルト、定着装置、画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着ベルト、定着装置、画像形成装置着に関する。
特許文献1に記載の像加熱装置(定着装置)に用いられる可撓性スリーブ(定着ベルト)には、スレンレス製のベース層が設けられている。そして、このステンレス製のベース層の外周面には、噴射加工が施されている。
特開平2007−249186号公報
本発明の課題は、定着ベルトの内周面とこの内周面に接触する部材との間で生じる摩擦力を低減させることである。
本発明の請求項1に係る定着ベルトは、内周に露出する金属層と、前記金属層の内周面に、前記金属層の硬度と同等以上の硬度を有するショットである固体潤滑剤粉体が高速噴射されて、接触して支持する支持部材の面圧に耐える表面組織となるランダムに形成された微細な無数の凹凸部であり、潤滑剤を保持している保持手段と、を備えることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る定着装置は、請求項1記載の定着ベルトと、前記定着ベルトの外周面を加圧することでトナー画像が形成された記録媒体を前記定着ベルトの外周面に押し付ける加圧部材と、前記定着ベルトの内周面側に設けられ、前記加圧部材によって加圧された前記定着ベルトを前記定着ベルトの内周面と接触して支持する支持部材と、を備えることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る定着装置は、前記金属層が、基層及び発熱層を含んで構成され、前記凹凸部が、前記基層に形成れている請求項1記載の定着ベルトと、前記定着ベルトの内側又は外側に配置され、磁界により前記発熱層を発熱する励磁コイルと、前記定着ベルトの外周面を加圧することでトナー画像が形成された記録媒体を前記定着ベルトの外周面に押し付ける加圧部材と、前記定着ベルトの内周面側に設けられ、前記加圧部材によって加圧された前記定着ベルトを前記定着ベルトの内周面と接触して支持する支持部材と、を備えることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る画像形成装置は、表面にトナー画像が形成される像保持体と、前記像保持体のトナー画像を記録媒体に転写する転写部材と、前記転写部材によって記録媒体に転写されたトナー画像を記録媒体に定着させる請求項2又は3に記載の定着装置と、を備えることを特徴とする。
本発明の請求項1の定着ベルトによれば、金属層が露出する内周面に、潤滑剤を保持する保持手段が形成されていない構成と比して、定着ベルトの内周面とこの内周面に接触する部材との間で生じる摩擦力を低減させることができる。
本発明の請求項2の定着ベルトによれば、潤滑剤を保持する凹凸状の凹凸部が設けられていない構成と比して、簡易な構成で潤滑剤を保持することができる。
本発明の請求項3の定着装置よれば、保持手段が形成されていない金属層を備える定着ベルトが設けられる場合と比して、定着装置の耐久性を向上させることができる。
本発明の請求項4の画像形成装置によれば、請求項3に記載の定着装置を備えていない場合と比して、出力画像の低下を抑制することができる。
(A)(B)は、本発明の実施形態に係る定着ベルトの断面図である。 本発明の実施形態に係る定着装置を示した側面図である。 本発明の実施形態に係る定着装置を示した側面図である。 本発明の実施形態に係る定着ベルト等を示した斜視図である。 本発明の実施形態に係る定着ベルト等を示した斜視図である。 本発明の実施形態に係る定着ベルトの各層を示した断面図である。 本発明の実施形態に係る定着装置の一部を示した側面図である。 本発明の実施形態に係る画像形成装置を示した概略構成図である。
本実施形態の定着ベルト、定着装置、及び画像形成装置の一例について図1〜図8に従って説明する。なお、図中に示す矢印UPは、鉛直方向上方を示す。
(全体構成)
図8に示されるように、本実施形態に係る画像形成装置10の本体を構成する筐体12に光走査装置54が固定されており、光走査装置54に隣接する位置に、画像形成装置10の各部の動作を制御する制御ユニット50が設けられている。
