JP5645102B2 - 繊維強化樹脂の積層成形方法及び積層成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂を繊維材で強化した射出成形品の成形方法及び成形品に関し、特に樹脂を積層状態に射出成形して積層品を得る繊維強化樹脂の積層成形方法及び積層成形品に関する。
樹脂の性質を損なうことなく、熱的及び機械的性質や寸法安定性を高めることを目的としてガラス繊維などを樹脂に混合した繊維強化樹脂が成形品に用いられている。この繊維強化樹脂を単層で射出成形する場合、混合したガラス繊維は樹脂の流れ方向に配列するために成形収縮率に方向性を有し、ソリの発生や強度の方向性などの問題を有している。
前記従来技術の問題を解決するため、金型キャビティを目標の成形品の厚さより小さい間隔に保持して繊維材を含む溶融樹脂を充填し、次いで金型キャビティを所定の間隔に拡大、該拡大したキャビティに前記溶融樹脂の充填方向と交差する方向から繊維材を含む溶融樹脂を充填して、積層状態の成形品を得る射出成形方法が開示されている。
この成形方法では、複数層に形成される成形品の各層における繊維が互いに交差する方向に配向されるので、機械的強度を増大させることができる。(特許文献1参照)
また、金型キャビティに長繊維材を含む第1の溶融樹脂を充填してスキン層を形成し、前記スキン層が未硬化のタイミングで短繊維材を含む第2の溶融樹脂を充填してコア層を形成、サンドイッチ状態の成形品を得る射出成形方法が開示されている。
この成形方法では、表面付近では長繊維が流れ方向に配向し、厚み方向の中心部付近では短繊維が流れと直角方向に配向するので、成形品の強度の低下率を小さくすることができる。(特許文献2参照)
しかしながら、予め繊維材をチョップドストランドして一定の配合比率で樹脂とドライブレンドし、ペレット化した樹脂材料を用いる前記従来の射出成形方法では、積層した各層毎に繊維材の配合比率が異なる成形品を得ることが困難であった。
また、成形品の表面付近に繊維が配向することから、特に長繊維材を含む場合や繊維材の配合率を高くした場合、表面性が低下して後加工や塗装が必要となるという問題を有していた。
特開昭63−315218号公報 特開平05−329886号公報
本発明は、上記した従来の射出成形方法や成形品の問題点に鑑みてなされたもので、積層した層毎に繊維材の配合率が異なるとともに、意匠面の表面性に優れた繊維強化樹脂の積層成形方法及び、積層成形品を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の繊維強化樹脂の積層成形方法は、繊維材を含む溶融樹脂を充填して基材層を成形する第1の射出装置と、繊維材を含む溶融樹脂を充填して表層を成形する第2の射出装置とを用い、繊維材で樹脂を強化するとともに、前記基材層に前記表層を積層する繊維強化樹脂の積層成形方法において、前記第1及び第2の射出装置に用いる樹脂成形材料が、積層成形品を成形する直前に所定量の、樹脂ペレットと、前記繊維材と、複数の添加剤とを混合手段により直接混ぜ合わせたもので、且つ前記基材層及び前記表層がそれぞれ異なる繊維材の配合率(重量含有率)とすることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の繊維強化樹脂の積層成形方法は請求項1に記載の発明において、基材層の充填後に表層を充填することを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の繊維強化樹脂の積層成形方法は請求項1に記載の発明において、表層と基材層とを略同時に充填することを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の繊維強化樹脂の積層成形方法は請求項1乃至請求項3の何れかに記載の発明において、前記表層を成形する繊維材の配合率(重量含有率)を、前記基材層を成形する繊維材の配合率(重量含有率)より小さい値としたとしたことを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の繊維強化樹脂の積層成形方法は請求項1乃至請求項4の何れかに記載の発明において、前記繊維材は、ガラス繊維、炭素繊維、有機繊維群の中から選択することを特徴とする。
