JP5640410B2 - 抵抗スポット溶接継手の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、重ね抵抗溶接法の一種である抵抗スポット溶接法に係り、とくに複数枚の薄肉の金属板(被溶接材)を重ね合わせた板組みを抵抗スポット溶接法により、散りの発生なく所望サイズのナゲットを形成して抵抗スポット溶接継手とする、抵抗スポット溶接継手の製造方法に関する。
一般に、重ね合わせられた金属板同士の接合には、重ね抵抗溶接法の一種である抵抗スポット溶接法が用いられている。例えば、自動車の製造にあたっては1台あたり数千点ものスポット溶接がなされている。この溶接法は、2枚以上の金属板を重ね合わせ、その表面を直接、上下の電極で挟み加圧力を加えながら、上下電極間に大電流の溶接電流を短時間通電して接合する方法である。大電流の溶接電流を流すことで発生する抵抗発熱を利用して、点状の溶接部が得られる。この点状の溶接部は、ナゲットと呼ばれ、両金属板に電流を流した際に両金属板の接触箇所で両金属板が溶融し、凝固した部分であり、これにより両金属板が点状に接合される。
抵抗スポット溶接部の接合強度は、ナゲット径により左右されるため、自動車部品等の高い接合強度を必要とする場合にはとくに、所定の径以上のナゲット径を確保することが重要となってくる。一般に、加圧力、通電時間を一定とした場合には、ナゲット径は、溶接電流の増加にしたがって徐々に増加するが、ある値以上になると金属板間に溶融金属が飛散する散りという現象が生じる。散りの発生は、危険である上に、溶接部周辺に散りが付着し外観を悪化させ、ナゲット径や継手引張強度にばらつきを生じさせ、継手部の品質が不安定になる。
また、近年、自動車車体の衝突安全性の向上という要求の高まりから、例えば、車両のフロア部を構成する、フロアパネルとメンバーとの間にリインフォースメントを挟み込んだ構造が採用されるようになっている。この構造では、従来の単純な二枚重ねの鋼板をスポット溶接する場合と異なり、3枚以上の鋼板を重ね合わせてスポット溶接することが要求される。
さらに、最近では、車体の衝突安全性の更なる向上要求にともない、リインフォースメントなどの高強度化、厚肉化が進み、外側に板厚の薄いフロアパネル(薄板)を配置し、内側に板厚の厚いメンバー、リインフォースメント(厚板)を組み合わせた板組みをスポット溶接することが必要となる場合が多い。なお、ここでは、薄板とは板組みされた金属板のうち、肉厚が相対的に小さいものを薄板と記載し、肉厚の相対的に大きいものを厚板と記載することとし、以下も同様の記載とする。
このような板厚比(=総厚/一番薄い板の板厚)の大きな板組みにおいて、従来のような、加圧力、溶接電流を一定の値としたままにするスポット溶接を行った場合には一番外側(電極チップと接触する側)の薄板と厚板の間に必要なサイズのナゲットが形成されにくいことが知られている。とくに板厚比が5を超えるような板組みでは、この傾向が強い。
これは、電極チップによる冷却によって一番外側の薄板と厚板の間では温度が上がりにくいことが原因である。ナゲットは、電極間の中央付近から鋼材の固有抵抗により体積抵抗発熱にて形成されるが、ナゲットが薄板にまで成長するまでに、電極間中央部に近い部分に位置する厚板と厚板間でのナゲットの成長が大きく、電極による加圧では抑えきれずに散りが発生するため、散り発生なく必要なサイズのナゲットを薄板−厚板間に得ることが困難となる。
また、一番外側に配置される薄板がフロアパネルの場合には、強度よりも成形性が重要となるため、使用される鋼板は軟鋼となることが多い。一方、板厚の厚い鋼板は強度補強部材であり高張力鋼板が使用される場合が多い。このような板組みでは、発熱する位置は、固有抵抗の高い高張力鋼板側に偏るため、厚板−薄板(軟鋼)間にはさらにナゲットが形成されにくくなる。また、使用される鋼板がめっき鋼板となると、低温で溶融しためっき層が鋼板間の通電経路を拡大するため電流密度が減少し、薄板側でのナゲットの形成がさらに困難となる。
このような問題に際し、例えば、特許文献1には、重ね合わされた2枚の厚板の少なくとも一方に薄板をさらに重ね合わせた板厚比の大きな板組みをスポット溶接する方法が提案されている。特許文献1に記載された技術は、薄板の溶接すべき部位に部分的に一般部より一段高い座面を形成するとともに、薄板に対抗する電極を、先端を球面に形成し、溶接初期は低加圧力で、薄板の座面を押しつぶすようにして、薄板とこれと隣り合う厚板とを溶接し、その後、高加圧力で2枚の厚板同士を溶接するスポット溶接方法である。この技術によれば、散りを発生することなく、薄板−厚板間にも必要サイズのナゲットを形成できるとしている。
