JP5642460B2 - 限界熱流束予測装置、限界熱流束予測方法、安全評価システム及び炉心燃料評価監視システム - Google Patents

限界熱流束予測装置、限界熱流束予測方法、安全評価システム及び炉心燃料評価監視システム Download PDF

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Description

本発明は、原子炉の炉心に用いられる燃料棒の限界熱流束を予測する限界熱流束予測及び原子炉の燃料棒の熱的余裕を評価する安全評価に関する。
例えば、加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)や沸騰水型原子炉(BWR:Boiling Water Reactor)は、軽水を原子炉冷却材(以下、冷却材という。)及び中性子減速材として使用する。原子炉の通常運転時に、冷却材は燃料棒の被覆管を冷却し被覆管の温度を下げている。
被覆管と冷却材との伝熱面は、非沸騰領域では熱流束が小さく冷却は十分である。熱流束が増加していくと、被覆管と冷却材との伝熱面に発生した蒸気が気泡となって流れる核沸騰状態となる。核沸騰状態では、気泡の生成及び撹拌作用により被覆管から冷却材へさらに良好に熱が伝達できる。さらに熱流束が増加すると被覆管と冷却材との伝熱面を蒸気が覆うようになるため、被覆管から冷却材へ熱が伝達し難くなる。このように伝熱面を蒸気が覆うため、被覆管から冷却材へ熱が伝達し難くなる状態を膜沸騰という。核沸騰から膜沸騰へ移行すると、被覆管の温度が急上昇する。ここで、被覆管から冷却材への熱伝達が低下し、被覆管の温度が急上昇し始める熱流束を限界熱流束という。
炉心熱設計で重要な事項は、被覆管の温度を急上昇させないために、限界熱流束を予測することである。炉心熱設計で重要な事項は、限界熱流束と実際の炉心内の熱流束との比較により、燃料棒の熱的余裕を評価することである。限界熱流束の予測は、実原子炉を模擬した試験データに基づく実験式を限界熱流束相関式として使用している。
特許文献1及び非特許文献1には、従来の限界熱流束相関式が記載されている。従来の限界熱流束相関式は、例えば特許文献1の0016段落記載のように、熱平衡クオリティに対する限界熱流束の関数として1次関数を用いていた。また、非特許文献2には、単管試験データの限界熱流束(CHF:critical heat flux)を整理して作られたルックアップテーブル(LUT:look-up table)が開示されている。ここで、図18は、非特許文献2より「熱平衡クオリティに対する限界熱流束の実験的特性(Groeneveldのルックアップテーブル)」の関係を導いてプロットし図示した説明図である。
特開2008−261693号公報
MAPI−1075 改4,三菱新DNB相関式(MIRC−1)について、(2006) D.C. Groeneveld, et al., The 2006 CHF look-up table, Nuclear Engineering and Design, Vol.237,(2007),pp.1909-1922
しかしながら、図18に示すように、非特許文献2に基づく「熱平衡クオリティに対する限界熱流束の実験的特性(Groeneveldのルックアップテーブル)」の関係に対し、従来の限界熱流束相関式では限界熱流束の予測が適切ではない領域があった。従来の限界熱流束相関式は限界熱流束を熱平衡クオリティの一次関数で近似していた。一方、熱平衡クオリティに対する限界熱流束の関係は、実際には非直線であった。また、図18に示されるように、熱平衡クオリティに対する限界熱流束の関係は、高熱平衡クオリティ領域で0に漸近している。また、熱平衡クオリティに対する限界熱流束の関係は、低熱平衡クオリティ領域では変曲点がみられる場合がある。従来の限界熱流束相関式である一次関数は、限界熱流束の予測精度を保持しようとすると、直線的な挙動を示す熱平衡クオリティ範囲に限定されてしまう。限界熱流束の予測を行うにあたり、熱平衡クオリティが広範囲でも精度の高い限界熱流束の予測ができることが求められている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、広範囲の熱平衡クオリティであっても精度の高い限界熱流束が予測可能となる限界熱流束予測装置、限界熱流束予測方法、安全評価システム及び炉心燃料評価監視システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために本発明の限界熱流束予測装置は、熱流束を変更した実験条件ごとにサンプリングされた限界熱流束と、前記実験条件から定まる熱平衡クオリティを含む実験データを記憶する記憶部と、前記実験データから熱平衡クオリティに対する限界熱流束の関係を示す相関プロット分布を求める実験データプロット部と、前記限界熱流束を前記熱平衡クオリティの関数で表現したモデル関数であるロジスティック式で前記相関プロット分布を近似することにより、前記限界熱流束と前記熱平衡クオリティとの相関式を求める限界熱流束相関式算出部と、を含むことを特徴とする。
この本発明の限界熱流束予測装置では、広範囲の熱平衡クオリティであっても精度の高い限界熱流束が予測可能となる。
また、この発明に係る限界熱流束予測装置では、前記ロジスティック式は、式(1)であることを特徴とする。ここで、q”は限界熱流束、xは熱平衡クオリティであり、A、K、Cは係数である。
Figure 0005642460
また、この発明に係る限界熱流束予測装置では、限界熱流束を熱平衡クオリティの関数で表現したロジスティック式を用い、例えば、変曲点や収束曲線を有する非線形な相関プロット分布を近似可能となる。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために本発明の限界熱流束予測方法では、熱流束を変更した実験条件ごとにサンプリングされた限界熱流束と、前記実験条件から定まる熱平衡クオリティを含む実験データを取得するステップと、前記実験データから熱平衡クオリティに対する限界熱流束の関係を示す相関プロット分布を求める相関プロットステップと、前記限界熱流束を前記熱平衡クオリティの関数で表現したモデル関数であるロジスティック式で前記相関プロット分布を近似することにより、前記限界熱流束と前記熱平衡クオリティとの相関式を求める限界熱流束相関式算出ステップと、を含むことを特徴とする。
この本発明の限界熱流束予測方法では、広範囲の熱平衡クオリティであっても精度の高い限界熱流束が予測可能となる。
また、この発明に係る限界熱流束予測方法では、前記ロジスティック式は、式(1)であることを特徴とする。ここで、q”は限界熱流束、xは熱平衡クオリティであり、A、K、Cは係数である。
Figure 0005642460
