JP5641991B2 - 熱処理変形の小さい機械構造用鋼材 - Google Patents

熱処理変形の小さい機械構造用鋼材 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、自動車や産業機械などに使用されるギヤやシャフトなどの動力伝達部品として用いられる機械構造用鋼に関し、特に熱処理変形の小さい機械構造用鋼に関する。
焼入れ等の熱処理によって発生する鋼材の変形(以下「熱処理変形」という。)は、その変形を矯正するために製造工程数が増えたり、矯正しきれない場合には部品不良率が増加したり、あるいは駆動系部品として組み込んだ場合に変形に起因して騒音や振動を発生させるといった悪影響がある。したがって、熱処理変形をできる限り小さく抑えることが実用上非常に重要な課題となっている。
従来、この熱処理変形は鋼材以外にも部品形状、熱処理前工程の影響、焼入油などの冷媒の物性値、冷却の不均一性といった多数の要因に影響を受けると考えられ、それらを適正化することによる熱処理変形の軽減が図られている。例えば、材料対策として、焼き入れ鋼材の芯部に軟質のフェライト相を析出させて熱処理歪みを軽減する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、冷却方法からのアプローチとして、従来型の油焼入れではなく加圧ガス冷却を利用する方法(例えば、特許文献2参照。)や、熱伝達率を促進あるいは低減する手段を用いて被冷却物の均一冷却化を図る方法(例えば、特許文献3参照。)が提案されている。
なお、特許文献3において、熱伝達率を促進する手段は、冷却が遅れる部位に設けられた冷却を促進する被膜材または冷却が遅れる部位の周りに形成された冷却剤の対流によるものであり、熱伝達率の低減手段は、冷却が進行しやすい部位を覆うグラスウールまたは断熱被膜材によるとされている。
しかしながら、上記で提案されている従来の方法において、特許文献1の技術では、部品内部に強度の低い軟質相が導入されることや、特許文献2の技術では、熱処理炉そのものを変更しなければならないことや、特許文献3の技術では、個々の熱処理部品に対する処理が必要になることなどで、必ずしも汎用的な手段ではなかった。
一方、本願の発明者らは、フェライトのような軟質層に頼らずに十分な鋼材強度を確保した上で、油焼入れ等の一般的な手法の下で部品の冷却が不均一となる場合でも、熱処理変形が小さく抑えられる鋼材に関して鋭意研究を行った。その結果、鋼材の化学成分、マルテンサイト変態開始温度(Ms点)、ジョミニー式一端焼入法により測定される焼入性を適切に制御することによって、熱処理変形が小さく抑えられることを終に見出し、本発明に至った。
特開平9−111408号公報 特開2008−121064号公報 特開2010−174289号公報
本発明が解決しようとする課題は、自動車や産業機械などに使用されるギヤやシャフトなどの動力伝達用の部品として用いられる機械構造用鋼からなる熱処理変形の小さい鋼材を提供することである。
上記の課題を解決するための本発明の手段は、請求項1の手段では、質量%で、C:0.15〜0.35%、Si:0.10〜1.50%、Mn:0.10〜1.00%、P:0.030%以下、S:0.030%以下、Cr:0.90〜1.90%、Cu:0.30%以下、Al:0.008〜0.800%、B:0.0003〜0.0050%、O:0.0030%以下、N:0.0020〜0.0100%を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる機械構造用鋼からなる鋼材であり、さらに、この鋼材のマルテンサイト変態開始温度(Ms点)は460℃以下であり、この鋼材についてのジョミニー式一端焼入法により測定される鋼材の焼入端からの距離1.5mmにおける硬さのJ1.5mmおよび距離9mmにおける硬さのJ9mmを用いて、下記の式(1)により算出のJ9mm/J1.5mmの値が0.68〜0.97の範囲にあり、さらに距離1.5mmにおける硬さのJ1.5mm、および距離11mmにおける硬さのJ11mmを用いて、下記の式(2)により算出のJ11mm/J1.5mmの値が0.63〜0.94の範囲にあることを特徴とする熱処理変形の小さい機械構造用鋼材である。
ただし、
