JP5643452B2 - 反射フィルム、及びこれを備えてなる液晶表示装置、照明装置、装飾用物品 - Google Patents

反射フィルム、及びこれを備えてなる液晶表示装置、照明装置、装飾用物品 Download PDF

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Description

本発明は、光を反射して金属のような光沢を有し、優れた表面平滑性と、正反射特性を有する反射フィルムに関する。
従来、反射面に金属のような光沢を付与する方法として、金属を高度に研磨して、反射面を形成する方法が用いられてきた。この方法は生産性が低く、用いる金属に加工上の問題があるため、近年では、プラスチックに金属を薄く被覆した金属被覆プラスチックが、表示装置や照明等の反射フィルムとして用いられる。通常、金属層の被覆には、電気メッキ、真空蒸着、蒸着、化学吸着などの手法が用いられる。しかしながら、このような金属被覆においては、経時と共に金属が腐食するため、金属被覆層の上にさらに保護層を設けなければならず、さらに生産性や費用の面で不利となる。
また、別の手法として、複数の層を有する多層光学フィルムを用いる方法がある。これらの金属光沢の反射フィルムは積層界面での反射特性を用いて、反射特性を付与し、各層の厚みを緻密に制御することにより、高い反射特性を発現させるものである。
複数の層を有する多層光学フィルムを用いる方法として、少なくとも第1及び、第2の異種ポリマーを含む反射ポリマー体が報告されている(特許文献1〜3)。これら、特許文献には、互いに屈折率が0.03以上異なる第1及び第2のポリマー材による交互の層を十分含んでおり、各層の過半量が0.09μm以下、あるいは0.45μm以上の光学的厚みを有する反射ポリマー体が報告されている。
特開平03−041401号公報 特開平04−295804号公報 特開平05−193040号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3に開示されている多層光学フィルムでは、均一な多層積層化や各層厚みの緻密な制御が必要とされるために、製造工程が複雑化し、生産性を著しく落とす懸念点がある。
すなわち、本発明の目的は、高い反射率と正反射特性を有し、金属のような光沢を持ちかつ、高い生産性を有する反射フィルムを提供することにある。
本発明者らは、高い反射率と正反射特性を十分に高める因子として、分散相の融点を制御することが重要であることを究明し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、少なくとも2種の熱可塑性樹脂を含有し、連続相(I)と分散相(II)による海島構造を有する層を少なくとも1層有する反射フィルムであって、前記連続相(I)を形成する熱可塑性樹脂(A)と、前記分散相(II)を形成する熱可塑性樹脂(B)のどちらか一方が、ポリエステル系樹脂を主成分としてなり、もう一方が、フッ素系樹脂を主成分としてなり、該フッ素系樹脂の融解吸熱ピーク温度が130℃以上250℃以下であることを特徴とする反射フィルムである。
本発明が提案する反射フィルムは、従来の複数の層を有する多層光学フィルムに求められる均一な多層積層化や各層厚みの緻密な制御が必要としないため、高い生産性を有すると共に、本発明が規定する融解吸熱ピーク温度の制御を達成することにより、擬似的な多層効果を発現させることができ、高い反射特性と正反射特性を有し、金属のような光沢を有する反射フィルムを提供することが出来る。
以下、本発明の実施形態の一例としての反射フィルム(「本反射フィルム」と称する)について説明する。
なお、本発明において、「主成分」と表現した場合には、特に記載しない限り、当該主成分の機能を妨げない範囲で他の成分を含有することを許容する意を包含し、特に当該主成分の含有割合を特定するものではないが、主成分は組成物中の50質量%以上、好ましくは70質量%以上、特に好ましくは90質量%以上(100%含む)を占める意を包含するものである。また、2種類以上の樹脂が主成分を構成する場合、各樹脂の組成物中の割合は10質量%以上、好ましくは20質量%以上、特に好ましくは30質量%以上である。
また、本明細書において「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
<本反射フィルム>
本反射フィルムは、少なくとも2種の熱可塑性樹脂を含有し、連続相(I)と分散相(II)による海島構造を有する層を少なくとも1層有する反射フィルムである。
一般に、異なる樹脂同士を混合する場合、その相状態を大別すると(1)完全相溶(単相)、(2)海島構造(多相)、(3)共連続構造(多相)、(4)層状構造(多相)の4つに分けられる。ここで、(2)海島構造とは、複数成分の片方が連続する相の中に、もう一方が粒子状(島状)に分散している構造を言う。また(3)共連続構造とは、複数成分のそれぞれが連続した相を形成しながら互いに混じり合っている構造を言う。更に、(4)層状構造とはそれぞれの成分が連続相を形成するが、互いの成分が混じりあうことなく独立している構造を言う。