本発明の請求項6に記載の繊維強化樹脂の積層成形方法は請求項1乃至請求項5の何れかに記載の発明において、前記繊維材の配合率(重量含有率)を、5〜60重量%としたことを特徴とする。
本発明の請求項7に記載の繊維強化樹脂の積層成形方法は請求項1乃至請求項6の何れかに記載の発明において、前記樹脂成形材料に用いる前記繊維材の長さを、繊維束径の5〜1000倍としたことを特徴とする。
本発明の請求項8に記載の繊維強化樹脂の積層成形方法は請求項1乃至請求項7の何れかに記載の発明において、前記樹脂成形材料に供給する前記複数の添加剤は、改質剤、着色剤、充填材、帯電防止剤、滑剤、安定剤、難燃剤、界面活性剤等の中から複数選択することを特徴とする。
本発明の請求項9に記載の繊維強化樹脂の積層成形品は、金型キャビティに基材層となる繊維材を含む溶融樹脂を充填、次いで、前記基材層の充填完了後に表層となる繊維材を含む溶融樹脂を充填して、基材層に表層を積層した積層成形品において、前記積層品の樹脂成形材料に、積層成形品を成形する直前に所定量の、樹脂ペレットと、繊維材と、複数の添加剤とを混合手段により直接混合したものを用い、前記基材層及び前記表層の前記樹脂成形材料をそれぞれ異なる繊維材の配合率(重量含有率)とし、前記表層を成形する繊維材の配合率(重量含有率)を、前記基材層を成形する繊維材の配合率(重量含有率)より小さい値としたことを特徴とする。
本発明の請求項10に記載の繊維強化樹脂の積層成形品は、金型キャビティに表層となる繊維材を含む溶融樹脂と、基材層となる繊維材を含む溶融樹脂とを略同時に充填して、基材層に表層を積層した積層成形品において、前記積層品の樹脂成形材料に、積層成形品を成形する直前に所定量の、樹脂ペレットと、繊維材と、複数の添加剤とを混合手段により直接混合したものを用い、前記基材層及び前記表層の前記樹脂成形材料をそれぞれ異なる繊維材の配合率(重量含有率)とし、前記表層を成形する繊維材の配合率(重量含有率)を、前記基材層を成形する繊維材の配合率(重量含有率)より小さい値としたことを特徴とする。
本発明の成形方法では成形直前に、基材層と表層とで異なる繊維材の配合率で樹脂と添加剤をダイレクトブレンドして混合した成形材料をそれぞれの射出装置に供給する構成としたので、繊維配合率の異なる樹脂層で積層した成形品を得ることができる。
樹脂成形材料はダイレクトブレンドとし、樹脂に繊維材をブレンドして含有するペレットの製造工程を省略したので、樹脂材料は熱履歴が少なく、また、繊維材の折損も少なく、成形品の品質が向上する。そして、ペレット製造のためのエネルギーが削減でき、成形品のコストを低減することができる。
剛性、表面性や変形(反り)を加味した成形品に最適な繊維材の配合率を任意に得ることができる。
本発明の成形方法に用いる射出成形装置の構成を説明する図面である。 本発明の成形方法により図1に示す可動型が後退して表層のキャビティを形成する金型を用いた成形工程を説明する図面である。 本発明の成形方法により可動型がスライドして表層のキャビティを形成する金型を用いた成形工程を説明する図面である。 本発明の成形方法により可動型が回転して表層のキャビティを形成する金型を用いた成形工程を説明する図面である。 表層と基材層を略同時に充填する成形工程を説明する図面である。
本実施の形態に係る繊維強化樹脂の積層成形方法に使用される成形装置100は、図1に示すように、射出装置10と金型20と射出装置10に成形材料を供給する材料供給装置30及び図示しない型締装置を備えて構成される。
射出装置10は、繊維材を含む溶融樹脂を充填して基材層を成形する第1の射出装置10Aと、繊維材を含む溶融樹脂を充填して表層を成形する第2の射出装置10Bとで構成される。金型20は型締装置の固定盤1に取り付けられた固定型21と可動盤2に取り付けられた可動型22とからなる。図1では、基材層(1層目)を成形した後に可動盤2を所望の寸法Sだけ後退させ、表層(2層目)を成形するためにキャビティ23の容積を拡大した状態を示している。
