JP5644382B2 - 音声処理装置 - Google Patents

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本発明は、複数の領域での音をマスキングするマスカ音を領域毎に生成し、各領域に向けて放音する音声処理装置に関する。
従来、ある音(対象音)が聞こえている場合に対象音に近い音響特性(周波数特性など)を持つ別の音が存在したとき、その対象音が聞こえ難くなるという現象(マスキング効果)が一般に知られている。このマスキング効果を利用して、会話の内容が第三者に漏れないようにした所謂スピーチプライバシーと呼ばれる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の技術は、一の音響空間においてマイクロフォン(以下、マイクという)で収音した音信号を元にマスカ音を生成し、他の音響空間にスピーカから放音する。これにより、一の音響空間における会話の内容を、他の音響空間の聴取者に聞きとられ難くできる。
特許文献1を利用して、例えば、窓口業務等において、窓口で会話されている内容を、順番待ちの第三者に聞きとられないようにすることができる。この場合、窓口で話者の音声を収音し、生成したマスカ音を第三者に向けて放音する。これにより、窓口から会話の音声が漏れてきた場合であっても、第三者は、マスカ音と共に聞くことになり、窓口での会話の内容を把握できなくなる。
特許第4245060号公報
しかしながら、特許文献1は一方向のみマスカ音を放音しているため、上述の例示した窓口が隣接する場合、マスカ音を第三者へ放音すると、隣接する話者に対しては、マスカ音を放音できない。このため、隣接する話者に対しては、会話の内容を聞かれることとなる。
そこで、本発明の目的は、第三者に会話の内容を知られないようにすべき領域が複数あっても、領域毎に的確なマスカ音を放音することができる音声処理装置を提供することにある。
本発明に係る音声処理装置は、複数の領域で発生する音をマスキングするマスカ音を複数の放音手段から放音する音声処理装置であって、複数の収音手段と、生成手段と、信号分配手段とを備える。収音手段は、複数の領域で発生する音をそれぞれ収音する。生成手段は、収音手段で収音した音をそれぞれマスキングする複数のマスカ音を生成する。信号分配手段は、生成手段が生成した各マスカ音を所定の比率で合成した合成信号を複数生成し、各合成信号を複数の放音手段へそれぞれ分配出力する。放音手段は、それぞれ複数の領域に合成信号に基づく音を放音する。信号分配手段は、分配出力する放音手段が放音する領域で収音された音に対応するマスカ音が、所定レベル以下となるよう比率が設定されている。
この構成では、領域毎にマスカ音が生成され、生成した各マスカ音の放音方向は、対応する領域以外に設定されていると共に、各マスカ音の合成の放音方向は、収音した領域以外に設定されている。これにより、各領域にいる話者の音は、それぞれの領域に係るマスカ音と共に、他の領域へ到達するため、各領域で話された内容は、他の領域で聞こえ難くなる。また、収音した領域以外にいる第3の聴取者は、全ての領域における音が聞こえ難くなる。
本発明に係る音声処理装置は、複数のスピーカを配列したスピーカアレイと、複数のスピーカにそれぞれ合成信号を分配して、遅延を付与して供給する遅延供給手段とを備える。複数の放音手段は、遅延供給手段が複数の領域毎に異なる遅延量を付与することにより、実現される。
この構成では、マスカ音を放音するスピーカに、スピーカアレイを用いた例を示す。スピーカアレイは、放音する音声の指向性を制御することができるため、スピーカ単体で設置した場合、各スピーカを、放音すべき方向に向けて設置する必要があるが、スピーカアレイを用いることで、設置する負担が軽減される。
本発明に係る音声処理装置において、遅延供給手段は、収音された音に対応する領域の方向に、該領域に対応するマスカ音の音源位置が設定されるように、遅延量を付与する。
この構成では、一の領域で収音した音に対応するマスカ音の音源位置が、その一の領域となるようにしてある。これにより、マスカ音を聞く聴取者は、一の領域から出力されたと感じる。その結果、一の領域から漏れてくる音と、マスカ音とが略同じ方向から聞こえるように感じるため、その聴取者に音が聞き分けられることを防止できる。