また、この発明に係る限界熱流束予測方法では、限界熱流束を熱平衡クオリティの関数で表現したロジスティック式を用い、例えば、変曲点や収束曲線を有する非線形な相関プロット分布を近似可能となる。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために本発明の安全評価システムは、原子炉の状況解析を行う炉心条件算出部と、前記原子炉の状況解析に応じて前記原子炉の炉心内の3次元的な流体挙動を求めるサブチャンネル解析部と、前記3次元的な流体挙動に基づき、炉心内で最も熱的に厳しい燃料棒の限界熱流束比を最小限界熱流束比として算出する限界熱流束比算出部と、前記最小限界熱流束比と許容制限値との比較により安全評価する安全判断評価部と、を有し、限界熱流束と実際の熱流束の比である前記限界熱流束比を求めるための限界熱流束相関式は、前記限界熱流束を熱平衡クオリティの関数で表現したモデル関数であるロジスティック式であることを特徴とする。
また、この発明に係る安全評価システムでは、原子炉の燃料棒の熱的余裕を精度よく判断できる。
また、この発明に係る安全評価システムでは、前記ロジスティック式は、式(1)であることが好ましい。ここで、q”は限界熱流束、xは熱平衡クオリティであり、A、K、Cは係数である。
Figure 0005642460
また、この発明に係る安全評価システムでは、限界熱流束を熱平衡クオリティの関数で表現したロジスティック式で、広範囲の熱平衡クオリティであっても精度の高い限界熱流束が予測可能となる。精度の高い限界熱流束が予測できるので、最小限界熱流束比も精度よく予測できる。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために本発明の炉心燃料評価監視システムでは、原子炉の測定データを測定する測定装置と、前記原子炉を制御するプラント制御装置と、前記安全評価システムと、を有し、前記安全評価システムは、前記測定データに基づいて算出した最小限界熱流束比と許容制限値との比較により安全評価し、前記安全評価に基づいて前記プラント制御装置が原子炉を制御することを特徴とする。
この本発明の炉心燃料評価監視システムでは、原子炉の通常運転時の場合及び運転時の異常な過渡変化の場合において、安全に原子炉を制御できる。
本発明に係る限界熱流束予測装置、限界熱流束予測方法、安全評価システム及び炉心燃料評価監視システムは、広範囲の熱平衡クオリティであっても精度の高い限界熱流束が予測可能となるという効果を奏する。
図1は、実施形態1に係る炉心燃料評価監視システムを有する原子炉の概念図である。 図2は、実施形態1に係る炉心を模式的に説明する説明図である。 図3は、実施形態1に係る燃料集合体を模式的に説明する説明図である。 図4は、実施形態1に係る燃料集合体を模式的に説明する説明図である。 図5は、実施形態1に係る燃料棒を模式的に説明する説明図である。 図6は、実施形態1に係る限界熱流束予測装置を説明するための説明図である。 図7は、実施形態1に係る炉心の実形状模擬燃料実験装置を模式的に説明する説明図である。 図8は、実施形態1に係る限界熱流束予測手順について説明するフロー図である。 図9は、実施形態1に係る限界熱流束相関式の挙動を説明する説明図である。 図10は、実施形態1に係る限界熱流束相関式の挙動を説明する説明図である。 図11は、実施形態1に係る限界熱流束相関式の挙動を説明する説明図である。 図12は、実施形態1に係る限界熱流束相関式のフィッティングを説明するための説明である。 図13は、実施形態1に係る限界熱流束相関式のフィッティングを説明するための説明である。 図14は、実施形態1に係る安全評価システムを説明する説明図である。 図15は、実施形態1に係る安全評価手順について説明するフロー図である。 図16は、実施形態1に係る炉心燃料評価監視の手順を説明するフロー図である。 図17は、実施形態2に係る安全評価手順について説明するフロー図である。 図18は、熱平衡クオリティに対する限界熱流束の実験的特性(Groeneveldのルックアップテーブル)の関係について説明する説明図である。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施形態の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施形態に記載された装置、システム、方法及び変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
(実施形態1)
図1は、原子炉の概念図である。図2は、炉心を模式的に表した説明図である。図3及び図4は、燃料集合体を模式的に表した説明図である。図5は、燃料棒を模式的に表した説明図である。
図1に示す原子炉1は加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)である。原子炉1は、圧力容器2内に炉心3を備えている。炉心3の核***反応を制御するため、原子炉1は、複数の制御棒4を備えている。制御棒4は、制御棒制御装置6と連結棒5とで連結されている。制御棒4は、制御棒制御装置6によって炉心3に挿入又は引抜き可能に制御される。制御棒4の移動方向は、原子炉1の軸(すなわち炉心3の軸)AXと平行になる。原子炉1は、上部炉外中性子束検出器7及び下部炉外中性子束検出器8を備えている。プラント制御装置10は、制御棒制御装置6と相互に制御データをやり取りしたり、一方に命令を出したりできるように構成される。そして、プラント制御装置10には、液晶表示パネルやCRT(Cathode Ray Tube)等の表示手段11や、キーボード等の入力手段12が備えられている。プラント制御装置10は、安全評価システムが組み込まれ炉心燃料評価監視システムとしても機能する。
図2に示すように、炉心3は、複数個の燃料集合体30で構成されており、燃料集合体30が90度の対称性を維持するように幾何形状に配設されている。燃料の交換は、燃料集合体30の単位で行われる。図3に示すように、各燃料集合体30は、集合体間ギャップ36内に複数の燃料棒31を有している。また、燃料集合体30の内部は冷却材32で満たされる。燃料集合体30は、複数の制御棒4が挿入可能に構成されている。制御棒4の挿入方向は燃料棒31と平行である。図4に示すように、燃料集合体30は、複数の燃料棒31が支持格子33により格子状に束ねられて構成され、上端部に上部ノズル34が固定される一方、下端部に下部ノズル35が固定されている。本実施形態の燃料集合体30は17×17型である。
図5に示すように、燃料棒31は燃料ペレット61を内包している。燃料ペレット61は、核***性物質としてのウラン235を5%以下に濃縮した二酸化ウランを焼き固め、ペレット状に形成したものである。被覆管62はジルコニウム合金製であり、内部に所定数の燃料ペレット61が充填され、上部にスプリング63が装着されることで押さえられると共に、内部にヘリウムガスが充填された状態で、上端部及び下端部に端栓64、65が固定されることで、燃料棒31が形成されている。図3に示すように、燃料棒31の周囲が冷却材32で覆われているため、冷却材32は燃料棒31の被覆管62を冷却し被覆管62の温度を下げている。
