JP5642849B2 - 室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の調製方法 - Google Patents

室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の調製方法 Download PDF

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Description

本発明は、弾性接着剤やシーリング材などとして有用な室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の調製方法に関する。
空気中の水分と接触することにより室温で硬化しゴム状弾性体を生成するポリオルガノシロキサン組成物(室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物)は、接着性に優れているので、電気・電子工業などにおける弾性接着剤やコーティング材として、また建築用シーリング材などとして広く用いられている。また近時、高速道路、空港の滑走路、高架橋などのコンクリートジョイント部のシール材としてや、自動車用エアバッグのシール部分への使用も検討されている。
特に、前記したコンクリートジョイント部のシール材やエアバッグの弾性接着剤としての使用では、常温で流動性を有し、かつ硬化物が低モジュラス、高伸長、高強度で良好な接着性を有することが要求されるが、そのような要求を十分に満足させる室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物は、未だ得られていないのが現状であった。
すなわち従来から、流動性が高くモジュラスが低いシール材としては、トリメチルシロキシ基で末端をブロックしたポリジメチルシロキサンのような非反応性の可塑剤、またはヒドロキシル基を含まないシリコーン系の可塑剤を高い比率で配合したポリオルガノシロキサン組成物が使用されている。
しかし、このような組成物においては、可塑剤の滲出が生じて、施工箇所の周辺部を汚染しやすいという問題があった。また、可塑剤が滲出したシール部分(硬化物)はモジュラスが大きくなるため、接着境界相における応力が増大し、その結果接着性が低下するという問題があった。さらに、可塑剤を高い比率で配合すると、硬化性が低下し、特に硬化途上において表面亀裂が生ずるおそれが増大するばかりでなく、硬化後の強度が低くなるという問題があった。
また、低モジュラスで高伸長の硬化物を得るために、架橋剤として、フェニル置換トリス−官能性ケトキシムシラン類を用いた室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載された室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物においても、常温での流動性が十分であり、かつ低モジュラスで伸張性に優れた硬化物を得ることが難しかった。
さらに、硬化後の機械的強度を改善するために、充填剤として炭酸カルシウムを配合したポリオルガノシロキサン組成物が知られているが、炭酸カルシウムを高充填すると、粘度が増加し、低粘度化することが困難であった。
また、炭酸カルシウムの表面には水分が吸着しているため、空気中の水分で硬化する1成分型の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物に用いる場合には、脂肪酸のアルカリ金属塩などの界面活性剤で炭酸カルシウムの表面処理を施し、安定化させることが行われているが、表面処理が施された炭酸カルシウムを含有する組成物では、チキソ性は向上するものの流動性が低下するため、施工後自然放置した状態で平滑に硬化させることが難しかった。したがって、コーティング材やポッティング材、あるいはシール材といった用途には不適当であった。
特許第3048246号公報
本発明は、これらの問題を解決するためになされたもので、常温で流動性を有し、硬化物が低モジュラス、高伸長、高強度で接着性が良好であり、かつ周辺部を汚染しない室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を提供することを目的とする。
本発明の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の調製方法は、(A)分子中にケイ素官能基として平均2個以上のシラノール基および/またはケイ素原子に結合したケトキシマト基を有し、23℃における粘度が20,000〜1,000,000mPa・sであるケイ素官能性ポリオルガノシロキサン100重量部に対して、(B)分子中に1個のシラノール基またはケイ素原子に結合したケトキシマト基を有するケイ素官能性ポリオルガノシロキサン5〜100重量部と、(C)平均粒子径が0.5〜10μmの炭酸カルシウム20〜200重量部と、(D)架橋剤である加水分解性基を有するシラン化合物0.5〜25重量部、および(E)硬化触媒0.01〜10重量部
をそれぞれ含有してなり、前記(D)成分である加水分解性基を有するシラン化合物は、(D1)メルカプト基を有する加水分解性基含有シラン化合物と、メルカプト基を持たない加水分解性基含有シラン化合物とを含み、かつ前記(D1)メルカプト基を有する加水分解性基含有シラン化合物を、前記(A)成分であるケイ素官能性ポリオルガノシロキサン100重量部に対して0.05〜5.0重量部の割合で含有する室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を調製する方法であり、前記(D1)メルカプト基を有する加水分解性基含有シラン化合物を、前記(D)成分のうちのメルカプト基を持たない加水分解性基含有シラン化合物の配合の前に、前記(A)成分と前記(B)成分および前記(C)成分の混合物に添加することを特徴とする。
