JP5637189B2 - 電子装置およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子装置およびその製造方法に関するものである。
特許文献1には、圧力検出用のセンサチップが一体的に設けられたモールドICと、このモールドICが固定されたコネクタケースとを備える圧力センサが開示されている。モールドICのモールド樹脂は熱硬化性樹脂で構成され、コネクタケースは熱可塑性樹脂で構成されている。この圧力センサでは、モールド樹脂とコネクタケースの界面は、ポッティング材で覆われることによって、気体や液体の進入の防止、すなわち、シールがされている。
一方、特許文献2、3には、紫外光照射により固相または液晶相から液相へ相転移し、可視光照射または加熱により紫外光照射前の相に相転移する光応答性化合物が開示されており、さらに、この光応答性化合物を接着剤として用いることが開示されている。
特許3620184号公報 特開2011−256155号公報 特開2011−256291号公報
ところで、電子部品の一部または全部が樹脂成形体に被覆された電子装置や、電子部品が樹脂成形体に被覆されずに樹脂成形体に固定された電子装置がある。これらのような電子部品が一体化された樹脂成形体を備える電子装置の製造方法として、第1成形体を熱硬化性樹脂で一次成形し、さらに、第1成形体の少なくとも一部と接合される第2成形体を熱可塑性樹脂で二次成形する方法がある。第1成形体に電子部品が一体化される。第1成形体を熱硬化性樹脂で成形するのは、熱硬化性樹脂の線膨張係数が電子部品に近い等の理由によるものであり、第2成形体を熱可塑性樹脂で成形するのは、熱可塑性樹脂は成形体の寸法精度が高く、靱性が高い等の理由によるものである。
ここで、二次成形に用いる熱可塑性樹脂は、熱硬化性樹脂に対して密着性が悪いことが知られている。このため、この製造方法では、第1成形体と第2成形体との界面のシールが必要な場合、第2成形体の成形後に、上記した特許文献1のように、第1成形体と第2成形体との界面を覆うように、ポッティング材等のシール材を塗布する必要がある。
しかし、この場合、塗布されたシール材を保持するためのスペースを確保したり、第2成形体に溝等を形成して、塗布されたシール材の流出を防止したりしなければならず、第1、第2成形体の形状が制約されてしまう。また、電子装置の小型化を図る上では、このスペースを設けないことが好ましい。したがって、第2成形体の成形後にシール材の塗布をしなくても、界面のシールを達成できることが望まれる。
なお、上記した特許文献2、3には、光応答性化合物を接着剤に用いることが開示されているだけであり、熱硬化性樹脂からなる第1成形体と熱可塑性樹脂からなる第2成形体との界面のシールを達成するための具体的な方法までは開示されていない。
本発明は上記点に鑑みて、熱硬化性樹脂からなる第1成形体と熱可塑性樹脂からなる第2成形体との界面のシールを、第2成形体の成形後にシール材を塗布しなくても達成できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
紫外光照射により固相または液晶相から液相に相転移し、可視光照射または加熱により液相から紫外光照射前の相に相転移する光応答性化合物(40)が、第1成形体(13)の表面に存在するとともに、光応答性化合物が紫外光照射によって液相とされた第1成形体を用意する第1成形体用意工程と、
成形型の内部に第1成形体を設置した状態で、液状の熱可塑性樹脂を成形型の内部に注入して第1成形体の表面に接触させるとともに、液状の熱可塑性樹脂を固化させることにより、第2成形体(20)を成形する第2成形体成形工程と、
液状の熱可塑性樹脂を成形型の内部に注入した後、第2成形体と接する第1成形体の表面に対して可視光照射または加熱をすることにより、光応答性化合物を液相から固相または液晶相に相転移させる相転移工程とを行うことを特徴としている。
これによれば、第2成形体成形工程で、第1成形体の表面に存在する液相の光応答性化合物と液状の熱可塑性樹脂とが混合した後、熱可塑性樹脂が固化するとともに、相転移工程で、光応答性化合物が固相または液相よりも流動性が低い液晶相に相転移することで、第1成形体と第2成形体とが接合される。