射出装置10A及び10Bは、バレル(11A、11B)、バレルに内装されスクリュフライトを有するスクリュ(12A、12B)、固定型21に当接して溶融樹脂をキャビティ23内に充填可能とするノズル(13A、13B)、バレル(11A、11B)内に樹脂成形材料を供給するホッパ(14A、14B)、そして、図示しないスクリュ(12A、12B)の回転駆動及び前進移動手段と、により要部が構成されている。
スクリュ(12A、12B)を回転駆動することにより、ホッパ(14A、14B)からペレット形状の樹脂がバレル(11A、11B)内に供給され、該供給された樹脂はスクリュの回転によって混練圧縮作用を受けて溶融し、スクリュ前方に送られ所定量が蓄えられる。
スクリュ前方に蓄えられた溶融樹脂は、スクリュ(12A、12B)を前進移動させることによりノズル(13A、13B)及び金型の樹脂流路を介して金型のキャビティ23へ供給することができる。
材料供給装置30A及び30Bは、樹脂ペレットを貯えるタンク(31A、31B)、樹脂ペレットを所定量計量する樹脂ペレット計量装置(32A、32B)、繊維材を所定量計量する繊維材の計量装置(33A、33B)、添加剤を所定量計量する添加剤の計量装置(34A、34B)、所定量に計量された樹脂ペレットと繊維材と添加剤とを混合して成形材料とする成形材料の混合装置(35A、35B)及びこれらの輸送手段で要部が構成される。
所望する配合率を設定することにより、所定量の各材料が混合装置(35A、35B)に供給され、所定量の配合率で撹拌して混合された成形材料をホッパ(14A、14B)に送り出すことができる。前述した材料供給装置30A及び30Bは、公知の機器類で構成することができ、前記それぞれの計量装置は高い精度で配合率を得ることのできる重量計測式を用いることが好ましい。また、混合装置には公知の撹拌式が好適に用いられる。
本発明に用いる樹脂の種類は、基材層と表層とが金型内において接合して一体化して成形されるように選定されればよく、一般的に射出成形で使用されている公知の熱可塑性樹脂材料を用いることができる。例えば、スチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂など、及びそのブレンド材料が挙げられる。
ここで、スチレン系樹脂としては、例えばアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)、ポリスチレン樹脂(一般用、体衝撃用、耐熱用など)等を挙げることができる。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン樹脂(高密度、中密度、低密度など)、ポリプロピレン樹脂(アイソタックチック、シンジオタクチックなど)などを挙げることができる。また、ポリエステル系樹脂では、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどが挙げられ、ポリアミド系樹脂としては、6−ナイロン、12−ナイロン等を挙げることができる。
本発明においては、前記熱可塑性樹脂を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いても良い。また、樹脂組成物は、使用樹脂材料の使用分野においてその目的を損なわない範囲で前記成分の他に、他の有機系高分子物質を添加して使用できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、またはその共重合体、ポリ塩化等のビニル系化合物、ポリブタジエン、ブチルゴム等のゴム状高分子物質、ポリアクリレート樹脂からなる変性材、熱可塑性ポリエステル樹脂からなる変性材等が挙げられる。
そして、これらの有機系高分子物質もまた、二種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明に用いる繊維材の種類は、ガラス繊維、炭素繊維、有機繊維群の中から選択されればよく、繊維材は、樹脂と繊維との親和性、接着性を高めるために表面処理剤で処理されることが好ましい。例えば、繊維材がガラス繊維の場合には、ガラス繊維は紡糸された直径が10〜100μのフィラメントを、100〜5000本の範囲で表面処理剤を含む集束剤で束ねて、ガラスチョッパーで繊維束径の5〜1000倍の長さに切断したチョップストランドが好適に用いられる。ここで、表面処理剤としては種々のものが知られているが、例えば、シラン系、チタネート系、エポキシ系などが挙げられる。