本反射フィルムにおける海島構造とは、上記(2)のことを言う。通常、分散相である島部は、不連続であり、かつ、微小な略球状構造を示すが、本反射フィルムにおける島部は、流れ方向及び幅方向に延伸されるため、扁平した楕円状構造、又は、円盤状構造を示す。このような構造の有無は、本反射フィルムのMD断面、もしくは、TD断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察することにより、確認することができる。
(本反射フィルムに用いる熱可塑性樹脂)
本反射フィルムは、前記連続相(I)を形成する熱可塑性樹脂(A)と、前記分散相(II)を形成する熱可塑性樹脂(B)のどちらか一方が、ポリエステル系樹脂を主成分としてなり、もう一方が、フッ素系樹脂を主成分としてなる。
また、本反射フィルムは、少なくとも一方向に配向していることが好ましく、フィルムの流れ方向(以下、MDと表記することがある)と幅方向(以下、TDと表記することがある)の二軸方向に配向していることがさらに好ましい。延伸操作等により、フィルムに配向を付与させることにより、前記連続相(I)を形成する熱可塑性樹脂(A)と、前記分散相(II)を形成する熱可塑性樹脂(B)の屈折率を変化させることにより、前記(A)と前記(B)の屈折率差を更に増大させることが可能となり、より高い反射特性を付与することができる。
本反射フィルムを少なくとも一方向に配向し、より屈折率差を大きくする手段としては、例えば前記連続相(I)を形成する熱可塑性樹脂(A)と、前記分散相(II)を形成する熱可塑性樹脂(B)との平均屈折率の差が大きくなるように、前記熱可塑性樹脂(A)と前記熱可塑性樹脂(B)を選択すると共に、延伸によって、前記連続相(I)を形成する熱可塑性樹脂(A)、及び/又は、前記分散相(II)を形成する熱可塑性樹脂(B)を配向させ、熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の複屈折率の違いを利用して、好ましい範囲に調整する方法を挙げることができる。この際の延伸法としては、例えば自由幅1軸延伸、一定幅1軸延伸、引っ張り延伸法、ロール間延伸法、ロール圧延法などの延伸法を挙げることができる。
また、他の手段として、前記連続相(I)を形成する熱可塑性樹脂(A)、及び/又は、前記分散相(II)を形成する熱可塑性樹脂(B)に、相溶する他の熱可塑性樹脂や屈折率調整剤などを添加し、好ましい範囲に調整する方法などを挙げることができる。
前記連続相(I)を形成する熱可塑性樹脂(A)と、前記分散相(II)を形成する熱可塑性樹脂(B)は、一種類の熱可塑性樹脂であってもよいし、二種類以上の熱可塑性樹脂の混合樹脂であってもよい。
本反射フィルムにおいては、前記連続相(I)を形成する熱可塑性樹脂(A)と、前記分散相(II)を形成する熱可塑性樹脂(B)のどちらか一方が、ポリエステル系樹脂を主成分としてなるものである。ポリエステル系樹脂は、結晶性の熱可塑性樹脂であることが好ましい。結晶性のポリエステル系樹脂は、延伸を行うと、高分子鎖が配向しやすく、配向方向に対する連続相(I)と分散相(II)の屈折率差を増大させやすく、反射特性を向上させやすいため好ましい。また、熱処理の際に、配向結晶化しやすくなり、寸法安定性の観点からも好ましい。
なお、結晶性の熱可塑性樹脂とは、一般に結晶融解ピーク温度(融点)が存在するとされる熱可塑性樹脂を指し、より具体的にはJIS K7121に準拠して行う示差走査熱量測定(DSC)において融点が観測される熱可塑性樹脂であって、いわゆる半結晶性の状態のものを包含する。逆に、DSCにおいて融点が観測されない熱可塑性樹脂を「非晶性」と称する。
ポリエステル系樹脂としては特にその種類を限定するものではない。例えばポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロへキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸、ポリ−ε−カプロラクタム等のポリエステル系樹脂などを挙げることができる。
これらの中でも、結晶性の芳香族ポリエステル系樹脂であることが好ましく、特にポリエチレンナフタレート系樹脂であることが、高い平均屈折率と高い複屈折率を有するという観点から好ましい。また、ガラス転移温度(Tg)や屈折率を調整する観点から、上記樹脂を組み合わせて用いてもよい。
また、ポリエチレンテレフタレート(PET)とポリエチレンナフタレート(PEN)との混合樹脂も好ましい一例である。PENとPETは相溶するためで、PENにPETを混ぜることによって、Tgや屈折率が調整することができる。
ポリエチレンナフタレート系樹脂を使用する場合、該樹脂の重量平均分子量は、耐衝撃性や製膜性の観点から、3万以上であることが好ましく、4万以上であることがより好ましい。
上記ポリエステル系樹脂の固有粘度は、製膜性の観点から、0.5dl/g以上であることがより好ましい。
上記ポリエステル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、70℃〜120℃の範囲が好ましく、80℃〜120℃の範囲であることがより好ましい。ガラス転移温度が70℃以上であれば、フィルムの剛性を保持することができ、120℃以下であれば延伸が容易となるため好ましい。
さらに、上記ポリエステル系樹脂の融点(Tm)は、240℃〜270℃の範囲が好ましく、250℃〜270℃の範囲であることがより好ましい。融点が240℃以上であれば、十分な耐熱性を付与することができ、270℃以下であれば溶融押出時に、ポリエチレンナフタレート系樹脂以外の共存する熱可塑性樹脂の熱分解を抑制するため好ましい。
