JP5637107B2 - 液圧式バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを、作動液の圧力により調整する液圧式バルブタイミング調整装置に関する。
従来、クランク軸と連動して回転するハウジング、並びにカム軸と連動して回転するベーンロータを備えた液圧式バルブタイミング調整装置が、知られている。こうした装置の一種として特許文献1には、ベーンロータによりハウジング内に区画した作動室に対する作動液の入出により、ハウジングに対するベーンロータの回転位相(以下、単に「回転位相」ともいう)を調整するものが、開示されている。
さて、特許文献1の開示装置では、スリーブの収容孔内に同軸上に収容されるスプールの移動状態に応じて、作動室に対する作動液の入出を制御するように、制御弁が設けられている。ここで制御弁は、互いに軸方向に連結されるベーンロータとカム軸とに内蔵されている。そのため、回転位相の調整時に作動室からスリーブの排出ポートへ排出される作動液は、スプールを軸方向に貫通するドレン孔から、スリーブのうちカム軸とは反対側にて開放される軸方向端部へと導かれることで、外部に排出されるようになっている。
特開2010−163942号公報
さて、特許文献1の開示装置においてスリーブの収容孔は、カム軸とは反対側の軸方向端部が開放されて作動液を外部へ排出するドレンポートを形成する一方、カム軸側の軸方向端部が閉塞される有底形状を、呈している。そのため、軸方向に貫通するスプールのドレン孔から、収容孔のうちカム軸側の軸方向端部へ向かう作動液の流れが生じると、当該端部を閉塞するスリーブ底部とスプールとの間では、作動液の圧力が上昇してしまう。この上昇した圧力を受けるスプールは、カム軸とは軸方向反対側へと押圧されることになるので、移動位置のずれが生じて作動室に対する作動液入出の制御精度を悪化させる懸念があった。
ここで特許文献1(例えば同文献の図5)の開示装置の場合、スプール外周面が摺接する収容孔内周面に開口した排出ポートの周方向位置と、ドレン孔内周面に開口した排出孔の周方向位置とは、互いに一致している。これにより回転位相の調整時には、排出孔のうちカム軸とは反対側の軸方向端部が排出ポートと径方向に対向する。その結果、排出ポートから排出孔を通じてドレン孔に流入する際の作動液は、径方向に対してカム軸側へ傾斜する方向の流れになる。故に、ドレン孔への流入作動液が収容孔のうちカム軸側の軸方向端部へ向かって流れて、制御精度の悪化の要因となる圧力上昇をスリーブ底部及びスプールの間で惹起するおそれがあった。
本発明は、以上説明した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、作動室に対する作動液入出の制御精度を確保する液圧式バルブタイミング調整装置を、提供することにある。
請求項1に記載の発明は、内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを、作動液の圧力により調整する液圧式バルブタイミング調整装置において、クランク軸と連動して回転するハウジングと、軸方向に連結されるカム軸と連動して回転し、ハウジング内に区画した作動室に対する作動液の入出により、ハウジングに対する回転位相が調整されるベーンロータと、ベーンロータ及びカム軸のうち少なくとも一方である連動回転要素に内蔵され、スリーブの収容孔内に同軸上に収容されるスプールの軸方向移動に応じて、作動室に対する作動液の入出を制御する制御弁とを、備え、スリーブは、カム軸とは反対側の軸方向端部が開放されて作動液を外部へ排出するドレンポートを形成する一方、カム軸側の軸方向端部が閉塞される有底形状の収容孔と、収容孔においてスプールが摺接する内周面に開口し、作動室から作動液が排出される排出ポートとを、有し、スプールは、スプールを軸方向に貫通し、回転位相の調整時にドレンポートと連通するドレン孔と、スプールにおいて収容孔の内周面と摺接する外周面に開口し、回転位相の調整時にカム軸とは反対側の軸方向端部が排出ポートと径方向に対向する対向端部となる有底形状の排出凹部であって、回転位相の調整時にスリーブ及びスプールの間の径方向隙間を通じて、収容孔のうちカム軸側の軸方向端部と連通する排出凹部とを、有する。
この発明においてスリーブの収容孔は、カム軸とは反対側の軸方向端部が開放されて作動液を外部へ排出するドレンポートを形成する一方、カム軸側の軸方向端部が閉塞される有底形状を、呈している。そのため、スプールを軸方向に貫通するドレン孔から、収容孔のうちカム軸側の軸方向端部へ向かう作動液の流れが生じると、当該端部を閉塞するスリーブ底部とスプールとの間にて作動液の圧力が上昇し、作動室に対する作動液入出の制御精度を悪化させる事態が懸念される。
ここで、請求項1に記載の発明の回転位相調整時には、スプール外周面が摺接する収容孔内周面に開口した排出ポートに対して、スプール外周面に有底形状をもって開口した排出凹部では、カム軸とは反対側の軸方向端部である対向端部が径方向に対向する。その結果、排出ポートから排出凹部の対向端部へ流入する際の作動液は、径方向に対してカム軸側へ傾斜する方向の流れとなる。しかし、このときに排出凹部への流入作動液は、スリーブ及びスプール間の径方向隙間を通じて当該排出凹部が連通する先、即ち収容孔のカム軸側の軸方向端部へと向かう流れとなる。これにより、収容孔まで到達した作動液は、当該到達先であるカム軸側の軸方向端部からドレン孔へと流入することにより、カム軸とは軸方向反対側のドレンポートに到達して外部に排出される。故にドレン孔への流入作動液は、ドレンポートへ向かう流れとなることで、カム軸側に向かっては流動し難くなるので、制御精度の悪化の要因となる圧力上昇がスリーブ底部とスプールとの間にて惹起される事態を、回避できる。したがって、請求項1に記載の発明によれば、制御精度の確保が可能となるである。