なお、チョップドストランドでの供給に替え、繊維束をロービングした状態で繊維材の計量装置(33A、33B)においてガラスチョッパーにより切断し、供給する構成であっても良い。
本発明に用いる繊維材の長さを繊維束径の5〜1000倍としたが、より好ましい範囲は10〜100のである。繊維の長さが繊維束径の5倍より小さいときは、所望する成形品の強度を得ることができず、1000倍より大きいときは樹脂の流動性や表面性への影響が大きい。
また、成形材料に占める繊維材の配合率(重量含有率)を5〜60重量%の範囲としたが、より好ましい範囲は20〜50重量%の範囲である。配合比率が5重量%以下の場合は所望する成形品の強度を得ることができず、60重量%より大きいときは樹脂の流動性や表面性への影響が大きい。そして、本発明においては基材層への繊維材の配合率を表層のそれよりも大きく設定している。
本発明に用いる添加剤の種類は、改質剤、着色剤、充填材、帯電防止剤、滑剤、安定剤、難燃剤、界面活性剤等の中から複数選択されればよい。さらに、タルク、クレー、ガラスビーズ等の無機充填剤を本発明の目的を損なわない範囲で、且つ、それぞれの使用目的に応じてその性質を損なわない範囲で添加しても良い。
添加剤の計量装置(34A、34B)へ添加剤を供給するときは、選択された複数の添加剤を予め所望の配合率で混合したものを用いる。
本発明の成形方法で使用する樹脂ペレット、繊維材、添加剤は、上記のように射出装置(10A、10B)のポッパ上部に設けたそれぞれの計量装置に供給される。そして、計量された所定量の樹脂ペレット、繊維材、添加剤を混合装置で混合して成形装置へ送り出す構成としたが、タンブラー装置等の混合手段を用いそれぞれ所定量の樹脂ペレット、繊維材、添加剤を投入して混合し、前記混合した樹脂成形材料を輸送して射出装置のホッパに供給する構成であっても良い。
本発明の繊維強化樹脂の積層成形方法では、成形材料を成形の直前にドライブレンドして成形装置へ供給する方法を用いたが、他の公知の樹脂と繊維材及び添加剤をドライブレンドする手段により成形装置へ供給される構成であっても良い。
図1により繊維強化樹脂の積層成形方法に用いる金型20の構成について説明する。図1に示す金型20は、キャビティ23の周囲を囲むようにシェアエッジ構造の嵌合部を有する固定型21と可動型22とからなり、可動型22を固定型21に対して前後進させることによって、可動型22と固定型21を嵌合部で嵌合したまま摺動できるように構成されている。そのため、可動型22を固定型21に対して後進させて、金型20を所望の寸法Sだけ型開き(コアバック)することで、キャビティ容積を拡大することができる。そして、固定型21にはノズル(13A、13B)とキャビティ23とを連通する樹脂流路が設けられている。
このような構成の金型を用いるので、金型を寸法Sだけ型開きした状態でキャビティ内に溶融樹脂を充填しても、該充填した溶融樹脂は漏れ出すことがない。
次に、図1に示す構成の金型を用いた成形工程について図2(a)、(b)に基づいて以下に説明する。
図2(a)は、可動型22と固定型21とが型閉じされ、基材層を成形する第1の射出装置10Aのスクリュ12Aが前進して基材層25が成形された状態を示している。基材層25を成形する際に表層のゲート部は、可動型22と固定型21の嵌合部で塞がれているので、射出充填された溶融樹脂が表層を成形する第2の射出装置10B側に逆流することがない。そして、第2の射出装置10Bには、表層を成形する所定量の溶融樹脂が蓄えられえている。
図2(b)は、所定の冷却時間の経過後に、基材層25を固定型21に残した状態で可動型22を所定の寸法Sほど型開きして金型キャビティを拡大、次いで、該拡大したキャビティに溶融樹脂を充填して表層26を基材層25と積層一体化した状態を示している。これにより基材層25に表層26が積層された積層成形品を得ることができる。