このため、本発明によれば、熱硬化性樹脂からなる第1成形体と熱可塑性樹脂からなる第2成形体との界面のシールを、第2成形体の成形後にシール材を塗布しなくても達成できる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
第1実施形態における圧力センサの断面構成を示す図である。 図1の圧力センサの製造工程を示す図である。 (a)〜(d)は、それぞれ、図2(a)〜(d)中の領域A1〜A4の模式図である。 第2実施形態における圧力センサの製造工程の一部を示す図である。 第3実施形態における圧力センサの製造工程の一部を示す図である。 図5に続く圧力センサの製造工程を示す図である。 第4実施形態における圧力センサの製造工程の一部を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明を車両に搭載される圧力センサに適用したものである。この圧力センサは、エンジンに吸入される空気の圧力(吸気圧)や、エンジンに供給される燃料の圧力等を検出する。
図1に示すように、圧力センサ1は、モールドIC10と、コネクタケース20と、ハウジング30とを備えている。
モールドIC10は、電子部品としてのセンサチップ11と、リードフレーム12と、モールド樹脂13とを備え、センサチップ11がモールド樹脂13に一体化されたものである。
センサチップ11は、ダイアフラム等で構成された圧力を検出するセンシング部を有している。本実施形態のセンサチップ11は、モールド樹脂13に形成された開口部13a内に配置され、接着剤によってモールド樹脂13に固定されており、開口部13a内に導入された圧力媒体の圧力を検出するようになっている。
リードフレーム12は、センサチップ11とボンディングワイヤ等を介して電気的に接続されており、一端側部分がモールド樹脂13から露出している。
モールド樹脂13は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂で成形された一次成形体である。このモールド樹脂13が特許請求の範囲に記載の第1成形体に相当する。モールド樹脂13は、リードフレーム12の大部分を被覆して封止している。また、図示しないが、モールド樹脂13には、電子部品としての信号処理回路用ICが内蔵されている。
コネクタケース20は、モールドIC10と一体に成形された二次成形体である。コネクタケース20は、PPS(ポリフェニレンサルファイド)やPBT(ポリブチレンテレフタレート)等の熱可塑性樹脂で構成されている。このコネクタケース20が、特許請求の範囲に記載の第2成形体に相当する。
コネクタケース20は、外部コネクタが接続されるコネクタ部21と、ターミナル23およびモールドIC10を被覆する被覆部22とが一体に形成されている。
コネクタ部21は、外部にセンサ信号を出力する部分であり、内部が空洞の筒状であって、その内部にターミナル23の一端側部分23aが配置されている。ターミナル23の他端側部分23bは、モールドIC10のリードフレーム12と電気的に接続されている。
被覆部22は、リードフレーム12に接続されたターミナル23と、モールドIC10のコネクタ部21側の部分とを被覆しており、モールドIC10のセンサチップ11側の部分を露出している。
ハウジング30は、コネクタケース20に連結された金属製のケースである。ハウジング30は、センサチップ11のセンシング部に圧力媒体を導く圧力導入通路31と、コネクタケース20の一部を収容する収容部32とを有している。圧力導入通路31は、ハウジング30の中空部として構成されたものである。収容部32は、圧力導入通路31と反対側の部位に開口部として構成されたものである。
ハウジング30は、コネクタケース20のモールドIC10側の部分を収容部32に収容した状態で、ハウジング30の一部33がかしめられることによって、コネクタケース20と連結されている。ハウジング30とコネクタケース20との間には、Oリング34が介在しており、このOリング34によってハウジング30とコネクタケース20との間がシールされている。
このような構成の圧力センサ1において、本実施形態では、モールドIC10のモールド樹脂13は、光応答性化合物が少なくとも表面に存在するように成形されている。そして、モールドIC10とコネクタケース20とは、モールド樹脂13の表面に存在する光応答性化合物と、コネクタケース20を構成する熱可塑性樹脂とが混合した状態であり、互いの分子同士の絡み合いによって、両者の接合が形成されている。このようにして、モールドIC10とコネクタケース20との間に圧力媒体が進入しないように、モールドIC10とコネクタケース20との界面がシールされている。
