JP5634524B2 - インプラント材、インプラント部品、インプラント部品製造方法およびレーザ加工方法 - Google Patents

インプラント材、インプラント部品、インプラント部品製造方法およびレーザ加工方法 Download PDF

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Description

本発明は、生体材料であるセラミック系のハイドロキシアパタイト同士またはハイドロキシアパタイトと生体骨とを結合させる材料、およびその材料からなる部品、部品の製造方法、加工方法および加工装置に関するものである。
生体材料であるセラミック系のハイドロキシアパタイトからなる生体組織代替部品同士の接合は、ハイドロキシアパタイトの溶融過程でハイドロキシアパタイトに割れ(クラックとも呼ぶ)が発生するため、接合が困難な加工であった。そのため、ハイドロキシアパタイトを部品形状に成形する方法としては、金型による成形か、削り出しにて成形することが一般的であった。
骨組織と生体材料であるセラミックや複合素材などのインプラント材とを結合させる加工方法において、骨接着を助成し、従って骨に関してインプラント材(外科的移植材料)の位置を安定化するためにインプラント材にテクスチャー加工表面を使用することが知られている。例えば、患者の大腿骨内に定着する大腿骨副集合体および患者の股臼内に定置する股臼副集合体からなる人工臀部において、大腿骨副集合体は代表的にはテクスチャー加工表面を設けられた人工幹を含み、また、股臼集合体は代表的にはテクスチャー加工面を設けられた人工カップを含む。テクスチャー加工表面は、骨の増殖を促進するように設けられているが、接着までは位置決めし、設置後はギブスなどで固定し、固定までには数ヶ月の時間を要すこともある。
そのため、インプラント材と骨組織との接合時間の短縮と安定化を実現する為に、レーザ加工によりインプラント材と骨組織を接合する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、生体親和性の向上や組織との接着の高靭性を実現する技術も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
国際公開第2008/023708号 特開昭64−032867号公報
一般的なハイドロキシアパタイトからなる部品加工では、金型による成形か削り出しにて成形する方法を採るため、加工時間と加工費用の増えることが課題であった。特に、他の部分が単純形状で一部分が複雑な形状の部品製造では、複雑な部分と単純な部分を別々に製造し、後工程でそれぞれを接合するような製造工程を採ることが望ましいが、上述したようにクラックの問題があり実現できず、一体成形する必要があり多大な加工時間と加工費用を要していた。
これらのハイドロキシアパタイトの部品加工にレーザ溶接が採用できれば、加工時間と加工費用の削減に大きな効果を発揮できる。
また、特許文献1に記載のインプラント材と骨組織とをレーザ接合する方法においては、インプラント材であるハイドロキシアパタイトへ含有されるコーディエライト成分の割合が規定されていないため、接合が不良になる場合がある。主な接合不良としてはハイドロキシアパタイトの接合部や接合部周辺に割れが発生する。これらのハイドロキシアパタイトと骨組織との接合において、接合不良の低減が必要である。
また、特許文献2に記載の技術は、コーディエライト成分のSiO+Al+MgOや石英ガラス成分のSiOの規定はあるが、ハイドロキシアパタイトとの組合せでの規定はない。これは、レーザ加工性やハイドロキシアパタイトとの接合の有効性を考慮していないためである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、発明者は鋭意研究を重ね、ハイドロキシアパタイトに混合するコーディエライト成分の重量比が、レーザ加工における接合部やその周辺の割れに、密接に関係していることを突き止めた。本発明は、ハイドロキシアパタイト同士、または骨とハイドロキシアパタイトのレーザ加工(骨とハイドロキシアパタイトの加工時には、骨にレーザ光を照射する場合と、ハイドロキシアパタイトにレーザ光を照射する場合を含む)を行うハイドロキシアパタイトにおいて、レーザ加工時に接合部やその周辺部の割れの発生を防止すべく、ハイドロキシアパタイトに混合するコーディエライトまたは石英ガラス成分の最適な重量比を提供するものである。その混合比は、コーディエライトまたは石英ガラス成分を少なくとも重量比25.7%以上混合するものである。