しかし、特許文献1に記載された技術では、薄板−厚板間に必要サイズのナゲットを形成することができるが、薄板の溶接する部分に予め一般部より一段高い座面をプレスなどで形成する工程が必要となり、工程が複雑になり、生産性が低下するという問題がある。
この問題に対して、特許文献2には、金属板の板組みを、重ね合わせた2枚以上の厚板の少なくとも一方に薄板を重ね合わせた、板厚比が5以上の板組みとし、抵抗スポット溶接を第一段および第二段の二段階からなる溶接とし、第二段の溶接が第一段の溶接に比べ、高加圧力、低電流又は同じ電流、長通電時間又は同じ通電時間の溶接とすることによって、板厚比の大きな板組みにおいても余計な工程を付加することなく、また散りを発生することなく、必要サイズのナゲットを形成できるようにしている。
ただし、特許文献2に記載の技術によって得られた抵抗スポット溶接継手は、板組みに高強度鋼板(高張力鋼板)が含まれている場合、以下のような問題が生じる可能性がある。
通常、得られた抵抗スポット溶接継手の品質の指標としてJISで定められるせん断引張強度(継手のせん断方向に引張試験をしたときの強さ)、十字引張強度(継手のはく離方向に引張試験をしたときの強さ)が重要である。
高強度鋼板のスポット溶接部の引張せん断強さは、鋼板の引張強度の増加とともに増加する傾向にある一方で、十字引張強度は鋼板の引張強度の増加にかかわらずほとんど増加せず、逆に減少することもある。その原因として、高強度鋼板は、その強度を達成するために下記式で表される炭素当量Ceqが大きくならざるをえず、加えて溶接は急熱急冷現象であるために、溶接部及び熱影響部において硬度が上昇し、靭性が低下するからだと考えられる。
Ceq=C+1/24×Si+1/6×Mn(%)
ここで、C、Si、Mnは、それぞれの質量%を示す。
この問題を解決するために溶接法の観点からは、打点数の増加やナゲット径の拡大が考えられるが、打点数の増加はスペースが必要であり、かつ、打点数を増やしても強度が下がる傾向にある。さらに、ナゲット径を拡大するには電極を大きくしたり、加圧力を増加しなければいけないため、装置的な制約も受ける。
そこで、従来と同様のナゲット径で強度を確保するために、ナゲットを形成する本通電の後に通電(後熱通電)を行う様々な試みがなされてきた。
その一例として、特許文献3では、テンパー通電における通電時間To・通電電流Ioと本通電における通電時間Tt・通電電流Itを用いて、(It/To)の二乗と(Tt/To)の積が0.25/0.82の範囲に入っている事が望ましいとしている。
特許文献4では、引張強度が35kg/mm以上の高張力鋼板において、散り発生限界電流値以上の本通電に加えて、本通電より低い電流値にてテンパー通電を行うことでせん断強度と疲労強度の向上を達成出来るとしている。
テンパー通電の代わりに、一定電流を何度かに分けて付加するパルセーション通電の提案もなされており、例えば特許文献5では、三枚重ねの鋼板に対して、本通電の後にパルセーション通電を行うことで十分なナゲット径が確保出来るとしている。
近年では、非特許文献に見られるように、一定の冷却の後、極短時間通電を行ってテンパー通電と同じ効果を得られるとしたSpike−Temperingという方法も提案されており、それによればテンパー通電に必要な時間は40サイクル(0.8秒)程度とされている。
さらに特許文献6では、本通電を行った後に、本通電より低い電流値にてテンパー通電を行うことにより、高張力鋼板の十字引張強度を改善することが出来るとしている。
しかしながら、前記特許文献3〜5に記載されているような通電方法は、本通電より低い電流値で、所定の抵抗発熱が可能な範囲を選ぶために、利用可能な電流範囲は狭く、僅かな通電電流・電流時間の変化で大きく影響を受けざるを得ず、様々な外乱要因の存在する製造の現場(例えば、本通電の50%を超える大きな電流低下が起きる)において実装するにあたっては、安定的な施工を行う上での余裕が小さいという問題点がある。
また、一般的なマルテンサイトテンパー方式の通電方法は、前記非特許文献にて実施あるいは記載されているように、十分な冷却を置いた後に通電することで焼き戻しを行うテンパー通電であり、十分な冷却時間(非特許文献によれば40サイクル(0.8秒)程度)が必要であり、総溶接時間(最初の通電が開始してから、最後の通電が完了するまでと定義する)が長くなるという問題があった。
さらに、特許文献6は三枚以上重ねた板組に対して溶融部を確保する方法であり、すなわち、本通電で形成されたナゲットを後熱通電によって拡大することを目的としている。従来、ナゲット径と継手強度には密接な関係があるという観点から、後熱通電の有無に係わらず、最終的なナゲット径に対して継手強度を整理し、評価してきた。前述したように、特定のナゲット径で強度を向上させることが重要であることに加え、溶融状態から冷却したのではナゲットやHAZを急冷し、継手強度を向上させることは出来ない。