この光走査装置54は、図示しない光源から出射された光ビームを回転多面鏡(ポリゴンミラー)で走査し、反射ミラー等の複数の光学部品で反射して、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及び ブラック(K)の各トナーに対応した光ビーム60Y、60M、60C、60Kを出射するようになっている。
また、光ビーム60Y、60M、60C、60Kは、それぞれ対応する像保持体20Y、20M、20C、20Kに導かれ、図中に示す矢印方向に回転する像保持体20Y、20M、20C、20Kの表面に照射され、その表面に静電潜像を形成するようになっている。
画像形成装置10内の下方側には、記録媒体としてのシート部材Pを収納する用紙補給部14が設けられている。また、用紙補給部14の上方には、用紙補給部14から搬送されるシート部材Pの先端部位置を調整する位置合せロール16が設けられている。
さらに、画像形成装置10の中央部には、画像形成ユニット18が設けられている。画像形成ユニット18は、前述した4つの像保持体20Y、20M、20C、20Kを備えており、これらが上下一列に決められた間隔を空けて配置されている。なお、以後の説明では、YMCKを区別する必要がある場合は、符号の後に、Y、M、C、Kのいずれかを付して説明し、YMCKを区別する必要がない場合は、YMCKを省略する。
また、光ビーム60が照射される照射部位に対して、像保持体20の回転方向の上流側には、像保持体20の表面を帯電する帯電ロール22が設けられている。
さらに、光ビーム60が照射される照射部位に対して、像保持体20の回転方向の下流側には、像保持体20の表面に形成された静電潜像を各色のトナーでトナー画像に現像する現像装置24が設けられている。
一方、像保持体20Y、20Mには、図中に示す矢印方向に回転すると共に像保持体20Y、20Mに形成されたトナー画像が転写される第1中間転写体26が接触し、像保持体20C、20Kには、図中に示す矢印方向に回転すると共に像保持体20C、20Kに形成されたトナー画像が転写される第2中間転写体28が接触している。そして、第1中間転写体26及び第2中間転写体28には、図中に示す矢印方向に回転すると共に第1中間転写体26及び第2中間転写体28に形成されたトナー画像が転写される第3中間転写体30が接触している。
この第3中間転写体30と対向する位置には、第3中間転写体30の表面に形成されたトナー画像をシート部材Pに転写する転写ロール32が設けられている。つまり、転写ロール32と第3中間転写体30との間をシート部材Pが搬送され、第3中間転写体30上のトナー画像がシート部材Pに転写されるようになっている。
また、転写ロール32に対して、シート部材Pが搬送される用紙搬送路34の搬送方向の下流側には、定着装置100が設けられている。定着装置100は、定着ベルト102と加圧部材の一例としての加圧ロール104とを有しており、シート部材Pを加熱・加圧してシート部材Pに形成されたトナー画像をシート部材P上に定着させるようになっている。なお、定着装置100については、詳細を後述する。
さらに、定着装置100に対して、シート部材Pが搬送される用紙搬送路34の搬送方向の下流側には、用紙搬送ロール36が設けられ、画像形成装置10の上部には、用紙搬送ロール36によって機外に排出されたシート部材Pが積載される排出部38が設けられている。
次に、画像形成装置10の画像形成について説明する。
画像形成装置10を作動させると、各像保持体20の表面が各帯電ロール22によって一様に帯電される。
光走査装置54から出力画像に対応した各色の光ビーム60が、帯電後の像保持体20の表面に照射され、像保持体20の表面には、各色に対応した静電潜像が形成される。
この静電潜像に対して、現像装置24が各色のトナーを付与し、像保持体20の表面には、各色(Y〜K色)のトナー画像が形成される。
その後、マゼンタ用の像保持体20Mから第1中間転写体26にマゼンタのトナー画像が一次転写される。また、イエロー用の像保持体20Yから第1中間転写体26にイエローのトナー画像が一次転写され、第1中間転写体26上でマゼンタのトナー画像に重ね合わされる。