本発明に係る音声処理装置は、複数のマイクを配列したマイクアレイと、複数のマイクで収音した音にそれぞれ遅延を付与して合成する遅延合成手段とを備える。複数の収音手段は、遅延合成手段が複数の領域毎に異なる遅延量を付与することにより実現される。
この構成では、収音手段として、アレイマイクを用いている。アレイマイクは、収音方向の指向性を制御することが可能であるため、収音する領域が不確定な場合であっても、マイクを設置し直すといった手間を省くことができる。
本発明によれば、第三者に会話の内容を知られないようにすべき領域が複数あっても、領域毎に的確なマスカ音を放音することができる。
実施形態に係るマスカ音放音装置の概要を説明するための模式図である。 マスカ音放音装置と各領域の収音位置との位置関係を説明するための模式図である。 マスカ音放音装置の構成を示すブロック図である。 信号処理部及び分配器の機能を模式的に示すブロック図である。 スピーカアレイが形成する指向性の形成原理を説明するための模式図である。 スピーカアレイを用いた場合のマスカ音放音装置の一部の構成を模式的に示すブロック図である。 スピーカアレイ装置で実行される処理の手順を示すフローチャートである。 仮想音源を設定した場合の指向性形成方法を示す模式図である。 各マスカ音に対して仮想音源を設定した場合の模式図を示す。 各スピーカの別の配置例を示す図である。 音声を反射させる場合を示す模式図である。 アレイマイクの構成を示す模式図である。
以下、本発明に係る音声処理装置の好適な実施形態について図面を参照して説明する。以下に説明する実施形態では、本発明に係る音声処理装置を、特定の方向に対して指向性の強い音声を放音することができるマスカ音放音装置として説明する。
図1は、本実施形態に係るマスカ音放音装置の概要を説明するための模式図である。本実施形態に係るマスカ音放音装置1は、例えば、対話がなされている領域100,101及びその他の領域102に対して設置される。領域100,101は、ある程度の間隔をおいて形成されている。領域102は、一又は複数の相談者が待機する領域であり、領域100,101と間隔をおいて形成されている。なお、以下では、領域100,101,102にいる人物を聴取者という。
マスカ音放音装置1には、マイク13A,13Bが接続されている。マイク13A,13Bは、例えば、領域100,101の机上等に設置され、領域100,101における会話の音声を収音する。マスカ音放音装置1は、マイク13A,13Bで収音した音声に基づいて、領域100,101における会話の音声をマスキングするマスカ音A,Bをそれぞれ生成する。
マスカ音放音装置1には、指向性のスピーカ16A,16B,16Cが接続されている。スピーカ16Aは、放音方向が領域101へ向くように配置され、スピーカ16Bは、放音方向が領域100へ向くように配置されている。マスカ音放音装置1は、生成したマスカ音Aをスピーカ16Aから領域101へ放音し、マスカ音Bをスピーカ16Bから領域100へ放音する。
これにより、領域101の聴取者は、領域100から漏れてくる音声がマスカ音Aによりマスキングされるため、領域100での会話の内容を把握できなくなる。一方、領域100の聴取者は、領域101から漏れてくる音声がマスカ音Bによりマスキングされるため、領域101での会話の内容を把握できなくなる。
また、スピーカ16Cは、放音方向が領域102へ向くように配置されている。マスカ音放音装置1は、マスカ音A,Bを合成したマスカ音A+Bを生成し、マスカ音A+Bをスピーカ16Cから領域102へ放音する。
これにより、領域102の聴取者は、領域100,101から漏れてくる音声がマスカ音A+Bによりマスキングされるため、領域100,101での会話の内容を把握できなくなる。
以下、マスカ音放音装置1について詳述する。
図2は、マスカ音放音装置1で生成されるマスカ音を放音するスピーカ16A,16B,16Cと各領域100,101,102との位置関係を説明するための模式図である。各スピーカ16A,16B,16Cは、指向性スピーカである。スピーカ16Aは、放音方向の中心が領域101の焦点F1に設定されている。スピーカ16Bは、放音方向の中心が領域100の焦点F2に設定されている。スピーカ16Cは、放音方向の中心が領域102の焦点F3に設定されている。