本発明により得られる室温硬化性ポリオルガノシロキサンは、常温で低粘度で流動性を有し、低モジュラス、高伸長、高強度の硬化物を得ることができる。また、硬化性が良好であり、金属、ガラス、樹脂など各種の基材に対して良好な接着性を示し、周辺部への汚染性も少ない。さらに、貯蔵(保存)安定性が良好であり、貯蔵後も初期と同等の特性を有する。
以下、本発明の実施の形態について説明する。実施形態の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物は、(A)分子中に、ケイ素官能基として平均2個以上のシラノール基および/またはケイ素原子に結合したケトキシマト基であるケトキシミノシリル基を有し、23℃における粘度が20,000〜1,000,000mPa・sであるケイ素官能性ポリオルガノシロキサンと、(B)分子中に1個のシラノール基またはケイ素原子に結合したケトキシマト基(ケトキシミノシリル基)を有するケイ素官能性ポリオルガノシロキサンと、(C)平均粒子径が0.5〜10μmの炭酸カルシウムと、(D)架橋剤である加水分解性基を有するシラン化合物、および(E)硬化触媒をそれぞれ含有している。そして、(D)成分である加水分解性基を有するシラン化合物は、(D1)メルカプト基を有する加水分解性基含有シラン化合物を含有している。以下、実施形態の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の各成分について説明する。
(A)成分であるケイ素官能性ポリオルガノシロキサンは、実施形態の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物のベースポリマーである。(A)成分は、分子中にケイ素官能基として平均2個以上のシラノール基および/またはケイ素原子に結合したケトキシマト基を有し、(E)成分の触媒作用によって(D)成分である架橋剤と反応し硬化する。反応は加水分解反応とそれに続く縮合反応であり、空気中の水分の存在で進行する。(A)成分であるケイ素官能性ポリオルガノシロキサンの粘度(23℃)は、20,000〜1,000,000mPa・sである。
実施形態に用いられる(A)ケイ素官能性ポリオルガノシロキサンは、代表的には一般式:
Figure 0005642849
で示される実質的に直鎖状のポリオルガノシロキサンである。
式中、Rは互いに同一でも異なっていてもよい置換または非置換の1価の炭化水素基を表し、Rは水酸基または―ZSiR 3−pを表す。ここで、Zは2価の酸素基および/または2価の炭化水素基を表し、Rは互いに同一でも異なっていてもよい置換または非置換の1価の炭化水素基を表し、Xは水酸基または加水分解性基であるケトキシマト基を表し、pは1〜3の数を表す。また、nは該(A)成分の23℃における粘度を20,000〜1,000,000mPa・sにする数である。このように(A)成分は、分子の両末端にそれぞれ少なくとも1個のケイ素原子に結合した水酸基(シラノール基)またはケイ素原子に結合したケトキシマト基(ケトキシミノシリル基)を有する。
一方、特に耐熱性、耐放射線性、耐寒性または透明性を付与する場合は、Rの一部として必要量のフェニル基を、耐油性、耐溶剤性を付与する場合は、Rの一部として3,3,3−トリフルオロプロピル基や3−シアノプロピル基を、また塗装適性を有する表面を付与する場合は、Rの一部として長鎖アルキル基やアラルキル基を、それぞれメチル基と併用するなど、目的に応じて任意に選択することができる。
また、硬化前の組成物に低粘度で高い流動性を付与するとともに、硬化物に優れた機械的特性を与えるために、(A)成分のnは、該(A)成分の23℃における粘度が20,000〜1,000,000mPa・s、好ましくは40,000〜500,000mPa・sになるように選択される。(A)成分の粘度が20,000mPa・s未満では、硬化物の伸張性が十分でない。一方、粘度が1,000,000mPa・sを超えると、製造が困難で均一な組成物が得にくく、流動性も低下するため好ましくない。特に好ましい粘度は、硬化前および硬化後の組成物に要求される特性のバランスをとる点から、40,000〜200,000mPa・sの範囲である。
実施形態において、(B)成分である分子中に1個のシラノール基またはケイ素原子に結合したケトキシマト基を有するケイ素官能性ポリオルガノシロキサンとしては、例えば、一般式:
Figure 0005642849
で示される実質的に直鎖状のポリオルガノシロキサンが挙げられる。式中、Rは、互いに同一でも異なっていてもよい置換または非置換の1価の炭化水素基を表し、(A)成分のケイ素原子に直接結合した有機基Rと同様な基を例示することができる。入手のしやすさと、優れた架橋反応速度が得られることから、メチル基またはビニル基が好ましい。
は水酸基または―ZSiR 3−pを表す。ここで、ZとRおよびpは、いずれも(A)成分を表す式におけるZ,Rおよびpと同じ基および数を表す。さらに、mは該(B)成分の23℃における粘度を100〜200,000mPa・sにする数である。このように(B)成分としては、分子の片側末端に1個の、ケイ素原子に結合した水酸基(シラノール基)またはケイ素原子に結合したケトキシマト基(ケトキシミノシリル基)を有するものが挙げられる。なお、(B)成分において、分子中に1個存在するシラノール基またはケイ素原子に結合したケトキシマト基の位置は、このように分子の末端ではなく、中間部でもよい。