同様に、ブラック用の像保持体20Kから第2中間転写体28にブラックのトナー画像が一次転写される。また、シアン用の像保持体20Cから第2中間転写体28にシアンのトナー画像が一次転写され、第2中間転写体28上でブラックのトナー画像に重ね合わされる。
さらに、第1中間転写体26へ一次転写されたマゼンタとイエローのトナー画像は、第3中間転写体30へ二次転写される。一方、第2中間転写体28へ一次転写されたブラックとシアンのトナー画像も、第3中間転写体30へ二次転写される。
ここで、先に二次転写されているマゼンタ 、イエローのトナー画像と、シアンおよびブラックのトナー画像とが重ね合わされ、カラー(3色)とブラックのカラートナー画像が第3中間転写体30上に形成される。
二次転写されたカラートナー画像は、第3中間転写体30と転写ロール32との間の接触部(ニップ部)に達する。そのタイミングに同期して、位置合せロール16からシート部材Pが第3中間転写体30と転写ロール32との間の接触部(ニップ部)に搬送され、シート部材P上にカラートナー画像が三次転写(最終転写)される。
このシート部材Pは、定着装置100に搬送され、定着ベルト102と加圧ロール104との間に形成される接触部を通過する。その際、定着ベルト102と加圧ロール104とから与えられる熱と圧力との作用により、カラートナー画像がシート部材Pに定着する。定着後、シート部材Pは用紙搬送ロール36により排出部38に排出され、シート部材Pへのカラー画像形成が終了する。
(要部構成)
次に、本実施形態に係る定着装置100について説明する。
図2に示されるように、定着装置100は、シート部材Pの進入又は排出を行うための開口が形成された筐体122を備えている。
筐体122の内部には、矢印D方向へ回転すると共に、回転軸方向に延びる円筒状(無端状)の定着ベルト102が設けられている。
また、定着ベルト102の外周面と対向する位置には、絶縁性の材料で構成されたボビン108が配置されている。そして、このボビン108と定着ベルト102との間隔は1〜3mm程度となっている。さらに、ボビン108は、定着ベルト102の回転軸方向(以下単に軸方向という)から見て、定着ベルト102の外周面に倣った略円弧状に形成されており、周方向の中央側には、筐体122の内壁面に向って突出する凸部108Aが形成されている。
さらに、ボビン108には、凸部108Aを中心として軸方向(図2の紙面奥行き方向)に鉄線が複数回巻き回された励磁コイル110が設けられている。
また、励磁コイル110を挟んで定着ベルト102の反対側には、ボビン108の円弧状に倣って形成されたフェライト系や感温磁性合金などの強磁性体からなる磁性コア112が配置され、ボビン108に支持されている。
一方、定着ベルト102の内側には、非磁性体であるアルミニウムからなる支持部材114が、定着ベルト102と非接触で配置され、軸方向の両端が定着装置100の筐体122に固定されている。
この支持部材114は、軸方向から見て、定着ベルト102と対向して円弧状に形成された円弧部114Aと、矩形状に形成された柱部114Bとで構成され、円弧部114Aと柱部114Bは一体成形されている。
また、支持部材114の円弧部114Aには、この円弧部114Aに沿って、磁性コア116が設けられており、感温磁性合金や磁性コア112と同様の材質から構成される。磁性コア116は、定着ベルト102と非接触状態となっている。この磁性コア116と磁性コア112との間で、定着ベルト102を貫通した磁界Hによる閉磁路が形成され、磁界Hが強められるようになっている。
また、支持部材114の柱部114Bにおいて、円弧部114Aに対して反対側の端面には、加圧ロール104から加圧された定着ベルト102を定着ベルト102の内周面と接触して支持する支持部材の一例としての接触部材118が固定されている。
詳細には、この接触部材118は、耐熱性を有する樹脂や焼結体やゴム、または金属や金属合金などで構成すればよく、本実施形態では液晶ポリマーまたはガラス繊維入りのPPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)の樹脂材料で成形され、テフロン(登録商標)シート(図示省略)が設けられた一端面が定着ベルト102の内周面と接触して定着ベルト102の内周面を定着ベルト102の外側に向けて押圧するようになっている。