J9mm/J1.5mm=(ジョミニー式一端焼入法により測定される焼入端からの距離9mmにおける硬さ)÷(ジョミニー式一端焼入れ法により測定される焼入端からの距離1.5mmにおける硬さ)……(1)
J11mm/J1.5mm=(ジョミニー式一端焼入法により測定される焼入端からの距離11mmにおける硬さ)÷(ジョミニー式一端焼入法により測定される焼入端からの距離1.5mmにおける硬さ)……(2)
請求項2の手段では、質量%で、C:0.15〜0.35%、Si:0.10〜1.50%、Mn:0.10〜1.00%、P:0.030%以下、S:0.030%以下、Cr:0.90〜1.90%、Cu:0.30%以下、Al:0.008〜0.800%、B:0.0003〜0.0050%、O:0.0030%以下、N:0.0020〜0.0100%を含有し、さらにNi:0.20〜3.00%、Mo:0.05〜0.50%の1種または2種を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる機械構造用鋼からなる鋼材であり、さらに、この鋼材のマルテンサイト変態開始温度(Ms点)は460℃以下であり、この鋼材についてのジョミニー式一端焼入法により測定される鋼材の焼入端からの距離1.5mmにおける硬さのJ1.5mmおよび距離9mmにおける硬さのJ9mmを用いて、上記の式(1)により算出のJ9mm/J1.5mmの値が0.68〜0.97の範囲にあり、さらに距離1.5mmにおける硬さのJ1.5mm、および距離11mmにおける硬さのJ11mmを用いて、上記の式(2)により算出のJ11mm/J1.5mmの値が0.63〜0.94の範囲にあることを特徴とする熱処理変形の小さい機械構造用鋼材である。
請求項3の手段では、質量%で、C:0.15〜0.35%、Si:0.10〜1.50%、Mn:0.10〜1.00%、P:0.030%以下、S:0.030%以下、Cr:0.90〜1.90%、Cu:0.30%以下、Al:0.008〜0.800%、B:0.0003〜0.0050%、O:0.0030%以下、N:0.0020〜0.0100%を含有し、さらにTi:0.020〜0.200%、Nb:0.02〜0.20%のうち少なくとも1種以上を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる機械構造用鋼からなる鋼材であり、さらに、この鋼材のマルテンサイト変態開始温度(Ms点)は460℃以下であり、この鋼材についてのジョミニー式一端焼入法により測定される鋼材の焼入端からの距離1.5mmにおける硬さのJ1.5mmおよび距離9mmにおける硬さのJ9mmを用いて、上記の式(1)により算出のJ9mm/J1.5mmの値が0.68〜0.97の範囲にあり、さらに距離1.5mmにおける硬さのJ1.5mm、および距離11mmにおける硬さのJ11mmを用いて、上記の式(2)により算出のJ11mm/J1.5mmの値が0.63〜0.94の範囲にあることを特徴とする熱処理変形の小さい機械構造用鋼材である。
請求項4の手段では、質量%で、C:0.15〜0.35%、Si:0.10〜1.50%、Mn:0.10〜1.00%、P:0.030%以下、S:0.030%以下、Cr:0.90〜1.90%、Cu:0.30%以下、Al:0.008〜0.800%、B:0.0003〜0.0050%、O:0.0030%以下、N:0.0020〜0.0100%を含有し、さらにNi:0.20〜3.00%、Mo:0.05〜0.50%のうち少なくとも1種以上を含有し、さらにTi:0.020〜0.200%、Nb:0.02〜0.20%の1種または2種を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる機械構造用鋼からなる鋼材であり、さらに、この鋼材のマルテンサイト変態開始温度(Ms点)は460℃以下であり、この鋼材についてのジョミニー式一端焼入法により測定される鋼材の焼入端からの距離1.5mmにおける硬さのJ1.5mmおよび距離9mmにおける硬さのJ9mmを用いて、上記の式(1)により算出のJ9mm/J1.5mmの値が0.68〜0.97の範囲にあり、さらに距離1.5mmにおける硬さのJ1.5mm、および距離11mmにおける硬さのJ11mmを用いて、上記の式(2)により算出のJ11mm/J1.5mmの値が0.63〜0.94の範囲にあることを特徴とする熱処理変形の小さい機械構造用鋼材である。
