JP5644687B2 - 無端金属ベルトのエレメントの製造方法 - Google Patents

無端金属ベルトのエレメントの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、無段変速機などに用いる無端金属ベルトの構成部品であるエレメントの製造方法に関する。
従来、この種の無端金属ベルトは、例えば、無段変速機(CVT)の動力伝達用ベルトとして使用されている。このような無端金属ベルトは、周長が少しずつ異なる複数の無端環状の帯鋼を径方向に相互に積層して形成したリングと、このリングにより結束される、環状に連ねられた複数のエレメントとにより構成されている。この無端金属ベルトは、駆動プーリ及び従動プーリに巻き掛けられ、相互に接触するエレメント間の押し力で駆動プーリ及び従動プーリに沿って回転し、駆動力を駆動プーリから従動プーリに伝達するようになっている。
そして、無端金属ベルトの構成部品であるエレメントには、先端に向かって縮径する凸部(ディンプル)と、隣接するエレメントのディンプルが嵌合する凹部(ホール)とが備わっている。このようなエレメントは、薄板状の金属板を所定の形状に打ち抜き加工し、プレス成形によりディンプル及びホールを形成している。その後、バリ取りを行うための研磨工程などが実施されて製品化されている(特許文献1)。
特開2005−42803号公報
しかしながら、ディンプルの先端とホールとの干渉を回避するために、ディンプルの先端に基端側より大きな縮径変化割合を持つ逃がし部を設ける場合、プレス成形でこのようなディンプルを形成すると、プレス型に過大な荷重が付与されてしまうおそれがあった。なぜなら、このようなプレス成形を行う場合、ホール側の体積とディンプル側の体積との比率(ボリューム比)が変化するため、逃がし部を形成する箇所をプレス型に押さえ付けてプレス成形を行うと、プレス金型内に隙間なく材料が充填されてしまうからである。
ここで、切削加工などを追加してディンプルの先端に逃がし部を形成することができる。ところが、このような切削加工を追加すると、製造工程が増えてしまい製造コストの上昇を招いてしまうという問題があった。
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、プレス成形時にプレス金型に対して過大な荷重が付与されることと新たな工程が追加されることをともに回避して、凸部(ディンプル)の先端に逃がし部を形成することができる無端金属ベルトのエレメントの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様は、無端環状のリングと、前記リングに沿って厚さ方向に複数連ねられ、隣接するエレメントの一側面に設けられた凹部に嵌合するように前記一側面と相対向する他側面に設けられた凸部を備えるエレメントとを有する無端金属ベルトにおけるエレメントの製造方法において、薄板状の金属板を所定形状に打ち抜くとともに、前記凸部及び凹部を形成するプレス工程と、前記プレス工程によりプレス成形された前記金属板を研磨する研磨工程とを含み、前記プレス工程では、前記凸部を形成するための金型と前記凸部の先端面との間に隙間が形成されるように前記凸部の先端に2段の山部を成形し、前記研磨工程では、前記2段の山部を削り取ることにより、前記凸部の先端に基端側より大きな縮径変化割合を持つ逃げ部を形成することを特徴とする。
このエレメントの製造方法では、プレス工程にて、薄板状の金属板を所定形状に打ち抜くとともに、凸部(ディンプル)及び凹部(ホール)を形成する。このとき、凸部の先端に2段(2つ)の山部も成形される。そして、この2段の山部を形成する際、凸部側に配置される金型と凸部の先端面との間に隙間ができる。つまり、プレス工程において、凸部を形成する部分にてプレス金型内に金属板が隙間なく充填されることを防止することができる。従って、プレス金型に過大な荷重が付与されることを確実に回避することができる。
そして、研磨工程にて、プレス成形された金属板を研磨する。このとき、プレス成形により発生したバリを除去するとともに、凸部の先端に成形された2段の山部を削り取る。これにより、凸部の先端に基端側より大きな縮径変化割合を持つ逃げ部が形成されたエレメントが完成する。
かくして製造された逃げ部を有するエレメントでは、エレメント同士がプーリの軸方向に見て相対的な角度を有してそのプーリのベルト巻き付け部で隣接する際に、互いに嵌合する凸部と凹部との干渉を回避することができる。これにより、エレメント同士の凸部と凹部との干渉により発生する無端金属ベルトにおける動力伝達効率の低下を防止することができる。