図2(a)、(b)に示すように、基材層25を固定型21側に固着させ、次いで型開きを行なって可動型22と基材層25との間に表層となるキャビティを形成、該形成したキャビティで表層26を成形して積層する構成としたが、基材層25を可動型22側に固着させ、次いで型開きを行なって固定型21と基材層25との間にキャビティを形成、該形成したキャビティで表層26を形成する構成であってよく、その場合は、溶融樹脂を充填できるようキャビティにゲートが配置されていればよい。
なお、図1に示す構成の金型では基材層25の成形後に、一旦金型を後退させて型開き状態として基材層25と可動型22のキャビティ面との間にキャビティイを形成したが、金型のキャビティ部に可動コアを配してキャビティ可変機構とし、基材層25の成形後に金型を閉じた状態で、油圧シリンダ等の駆動手段により可動コアを移動させて前記キャビティを形成する構成であっても良い。
図3(a)、(b)に基づいて、可動型がスライドして表層のキャビティを形成する金型を用いた実施の形態を説明する。
まず、図3(a)、(b)に示す金型50は、図示しない型締装置の固定盤に取り付けられた固定型51と、基材層用のキャビティと表層用のキャビティの二つのキャビティ面57、58とを有するスライド型52とで基本構成される。スライド型52は型締装置の図示しない可動盤に設けられスライド型52のスライド機構を有する中間盤3に取り付けられ、固定型51に対して接離自在となっている。
また、固定型51にはノズル(13A、13B)とキャビティとを連通する樹脂流路が設けられている。
可動型52の基材層用のキャビティ面58には基材層55を成形するときに表層を成形するゲートを塞ぐ突起物59が設けられている。このために、基材層55を成形する際に溶融樹脂が流路を介して第2の射出装置10Bへ逆流することがない。また、この突起物59によって基材層55に表層を成形するときの流路(孔)を設けるのである。
基材層用のキャビティと表層用のキャビティの二つのキャビティ面57、58とを可動型52に一体で設ける構成としたが、それぞれのキャビティが独立した型であり、該型同士を連結する構成であっても良い。
可動型がスライドする金型を用いた成形工程について図3(a)、(b)により以下説明する。
図3(a)は、可動型52と固定型51とが型閉じされ、基材層を成形する第1の射出装置10Aのスクリュ12Aが前進して基材層55が成形された状態を示している。基材層55を成形する際に表層のゲート部は、ゲートを塞ぐ突起物59で塞がれているので、射出充填された溶融樹脂が表層を成形する第2の射出装置10B側に逆流することがない。そして、第2の射出装置10Bには、表層を成形する所定量の溶融樹脂が蓄えられえている。
図3(b)は、所定の冷却時間の経過後に、基材層55を固定型51に残した状態で可動型52を所定の寸法型開きして可動型52を移動させる。次いで、可動型52を表層用のキャビティ57が固定型51と対向するようにスライド移動させ再び型閉を行い、表層用のキャビティ面58と基材層55との間に形成されたキャビティに表層56を成形した状態を示している。これにより、基材層55と表層56が積層されて一体化した積層成形品を得ることができる。表層56を成形するときに溶融樹脂は、基材層55に設けた流路(孔)を介してキャビティに充填されるのである。
所定の冷却時間の経過後に型開を行なって成形品を金型から取り出すここによって成形は完了する。前述した動作を繰り返すことで連続して成形品を得ることができる。
図4(a)、(b)に基づいて、可動型が回転して表層のキャビティを形成する金型を用いた実施の形態を説明する。
図4(a)、(b)に示す金型60は、図示しない型締装置の固定盤に取り付けられた固定型61と、同じく図示しない可動盤に係動して摺動自在に、且つ、成形装置の軸線を水平面、又は垂直面として回転自在に配された中間盤5に取り付けられたキャビティ容積の異なる複数の可動型、即ち、基材層成形用の可動型62及び表層成形用の可動型63とにより基本構成される。
そして、固定型61にはノズル(13A、13B)とキャビティとを連通する樹脂流路が設けられている。