実施形態において、(B)成分であるケイ素官能性ポリオルガノシロキサンの配合量は、前記(A)成分100重量部に対して5〜100重量部、より好ましくは5〜50重量部の範囲である。5重量部未満では、硬化前の組成物の流動性と硬化物の伸張性が十分でなくなるため好ましくない。100重量部を超える場合には、硬化物の機械的強度が十分でなくなるため好ましくない。
実施形態において(C)成分である炭酸カルシウムは、硬化前の組成物に高い流動性を付与し、かつ硬化物に高い機械的強度を付与することを目的として配合されるものであり、平均粒子径が0.5〜10μmのものが使用される。炭酸カルシウムの平均粒子径が10μmを超えると、硬化物の機械的特性が低下するばかりでなく、硬化物の伸張性が十分でなくなる。また、平均粒子径が0.5μm未満の場合には、硬化前の組成物の粘度が上昇し流動性が低下するため好ましくない。
(C)成分である炭酸カルシウムは、表面が未処理のものの他に、脂肪酸、樹脂酸、エステル化合物、ケイ酸系化合物などで表面を処理したものも使用することができる。
実施形態において、(D)成分である加水分解性基を有するシラン化合物は、前記(A)成分であるケイ素官能性ポリオルガノシロキサンの架橋剤として機能する。この(D)シラン化合物の一部として、(D1)メルカプト基を有する加水分解性基含有シラン化合物が用いられる。(D1)成分であるメルカプト基を有する加水分解性基含有シラン化合物は、例えば、一般式:R 4−qSiY(式中、Rは互いに同一でも異なっていてもよいメルカプト基を有する1価の炭化水素基を表し、Yは加水分解性基を表す。またqは、平均2を超え、4以下の数である。)で示される。
は、メルカプト基を有する1価の炭化水素基を表し、1価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基のようなアルキル基を例示することができる。また、加水分解反応性基Yとしては、メトキシ基、エトキシ基のようなアルコキシ基が挙げられる。(D)成分であるメルカプト基含有シラン化合物の例としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
この(D1)メルカプト基を有する加水分解性基含有シラン化合物は、(A)成分であるケイ素官能性ポリオルガノシロキサンの架橋剤としての働きをするばかりでなく、(C)成分である炭酸カルシウムの表面処理剤としても機能し、硬化前の組成物に流動性を付与するとともに、硬化物に良好な機械的特性と伸張性を付与する。さらに、モルタルなど接着が困難な部材に対する接着性を向上させる効果を有する。したがって、(D1)成分であるメルカプト基を有する加水分解性基含有シラン化合物は、後述するその他の(D)シラン化合物の配合の前に添加することが好ましい。すなわち、(A)成分および(B)成分に(C)成分である炭酸カルシウムを配合した混合物に、まず(D1)成分であるメルカプト基を有する加水分解性基含有シラン化合物を添加し、十分に混合した後、その他の(D)加水分解性基含有シラン化合物を添加することが好ましい。ただし、(D1)メルカプト基を有する加水分解性基含有シラン化合物とその他の(D)シラン化合物を同時に添加しても、(D1)成分の表面処理特性が大きく低下することはなく、十分に効果を上げることができる。
(D1)メルカプト基を有する加水分解性基含有シラン化合物以外の(D)成分である架橋剤としては、一般式:R 4−rSiWで表されるシラン化合物を使用することができる。ここで、Rは互いに同一でも異なっていてもよい置換または非置換の1価の炭化水素基を表し、(A)成分のケイ素原子に直接結合した有機基Rと同様な基を例示することができる。入手のしやすさと、優れた架橋反応速度が得られることから、メチル基またはビニル基が好ましい。Wは加水分解性基を表し、(A)成分の末端に存在するXとして挙げられたケトキシマト基が例示される。rは、平均2を超え、4以下の数である。
合成が容易で組成物の保存安定性を損なうことなく、しかも大きな架橋反応速度(硬化速度)を与える点を考慮すると、これらの架橋剤の中で、メチルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン、ビニルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン、フェニルトリス(メチルエチルケトキシム)シランおよびそれらの部分加水分解縮合物を使用することが好ましい。
実施形態においては、このようなケトキシマト基含有シランの他に、置換された炭化水素基を有するシランを、架橋剤として併用してもよい。
実施形態の組成物は、以上の全ての成分および必要に応じて各種添加剤を、湿気を遮断した状態で混合することにより得られる。得られた組成物は、密閉容器中でそのまま保存し、使用時に空気中の水分に曝すことによってはじめて硬化する、いわゆる1包装型(1液型)の室温硬化性組成物として使用することができる。また、本発明の組成物を、例えば架橋剤と硬化触媒を分けた組成物として調製し、適宜2〜3個の別々の容器に分けて保存し、使用時にこれらを混合する、いわゆる多包装型室温硬化性組成物として使用することもできる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中、「部」とあるのは「重量部」を、「%」とあるのは「重量%」をそれぞれ表す。粘度などの物性値は、全て23℃、相対湿度(RH)50%での測定値を示したものである。
実施例1