これにより、領域101では、マスカ音Aが大きく聞こえ、領域100では、マスカ音Bが大きく聞こえるようになる。また、領域102の聴取者には、領域100,101から漏れてくる音声と、マスカ音A+Bとが略同じ方向から来ているかのように聞こえるようになる。
仮にマスカ音が異なる方向から聞こえてきた場合、音声の選択的聴取(所謂カクテルパーティ効果)により、領域102の聴取者に、領域100,101の音声が聞き分けられ、会話の内容が把握されるおそれもある。しかし、本実施形態では、話者と同じ方向からマスカ音が聞こえるようにするため、カクテルパーティ効果を抑えることができる。
図3は、マスカ音放音装置1の構成を示すブロック図である。マスカ音放音装置1は、制御部10、記憶部11、操作部12、音声入力部13、信号処理部14及び分配器15を備えている。
制御部10は、例えばCPU(Central Processing Unit)を備え、上述の各部の動作を制御することで、マスカ音放音装置1の動作を制御する。記憶部11は、例えばROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)などであって、必要なプログラム及び各種データを記憶する。操作部12は、マスカ音放音装置1のユーザによる操作を受け付ける。
音声入力部13は、図示しないA/Dコンバータを有し、マイク13A,13Bが接続されている。音声入力部13は、領域100,101での会話の音声を収音したマイク13A,13Bからの各入力音声信号をA/DコンバータでA/D変換し、信号処理部14へそれぞれ出力する。
信号処理部14は、例えばDSP(Digital Signal Processor)を有し、各入力音声信号に対して信号処理を行う。分配器15は、信号処理部14で信号処理された入力音声信号を各スピーカ16A,16B,16Cへ分配出力する。図4は、信号処理部14の機能及び分配器15の構成を模式的に示すブロック図である。信号処理部14は、エコーキャンセル部141及びマスカ音生成部142,143を備えている。
エコーキャンセル部141は、適応フィルタを備え、入力音声信号に対してエコーを除去する。例えば、領域101へマスカ音Aが放音された場合、マイク13Bがそのマスカ音Aを収音することで、入力音声信号にエコーが含まれることとなる。このため、エコーキャンセル部141は、放音されたマスカ音がマイク13A,13Bへ回り込む成分の擬似信号である擬似回帰音信号を生成し、入力音声信号から擬似回帰音信号を差し引くことで、エコーを除去する。これにより、信号処理部14は、入力音声信号から会話の音声のみを正確に抽出することができる。なお、エコーキャンセル部141によるエコーを除去する方法は、適宜変更可能である。
マスカ音生成部142,143は、エコーキャンセル部141でエコーが除去された入力音声信号に基づいて、上述したマスカ音A,Bを生成する。例えば、マスカ音生成部142,143は、予め記憶しておいた音声データから、収音した音声と近似の音響特性を有する音声データを、マスカ音として取得してもよいし、収音した音声と近似の音響特性を有する音声データをマスカ音として生成してもよい。
分配器15は、マスカ音生成部142,143が生成したマスカ音を所定の比率で合成し、各領域100,101,102へ放音される音声(合成信号)を放音する。本実施形態では、合成信号として、マスカ音A,Bと、合成したマスカ音A+Bとの信号(以下、マスカ音信号A,B,A+Bという)とする。分配器15は、各マスカ音信号A,B,A+Bを、各スピーカ16A,16B,16Cに分配する。
図4に示すように、分配器15は、アンプ151〜156を備えている。アンプ151〜153は、マスカ音生成部142が生成したマスカ音信号Aがそれぞれ入力される。アンプ154〜156には、マスカ音生成部143が生成したマスカ音信号Bがそれぞれ入力される。また、分配器15は、加算器15A,15B,15Cを備えている。加算器15Aは、アンプ151,154からの信号を加算し、スピーカ16Aへ出力する。加算器15Bは、アンプ152,155からの信号を加算し、スピーカ16Bへ出力する。加算器15Cは、アンプ153,156からの信号を加算し、スピーカ16Cへ出力する。
