以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明する。尚、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
3.他の実施の形態
<1.第1の実施の形態>
[1−1.第1の実施の形態の概要]
まず、第1の実施の形態の概要を説明する。因みに、この概要を説明した後、本実施の形態の具体例の説明に移る。
図1において1は、情報処理装置を示す。この情報処理装置1は、画像を表示する表示部2を有している。またこの情報処理装置1は、表示部2の表示画面に対するタッチ位置を検知する位置検知部3を有している。さらにこの情報処理装置1は、位置検知部3により検知されたタッチ位置が移動したときの1本の軌跡を認識する軌跡認識部4を有している。
さらにこの情報処理装置1は、軌跡認識部4により認識された1本の軌跡に基づいて、表示部2に表示されている画像を拡大又は縮小する為の中心点と倍率とを設定する設定部5を有している。さらにこの情報処理装置1は、設定部5による設定に基づいて、表示部2に表示されている画像を拡大又は縮小させる制御部6を有している。
このような構成により、情報処理装置1は、タッチ位置が移動したときの1本の軌跡に基づいて、例えば、1本の指で軌跡を描くだけの簡易なタッチ操作(すなわちシングルタッチ)で、画像の拡大及び縮小を行うことができる。
またこの情報処理装置1が、撮像部7を有していてもよい。この場合、表示部2には、撮像部7により撮像された画像が表示される。また、設定部5は、軌跡認識部4により認識された1本の軌跡に基づいて、ズームイン又はズームアウトする為の中心点とズーム倍率とを設定する。
さらに制御部6は、設定部5による設定に基づいて、ズーム制御を行うことで、表示部2に表示されている画像を拡大又は縮小させる。
このような構成により、情報処理装置1は、タッチ位置が移動したときの1本の軌跡に基づいて、例えば、1本の指で軌跡を描くだけの簡易なタッチ操作(すなわちシングルタッチ)で、ズームイン又はズームアウトを行うこともできる。
このような構成でなる情報処理装置1の具体例について、以下、詳しく説明する。
[1−2.DSC(デジタルスチルカメラ)の外観構成]
次に、図2(A)及び(B)を用いて、上述した情報処理装置1の具体例であるDSC100の外観構成について説明する。
DSC100は、片手で把持し得る程度の大きさでなる略扁平矩形状の筐体101を有している。この筐体101の前面101Aには、その上部に撮影レンズ102、AF(Auto Focus)イルミネータ103、フラッシュ104が設けられている。AFイルミネータ103は、セルフタイマランプも兼ねている。
さらに前面101Aには、上下にスライド可能なレンズカバー105が取り付けられている。レンズカバー105は、下方にスライドさせられると撮影レンズ102、AFイルミネータ103、フラッシュ104を露出させる一方で、上方にスライドさせられると、これらを覆うことで保護するようになっている。
尚、DSC100は、レンズカバー105が下方にスライドさせられると、自動的に電源オンするようにもなっている。
また筐体101の上面101Bには、シャッタボタン106、再生ボタン107及び電源ボタン108が設けられている。さらに筐体101の背面101Cには、タッチスクリーン109が設けられている。
再生ボタン107は、DSC100の動作モードを、撮影した画像をタッチスクリーン109に表示する再生モードに切り替える為のハードウェアキーである。またタッチスクリーン109は、タッチ操作が可能な表示デバイスである。
DSC100は、レンズカバー105が下方にスライドさせられると、もしくは電源ボタン108が押下されると、電源オンして、撮影モードで起動する。
するとDSC100は、撮影レンズ102を介して撮像した画像をモニタリング画像としてタッチスクリーン109に表示する。またDSC100は、タッチスクリーン109に対するタッチ操作に応じてズームを行う。そしてDSC100は、シャッタボタン106が押下されると、画像を記録する。
またDSC100は、再生ボタン107が押下されると、再生モードに切り換わる。するとDSC100は、記録した画像のうちの例えば1つをタッチスクリーン109に表示する。そしてDSC100は、タッチスクリーン109に対するタッチ操作に応じて、表示する画像を切り替える。
[1−3.DSC(デジタルスチルカメラ)のハードウェア構成]
次に図3を用いて、DSC100のハードウェア構成について説明する。DSC100は、CPU110が、プログラムROM111に書き込まれたプログラムをRAM112にロードして実行することで各種処理を実行すると共に、タッチパネル113や操作部114からの入力信号に応じて各部を制御する。因みに、CPUは、Central Processing Unitの略である。また、ROMは、Read Only Memoryの略、RAMは、Random Access Memoryの略である。