上記の各請求項の手段における成分の限定理由について、以下に説明する。なお、各成分元素の%は質量%を示す。
C:0.15〜0.35%
Cは、機械構造用部品として鋼材の焼入焼戻し後の強度もしくは浸炭焼入焼戻し後の芯部強度を確保するために必要な元素であるとともに、熱処理変形を小さくするために所定の範囲に調整する必要がある。その範囲は0.15%未満では強度を確保できず、0.35%を超えると熱処理による変形が大きくなり過ぎる。そこでCは0.15〜0.35%とし、望ましくは0.20〜0.30%、より望ましくは0.22〜0.27%とする。
Si:0.10〜1.50%
Siは、脱酸に必要な元素であるとともに、鋼に必要な強度、焼入性を付与するために有効な元素である。しかし、Siが0.10%未満ではその効果が得られず、1.50%を超えると機械加工性を低下させる。そこでSiは0.10〜1.50%とし、望ましくは0.20〜1.00%とする。
Mn:0.10〜1.00%
Mnは、焼入性を確保するために必要な元素である。しかし、Mnが0.10%未満では焼入性への効果は十分に得られず、1.00%を超えると機械加工性を低下させる。そこでMnは0.10〜1.00%とし、望ましくは0.20〜0.80%、より望ましくは0.20〜0.55%とする。
P:0.030%以下
Pは、スクラップから含有される不可避な元素であるが、粒界に偏析して衝撃強度や曲げ強度などの特性を低下させる。そこでPは0.030%以下とする。
S:0.030%以下
Sは、被削性を向上させる元素であるが、非金属介在物であるMnSを生成して横方向の靱性および疲労強度を低下する。そこでSは0.030%以下とする。
Ni:0.20〜3.00%
Niは、焼入性および靱性を向上させる元素であり、その効果を得るためには0.20%以上の添加が必要である。しかし、Niは3.00%を超えて含有すると加工性を著しく低下させ、かつ、コストアップとなる。そこでNiは3.00%以下とする。
Cr:0.90〜1.90%
Crは、焼入性を確保するために必要な元素である。しかし、Crが0.90%未満では焼入性への効果を十分に得られず、1.90%を超えると浸炭を阻害し、また機械加工性も低下する。そこでCrは0.90〜1.90%とし、望ましくは1.10〜1.80%とする。
Mo:0.05〜0.50%
Moは、焼入性および靱性を向上させる元素であり、その効果を得るには0.05%以上の添加が必要である。しかし、Moは0.50%を超えて含有すると加工性を低下させる。そこで、Moは0.05〜0.50%とする。
Cu:0.30%以下
Cuは、スクラップから含有される不可避な元素であるが、時効性を有し、強度を上昇させる効果がある。しかし、Cuは0.30%を超えると熱間加工性を低下する。そこで、Cuは0.30%以下とする。
Al:0.008〜0.800%
Alは、脱酸材として使用される元素であり、また後述のようにNと結合してAlNとして析出して結晶粒粗大化抑制効果をもたらす。この効果を得るため、Alは0.008%以上の添加が必要である。一方、Alを0.800%を超えて添加すると大型のアルミナ系介在物を形成し、疲労特性および加工性を低下する。そこで、Alは0.008〜0.800%とし、望ましくは0.014〜0.600%とする。
B:0.0003〜0.0050%
Bは、極少量の含有によって鋼の焼入性を著しく向上させる元素であり、添加することによって他の合金元素の添加量を減らすことができるため、鋼材コストを下げるのに有効である。Bは、0.0003%未満では焼入性の向上効果が小さく、一方、0.0050%を超えると強度を低下させる。そこで、Bは0.0003〜0.0050%とし、望ましくは、Bは0.0010〜0.0050%とする。
O:0.0030%以下
Oは、鋼中に不可避的に含有される元素である。しかし、Oが0.0030%を超えて含有されると酸化物の増加による加工性や疲労強度の低下を招く。そこでOは0.0030%以下とし、望ましくは0.0020%以下とする。
N:0.0020〜0.0100%
Nは、鋼中でAlNやNb窒化物として微細析出し、結晶粒粗大化を防止する効果をもたらし、その効果を得るために0.0020%以上添加する必要がある。しかし、0.0100%を超えると窒化物が増加し、疲労強度や加工性が低下する。そこで、Nは0.0020〜0.0100%とし、望ましくは0.0020〜0.0080%とする。