符号6は、型開の状態で回転する中間盤5の回転中心であり、図においては紙面を水平面として回転する。
基材層成形用の可動型62のキャビティ面58には基材層65を成形するときに表層を成形するゲートを塞ぐ突起物69が設けられている。このために、基材層65を成形する際に溶融樹脂が流路を介して第2の射出装置10Bへ逆流することがない。また、突起物69によって基材層65に表層を成形するときの流路(孔)を設けるのである。そして、表層66を成形するときに溶融樹脂は、基材層65に設けた流路(孔)を介してキャビティに充填されるのである。
可動型が回転する金型を用いた成形工程について図4(a)、(b)により以下説明する。
図4(a)は、可動型62と固定型61とが型閉じされ基材層成形用のキャビティが形成され、基材層を成形する第1の射出装置10Aのスクリュ12Aが前進して基材層65が成形された状態を示している。基材層65を成形する際に表層のゲート部は、ゲートを塞ぐ突起物69で塞がれているので、射出充填された溶融樹脂が表層を成形する第2の射出装置10B側に逆流することがない。そして、第2の射出装置10Bには、表層を成形する所定量の溶融樹脂が蓄えられえている。
図4(b)は、所定の冷却時間の経過後に、基材層65を固定型61に残した状態で可動型52を所定の寸法型開きして中間盤5を回転させ、表層成形用の可動型62のキャビティ67が固定型61と対向するようにさせ再び型閉を行い、表層用のキャビティ面と基材層65との間に形成されたキャビティに表層66を成形した状態を示している。これにより、基材層65と表層66が積層されて一体化した積層成形品を得ることができる。
そして、所定の冷却時間の経過後に型開を行なって成形品を金型から取り出すここによって成形は完了する。前述した動作を繰り返すことで連続して成形品を得ることができる。
図5(a)、(b)に基づき表層と基材層とを略同時に充填する実施の形態について説明する。
図5(a)、(b)に示す金型70は、図示しない型締装置の固定盤に取り付けられた固定型71と、同じく図示しない可動盤に係動して摺動自在に取り付けられた可動型72により基本構成される。そして、固定型71にはノズル16とキャビティとを連通し、表層と基材層とが流動可能な樹脂流路が設けられている。
ノズル16は、2重構造で同心状に樹脂流路を配置して射出装置10A、10Bより送り出される溶融樹脂を金型キャビティ内へ略同時に充填することができる構成となっている。図に示すように、同時充填中は表層の溶融樹脂内を基材層の溶融樹脂が同心で流動する。
金型を閉じた状態で表層と基材層を略同時に充填してサンドイッチ構造の積層成形品を得る構成としたが、溶融樹脂を充填するときに樹脂の圧力で可動型を後退させ、充填完了後に再び金型を閉じる構成(射出圧縮成形)や、予め金型を所定の寸法開いて溶融樹脂を充填し、充填完了後に金型を閉じる構成(射出プレス成形)が用いられても良い。
そして、金型70は、嵌め込み部(インロー部)を有する半押し込み構造としたが、樹脂の充填に際して可動型を移動させることが無い場合は、嵌め込み部を有しない平押し構造が用いられても良い。
サンドイッチ構造の積層成形品を得る成形工程について図5(a)、(b)により以下説明する。
図5(a)は、可動型72と固定型71とが型閉じされて成形品のキャビティが形成され、表層76の溶融樹脂が基材層75の溶融樹脂に先行して充填され、次いで基材層75の溶融樹脂が表層76の溶融樹脂内に充填されている状態を示している。射出装置10A、10Bから送り出された溶融樹脂は混ざり合うことなく、ノズル16と固定型71の樹脂流路を介してキャビティに供給される。
図5(b)は、表層76及び基材層76の溶融樹樹脂が充填完了され、表層76の内部に基材層75を有するサンドイッチ構造の成形品が得られた状態を示している。そして、所定の冷却時間の経過後に型開を行なって成形品を金型から取り出すここによって成形は完了する。樹脂の計量動作と型閉じ動作及び射出動作を繰り返すことにより連続して成形品を得ることができる。