ここで、研磨工程は、従来のエレメントの製造方法においても実施されているため、新たな工程を追加する必要はない。従って、このエレメントの製造方法によれば、プレス成形時にプレス金型に対して過大な荷重が付与されることと新たな工程が追加されることをともに回避して、凸部の先端に逃がし部を形成することができる。
上記したエレメントの製造方法において、前記プレス工程では、前記逃げ部のほぼ中央に前記2段の山部の境が位置するように前記2段の山部を形成することが望ましい。
このように逃げ部のほぼ中央(逃げ部の高さ方向においてほぼ中央)に2段の山部の境(谷部となる部分)が位置するように2段の山部を形成することにより、プレス工程において、プレス金型内に金属板が充填されていく際に、凸部側に配置される金型と凸部の先端面との間に確実に隙間が形成されるようにすることができる。
また、このよにすることにより、研磨工程において、2段の山部を完全に削り取ることができるため、凸部の先端に基端側より大きな縮径変化割合を持つ所望形状の逃げ部を確実に形成することができる。
上記したエレメントの製造方法において、前記プレス工程では、前記凸部のうち少なくとも前記無端金属ベルトの外周側に相当する端部に前記2段の山部を形成すれば良い。
このようにすることにより、凸部の先端において無端金属ベルトの外周側に生じる凸部と凹部との隙間を十分に大きくすることができる。このため、エレメント同士がプーリの軸方向に見て相対的な角度を有してそのプーリのベルト巻き付け部で隣接する際に、互いに嵌合する凸部凹部との干渉を回避することができる。これにより、エレメント同士の凸部と凹部との干渉により発生する無端金属ベルトにおける動力伝達効率の低下を防止することができる。
あるいは、上記したエレメントの製造方法において、前記プレス工程では、前記凸部のうち前記無端金属ベルトの外周側及び内周側それぞれに相当する各端部に前記2段の山部をそれぞれ形成しても良い。
このようにすることにより、プーリのベルト巻き付け部において、隣接するエレメントにて互いに嵌合する凸部と凹部との干渉をより確実に回避することができる。これにより、エレメント同士の凸部と凹部との干渉により発生する無端金属ベルトにおける動力伝達効率の低下をより確実に防止することができる。
上記したエレメントの製造方法において、前記プレス工程と前記研磨工程との間に、前記プレス工程が実施された前記金属板の強度を高めるための熱処理を行う熱処理工程を実施することが望ましい。
このようにプレス工程と研磨工程との間に熱処理工程を実施することにより、研磨工程において、プレス成形した金属板が硬くなるため、プレス工程で発生したバリを効率的に除去することができる。その結果として、エレメントの生産効率を向上させることができる。
上記したエレメントの製造方法において、前記研磨工程では、バレル研磨を実施すれば良い。
バレル研磨では削り取る量(深さ)に限界があるが、逃げ部を形成する部位に2段の山部を成形しているため、バレルメディアがプレス成形された金属板に接触するとき、2段の山部ではバレルメディアとの接触面圧が高くなるため、他の平坦な部分よりも深さ方向により多く削り取ることができる。これにより、従来からバリ取りのために実施されていたバレル研磨によって、凸部の先端に形成された2段の山部を確実に削り取ることができ、凸部の先端に逃げ部を形成することができる。
本発明に係る無端金属ベルトのエレメントの製造方法によれば、上記した通り、プレス成形時にプレス金型に対して過大な荷重が付与されることと新たな工程が追加されることをともに回避して、凸部(ディンプル)の先端に逃がし部を形成することができる。
伝動ベルトの周方向の一部を示す斜視図である。 エレメントの正面図である。 エレメントの側面図である。 伝動ベルトを駆動プーリと従動プーリに掛け渡した模式図である。 プーリのベルト巻き付け部における伝動ベルトの断面図である。 エレメントの製造工程の順番を示す図である。 プレス型によりエレメントを打ち抜いている状態を模式的に示す図である。 プレス成形時におけるディンプル部分及びホール部分の状態を模式的に示す図である。 プレス成形された金属板におけるディンプル部分を示す側面図である。 プレス成形時におけるエジェクタの凹部内での金属板の状態を模式的に示す図である。 バレル研磨にて金属板に形成された2段の山部を削り取る状態を模式的に示す図である。
以下、本発明の無端金属ベルトのエレメントの製造方法を具体化した実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。ここでは、無段変速機(CVT)に使用される伝動ベルトにおけるエレメントを製造する際に本発明を適用した場合を例示する。
まず、本実施の形態における伝動ベルトについて、図1〜図5を参照しながら簡単に説明する。図1は、伝動ベルトの周方向の一部を示す斜視図である。図2は、エレメントの正面図である。図3は、エレメントの側面図である。図4は、伝動ベルトを駆動プーリと従動プーリに掛け渡した模式図である。図5は、プーリのベルト巻き付け部における伝動ベルトの断面図である。