タッチパネル113は、液晶パネル115と共に上述したタッチスクリーン109を構成するデバイスであり、タッチパネル113上の任意の位置が指でタッチされると、タッチされた位置(すなわちタッチ位置)の座標を検知する。そしてタッチパネル113は、このタッチ位置の座標を示す入力信号をCPU110に送る。
尚、タッチパネル113は、ドラッグされているときなど、タッチされ続けている間は、一定時間ごとに、タッチ位置の座標を示す入力信号をCPU110に送るようになっている。
CPU110は、タッチパネル113から送られてくる入力信号からタッチ位置の座標を取得すると、この座標を液晶パネル115の画面座標に変換することで、液晶パネル115の画面上のどの位置がタッチされたのかを認識する。
またCPU110は、一定時間ごとに送られてくる入力信号より取得したタッチ位置の座標を、順次液晶パネル115の画面座標に変換していくことで、タッチ位置がどのように動いたのか(すなわちタッチ位置の軌跡)を認識する。
そしてCPU110は、このようにして認識したタッチ位置とその軌跡とに基づいて、画面上のどの位置に対して、どのようなタッチ操作が行われたのかを判別する。
操作部114は、上述したシャッタボタン106、再生ボタン107及び電源ボタン108などからなるデバイスであり、これらの操作に応じた入力信号をCPU110に送る。
CPU110は、操作部114から送られてくる入力信号に基づいて、シャッタボタン106、再生ボタン107及び電源ボタン108のどれが操作されたかを判別する。
実際、CPU110は、操作部114の電源ボタン108が押下されて電源オンすると、又はタッチパネル113に対するタッチ操作により動作モードを撮影モードに切り替えるよう指示されると、撮影モードで動作する。
このときCPU110は、モータドライバ116を制御して、アクチュエータ117を駆動させることで、上述した撮影レンズ102やAFイルミネータ103などからなるレンズ部118を、DSC100の筐体101から露出させる。またCPU110は、アクチュエータ117を駆動させることで、レンズ部118の絞りを調整したり、光学ズームのズーム倍率を変更したり、フォーカスレンズを移動させたりする。
またこのときCPU110は、タイミングジェネレータ119を制御して、タイミング信号をCCD(Charge Coupled Device)などでなる撮像素子120に供給する。撮像素子120は、このタイミング信号に基づいて動作することにより、レンズ部118を介して取り込まれた被写体からの光を電気信号に変換(すなわち光電変換)して、これをアナログ信号処理部121に送る。
アナログ信号処理部121は、CPU110の制御のもと、この電気信号に対してアナログ信号処理(増幅等)を施すことでアナログ画像信号を得、これをアナログデジタル変換部(これをA/D変換部とも呼ぶ)122に送る。
A/D変換部122は、CPU110の制御のもと、送られてきたアナログ画像信号をアナログデジタル変換(A/D変換)することでデジタル画像信号を得、これをデジタル信号処理部123に送る。
デジタル信号処理部123は、CPU110の制御のもと、送られてきたデジタル画像信号に対してデジタル信号処理(ノイズ除去等)を施した後、液晶パネル115に送る。この結果、液晶パネル115には、被写体の画像がモニタリング画像として表示される。このようにしてDSC100は、撮影者に被写体を確認させる。
またこのとき、デジタル信号処理部123は、CPU110の制御のもと、ボタンやアイコンなどのグラフィックス信号を生成して、これをデジタル画像信号に重畳する。この結果、液晶パネル116には、モニタリング画像と共に、ボタンやアイコンなどが表示される。
さらにこのとき、タッチパネル113に対するタッチ操作によりズームイン又はズームアウトが指示されたとする。すると、CPU110は、この指示に応じてズームイン又はズームアウトを行う。
ここで、CPU110は、レンズ部118を制御することで光学ズームのズーム倍率を制御でき、またデジタル信号処理部123を制御することでデジタルズームのズーム倍率を制御できるようになっている。
すなわち、CPU110は、ズームイン又はズームアウトの指示に応じて、光学ズーム及びデジタルズームのズーム倍率を制御することで、ズームイン又はズームアウトを行うようになっている。
この結果、液晶パネル116に表示されているモニタリング画像が拡大(ズームイン)又は縮小(ズームアウト)される。