請求項2に記載の発明によると、スリーブは、収容孔の内周面に開口してスプールの外周面との間に径方向隙間を形成する連通凹部を、有する。これによれば、回転位相調整時に作動液は、スプール外周面に開口の排出凹部へと排出ポートから流入後、当該スプール外周面の摺接する収容孔内周面に開口の連通凹部へと向かって、流動する。その結果、作動液は、流動先の連通凹部とスプール外周面との間の径方向隙間、さらには収容孔のカム軸側の軸方向端部を通じてドレン孔に流入することとなるので、当該ドレン孔への流入作動液がカム軸側へ向かう流れとなるのを抑制できる。したがって、スリーブ底部及びスプールの間における圧力上昇の回避効果を高めて、制御精度を確保することが可能となる。
請求項3に記載の発明によると、排出凹部は、スプールにおいてカム軸側の軸方向端面及び外周面に開口し、収容孔の内周面との間に径方向隙間を形成する。これによれば、回転位相調整時に作動液は、スプールにおいてカム軸側の軸方向端面及び外周面に開口した排出凹部へ排出ポートから流入後、当該排出凹部と収容孔内周面との間の径方向隙間内をカム軸側へ向かって流動する。その結果、作動液は、流動先となるカム軸側にて収容孔の軸方向端部からドレン孔へと流入することになるので、当該ドレン孔への流入作動液がカム軸側へ向かう流れとなるのを抑制できる。したがって、スリーブ底部及びスプールの間における圧力上昇の回避効果を高めて、制御精度を確保することが可能となる。
請求項4に記載の発明によると、スリーブは、収容孔のうちカム軸側の軸方向端部内へ同軸上に突出し、カム軸とは軸方向反対側へ向かって縮径するテーパ部を、有する。これによれば、回転位相調整時に排出ポートから排出凹部を経て収容孔のカム軸側の軸方向端部に到達した作動液は、当該端部内へ同軸上に突出したテーパ部と衝突する。かかる衝突により作動液は、カム軸とは軸方向反対側へ向かって縮径するテーパ部の外周面に沿って流れ方向を曲げられながら、ドレン孔に流入してドレンポートへ向かう流れを生じさせ得る。その結果として、ドレン孔への流入作動液がカム軸側へ向かう流れとなるのを確実に抑制できるので、スリーブ底部及びスプールの間における圧力上昇の回避効果を確固たるものとして、制御精度を確保することが可能となる。
請求項5に記載の発明によると、スプールは、回転位相の調整時に対向端部からカム軸側に離れる軸方向位置においてドレン孔の内周面及び排出凹部の底面に開口する排出孔を、有する。これによれば、回転位相調整時に排出ポートから対向端部へ流入した作動液の一部は、当該対向端部からカム軸側に離れた軸方向位置の排出孔へ流入する前に、排出凹部底面と確実に衝突し得る。故に、排出ポートから対向端部への流入作動液が流れ方向を変えずに排出孔へ流入し、それによってカム軸側へ向かう作動液流れがドレン孔内に生じる事態を、抑制できる。しかも、排出ポートから対向端部へ流入した作動液の残りは、スリーブ及びスプール間の径方向隙間、さらには収容孔のカム軸側の軸方向端部を通じてドレン孔に流入することで、当該ドレン孔への流入作動液がカム軸側へ向かう流れとなるのも抑制できる。以上の抑制作用の結果、スリーブ底部及びスプールの間における圧力上昇の回避効果を高めて、制御精度を確保することが可能となるのである。
請求項6に記載の発明によると、排出ポートは、スリーブの内周面において周方向全域に開口する。これによれば、スリーブに対してスプールが相対回転したとしても、回転位相調整時には、スプール内周面の周方向全域に開口した排出ポートは、いずれかの周方向位置にて排出凹部の対向端部と対向することになる。その結果、排出ポートからの作動液は、排出凹部へ確実に流入した後、スリーブ及びスプール間の径方向隙間を通じて収容孔のカム軸側の軸方向端部に到達し得る。故に、ドレン孔への流入作動液がカム軸側へ向かう流れとなるのを抑制できるので、スリーブ底部及びスプールの間における圧力上昇の回避効果を高めて、制御精度を確保することが可能となる。
請求項7に記載の発明によると、排出凹部は、スプールの外周面において周方向全域に開口する。これによれば、スリーブに対してスプールが相対回転したとしても、回転位相調整時には、スプール外周面の周方向全域に開口する排出凹部の対向端部は、いずれかの周方向位置にて排出ポートと対向することになる。その結果、排出ポートからの作動液は、排出凹部へ確実に流入した後、スリーブ及びスプール間の径方向隙間を通じて収容孔のカム軸側の軸方向端部まで到達し得る。故に、ドレン孔への流入作動液がカム軸側へ向かう流れとなるのを抑制できるので、スリーブ底部及びスプールの間における圧力上昇の回避効果を高めて、制御精度を確保することが可能となる。