Ti:0.020〜0.200%
Tiは、鋼中のCと結び付いて炭化物を微細に形成し、結晶粒粗大化を防止する効果をもたらすが、その効果を得る場合には、Tiを0.020%以上を添加する必要がある。一方、0.200%を超える添加は、機械加工性を損なうため、上限は0.200%とする。
Nb:0.02〜0.20%
Nbは、炭化物あるいは窒化物を形成し、結晶粒粗大化防止効果をもたらす。特に鋼中に微細に分散したナノオーダーサイズのNbCまたはNb(C,N)が結晶粒の成長を抑制する。Nbが0.02%未満では、その効果は得られず、0.20%を超えると析出物の量が過剰となり加工性を低下する。そこで、Nbは0.02〜0.20%、望ましくは0.02〜0.12%とする。
Ms点:460℃以下
本発明の手段における、鋼材の熱処理変形を小さくするために、マルテンサイト変態開始温度(Ms点)を460℃以下に規制する必要がある。Ms点を460℃以下に規制することで熱処理変形を小さくできる理由は、焼入れした際に、部品の冷却がたとい不均一であっても、冷媒の冷却性能が高い温度域でマルテンサイト変態が起こることを回避でき、その結果、マルテンサイト変態の時期が部品の部位によって大きくずれることが抑制できるからである。そこでMs点を460℃以下に規制するが、望ましくはMs点は450℃以下に規制する。なお、この場合の熱処理変形とは、軸状の部品の曲りやギヤの歯の倒れやねじれのことである。
J9mm/J1.5mmの値:0.68〜0.97、J11mm/J1.5mmの値:0.63〜0.94
鋼材のジョミニー式一端焼入法により測定される鋼材の焼入端からの距離1.5mmにおける硬さのJ1.5mmと、距離9mmにおける硬さのJ9mmと、距離11mmにおける硬さのJ11mmとから算出されるJ9mm/J1.5mmの値を0.68〜0.97に規制し、J11mm/J1.5mmの値を0.63〜0.94に規制する理由は、この範囲とすることで鋼材の熱処理変形が小さく抑えられるからである。ここで言う熱処理変形とは、部品の焼入れ前後における寸法(長さ、径、厚み)の変化のことである。なお、ジョミニー焼入性の適切な制御によって、熱処理変形が抑制されるメカニズムについては、未だ解明できていないが、鋼材の焼入性が低すぎても、また、高すぎても熱処理変形が大きくなることが発明者らによって実験的に明らかとなっている。
本発明の手段の鋼成分の限定、Ms点の限定およびジョミニー式一端焼入法により測定される焼入性の限定により、鋼材を部品に加工した後、部品を硬化させるための焼入れや浸炭焼入れを行った場合の熱処理変形を小さくすることができ、この結果、本発明は、部品の歩留の向上、部品の矯正工程の簡略化や廃止、あるいは騒音および振動対策のためのギヤの歯面研削の省略が可能になるといった有益な効果が期待できる。
本発明を実施するための形態について、以下に表を参照して説明する。
自動車や産業機械などに使用されるギヤやシャフトなどの動力伝達用の部品として用いられる機械構造用鋼として、表1に示す本発明例のNo.1〜23の成分組成と残部Feおよび不可避不純物からなる機械構造用鋼を真空誘導溶解炉にて溶製し、100kgの鋼塊を得た。
Figure 0005641991
上記の本発明例と同様に、自動車や産業機械などに使用されるギヤやシャフトなどの動力伝達用の部品として用いられる機械構造用鋼として、表2に示す比較例のNo.1〜16の成分組成と残部Feと不可避不純物からなる鋼を真空誘導溶解炉にて溶製し、100kgの鋼塊を得た。
Figure 0005641991
先ず、これらの本発明例および比較例の鋼塊を1250℃で5時間加熱した後、直径32mmの棒鋼に鍛伸した。次に、900℃で1.5時間加熱保持した後に空冷する焼ならしを行った。続いて、直径32mmの棒鋼から直径20mm、長さ200mmの試験片を作製し、その試験片の側面に深さ5mm、幅8mm、長さ200mmの溝加工を施した。この溝加工によって焼き入れた際に、試験片内の部位によって冷却速度に大きく差がつくようにした。また、溝加工後の試験片の長さを測定した。続いて、これらの試験片を930℃で1時間加熱した後、炉内で850℃まで降温し、さらに1時間保持した後、60℃の焼入油中へ焼き入れた。焼入れ後、十分に冷えた試験片について、試験片の曲りおよび長さを測定した。