この分配器15において、アンプ151,152,153は、それぞれゲインが1,0,1/2に設定される。また、アンプ154,155,156は、それぞれゲインが0,1,1/2に設定される。これにより、加算器15Aからは、マスカ音信号Aのみが出力され、加算器15Bからは、マスカ音信号Bのみが出力される。また、加算器15Cからは、マスカ音信号Aとマスカ音信号Bとが合成されたマスカ音信号A+Bが出力される。このように、分配器15は、マスカ音信号A,Bをそれぞれスピーカ16A,16Bへ出力すると共に、マスカ音信号A,Bを合成したマスカ音信号A+Bもスピーカ16Cへ出力することができる。
なお、各アンプ151〜156に設定するゲインは、0,1,1/2に限定されない。例えば、領域100へ放音するマスカ音Aが、領域100の聴取者が聞き取れないレベルとなるように、各アンプ151〜156にゲインを設定するようにしてもよい。また、分配器15は、図4に示す構成に限定されず、入力する信号数、出力する信号数によって適宜変更可能である。入力する信号数はマイクの数によって決定され、出力する信号数はスピーカの数によって決定される。例えば、マイク数が「m」、スピーカ数が「n」であれば、m×nのアンプを配列し、所定の合成比が可能な加算器を設ければよい。
なお、音声入力部13及び分配器15は、信号処理部14に含まれるようにしてもよい。また、信号処理部14の機能及び動作は、制御部10が記憶部11に記憶されているプログラムを実行することによりソフトウェアで実現されていてもよい。
また、マスカ音A,B,A+Bを放音するスピーカは、マトリクス状、ハニカム状又はライン状などに配列された複数のスピーカを備えたスピーカアレイであってもよい。スピーカアレイは、特定の方向に対して指向性の強い音声を放音することができる。この場合、スピーカアレイが放音する音声の焦点は、制御部10が設定する。例えば、制御部10は、図2で説明したように、音声Aに対する焦点F1を、音声Aが領域101をカバーするように設定し、音声Bに対する焦点F2を、音声Bが領域100をカバーするように設定し、音声A+Bに対する焦点F3を領域102に設定する。制御部10は、各焦点F1,F2,F3を、予め設定された位置に設定してもよいし、設置したマイク13A,13Bの位置を予め記憶しておき、焦点F1,F2をマイク13A,13Bの位置に設定し、焦点F3をマイク13A,13Bの両位置から等距離となる位置に設定するようにしてもよい。
図5は、スピーカアレイが形成する指向性の形成原理を説明するための模式図である。スピーカアレイは、一つのパネルに複数のスピーカ171〜17nがマトリクス状、ハニカム状又はライン状に配列されたスピーカユニット17を備えている。
各スピーカ171〜17nに同じ音声信号を入力する場合、各スピーカ171〜17nからの音声の放音タイミングを調整することで、各スピーカ171〜17nから放音される音声が、同時に到達するようにする。これにより、各スピーカ171〜17nは、図中点線で示すように、あたかも焦点Fを中心とする円周上に所定の間隔で配置され、同時に同じ音声を放音したかのようになる。その結果、重ね合わせの原理によって、焦点Fの方向に強い指向性を有しながら音声がスピーカユニット17から放音されることになる。
この原理を利用して、マスカ音放音装置1は、音声A,B,A+Bを、図1に示す各方向へ放音することができる。このように、スピーカアレイを用いた場合には、マスカ音の放音方向の変更が可能であるため、マスカ音放音装置1と、各領域100,101,102との位置関係に制限されることなく、ユーザは、マスカ音放音装置1を自由に設置することが可能となる。
図6は、スピーカアレイを用いた場合のマスカ音放音装置1の一部の構成を模式的に示すブロック図である。スピーカアレイを用いる場合、マスカ音放音装置1は、分配器15とスピーカユニット17との間に、各マスカ音A,B,A+Bの指向性を形成する指向性形成部181〜183と、指向性形成部181〜183からの出力信号を合成する加算器211〜21nとを備える必要がある。指向性形成部181〜183の数は、領域100,101,102の数(マスカ音の数)に対応している。加算器211〜21nの数は、スピーカ171〜17nの数に対応している。
指向性形成部181〜183には、上述した分配器15によりマスカ音信号A,B,A+Bが供給される。指向性形成部181〜183はそれぞれ同じ構成を有しているため、以下では、指向性形成部181について説明する。指向性形成部181は、遅延部20及びアンプ201〜20nを有している。アンプ201〜20nの数は、スピーカ171〜17nの数に対応している。