特開2003−071569号公報 特許第3922263号公報 特開昭58−003792号公報 特開昭58−003793号公報 特開2002−103048号公報 特開2008−093726号公報
AISI/DOE Technology Roadmap Program, DE−FC36−97ID13554, B. Girvinら, Development of Appropriate Spot Welding Practice for Advanced High−Strength Steels, 2004年
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、高強度鋼板を含んだ板厚比の大きな板組みにおいても、余計な工程を付加することなく、また散りを発生することなく、必要サイズのナゲットが形成されているとともに、良好な引張強度を有する抵抗スポット溶接継手を安定して得ることができる、抵抗スポット溶接継手の製造方法を提案することを目的とする。
本発明者らは、上記した課題を達成するため、前記特許文献2に記載の技術に基づいて第一段溶接および第二段溶接を行うことで、必要サイズのナゲットを形成した上で、後熱通電としての第三段溶接を行うことによって、必要な継手強度を確保することを考えた。
そこで、本発明者らは、必要な継手強度を確保するための第三段溶接として、安定的な施工を行うことができる後熱通電について鋭意検討を行った。
従来、継手形成後に組織を焼き戻し、継手強度を向上させるため、後熱通電(テンパー通電)として低電流を付加する方法がとられてきたのに対し、逆に溶融部を形成する本通電電流よりも高電流を付加することで継手強度を向上させることが出来ないかを考えた。しかし、高電流の付加は散りや電極の溶着の原因となるほか、再溶融再急冷により継手強度の変化が無いか、逆に低下することもある。
そこで、その問題を解決するためにさらに検討を行った。
その際、図8、図9に示すように、重ね合わせた2枚の高強度鋼板(上側の高強度鋼板22、下側の高強度鋼板23)の板組を、上下一対の電極チップ(上側の電極チップ31、下側の電極チップ32)で挟み、加圧、通電することにより接合して抵抗スポット溶接継手を得る場合を例にした。
まず、抵抗スポット溶接継手の十字引張強度と破断形態には相関が有り、低強度溶接継手は鋼板に平行に破断するはく離破断を生じ、高強度になるにつれてボタン状に片方の鋼板が残ったまま抜けるように破断するプラグ破断へと変化する。同じナゲット径においての破断形態の変化を見るために、テンパー通電を施さない溶接継手とテンパー通電を施した溶接継手とを作成し、はく離破断したものとプラグ破断したものの継手を比較したところ、以下の事が分かった。
すなわち、はく離破断したものでは破面がへき開面で脆性的な破断であり、プラグ破断したものでは破面が滑らかで延性的な破断であった。そして、図8に示すように、ナゲット16の周囲を取り巻く、加熱により組織が変化した部分を熱影響部17とすれば、はく離破断したものでは、熱影響部17にナゲット16内部よりも硬化した部分が見られたのに対して、プラグ破断したものでは、熱影響部17の軟化が見られた。この熱影響部17の軟化はテンパー通電によってマルテンサイト組織の焼き戻しが生じて起こったものであり、この軟化によってナゲット16外周での塑性変形が許容され、ナゲット16端部での応力集中が緩和されるために、破断形態がはく離破断からプラグ破断に変化したものだと考えられた。
そこで、発明者らは、後熱通電を高電流で行うに際して、上記と同様に効果を得るために、熱影響部17の全く新しい軟化手法を考えることにした。すなわち、図8に示したように、ナゲット16及び熱影響部17を一つの考え方で軟化させるのではなく、図9に示すように、熱影響部17を電極31、32側の熱影響部17aと軟化域18側の熱影響部17bとに分けて、別個に制御することができるのではないかと考えた。軟化域18側の熱影響部17bはナゲット16からの熱移動も有るために冷却速度は比較的遅いのに対して、電極31、32側の熱影響部17aは電極への放熱により冷却速度は速いからである。
テンパー通電を行わない時に熱影響部17がナゲット16より硬化するのは、抵抗スポット溶接ではナゲット16中央へ集中的な加熱が行われるために、温度が比較的低い電極31、32あるいは軟化域18と面している熱影響部17は、ナゲット16内部よりも冷却速度が速くなっていることが原因だと考えられる。