なお、熱処理後の曲りについては、試験片の両端をVブロックで保持し、試験片を一周回転させたときの試験片の中央部の円周上の最大変位と最小変位をダイヤルゲージで測定し、最大変位と最小変位の差を2で割ることにより求めた。この測定の際、試験片の円周上に存在する溝の底の部分の変位は無視するものとした。また、寸法変化の指標として、熱処理前後の試験片の長さの差を求め、その絶対値を評価した。
また、上記の焼ならし後の直径32mmの棒鋼から直径3mmで長さ10mmの試験片を割り出し、鋼材のマルテンサイト変態開始温度であるMs点を、全自動変態記録測定装置を用いて測定した。ここで言うMs点は部品の冷却過程を想定した条件下で測定されるものであり、本実施の形態では、上記した直径20mmの溝付き試験片の油温60℃の場合の油焼入れを想定して、焼入れ時の冷却速度を30℃/sとして測定している。鋼材のジョミニー式一端焼入法による焼入性の測定については、上記の鍛伸した直径32mmの棒鋼から試験片を作製し、JIS G 0561に規定される「鋼の焼入性試験方法(一端焼入方法)」に準じた条件の下で試験を行って評価した。
表3に本発明例の測定されたMs点、ジョミニー式一端焼入法で測定した焼入端からの、距離1.5mmにおける硬さのJ1.5mm、距離9mmにおける硬さのJ9mmおよび距離11mmにおける硬さのJ11mmのそれぞれの値、また、求めたJ9mm/J1.5mmの値およびJ11mm/J1.5mmの値を示す。さらに、上記試験片の焼入れ後に評価した曲り(mm)、および、熱処理前後の試験片の長さの差の絶対値(mm)を示す。発明例のNo.1〜23からなる鋼材では、表3に示すように、マルテンサイト変態開始温度すなわちMs点が400〜458℃の範囲にあり、この鋼材のJ9mm/J1.5mmの下記に示す式(1)の値が0.73〜0.96の範囲にあり、J11mm/J1.5mmの下記に示す式(2)の値が0.69〜0.92の範囲にあり、熱処理後の試験片の曲りは0.11〜0.36mmで、熱処理前後の試験片の長さの差の絶対値は0.02〜0.20mmであった。
ただし、
J9mm/J1.5mm=(ジョミニー式一端焼入法により測定される焼入れ端からの距離9mmの硬さ)÷(ジョミニー式一端焼入法により測定される焼入れ端からの距離1.5mmの硬さ)……(1)
J11mm/J1.5mm=(ジョミニー式一端焼入法により測定される焼入れ端からの距離11mmの硬さ)÷(ジョミニー式一端焼入法により測定される焼入れ端からの距離1.5mmの硬さ)……(2)
Figure 0005641991
同様に、表4に比較例の鋼の測定されたMs点、ジョミニー式一端焼入法により測定した焼入端からの距離1.5mmにおける硬さのJ1.5mm、距離9mmにおける硬さのJ9mmおよび距離11mmにおける硬さのJ11mmであるジョミニー焼入性、また、求めたJ9mm/J1.5mmの値およびJ11mm/J1.5mmの値を示す。さらに、上記試験片の焼入れ後に評価した試験片の曲り(mm)、および、熱処理前後の試験片の長さの差の絶対値(mm)を示す。
Figure 0005641991
上記の発明例のNo.1〜23では、鋼材のFeおよびNi、Moを除く不可避不純物を除いた組成範囲を表1に示すものとし、Ms点を460℃以下の400〜458℃とし、ジョミニー式一端焼入法により測定される焼入性を適切に制御して、式(1)から計算されるJ9mm/J1.5mmの値を0.73〜0.96の範囲、式(2)から計算されるJ11mm/J1.5mmの値を0.69〜0.92の範囲とすることによって、熱処理後の試験片の曲りを0.11〜0.36mmの小さな範囲に、さらに熱処理前後の試験片の長さの差の絶対値を0.02〜0.20mmの小さな範囲に抑えることができた。
これに対し、上記の比較例のNo.1〜16の、鋼材のFeおよびNi、Moを除く不可避不純物を除いた組成範囲を表2に示すものでは、No.2、No.8、No.14、No.16の4例を除く、残りの12例は本発明の組成範囲から外れるものであった。これらNo.1〜16の比較例の鋼のうち、測定されたMs点が460℃を超える10例は、熱処理後の試験片の曲りが0.49〜0.76mmであり、発明例の鋼に比べて大きい。また、これらNo.1〜16の比較鋼のうち、ジョミニー式一端焼入法によって測定した硬さから式(1)、および式(2)により求まるJ9mm/J1.5mmが0.68〜0.97の範囲外であり、およびJ11mm/J1.5mmの値が0.63〜0.94の範囲外である13例は、熱処理前後の試験片の長さの差の絶対値が0.29〜0.46mmとなり、発明例の鋼に比べて大きい。したがって、比較例のうちで熱処理後の試験片の曲りおよび熱処理前後の試験片の長さの差の絶対値が共に本発明例の鋼と同等のものは1例も無かった。