またここで、操作部114のシャッタボタン106が押下されたとする。するとCPU110は、この操作に応じて、画像を記録する。
このときデジタル信号処理部123は、CPU110の制御のもと、A/D変換部122から送られてきたデジタル画像信号を、例えば、JPEGなどの圧縮伸長フォーマットで圧縮することで、圧縮画像データを生成する。因みに、JPEGとは、Joint Photographic Experts Groupの略である。
CPU110は、デジタル信号処理部123で生成された圧縮画像データに、ファイルヘッダなどを付与することで画像ファイルを生成する。
そしてCPU110は、この画像ファイルを記録デバイス124に記録する。このようにしてCPU110は、画像を記録する。
因みに、記録デバイス124は、例えば数ギガバイト〜数十ギガバイト程度の不揮発性メモリであり、DSC100に予め内蔵された記録媒体であってもよいし、メモリカードのようにDSC100に着脱可能な記録媒体であってもよい。
またDSC100は、記録デバイス124とは別に、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)125を有している。CPU110は、このEEPROM125に、ユーザにより設定された各種情報など、電源オフ後も保持する必要がある情報を記憶させるようになっている。
また一方で、操作部114の再生ボタン108が押下されると、又はタッチパネル113に対するタッチ操作により動作モードを再生モードに切り替えるよう指示されると、CPU110は、再生モードで動作する。
このときCPU110は、例えば、記録デバイス124に記録されている画像ファイルのうちの1つ(例えば撮影日時が最も新しい画像ファイル)を読み出し、この画像ファイルから圧縮画像データを抽出して、デジタル信号処理部123に送る。
デジタル信号処理部123は、CPU110の制御のもと、送られてきた圧縮画像データを伸長することにより圧縮前のデジタル画像信号を得、これを液晶パネル115に送る。この結果、液晶パネル115には、再生された画像(これを再生画像とも呼ぶ)が表示される。
またこのとき、デジタル信号処理部123は、CPU110の制御のもと、ボタンやアイコンなどのグラフィックス信号を生成して、これをデジタル画像信号に重畳する。この結果、液晶パネル116には、再生画像と共に、ボタンやアイコンなどが表示される。
さらにこのとき、タッチパネル113に対するタッチ操作により再生画像の拡大又は縮小が指示されたとする。すると、CPU110は、この指示に応じてデジタル信号処理部123を制御することにより、液晶パネル116に表示させている再生画像を拡大又は縮小させる。
またここで、タッチパネル113に対するタッチ操作により再生画像の切り替えが指示されたとする。すると、CPU110は、この指示に応じて、現在表示させている再生画像よりも撮影日時が新しい又は古い画像ファイルを読み出し、この画像ファイルから圧縮画像データを抽出して、デジタル信号処理部123に送る。この結果、液晶パネル115に表示されていた再生画像が切り替わる。このようにしてCPU110は、画像を再生する。
尚、このDSC100のレンズ部118及び撮像素子120が、上述した情報処理装置1の撮像部6に相当するハードウェアである。またDSC100の液晶パネル115が、情報処理装置1の表示部2に相当するハードウェアである。さらにDSC100のタッチパネル113が、情報処理装置1の位置検知部3に相当するハードウェアである。さらにDSC100のCPU110が、情報処理装置1の軌跡認識部4、設定部5、制御部6に相当するハードウェアである。
ところで、このDSC100は、上述したように撮影モード時に、タッチスクリーン109に対するタッチ操作によりズームを行うことができるようになっている。
また、このDSC100は、再生モード時に、タッチスクリーン109に対するタッチ操作により再生画像の拡大又は縮小を行うことができるようになっている。
以下、このようなズーム(拡大/縮小)に対応するタッチ操作(これをズーム操作とも呼ぶ)について、詳しく説明する。
[1−4.ズーム(拡大/縮小)操作]
撮影モードでのズーム操作も、再生モードでの拡大/縮小操作も、同様のタッチ操作であるので、ここでは、撮影モードでのズーム操作を主に説明する。
CPU110は、撮影モードに切り替わると、図4に示すように、タッチスクリーン109にモニタリング画像Mpを表示させる。
ここで、CPU110は、図5及び図6に示すように、タッチスクリーン109に対して、モニタリング画像Mp上で円を描くよう1本の指を移動させるタッチ操作が行われると、このタッチ操作をズーム操作と判別して、ズームを行う。