そこで、後熱通電において、熱影響部17の特に軟化域18側の熱影響部17bの冷却速度を遅くし、ナゲット16と同程度になるような適度な通電を与えればよいと考えた。一方、電極31、32側の熱影響部17aは温度が十分に下がるまでに要する時間が短く、その時間を待ってから加熱することによりテンパー処理と同じ効果を得られると考えた。
したがって、本発明は以下の原理により引張強度を向上させるものである。すなわち、本通電(前記特許文献2に記載の技術に基づく第一段溶接および第二段溶接)によるナゲット16の形成の後、後熱通電(第三段溶接)として、所定の冷却時間(休止時間)をおいて、高電流を付加することで、この入熱によりナゲット16および軟化域18側の熱影響部17bの急冷が抑制され硬化が抑制されると同時に、電極31、32側の熱影響部17aはテンパー効果により焼き戻しされ軟化するのである。テンパー通電やパルセーション通電のように、継手全体に焼き戻し効果などを付与するのではなく、継手の部分部分で効果が異なることが、従来技術と大きく異なる点である。
上記原理を有効に成立させるためには、以下の点に着目する必要がある。すなわち、電極31、32側の熱影響部17aにおいては、十分に冷却された後に適切に加熱される必要がある。このためには、冷却時間(休止時間)を所定時間以上おく必要があるが、長くとも10サイクル程度で目的は達せられる。さらに、軟化域18側の熱影響部17bにおいては、後熱通電の通電時間が長すぎると、必要以上に加熱され、再急冷されることになってしまい、逆に硬化させてしまう要因となるし、散りの原因ともなる。したがって、通電時間は長くとも5サイクル程度とすべきである。また、電流値についても、同様の理由から設定されるべきであり、本通電における電流値の3倍程度までの電流値を溶接対象に応じて適切に選択すべきである。
そして、これらは急冷による硬化が著しい引張強度590MPa以上の高張力鋼板に適用されることにより、著しい効果を発現する。
それに加えて、後熱通電における加圧力を本通電よりも増加させることで、後熱通電における電流値の余裕を増加させるばかりでなく、そのことによって散りを抑制することが出来る。
このようにして、第三段溶接での後熱通電において、上記のような高電流を短時間かつ好ましくは複数回通電するとともに加圧力を本通電よりも増加させることで、散りや電極の溶着なく、安定して継手強度を向上させることに成功したのである。
上記に基づいて、本発明は以下の特徴を有している。
[1]複数枚の金属板を重ね合わせた板組みを抵抗スポット溶接により溶接接合し抵抗スポット溶接継手を製造するにあたり、前記板組みを、重ね合わせた2枚以上の厚板の少なくとも一方に薄板を重ね合わせた、板厚比が5以上の板組みとし、前記抵抗スポット溶接を第一段・第二段・第三段の三段階からなる溶接とし、第二段の溶接は前記第一段の溶接に比べ、高加圧力、低電流又は同じ電流、長通電時間又は同じ通電時間の溶接とし、さらに第三段は第二段よりも高加圧力で、高電流の通電を繰り返すことを特徴とする抵抗スポット溶接継手の製造方法。
[2]前記第一段の溶接を、該溶接の加圧力P、溶接電流I、通電時間Tが、前記複数枚の金属板のうち最も薄肉の金属板の板厚tmとの関係で、下記(1)〜(3)式を満足する溶接とし、前記第二段の溶接を、該溶接の加圧力PII、溶接電流III、通電時間TIIが下記(4)〜(6)式を満足する溶接とすることを特徴とする前記[1]に記載の抵抗スポット溶接継手の製造方法。
0.8tm≦P≦5tm ………(1)
2≦T≦6 ………(2)
3tm+5≦I ………(3)
1.1P≦PII≦10P ………(4)
0.5I≦III≦I ………(5)
≦TII≦10T ………(6)
ここで、tm:複数枚の金属板のうち最も薄肉の金属板の板厚(mm)
、PII:加圧力(kN)
、III:溶接電流(kA)
、TII:通電時間(cycles/50Hz)
[3]前記第三段の溶接における加圧力PIII、冷却時間Tc、溶接電流IIII、通電時間TIIIが、前記第二段の加圧力PII、溶接電流III、通電時間TIIとの関係において、下記(7)〜(10)式を満足することを特徴とする前記[1]または[2]に記載の抵抗スポット溶接継手の製造方法。
II<PIII ………(7)
1≦Tc≦20 ………(8)
1≦TIII≦5 ………(9)
II<IIII≦3III ………(10)
ここで、PII、PIII:加圧力(kN)
II、IIII:溶接電流(kA)
Tc:冷却時間(cycles/50Hz)
III:通電時間(cycles/50Hz)
[4]前記第三段の溶接における冷却時間Tcが、下記(8a)式を満足することを特徴とする前記[3]に記載の抵抗スポット溶接継手の製造方法。