図1に示すように、伝動ベルト10は、無端状のベルトであり、複数のエレメント20と、金属リング40とを有している。
エレメント20は、薄板状の金属板をプレス成形した部材であり、図2に示すように、板部21と、首部22と、頭部23と、窪み部24と、サドル面25とを備えている。そして、伝動ベルト10では、複数のエレメント20が互いに密着して金属リング40の周方向に環状に配列されている。
ここで、板部21は、エレメント20の本体の部分である。首部22は、板部21の幅方向(図2で左右方向)における中央部において、金属リング40の厚さ方向(図2で上方向)に突出するように形成されている。頭部23は、この首部22の上端部において、板部21の幅方向の両側に傘状に延びるように形成されている。サドル面25は、首部22の両側に形成されている。そして、首部22とサドル面25との間に、サドル面25から窪んだR形状の窪み部24が形成されている。
また、頭部23における板部21の幅方向の両側には、耳部26が形成されている。そして、板部21と耳部26との間に、板部21の幅方向に開口したスリット部27が形成されている。このスリット部27の内部に金属リング40が挿入され、エレメント20のサドル面25と耳部26との間に金属リング40が保持されるようになっている(図1参照)。
そして、頭部23には、図2、図3に示すように、ディンプル(凸部)30とホール(凹部)35とが設けられている。このディンプル30及びホール35は、隣接するエレメントのホール及びディンプルに互いに嵌合するようになっている。つまり、ディンプル30及びホール35によって各エレメント20が互い連結されるようになっている。
ここで、ディンプル30は、プレス成形時に頭部23の表面から垂直に突き出されて成形される。このとき、ホール35は、頭部23内に窪ませて成形される。ホール35は、エレメント20に対して垂直な軸心を有し、ホール35の軸方向に垂直な断面すなわち横断面において円形形状の内周面を備えている。そして、このディンプル30とホール35とは、エレメント20において、同一軸心上に配設されている。
ディンプル30は、軸方向に垂直な断面すなわち横断面において、図3に示すように、円形形状の外周面30aを備えており、ディンプル30の先端面30bは平面状になっている。ディンプル30の外周面30aは、先端に向かうほど縮径するテーパ面である。そして、ディンプル30の先端に、逃げ部31が形成されている。
この逃げ部31は、隣接するエレメントのホールにディンプル30が嵌合される際に、ディンプル30が隣接するエレメントのホールに対して干渉することなくスムーズに嵌合されるようにする機能を有している。具体的には、逃げ部31は、先端に向かうほど小さくなって先細りになっている(縮径している)。そして、逃げ部31では、ディンプル30の高さ方向に対する縮径変化割合が、ディンプル30の基端側よりも大きい。
逃げ部31は、ディンプル30の少なくとも伝動ベルト10の外周側(図3では上端側)に形成されていれば良い。これにより、ディンプル30と隣接するエレメントのホールとの干渉を回避することができるからである。従って、逃げ部31を設ける位置は、本実施の形態のように、伝動ベルト10の外周側及び内周側に相当するディンプル30の各先端部(図3では上端部及び下端部)に限られることなく、上側に位置する逃げ部31のみをディンプル30の先端に形成しても良いし、ディンプル30の先端に円周状に逃げ部31を形成しても良い。
一方、金属リング40は、無端環状の薄い帯鋼が複数枚積層され形成されている。各帯鋼の周長は、内側のものほど短く、外側のものほど長くなっている。この金属リング40は、複数のエレメント20を環状に結束するための部材である。具体的には、図1に示すように、エレメント20のスリット部27に金属リング40を挿入してサドル面25に金属リング40を配置するようにして、金属リング40にエレメント20を取り付けている。
このような伝動ベルト10は、図4に示すように、駆動プーリ11と従動プーリ12に掛け渡される。これにより、図5に示すように、板部21の側面の外側に駆動プーリ11と従動プーリ12における伝動ベルト10の摺動面であるシーブ面13が位置することになる。そして、不図示のエンジンからのトルクが駆動プーリ11に伝達され、伝動ベルト10を介して、従動プーリ12から不図示の減速歯車および不図示のドライブシャフトを通じて不図示のタイヤに伝達されるようになっている。