このとき、CPU110は、例えば、時計回りに円が描かれると、この円の中心点がズームの中心となるようにして、一周当り2倍のズーム倍率でズームインする。この結果、タッチスクリーン109に表示されているモニタリング画像Mpが、描かれた円の中心点を中心に拡大される。
また一方で、反時計回りに円が描かれると、CPU110は、この円の中心点がズームの中心となるようにして、一周当り1/2倍のズーム倍率でズームアウトする。この結果、タッチスクリーン109に表示されているモニタリング画像Mpが、描かれた円の中心点を中心に縮小される。
具体的に、CPU110は、タッチスクリーン109から一定時間(例えば数msec)ごとに送られてくる入力信号より取得したタッチ位置の座標を、順次画面座標に変換していくことで、タッチ位置が移動したときの軌跡を認識する。
尚、CPU110は、所定時間(例えば数百msec)ごとに、当該所定時間内に取得したタッチ位置の座標をもとに、タッチ位置の軌跡を認識するようになっている。
ここで、図7に示すように、認識したタッチ位置の軌跡(すなわちモニタリング画像Mp上での指の軌跡)が円弧である場合に、CPU110は、このときのタッチ操作をズーム操作と判別する。
すなわち、CPU110は、この軌跡上の3点(例えば、始点及び終点と、これらの間の1点)の画面座標A、B、Cが一直線上に位置しなければ、この軌跡が円弧であり、このときのタッチ操作がズーム操作であると判別するようになっている。
そしてCPU110は、この円弧上の3点の画面座標A、B、Cをもとに、この3点を通る円(つまりこの円弧を一部とする円)の中心点の画面座標Xと半径Rとを算出する。ここで、CPU110は、算出した円の中心点の画面座標Xを、ズームの中心点に設定する。尚、このズームの中心点は、円の中心点が移動しない限り、画面座標Xに固定される。
さらにCPU110は、この3点の画面座標A、B、Cと、先に算出した半径Rとから、円弧の中心角Wを算出する。この中心角Wが、円弧を一部とする円の円周に対する、描かれた量(すなわち指の移動量又は円弧の長さ)の割合を表す。例えば、この中心角Wが90度であれば、描かれた円弧の長さは、円の円周(360度)の4分の1であることを意味する。
さらにCPU110は、この3点の画面座標A、B、Cをもとに、この円弧の描かれた方向(つまり時計回りに描かれたのか、反時計回りに描かれたのか)を判別する。
そしてCPU110は、円弧の描かれた方向と中心角とから、ズームの種別(ズームイン又はズームアウト)と、ズーム倍率を設定する。
例えば、円弧の描かれた向きが時計回りで、円弧の中心角が90度であるとすると、CPU110は、ズームの種別をズームイン、ズーム倍率を1.25倍に設定する。また、例えば、円弧の描かれた向きが反時計回りで、円弧の中心角が180度であるとすると、CPU110は、ズームの種別をズームアウト、ズーム倍率を、0.75倍に設定する。
そしてCPU110は、設定した、ズームの中心点となる画面座標X、ズームの種別、ズーム倍率に基づいて、ズームを行う。尚、この場合、光学ズームとデジタルズームのどちらか一方を用いるようにしてもよいし、光学ズームとデジタルズームの両方を用いるようにしてもよい。
例えば、モニタリング画像Mpの中心点をズームの中心点に設定した場合には光学ズームを用いるようにして、ズームの中心点がモニタリング画像Mpの中心点からずれている場合にはデジタルズームを用いるようにすればよい。
このように、CPU110は、タッチ位置の軌跡から算出される、描かれた円の中心点と、描かれた量と、描かれた方向とに基づいて、ズームの中心点となる画面座標Xと、ズームの種別と、ズーム倍率とを設定して、ズームを行うようになっている。
この結果、図5及び図6に示すように、タッチスクリーン109に表示されているモニタリング画像Mpが、ズームの中心点として設定された画面座標Xを中心に拡大又は縮小される。
このようにして、CPU110は、モニタリング画像Mp上で円を描くよう指を移動させるタッチ操作が行われたときのタッチ位置の軌跡(すなわちモニタリング画像Mp上での指の軌跡)に基づいて、ズームを行うようになっている。
さらにCPU110は、このようなタッチ操作が行われ続けている間(すなわち円を描くよう指が移動させられ続けている間)、所定時間ごとに、タッチ位置の軌跡を認識して、認識したタッチ位置の軌跡に基づいて、ズームを行っていく。
この結果、タッチスクリーン109に表示されているモニタリング画像Mpが、モニタリング画像Mp上での指の軌跡に基づいて、ズームの中心点とズーム倍率とをほぼリアルタイムに変化させながら拡大又は縮小される。
例えば、同心円を時計回りに1周分描くよう指が移動させられ続けたとすると、モニタリング画像Mpは、描かれた円の中心点を中心に、例えば、1倍から1.25倍、1,5倍、1.75倍、2倍へと徐々に拡大されていく。