1≦Tc≦10 ………(8a)
ここで、Tc:冷却時間(cycles/50Hz)
[5]前記第三段の、冷却時間Tc及び通電時間TIIIと溶接電流IIIIで構成される通電を、1回以上5回以下で繰り返すことを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれかに記載の抵抗スポット溶接継手の製造方法。
本発明においては、高強度鋼板を含んだ板厚比の大きな板組みであっても、余計な工程を付加することなく、また散りを発生することなく、必要サイズのナゲットが形成されているとともに、良好な引張強度を有する抵抗スポット溶接継手を安定して得ることができる。
本発明の抵抗スポット溶接における第一段溶接時のナゲットの形成状況を模式的に示す説明図である。 本発明の抵抗スポット溶接における第二段溶接時のナゲットの形成状況を模式的に示す説明図である。 本発明の抵抗スポット溶接における第三段溶接時の状況を模式的に示す説明図である。 本発明の抵抗スポット溶接における加圧パターンを模式的に示す説明図である。 本発明の抵抗スポット溶接における通電パターンを模式的に示す説明図である。 電極チップの形状を模式的に示す断面図である。 実施例で使用した板組みを模式的に示す断面図である。 抵抗スポット溶接における熱影響部と軟化域を示す説明図である。 本発明の原理を示す説明図である。
本発明では、複数枚の金属板を重ね合わせた板組みを、上下一対の電極チップで挟み、加圧、通電する抵抗スポット溶接により溶接接合して、必要サイズのナゲットを形成するとともに、必要な継手強度を得る。
本発明で好適に使用可能な溶接装置は、上下一対の電極チップを備え、溶接中に加圧力、溶接電流をそれぞれ任意に制御可能であれば、加圧機構(エアシリンダやサーボモータ等)、形式(定置式、ロボットガン等)、電極形状等はとくに限定されない。
本発明の一実施形態として、図1〜図3に示すような、重ね合わせた2枚以上の厚板12、13の外側に薄板11を重ね合わせた金属板の板組みをスポット溶接する場合を例に、以下、説明する。
この実施形態では、抵抗スポット溶接を第一段、第二段、第三段の三段階からなる溶接とする。この実施形態の抵抗スポット溶接における加圧パターンを図4に、通電パターンを図5に模式的に示す。
まず、所望の溶接位置で板組みを上下一対の電極31、32で挟み、加圧を開始する。加圧力がかかり始めてから通電を開始する。第一段の溶接では、接触抵抗発熱が小さくならないように、加圧力、溶接電流を設定し、薄板11と厚板12間にナゲット16a(径N1)を形成する。第一段の溶接では、低加圧力で大溶接電流を短時間で加えることが好ましい。これにより、薄板11と厚板12間は通電経路が狭く電流密度が高くなり、めっきの溶融等による通電経路の拡大の影響も少なく、発生する接触抵抗発熱を有効にナゲットN1形成に作用させることができるようになる。
第一段の溶接では、加圧力P(kN)は、複数枚の金属板のうち最も薄肉の金属板の板厚tm(図1では金属板11の板厚:mm)との関係で、次の(1)式を満足するように設定することが好ましい。
0.8tm≦P≦5tm ………(1)
第一段の溶接における加圧力Pが5tm(kN)超えでは、加圧力が高くなりすぎて、接触抵抗による発熱が小さくなり、薄板11と厚板12間にナゲットが形成されなくなる。一方、加圧力Pが0.8tm未満の場合には、電極チップ31と薄板11との間での接触抵抗が大きくなり、スパークが発生しやすくなるとともに、薄板11と厚板12間からも散りが発生しやすくなる。
また、第一段の溶接では、通電時間T(cycles/50Hz)は、次の(2)式を満足するように設定することが好ましい。
2≦T≦6 ………(2)
通電時間Tが2cycles未満では、通電時間が短かすぎるため、薄板11と厚板12間に所望サイズのナゲットが形成されなくなる。一方、通電時間Tが6cyclesを超えて長くなると、散りが発生する。
また、第一段の溶接では、溶接電流I(kA)は、複数枚の金属板のうち最も薄肉の金属板の板厚tm(図1では金属板11の板厚:mm)との関係で、次の(3)式を満足するように設定することが好ましい。
3tm+5≦I ………(3)
第一段の溶接における溶接電流Iが、(3tm+5)未満の小電流では、接触抵抗発熱を有効に利用できず、薄板11と厚板12間にナゲットが形成されなくなる。第一段の溶接では、初期の数サイクルの間、大電流を流すことが好ましい。
このようなことから、第一段の溶接では、前記した(1)、(2)、(3)式を満足するように加圧力P、溶接電流I、通電時間Tを設定することが、薄板11と厚板12間に所望サイズのナゲットを形成するために好ましい。