上記ポリエステル系樹脂としてポリエチレンナフタレート系樹脂を使用する場合、YI値が−10〜10の範囲内、特に−3〜3の範囲内であるものを用いるのが好ましい。また、ポリエチレンナフタレート系樹脂が各々混合物からなる場合には、各樹脂ともにYI値が−10〜10の範囲内であることが好ましい。YI値が−10〜10の範囲内であれば、例えば液晶ディスプレイ等に組み込むことにより、画像の精彩性をより一層良好にすることができ、輝度向上率をより一層高めることができる。
ポリエチレンナフタレート系樹脂としては、市販品を用いることもできる。例えば、テオネックスTN8065S(ポリエチレンナフタレートのホモポリマー、帝人化成(株)製、固有粘度0.71dl/g)、テオネックスTN8065SC(ポリエチレンナフタレートのホモポリマー、帝人化成(株)製、固有粘度0.55dl/g)、テオネックスTN8756C(ポリエチレンナフタレートとポリエチレンテレフタレートのコポリマー、帝人化成(株)製、固有粘度0.65dl/g)などを好ましい例として挙げることができる。
(フッ素系樹脂)
一方、前記フッ素系樹脂は、融解吸熱ピーク温度が130℃以上250℃以下であることが重要である。
フッ素系樹脂の融解吸熱ピーク温度が130℃未満の場合、ポリエステル系樹脂との混練・押出の際に表面荒れが生じたり、反射フィルムの耐熱性が低下したりするため、好ましくない。反射フィルムはその性質上、光源周辺に配置されることが多い為、耐熱性が求められる。そのため、前記フッ素系樹脂の融解吸熱ピーク温度が130℃以上であることが重要であり、好ましくは150℃以上、特に好ましくは180℃以上である。
また、フッ素系樹脂の融解吸熱ピーク温度が300℃を超える場合、ポリエステル系樹脂との混練・押出の際に、ポリエステル系樹脂の分解が促進されやすくなり、成形が困難となるため好ましくない。さらに、フッ素系樹脂の融解吸熱ピーク温度が250℃より大きく300℃未満の場合、表面荒れが生じたり、分散相(II)のモルフォロジーが粗雑になりやすくなり好ましくない。かかる理由により、フッ素系樹脂の融解吸熱ピーク温度は、245℃以下であることが好ましく、240℃以下であることがより好ましく、235℃以下であることが特に好ましい。
また、前記フッ素系樹脂は、低い平均屈折率を有すること、ポリエステル系樹脂に近いガラス転移温度(50℃〜100℃付近)を有すること、および、優れた延伸性を有することから、エチレン−テトラフルオロエチレン系樹脂であることが好ましい。
エチレン−テトラフルオロエチレン系樹脂としては、市販品を用いることもできる。例えば、Fluon ETFE、Fluon LM−ETFE、Fluon LM−ETFE AHシリーズ(旭硝子社製)、ネオフロンETFE EPシリーズ(ダイキン工業社製)などを好ましい例として挙げることができる。
(本反射フィルムの組成)
本反射フィルムを構成する、前記連続相(I)を形成する熱可塑性樹脂(A)と前記分散相(II)を形成する熱可塑性樹脂(B)の混合質量比は、(A)/(B)=90質量%/10質量%〜50質量%/50質量%であることが好ましく、中でも80質量%/20質量%〜55質量%/45質量%、その中でも75質量%/25質量%〜60質量%/40質量%であるのが特に好ましい。このような混合質量比とすることにより、分散相が少なくなり過ぎず、連続相と分散相との界面における散乱が小さくなり反射特性が低下するなどのおそれがないため好ましい。
なお、本反射フィルムは、前記熱可塑性樹脂(A)と前記熱可塑性樹脂(B)を少なくとも1種ずつ含有していれば、さらに他の熱可塑性樹脂を含有しても構わず、例えば前記熱可塑性樹脂(B)に該当する熱可塑性樹脂を2種以上含んでいても構わない。
(その他成分)
本反射フィルムには、前記分散相(II)の分散性を向上させる目的で、必要に応じて相溶化剤(C)などの添加剤を添加してもよい。
相溶化剤(C)としては、連続相及び分散相の種類に応じて慣用の相溶化剤から選択することができ、例えば、ポリカーボネート樹脂、エステル系樹脂、エポキシ基を持つ樹脂、オキサゾリン環を持つ樹脂、アズラクトン基を持つ樹脂から選ばれた少なくとも1つの樹脂と、スチレン系樹脂、ポリフェニレンオキシド、ポリアミドから選ばれた少なくとも1つの樹脂とからなるブロックコポリマー、あるいはグラフトコポリマーを挙げることができる。中でも、分散性向上の点で、エポキシ基やオキサゾリン基を持つ樹脂などが特に好ましく、特にエポキシ変性のものが好ましい。
相溶化剤(C)を添加する場合の配合割合は、前記熱可塑性樹脂(A)及び前記熱可塑性樹脂(B)の合計100質量部に対して、0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜15質量部、特に0.2〜10質量部、さらに好ましくは1〜10質量部とするのが好ましい。
また、前記相溶化剤(C)以外の添加剤として、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、加水分解防止剤、衝撃改良剤などの各種添加剤を、本発明の特性を阻害しない範囲で添加することができる。
(分散相(II)の分散径)