またこのときCPU110は、所定時間ごとにタッチ位置の軌跡を認識するようになっている為、円が描かれる速度(すなわち指の移動速度)が速くなるほど、ズーム倍率の変化を大きくするようにもなっている。
また一方で、例えば、円の中心点をずらしながら円を描くよう指が移動させられ続けたとすると、モニタリング画像Mpは、ズームの中心点を移動させながら拡大又は縮小されていく。
このようにして、CPU110は、撮影モード時に、タッチスクリーン109に対する円を描くよう指を移動させるタッチ操作に応じて、ズームを行うようになっている。
ここまで説明したように、DSC100は、タッチスクリーン109上の1本の指によるタッチ位置の軌跡を認識し、この軌跡が円である場合に、モニタリング画像Mp上で円を描くよう1本の指を移動させるタッチ操作が行われたと判別する。
そしてDSC100は、認識したタッチ位置の軌跡(すなわち指の軌跡)から算出した、描かれた円の中心点と、描かれた量と、描かれた方向とに基づいて、ズームの中心点と、ズームの種別と、ズーム倍率とを設定して、ズームを行うようにした。
これにより、DSC100は、1本の指でモニタリング画像Mpの所望部分を中心とする円を描くだけの簡易なタッチ操作で、ユーザにズームの中心点とズームの種別とズーム倍率とを指定させてズームを行うことができる。
また同様にして、DSC100のCPU110は、再生モード時も、タッチスクリーン109に対する円を描くよう1本の指を移動させるタッチ操作に応じて、タッチスクリーン109に表示させている再生画像の拡大又は縮小を行うようになっている。
すなわちCPU110は、再生モードに切り替わると、タッチスクリーン109に再生画像を表示させる。
ここで、CPU110は、タッチスクリーン109上のタッチ位置の軌跡を認識して、この軌跡が円弧である場合に、再生画像上で円を描くよう1本の指を移動させるタッチ操作、すなわち拡大/縮小操作が行われたと判別する。
そしてCPU110は、認識したタッチ位置の軌跡から算出した、描かれた円の中心点と、描かれた量と、描かれた方向とに基づいて、拡大/縮小の中心点と、拡大するか縮小するかと、拡大/縮小率とを設定して、表示画像の拡大又は縮小を行う。
これにより、DSC100は、1本の指で表示画像の所望部分を中心とする円を描くだけの簡易なタッチ操作で、ユーザに拡大/縮小の中心点と、拡大するか縮小するかと、拡大/縮小率とを指定させて表示画像の拡大又は縮小を行うことができる。
[1−5.ズーム処理手順]
次に、上述したタッチ操作に応じてズームを行うときの処理手順(これをズーム処理手順とも呼ぶ)について、図8に示すフローチャートを用いて説明する。
因みに、このズーム処理手順RT1は、DSC100のCPU110が、プログラムROM111に書き込まれているプログラムに従って実行する処理手順である。
尚、表示画像の拡大/縮小を行うときの処理手順については、ズーム処理手順RT1と同様の処理手順である為、ここではその説明を省略する。
CPU110は、撮影モードに切り替わると、タッチスクリーン109にモニタリング画像Mpを表示させると共に、このズーム処理手順RT1を開始して、ステップSP1に移る。
ステップSP1においてCPU110は、タッチスクリーン109から送られてくる入力信号に基づいて、タッチスクリーン109がタッチされるのを待ち受ける。
タッチスクリーン109がユーザの指でタッチされたことにより、このステップSP1で肯定結果を得ると、CPU110は、次のステップSP2に移る。
ステップSP2においてCPU110は、タッチスクリーン109から一定時間ごとに送られてくる入力信号より取得したタッチ位置の座標をもとに、タッチ位置の軌跡を認識して、この軌跡上の3点の画面座標A、B、Cを取得する。
このようにして軌跡上の3点の画面座標A、B、Cを取得した後、CPU110は、次のステップSP3に移る。
ステップSP3においてCPU110は、軌跡上の3点の画面座標A、B、Cの位置関係に基づいて、この軌跡が円弧であるか否かを判別する。
このステップSP3で肯定結果を得ると、このことは、軌跡が円弧であること、すなわちズーム操作が行われたことを意味する。このときCPU110は、ステップSP4に移る。
ステップSP4においてCPU110は、軌跡上の3点の画面座標A、B、Cをもとに、ズームの中心点となる画面座標Xと、ズームの種別と、ズーム倍率とを設定して、次のステップSP5に移る。
ステップSP5においてCPU110は、ステップSP4で設定したズームの中心点と、ズームの種別と、ズーム倍率とに応じたズームを行った後、再びステップSP1に戻る。
一方、上述のステップSP3で否定結果を得ると、このことは、軌跡が円弧ではなく、例えば直線であること、すなわちズーム操作が行われていないことを意味する。このときCPU110は、再びステップSP1に戻る。