制御部10では、設定した各焦点へマスカ音の音声が放音されるように、スピーカ171〜17nから音声を放音するタイミング(遅延量)が算出される。遅延部20は、接続されているアンプ201〜20nそれぞれに、制御部10で算出された遅延量だけ遅延させて入力されたマスカ音信号を分配する。アンプ201〜20nは、遅延部20の出力信号のゲインを調整する。なお、遅延部20の出力信号は、不図示のD/AコンバータによりD/A変換され、アンプ201〜20nへ入力される。
加算器211〜21nは、指向性形成部181〜183の出力信号を加算し、スピーカユニット17の各スピーカ171〜17nへ出力する。スピーカユニット17は、加算器211〜21nから出力された信号に基づいて音声を放音する。これにより、図1に示す場合と同様、音声A,B,A+Bが各方向へ放音され、本発明の収音手段が実現される。なお、加算器211〜21nからの出力信号は、不図示のパワーアンプで振幅(ボリューム)が最適な値に調整された後、各スピーカ171〜17nへ出力される。
次に、マスカ音放音装置1における動作について説明する。図7は、マスカ音放音装置1で実行される処理の手順を示すフローチャートである。
マスカ音放音装置1において、制御部10は、マイク13A,13Bの少なくとも一方が領域100,101での会話の音声を収音したか否かを判定する(S1)。音声を収音していないと制御部10が判定した場合(S1:NO)、制御部10は、本処理を終了する。音声を収音したと制御部10が判定した場合(S1:YES)、信号処理部14は、マスカ音を生成する(S2)。マイク13Aが収音した場合、信号処理部14は、マスカ音Aを生成する。マイク13Bが収音した場合、信号処理部14は、マスカ音Bを生成する。そして、信号処理部14は、マスカ音A,Bを合成し、マスカ音A+Bを生成する(S3)。
次に、制御部10は、生成したマスカ音信号A,B,A+Bをスピーカ16A,16B,16Cそれぞれへ出力し、スピーカ16A,16B,16Cからマスカ音A,B,A+Bを、領域100,101,102へ放音する(S4)。そして、本処理が終了する。
以上、好適な実施形態について説明したが、マスカ音放音装置1の具体的構成などは、適宜設計変更可能であり、上述の実施形態に記載された作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、上述の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態において、スピーカアレイを用いた場合、焦点F1,F2を設定して、その方向へマスカ音A,Bが放音されるようにしてもよいが、マスカ音A,Bがあたかも領域100,101の位置から到来しているかのように聞こえるように、音声A,Bを放音するように構成してもよい。
図8は、仮想音源を設定した場合の指向性形成方法を示す模式図である。空間上に設定した仮想音源17’から音声を放音した場合に、その音声の波面が形成されるように、各スピーカ171〜17nからの音声の放音タイミングを調整する。これにより、聴取者Uには、あたかも仮想音源17’から音声が放音されたかのように感じる。
この原理を利用して、マスカ音Aの仮想音源を領域100近傍となり、マスカ音Bの仮想音源を領域101近傍となるように、制御部10が、各スピーカ171〜17nから音声を放音するタイミング(遅延量)を算出する。
図9は、各マスカ音に対して仮想音源を設定した場合の模式図を示す。図9に示すように、領域100(又は101)の聴取者には、マスカ音B(又はA)が領域101(又は100)近傍の音源101’(又は100’)から聞こえるように感じる。この結果、カクテルパーティ効果を防ぐことができ、マスキングの効果を高めることができる。
なお、仮想音源は、領域100,101と略一致することが好ましいが、マスカ音放音装置1の機能及び設置位置との関係から、可能な限り領域100,101に近ければよい。
また、マスカ音放音装置1は、スピーカアレイとした場合、図5ではスピーカユニット17の各スピーカ171〜17nを平面に配置した構成としたが、形状は適宜変更可能である。図10は、各スピーカ171〜17nの別の配置例を示す図である。図10(a)に示すように、各スピーカ171〜17nをすり鉢状の断面状に配置する構成であってもよい。また、図10(b)に示すように、各スピーカ171〜17nを、円弧状に配置した構成であってもよい。図10の場合、仮想音源を可能な限り領域100,101に近づけることが可能となる。