本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す図であって、図2のI−I線断面図である。 図1のII−II線断面図である。 図1の要部を拡大して示す断面図である。 図3とは異なる作動状態を示す断面図である。 図3のV−V線断面図である。 本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置の特徴を説明するための図であって、図3を拡大して示す断面図である。 図3のVII−VII線断面図である。 本発明の第二実施形態によるバルブタイミング調整装置の要部を示す図であって、図3に相当する断面図である。 本発明の第二実施形態によるバルブタイミング調整装置の特徴を説明するための図であって、図8を拡大して示す断面図である。 本発明の第三実施形態によるバルブタイミング調整装置の要部を示す図であって、図3に相当する断面図である。 本発明の第三実施形態によるバルブタイミング調整装置の特徴を説明するための図であって、図10を拡大して示す断面図である。 本発明の第四実施形態によるバルブタイミング調整装置の要部を示す図であって、図3に相当する断面図である。 本発明の第四実施形態によるバルブタイミング調整装置の要部を示す図であって、図7に相当する断面図である。 本発明の第四実施形態によるバルブタイミング調整装置の特徴を説明するための図であって、図12を拡大して示す断面図である。 本発明の第五実施形態によるバルブタイミング調整装置の要部を示す図であって、図3に相当する断面図である。 本発明の第五実施形態によるバルブタイミング調整装置の要部を示す図であって、図5に相当する断面図である。 本発明の第五実施形態によるバルブタイミング調整装置の特徴を説明するための図であって、図15を拡大して示す断面図である。 本発明の第五実施形態によるバルブタイミング調整装置の要部を示す図であって、図7に相当する断面図である。 本発明の第六実施形態によるバルブタイミング調整装置の要部を示す図であって、図7に相当する断面図である。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態による液圧式バルブタイミング調整装置1を車両の内燃機関に適用した例につき、示している。装置1は、「作動液」としての作動油の圧力により、「動弁」としての吸気弁のバルブタイミングを調整する。
(基本構成)
まず、装置1の基本構成につき、説明する。装置1は、内燃機関においてクランク軸(図示しない)から出力される機関トルクをカム軸2へ伝達する伝達経路に設置の回転機構系10と、当該回転機構系10を駆動するための作動油の入出を制御する制御系40とを、組み合わせてなる。
(回転機構系)
まず、回転機構系10の基本構成を説明する。図1,2に示す回転機構系10において、ハウジング11は、有底円筒状を呈するシューケーシング12の軸方向一端部にスプロケットプレート13を締結してなる。シューケーシング12の周壁は、円筒状のハウジング本体120と、仕切部である複数のシュー121,122,123,124とを有している。各シュー121,122,123,124は、ハウジング本体120において回転方向に所定間隔ずつあけた箇所から径方向内側へ突出している。回転方向において隣り合うシュー121,122,123,124の間には、それぞれ収容室20が形成されている。
スプロケットプレート13は、タイミングチェーン(図示しない)を介してクランク軸と連繋する。かかる連繋形態により内燃機関の回転中は、クランク軸からスプロケットプレート13へと機関トルクが伝達されることにより、ハウジング11がクランク軸と連動して一定方向(図2の時計方向)に回転する。
ベーンロータ14は、ハウジング11内に同軸上に収容されており、軸方向両端部にてハウジング本体120の底壁とスプロケットプレート13とに摺接する。ベーンロータ14は、円筒状の回転軸140と、複数のベーン141,142,143,144とを有している。回転軸140は、カム軸2に対して同軸上に連結されている。かかる連結形態によりベーンロータ14は、カム軸2と連動してハウジング11と同一方向(図2の時計方向)に回転可能且つハウジング11に対して相対回転可能となっている。ここで本実施形態の回転軸140は、スプロケットプレート13を貫通してカム軸2に隣接するボス140bと、ハウジング本体120の底壁を貫通して外部に開口するブッシュ140cとを、軸本体140aの軸方向両端部に締結してなる。
各ベーン141,142,143,144は、回転軸140の軸本体140aにおいて回転方向に所定間隔ずつあけた箇所から径方向外側へ突出し、それぞれ対応する収容室20に収容されている。図2に示すように各ベーン141,142,143,144は、それぞれ対応する収容室20を回転方向に分割することにより、作動油が入出する進角作動室21,22,23,24及び遅角作動室25,26,27,28を、ハウジング11内に区画している。具体的には、シュー121及びベーン141の間には進角作動室21が形成され、シュー122及びベーン142の間には進角作動室22が形成され、シュー123及びベーン143の間には進角作動室23が形成され、シュー124及びベーン144の間には進角作動室24が形成されている。一方、シュー122及びベーン141の間には遅角作動室25が形成され、シュー123及びベーン142の間には遅角作動室26が形成され、シュー124及びベーン143の間には遅角作動室27が形成され、シュー121及びベーン144の間には遅角作動室28が形成されている。