このようなズーム処理手順RT1により、DSC100は、ズームを行うようになっている。
[1−6.動作及び効果]
以上の構成において、DSC100は、撮影モードに切り替わると、タッチスクリーン109にモニタリング画像Mpを表示させる。
ここで、タッチスクリーン109に対する1本の指によるタッチ操作が行われると、DSC100は、タッチ位置の軌跡を認識する。
さらにDSC100は、この軌跡が円である場合に、モニタリング画像Mp上で円を描くよう1本の指を移動させるズーム操作が行われたと判別する。
そしてDSC100は、このタッチ位置の軌跡(すなわち指の軌跡)から算出した、描かれた円の中心点と描かれた量と描かれた方向とに基づいて、ズームの中心点とズームの種別とズーム倍率とを設定して、ズームを行う。
これにより、DSC100は、1本の指でモニタリング画像Mpの所望部分を中心とする円を描くだけの簡易なタッチ操作で、ユーザにズームの中心点とズームの種別とズーム倍率とを指定させてズームを行うことができる。
またDSC100は、再生モードに切り替わると、タッチスクリーン109に再生画像を表示させる。
そしてDSC100は、撮影モード時と同様、再生画像上で円を描くよう指を移動させる拡大/縮小操作が行われると、これに応じて、拡大/縮小の中心点と、拡大するか縮小するかと、拡大/縮小率とを設定して、表示画像の拡大又は縮小を行う。
これにより、DSC100は、1本の指で表示画像の所望部分を中心とする円を描くだけの簡易なタッチ操作で、ユーザに拡大/縮小の中心点と、拡大するか縮小するかと、拡大/縮小率とを指定させて表示画像の拡大又は縮小を行うことができる。
このように、DSC100は、1本の指で円を描くだけの簡易なタッチ操作、すなわち簡易なシングルタッチで、ズーム操作及び拡大/縮小操作を実現することができる。
これにより、DSC100は、ピンチイン、ピンチアウトなどのマルチタッチで拡大/縮小操作を行う場合と比して、拡大/縮小操作時の操作性を一段と向上させることができる。
またこのようにシングルタッチでズーム操作及び拡大/縮小操作を実現することができるので、DSC100は、マルチタッチ対応のタッチスクリーンを必要としない。またズーム操作及び拡大/縮小操作を行う為のハードウェアキーも必要としない。
したがって、DSC100は、マルチタッチ対応のタッチスクリーンや、ズーム操作及び拡大/縮小操作を行う為のハードウェアキーを有する場合と比して、構成を簡略化することができる。
さらにDSC100は、1回のタッチ操作で、描かれた円の中心点と描かれた量と描かれた方向とをもとに、ズームの中心点とズームの種別とズーム倍率とを設定するようにした。
これにより、DSC100は、例えば、1回目のタッチ操作でズームの中心点を指定した後、2回目のタッチ操作でズーム倍率を指定するような複数回のタッチ操作を必要とせず、1回のタッチ操作で任意の部分を中心に拡大/縮小することができる。
以上の構成によれば、DSC100は、1本の指で円を描くだけの簡易なタッチ操作(すなわちシングルタッチ)で、画像の拡大及び縮小を行うことができるので、拡大/縮小操作時の操作性を一段と向上させることができる。
<2.第2の実施の形態>
次に第2の実施の形態について説明する。上述した第1の実施の形態では、円を描くよう指が移動させられたときの、描かれた量(すなわち円弧の長さ)に応じて、ズーム倍率を設定するようにした。
これに対して、この第2の実施の形態では、描かれた量ではなく、描かれた円の大きさに応じて、ズーム倍率を設定するようになっている。
尚、DSC100の構成については、第1の実施の形態と同様であるので、第1の実施の形態を参照とする。ゆえに、ここでは、ズームの仕方についてのみ説明する。
CPU110は、撮影モードに切り替わると、第1の実施の形態と同様、図4に示すように、タッチスクリーン109にモニタリング画像Mpを表示させる。
ここで、CPU110は、図9及び図10に示すように、タッチスクリーン109に対して、モニタリング画像Mp上で時計回りに円を描くよう指を移動させるタッチ操作が行われると、ズームインする。
このとき、CPU110は、表示させているモニタリング画像Mp内の、描かれた円の内側となる部分がタッチスクリーン109の表示領域に目一杯表示されるようにズームインする。
この結果、タッチスクリーン109に表示されているモニタリング画像Mpは、描かれた円の内側となる部分がタッチスクリーン109の表示領域に目一杯に表示されるように拡大される。
具体的に、CPU110は、タッチ位置の軌跡から、描かれた円の中心点の画面座標Xと半径Rと算出する。ここで、CPU110は、算出した円の中心点の画面座標Xをズームの中心点とする。