測定したMs点が請求の範囲を外れる比較例のNo.1、3、5〜7、9、10、13〜15と比較して、Ms点が請求の範囲を満足する本発明例のNo.1〜23は、熱処理後の試験片の曲りが小さく、熱処理変形が抑制されている。また、J9mm/J1.5mmの値およびJ1mm/J1.5mmの値が請求の範囲を外れる比較例のNo.1〜5、7〜13、16に比べて、J9mm/J1.5mmの値およびJ11mm/J1.5mmの値が請求の範囲を満足する発明例のNo.1〜23は、熱処理前後の試験片の長さの差の絶対値が小さく、熱処理変形が抑えられている。なお、本実施の形態では、浸炭焼入れでは無く、焼入れによって熱処理変形を評価しているが、浸炭焼入れした場合でも、本請求項を満たす鋼材の熱処理変形が小さいことを確認している。なお、本発明例の鋼材は焼入れ後に焼戻しを施してから使用される。
以上から、本発明における鋼成分の限定およびマルテンサイト変態開始温度であるMs点の限定およびジョミニー式一端焼入法により測定される焼入性の限定により、鋼材を部品に加工した後、部品を硬化させるための焼入れや浸炭焼入れを行った場合の熱処理変形を小さくすることができる。このような本発明による鋼材は、自動車や産業機械などに使用されるギヤやシャフトなどの動力伝達用の部品に適用しうる鋼材である。

Claims (4)

  1. 質量%で、C:0.15〜0.35%、Si:0.10〜1.50%、Mn:0.10〜1.00%、P:0.030%以下、S:0.030%以下、Cr:0.90〜1.90%、Cu:0.30%以下、Al:0.008〜0.800%、B:0.0003〜0.0050%、O:0.0030%以下、N:0.0020〜0.0100%を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる機械構造用鋼であり、該鋼からなる鋼材のマルテンサイト変態開始温度(Ms点)が460℃以下であり、該鋼材についてのジョミニー式一端焼入法により測定される鋼材の焼入端からの距離1.5mmにおける硬さのJ1.5mmおよび距離9mmにおける硬さのJ9mmを用いて、下記の式(1)によって算出したJ9mm/J1.5mmの値が0.68〜0.97の範囲にあり、さらに距離1.5mmにおける硬さのJ1.5mm、および距離11mmにおける硬さのJ11mmを用いて、下記の式(2)によって算出したJ11mm/J1.5mmの値が0.63〜0.94の範囲にあることを特徴とする熱処理変形の小さい機械構造用鋼材。
    ただし、
    J9mm/J1.5mm=(ジョミニー式一端焼入法により測定される焼入端からの距離9mmの硬さ)÷(ジョミニー式一端焼入法により測定される焼入端からの距離1.5mmの硬さ)……(1)
    J11mm/J1.5mm=(ジョミニー式一端焼入法により測定される焼入端からの距離11mmの硬さ)÷(ジョミニー式一端焼入法により測定される焼入端からの距離1.5mmの硬さ)……(2)
  2. 質量%で、C:0.15〜0.35%、Si:0.10〜1.50%、Mn:0.10〜1.00%、P:0.030%以下、S:0.030%以下、Cr:0.90〜1.90%、Cu:0.30%以下、Al:0.008〜0.800%、B:0.0003〜0.0050%、O:0.0030%以下、N:0.0020〜0.0100%を含有し、さらにNi:0.20〜3.00%、Mo:0.05〜0.50%の1種または2種を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる機械構造用鋼であり、該鋼からなる鋼材のマルテンサイト変態開始温度Ms点)が460℃以下であり、該鋼材についてのジョミニー式一端焼入法により測定される鋼材の焼入端からの距離1.5mmにおける硬さのJ1.5mmおよび距離9mmにおける硬さのJ9mmを用いて、下記の式(1)によって算出したJ9mm/J1.5mmの値が0.68〜0.97の範囲にあり、さらに距離1.5mmにおける硬さのJ1.5mm、および距離11mmにおける硬さのJ11mmを用いて、下記の式(2)によって算出したJ11mm/J1.5mmの値が0.63〜0.94の範囲にあることを特徴とする熱処理変形の小さい機械構造用鋼材。