以上の構成により回転機構系10では、進角作動室21,22,23,24及び遅角作動室25,26,27,28に対する作動油の入出により、ハウジング11に対するベーンロータ14の回転位相が調整される。具体的には、進角作動室21,22,23,24への作動油の導入及び遅角作動室25,26,27,28からの作動油の排出により、ベーンロータ14がハウジング11に対して相対回転する進角方向へ、回転位相が変化する。その結果、バルブタイミングは進角することになる。一方、遅角作動室25,26,27,28への作動油の導入及び進角作動室21,22,23,24からの作動油の排出により、ベーンロータ14がハウジング11に対して相対回転する遅角方向へ、回転位相が変化する。その結果、バルブタイミングは遅角することになる。
(制御系)
次に、制御系40の基本構成を説明する。図1,2に示す制御系40において、進角通路41は、回転軸140のうち軸本体140aを貫通して、進角作動室21,22,23,24と連通している。遅角通路45は、回転軸140のうち軸本体140aを貫通して、遅角作動室25,26,27,28と連通している。
回転軸140のうち軸本体140a及びボス140bを貫通する供給通路50は、図1の如く制御弁60(後に詳述)及びカム軸2の搬送通路3と連通することにより、供給源としてのポンプ4とも当該通路3を介して連通している。かかる連通形態により供給通路50には、ポンプ4によりドレンパン5から吸入されて搬送通路3へと吐出された作動油が、供給されるようになっている。ドレン通路54は、回転機構系10及びカム軸2の外部に設けられている。ここで、かかる外部のドレン回収要素としてドレンパン5と共に大気に開放されるドレン通路54には、作動油の排出が可能となっている。
制御弁60は、リニアソレノイド80への通電により発生する駆動力と、コイルスプリング82の弾性変形により当該駆動力とは反対方向に発生する復原力とが釣り合う軸方向位置へ、スプール70をスリーブ66内にて往復駆動するスプール弁である。制御弁60は、複数のポート661,662,663,664を、スリーブ66に有している。ここで、進角ポート661は進角通路41と連通し、遅角ポート662は遅角通路45と連通し、供給ポート663は供給通路50と連通し、ドレンポート664はドレン通路54と連通している。制御弁60は、これらポート661,662,663,664間の接続状態を、スプール70の移動位置に応じて切り替える。
制御回路86は、例えばマイクロコンピュータ等を主体に構成される電子回路であり、リニアソレノイド80と内燃機関の各種電装品(図示しない)とに電気接続されている。制御回路86は、リニアソレノイド80への通電を含む内燃機関の回転を、内部メモリに記憶のコンピュータプログラムに従って制御する。
以上の構成により制御系40では、制御回路86からリニアソレノイド80への通電状態に応じて、ポート661,662,663,664間の接続状態が切り替えられる。かかる切り替えにより、各作動室21,22,23,24,25,26,27,28に対する作動油の入出が制御されるのである。
(制御弁)
次に、装置1における制御弁60の詳細構造につき、説明する。尚、以下の説明では、スリーブ66及びスプール70に共通の軸方向、径方向及び周方向を、それぞれ単に「軸方向」、「径方向」及び「周方向」という。
図1,3に示す制御弁60において金属製のスリーブ66は、互いに連動回転する連動回転要素2,14に同軸上に内蔵されることにより、水平面上の車両内では水平方向(図1,3の左右方向)の延伸状態となる。スリーブ66の軸方向一端部66a側には、雄螺子状の固定部665が設けられ、同スリーブ66の軸方向他端部66b側には、円環鍔状のフランジ部666が設けられている。固定部665が同軸上に螺着されるカム軸2と、フランジ部666との間には、回転軸140の全体が軸方向に挟持されている。かかる挟持形態により、ベーンロータ14とカム軸2とが軸方向に連結されている。
図3に示すようにスリーブ66は、カム軸2側の軸方向端部667aが閉塞され且つカム軸2とは反対側の軸方向端部667bが開放される中心孔667を、有底円筒孔状の収容孔667として形成している。ここで本実施形態の収容孔667は、固定部665において搬送通路3を形成する通路孔665aと同軸上に設けられ、スリーブ66のうち当該通路孔665aをシールするシール部材665bを含んだ底部669(以下、「スリーブ底部669」という)により、軸方向端部667aが閉塞された形となっている。
さらにスリーブ66は、カム軸2側からその反対側へ向かって順に、遅角ポート662、供給ポート663、進角ポート661及びドレンポート664を形成している。ここで遅角ポート662は、図3,5に示すように、収容孔667の内周面668の周方向全域に開口する有底円環溝状のポート溝662aと、当該溝662aの周方向の4個所から径方向外側へ向かってスリーブ66を貫通する円筒孔状のポート孔662bとを、有している。また、供給ポート663及び進角ポート661も、詳細な説明は省略するが、遅角ポート662と同様な構造を有している。これらに対し、図3に示すようにドレンポート664は、スリーブ66においてカム軸2とは軸方向反対側へ向かって開口する収容孔667の軸方向端部667bにより、円筒孔状に形成されている。
またさらにスリーブ66は、図3,7に示すように収容孔667の内周面668の周方向全域に開口する連通凹部660を、有底円環溝状に形成している。連通凹部660は、遅角ポート662のポート溝662aからカム軸2側へ設定距離だけ離れた軸方向位置と、スリーブ底部669との間を連続して延伸している。かかる延伸形態により連通凹部660は、収容孔667の軸方向端部667aを周方向全域にて取り囲んだ形となっている。