ここで、光応答性化合物は、紫外光照射により固相または液晶相から液相に相転移するとともに、可視光照射または加熱により液相から紫外光照射前の相(固相または液相)に相転移する化合物である。
このような光応答性化合物としては、アゾベンゼン基を有し、トランス体のときに固相または液晶相であり、シス体のときに液相である化合物が挙げられる。アゾベンゼンは、下記の反応式(1)に示されるように、紫外光照射によりトランス体からシス体に異性化し、可視光照射または加熱によりシス体からトランス体に異性化することが一般的に知られている。
Figure 0005637189

光応答性化合物の具体例としては、例えば、下記一般式(2)で示される特許文献2に記載の液晶化合物や、下記一般式(3)または(4)で示される特許文献3に記載の化合物が挙げられる。
Figure 0005637189

一般式(2)において、R、RおよびRは、それぞれ独立的に、水素、アルキル基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、アルコキシフェニル基、およびN−アルキルアミノカルボニル基からなる群から選択され、nは整数を表す。ただし、R、RおよびRの全てが水素の場合を除く。
一般式(2)で示される化合物は、トランス体のとき固相または液晶相であり、シス体のとき液相である。
Figure 0005637189
Figure 0005637189

一般式(3)、(4)において、Rは、下記の一般式(5)で表される基であり、nは、1〜4の整数を示す。
Figure 0005637189

一般式(5)において、mは0〜16の整数を示し、lは1〜16の整数を示す。
一般式(3)または(4)で示される化合物は、トランス体のとき固相であり、シス体のとき液相である。
なお、光応答性化合物としては、光異性化反応をする化合物であって、トランス体のときに固相または液晶相であり、シス体のときに液相である化合物であれば、アゾベンゼン基を有していないものを採用しても良い。
次に、本実施形態の圧力センサの製造方法を説明する。
まず、図2(a)に示すように、モールドIC10のモールド樹脂13を成形する第1成形体成形工程を行う。具体的には、リードフレーム12を成形用の金型の内部に設置した状態で、トランスファー法、圧縮法、射出法等により、加熱溶融された熱硬化性樹脂を金型の内部に注入して、モールド樹脂13を成形する。このとき、本実施形態では、光応答性化合物が混合された熱硬化性樹脂を用いる。
このように成形することにより、図3(a)に示すように、成形されたモールド樹脂13の表面13bに、熱硬化性樹脂131と光応答性化合物40とを存在させる。樹脂硬化後の光応答性化合物40は、トランス構造を形成しており、固相または液晶相である。なお、光応答性化合物40は、光応答性化合物分子と熱硬化性樹脂分子とが絡み合うため、すなわち、硬化剤と反応した熱硬化性樹脂の架橋構造に分子間力を介して保持されるため、モールド樹脂13の表面に固定される。また、その保持力は熱可塑性樹脂成形時に加わる力よりも高いため、光応答性化合物は界面で保持される。
モールド樹脂13を成形した後、図1に示すように、モールド樹脂13に設けられた開口部13aにセンサチップ11を取り付ける。
続いて、モールドIC10のリードフレーム12とターミナル23とを接続する接続工程を行う。
続いて、図2(b)に示すように、モールド樹脂13の表面13bに対して紫外光を照射する紫外光照射工程を行う。これにより、図3(b)に示すように、モールド樹脂13の表面近傍に存在する光応答性化合物40はシス構造を形成して液相となる。すなわち、モールド樹脂13の表面13bに熱硬化性樹脂131と液相の光応答性化合物40とが存在し、モールド樹脂13の表面13bが部分的に液化する。
本実施形態では、上述の第1成形体成形工程からこの紫外光照射工程までが、特許請求の範囲に記載の第1成形体用意工程に相当する。なお、リードフレーム12とターミナル23の接続工程の前に、図2(b)に示す紫外光照射工程を行っても良い。