加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)の燃料集合体30では、燃料棒31の被覆管62の周囲に冷却材32が流れて、被覆管62の壁面近傍に沸騰気泡が発生する。熱流束が増加すると、沸騰気泡が増加する。沸騰気泡が被覆管62の全体を覆うと、被覆管62から冷却材32への熱伝達が低下し始める。ここで、被覆管から冷却材への熱伝達が低下し、被覆管の温度が急上昇し始める熱流束を限界熱流束という。炉心熱設計で重要な事項は、被覆管の温度を急上昇させないために、限界熱流束を予測することである。また、炉心熱設計で重要な事項は、限界熱流束と実際の炉心内の熱流束との比較により、燃料棒の熱的余裕を評価することである。限界熱流束は、実原子炉を模擬した試験データに基づく実験式を限界熱流束相関式として使用することにより求められる。以下、限界熱流束相関式を用いて限界熱流束を予測する限界熱流束予測装置と、限界熱流束相関式を用いて安全評価を行う安全評価システムについて説明する。
図6は、限界熱流束相関式を用いて限界熱流束を予測する限界熱流束予測装置を説明する説明図である。図6に示すように、限界熱流束予測装置100は、入力処理回路101と、入力ポート102と、処理部120と、記憶部125と、出力ポート103と、出力処理回路104と、表示手段105、必要があればキーボードなどの入力手段106とを有する。処理部120は、例えば、CPU(Central Processing Unit:中央演算装置)とメモリとを組み合わせて構成することができる。処理部120は、実験データプロット部121と、サブチャンネル解析部122と、限界熱流束相関式算出部123と、制御部124とを有する。このうち、実験データプロット部121と、サブチャンネル解析部122と、限界熱流束相関式算出部123とが、実施形態1に係る限界熱流束予測方法を実行する部分となる。
処理部120と、記憶部125と、入力ポート102及び出力ポート103とは、バス111〜バス113を介して接続される。バス111〜バス113と制御部124とにより、限界熱流束予測装置100の処理部120を構成する実験データプロット部121と、サブチャンネル解析部122と、限界熱流束相関式算出部123とは、相互に制御データをやり取りしたり、一方に命令を出したりできるように構成される。
入力ポート102には、入力処理回路101が接続されている。入力処理回路101には、後述する実験装置のセンサからの出力信号isが接続されている。そして、センサから出力される信号isは、入力処理回路101に備えられるノイズフィルタやA/Dコンバータ等により、処理部120が利用できる信号に変換されてから、入力ポート102を介して処理部120へ送られる。これにより、処理部120は、限界熱流束を予測するために必要な情報を取得することができる。
出力ポート103には、出力処理回路104が接続されている。出力処理回路104には、表示手段105や、外部出力用の端子が接続されている。出力処理回路104は、表示手段制御回路や、信号増幅回路等を備えている。出力処理回路104は、処理部120で算出された限界熱流束相関式を、表示手段105に表示させる表示信号として出力したり、外部機器へ伝達する出力信号idとして出力したりする。表示手段105は、例えば液晶表示パネルやCRT(Cathode Ray Tube)等を用いることができる。
記憶部125には、実施形態1に係る限界熱流束予測方法の処理手順を含むコンピュータプログラムや限界熱流束相関式を推定するための実験の計測データ及び実験の計測データのデータベース、サブチャンネル解析コード等が格納されている。ここで、記憶部125は、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、ハードディスクドライブあるいはこれらの組み合わせにより構成することができる。
上記コンピュータプログラムは、処理部120へすでに記録されているコンピュータプログラムとの組み合わせによって、この実施形態に係る限界熱流束予測方法の処理手順を実現できるものであってもよい。また、この限界熱流束予測装置100は、コンピュータプログラムの代わりに専用のハードウェアを用いて、実験データプロット部121、サブチャンネル解析部122、限界熱流束相関式算出部123の機能を実現するものであってもよい。
また、この実施形態に係る限界熱流束予測方法は、予め用意された限界熱流束予測用プログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション、あるいはプラント制御用コンピュータ等のコンピュータシステムで実行することによって実現することもできる。また、このプログラムは、ハードディスク等の記録装置、フレキシブルディスク(FD)、ROM、CD−ROM、MO、DVD、フラッシュメモリなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器などのハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」には、インターネットなどのネットワークや電話回線などの通信回線網を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものを含むものとする。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
次に、実施形態1に係る限界熱流束予測装置100を用いた限界熱流束予測方法について説明する。まず、実原子炉を模擬した試験データを取得する炉心の実形状模擬燃料実験装置について説明する。
図7は、炉心の実形状模擬燃料実験装置を模式的に説明する説明図である。実験装置200は、実験容器201内が冷却材32で満たされている。実験装置200の実験容器201内では、模擬支持格子33を有する模擬燃料棒31が冷却材32に覆われるように配置されている。模擬燃料棒31は、電源202から模擬燃料棒31に直接電圧をかけることにより、直接的な加熱が可能とされている。あるいは模擬燃料棒31は電源202に接続されたヒータ203で間接的な加熱が可能とされている。模擬燃料棒31は、燃料集合体として設計したい主要寸法(水力等価直径及び発熱長など)を模擬するものである。実験装置200は、模擬燃料棒31の表面温度を計測するセンサ204が備えられている。センサ204は、上述した限界熱流束予測装置100と接続されている。センサ204は実験装置200に複数設けられており、いずれかのセンサ204が限界熱流束を感知することができる。センサ204が限界熱流束を感知したときは、模擬燃料棒31の温度が急激に上昇したときである。実験装置200は、装置内の冷却材32の圧力、質量速度、温度を計測するためのセンサ205が備えられている。センサ205は模擬燃料棒31から発生する熱流束も計測する。センサ205は、上述した限界熱流束予測装置100と接続されている。実験装置200は、装置内の冷却材32の圧力、質量速度、温度、模擬燃料棒31から発生する熱流束の実験条件を変更して実験を行う。実験条件ごとに限界熱流束時の計測データがセンサ204およびセンサ205でサンプリングされ、実験条件から自明的に定められる熱平衡クオリティと共に限界熱流束予測装置100へ出力信号isとして送付する。ここで、熱平衡クオリティとは、下記「数4」で表される式(2)で表されるエンタルピの関数である。模擬燃料棒31は、複数の燃料棒を模擬してもよく、例えば3×3や5×5配列の燃料集合体であってもよい。実験条件は、例えば、圧力9.8MPa〜17.2MPa、質量速度1200kg/ms〜5000kg/ms、入口温度183℃〜331℃である。また、試験部形状としては、例えば、発熱棒外形9.50mm〜12.7mm、発熱長2.44m〜4.27m、軸方向出力分布一様又は非一様、水力等価直径9.4mm〜15.2mm、支持格子間隔330mm〜813mmである。