制御弁60において金属製のスプール70は、スリーブ66の収容孔667内に同軸上に収容されることにより、水平面上の車両内では水平方向(図3の左右方向)の延伸状態となる。円筒状のスプール70において外周面700は、軸方向の複数個所にて収容孔667の内周面668と摺接する。図3に示すように、スプール70においてカム軸2側の軸方向端部70aは、収容孔667の軸方向端部667aを閉塞するスリーブ底部669と軸方向に対向して、当該底部669との間にコイルスプリング82を挟持している。また、スプール70においてカム軸2とは反対側の軸方向端部70bは、ドレンポート664内においてリニアソレノイド80の駆動軸81(図1も参照)と軸方向に当接している。これら挟持及び当接形態下、制御回路86からリニアソレノイド80への通電制御に従って駆動軸81の駆動力が発生することで、当該駆動力がコイルスプリング82の復原力と釣り合う位置まで、スプール70が図3,4の如く軸方向移動する。ここで図4に示す移動位置は、回転位相を遅角方向に変化させてバルブタイミングを遅角させる遅角調整位置であり、また図3に示す移動位置は、回転位相を進角方向に変化させてバルブタイミングを進角させる進角調整位置である。
スプール70は、軸方向両端部701a,701bが開放される中心孔701を、有底円筒孔状のドレン孔701として形成している。本実施形態のドレン孔701において、カム軸2側の軸方向端部701aは他の部分よりも大径に形成されて、スリーブ底部669と軸方向に対向している。また、ドレン孔701においてカム軸2とは反対側の軸方向端部701bは、スプール70において駆動軸81と当接する当接部702を除いた開口部分を通じて、ドレンポート664と軸方向に連通している。
さらにスプール70は、図3,5,7に示すように、外周面700に開口する有底円筒孔状の排出凹部703を、周方向の三箇所に等間隔に形成している。図3,6に示すように各排出凹部703は、スプール70のカム軸2側の軸方向端面70c(即ち、軸方向端部70aのうちの端面70c)に対し、カム軸2とは反対側へ設定距離だけ離れて設けられている。図5,6に示す進角調整位置の各排出凹部703において、カム軸2とは反対側の軸方向端部703aは、遅角ポート662のポート溝662aのうちカム軸2側の軸方向端部662cと径方向に対向する。それと共に、図6,7に示すように進角調整位置の各排出凹部703は、遅角ポート662に対する対向端部703aからカム軸2側へ設定距離だけ離れた軸方向位置と、カム軸2側の軸方向端部703bとの間において、連通凹部660と径方向に対向する。かかる対向形態により進角調整位置では、スプール70の外周面700と連通凹部660の底面660aとの間に形成される径方向隙間72を通じて、各排出凹部703が収容孔667の軸方向端部667aと連通することになる。
以上の構成下、回転位相を遅角方向へ調整してバルブタイミングを遅角させる図4の遅角調整位置では、遅角通路45を介して遅角作動室25,26,27,28と連通する遅角ポート662は、供給ポート663とも連通する。このとき供給ポート663は、供給通路50を介して搬送通路3と連通しているので、ポンプ4から供給ポート663へ供給された作動油は、遅角ポート662を通じて遅角作動室25,26,27,28に導入される。それと共に遅角調整位置では、進角通路41を介して進角作動室21,22,23,24と連通する進角ポート661は、ドレンポート664と連通する。このときドレンポート664は、その外部要素54,5と連通しているので、進角作動室21,22,23,24から進角ポート661へ排出された作動油は、ドレンポート664及び外部要素54,5に順次排出される。
一方、回転位相を進角方向へ調整してバルブタイミングを進角させる図3,6の進角調整位置では、進角通路41を介して進角作動室21,22,23,24と連通する進角ポート661は、供給ポート663とも連通する。このとき供給ポート663は、供給通路50を介して搬送通路3と連通しているので、ポンプ4から供給ポート663へ供給された作動油は、進角ポート661を通じて進角作動室21,22,23,24に導入される。それと共に進角調整位置では、遅角通路45を介して遅角作動室25,26,27,28と連通する遅角ポート662は、排出凹部703と径方向隙間72と収容孔667とを介してドレン孔701に連通する。このときドレン孔701は、ドレンポート664を介してその外部要素54,5と連通しているので、「排出ポート」としての遅角ポート662へ遅角作動室25,26,27,28から排出された作動油は、ドレンポート664及び外部要素54,5に順次排出される。
こうした進角調整位置のスプール70を軸方向に貫通するドレン孔701から、収容孔667のうちカム軸2側の軸方向端部667aへ向かう作動油流れが生じると、当該端部667aを閉塞するスリーブ底部669とスプール70との間では、作動油の圧力が上昇する。この場合、上昇した圧力を受けるスプール70がカム軸2とは軸方向反対側へ押圧されることになるので、当該スプール70の移動位置にずれが生じて、各作動室21,22,23,24,25,26,27,28に対する作動油入出の制御精度を悪化させる懸念がある。