本反射フィルムは、前記分散相(II)の流れ方向の平均寸法(L1)、及び、幅方向の平均寸法(L2)が、0.45μm以上、100μm以下であることが好ましく、前記分散相(II)の厚み方向の平均寸法(L3)が、0.01μm以上、0.45μm以下であることが好ましい。分散径は、後述する方法により測定することができる。
本反射フィルムは、分散相(II)が、扁平した楕円状、又は、円盤状となる。前記分散相(II)の流れ方向の平均寸法(L1)、及び、幅方向の平均寸法(L2)が、0.45μm以上であれば、光の波長オーダーよりも十分大きい為、フィルム面内に入射された光が連続相(I)と分散相(II)の界面で十分反射させることが可能となり、高い反射特性を付与することができる。かかる観点から、前記L1、およびL2の下限値は0.80μm以上であることがより好ましく、1.20μm以上であることがさらに好ましい。
一方、前記L1、およびL2の上限値は、分散性向上の理由から、80μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましく、20μm以下であることがさらに好ましい。
また、前記分散相(II)の厚み方向の平均寸法(L3)が、0.01μm以上、0.45μm以下であることが好ましい。前記(L3)が、0.01μm以上であることにより、本反射フィルムの厚み方向の断面において、前記分散相(II)で形成される非常に薄い断面が何層も重なった状態となる。すなわち、連続相(I)と分散相(II)による海島構造を有する、少なくとも2種の熱可塑性樹脂の含有物で、擬似的な超多層構造を形成することが可能となる。かかる観点から、(L3)の下限値は、0.02μm以上であることがより好ましく、0.03μm以上であることがさらに好ましい。
また、前記(L3)が、0.45μm以下であれば、分散相の厚みが十分に薄い為、フィルム表面の表面粗さを抑制し、金属のような光沢を有した、高い反射率と正反射特性を付与することが可能となる。かかる観点から、前記(L3)の上限値は0.35μm以下であることがより好ましく、0.25μm以下であることがさらに好ましい。
前記分散相(II)の流れ方向の平均寸法(L1)、及び、幅方向の平均寸法(L2)が、0.45μm以上、100μm以下であり、前記分散相(II)の厚み方向の平均寸法(L3)が、0.01μm以上、0.45μm以下とする手法としては、前記連続相(I)を形成する熱可塑性樹脂(A)と、前記分散相(II)を形成する熱可塑性樹脂(B)とを、単軸押出機、又は、二軸押出機等を用いて相溶しない程度に十分に混錬する手法、一軸延伸により前記分散相(II)を形成する熱可塑性樹脂(B)を十分に伸長する方法、同時二軸延伸により前記分散相(II)を形成する熱可塑性樹脂(B)を十分に伸長する方法、逐次二軸延伸により前記分散相(II)を形成する熱可塑性樹脂(B)を十分に伸長する方法、Tダイキャスト法において製膜する際に、引き取り速度(キャストロールの速度)を速くすることによって前記分散相(II)を形成する熱可塑性樹脂(B)を十分に伸長する方法、キャスト法で引き取り速度を速くし、前記分散相(II)を形成する熱可塑性樹脂(B)を伸長した後、さらに、幅方向に一軸延伸し、分散相(II)を形成する熱可塑性樹脂(B)を伸長する方法、インフレーション法によって製膜する際に、引き取り速度を速くすることによって前記分散相(II)を形成する熱可塑性樹脂(B)を十分に伸長する方法、圧延やプレスにより前記分散相(II)を形成する熱可塑性樹脂(B)を十分に伸長する方法などが挙げられる。
(平均透過率)
本反射フィルムは、測定波長400nm〜700nmの平均透過率が20%未満であることが好ましい。前記平均透過率が20%未満であることにより、フィルムの反射特性を担保することができる。かかる理由により、18%未満であることがさらに好ましく、16%未満であることが特に好ましい。前記平均透過率を20%未満とするためには、前記連続相(I)を形成する熱可塑性樹脂(A)の平均屈折率と前記分散相(II)を形成する熱可塑性樹脂(B)の平均屈折率との差の絶対値や、前記分散相(II)の分散径の制御により、達成可能である。
(平均反射率)
本反射フィルムは、測定波長400nm〜700nmの平均反射率が80%以上であることが重要である。前記平均反射率が80%以上であることにより、フィルムの反射特性を担保することができる。かかる理由により、82%以上であることがさらに好ましく、84%以上であることが特に好ましい。前記平均反射率を80%以上とするためには、前記連続相(I)を形成する熱可塑性樹脂(A)の平均屈折率と前記分散相(II)を形成する熱可塑性樹脂(B)の平均屈折率との差の絶対値や、前記分散相(II)の分散径の制御により、達成可能である。
(製膜方法)
本反射フィルムを製造する方法としては、まず、少なくとも2種の熱可塑性樹脂(A)(B)を含有する混合樹脂組成物を、溶融してシート状に製膜すればよい。この時、製膜する方法としては特に限定されず、Tダイキャスト法、カレンダー法、インフレーション法などを例示できる。これらの中でも、製膜安定性や生産効率化の観点から、Tダイキャスト法が好ましい。
Tダイキャスト法を採用する場合には、例えば、少なくとも2種の熱可塑性樹脂を乾燥させ、押出機に供給し、樹脂の融点以上の温度に加熱して溶融する。そして、溶融した組成物をTダイのスリット状の吐出口から押し出し、冷却ロールに密着固化させてキャストシートを形成すればよい。