Figure 0005642460
図6に示すように、限界熱流束予測装置100は、図7のセンサ204および205から出力される出力信号isを入力処理回路101に備えられるノイズフィルタやA/Dコンバータ等により、処理部120が利用できる信号に変換する。処理部120は、入力ポート102を介して出力信号isを取り込み、記憶部125へサンプリングした出力信号isを実験データとして保存する。また、予め記憶部125に実験条件が保存されていない場合には、キーボードなどの入力手段106により、実験条件を入力しておき、入力処理回路101、入力ポート102を介して、記憶部125に保存しておくことが好ましい。そして、限界熱流束予測装置100は、実験条件データと、実験の計測データを紐付けした状態で実験データをデータベース化し記憶部125へ保存する。
図6から図13を参照して、限界熱流束予測手順について説明する。図8は、限界熱流束予測手順について説明するフロー図である。
図6及び図8に示すように、限界熱流束予測装置100は、限界熱流束予測を開始する(ステップS300)。まず、限界熱流束予測装置100は、記憶部125から、処理部120のメモリへサンプリングした実験データ(実験条件データと計測データ)を読み込むロードステップを開始する(ステップS301)。ここで読み込まれる実験データは、上述した炉心の実形状模擬燃料実験において、冷却材32の圧力、質量速度、及び温度について、種々の規定された条件ごとに取得された実験データである。
分析すべき全ての実験データをメモリにロードすると、サブチャンネル解析部122は、炉心の実形状模擬燃料実験装置における出力、圧力、温度、質量速度、炉心内出力分布等の情報を既存のサブチャンネル解析コードに与えて、炉心の実形状模擬燃料実験装置内の3次元的な流体挙動を求める。例えば、既存の解析コードとしては、公知の解析コードが使用可能である。限界熱流束予測装置100は、実験データプロット部121においてサブチャンネル解析部122により解析された実験データを散布図にする。散布図は、限界熱流束を縦軸に、熱平衡クオリティを横軸にとり、実験データがプロット(打点)されることにより作成される。実験データプロット部121は、散布図におけるプロットの分布である相関プロット分布Zが得られる(ステップS302)。
次に、図6に示す限界熱流束相関式算出部123は、相関プロット分布Zに近似する近似曲線を求める。ここで、近似曲線の計算にはモデル関数を用いる。実施形態1では、モデル関数は、熱平衡クオリティに対する限界熱流束の関数としてロジスティック式を限界熱流束相関式とする。ロジスティック式は下記「数5」で表される式(1)で表すことができる。ここで、q”は限界熱流束、xは熱平衡クオリティであり、A、K、Cは係数である。
Figure 0005642460
図8に示すように、式(1)が、記憶部125から読み出され、処理部120のメモリにロードされる(ステップS303)。
ここで、限界熱流束相関式算出部123は、例えば、最小二乗法を用いてモデル関数であるロジスティック式(式(1))が、相関プロット分布Zを近似するように、係数A、K、Cを算出する(ステップS304)。限界熱流束相関式算出部123は、係数A、K、Cを求めることにより、ロジスティック式である式(1)で相関プロット分布Zを近似する。このようにして係数A、K、Cを決定することにより、冷却材32の質量速度及び圧力がある条件において、限界熱流束と熱平衡クオリティとの相関式が得られる。限界熱流束と熱平衡クオリティとの相関式は、上述した炉心の実形状模擬燃料実験におけるすべての質量速度及び圧力の条件において、上述した手法により求められる。したがって、係数A、K、Cの組み合わせは、上述した炉心の実形状模擬燃料実験におけるすべての質量速度及び圧力の条件の数だけ存在することになる。
前記相関式を用いて限界熱流束を求める場合、求めたい条件の冷却材の質量速度及び圧力に対応する係数A、K、Cを式(1)に与えたものを用いればよい。例えば、上述した炉心の実形状模擬燃料実験の範囲において、冷却材の質量速度と圧力との組み合わせに対する係数の値を記述したデータテーブルを、それぞれの係数A、K、Cについて作成し、記憶部125へ保存しておく。そして、前記相関式を用いて限界熱流速を求める場合、求めたい条件における冷却材の質量速度及び圧力に対応する係数A、K、Cを、前記データテーブルから読み出し、得られた係数A、K、Cを式(1)に与え、求めたい条件における限界熱流束と熱平衡クオリティとの相関式を作成する。
また、それぞれの係数A、K、Cについて、冷却材の質量速度及び圧力に対する近似式を作成し、求めたい条件における冷却材の質量速度及び圧力に対応する係数A、K、Cを求めてもよい。すなわち、係数A、K、Cについて、冷却材の質量速度及び圧力を変数とした近似式を作成し、これを用いて必要な係数A、K、Cを決定してもよい。例えば、係数Aと、上述した炉心の実形状模擬燃料実験の範囲における冷却材の質量速度及び圧力との関係を用いて、冷却材の質量速度及び圧力を変数とした係数Aの近似式を最小二乗法などにより作成する。係数K、Cについても同様に求める。そして、得られた係数A、K、Cの近似式を記憶部125へ保存しておく。前記相関式を用いて限界熱流速を求める場合、求めたい条件における冷却材の質量速度及び圧力を前記近似式に与えることにより、係数A、K、Cを得る。得られた係数A、K、Cを式(1)に与え、求めたい条件における限界熱流束と熱平衡クオリティとの相関式を作成する。