ここで、第一実施形態の進角調整位置では、スプール70の外周面700に開口した各排出凹部703においてカム軸2とは軸方向反対側の対向端部703aは、収容孔667の内周面668に開口した遅角ポート662のポート溝662aと径方向に対向する。その結果、遅角ポート662から排出凹部703の対向端部703aへ流入する際の作動油の流れ方向は、図6の一点鎖線矢印の如く、径方向に対して所定角度θ(例えば69度)をもってカム軸2側に傾斜する。しかし、このときに作動油は、スプール70の外周面700に開口した各排出凹部703へ遅角ポート662から流入後、収容孔667の内周面668に開口した連通凹部660へ向かって流動する。その結果、作動油は、連通凹部660とスプール70との間の径方向隙間72を通じて各排出凹部703が連通する先、即ち収容孔667のうちカム軸2側の軸方向端部667aへと向かう流れとなる。これにより、収容孔667まで到達した作動油は、当該到達先であるカム軸2側の軸方向端部667aからドレン孔701へと流入することにより、カム軸2とは軸方向反対側のドレンポート664に到達して外部に排出される。故にドレン孔701への流入作動油は、ドレンポート664へ向かう流れとなって、カム軸2側に向かっては流動し難くなるのである。
さらに、第一実施形態において遅角ポート662のポート溝662a及び連通凹部660はいずれも、スプール70の外周面700の周方向全域に開口している。これにより、スリーブ66に対してスプール70が周方向に相対回転したとしても、進角調整位置にて周方向全域に開口したポート溝662a及び連通凹部660は、いずれかの周方向位置にて各排出凹部703の対向端部703aと対向することになる。その結果、遅角ポート662からの作動油は、各排出凹部703へ確実に流入した後、連通凹部660内の径方向隙間72を通じて収容孔667の軸方向端部667aに到達し得る。故に、収容孔667の軸方向端部667aからドレン孔701への流入作動油がカム軸2側へ向かう流れとなるのを、抑制できるのである。
したがって、以上の如き第一実施形態によれば、ドレン孔701への流入作動油が収容孔667のうちカム軸2側の軸方向端部667aに向かっては流れ難くなるので、制御精度の悪化の要因となる圧力上昇が要素669,70の間にて惹起される事態を、回避できる。したがって、制御精度の確保が可能となるである。
(第二実施形態)
図8に示すように、本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形例である。第二実施形態のスリーブ2066には、連通凹部660が設けられていない。その代わりに、第二実施形態のスプール2070において周方向に等間隔に設けられた三つの排出凹部2703は、いずれもカム軸2側の軸方向端面70cと外周面700とに開口している。かかる開口形態により、図9の如く進角調整位置では、収容孔667の内周面668と各排出凹部2703の底面2704との間に形成される径方向隙間2072を通じて、それら排出凹部2703が収容孔667のカム軸2側の軸方向端部667aと連通することになる。
故に、進角調整位置での作動油は、図9の一点鎖線矢印の如く、スプール2070の外周面700に開口した各排出凹部2703へ遅角ポート662から流入後、それら排出凹部2703と収容孔667との間の径方向隙間2072内をカム軸2側へ向かって流動する。その結果、作動油は、流動先となるカム軸2側にて収容孔667の軸方向端部667aからドレン孔701へと流入することになるので、当該ドレン孔701への流入作動油がカム軸2側へ向かう流れとなるのを抑制できる。したがって、スリーブ底部669及びスプール2070の間における圧力上昇の回避効果を高めて、制御精度を確保することが可能となるのである。
(第三実施形態)
図10に示すように、本発明の第三実施形態は第一実施形態の変形例である。第三実施形態のスリーブ3066では、固定部665の通路孔665aをシールするシール部材3665bが、収容孔667のうちカム軸2側の軸方向端部667a内へスリーブ底部669から同軸上に突出している。また、本実施形態においてスリーブ3066のシール部材3665bは、進角調整位置にてスプール70のドレン孔701内へ同軸上に突入することになる。ここで、シール部材3665bの先端部3665cは、カム軸2とは軸方向反対側へ向かって漸次縮径する円錐状のテーパ部3665cを、形成している。
故に進角調整位置では、遅角ポート662から各排出凹部703を経て収容孔667のカム軸2側の軸方向端部667aに到達した作動油は、図11の一点鎖線矢印の如く、当該端部667a内へ同軸上に突出したテーパ部3665cと衝突する。かかる衝突により作動油は、カム軸2とは軸方向反対側へ向かって縮径するテーパ部3665cの外周面3665dに沿って流れ方向を曲げられながら、ドレン孔701に流入してドレンポート664へ向かう流れを生じさせ得る。その結果として、ドレン孔701への流入作動油がカム軸2側へ向かう流れとなるのを確実に抑制できるので、スリーブ底部669及びスプール70の間における圧力上昇の回避効果を確固たるものとして、制御精度を確保することが可能となるのである。
(第四実施形態)
図12,13に示すように、本発明の第四実施形態は第一実施形態の変形例である。第四実施形態のスプール4070は、各排出凹部703に対応する周方向位置にそれぞれ個別に、排出孔4706を有している。各排出孔4706は、スプール4070を径方向に貫通する円筒孔状に形成され、対応排出凹部703の底面4704とドレン孔701の内周面4705とに開口している。各排出孔4706は、図14の進角調整位置では対応排出凹部703の対向端部703aから、軸方向のカム軸2側へ設定距離だけ離れる軸方向位置となるように、設けられている。