続いて、図2(c)に示すように、紫外光照射されたモールド樹脂13の表面13bに接触させるように、熱可塑性樹脂でコネクタケース20を成形する第2成形体成形工程を行う。
具体的には、ターミナル23が接続されたモールドIC10を成形用の金型の内部に設置した状態で、射出法、押出法等により、加熱溶融させた熱可塑性樹脂を金型の内部に注入する。このとき、モールド樹脂13の表面13bに液状の熱可塑性樹脂が接触することで、図3(c)中の破線で囲まれた領域に示すように、液状の光応答性化合物40と同じく液状である熱可塑性樹脂201とが混合し、互いの分子同士が絡み合って結合する。その後、液状の熱可塑性樹脂を固化させることで、コネクタケース20を作製する。
続いて、図2(d)に示すように、コネクタケース20と接するモールド樹脂13の表面13bに対して可視光照射または加熱をする相転移工程を行う。これにより、図3(d)中の破線で囲まれた領域に示すように、光応答性化合物40はシス構造からトランス構造となり、液相から固相または液晶相に相転移する。この結果、モールドIC10のモールド樹脂13とコネクタケース20の界面の接合が形成される。
ここで、光応答性化合物40と熱可塑性樹脂201とが混合して分子同士の結合が形成されても、光応答性化合物40が液相のままでは、コネクタケース20とモールド樹脂13とが離れてしまう。これに対して、光応答性化合物40が固相に相転移することで、コネクタケース20がモールド樹脂13に固定される。また、光応答性化合物40が液晶相に相転移することで、液晶相は液相よりも粘度が高いので、コネクタケース20の相対的な移動が抑制され、コネクタケース20がモールド樹脂13から離れ難くなる。これらのようにして、上記した界面の接合が形成される。
また、この相転移工程で可視光照射を行う場合、コネクタケース20を構成する熱可塑性樹脂として可視光を透過する透明なものを用いたときでは、コネクタケース20の外面に可視光を照射する。これにより、モールド樹脂13の表面13b全域に可視光が照射されるため、モールドIC10のモールド樹脂13とコネクタケース20の界面全域に接合が形成される。一方、コネクタケース20を構成する熱可塑性樹脂として可視光を透過しないものを用いたときでは、モールド樹脂13とコネクタケース20の露出している界面に可視光を照射する。これにより、少なくとも露出している界面近傍において、モールド樹脂13とコネクタケース20の界面の接合が形成される。モールド樹脂13とコネクタケース20の露出している界面が、圧力媒体に晒されることから、この露出している界面をシールすることで、モールドIC10とコネクタケース20との間に圧力媒体の進入を防止できる。
続いて、図1に示すように、Oリング34を介して、コネクタケース20とハウジング30とを嵌め合わせ、ハウジング30の一部33をコネクタケース20にかしめることにより、コネクタケース20とハウジング30とを一体化する。以上により、図1に示す圧力センサ1が完成する。
以上の説明の通り、本実施形態では、第2成形体成形工程で、図3(c)に示すように、液相の光応答性化合物40と液状の熱可塑性樹脂201とを混合させた後、熱可塑性樹脂201を固化させている。その後、相転移工程で、図3(d)に示すように、光応答性化合物40を固相または液相よりも流動性が低い液晶相に相転移させることで、モールドIC10のモールド樹脂13とコネクタケース20とを接合している。圧力センサ1の使用環境では、モールド樹脂13とコネクタケース20との界面に紫外光が照射さることがないので、界面の接合状態が維持される。
このため、本実施形態によれば、熱硬化性樹脂からなるモールド樹脂13と熱可塑性樹脂からなるコネクタケース20との界面のシールを、コネクタケース20の成形後にシール材を塗布しなくても達成できる。
また、本実施形態は、発明が解決しようとする課題の欄で説明したポッティング材等のシール材を塗布する場合のシール材を塗布する工程の代わりに、図2(b)に示す紫外線照射工程と、図2(d)に示す相転移工程とを行うものである。