一方、定着ベルト102を挟んで、接触部材118と対向する位置に配置される加圧ロール104は、定着ベルト102を接触部材118に向けて加圧するとともに、図示しないモータ及びギアからなる駆動機構により矢印E方向に回転するようになっている。
この加圧ロール104は、アルミニウム等の金属からなる芯金106の周囲に、シリコンゴム及びPFA(四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂)が被覆された構成となっている。また、加圧ロール104は、図示しないソレノイド等の電磁スイッチ、又はカム機構を用いて矢印A、B方向に移動可能となっており、矢印A方向に移動したときは定着ベルト102の外周面と接触して定着ベルト102を押圧し、矢印B方向に移動したときは定着ベルト102の外周面から離間するようになっている(図3参照)。接触部材118の定着ベルト側接触面は、軸方向で3次元形状になっており、断面形状は中央部(図2)から端部(図3)に渡って徐々に形状が変化するように設計されており、定着ベルトの端部には定着ベルトを駆動するために(図示しない)ギアが装着されるため、端部はベルトの円形形状に近い凸形になっている。
ここで、加圧ロール104が定着ベルト102を接触部材118側に加圧すると、定着ベルト102と加圧ロール104との接触部(ニップ部)において、定着ベルト102に凹部103が形成され、この凹部103の両端には凸部105が形成されるようになっている。
この接触部の形状は、トナーTが載ったシート部材Pが通過するときに、定着ベルト102から剥離させる方向に湾曲した形状となっている。このため、矢印IN方向から搬送されてきたシート部材Pは、それ自体の腰の強さで接触部の形状に倣って矢印OUT方向に排出されるようになっている。
また、接触幅(ニップ幅)を広げるために、接触部材118は、定着ベルト102を加圧ロール104側に押圧するとともに定着ベルト102の内周面に倣って湾曲状とされている。
さらに、定着ベルト102の表面で、励磁コイル110と対向しない領域で、かつシート部材Pの排出側の領域には、定着ベルト102の外表面(内周面でもよい)の温度を測定するサーミスター120が定着ベルト102と接触して設けられている。サーミスター120の接触位置は、シート部材Pのサイズの大小によって測定値が変わらないように、定着ベルト102の軸方向(図2の紙面奥行き方向)の中央側となっている。
このサーミスター120は、定着ベルト102の表面から与えられる熱量に応じて抵抗値が変化することで、定着ベルト102の表面の温度を計測するようになっている。
図7に示されるように、サーミスター120は、配線136を介して、制御ユニット50(図8参照)の内部に設けられた制御回路138に接続されている。また、制御回路138は、配線140を介して通電回路142に接続されており、通電回路142は、配線144A、144Bを介して前述の励磁コイル110に接続されている。
ここで、制御回路138は、サーミスター120から送られた電気量に基づいて定着ベルト102の表面の温度を測定し、この測定温度と予め記憶させてある定着設定温度(本実施形態では170℃)とを比較する。そして、測定温度が定着設定温度よりも低い場合は、通電回路142を駆動して励磁コイル110に通電し、磁気回路としての磁界H(図2参照)を発生させる。一方、測定温度が定着設定温度よりも高い場合は、通電回路142を停止するようになっている。
つまり、通電回路142は、制御回路138から送られる電気信号に基づいて駆動又は駆動停止され、配線144A、144Bを介して励磁コイル110に所定の周波数の交流電流を供給又は供給停止するようになっている。
次に、定着ベルト102の構成について説明する。