図9から図11は、予め係数A、K、Cを計算した結果を例示する説明図である。図9は、モデル関数であるロジスティック式(式(1))において、限界熱流束を縦軸に熱平衡クオリティ(x(-))を横軸にとり、係数K、Cを固定し、Aを変動させている。具体的には、係数K、CがK=4、C=1.3に固定されている。図9に示すように、AがA=8000、10000、12000、14000と変動すると、Aが増えるに従って限界熱流束が増加する。また、熱平衡クオリティが大きくなるに従い限界熱流束がAの値に関わらず一定の限界熱流束の値に収束することが分かる。また、図10は、モデル関数であるロジスティック式(式(1))において、限界熱流束を縦軸に熱平衡クオリティ(x(-))を横軸にとり、係数A、Cを固定し、Kを変動させている。具体的には、係数A、CがA=12000、C=1.3に固定されている。図10に示すように、KがK=3、4、5と変動すると、Kが増えるに従って限界熱流束が減少する。図11は、モデル関数であるロジスティック式(式(1))において、限界熱流束を縦軸に熱平衡クオリティ(x(-))を横軸にとり、係数A、Kを固定し、Cを変動させている。具体的には、係数A、KがA=12000、K=4に固定される。図11に示すように、CがC=1.2、1.3、1.4と変動すると、Cが増えるに従って限界熱流束が増加する。このように、限界熱流束相関式算出部123が係数A、K、Cのモデル関数の挙動を計算しておき、係数A、K、Cデータベースとして、記憶部125に保存しておくことができる。モデル関数で相関プロット分布Zに近似させるように、限界熱流束相関式算出部123は、係数A、K、Cデータベースを参照し、モデル関数に係数A、K、Cを代入した結果が最も近くなる組み合わせを特定する。そして、限界熱流束相関式算出部123が特定した係数A、K、Cをモデル関数であるロジスティック式(式(1))へ入力することができる。変曲点を有している相関プロット分布Zや収束曲線である相関プロット分布Zであってもモデル関数で近似させることが可能となる。実験条件と係数A、K、Cとをデータベースに登録し、実験条件と係数A、K、Cの間に相関がみられる場合には、係数A、K、Cが、例えばそれぞれの係数ごとに圧力と流量との関数で表される。又は、実験条件、例えば支持格子間隔などの形状要素も含めて、係数A、K、Cが例えば、それぞれの係数ごとに圧力と流量との関数で表わされる。そして、限界熱流束相関式算出部123は、実験条件の関数で表された係数A、K、Cをモデル関数であるロジスティック式(式(1))へ入力することができる。
図8に示すように、限界熱流束相関式算出部123が係数A、K、C(ステップS304)を入力したモデル関数は、限界熱流束相関式となる。次に、図8に示すように、図6の限界熱流束相関式算出部123が限界熱流束相関式に所定範囲の熱平衡クオリティを代入し熱流束を算出し、限界熱流束相関式による曲線Qが図6の処理部120のメモリに保持される(ステップS305)。次に、限界熱流束相関式による曲線Qと、相関プロット分布Zと比較する(ステップS306)。限界熱流束相関式算出部123は、限界熱流束相関式による曲線Qで求めた値と相関プロット分布Zとが一致(Q=Z)した場合及び一致しなくても両者が予め定められた許容誤差以内の乖離である場合(Q≒Z)は、係数A、K、Cが入力された限界熱流束相関式を出力ポート103へ出力する(ステップS307)。なお、許容誤差は、記憶部125に予め保存しておくことが好ましく、比較の際基準として処理部120のメモリにロードされる。また、限界熱流束相関式による曲線Qと相関プロット分布Zとが一致しない場合及び一致しなくても許容誤差以上の乖離がある場合は、再度係数A、K、Cの算出ステップ(ステップS303)からやり直すことになる。
例えば、図12及び図13は、実験データが、限界熱流束を縦軸に熱平衡クオリティ(x(-))を横軸にとり、相関プロット分布Zとして描画されている。図12に示す実験条件は、圧力7MPa、質量速度500kg/msである。図8において、ステップS304の係数A、K、Cは、A=8084、K=2.86、C=0.74とされる。限界熱流束相関式による曲線Qは、図12に相関プロット分布Zと重ね合わせてみるとほぼ一致した近似曲線となりフィッティングされていることが分かる。また、別の実験条件として、図13に示す実験条件は、圧力14MPa、質量速度2500kg/msである。図8において、ステップS304の係数A、K、Cは、A=8208、K=5.91、C=1.12とされる。限界熱流束相関式による曲線Qは、図13に相関プロット分布Zと重ね合わせてみるとほぼ一致した近似曲線となりフィッティングされていることが分かる。図12及び図13により、少なくとも圧力、質量速度の各条件により、相関プロット分布Zは変化する。限界熱流束相関式による曲線Qは、圧力、質量速度の各条件が変わっても相関プロット分布Zに近似できる。実施形態1の限界熱流束予測装置100は限界熱流束相関式を非直線とすることができる。つまり、実施形態1の限界熱流束予測装置100は、熱平衡クオリティが広範囲でも精度の高い限界熱流束を予測できる。例えば、従来の一次関数の予測式を用いる限界熱流束予測装置は最大で−0.19〜+0.32の範囲の熱平衡クオリティに対し、限界熱流束を予測できた。実施形態1によれば、限界熱流束予測装置100は、熱平衡クオリティの範囲−0.50〜+1.00の限界熱流束を精度よく予測できる。
出力された限界熱流束相関式(ステップS307)のデータは、その実験条件と共に、安全評価システムに出力信号idとして出力される。限界熱流束予測装置100の処理部120は、出力された限界熱流束相関式を用いて、所定の熱平衡クオリティの場合における限界熱流束を高精度に予測できる。例えば、限界熱流束予測装置100の処理部120は、実験データが存在するデータ間の熱平衡クオリティに対する限界熱流束を予測することができる。また、送出データを確認できるように、表示手段105にも限界熱流束相関式が表示されるとより好ましい(ステップS308)。その後、限界熱流束予測装置100は処理を終了する(ステップS309)。
図14は、限界熱流束相関式を用いて安全評価を行う安全評価システムを説明する説明図である。図14に示すように、安全評価システム150は、入力処理回路151と、入力ポート152と、処理部170と、記憶部176と、出力ポート153と、出力処理回路154と、表示手段155、必要があればキーボードなどの入力手段156とを有する。処理部170は、例えば、CPU(Central Processing Unit:中央演算装置)とメモリとを組み合わせて構成することができる。処理部170は、炉心条件算出部171と、サブチャンネル解析部172と、限界熱流束比算出部173と、安全判断評価部174と、制御部175とを有する。このうち、炉心条件算出部171と、サブチャンネル解析部172と、限界熱流束比算出部173と、安全判断評価部174とが、実施形態1に係る安全評価を実行する部分となる。
処理部170と、記憶部176と、入力ポート152及び出力ポート153とは、バス161〜バス163とを介して接続される。バス161〜バス163と制御部175とにより、安全評価システム150の処理部170を構成する炉心条件算出部171と、サブチャンネル解析部172と、限界熱流束比算出部173と、安全判断評価部174とは、相互に制御データをやり取りしたり、一方に命令を出したりできるように構成される。
入力ポート152には、入力処理回路151が接続されている。入力処理回路151には、図1に示した計測装置9が接続されている。さらに、限界熱流束予測装置100とLAN回線を通じて接続されている。本実施形態では、限界熱流束予測装置100と安全評価システム150がLAN回線を通じて接続されている。例えば、限界熱流束予測装置100の出力信号idのデータが安全評価システム150に投入されていればよいので、限界熱流束予測装置100の出力信号idのデータをオフラインにて、コンピュータ読み取り可能な記録媒体を介して安全評価システム150に投入し、記憶部176に保存してもよい。計測装置9から出力される出力信号ipは、入力処理回路151に備えられるノイズフィルタやA/Dコンバータ等により、処理部170が利用できる信号に変換されてから、入力ポート152を介して処理部170へ送られる。これにより、処理部170は、限界熱流束比を求めるために必要な情報を取得することができる。