さらにCPU110は、このようにして算出した円の中心点の画面座標Xと半径Rとから、モニタリング画像Mp内の、描かれた円の内側となる部分を特定する。
そしてCPU110は、描かれた円の半径Rと、タッチスクリーン109の表示領域のサイズとをもとに、描かれた円の内側となる部分が、表示領域一杯に拡大されるようにズーム倍率を設定して、ズームインする。
この場合、CPU110は、図9及び図10に示すように、描かれる円の半径Rが大きいほどズーム倍率を小さく、描かれる円の半径Rが小さいほどズーム倍率を大きくするようになっている。
よって、ユーザは、例えば図11に示すように、描く円の大きさを徐々に小さくしていくことで、拡大させたい部分を絞り込みながら徐々にズームインさせるようなこともできる。
例えば、ユーザが、モニタリング画像Mp内の中央の女の子の顔に注目しているとする。ここで、ユーザは、まず、図11(A)に示すように、この女の子の顔とそれ以外の部分とを囲む大きめの円を描くことで、この女の子の顔を含む大まかな部分を拡大させる。
さらにユーザは、図11(B)及び(C)に示すように、描く円を小さくしながら、描く円の中心がこの女の子の顔の中心となるように描く円の中心をずらしていく。
この結果、最終的に、図11(D)に示すように、この女の子の顔が表示領域に目一杯拡大されて表示される。
ここまで説明したように、DSC100は、タッチスクリーン109に対して、モニタリング画像Mp上で時計回りに円を描くよう指を移動させるタッチ操作が行われると、ズームイン操作が行われたと判別する。
そしてDSC100は、モニタリング画像Mp内の、描かれた円の内側となる部分が、タッチスクリーン109の表示領域に目一杯表示されるようにズームインするようにした。
これにより、DSC100は、モニタリング画像Mpの所望部分を囲む円を描くだけの簡易なタッチ操作で、この所望部分がタッチスクリーン109の表示領域に目一杯表示されるようズームインすることができる。
尚、ここでは、ズームインする場合についてのみ説明したが、ズームアウトについては、第1の実施の形態と同様であり、その説明は省略する。
また、DSC100は、再生モード時でも、撮影モード時でのズームインと同様にして、表示画像の所望部分がタッチスクリーン109の表示領域に目一杯表示されるよう拡大することができる。
さらにズーム処理手順については、第1の実施の形態のズーム処理手順RT1のステップSP4で行うズームの設定を、この第2の実施の形態で説明した設定に変えるようにすればよい。
すなわち、ステップSP4においてCPU110が、描かれた円の中心点の画面座標Xと半径Rとタッチスクリーン109の表示領域のサイズとをもとに、ズームの中心点とズーム倍率とを設定するようにすればよい。
<3.他の実施の形態>
[3−1.他の実施の形態1]
尚、上述した第1及び第2の実施の形態では、再生モード時に、時計回りに円を描くよう指を移動させるタッチ操作が行われると、DSC100のCPU110が、タッチスクリーン109に表示させている再生画像を拡大するようにした。
このとき、図12に示すように、表示させている再生画像Sp内の、描かれた円の外側の部分はそのままに、描かれた円の内側となる部分だけを拡大するようにしてもよい。
具体的に、CPU110は、時計回りに円を描くよう指を移動させるタッチ操作が行われると、再生画像Sp内の、描かれた円の内側となる部分を特定する。
そしてCPU110は、この描かれた円の内側となる部分を、描かれた円の中心点となる画面座標Xを中心に、描かれた量に応じた拡大率で拡大する。さらにCPU110は、拡大した部分の画像から、円外にはみ出てしまう部分をトリミングする。
この結果、タッチスクリーン109に表示されている再生画像Sp内の、描かれた円の内側の部分だけが、描かれた円の中心点を中心に、この円内に拡大表示される。
また例えば、DSC100のタッチスクリーン109がマルチタッチ対応であり、図13に示すように、例えば、同時に2個の円を描くよう2本の指を移動させるタッチ操作が行われたとする。
この場合、CPU110は、2個の円の外側の部分はそのままに、同時に描かれた2個の円のそれぞれの内側となる部分を拡大するようにしてもよい。
またこれに限らず、複数の円が順に描かれた場合には、順に描かれた複数の円のそれぞれの内側となる部分を順に拡大していくようにしてもよい。
[3−2.他の実施の形態2]
また上述した第1及び第2の実施の形態では、円を描くよう指を移動させるタッチ操作が行われると、このタッチ操作をズーム操作と判別して、ズームを行うようにした。
これに限らず、図14に示すように、CPU110が、モニタリング画像Mp上で指を軽く払うタッチ操作(フリック)が行われたことを、指の軌跡から判別すると、ズームイン操作が行われたと認識してズームインするようにしてもよい。