シートの押出温度は、各樹脂の流動特性にもよるが、ポリエチレンナフタレート系樹脂を使用する場合、概ね270℃〜340℃が好ましく、280℃〜320℃の範囲にあることがより好ましい。押出温度が270℃以上であれば、溶融樹脂が流動するに十分シート成形が可能であり、一方、340℃以下であれば、樹脂の熱分解などによるシートの特性低下が生じにくいため好ましい。
本反射フィルムは、少なくとも一軸方向に延伸されてなることが好ましい。延伸方向としては、MDとTDのいずれかでも、両軸でもよい。但し、本反射フィルムの有する特性をより効果的に発現させるためには、MD、TD両方向に延伸し、フィルムを配向させること好ましい。
MD、TD両方向にフィルムを配向させる方法としては、上述の延伸による方法以外にも、例えば、Tダイキャスト法において製膜する際に、引き取り速度(キャストロールの速度)を速くすることによってMDにドラフトをかけた後にTDに延伸する方法、インフレーション法によって製膜する際に、引き取り速度を速くすることによってMDにドラフトをかけた後にTDに延伸する方法などを例示できる。
中でも、製膜安定性や生産効率化を考慮する場合には、上述の通りTダイキャスト法によって製膜したシートを、MD、TDに二軸延伸する方法を選択することが好ましい。
このように二軸延伸することにより、連続相(I)中に分散相(II)をほぼ一定方向に配列させて固定させることができるため、連続相(I)と分散相(II)との屈折率差は延伸方向に大きくなるとともに、分散相(II)が延伸方向に伸長され、分散相の分散径が、本発明の好ましい範囲内に含まれてくる。そのため、分散相(II)が擬似的な超多層構造を有するようになり、金属のような光沢を有する反射フィルムを作製することができる。
延伸方法は、引っ張り延伸法、ロール間延伸法、ロール圧延法、その他の方法のいずれを採用してもよい。
延伸温度は、樹脂のガラス転移温度(Tg)程度から(Tg+50℃)の範囲内の温度とするのが好ましい。延伸温度がこの範囲であれば、延伸時に破断することなく安定して延伸を行うことができる。
延伸倍率は、特に限定するものではない。例えば、MD及び/又はTDに2〜9倍、好ましくはMD及び/又はTDに3〜9倍、特にMD及び/又はTDに4〜7倍とするのが好ましい。延伸倍率が、MD及び/又はTDに2倍以上であれば、分散相(II)の伸長しやすくなり好ましい。また、配向が付与され、連続相(I)を形成する熱可塑性樹脂(A)と分散相を形成する熱可塑性樹脂(B)との屈折率差が増大し、反射率向上の効果が得られるため好ましい。一方、9倍以下であれば、フィルムの破断を抑制できる為、好ましい。
延伸したシートは、耐熱性及び寸法安定性を付与するべく、熱処理するのが好ましい。例えば、ポリエチレンナフタレート系樹脂を使用する場合、熱処理温度は180〜230℃とするのが好ましく、180〜200℃とするのがさらに好ましい。熱処理に要する処理時間は、好ましくは1秒〜5分である。
(厚み)
本反射フィルムの厚みは、特に限定するものではない。例えば液晶ディスプレイ等に組み込む場合には、50μm〜250μm、特に50μm〜200μmとするのが好ましい。一般的に、反射フィルムは、厚みを増大させた場合、散乱回数が増大する為、反射特性が向上する。
(引張強伸度)
本反射フィルムの引張強度は、150MPa以上であることが好ましい。150MPa以上であれば、フィルムの剛性を担保することができる。
また、本反射フィルムの引張伸度は、30%以上であることが好ましい。30%以上であれば、フィルムの割れを抑制することができる。
(収縮率)
後述の手法による本反射フィルムの収縮率は、5%以下であることが好ましい。5%以下であれば、耐熱性、および寸法安定性に優れ、実用上不具合を生じることがない。収縮率を上述の範囲にする手段としては、前述のとおり、延伸時に熱処理する手法を挙げることができる。
(正反射特性)
本反射フィルムの反射特性として、正反射性を示すことが好ましい。反射特性の評価方法としては、変角光度測定があり、例えば、フィルムの面に対して法線方向を0°とし、入射角を、−X°として、サンプルに光を入射した時、サンプルが拡散反射性を示す場合においては、その反射光は様々な角度に広がりを持って反射される。一方、サンプルが正反射性を示す場合、反射光の分布は、反射角X°をピークとした反射光分布を示す。このとき、正反射性が高い程、ピークがシャープに現れる。このとき、反射された光のピークの最大強度を100%と規格化し、横軸受光角、縦軸受光相対ピーク強度としたときの受光相対ピーク強度が1%、10%となる受光角幅が正反射特性の指標となる。
この受光相対ピーク強度10%の受光角幅は、5°以下であることが好ましい。5°以下であれば、入射角に対して、指向性の強い反射光を得ることができ、優れた正反射特性を示す。また、受光相対ピーク強度1%の受光角幅は、40°以下であることが好ましい。40°以下であれば、入射角に対して、入射した光のロスを防ぐことができ、指向性の強い反射光を得ることができ、優れた正反射特性を示す。
(表面粗さ)