そして、この実施形態では、上記した第一段の溶接に続いて第二段の溶接を行なう。第二段の溶接は、第一段の溶接に比べ、高加圧力で低電流、長通電時間の溶接とする。この実施形態では、溶接途中で(第一段の溶接終了後)、第一段の溶接時に比べて、加圧力を増加させ、溶接電流を減少させ、通電時間を長くする。これにより、散りの発生が抑制されるとともに、体積抵抗発熱による発熱が主体となり、電極間中央部でナゲットが形成され、図2に示すように、薄板11と厚板12間にナゲット16b(径がN2)を形成することができる。
第二段の溶接では、加圧力PIIは、第一段溶接の加圧力Pとの関係で、次の(4)式を満足するように設定することが好ましい。
1.1P≦PII≦10P ………(4)
また、溶接電流IIIは、第一段溶接の溶接電流Iとの関係で、次の(5)式を満足するように設定することが好ましい。
0.5I≦III≦I ………(5)
また、通電時間TIIは、第一段溶接の通電時間Tとの関係で、次の(6)式を満足するように設定することが好ましい。
≦TII≦10T ………(6)
第二段の溶接の条件が上記した範囲から外れると、散りの発生防止や所定サイズのナゲット径を得ることが困難となり、また、加圧力を過大に増加するとヒートマークや浮き上がりが大きくなるという問題も生じる。
そして、この実施形態では、上記した第二段の溶接に続いて第三段の溶接を行なう。この第三段の溶接は、上述したように、継手強度を確保するための後熱通電であり、第二段の溶接よりも加圧力を増加させて、高電流の通電を繰り返す。
このように高電流の通電を付加することで、図9に示したと同様に、図3に示すように、この入熱によりナゲット16および軟化域18側の熱影響部17bの急冷が抑制され硬化が抑制されると同時に、電極31、32側の熱影響部17aはテンパー効果により焼き戻しされ軟化し、継手の引張強度が向上する。
第三段の溶接は、加圧力PIIIで加圧した状態で、溶接電流を通電しない冷却時間Tcと、溶接電流IIIIにて通電する通電時間TIIIとで構成されている。
その際に、前述したように、加圧力PIIIを第二段溶接の加圧力PIIより増加させる。すなわち、次の(7)式を満足するように設定する。
II<PIII ………(7)
この加圧力を増加させるタイミングとしては、加圧力の増加による効果が得られるように、第三段溶接(多段通電)の第一通電が付加されるまでに完了するのが望ましい。また、高すぎる加圧力は電極の劣化を引き起こす可能性があるため、より好ましくは、PII<PIII≦3PIIの範囲にとどめるのが望ましい。
また、冷却時間Tcは、次の(8)式を満足するように設定することが好ましい。
6≦Tc≦20 ………(8)
さらには、冷却時間Tcは、次の(8a)式を満足するように設定することがより一層好ましい。
1≦Tc≦10 ………(8a)
また、通電時間TIIIは、次の(9)式を満足するように設定することが好ましい。
1≦TIII≦5 ………(9)
また、溶接電流IIIIは、第二段溶接の溶接電流IIIとの関係で、次の(10)式を満足するように設定することが好ましい。
II<IIII≦3III ………(10)
そして、冷却時間Tc及び通電時間TIIIと溶接電流IIIIで構成される通電を、1回以上5回以下で繰り返すことが好ましい。
第三段溶接において、上記のような冷却時間Tc、通電時間TIII、溶接電流IIIIをとるのは、第二段溶接後の冷却が進むにつれて、抵抗値は低くなるため、溶接電流IIIIは第二段溶接の溶接電流IIIより高く取る必要があるが、冷却が進まない前に通電すると、ナゲット16が完全に再溶融してしまったり、あるいは高い温度に上がりすぎたりして、逆に強度を低下させる原因となりうる。また、長すぎる通電時間や、高すぎる電流値は散りの原因となるうえ、電極寿命を減少させる。また、長すぎる冷却時間はタクトタイムの増加につながり望ましくない。このため、通電時間TIIIは5サイクルまで、冷却時間Tcは20サイクルまで、溶接電流IIIIは第二段溶接の溶接電流IIIの3倍までとし、組み合わせによって適切に選択される。
なお、施工面での安定性や散りの発生限界から鑑みて、長すぎない通電時間、短すぎない冷却時間、高すぎない通電電流を選択すべきであるから、通電時間TIIIは2〜4サイクル、冷却時間Tcは6〜10サイクル、溶接電流IIIIはIII<Ib≦2IIIの範囲に収まるようにするのが、最も好適であると考えられる。
ただし、温度や湿度などの施工雰囲気、また母材温度による影響で冷却が遅くなることが考えられる。この際、冷却時間Tcが20サイクルを超えていたとしても、第二段溶接の溶接電流IIIよりも高い電流を2回以上付加し、ナゲット全体を溶融させずに冷却速度を低下させたものであれば、本発明の範囲であるといえる。