図1(A)に示されるように、定着ベルト102は、内周側から外周側に向けて基層134、発熱層132、保護層130、弾性層128、及び離型層126で構成されており、これらが積層され一体となっている。そして、保護層130、発熱層132、及び基層134の3層で金属層146を構成しており、この金属層146は定着ベルト102の内周に巨視的に露出して設けられている。
基層134は、定着ベルト102の強度を保持するベースとなるもので、本実施形態では、非磁性のオーステナイト系のステンレス(非磁性SUS)で構成されている。
発熱層132は、前述の磁界H(図2参照)を打ち消す磁界を生成するように渦電流が流れる電磁誘導作用により発熱する金属材料であり、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、亜鉛、錫、鉛、ビスマス、ベリリウム、アンチモン、又はこれらの合金の金属材料を用いることができる。固有抵抗を2.7×10−8Ωcm以下に小さくして必要な発熱量を効率よく得ること、及び低コストの観点から、発熱層132として銅を用いることができる。
また、発熱層132は、熱容量ができるだけ小さい方が定着装置100のウォームアップ時間を短縮することができるため、できるだけ薄い層を設けることが望ましい。
以上より、本実施形態では、発熱層132は、銅で構成され、発熱層132の厚さは、2μm〜20μmとされている。
一方、保護層130の厚さ及び材質は、定着ベルト102の剛性と発熱層132の厚さとを考慮して決められる。さらに、励磁コイル110側の保護層130は、励磁コイル110からの磁界H(図2参照)を発熱層132へ作用させなければならず、保護層130で磁界Hを遮断しないことや、発熱層132の発熱効率を阻害しないことが求められる。
100μm以下の厚さの保護層130で、磁界Hの磁束を発熱層132まで侵入させるためには、磁界が侵入できる深さ(磁界が1/eに減衰する距離。eは約2.718。)を示す表皮深さが、少なくとも保護層130の厚さと発熱層132の厚さの合計以上の厚さであることが必要である。そして、表皮深さが十分に大きな値になる材料として非磁性金属(比透磁率が概ね1の常磁性体)が挙げられる。
さらに、保護層130が発熱層132の発熱を阻害しないためには、概ね発熱し難い高い固有抵抗の材質を用いることができる(理想は、比透磁率=1、固有抵抗=∞の金属)。
そして、金属層146を備えた定着ベルト102を定着装置100に用いたとすると、定着ベルト102内側、外側いずれからも、電磁誘導により発生する渦電流をコントロールできることになり、定着ベルト102の内側や外側どちらでも励磁コイル110を配置できることになる。
また、基層134と保護層130とには、機械的強度が発熱層132より高く、繰り返し歪みに強い材料で、錆びや腐食に強い材料を用いることができる。
これらの検討結果から、本実施形態では、保護層130は、非磁性スレンレス(固有抵抗60〜100×10−8Ωm)で構成されている。
また、定着ベルト102の製造時の膜厚精度を維持すること、及び温度低下を抑えるために熱容量を維持すること、定着ベルト102の可撓性を確保することの観点から、本実施形態では、金属層146総厚さを、35〜60μmとした。
また、基層134、発熱層132、及び保護層130を含む金属層146は、異種金属を張り合わせたクラッド鋼を塑性加工(深絞りやしごき、またはスピニング・へら絞りなど)することにより成形されたシームレス管が用いられる。
さらに、弾性層128は、弾性と耐熱性が得られる等の観点から、シリコン系ゴム、又はフッ素系ゴムが用いられ、本実施形態ではシリコンゴムを用いている。本実施形態では、弾性層128の厚さを200μmとしている。
また、離型層126は、シート部材P上で溶融されたトナーT(図2参照)との接着力を弱めて、シート部材Pを定着ベルト102から剥離し易くするために設けられる。優れた表面離型性を得るためには、離型層126として、フッ素樹脂、シリコン樹脂、又はポリイミド樹脂を用いることが好ましく、本実施形態ではPFA(四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂)を用いている。なお、本実施形態では、離型層126の厚さは30μmとしている。