続いて、上記した伝動ベルト10におけるエレメント20の製造方法について、図6〜図11を参照しながら説明する。図6は、エレメントの製造工程の順番を示す図である。図7は、プレス型によりエレメントを打ち抜いている状態を模式的に示す図である。図8は、プレス成形時におけるディンプル部分及びホール部分の状態を模式的に示す図である。図9は、プレス成形された金属板におけるディンプル部分を示す側面図である。図10は、プレス成形時におけるエジェクタの凹部内での金属板の状態を模式的に示す図である。図11は、バレル研磨にて金属板に形成された2段の山部を削り取る状態を模式的に示す図である。
本実施の形態では、ディンプル30の先端に逃げ部31を備えるエレメント20を、図6に示すように、プレス成形(打ち抜き)、熱処理、バレル研磨をこの順番で実施することにより製造する。すなわち、本実施の形態では、逃げ部31を設けるために切削加工などの新たな工程を追加することなく、逃げ部31を備えるエレメント20を製造するのである。
まず、プレス成形では、帯状の金属板をプレス型により図2、図3に示すようなエレメント形状に打ち抜く。プレス型は、図7に示すように、固定型であるダイ51と板押さえ52、及び可動型であるパンチ53とエジェクタ54を備えている。パンチ53及びエジェクタ54の端面は、エレメント形状をなしている。そして、ダイ51及び板押さえ52には、エレメント形状の貫通穴51a及び52aが形成されており、ダイ51の貫通穴51aにはエジェクタ54が配置され、貫通穴52aにはパンチ53が配置されている。また、パンチ53には、ホール35を形成するための凸部55が設けられ、エジェクタ54には、ディンプル30を形成するための凹部56が設けられている。
そして、このようなプレス型において、帯状の金属板50をダイ51上に配置し、ダイ51上に配置された金属板50を板押さえ52によってダイ51と板押さえ52とで狭持して保持する。そして、パンチ53を下降させて、金属板50をパンチ53とエジェクタ54で狭持しながらエレメント形状に打ち抜く。このとき、パンチ53の凸部55とエジェクタ54の凹部56とにより、エレメント形状に打ち抜かれる金属板50aに、ホール35及びディンプル30が形成される。
ここで、エジェクタ54の凹部56には、図8に示すように、段差部56aが設けられている。本実施の形態では、上記したようにディンプル30のうち伝動ベルト10の外周側及び内周側にそれぞれ逃げ部31を形成するため、凹部56のそれぞれに対応する底部位置(図8では上端部及び下端部)に段差部56a,56aが設けられている。もちろん、凹部56の上端部にだけ段差部56aを設けても良いし、凹部56の底部全周に段差部56aを設けても良い。
このような段差部56aが、エレメント20のディンプル30を成形するためのプレス型であるエジェクタ54の凹部56に設けられている。このため、上記のプレス成形によって形成されるディンプル30は、図9に示すように、ディンプル30に最終的に設けられる逃げ部31に相当する部位に、2段(2つの)山部32が形成される。この2段の山部32においては、その境(谷となる箇所)が、逃げ部31の高さ方向(図9で左右方向)のほぼ中央に位置している。これにより、各山部32の形状をほぼ同じにすることができる。
そして、ディンプル部体積Vdとホール部体積Vhとはほとんど同じ(Vd≒Vh)であるが、上記のような2段の山部32を形成するために、エジェクタ54の凹部56に段差部56aが設けられているため、2段の山部32が形成される際には、図10に示すように、エジェクタ54の凹部56の底面56bと金属板50aとの間に隙間Sが形成され、金属板50aがエジェクタ54の凹部56内に完全に充填されることがない。従って、プレス成形時にプレス型(エジェクタ54)に対して過大な荷重が作用することを確実に回避することができる。なお、図10に示す一点鎖線は、従来の逃げ部がないディンプルを形成するエジェクタの凹部の形状を示したものである。
続いて、エレメント形状にプレス成形された金属板50aを熱処理する。この熱処理では、金属板50aに対して焼入れ及び焼き戻しが実施される。これにより、エレメント形状の金属板50aが硬くなる。
その後、熱処理されたエレメント形状の金属板50aに対してバレル研磨を行う。具体的には、図11に示すように、複数のバレルメディア60を用いて金属板50aを研磨する。なお、このようなバレル研磨は従来から行われているものである。このバレル研磨により、金属板50aに発生したバリが取り除かれる。そして、金属板50aは、熱処理によって硬くなっているため、バリを効率的に除去することができる。その結果として、エレメント20の生産効率を向上させることができる。