    ただし、
    J9mm/J1.5mm=(ジョミニー式一端焼入法により測定される焼入端からの距離9mmの硬さ)÷(ジョミニー式一端焼入法により測定される焼入端からの距離1.5mmの硬さ)……(1)
    J11mm/J1.5mm=(ジョミニー式一端焼入法により測定される焼入端からの距離11mmの硬さ)÷(ジョミニー式一端焼入法により測定される焼入端からの距離1.5mmの硬さ)……(2)
  3. 質量%で、C:0.15〜0.35%、Si:0.10〜1.50%、Mn:0.10〜1.00%、P:0.030%以下、S:0.030%以下、Cr:0.90〜1.90%、Cu:0.30%以下、Al:0.008〜0.800%、B:0.0003〜0.0050%、O:0.0030%以下、N:0.0020〜0.0100%を含有し、さらにTi:0.020〜0.200%、Nb:0.02〜0.20%の1種または2種を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる機械構造用鋼であり、該鋼からなる鋼材のマルテンサイト変態開始温度(Ms点)が460℃以下であり、該鋼材についてのジョミニー式一端焼入法により測定される鋼材の焼入端からの距離1.5mmにおける硬さのJ1.5mmおよび距離9mmにおける硬さのJ9mmを用いて、下記の式(1)によって算出したJ9mm/J1.5mmの値が0.68〜0.97の範囲にあり、さらに距離1.5mmにおける硬さのJ1.5mmおよび距離11mmにおける硬さのJ11mmを用いて、下記の式(2)によって算出したJ11mm/J1.5mmの値が0.63〜0.94の範囲にあることを特徴とする熱処理変形の小さい機械構造用鋼材。
    ただし、
    J9mm/J1.5mm=(ジョミニー式一端焼入法により測定される焼入れ端からの距離9mmの硬さ)÷(ジョミニー式一端焼入法により測定される焼入れ端からの距離1.5mmの硬さ)……(1)
    J11mm/J1.5mm=(ジョミニー式一端焼入法により測定される焼入れ端からの距離11mmの硬さ)÷(ジョミニー式一端焼入法により測定される焼入れ端からの距離1.5mmの硬さ)……(2)
  4. 質量%で、C:0.15〜0.35%、Si:0.10〜1.50%、Mn:0.10〜1.00%、P:0.030%以下、S:0.030%以下、Cr:0.90〜1.90%、Cu:0.30%以下、Al:0.008〜0.800%、B:0.0003〜0.0050%、O:0.0030%以下、N:0.0020〜0.0100%を含有し、さらにNi:0.20〜3.00%、Mo:0.05〜0.50%の1種または2種を含有し、さらにTi:0.020〜0.200%、Nb:0.02〜0.20%の1種または2種を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる機械構造用鋼であり、該鋼からなる鋼材のマルテンサイト変態開始温度(Ms点)が460℃以下であり、該鋼材についてのジョミニー式一端焼入法により測定される鋼材の焼入端からの距離1.5mmにおける硬さのJ1.5mmおよび距離9mmにおける硬さのJ9mmを用いて、下記の式(1)によって算出したJ9mm/J1.5mmの値が0.68〜0.97の範囲にあり、さらに距離1.5mmにおける硬さのJ1.5mm、および距離11mmにおける硬さのJ11mmを用いて、下記の式(2)によって算出したJ11mm/J1.5mmの値が0.63〜0.94の範囲にあることを特徴とする熱処理変形の小さい機械構造用鋼材。
    ただし、
    J9mm/J1.5mm=(ジョミニー式一端焼入法により測定される焼入れ端からの距離9mmの硬さ)÷(ジョミニー式一端焼入法により測定される焼入れ端からの距離1.5mmの硬さ)……(1)
    J11mm/J1.5mm=(ジョミニー式一端焼入法により測定される焼入れ端からの距離11mmの硬さ)÷(ジョミニー式一端焼入法により測定される焼入れ端からの距離1.5mmの硬さ)……(2)
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