出力ポート153には、出力処理回路154が接続されている。出力処理回路154には、表示手段155や、外部出力用の端子が接続されている。出力処理回路154は、表示手段制御回路や、信号増幅回路等を備えており、処理部170で算出された安全評価を、表示手段155に表示させたり、外部機器へ出力したりする。表示手段155は、例えば液晶表示パネルやCRT(Cathode Ray Tube)等を用いることができる。
記憶部176には、この実施形態に係る安全評価の処理手順を含むコンピュータプログラムや限界熱流束比を推定するためのコンピュータプログラム、サブチャンネル解析コード等が格納されている。ここで、記憶部176は、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、ハードディスクドライブあるいはこれらの組み合わせにより構成することができる。
上記コンピュータプログラムは、処理部170へすでに記録されているコンピュータプログラムとの組み合わせによって、この実施形態に係る安全評価の処理手順を実現できるものであってもよい。また、この安全評価システム150は、コンピュータプログラムの代わりに専用のハードウェアを用いて、炉心条件算出部171と、サブチャンネル解析部172と、限界熱流束比算出部173と、安全判断評価部174との機能を実現するものであってもよい。
また、この実施形態に係る安全評価は、予め用意された安全評価用プログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション、あるいはプラント制御用コンピュータ等のコンピュータシステムで実行することによって実現することもできる。また、このプログラムは、ハードディスク等の記録装置、フレキシブルディスク(FD)、ROM、CD−ROM、MO、DVD、フラッシュメモリなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器などのハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」には、インターネットなどのネットワークや電話回線などの通信回線網を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものを含むものとする。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
図14及び図15を参照して安全評価手順について説明する。図15は、安全評価手順について説明するフロー図である。図15に示すように、安全評価システム150は、炉心の安全評価を開始する(ステップS320)。安全評価システム150は、予めキーボードなどの入力手段156により入力され、記憶部176に保存された原子炉の初期条件を読み込むロードステップを開始する(ステップS321)。原子炉の初期条件とは、例えば、燃料集合体の主要寸法や、燃料集合体の形状条件、多数の燃料集合体から形成される炉心形状などである。
次に、処理部170の炉心条件算出部171は、原子炉の初期条件と計測装置9からの出力信号ipとを解析した測定データから既存の解析コードにより、原子炉の状況解析を行う(ステップS322)。例えば、既存の解析コードとしては、公知の解析コードが使用可能である。サブチャンネル解析部172は、炉心条件算出部171の状況解析により出力された原子炉の出力、圧力、温度、質量速度、炉心内出力分布等の情報をえる(ステップS323)。サブチャンネル解析部172は、炉心条件算出部171の状況解析により出力された原子炉の出力、圧力、温度、質量速度、炉心内出力分布等の情報を既存のサブチャンネル解析コードに与えて、炉心内の3次元的な流体挙動を求める(ステップS324)。例えば、既存のサブチャンネル解析コードは、公知の解析コードが使用可能である。
次に、限界熱流束比算出部173は、限界熱流束予測装置100で求めた限界熱流束相関式を記憶部176から処理部170のメモリに読み出す。限界熱流束相関式は、ロジスティック式である。また、前述の通り、ロジスティック式は熱平衡クオリティに対する限界熱流束の関数である式(1)で表される。ここで、q”は限界熱流束、xは熱平衡クオリティであり、A、K、Cは係数である。また、限界熱流束比とは、限界熱流束と実際の熱流束の比をいう。炉心内で最も熱的に厳しい燃料棒の限界熱流束比を最小限界熱流束比という。限界熱流束比算出部173は、サブチャンネル解析部172で解析した炉心内で最も熱的に厳しい燃料棒の限界熱流束比を限界熱流束予測装置100で求めた限界熱流束相関式を用いて算出し、最小限界熱流束比の評価値とする(ステップS325)。そして、安全判断評価部174は、炉心内で最も熱的に厳しい燃料棒において、限界熱流束相関式の信頼度95%×確率分布95%で限界熱流束を生じないとした最小限界熱流束比の許容限界値、例えば1.17を記憶部176から読み込み、ステップS325において算出した最小限界熱流束比の評価値と許容限界値とを比較する(ステップS326)。最小限界熱流束比の許容限界値よりも最小限界熱流束比の評価値が上回っている場合には、安全と判断し、評価データを出力する(S327)。評価データは例えば、設計データベースに登録され蓄積される。また、評価データを確認できるように、表示手段155にも評価データが表示されるとより好ましい(ステップS328)。その後、安全評価システム150は処理を終了する(ステップS329)。
安全評価システム150及び安全評価手順により出力した評価データは、原子炉の燃料棒の熱的余裕を評価するデータとして使用される。原子炉の燃料棒の熱的余裕が高い設計をすることにより、原子炉の炉心の信頼性が高まる。また、評価データは、通常運転時及び異常な過渡変化時の原子炉の燃料健全性を判断することに使用される。また、評価データは事故解析に使用されることもできる。
次に、図1、図14、図15及び図16を用いて実施形態1の炉心燃料評価監視システムについて説明する。炉心燃料評価監視システムは、図14に示す安全評価システム150を図1に示すプラント制御装置10に組み込んだシステムである。図16は、炉心燃料評価監視の手順を説明するフロー図である。