次に、定着ベルト102の内周に露出した金属層146の内周面について説明する。
図1(B)に示されるように、定着ベルト102の内周に露出した金属層146の内周面には、潤滑剤148を保持する保持手段の一例としての凹凸状の凹凸部150が形成されている。
図4に示されるように、この凹凸部150を形成する方法としては、先端側が曲げられると共に先端部152Aからショットが噴射される噴射管152を、定着ベルト120の円筒内に挿入する。そして、図5に示されるように、噴射管152を定着ベルト120の軸方向及び周方向に動かしながら、噴射管152の先端部152Aからショットを噴射する。
詳細には、金属層146(図1(A)参照)の内周面に金属層146の硬度と同等以上の硬度を有し、かつ球状の20〜200μmのショットを高速噴射し、金属層146の内周面に微細な無数の円弧状の凹凸部150をランダムに形成する。
ここで、金属層146の内周面には、接触部材118との間で生じる摩擦力を低減させるため、通常潤滑剤が使用されるが、使用条件により潤滑剤切れが発生して金属層146又は接触部材118の摩耗が進むことが考えられる。しかし、金属層146の内周面にショットを噴射することで、面圧に耐える表面組織となり潤滑剤切れを起こしにくいランダムな凹凸部150が形成され、潤滑剤148を保持する。これにより、良好な潤滑状態を維持し、潤滑剤148の油温の上昇が抑制されると共に、金属層146と接触部材118との間で生じる摩耗力が低減され、摺動音も小さくなるようになっている。
また、潤滑剤148の層を凹凸部150に形成させる方法としては、金属層146の内周面に、固体潤滑剤粉体(例えば、二硫化モリブデンの粉体)を高速で噴射する。これにより、固体潤滑剤の組成物中の元素が、衝突時の発熱により金属層146の内周面に拡散・浸透し潤滑剤148の層が形成されるようになる。
(作用)
次に、本実施形態の作用について説明する。
図8に示されるように、画像形成装置10の画像形成工程を経て、トナーが転写されたシート部材Pが定着装置100に送られる。
図3に示されるように、定着装置100においては、制御ユニット50(図8参照)の制御により、定着ベルト102の表面の温度が定着設定温度に到達するまでは、加圧ロール104が定着ベルト102の表面から離間されている。
そして、図2に示されるように、定着ベルト102の表面の温度が定着設定温度に到達すると、加圧ロール104が移動して定着ベルト102の表面に接触する。定着ベルト102の表面の温度は、加圧ロール104との接触により一時的に低下するが、発熱層132が継続して発熱することで、定着設定温度に到達する。
続いて、定着装置100では、加圧ロール104が矢印E方向への回転駆動を開始し、定着ベルト102がそれに従動して矢印D方向へ回転する。このとき、制御回路138からの電気信号に基づいて通電回路142が駆動され、励磁コイル110に交流電流が供給される。
励磁コイル110に交流電流が供給されると、励磁コイル110の周囲に磁気回路としての磁界Hが生成消滅を繰り返す。
そして、図6に示されるように、磁界Hが定着ベルト102の発熱層132を横切ると、磁界Hの変化を妨げる磁界が生じるように発熱層132に渦電流(図示せず)が発生する。
発熱層132は、発熱層132の表皮抵抗、及び発熱層132を流れる渦電流の大きさに比例して発熱し、これによって定着ベルト102が加熱される。
このように、定着ベルト102の昇温時に加圧ロール104が接触しておらず、定着ベルト102単体で昇温できるので、定着ベルト102と加圧ロール104とが接触した状態で昇温するよりも、ウォームアップ時間が短縮される。
定着ベルト102の表面の温度は、図7に示されるようにサーミスター120で検知され、定着設定温度170℃に到達していない場合は、制御回路138が通電回路142を駆動制御して励磁コイル110に所定の周波数の交流電流を通電する。また、定着設定温度に到達している場合は、制御回路138が通電回路142の制御を停止する。
定着ベルト102の表面の温度が決められた温度範囲になると、表面にトナー画像が形成されたシート部材Pが、定着ベルト102と加圧ロール104との接触部(ニップ部)に搬送される。