本反射フィルムの表面粗さは、少なくとも片方の表面の算術平均粗さRaとして、0.1μm以下であることが好ましく、0.09μm以下であることがより好ましい。算術平均粗さRaを上述の範囲にする手段としては、例えば、分散相(II)にフッ素系樹脂であるエチレン−テトラフルオロエチレン系樹脂を用いた場合、その融点が、本発明の規定する範囲にあるものを選択することにより、調整することができる。該樹脂の融点が130℃以上250℃以下であることにより、伸長変形が容易となるため、表面荒れを防止することができる。
また、製膜時において、溶融した組成物をTダイのスリット状の吐出口から押し出し、冷却ロールに密着固化させる際に、溶融した樹脂組成物の両面を平滑性の優れたフィルムにより挟み込む、もしくは、溶融した樹脂組成物の片面を平滑性の優れたフィルムにより貼りあわせることや、平滑性の優れた金属膜や金属ベルトを押し当てること等によっても表面粗荒れを防止することができる。
(層構成)
本反射フィルムにおいては、本発明の主旨を超えない範囲で、力学特性やその他の改良など、必要に応じて他の層を適宜導入してもよい。例えば、拡散反射性を示す反射フィルムなどと重ね合わせることができる。また、積層構成とするにあたり、各層の樹脂組成や厚み比に関しては同一であっても異なっていてもよい。
<用語の説明>
本反射フィルムの形態は特に限定するものではなく、板状、シート状、フィルム状その他の形態を包含する。
一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚みが極めて小さく、最大厚みが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいい(日本工業規格JISK6900)、一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、一般にその厚みが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいう。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
本発明が提案する反射フィルムは、高い反射特性と正反射特性を有し、金属のような光沢を有することから、液晶表示装置、照明装置、装飾用物品などの用途に幅広く使用することができる。
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。
<測定及び評価方法>
先ずは、実施例・比較例で得たサンプルの各種物性値の測定方法及び評価方法について説明する。
(1)熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の平均屈折率差
アタゴ製アッベ屈折率計を用い、ナトリウムD線(589nm)を光源とし、JIS K7124により、実施例、及び、比較例に用いたそれぞれの原料の平均屈折率を測定した後、平均屈折率差を算出した。
(2)厚み
得られた反射フィルムを1/1000mmのダイヤルゲージにて、面内を不特定に5箇所測定しその平均を厚みとした。
(3)透過率、反射率の評価方法
透過率は、分光光度計((株)日立製作所製:U−4000)に積分球を取り付け、標準白色板として、アルミナ白板(日立計測器サービス社製、210−0740)を用いて、測定を行った。測定波長範囲は、300nmから800nmにて行い、測定波長400nmから700nmにおける透過率の平均値を算出した。また、反射率に関しても上記装置により、アルミナ白板(日立計測器サービス社製、210−0740)の反射率が100%となるよう、ベースライン補正を行った後、測定を行い、測定波長400nmから700nmにおける反射率の平均値を算出した。
(4)分散相(II)の流れ方向の平均寸法(L1)
走査型電子顕微鏡(SEM)にて得られたフィルムのMD断面を観察し、得られた写真より分散相(II)の分散径の平均値を算出し、下記基準にて判断した。
○:平均寸法(L1)が、0.45μm以上、100μm以下である。
×:平均寸法(L1)が、0.45μm未満、または、100μmより大きい。
(5)分散相(II)の幅方向の平均寸法(L2)
走査型電子顕微鏡(SEM)にて得られたフィルムのTD断面を観察し、得られた写真より分散相(II)の分散径の平均値を算出し、下記基準にて判断した。
○:平均寸法(L2)が、0.45μm以上、100μm以下である。
×:平均寸法(L2)が、0.45μm未満、または、100μmより大きい。
(6)分散相(II)の厚み方向の平均寸法(L3)
走査型電子顕微鏡(SEM)にて得られたフィルムのMD断面、TD断面を観察し、得られた写真より分散相(II)の分散径の平均値を算出し、下記基準にて判断した。
○:平均寸法(L3)が、0.01μm以上、0.45μm以下である。
×:平均寸法(L3)が、0.01μm未満、または、0.45μmより大きい。
(7)変角光度測定
ゴニオフォトメーターGR200(村上色彩研究所製、自動変角光度測定機)を用い、フィルムの面に対して法線方向0°とし、入射角を−45°として、サンプルに光を入射し、−60°から90°の範囲でフィルムに反射された光を受光した。このとき、得られるピークの最大強度を100%と規格化し、横軸受光角、縦軸受光相対ピーク強度のグラフを作成した。得られたグラフより、受光相対ピーク強度が1%、10%となる受光角幅を算出した。この受光角幅が狭い方がより正反射性が強いことを示す。得られた結果より、下記基準にて判断した。
○;受光相対ピーク強度10%の受光角幅が5°以下である。