故に進角調整位置では、図14の一点鎖線矢印の如く遅角ポート662から各排出凹部703の対向端部703aへ流入した作動油の一部は、それらの端部703aからカム軸2側に離れた軸方向位置の排出孔4706への流入前に、底面4704と確実に衝突し得る。その結果として、遅角ポート662から対向端部703aへの流入作動油が流れ方向を変えずに排出孔4706へ流入し、それによってカム軸2側へ向かう作動油流れがドレン孔701内に生じる事態を、抑制できるのである。
しかも進角調整位置では、図14の一点鎖線矢印の如く遅角ポート662から各排出凹部703の対向端部703aへ流入した作動油の残りは、径方向隙間72と収容孔667の軸方向端部667aとを通じてドレン孔701に流入する。故に、ドレン孔701への流入作動油がカム軸2側へ向かう流れとなるのも、抑制できる。
以上の抑制作用によれば、スリーブ底部669及びスプール4070の間における圧力上昇の回避効果を高めて、制御精度を確保することが可能となるのである。
(第五実施形態)
図15,16に示すように、本発明の第五実施形態は第一実施形態の変形例である。第五実施形態のスリーブ5066では、ポート溝662aが形成されないことにより、ポート孔662bからなる遅角ポート5662が周方向の4個所に等間隔に設けられている。
また、第五実施形態のスプール5070では、外周面700の周方向全域に開口する排出凹部5703が有底円環溝状に形成されている。図15に示すように排出凹部5703は、スプール5070のカム軸2側の軸方向端面70cに対して、カム軸2とは反対側へ設定距離だけ離れて設けられている。図16,17に示す進角調整位置の排出凹部5703において、カム軸2とは反対側の軸方向端部5703aは、各遅角ポート5662をなすポート孔662bのうちカム軸2側の軸方向端部5662cと径方向に対向する。それと共に、図17,18に示すように進角調整位置の排出凹部5703は、各遅角ポート5662に対する対向端部5703aからカム軸2側へ設定距離だけ離れた軸方向位置と、カム軸2側の軸方向端部5703bとの間において、連通凹部660と径方向に対向する。かかる対向形態により進角調整位置では、スプール5070の外周面700と連通凹部660の底面660aとの間に形成される径方向隙間5072を通じて、排出凹部5703が収容孔667の軸方向端部667aと連通することになる。
このような第五実施形態の進角調整位置では、スリーブ5066に対してスプール5070が相対回転したとしても、スプール5070の周方向全域に開口する排出凹部5703の対向端部5703aは、いずれかの周方向位置にて各遅角ポート5662と対向する。その結果、各遅角ポート5662からの作動油は、排出凹部5703へ確実に流入した後、径方向隙間5072を通じて収容孔667の軸方向端部667aまで到達し得る。故に、ドレン孔701への流入作動油がカム軸2側へ向かう流れとなるのを抑制できるので、スリーブ底部669及びスプール5070の間における圧力上昇の回避効果を高めて、制御精度を確保することが可能となるのである。
(第六実施形態)
図19に示すように、本発明の第六実施形態は第五実施形態の変形例である。第六実施形態のスリーブ6066では、収容孔667の内周面668において周方向の一部に開口する連通凹部6660を、軸方向に延伸する有底直線溝状に形成している。ここで特に、本実施形態の連通凹部6660は、周方向の三箇所に等間隔に設けられている。
このような第六実施形態の進角調整位置では、スリーブ6066に対してスプール5070が相対回転したとしても、スプール5070の周方向全域に開口する排出凹部5703は、いずれかの周方向位置にて各連通凹部6660と対向する。その結果、スプール5070の外周面700と各連通凹部6660の底面6660aとの間に形成される径方向隙間6072を通じて、排出凹部5703が収容孔667の軸方向端部667aと連通する。これにより、各遅角ポート5662から排出凹部5703へ流入した作動油は、径方向隙間6072を通じて収容孔667の軸方向端部667aまで確実に到達し得る。故に、ドレン孔701への流入作動油がカム軸2側へ向かう流れとなるのを抑制できるので、スリーブ底部669及びスプール5070の間における圧力上昇の回避効果を高めて、制御精度を確保することが可能となるのである。
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
具体的には、第一〜第六実施形態の制御弁60については、連動回転要素2,14の一方のみに内蔵させてもよい。また、第一〜第六実施形態におけるポート孔662bの形成数(即ち、第五及び第六実施形態では、遅角ポート5662の形成数)については、上述した四つ以外の適数に設定可能である。さらに、第一〜第四実施形態における排出凹部703,2703の形成数については、上述した三つ以外の適数に設定可能である。またさらに、第四実施形態における排出孔4706の形成数及び第六実施形態における連通凹部6660形成数については、それぞれ上述した三つ以外の適数に設定可能である。
加えて、第三〜第六実施形態においては、第二実施形態に準ずる構成、即ち連通凹部660を設けずに排出凹部703,5703をスプール70,4070,5070のカム軸2側の軸方向端面70cに開口させる構成を、採用してもよい。また加えて、第二、第四〜第六実施形態のシール部材665bについては、第三実施形態のシール部材3665bに変更してもよい。さらに加えて、第二、第三、第五及び第六実施形態においては、第四実施形態の排出孔4706を追加してもよい。またさらに加えて、第一〜第四実施形態では、周方向に並ぶ複数の排出凹部703,2703に代えて、第五実施形態の如き周方向に連続する排出凹部5703を採用してもよい。