また、本発明は、上記コーディエライトまたは石英ガラス成分を少なくとも重量比25.7%以上混合するハイドロキシアパタイト同士の接合位置、もしくは骨と上記コーディエライトまたは石英ガラス成分を少なくとも重量比25.7%以上混合するハイドロキシアパタイトとの接合位置にレーザ光を照射するレーザ照射部と、ハイドロキシアパタイト同士または骨とハイドロキシアパタイトとを接合させる際の加工条件を決定する加工条件決定部と、前記加工条件決定部が決定した加工条件に基づいて、前記骨とハイドロキシアパタイトとを接合させる際のレーザ光の照射を制御する制御部とを備えることを特徴とするレーザ加工装置である。
さらには、本発明は、上記コーディエライトまたは石英ガラス成分を少なくとも重量比25.7%以上混合するハイドロキシアパタイト同士、または骨と上記コーディエライトまたは石英ガラス成分を少なくとも重量比25.7%以上混合するハイドロキシアパタイトとを、レーザ光を照射することにより接合して、新たな形状のインプラント部品を製造するものである。
この発明によれば、ハイドロキシアパタイトにコーディエライトまたは石英ガラス成分を少なくとも重量比25.7%以上混合したので、ハイドロキシアパタイト同士、または骨とハイドロキシアパタイトとをレーザ光を照射して接合させる際に、ハイドロキシアパタイトの接合部や接合部周辺に割れが発生することを防止することができる。これにより、ハイドロキシアパタイト同士、または骨とハイドロキシアパタイトとをレーザ加工により短時間で容易に接合することが可能になるという効果を奏する。
図1は、ハイドロキシアパタイトにコーディエライトを混合したインプラント材にレーザ光を照射した場合の混合比率と割れ発生の関係を示した図である。 図2は、図1に示した表を得る為のレーザ加工条件を示す図である。 図3は、レーザ光を照射したインプラント部品の表面写真である。 図4は、ハイドロキシアパタイトにコーディエライトを混合したインプラント材にレーザ光を照射した場合の混合比率と割れ発生の関係を示したグラフである。 図5は、本発明によるインプラント材からなるインプラント部品の断面図である。 図6は、ハイドロキシアパタイトに混入する各種材料の成分と熱膨張率を示す表である。 図7は、本発明に係るレーザ加工装置の構成を説明するためのブロック図である。 図8は、本発明による骨とインプラント部品の接合の工程を説明するための図である。 図9は、本発明によるインプラント部品同士の接合の状態を写した写真である。
実施の形態1.
図1は、インプラント材であるハイドロキシアパタイトに、ガラス生体材料であるコーディエライトを混合したインプラント材において、その混合割合を変化させて焼成して製造したインプラント部品に、レーザ光を照射して、割れ(クラックとも呼ぶ)発生の有無を調査した結果を示したものである。ここで、ハイドロキシアパタイトは、化学式「Ca10(PO(OH)」で示されるものであり、コーディエライトは、線膨張率の小さなガラス成分である酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化マグネシウム(MgO)で構成された物質である。上記ハイドロキシアパタイトとコーディエライトとの混合割合は、重量割合(コーディエライト(%)/ハイドロキシアパタイト(%))を0%/100%〜100%/0%までそれぞれを10%づつ変化させて、インプラント部品を作成した。
レーザ加工条件については、上記インプラント部品へのレーザ照射におけるレーザ照射部分のインプラント材の溶け込み深さを、1mm、3mm、5mm、7mm、10mmの5種類となるように設定した。ここで、溶け込み深さとは、インプラント部品のレーザ照射側の表面から溶融した最下部の位置までの距離である。具体的な加工条件を、図2に示す。図2において、レーザ出力の範囲、例えば溶け込み量1mmの場合のレーザ出力300〜500Wは、適正な溶け込み深さが得られ、かつ後述する接合に必要な発泡が得られる範囲である。また、照射時間は、レーザ照射開始から発泡が完了するまでの時間であり、本実験ではレーザ出力が大きいほど、照射時間は短い傾向になった。表記されていない他の加工条件パラメータは、デューティー:10%、レーザ種類:CO2、レンズ焦点距離:7.5インチ、アシストガス種類:Ar、アシストガス流量:10リットル/分、ノズル径:2mmであるが、本発明の目的である接合の能力に対しては支配的ではない。接合部の品質を左右するためのパラメータであり、記載した数値は必須ではなく、状況にあわせて訂正する必要がある。