図2に示されるように、この接触部では、定着ベルト102が円柱状の加圧ロール104と接触部材118とに挟まれ、内側に凸となるように変形している。そして、定着ベルト102が、回転する加圧ロール104と従動回転する。これにより、定着ベルト102の内周面と接触部材118とは摺動し、定着ベルト102の内周面(金属層146の内周面)と接触部材118との間に摩擦力が生じる。
ここで、図1(B)の概念図に示されるように、金属層146の内周面には、定着ベルト102形成の(塑性)加工上り状態の内周面に対して潤滑剤148を保持する凹凸部150が表面積を増やすように設けられており、金属層146の内周面と接触部材118とが摺動しても、潤滑剤148切れが抑制されるようになっている。
また、潤滑剤148切れが抑制されることで、定着ベルト102の内周面(金属層146の内周面)とこの内周面と接触する接触部材118との間で生じる摩擦力が低減される。
また、定着ベルト102には、板状のクラッド鋼から塑性加工(深絞り)することにより成形されたシームレス管が用いられるため、各層を円筒状に成形させて構成する場合と比して、安価な構成である
また、定着ベルト102の金属層146の内周面と接触部材118との間で生じる摩擦力が低減されことで、定着装置100の耐久性が向上する。
また、定着ベルト102の金属層146の内周面と接触部材118との間で生じる摩擦力が低減されことで、接触部材118の端部に設けられたテフロン(登録商標)シートの摩耗を抑制することができる。
また、定着ベルト102の金属層146の内周面と接触部材118との間で生じる摩擦力が低減されことで、安定した状態で、トナー画像のシート部材Pへの定着が行われるため、出力画像の低下が抑制される。
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、基層134、発熱層132、保護層130を含む積層構造を備える金属層146を例にとって説明したが、特に積層構造を備えない金属層に潤滑剤を保持する凹凸部を設けて、金属層と接触部材との摩擦力を低減してもよい。
10 画像形成装置
20 像保持体
32 転写ロール(転写部材)
100 定着装置
102 定着ベルト
104 加圧ロール(加圧部材)
118 接触部材(支持部材)
146 金属層
148 潤滑剤
150 凹凸部(保持手段)

Claims (4)

  1. 内周に露出する金属層と、
    前記金属層の内周面に、前記金属層の硬度と同等以上の硬度を有するショットである固体潤滑剤粉体が高速噴射されて、接触して支持する支持部材の面圧に耐える表面組織となるランダムに形成された微細な無数の凹凸部であり、潤滑剤を保持している保持手段と、
    を備える無端状の定着ベルト。
  2. 請求項1記載の定着ベルトと、
    前記定着ベルトの外周面を加圧することでトナー画像が形成された記録媒体を前記定着ベルトの外周面に押し付ける加圧部材と、
    前記定着ベルトの内周面側に設けられ、前記加圧部材によって加圧された前記定着ベルトを前記定着ベルトの内周面と接触して支持する支持部材と、
    を備える定着装置。
  3. 前記金属層が、基層及び発熱層を含んで構成され、前記凹凸部が、前記基層に形成れている請求項1記載の定着ベルトと、
    前記定着ベルトの内側又は外側に配置され、磁界により前記発熱層を発熱する励磁コイルと、
    前記定着ベルトの外周面を加圧することでトナー画像が形成された記録媒体を前記定着ベルトの外周面に押し付ける加圧部材と、
    前記定着ベルトの内周面側に設けられ、前記加圧部材によって加圧された前記定着ベルトを前記定着ベルトの内周面と接触して支持する支持部材と、
    を備える定着装置。
  4. 表面にトナー画像が形成される像保持体と、
    前記像保持体のトナー画像を記録媒体に転写する転写部材と、
    前記転写部材によって記録媒体に転写されたトナー画像を記録媒体に定着させる請求項2又は3に記載の定着装置と、
    を備える画像形成装置。
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