一般的な熱硬化性樹脂の成形では、熱硬化性樹脂に離型剤が添加されるため、熱硬化性樹脂の接着力が低下している。このため、熱硬化性樹脂からなる第1成形体と、熱可塑性樹脂からなる第2成形体とを接着するためには、第1成形体の表面に対して紫外光照射することにより、接着力を向上させる表面処理が行われる。本実施形態の紫外光照射工程は、この表面処理の紫外光照射の代わりに行うものであるので、本実施形態によれば、製造工程数の増大を抑制しつつ、上記した界面の接合が可能となる。
(第2実施形態)
第1実施形態の圧力センサの製造方法では、図2(a)、(b)に示すように、モールド樹脂13の成形後に、モールド樹脂13に対して紫外光を照射したが、本実施形態では、モールド樹脂13の成形時にモールド樹脂13に対して紫外光を照射する。
すなわち、図4に示すように、成形用の金型50に注入される樹脂の流路を形成するランナ51において、その内部を通過する樹脂に対して紫外光を照射できるように構成する。そして、光応答性化合物が混合された熱硬化性樹脂を用いて、モールド樹脂13を成形する際に、ランナ51を通過する熱硬化性樹脂131に対して紫外光を照射する。
このように、本実施形態では、金型50に注入される前の熱硬化性樹脂131、すなわち、金型50の内部に向かって流動する熱硬化性樹脂131に対して紫外光を照射する。これにより、光応答性化合物40は、ランナ51の通過前では、トランス構造を形成して固相または液晶相であったが、ランナ51の通過後では、シス構造を形成して液相となる。
この結果、成形後のモールド樹脂13の表面13bには、第1実施形態の紫外光照射工程後と同様に、図3(b)に示すように、熱硬化性樹脂131と液相の光応答性化合物40とが存在し、モールド樹脂13の表面13bが部分的に液化した状態となる。本実施形態では、このような第1成形体成形工程が、特許請求の範囲に記載の第1成形体用意工程に相当する。
その後、第1実施形態と同様に、第2成形体成形工程およびそれ以降の工程を行う。このように第1実施形態の一部を変更しても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
(第3実施形態)
本実施形態は、第1実施形態の圧力センサの製造方法に対して、図2(a)に示す第1成形体成形工程を変更したものである。
本実施形態では、次のようにして、モールドIC10のモールド樹脂13を成形する。まず、図5(a)に示すように、光応答性化合物層としての光応答性化合物製のフィルム60を用意し、このフィルム60を成形用の金型50の内面に貼り付けて固定する。フィルム60の固定は、真空引き等により行うことができる。このとき、モールド樹脂13のうちコネクタケース20と接合される表面13bにフィルム60が接着されように、フィルム60を金型50の上型および下型の内面に配置する。
続いて、図5(b)に示すように、フィルム60を金型50の内面に固定した状態で、金型50の内部に熱硬化性樹脂131を注入して、モールド樹脂13を成形する。これにより、表面13bにフィルム60が接着した状態のモールド樹脂13が作製される。なお、熱硬化性樹脂は、熱可塑性樹脂よりも高い接着力を有するので、この熱硬化性樹脂の接着力によって、フィルム60がモールド樹脂13の表面に接着する。
このように成形することにより、成形されたモールド樹脂13の表面13bに光応答性化合物40を存在させる。
その後、図6(a)に示すように、モールド樹脂13の表面13b、すなわち、フィルム60に対して紫外光を照射する紫外光照射工程を行う。この工程は、第1実施形態で説明した図2(b)に示す工程と同じである。これにより、図3(b)中の光応答性化合物40と同様に、モールド樹脂13の表面13bに存在する光応答性化合物は、シス構造を形成して液相となる。本実施形態では、上述の第1成形体成形工程からこの紫外光照射工程までが、特許請求の範囲に記載の第1成形体用意工程に相当する。
続いて、図6(b)に示すように、紫外光照射されたモールド樹脂13の表面13b、すなわち、フィルム60に接触させるように、熱可塑性樹脂でコネクタケース20を成形する第2成形体成形工程を行う。この工程は、第1実施形態の図2(c)に示す工程と同じである。これにより、図3(c)中の破線で囲まれた領域と同様に、液状の光応答性化合物と同じく液状である熱可塑性樹脂とが混合し、互いの分子同士が絡み合って結合する。