また、領域100,101に仕切り板(パーティション)を設置し、音声A,Bをパーティションで反射させた後、領域101,100へ放音させるようにしてもよい。図11は、音声を反射させる場合を示す模式図である。図11は、領域100にパーティション105を設置した場合を示す。
この場合、パーティション105で音声Aが反射する位置に、マスカ音Aの音源があるかのように仮想できる。このため、領域101の聴取者は、マスカ音Aと領域100の会話の音声とが略同じ方向から聞こえるため、領域100の会話の内容を把握し難くなる。
なお、音声Aが領域101へ放音されるように、パーティション105の設置角度を調整するようにしてもよいし、音声Aのパーティション105への焦点(反射位置)を調整するようにしてもよい。
上述の実施形態では、領域100,101それぞれにマイク13A,13Bを設けているが、マイク13A,13Bに代えて、アレイマイクを用いることができる。図12は、マイク13A(又はマイク13B)に代わるアレイマイクの構成を示す模式図である。音声入力部13は、マイクアレイを形成する複数のマイクM1〜Mnから入力される音声信号をA/D変換し、遅延部(遅延合成手段)301〜30nによりそれぞれ所定の遅延を付与した後に加算器(遅延合成手段)31で合成される。この信号が入力音声信号となる。音声入力部13は、各マイクの遅延量を変更することで、種々の方向に収音の指向性を設定することができる。
これにより、収音の指向性を図1に示す各領域100,101に設定することで、各領域100,101の収音が可能となり、本発明の放音手段が実現される。またこの場合、制御部10は、マスカ音の放音方向を、設定したアレイマイクの収音方向に応じて設定するようにしてもよい。
1−マスカ音放音装置、10−制御部(設定手段、算出手段)、13−音声入力部(入力手段)、14−信号処理部、15−分配器(信号分配手段)、16A,16B,16C−スピーカ、17−スピーカユニット、171〜17n−スピーカ、20−遅延部(遅延供給手段)、100,101,102−領域、142−マスカ音生成部(生成手段)

Claims (4)

  1. 複数の領域で発生する音をマスキングするマスカ音を複数の放音手段から放音する音声処理装置であって、
    前記複数の領域で発生する音をそれぞれ収音する複数の収音手段と、
    該収音手段で収音した音をそれぞれマスキングする複数のマスカ音を生成する生成手段と、
    該生成手段が生成した各マスカ音を所定の比率で合成した合成信号を複数生成し、各合成信号を前記複数の放音手段へそれぞれ分配出力する信号分配手段と
    を備え、
    前記放音手段は、
    それぞれ複数の領域に前記合成信号に基づく音を放音し、
    前記信号分配手段は、
    分配出力する放音手段が放音する領域で収音された音に対応するマスカ音が、所定レベル以下となるよう前記比率が設定されている
    ことを特徴とする音声処理装置。
  2. 複数のスピーカを配列したスピーカアレイと、
    前記複数のスピーカにそれぞれ前記合成信号を分配して、遅延を付与して供給する遅延供給手段と
    を備え、
    前記複数の放音手段は、
    前記遅延供給手段が前記複数の領域毎に異なる遅延量を付与することにより、実現される
    ことを特徴とする請求項1に記載の音声処理装置。
  3. 前記遅延供給手段は、
    収音された音に対応する領域の方向に、該領域に対応するマスカ音の音源位置が設定されるように、遅延量を付与する
    ことを特徴とする請求項2に記載の音声処理装置。
  4. 複数のマイクを配列したマイクアレイと、
    前記複数のマイクで収音した音にそれぞれ遅延を付与して合成する遅延合成手段と
    を備え、
    前記複数の収音手段は、
    前記遅延合成手段が前記複数の領域毎に異なる遅延量を付与することにより実現される
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか一つに記載の音声処理装置。
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