×;受光相対ピーク強度10%の受光角幅が5°より大きい。
○;受光相対ピーク強度1%の受光角幅が40°以下である。
×;受光相対ピーク強度1%の受光角幅が40°より大きい。
(8)算術平均粗さRa
JIS B0601−2001に準拠する。
まず、反射フィルムを9mm幅×6mm長さで切り出す。切り出した反射フィルムを、観察用ホルダーにカーボン両面テープ(日新EM株式会社製)に貼り付ける。その後、観察時の試料表面での帯電(チャージアップ)を防止するため、試料の周囲6箇所に導電ペーストを乗せ、表面にPt−Pdを10mAで100秒蒸着する。前記サンプルをESA−2000(エリオニクス社製、非接触式三次元粗さ計)にて、測定倍率250倍(測定範囲:480μmx360μm)にて観察し、算術平均粗さRaを算出した。
(9)引張破断強伸度
得られた反射フィルムについて、JIS K7161(1994年)に準拠してサンプルを作製し、引張破断強度(MPa)及び、引張破断伸度(%)をMD、TD両方向にて測定し、下記基準にて判断した。
○;引張破断強度が150MPa以上
×;引張破断強度が150MPa未満
○;引張破断伸度が30%以上
×;引張破断伸度が30%未満
(10)熱収縮率
得られた反射フィルムについて、測定方向に沿って100mmの間隔の標線を引き、予め130℃に予熱したオーブンの中に吊るした。30分後サンプルを取り出し、室温まで放冷した後、サンプルの標線間の長さを金属スケールで測定し、加熱前後の変化を収縮率とした。測定方向はMD、TD両方向にて測定し、下記基準にて判断した。
○;熱収縮率が5%以下
×;熱収縮率が5%を超える。
<実施例1、2、3>
ポリエチレンナフタレート樹脂(平均屈折率:1.646、Tg:118℃、Tm:261℃、固有粘度0.71dl/g、重量平均分子量5万、以下、A−1と表記)と、エチレン−テトラフルオロエチレン系樹脂(旭硝子社製、Fluon LM−720AP;平均屈折率:1.3795、Tg:67℃、Tm:227℃、以下、B−1と表記)とを表1に示す質量混合比で配合し、十分混合した後、定質量フィーダーにて供給しながら、φ25mm二軸押出機にて290℃で押出混練し、ロール温度110℃のキャストロールにて冷却固化して厚さ950μmのキャストシートを作製した。
得られたキャストシートを、予熱ロール、延伸ロール、冷却ロールからなる縦延伸機にて、予熱温度120℃、延伸温度130℃、冷却温度70℃にて、延伸ロール間でのロール速度差によりMDに3倍延伸した。
その後、得られた縦延伸フィルムを、予熱ゾーン、延伸ゾーン、熱処理ゾーンからなるテンターにて、予熱130℃、延伸130℃、熱処理180℃にてTDに4倍延伸した。予熱ゾーン、延伸ゾーン、熱処理ゾーンの通過時間はそれぞれ32秒であった。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
<実施例4>
実施例2で用いたB−1を、エチレン−テトラフルオロエチレン系樹脂(旭硝子社製、Fluon LM−730AP;平均屈折率:1.3812、Tg:59℃、Tm:228℃、以下、B−2と表記)に変更した以外は、実施例2と同様の手法により、反射フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
<実施例5>
実施例2で用いたB−1を、エチレン−テトラフルオロエチレン系樹脂(旭硝子社製、Fluon LM−740AP;平均屈折率:1.3819、Tg:62℃、Tm:228℃、以下、B−3と表記)に変更した以外は、実施例2と同様の手法により、反射フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例2で用いたB−1を、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオライド系樹脂(3M社製、THV221GZ;平均屈折率:1.363、Tm:113℃、以下、B−4と表記)に変更した以外は、実施例2と同様の手法により、反射フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
<比較例2>
実施例2で用いたB−1を、エチレン−テトラフルオロエチレン系樹脂(旭硝子社製、Fluon ETFE C88AXP;平均屈折率:1.3894、Tg:81℃、Tm:256℃、以下、B−5と表記)に変更した以外は、実施例2と同様の手法により、反射フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
<実施例6>
実施例2のTDの延伸倍率を4倍から5倍に変更した以外は、実施例2と同様の手法により、反射フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
<実施例7>
実施例2のTDの延伸倍率を4倍から6倍に変更した以外は、実施例2と同様の手法により、反射フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
<実施例8>
実施例2のTDの延伸倍率を4倍から7倍に変更した以外は、実施例2と同様の手法により、反射フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
<比較例3>