以上説明したように、従来の成形方法で得られる繊維強化樹脂の単層成形品は、成形品の表面部付近繊維が樹脂の流動方向に配向し、成形品の厚み方向の中心部分では厚み方向に配向する。したがって、必要な製品強度を得ることができない。このために、繊維を含む溶融樹脂を二層又は多層に積層することで成形品の強度を得ようとすると、成形品の表面性が低下するという問題を有していた。
本発明の成形方法では、成形品の剛性、表面性や変形(反り)を加味した最適な繊維配合率を任意に得ることができる。そして、積層する二層、即ち、表層と基材層それぞれに用いる樹脂成形材料の繊維配合率(重量含有率)を違える(表層の繊維材の含有量を基材層のそれよりも小さくする)ことにより強度と表面を平滑に改善した繊維強化樹脂の積層成形品を得ることができた。
10A 第1の射出装置
10B 第2の射出装置
23 金型キャビティ
25、55、65、75 基材層
26、56、66、76 表層
35A 混合手段

Claims (10)

  1. 繊維材を含む溶融樹脂を充填して基材層を成形する第1の射出装置と、繊維材を含む溶融樹脂を充填して表層を成形する第2の射出装置とを用い、繊維材で樹脂を強化するとともに、前記基材層に前記表層を積層する繊維強化樹脂の積層成形方法において、
    前記第1及び第2の射出装置に用いる樹脂成形材料が、積層成形品を成形する直前に所定量の、樹脂ペレットと、前記繊維材と、複数の添加剤とを混合手段により直接混ぜ合わせたもので、且つ前記基材層及び前記表層がそれぞれ異なる繊維材の配合率(重量含有率)とする繊維強化樹脂の積層成形方法。
  2. 前記基材層と表層とを成形するに際して、基材層の充填後に表層を充填する請求項1に記載の繊維強化樹脂の積層成形方法。
  3. 前記表層と基材層とを成形するに際して、基材層と表層を略同時に充填する請求項1に記載の繊維強化樹脂の積層成形方法。
  4. 前記表層を成形する繊維材の配合率(重量含有率)を、前記基材層を成形する繊維材の配合率(重量含有率)より小さい値とした請求項1乃至請求項3の何れかに記載の繊維強化樹脂の積層成形方法。
  5. 前記繊維材は、ガラス繊維、炭素繊維、有機繊維群の中から選択する請求項1乃至請求項4の何れかに記載の繊維強化樹脂の積層成形方法。
  6. 前記繊維材の配合率(重量含有率)を、5〜60重量%とした請求項1乃至請求項5の何れかに記載の繊維強化樹脂の積層成形方法。
  7. 前記樹脂成形材料に用いる前記繊維材の長さを、繊維束径の5〜1000倍とした請求項1乃至請求項6の何れかに記載の繊維強化樹脂の積層成形方法。
  8. 前記樹脂成形材料に供給する前記複数の添加剤は、改質剤、着色剤、充填材、帯電防止剤、滑剤、安定剤、難燃剤、界面活性剤等の中から複数選択する請求項1乃至請求項7の何れかに記載の繊維強化樹脂の積層成形方法。
  9. 金型キャビティに基材層となる繊維材を含む溶融樹脂を充填、次いで、前記基材層の充填完了後に表層となる繊維材を含む溶融樹脂を充填して、基材層に表層を積層した積層成形品において、
    前記積層品の樹脂成形材料に、積層成形品を成形する直前に所定量の、樹脂ペレットと、繊維材と、複数の添加剤とを混合手段により直接混合したものを用い、
    前記基材層及び表層の前記樹脂成形材料をそれぞれ異なる繊維材の配合比率(重量含有率)とし、前記表層を成形する繊維材の配合率(重量含有率)を、前記基材層を成形する繊維材の配合率(重量含有率)より小さい値とした繊維強化樹脂の積層成形品。
  10. 金型キャビティに表層となる繊維材を含む溶融樹脂と、基材層となる繊維材を含む溶融樹脂とを略同時に充填して、基材層に表層を積層した積層成形品において、
    前記積層品の樹脂成形材料に、積層成形品を成形する直前に所定量の、樹脂ペレットと、繊維材と、複数の添加剤とを混合手段により直接混合したものを用い、
    前記基材層及び前記表層の前記樹脂成形材料をそれぞれ異なる繊維材の配合比率(重量含有率)とし、前記表層を成形する繊維材の配合率(重量含有率)を、前記基材層を成形する繊維材の配合率(重量含有率)より小さい値とした繊維強化樹脂の積層成形品。
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