(A)成分である粘度80,000mPa・sのα,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン100部に、(B)成分である粘度2,000mPa・sの片側末端ヒドロキシポリジメチルシロキサン10部と、(C)成分である樹脂酸で処理された重質炭酸カルシウム(平均粒子径1.1μm)80部、および粘度100mPa・sの両末端をトリメチルシロキシ基で封鎖されたポリジメチルシロキサン40部を配合し、均一に混練した。
次に、この混合物に3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン0.8部を添加し、再度混練した。次いで、いずれも(D)成分であるメチルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン8部、ビニルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン2部、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン0.8部を加え、さらにN−プロピルオルソシリケート0.5部と(E)成分であるジブチルスズジラウレート0.2部をそれぞれ湿気遮断下の状態で加えて均一に混合し、1液型の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を得た。
実施例2
(D)成分として、メチルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン8部とビニルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン2部を配合する代わりに、フェニルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン10部を配合した。それ以外は実施例1と同様にして室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を得た。
実施例3〜10
表1に示す各成分を同表に示す組成でそれぞれ配合し、実施例1と同様な手順で混合して室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を得た。
Figure 0005642849
比較例1
(A)成分である粘度80,000mPa・sのα,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン100部に、(C)成分である樹脂酸で処理された重質炭酸カルシウム(平均粒子径1.1μm)100部と、粘度100mPa・sの両末端をトリメチルシロキシ基で封鎖されたポリジメチルシロキサン87.5部を加え、均一に混練した。(B)成分である片側末端ヒドロキシポリジメチルシロキサンは配合しなかった。
次に、この混合物に(D1)成分である3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを配合することなく、いずれも(D)成分であるメチルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン10部、ビニルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン2.5部、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン1.0部を加え、さらにN−プロピルオルソシリケート0.6部と(E)成分であるジブチルスズジラウレート0.3部をそれぞれ湿気遮断下の状態で加えて均一に混合し、室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を得た。
比較例2
(D1)成分である3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを配合しなかった他は実施例1と同様にして室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を得た。
比較例3〜9
表2に示す各成分を同表に示す組成でそれぞれ配合し、実施例1と同様な手順で混合して室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を得た。
Figure 0005642849
次に、実施例1〜10および比較例1〜9で得られたポリオルガノシロキサン組成物について、タックフリータイム、粘度、物理的特性(硬さ、引張り強さ、伸びおよび100%伸長時の引張り強さ)、接着性、汚染性(モルタル)および貯蔵安定性(加熱劣化促進後特性)を、それぞれ以下に示す方法で測定し評価した。これらの測定結果を表3および表4に示す。
(a)タックフリータイム
組成物を23℃、50%RHの雰囲気中に押し出した後、指で表面に接触して、乾燥状態にあることを確認するに至る時間を測定した。
(b)粘度
組成物を23℃、50%RHの雰囲気中で、50ccのポリスチレン製カップに注入した後、回転粘度計を用いて粘度を測定した。
(c)物理的特性
組成物を厚さ2mmのシート状に押し出し、得られたシートを23℃、50%RHで7日間放置して空気中の湿気により硬化させた。そして、硬化物の硬さ、引張り強さ、伸び、および100%伸長時の引張り強さ(モジュラス)をJIS K6301に準拠して測定した。
(d)接着性