以上に加えて、第一〜第六実施形態及び以上の変形例については、「進角」及び「遅角」の関係を上述のものと逆にして実施してもよい。そして、本発明は、第一〜第六実施形態の如く「動弁」としての吸気弁のバルブタイミングを調整する装置以外にも、「動弁」としての排気弁のバルブタイミングを調整する装置や、それら吸気弁及び排気弁の双方のバルブタイミングを調整する装置に適用可能である。
1 液圧式バルブタイミング調整装置、2 カム軸・連動回転要素、3 搬送通路、5 ドレンパン・外部要素、10 回転機構系、11 ハウジング、14 ベーンロータ・連動回転要素、21,22,23,24 進角作動室、25,26,27,28 遅角作動室、40 制御系、54 ドレン通路・外部要素、60 制御弁、66,2066,3066,5066,6066 スリーブ、70,2070,4070,5070 スプール、70c 軸方向端面、72,2072,5072,6072 径方向隙間、660,6660 連通凹部、660a,6660a 底面、662,5662 遅角ポート(排出ポート)、662a ポート溝、662b ポート孔、662c,5662c 軸方向端部、664 ドレンポート、665 固定部、665a 通路孔、665b,3665b シール部材、666 フランジ部、667 中心孔・収容孔、667a,667b 軸方向端部、668 内周面、669 底部、700 外周面、701 中心孔・ドレン孔、703,2703,5703 排出凹部、703a,5703a 軸方向端部・対向端部、703b,5703b 軸方向端部、2704,4704 底面、3665c 先端部・テーパ部、3665d 外周面、4705 内周面、4706 排出孔、θ 所定角度

Claims (7)

  1. 内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを、作動液の圧力により調整する液圧式バルブタイミング調整装置において、
    前記クランク軸と連動して回転するハウジングと、
    軸方向に連結される前記カム軸と連動して回転し、前記ハウジング内に区画した作動室に対する作動液の入出により、前記ハウジングに対する回転位相が調整されるベーンロータと、
    前記ベーンロータ及び前記カム軸のうち少なくとも一方である連動回転要素に内蔵され、スリーブの収容孔内に同軸上に収容されるスプールの軸方向移動に応じて、前記作動室に対する作動液の入出を制御する制御弁とを、備え、
    前記スリーブは、
    前記カム軸とは反対側の軸方向端部が開放されて作動液を外部へ排出するドレンポートを形成する一方、前記カム軸側の軸方向端部が閉塞される有底形状の前記収容孔と、
    前記収容孔において前記スプールが摺接する内周面に開口し、前記作動室から作動液が排出される排出ポートとを、有し、
    前記スプールは、
    前記スプールを軸方向に貫通し、前記回転位相の調整時に前記ドレンポートと連通するドレン孔と、
    前記スプールにおいて前記収容孔の前記内周面と摺接する外周面に開口し、前記回転位相の調整時に前記カム軸とは反対側の軸方向端部が前記排出ポートと径方向に対向する対向端部となる有底形状の排出凹部であって、前記回転位相の調整時に前記スリーブ及び前記スプールの間の径方向隙間を通じて、前記収容孔のうち前記カム軸側の軸方向端部と連通する排出凹部とを、有することを特徴とする液圧式バルブタイミング調整装置。
  2. 前記スリーブは、前記収容孔の内周面に開口して前記スプールの前記外周面との間に前記径方向隙間を形成する連通凹部を、有することを特徴とする請求項1に記載の液圧式バルブタイミング調整装置。
  3. 前記排出凹部は、前記スプールにおいて前記カム軸側の軸方向端面及び前記外周面に開口し、前記収容孔の前記内周面との間に前記径方向隙間を形成することを特徴とする請求項1に記載の液圧式バルブタイミング調整装置。
  4. 前記スリーブは、前記収容孔のうち前記カム軸側の軸方向端部内へ同軸上に突出し、前記カム軸とは軸方向反対側へ向かって縮径するテーパ部を、有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の液圧式バルブタイミング調整装置。
  5. 前記スプールは、前記回転位相の調整時に前記対向端部から前記カム軸側に離れる軸方向位置において前記ドレン孔の内周面及び前記排出凹部の底面に開口する排出孔を、有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の液圧式バルブタイミング調整装置。
  6. 前記排出ポートは、前記スリーブの前記内周面において周方向全域に開口することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の液圧式バルブタイミング調整装置。
  7. 前記排出凹部は、前記スプールの前記外周面において周方向全域に開口することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の液圧式バルブタイミング調整装置。
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