続いて、図6(c)に示すように、コネクタケース20と接するモールド樹脂13の表面13b、すなわち、フィルム60に対して可視光照射または加熱をする相転移工程を行う。この工程は、第1実施形態の図2(d)に示す工程と同じである。これにより、図3(d)中の破線で囲まれた領域と同様に、フィルム60の光応答性化合物がシス構造からトランス構造となり、液相から固相または液晶相に相転移する。この結果、モールドIC10のモールド樹脂13とコネクタケース20の界面の接合が形成される。
このように、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、モールド樹脂13とコネクタケース20との界面のシールを、コネクタケース20の成形後にシール材を塗布しなくても達成できる。
(第4実施形態)
本実施形態は、第3実施形態の第1成形体成形工程中に、フィルム60とモールド樹脂13との接着力を高めるために、フィルム60に対して紫外光を照射する工程を追加したものである。
図7(a)に示すように、光応答性化合物製のフィルム60を金型50の内面に固定する。この工程は、図5(a)に示す工程と同じである。
その後、図7(b)に示すように、金型50の内面に固定されたフィルム60の表面60aに対して紫外光を照射する。このフィルム60の表面60aは、金型50に接する面とは反対側の面であり、モールド樹脂13と接する側の面である。これにより、フィルム60の表面60a側の部分は、光応答性化合物がシス構造を形成して液相となる。
続いて、図7(c)に示すように、熱硬化性樹脂131を金型50の内部に注入してモールド樹脂13を成形する。このとき、フィルム60の表面60a側の液状の光応答性化合物と同じく液状である熱硬化性樹脂131とが混合することで、互いの分子同士が絡み合って結合し、さらに、熱硬化性樹脂131が硬化することで、フィルム60とモールド樹脂13とが接着される。このように接着することで、フィルム60とモールド樹脂13との接着力を高めることができる。
その後、第3実施形態と同様に、図6(a)〜(c)に示す工程を行う。
なお、第3、第4実施形態では、光応答性化合物製のフィルム60を成形用の金型50の内面に貼り付けて固定したが、他の方法により、光応答性化合物層を金型50の内面に固定しても良い。例えば、光応答性化合物と溶剤とを混合した溶液を、金型50の内面に流入させたり、塗布したり、噴霧したりした後、溶剤を除去することで、金型50の内面に光応答性化合物層を形成することができる。
(第5実施形態)
第1〜第4実施形態では、図2(d)に示す可視光照射または加熱をして光応答性化合物を相転移させる相転移工程を、第2成形体成形工程後に行ったが、第2成形体成形工程時に行っても良い。すなわち、第2成形体成形工程において、液状の熱可塑性樹脂を金型の内部に注入して、コネクタケース20の少なくとも表面を固化させた後、コネクタケース20を加熱して徐々に冷却することで歪みを除去するアニール処理を行う場合、上記した相転移工程をこのアニール処理での加熱によって行っても良い。
アニール処理時の加熱温度で、光応答性化合物が液相から相転移する場合、このようにアニール処理を行うだけで、光応答性化合物を液相から固相または液晶相に相転移させることが可能となる。
発明が解決しようとする課題の欄で説明したポッティング材等のシール材を塗布する場合においても、第2成形体の成形ではアニール処理が行われる。このため、本実施形態によれば、アニール処理での加熱によって相転移工程を行うことで、シール材を塗布する場合と比較して、製造工程数の増大を抑制しつつ、上記した界面の接合が可能となる。
(他の実施形態)
(1)上述の各実施形態では、センサチップ11をモールド樹脂13の開口部13aの内部に接着したが、センサチップ11をモールド樹脂13の外面に接着しても良い。また、センサチップの一端側に設けられたセンシング部を露出しつつ、センサチップの他端側の部分をモールド樹脂で被覆することにより、センサチップ11をモールド樹脂13に一体化させても良い。
(2)上述の各実施形態では、本発明を圧力センサに適用した例を説明したが、磁気センサ、湿度センサ、加速度センサ等の他のセンサや、センサ以外の他の電子装置に対しても、本発明の適用が可能である。本発明が適用される電子装置としては、電子部品の一部または全部が樹脂成形体に被覆された電子装置や、電子部品が樹脂成形体に被覆されずに樹脂成形体に固定された電子装置が挙げられる。特に、上述の各実施形態のように、電子部品が一体化されるとともに、コネクタ部を有する樹脂成形体を備える電子装置に対して、本発明を適用することが有効である。