また、引張強度590MPa未満の鋼板では、通常の溶接で十分な継手強度が達成されるという観点から、引張強度が590MPa以上1960MPa以下の高張力鋼板が含まれている板組に対して使用するのが好ましく、特に引張強度980MPa以上の高張力鋼板が含まれている板組で効果を得ることが出来る。
さらに、前述した本発明の原理から、本発明の効果を達成するためには、必ずしも第三段溶接における冷却時間Tc、通電時間TIII、溶接電流IIIIは各パルスで一定でなくとも良い。例えば、1回目の冷却時間では十分に冷却が進まないが、2回目の冷却時間では冷却が進みすぎるということであれば、1回目の冷却時間を2回目の冷却時間よりも長くすることも考えられる。同様に、1回目の溶接電流値を小さくしたり、通電時間を短くしたりしてもよく、これらの理由から、第三段溶接における冷却時間Tc、通電時間TIII、溶接電流IIIIを個別に変更することは、本発明の意図を離れるものではない。
そして、本発明の抵抗スポット溶接継手の製造方法は、図1〜図3に例示した板組みに限定されることはない。また、被溶接材として本発明を適用する金属板には、鋼板が例示できる。鋼板としては、高張力鋼板が含まれている場合が好適であるが、強度レベル(軟鋼、高張力鋼板)や表面処理の有無(表面処理なし、めっき鋼板)に限定されることはない。本発明はいずれの種類の鋼板についても適用可能である。また、本発明は、板厚比(=総板厚mm/一番薄い板の板厚mm)が5以上の板組みの場合に適用する。
図7(a)および表1(板組No.A)に示すような、板厚0.7mmの270MPa級軟鋼板1枚と、板厚1.6mmのGAめっき鋼板(原板750MPa級高張力鋼板、目付量45/45g/m)2枚の計3枚の薄鋼板を、270MPa級軟鋼板(薄板)11、GAめっき鋼板(厚板)12、GAめっき鋼板(厚板)13の順に重ね合せた板組について、表2に示す溶接条件で抵抗スポット溶接を行い、抵抗スポット溶接継手を作製した。
ここで、本発明例は、上記の実施形態で示したような、第一段、第二段、第三段の三段階からなる抵抗スポット溶接を行ったものである。一方、比較例は、第一段、第二段の二段階からなる抵抗スポット溶接を行ったものである。
Figure 0005640410
Figure 0005640410
なお、抵抗スポット溶接は、定置式でサーボモータ加圧方式の単相交流抵抗スポット溶接機を用いて行った。使用した電極は、図6に示すDR(先端径6mm)の電極チップとした。
得られた各溶接継手について、薄板11と厚板12の間および厚板12と厚板13の間のそれぞれにおけるナゲット径を測定し、それぞれのナゲット径が4√t以上を満たす場合を良好(○)と評価し、そうでない場合を不良(×)と評価とした。なお、上記のtは隣り合う2枚の鋼板のうち薄い方の鋼板の板厚(mm)である。
また、得られた各溶接継手について、厚板12と厚板13の間の引張強度を測定した。
表3に、各溶接継手について、前記の(1)〜(10)式への適合(○)・不適合(×)を示すととともに、得られた評価結果(ナゲット、ナゲット径、厚板間の引張強度)を示す。
なお、表3において、ナゲットの良否は、薄板と厚板の間に良好なナゲットが形成されているかで判断することとし、比較例と比較して変化が無かった場合を○、再溶融や散り発生によって変化が著しかった場合を×とした。また、引張強度に関しては、比較例と比較して3kN以上上回った場合を◎、上回ったが3kN未満であったものを○、下回った場合を×とした。
Figure 0005640410
表3に示すように、本発明例および比較例のいずれも良好なナゲットが形成されている。そして、本発明例においては、比較例に比べて、厚板間の引張強度が向上している。
図7(b)および表1(板組No.B)に示すような、板厚0.7mmの270MPa級軟鋼板2枚と、板厚2.3mmのGAめっき鋼板(原板270MPa級軟鋼板、目付量45/45g/m)2枚の計4枚の薄鋼板を、270MPa級軟鋼板(薄板)11、GAめっき鋼板(厚板)12、GAめっき鋼板(厚板)13、270MPa級軟鋼板(薄板)14の順に重ね合せた板組について、表4に示す溶接条件で抵抗スポット溶接を行い、抵抗スポット溶接継手を作製した。
ここで、本発明例は、上記の実施形態で示したような、第一段、第二段、第三段の三段階からなる抵抗スポット溶接を行ったものである。一方、比較例は、第一段、第二段の二段階からなる抵抗スポット溶接を行ったものである。
Figure 0005640410
なお、抵抗スポット溶接は、定置式でサーボモータ加圧方式の単相交流抵抗スポット溶接機を用いて行った。使用した電極は、図6に示すDR(先端径6mm)の電極チップとした。