具体的にCPU110は、フリックの軌跡を認識して、フリックの始点となる画面座標Xをズームの中心点に設定すると共に、フリックの速度(指の移動速度)に応じてズーム倍率を設定する。
このときCPU110は、例えば、フリックの速度が速いほど、ズーム倍率が高くなるようにズーム倍率を設定する。
これにより、DSC100は、モニタリング画像Mp上の所望部分を始点として、任意の速度でフリックを行うだけの簡易なタッチ操作で、ユーザにズームの中心点とズーム倍率とを指定させてズームインすることができる。
尚、DSC100は、再生モード時でも、撮影モード時でのズームインと同様のフリックを行わせることで、表示画像を拡大することができる。
さらに円に限らず、例えば、三角形、四角形などの図形を描くよう指を移動させるタッチ操作をズーム操作と判別して、ズームを行うようにしてもよい。この場合も、CPU110は、円の場合と同様に、このタッチ位置の軌跡(すなわち指の軌跡)から図形の中心点と描かれた量と描かれた方向とを算出して、これらをもとに、ズームの中心点とズームの種別とズーム倍率とを設定して、ズームを行う。ただし、三角形などのように、描かれている途中で中心点を算出することが困難な図形の場合には、この中心点を1つの閉じた図形が描かれた時点で算出するなどすればよい。
[3−3.他の実施の形態3]
さらに上述した第1の実施の形態では、CPU110が、所定時間ごとに、描かれた円弧の長さに応じたズーム倍率で、ズームを行うようにした。
これに限らず、CPU110が、描かれた円弧の長さが例えば円周の1/4に達するごとに、1周分のズーム倍率/4のズーム倍率でズームを行うようにしてもよい。
また、描かれた円弧の長さが例えば円周に達するごとに、つまり1つの円が描かれるごとに、1周分のズーム倍率でズームを行うようにしてもよい。
こうすることで、所定の長さの円弧を描くまでズームを行わないように制御することが可能となり、例えば、タッチスクリーン109が誤ってタッチされたときにズームしてしまうような誤動作を防止することができる。
またこれに限らず、描かれた円弧の長さによらず、円弧を描く速度に応じてズーム倍率を設定するようにしてもよい。
[3−4.他の実施の形態4]
さらに上述した実施の形態では、情報処理装置としてのDSC100に、撮像部としてのレンズ部118及び撮像素子120を設けるようにした。またこのDSC100に、表示部としての液晶パネル115を設けるようにした。さらにこのDSC100に位置検知部としてのタッチパネル113を設けるようにした。さらにこのDSC100に軌跡認識部、設定部、制御部としてのCPU110を設けるようにした。
本発明はこれに限らず、同様の機能を有するのであれば、上述したDSC100の各機能部を、他の種々のハードウェアもしくはソフトウェアにより構成するようにしてもよい。例えば、DSC100に、液晶パネル115とタッチパネル113とで構成されるタッチスクリーン109の代わりに、タッチパネル機能を有する液晶パネルを設けるなどしてもよい。また液晶パネル115の代わりに有機EL(Electro-Luminescence)などの他の表示デバイスを設けるようにしてもよい。
さらに上述した実施の形態では、DSC100に本発明を適用するようにした。これに限らず、タッチスクリーン109などの、タッチ操作が可能な表示デバイスを有する機器であれば、デジタルビデオカメラ、パーソナルコンピュータ、携帯型電話機など、この他種々の機器に適用するようにしてもよく、また適用することができる。
例えば、地図画像を表示するナビゲーション装置に適用するようにしてもよい。本発明を適用することで、このナビゲーション装置は、1本の指によるシングルタッチで、地図画像上の任意の部分を中心に拡大/縮小することができるようになる。
[3−5.他の実施の形態5]
さらに上述した実施の形態では、各種処理を実行するためのプログラムを、DSC100のプログラムROM112に書き込んでおくようにした。
これに限らず、このプログラムを例えばメモリカードなどの記録媒体に記録しておき、DSC100のCPU110が、このプログラムを記録媒体から読み出して実行するようにしてもよい。また記録媒体から読み出したプログラムを、EEPROM117にインストールするようにしてもよい。
[3−6.他の実施の形態6]
さらに本発明は、上述した第1及び第2実施の形態と他の実施の形態とに限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した第1及び第2の実施の形態と他の実施の形態の一部または全部を任意に組み合わせた形態、もしくは一部を抽出した形態にもその適用範囲が及ぶものである。