1 圧力センサ
10 モールドIC
11 センサチップ(電子部品)
13 モールド樹脂(第1成形体)
20 コネクタケース(第2成形体)
40 光応答性化合物
60 光応答性化合物製のフィルム

Claims (8)

  1. 電子部品(11)が一体化されているとともに、熱硬化性樹脂で成形された第1成形体(13)と、
    前記第1成形体の少なくとも一部と接合され、熱可塑性樹脂で成形された第2成形体(20)とを備える電子装置の製造方法において、
    紫外光照射により固相または液晶相から液相に相転移し、可視光照射または加熱により液相から前記紫外光照射前の相に相転移する光応答性化合物(40)が、前記第1成形体の表面に存在するとともに、前記光応答性化合物が紫外光照射によって液相とされた前記第1成形体を用意する第1成形体用意工程と、
    成形型の内部に前記第1成形体を設置した状態で、液状の熱可塑性樹脂を前記成形型の内部に注入して前記第1成形体の表面に接触させるとともに、前記液状の熱可塑性樹脂を固化させることにより、前記第2成形体を成形する第2成形体成形工程と、
    前記液状の熱可塑性樹脂を前記成形型の内部に注入した後、前記第2成形体と接する前記第1成形体の表面に対して可視光照射または加熱をすることにより、前記光応答性化合物を液相から固相または液晶相に相転移させる相転移工程とを行うことを特徴とする電子装置の製造方法。
  2. 前記第1成形体用意工程は、
    前記光応答性化合物が混合された熱硬化性樹脂を用いて、前記第1成形体を成形する第1成形体成形工程と、
    成形された前記第1成形体の表面に対して紫外光照射する紫外光照射工程とを行うことを特徴とする請求項1に記載の電子装置の製造方法。
  3. 前記第1成形体用意工程は、前記光応答性化合物が混合された熱硬化性樹脂を成形型(50)の内部に注入して前記第1成形体を成形するとともに、前記成形型に注入される前の前記熱硬化性樹脂に対して紫外光照射するものであることを特徴とする特徴とする請求項1に記載の電子装置の製造方法。
  4. 前記第1成形体用意工程は、
    成形型(50)の内面に光応答性化合物層(60)を固定した状態で、前記成形型の内部に熱硬化性樹脂を注入することにより、前記光応答性化合物層が表面に接着した前記第1成形体を成形する第1成形体成形工程と、
    成形された前記第1成形体の表面に対して紫外光照射する紫外光照射工程とを行うことを特徴とする請求項1に記載の電子装置の製造方法。
  5. 前記第2成形体成形工程は、前記液状の熱可塑性樹脂を前記成形型の内部に注入して、前記第2成形体の少なくとも表面を固化させた後、前記第2成形体を加熱して徐々に冷却することで歪みを除去するアニール処理を行うものであり、
    前記相転移工程は、前記アニール処理での前記加熱によって行われることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の電子装置の製造方法。
  6. 前記光応答性化合物として、光異性化反応する化合物を用いることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の電子装置の製造方法。
  7. 前記光応答性化合物として、アゾベンゼン基を有する化合物を用いることを特徴とする請求項6に記載の電子装置の製造方法。
  8. 電子部品(11)が一体化されているとともに、熱硬化性樹脂で成形された第1成形体(13)と、
    前記第1成形体の少なくとも一部と接合され、熱可塑性樹脂で成形された第2成形体(20)とを備え、
    前記第1成形体は、紫外光照射により固相または液晶相から液相に相転移し、可視光照射または加熱により液相から前記紫外光照射前の相に相転移する光応答性化合物(40)が、前記第1成形体の表面に存在するように成形されたものであり、
    前記第1成形体と前記第2成形体とは、前記第1成形体の表面に存在する前記光応答性化合物と前記熱可塑性樹脂とが混合しており、互いの分子同士の絡み合いによって接合されていることを特徴とする電子装置。
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