また、このバレル研磨により、ディンプル30の先端に形成された2段の山部32が削り取られ、逃げ部31が形成される。ここで、バレル研磨では削り取る量(深さ)に限界があるが、2段の山部32を成形することにより、バレルメディア60が金属板50aに接触するとき、2段の山部32ではバレルメディア60との接触面圧が高くなるため、他の平坦な部分よりも深さ方向(山部の高さ方向)により多く削り取られる。そのため、従来からバリ取りのために実施されていたバレル研磨によって、ディンプル30の先端に形成された2段の山部32を確実に削り取ることができる。このようにして、切削加工などの新たな工程を追加することなく、ディンプル30の先端に逃げ部31を形成することができ、図2及び図3に示すエレメント20が得られる。
以上、詳細に説明したように本実施の形態に係るエレメント20の製造方法によれば、プレス成形にて、薄板状の金属板50をエレメント形状に打ち抜くとともに、ディンプル30及びホール35を形成するときに、ディンプル30の先端に2段(2つ)の山部32を形成する。このとき、エジェクタ54の凹部56の底面56bとディンプル30の先端との間に隙間Sができる。そのため、プレス成形時に、エジェクタ54の凹部56内に金属板50が隙間なく充填されることがない。従って、プレス金型に過大な荷重が付与されることを確実に回避することができる。
その後、バレル研磨にて、プレス成形された金属板50aを研磨するときに、金属板50aに発生したバリを除去するとともに、ディンプル30の先端に成形された2段の山部32を削り取る。これにより、ディンプル30の先端に基端側より大きな縮径変化割合を持つ逃げ部31が形成される。そして、バレル研磨は、従来のエレメントの製造方法においても実施されているため、新たな工程を追加することなく、ディンプル30の先端に逃げ部31を形成することができる。
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。
10 伝動ベルト
20 エレメント
30 ディンプル
30a 外周面
30b 先端面
31 逃げ部
32 山部
35 ホール
40 金属リング
50 金属板
50a プレス成形された金属板
51 ダイ
52 板押さえ
53 パンチ
54 エジェクタ
55 凸部
56 凹部
56a 段差部
56b 底面
60 バレルメディア
S 隙間

Claims (6)

  1. 無端環状のリングと、前記リングに沿って厚さ方向に複数連ねられ、隣接するエレメントの一側面に設けられた凹部に嵌合するように前記一側面と相対向する他側面に設けられた凸部を備えるエレメントとを有する無端金属ベルトにおけるエレメントの製造方法において、
    薄板状の金属板を所定形状に打ち抜くとともに、前記凸部及び凹部を形成するプレス工程と、
    前記プレス工程によりプレス成形された前記金属板を研磨する研磨工程とを含み、
    前記プレス工程では、前記凸部を形成するための金型と前記凸部の先端面との間に隙間が形成されるように前記凸部の先端に2段の山部を成形し、
    前記研磨工程では、前記2段の山部を削り取ることにより、前記凸部の先端に基端側より大きな縮径変化割合を持つ逃げ部を形成する
    ことを特徴とする無端金属ベルトのエレメントの製造方法。
  2. 請求項1に記載する無端金属ベルトにおけるエレメントの製造方法において、
    前記プレス工程では、前記逃げ部のほぼ中央に前記2段の山部の境が位置するように前記2段の山部を形成する
    ことを特徴とする無端金属ベルトのエレメントの製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載する無端金属ベルトにおけるエレメントの製造方法において、
    前記プレス工程では、前記凸部のうち少なくとも前記無端金属ベルトの外周側に相当する端部に前記2段の山部を形成する
    ことを特徴とする無端金属ベルトのエレメントの製造方法。
  4. 請求項1又は請求項2に記載する無端金属ベルトにおけるエレメントの製造方法において、
    前記プレス工程では、前記凸部のうち前記無端金属ベルトの外周側及び内周側それぞれに相当する各端部に前記2段の山部をそれぞれ形成する
    ことを特徴とする無端金属ベルトのエレメントの製造方法。
  5. 請求項1から請求項4に記載するいずれか1つの無端金属ベルトにおけるエレメントの製造方法において、
    前記プレス工程と前記研磨工程との間に、前記プレス工程が実施された前記金属板の強度を高めるための熱処理を行う熱処理工程を実施する
    ことを特徴とする無端金属ベルトのエレメントの製造方法。
  6. 請求項1から請求項5に記載するいずれか1つの無端金属ベルトにおけるエレメントの製造方法において、
    前記研磨工程では、バレル研磨を実施する
    ことを特徴とする無端金属ベルトのエレメントの製造方法。
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