図1に示すように、炉心3内のセンサ15からの計測データは、適宜継続的に取り込まれ計測装置9で蓄積管理されている。図16に示すように、計測装置9は、例えば、圧力、出力、温度、質量速度などの計測データを取り込み、計測データを保存する(ステップS350)。次に、計測装置9は、圧力、出力、質量速度、温度などの各計測データの時間変化を算出し、過渡データとして出力する(ステップS351)。次に、プラント制御装置10内の安全評価システム150は、計測装置9からの原子炉の各計測データ及び各過渡データが入力処理回路151を介して入力される。安全評価システム150は、図15に示す安全評価手順に従って、最小限界熱流束比を算出する。図14の安全評価システム150は、原子炉の過渡データから最小限界熱流束比の予測値を算出する。また、安全判断評価部174は、将来的に最小限界熱流束比が許容限界値以下となる迄の時間を予測する(ステップS352)。安全判断評価部174が最小限界熱流束比の値が許容限界値より大きいと判断した場合、炉心燃料評価監視システムは原子炉データの計測ステップ(ステップS350)に戻る。安全判断評価部174は、最小限界熱流束比が許容限界値以下となると判断した場合、又は将来的に最小限界熱流束比が許容限界値以下となる迄の時間が所定以内であると判断した場合、プラント制御装置10は制御棒制御装置6を駆動し、連結棒5に連結された制御棒4が炉心3へ挿入される(炉心トリップ)。炉心燃料評価監視システムは、図1に示す表示手段11に警告表示をする(ステップS353)。
原子炉の通常運転時、炉心燃料評価監視システムは、リアルタイムで最小限界熱流束比の値を図1の表示手段11に表示し、最小限界熱流束比の値が許容限界値より大きい状態であることを監視する。次に、原子炉の異常な過度現象、例えば、冷却材を循環させるための冷却ポンプの不具合を考える。限界熱流束比算出部173が算出する最小限界熱流束比の値は許容限界値を初期では上回っている。冷却ポンプが徐々に炉心3の冷却材32の流量を減じるように劣化した場合、安全判断評価部174は、将来的に最小限界熱流束比が最小限界熱流束比評価値以下となる迄の時間が所定以内であると判断すると、表示手段11に異常と考えられる要因とともに警告を表示させる。実施形態1の炉心燃料評価監視システムは、熱平衡クオリティが広範囲でも精度の高い限界熱流束を予測できる。つまり、上述の式(1)を利用した最小限界熱流束の予測精度が高いので、原子炉の異常な過度現象における最小限界熱流束比の値を高精度に予測することができる。よって、本発明の炉心燃料評価監視システムは、原子炉の通常運転時の場合及び運転時の異常な過渡変化の場合において、安全に原子炉を制御できる。
(実施形態2)
次に、原子炉1が沸騰水型原子炉(BWR: Boiling Water Reactor)である場合は、被覆管間の冷却材の流路中心には蒸気が存在し、被覆管の壁面近傍には液膜が流れている。実施形態2での限界熱流束は、液膜が消失してしまうことであり、ドライアウトという。そして、沸騰水型原子炉では、原子炉の安全評価の対象は局所的な熱流束ではなく、燃料集合体全体である。そこで、燃料集合体の最も熱的不利な位置において沸騰遷移のおこる限界出力を求めることが必要である。
図6〜図8を参照して、実施形態2の限界熱流束予測の手順について説明する。前述の図7に示す模擬燃料棒31を本実施形態2では模擬燃料集合体に置き換えて実験する。模擬燃料集合体は、例えば9×9燃料である。図6に示す限界熱流束予測装置100は、図8に示すように限界熱流束予測を開始する(ステップS300)。まず、限界熱流束予測装置100は、記憶部125から処理部120のメモリへサンプリングした実験データ(実験条件データと計測データ)を読み込むロードステップを開始する(ステップS301)。限界熱流束予測装置100は、メモリに分析すべき全ての実験データをロード完了する。実施形態1と異なり計測データは全体出力である。そこで、計測データである全体出力を初期データとして記憶している燃料集合体の断面積で除算し、除算値を限界熱流束とする。実験データプロット部121において実験データを散布図にする。散布図は、限界熱流束を縦軸に、熱平衡クオリティを横軸にとり、実験データがプロット(打点)されることにより作成される。実験データプロット部121は、散布図におけるプロットの分布である相関プロット分布Zが得られる(ステップS302)。
次に、図6に示す限界熱流束相関式算出部123は、相関プロット分布Zに近似する近似曲線を求める。ここで、近似曲線の計算にはモデル関数を用いる。実施形態2では、モデル関数は、熱平衡クオリティの関数としてロジスティック式を限界熱流束相関式とする。次のロジスティック式は実施形態1で前述の式(1)で表すことができる。ここで、q”は、限界熱流束、xは熱平衡クオリティである。図8に示すように、式(1)が、記憶部125から読み出され、処理部120のメモリにロードされる(ステップS303)。ロジスティック式である式(1)は、係数A、K、Cを含むので、係数を算出し決定する必要がある(ステップS304)。係数の決定は実施形態1と同様に行う。図8に示すように、限界熱流束相関式算出部123が係数A、K、C(ステップS304)を入力したモデル関数は、限界熱流束相関式となる。次に、図8に示すように、図6の限界熱流束相関式算出部123が限界熱流束相関式に所定範囲の熱平衡クオリティを代入し熱流束を算出し、限界熱流束相関式による曲線Qが図6の処理部120のメモリに保持される(ステップS305)。次に、限界熱流束相関式による曲線Qと、相関プロット分布Zと比較する(ステップS306)。限界熱流束相関式算出部123は、限界熱流束相関式による曲線Qで求めた値と相関プロット分布Zとが一致(Q=Z)した場合及び一致しなくても両者が予め定められた許容誤差以内の乖離である場合(Q≒Z)は、係数A、K、Cが入力された限界熱流束式相関式を出力ポート103へ出力する(ステップS307)。なお、許容誤差は、記憶部125に予め保存しておくことが好ましく、比較の際基準として処理部120のメモリにロードされる。また、限界熱流束相関式による曲線Qと相関プロット分布Zとが一致しない場合及び一致しなくても許容誤差以上の乖離がある場合は、再度係数A、K、Cの算出ステップ(ステップS303)からやり直すことになる。出力された限界熱流束相関式(ステップS307)のデータは、その実験条件と共に、安全評価システムに出力信号idとして出力される。また、送出データを確認できるように、表示手段105にも限界熱流束相関式が表示されるとより好ましい(ステップS308)。その後、限界熱流束予測装置100は処理を終了する(ステップS309)。
図1、図14及び図17を参照して実施形態2の安全評価手順について説明する。図17は、実施形態2の安全評価手順について説明するフロー図である。図17に示すように、安全評価システム150は、炉心の安全評価を開始する(ステップS400)。安全評価システム150は、予めキーボードなどの入力手段156により入力され、記憶部176に保存された原子炉の初期条件を読み込むロードステップを開始する(ステップS401)。原子炉の初期条件とは、例えば、燃料集合体の主要寸法や、燃料集合体の形状条件などである。