得られた各溶接継手について、薄板11と厚板12の間、厚板12と厚板13の間、厚板13と薄板14の間のそれぞれにおけるナゲット径を測定し、それぞれのナゲット径が4√t以上を満たす場合を良好(○)と評価し、そうでない場合を不良(×)と評価とした。なお、上記のtは隣り合う2枚の鋼板のうち薄い方の鋼板の板厚(mm)である。
また、得られた各溶接継手について、厚板12と厚板13の間での引張強度を測定した。
表5に、各溶接継手について、前記の(1)〜(10)式への適合(○)・不適合(×)を示すととともに、得られた評価結果(ナゲット、ナゲット径、厚板間の引張強度)を示す。
なお、表5において、ナゲットの良否は、薄板と厚板の間に良好なナゲットが形成されているかで判断することとし、比較例と比較して変化が無かった場合を○、再溶融や散り発生によって変化が著しかった場合を×とした。また、引張強度に関しては、比較例と比較して3kN以上上回った場合を◎、上回ったが3kN未満であったものを○、下回った場合を×とした。
Figure 0005640410
表5に示すように、本発明例および比較例のいずれも良好なナゲットが形成されている。そして、本発明例においては、比較例に比べて、厚板間の引張強度が向上している。
11 金属板(薄板)
12 金属板(厚板)
13 金属板(厚板)
14 金属板(薄板)
16 ナゲット
16a 薄板−厚板間のナゲット
16b 厚板−厚板間のナゲット
17 熱影響部
17a 電極側の熱影響部
17b 軟化域側の熱影響部
18 軟化域
22 高張力鋼板(上側)
23 高張力鋼板(下側)
31 電極チップ(上側)
32 電極チップ(下側)

Claims (5)

  1. 複数枚の金属板を重ね合わせた板組みを抵抗スポット溶接により溶接接合し抵抗スポット溶接継手を製造するにあたり、前記板組みを、重ね合わせた2枚以上の厚板の少なくとも一方に薄板を重ね合わせた、板厚比が5以上の板組みとし、前記抵抗スポット溶接を第一段・第二段・第三段の三段階からなる溶接とし、第二段の溶接は前記第一段の溶接に比べ、高加圧力、低電流又は同じ電流、長通電時間又は同じ通電時間の溶接とし、さらに第三段は第二段よりも高加圧力で、高電流の通電を繰り返すことを特徴とする抵抗スポット溶接継手の製造方法。
  2. 前記第一段の溶接を、該溶接の加圧力P、溶接電流I、通電時間Tが、前記複数枚の金属板のうち最も薄肉の金属板の板厚tmとの関係で、下記(1)〜(3)式を満足する溶接とし、前記第二段の溶接を、該溶接の加圧力PII、溶接電流III、通電時間TIIが下記(4)〜(6)式を満足する溶接とすることを特徴とする請求項1に記載の抵抗スポット溶接継手の製造方法。
    0.8tm≦P≦5tm………(1)
    2≦T≦6 ………(2)
    3tm+5≦I ………(3)
    1.1P≦PII≦10P ………(4)
    0.5I≦III≦I ………(5)
    ≦TII≦10T ………(6)
    ここで、tm:複数枚の金属板のうち最も薄肉の金属板の板厚(mm)
    、PII:加圧力(kN)
    、III:溶接電流(kA)
    、TII:通電時間(cycles/50Hz)
  3. 前記第三段の溶接における加圧力PIII、冷却時間Tc、溶接電流IIII、通電時間TIIIが、前記第二段の加圧力PII、溶接電流III、通電時間TIIとの関係において、下記(7)〜(10)式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の抵抗スポット溶接継手の製造方法。
    II<PIII ………(7)
    1≦Tc≦20 ………(8)
    1≦TIII≦5 ………(9)
    II<IIII≦3III ………(10)
    ここで、PII、PIII:加圧力(kN)
    II、IIII:溶接電流(kA)
    Tc:冷却時間(cycles/50Hz)
    III:通電時間(cycles/50Hz)
  4. 前記第三段の溶接における冷却時間Tcが、下記(8a)式を満足することを特徴とする請求項3に記載の抵抗スポット溶接継手の製造方法。
    1≦Tc≦10 ………(8a)
    ここで、Tc:冷却時間(cycles/50Hz)
  5. 前記第三段の、冷却時間Tc及び通電時間TIIIと溶接電流IIIIで構成される通電を、1回以上5回以下で繰り返すことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の抵抗スポット溶接継手の製造方法。
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