比較例1のTDの延伸倍率を4倍から5倍に変更した以外は、比較例1と同様の手法により、反射フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
<比較例4>
比較例1のTDの延伸倍率を4倍から6倍に変更した以外は、比較例1と同様の手法により、反射フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
<比較例5>
比較例1のTDの延伸倍率を4倍から7倍に変更した以外は、比較例1と同様の手法により、反射フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
<比較例6>
比較例2のTDの延伸倍率を4倍から5倍に変更した以外は、比較例2と同様の手法により、反射フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
<比較例7>
比較例2のTDの延伸倍率を4倍から6倍に変更した以外は、比較例2と同様の手法により、反射フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
<比較例8>
比較例2のTDの延伸倍率を4倍から7倍に変更した以外は、比較例2と同様の手法により、反射フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
Figure 0005643452
Figure 0005643452
上記結果より明らかであるように、本発明の反射フィルムは、フッ素系樹脂の融解吸熱ピーク温度が所望の範囲にあるため、分散相が非常に薄い板状構造が何層にも重なった状態となるため、高い反射特性と、高い正反射特性を有し、優れた表面平滑性を有し、金属のような光沢を有する好適な反射フィルムであることがわかる。これに対し、比較例1、比較例3〜5のシートは、フッ素系樹脂の融解吸熱ピーク温度が所望の範囲より低いため、ポリエステル系樹脂との混練・押出の際に表面荒れが生じ、結果として、反射特性、正反射特性が共に不十分であった。また、比較例2、比較例6〜8のシートは、フッ素系樹脂の融解吸熱ピーク温度が所望より高く、分散相が大きな楕円体により形成され、入射した光が散乱するため、反射特性は良好な値を示すものの、正反射特性、表面平滑性が共に不十分であった。
上記実施例・比較例の結果、並びにこれまで発明者が行ってきた試験結果などから、連続相(I)と分散相(II)による海島構造を有する層を少なくとも1層有する反射フィルムにおいて、前記連続相(I)を形成する熱可塑性樹脂(A)と、前記分散相(II)を形成する熱可塑性樹脂(B)のどちらか一方が、ポリエステル系樹脂を主成分としてなり、もう一方が、フッ素系樹脂を主成分としてなり、該フッ素系樹脂の融解吸熱ピーク温度が130〜250℃であれば、擬似的な多層効果を発現させることができ、高い反射特性と正反射特性を有し、金属のような光沢を付与することができるものと考えることができる。

Claims (10)

  1. 少なくとも2種の熱可塑性樹脂を含有し、連続相(I)と分散相(II)による海島構造を有する層を少なくとも1層有する反射フィルムであって、前記連続相(I)を形成する熱可塑性樹脂(A)と、前記分散相(II)を形成する熱可塑性樹脂(B)のどちらか一方が、ポリエステル系樹脂を主成分としてなり、もう一方が、フッ素系樹脂を主成分としてなり、該フッ素系樹脂の融解吸熱ピーク温度が130℃以上250℃以下であることを特徴とする反射フィルム。
  2. 前記ポリエステル系樹脂が、ポリエチレンナフタレート系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の反射フィルム。
  3. 前記フッ素系樹脂が、エチレン−テトラフルオロエチレン系樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射フィルム。
  4. 少なくとも片方の表面の算術平均粗さRaが0.1μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の反射フィルム。
  5. 測定波長400nm〜700nmにおける平均反射率が80%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の反射フィルム。
  6. 少なくとも一軸方向に延伸されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の反射フィルム。
  7. フィルムの流れ方向、及び/又は、フィルムの幅方向に2〜9倍延伸されてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の反射フィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の反射フィルムを備えてなる液晶表示装置。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の反射フィルムを備えてなる照明装置。
  10. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の反射フィルムを備えてなる装飾用物品。
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