次に、処理部170の炉心条件算出部171は、原子炉の初期条件と計測装置9からの出力信号ipとを解析した測定データから既存の解析コードにより、原子炉の状況解析を行う(ステップS402)。例えば、既存の解析コードとしては、公知の解析コードが使用可能である。サブチャンネル解析部172は、炉心条件算出部171の状況解析により出力された原子炉の出力、圧力、温度、質量速度、エンタルピ等の情報をえる(ステップS403)。サブチャンネル解析部172は、炉心条件算出部171の状況解析により出力された原子炉の出力、圧力、温度、質量速度、エンタルピ等の情報をサブチャンネルコードに与えて、炉心内の3次元的な流体挙動を求める(ステップS404)。例えば、サブチャンネル解析部172で用いるサブチャンネル解析コードとしては、公知の解析コードが使用可能である。
次に、限界熱流束比算出部173は、限界熱流束予測装置100で求めた限界熱流束相関式を記憶部176から処理部170のメモリに読み出す。ここで、限界熱流束相関式は、ロジスティック式である。また、前述の通り、ロジスティック式は熱平衡クオリティに対する限界熱流束の関数である式(1)で表される。ここで、q”は限界熱流束、xは熱平衡クオリティである。限界熱流束比とは、限界熱流束と実際の熱流束の比をいう。実施形態2は、沸騰水型原子炉(BWR: Boiling Water Reactor)であるので、限界出力比CPR(Critical Power Ratio)が限界出力と燃料集合体の出力の比から求められる。限界熱流束比算出部173は、サブチャンネル解析部172で解析した炉心内で最も熱的に厳しい燃料棒の限界熱流束比が1となるような燃料集合体の限界出力を限界熱流束相関式に基づき求める。そして、限界出力と実際の燃料集合体の出力との比を算出する(ステップS405)。この炉心内で最も熱的に厳しい燃料棒を含む燃料集合体の限界出力比を最小CPRという。運転時の異常な過渡変化時において炉心内の全ての燃料のうち99.9%が限界熱流束を生じないために守るべき通常運転時の最小CPRとして予め定められた最小CPRの制限値を記憶部176から読み込み、算出した最小CPRと比較する(ステップS406)。最小CPR制限値よりも算出した最小CPRが上回っている場合には、評価を安全とし、評価データを出力する(ステップS407)。評価データは例えば、設計データベースに登録され蓄積される。また、評価データを確認できるように、表示手段155にも評価データが表示されるとより好ましい(ステップS408)。その後、安全評価システム150は処理を終了する(ステップS409)。実施形態1と同様に、実施形態2に説明した安全評価システム及び安全評価手順を炉心燃料評価監視システムとして組み込むことは可能である。
以上のように、本発明に係る限界熱流束予測装置、限界熱流束予測方法、安全評価システム及び炉心燃料評価監視システムは、原子炉に有用であり、特に、燃料棒の限界熱流束を予測すること及び燃料棒の熱的余裕を評価することに適している。
1 原子炉
2 圧力容器
3 炉心
4 制御棒
6 制御棒制御装置
9 計測装置
10 プラント制御装置
11、105、155 表示手段
12、106、156 入力手段
15 センサ
30 燃料集合体
31 燃料棒
32 冷却材
33 支持格子
34 上部ノズル
35 下部ノズル
61 燃料ペレット
62 被覆管
63 スプリング
100 限界熱流束予測装置
101、151 入力処理回路
102、152 入力ポート
103、153 出力ポート
104、154 出力処理回路
111〜113、161〜163 バス
120、170 処理部
121 実験データプロット部
122 サブチャンネル解析部
123 限界熱流束相関式算出部
124、175 制御部
125、176 記憶部
150 安全評価システム
171 炉心条件算出部
172 サブチャンネル解析部
173 限界熱流束比算出部
174 安全判断評価部
200 実験装置
201 実験容器
202 電源
203 ヒータ
204、205 センサ

Claims (7)

  1. 熱流束を変更した実験条件ごとにサンプリングされた限界熱流束と、前記実験条件から定まる熱平衡クオリティを含む実験データを記憶する記憶部と、
    前記実験データから熱平衡クオリティに対する限界熱流束の関係を示す相関プロット分布を求める実験データプロット部と、
    前記限界熱流束を前記熱平衡クオリティの関数で表現したモデル関数であるロジスティック式で前記相関プロット分布を近似することにより、前記限界熱流束と前記熱平衡クオリティとの相関式を求める限界熱流束相関式算出部と、
    を含むことを特徴とする限界熱流束予測装置。
  2. 前記ロジスティック式は、式(1)であることを特徴とする請求項1記載の限界熱流束予測装置。
    ここで、q”は限界熱流束、xは熱平衡クオリティであり、A、K、Cは係数である。
    Figure 0005642460
  3. 熱流束を変更した実験条件ごとにサンプリングされた限界熱流束と、前記実験条件から定まる熱平衡クオリティを含む実験データを取得するステップと、
    前記実験データから熱平衡クオリティに対する限界熱流束の関係を示す相関プロット分布を求める相関プロットステップと、
    前記限界熱流束を前記熱平衡クオリティの関数で表現したモデル関数であるロジスティック式で前記相関プロット分布を近似することにより、前記限界熱流束と前記熱平衡クオリティとの相関式を求める限界熱流束相関式算出ステップと、
    を含むことを特徴とする限界熱流束予測方法。
  4. 前記ロジスティック式は、式(1)であることを特徴とする請求項3記載の限界熱流束予測方法。
    ここで、q”は限界熱流束、xは熱平衡クオリティであり、A、K、Cは係数である。
    Figure 0005642460
  5. 原子炉の状況解析を行う炉心条件算出部と、
    前記原子炉の状況解析に応じて前記原子炉の炉心内の3次元的な流体挙動を求めるサブチャンネル解析部と、
    前記3次元的な流体挙動に基づき、炉心内で最も熱的に厳しい燃料棒の限界熱流束比を最小限界熱流束比として算出する限界熱流束比算出部と、
    前記最小限界熱流束比と許容制限値との比較により安全評価する安全判断評価部と、を有し、
    限界熱流束と実際の熱流束の比である前記限界熱流束比を求めるための限界熱流束相関式は、前記限界熱流束を熱平衡クオリティの関数で表現したモデル関数であるロジスティック式であることを特徴とする安全評価システム。
  6. 前記ロジスティック式は、式(1)であることを特徴とする請求項5記載の安全評価システム。
    ここで、q”は限界熱流束、xは熱平衡クオリティであり、A、K、Cは係数である。
    Figure 0005642460
  7. 原子炉の測定データを測定する測定装置と、
    前記原子炉を制御するプラント制御装置と、
    請求項5又は6に記載の前記安全評価システムと、を有し、
    前記安全評価システムは、前記測定データに基づいて算出した最小限界熱流束比と許容制限値との比較により安全評価し、前記安全評価に基づいて前記プラント制御装置が原子炉を制御することを特徴とする炉心燃料評価監視システム。
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