組成物を、アルミニウム、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート、シリコーンゴム被覆ナイロン基布、およびモルタルにそれぞれ塗布した後、23℃、50%RHで7日間放置して空気中の湿気により硬化させ、試験体とし、硬化物の各被着体に対する接着性として、凝集破壊率を測定した。
(e)汚染性(モルタル)
組成物をモルタル(JIS規格品)に塗布した後、23℃、50%RHで7日間放置して空気中の湿気により硬化させ、試験体とした。その試験体を屋外で3ヶ月間曝露し、周辺のモルタルへの汚染性(汚れ)の有無を目視で確認した。
(f)貯蔵安定性(加熱劣化促進後特性)
湿気を遮断した容器に組成物を入れ、70℃で5日間加熱し劣化させた後、前記と同様にしてタックフリータイム、粘度、物理的特性を測定した。
Figure 0005642849
Figure 0005642849
表3および表4からわかるように、実施例1〜10で調製された室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物は、比較例1〜9で得られた組成物に比べて、低粘度で流動性を有しており、かつ低モジュラス、高伸張で高強度の硬化物を形成することができた。また、実施例1〜10の組成物は、硬化性が良好であり、アルミニウム、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート、シリコーンゴム被覆ナイロン基布、モルタルの各種の基材に対して良好な接着性を示し、モルタルへの汚染性も少なかった。さらに、初期特性と比べて加熱促進劣化後の特性の低下が少なく、貯蔵安定性(保存安定性)が良好なことが確かめられた。
本発明の室温硬化性ポリオルガノシロキサンは、常温で低粘度で流動性を有し、低モジュラス、高伸長、高強度で接着性に優れた硬化物を形成することができる。したがって、高速道路、空港の滑走路、高架橋などのコンクリートジョイント部のシール材として、また建築物の構造弾性接着剤あるいはエアバックなどの弾性接着剤としてなど、利用可能である。

Claims (6)

  1. (A)分子中にケイ素官能基として平均2個以上のシラノール基および/またはケイ素原子に結合したケトキシマト基を有し、23℃における粘度が20,000〜1,000,000mPa・sであるケイ素官能性ポリオルガノシロキサン100重量部に対して、
    (B)分子中に1個のシラノール基またはケイ素原子に結合したケトキシマト基を有するケイ素官能性ポリオルガノシロキサン5〜100重量部と、
    (C)平均粒子径が0.5〜10μmの炭酸カルシウム20〜200重量部と、
    (D)架橋剤である加水分解性基を有するシラン化合物0.5〜25重量部、および
    (E)硬化触媒0.01〜10重量部
    をそれぞれ含有してなり、
    前記(D)成分である加水分解性基を有するシラン化合物は、(D1)メルカプト基を有する加水分解性基含有シラン化合物と、メルカプト基を持たない加水分解性基含有シラン化合物とをそれぞれ含み、かつ前記(D1)メルカプト基を有する加水分解性基含有シラン化合物を、前記(A)成分であるケイ素官能性ポリオルガノシロキサン100重量部に対して0.05〜5.0重量部の割合で含有する室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を調製する方法であり、
    前記(D1)メルカプト基を有する加水分解性基含有シラン化合物を、前記(D)成分のうちのメルカプト基を持たない加水分解性基含有シラン化合物の配合の前に、前記(A)成分と前記(B)成分および前記(C)成分の混合物に添加することを特徴とする室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の調製方法。
  2. 前記(A)成分および前記(B)成分に前記(C)成分を配合した混合物に、前記(D1)メルカプト基を有する加水分解性基含有シラン化合物を添加し、十分に混合した後、前記メルカプト基を持たない加水分解性基含有シラン化合物を添加することを特徴とする請求項1記載の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の調製方法。
  3. 前記(D)成分のうちのメルカプト基を持たない加水分解性基含有シラン化合物の少なくとも一部として、ケイ素原子に結合したケトキシマト基を有するシラン化合物を含むことを特徴とする請求項1または2記載の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の調製方法。
  4. 前記(D1)メルカプト基を有する加水分解性基含有シラン化合物は、前記加水分解性基としてメトキシ基またはエトキシ基を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の調製方法。
  5. 前記(D)成分である加水分解性基を有するシラン化合物の一部として、ケイ素原子に結合した置換または非置換の炭化水素基を有するシラン化合物を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の調製方法。
  6. 前記(D1)メルカプト基を有する加水分解性基含有シラン化合物を、前記(A)成分であるケイ素官能性ポリオルガノシロキサン100重量部に対して、0.1〜4.0重量部の割合で配合することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の調製方法。
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