図1においては、割れが発生した加工には×、割れの発生しない加工には○を記載した。溶け込み深さが小さい1mmのレーザ加工では、コーディエライト(%)/ハイドロキシアパタイト(%)の割合が30%/70%よりコーディエライト量を増やす範囲で、割れは発生しなかった。また、溶け込み深さが大きくなるほど、割れの発生する領域としない領域の境界は、コーディエライト量を増やす領域にシフトした。なお、レーザ出力が1kW以下であれば、適切な発泡が得られない場合を含め、何れの溶け込み量でも、割れの発生とコーディエライトの混合比の関係は図1と同じとなった。
図3は、図1の結果を得る為にレーザ光を照射したインプラント部品の、実際の表面写真である。実験条件は、溶け込み深さ5mmを得る為に、レーザ出力600W、照射時間0.9秒でレーザ光を照射したものである。図3から判るように、コーディエライト(%)/ハイドロキシアパタイト(%)の割合が50%/50%では、加工物が左右に割れている。コーディエライト(%)/ハイドロキシアパタイト(%)の割合が、60%/40%、70%/30%、90%/10%では、割れが発生せず、レーザ光の照射位置周辺に溶融した痕跡が見える。
図1,3に示したように、ハイドロキシアパタイトに適切な重量混合比でコーディエライトを混合したインプラント材で製造したインプラント部品においては、レーザ照射によって割れが発生しないことが判った。そのコーディエライト重量混合比は、図1に示したように、溶け込み1mmを得るためには30%より少なくては何れの溶け込み深さでも割れが発生することから、溶け込み1mmを得るためには少なくとも30%以上必要である。また、接合強度の向上を図る為、溶け込み深さをより大きくする場合、コーディエライトの重量混合比を増加させる必要があることが判った。この重量混合比の増加は、図1におけるレーザ照射部の溶け込み深さと、各溶け込み深さにて割れが発生しなかった最小のコーディエライトの重量混合比をグラフにすることで明確になる。図4がそのグラフである。図4により、割れが発生しないコーディエライトの混合比は以下の式で表すことができる。
W(%)≧5.8×D(mm)+25.7 (式1)
ここで、W(%)はコーディエライトの重量混合比、D(mm)はレーザ照射部の溶け込み深さを示す。ここでD=0とすると、W=25.7となるため、最小重量比は25.7%とすることができる。なお、(式1)は図1の結果をそのままグラフ化し線形近似を行ったものであるが、実際には、コーディエライトの混合比には20%程度の誤差が発生する可能性がある。ハイドロキシアパタイトのようなセラミックスには、おのおの気孔率が決まっており、気孔率の違いで20%程度の誤差が発生する可能性があるためである。なお、混合比の最大値は100%である。ここで必須の加工条件は図2に記載した出力と照射時間になる。出力は小さすぎると熱影響を大きくし、出力が大きすぎると熱衝撃による割れが発生しやすくなるため優先した設定を必要とする。この出力を決定した後に出力にあわせて所定の溶け込み深さが得られるように、照射時間を設定する。そのため照射時間のパラメータは従属的な位置づけになる。その他の条件パラメータとしては図1の説明で記述したとおりである。
上述の通り、レーザ照射部の溶け込み深さが大きくなると、コーディエライトの混合比を高くする必要があるが、その理由は以下の通りと推測される。すなわち、レーザ照射によるクラックは、熱膨張が抑制されることによって発生するが、溶け込み量が大きくなるほど、この抑制力が大きくなるためクラックが発生しやすくなる。セラミックスや石英ガラスの切断でも、薄板はクラックなしで切断できるが、板厚が大きくなると割れてしまうのも同様の理由である。一方、コーディエライトの混合比を高くすることにより、膨張率の小さな成分を増やすことができる。これにより、熱膨張する量が少なくなりクラックが発生しにくくなることが、図1,3の理由と考えられる。
ところで、図1の実験は、レーザ照射部のインプラント材の溶け込み深さに関係なく、インプラント部品全体を所定のコーディライト混合比で作成したインプラント材で成型している。しかし、実際には、インプラント部品全体を所定のコーディエライト混合比のインプラント材で作成する必要は無く、レーザ加工時に溶融する部分だけ混合比が(式1)を満たせばよい。図5は、ハイドロキシアパタイトとコーディエライトを混合したインプラント部品の断面を模式的に示した図である。図5(a)は、従来からある一般的なハイドロキシアパタイト11のインプラント部品の断面を示したものである。図5(b)は、本発明である、ハイドロキシアパタイトにコーディエライトを均一に混合したインプラント材12を成型したインプラント部品の断面を示す。図5(c)は、本発明である、ハイドロキシアパタイト11のインプラント部品の表面部分の所定の深さまで、コーディエライトを均一に混合したインプラント材12を有したインプラント部品の断面を示す。
インプラント部品のレーザ光による接合では、インプラント部品の表面層を溶融し結合するため、図5(c)のように、レーザ光照射により溶融する表面層のみ、接合に適したハイドロキシアパタイトとコーディエライトを混合した構成組織であって構わない。この場合、表面層の厚さを溶け込み深さとして、(式1)よりコーディエライトの混合比を決定すればよい。一方、図5(b)のように、インプラント部品の全体をハイドロキシアパタイトとコーディエライトを混合した構成組織にした場合、インプラント部品を分割してレーザ光による接合を行う場合に、レーザ接合面がインプラント部品を分割して表れた内部であった場合でも、コーディエライトの混合比が適切で、割れが発生しないように対応することができる。
なお、上記においては、インプラント材であるハイドロキシアパタイトへ、ガラス生態材料であるコーディエライトを混合するとして説明してきたが、同様にガラス生態材料である石英ガラスをコーディエライトの代わりにハイドロキシアパタイトに混合しても、同様な効果が得られることが判った。また、インプラント部品の割れの発生と、石英ガラスの重量混合比の関係も、図1や図4と同様の結果が得られている。さらには、コーディエライトと石英ガラスの混合物をハイドロキシアパタイトに混合しても、コーディエライトと石英ガラスの混合物とハイドロキシアパタイトとの重量比と、これらの混合物によるインプラント材のレーザ照射による割れに関して、図1や図4と同様の効果が得られた。
一般的に、セラミックの局部的加熱による溶融では、被加工物の膨張と収縮によりクラックが発生してしまうため、炉中で被加工物全体を加熱し溶融と接合を行う。しかしながら、コーディエライトとハイドロキシアパタイトの混合割合が60%/40%のインプラント部品の局部的加熱による溶融では、コーディエライトの熱膨張率が有効に作用して、クラックが発生していない。また、図6は、代表的なガラスであるソーダガラス(Soda glass)と、石英ガラス(Silica glass)、コーディエライト(Cordierite)の成分および熱膨張率を示したものであるが、石英ガラスも十分に小さな熱膨張率を示しており、上述したようにコーディエライト同様にクラックの発生はない。このことから、ハイドロキシアパタイトに混合可能なガラス生体材料において、コーディエライトより小さな熱膨張率を有していれば、レーザによる接合可能な対象となることを示している。
実施の形態2.
次に、実施の形態1で説明したハイドロキシアパタイトにコーディエライトまたは石英ガラスを適切な重量比混合したインプラント材にて成形されたインプラント部品を、レーザ加工する方法および装置を説明する。図7は、本発明の実施の形態に係るレーザ加工装置の構成を示すブロック図である。レーザ加工装置1は、レーザ照射部10、エネルギーレベル制御部21、レーザ切替制御部22、焦点位置制御部23、加工条件決定部30、輝度検出部41、時間計測部42を備えている。
なお、ここでのエネルギーレベル制御部21、レーザ切替制御部22、焦点位置制御部23は制御部と呼ぶ場合もあり、ここでの輝度検出部41、時間計測部42は加工状態検出部と呼ぶ場合もある。また、輝度検出は作業者の熟練度に応じて、熟練した作業者の視覚的判断で処理することも可能であるため、輝度検出部41を備えない装置でも対応することはできる。
レーザ加工装置1は、実施の形態1で説明した、ハイドロキシアパタイトにコーディエライトを適切な重量比で混合したインプラント材を焼成したインプラント部品を用い、このインプラント部品同士、またはインプラント部品(人口骨や人工歯根)と骨(または歯)とをレーザ加工により接合するものである。インプラント部品同士、またはインプラント部品と骨や歯との接合工程において、骨の増殖が十分促進するまでの間、および将来に渡ってインプラント部品と骨との接合位置関係を強固に保つため、所定の制御に基づいてインプラント部品や骨にレーザを照射する装置である。ここでのレーザ加工装置1は、インプラント部品や骨にレーザを照射して、インプラント部品や骨への穴あけを行なうとともに、インプラント部品と骨の接合を行なう。
レーザ照射部10は、インプラント部品や骨などの被加工物にレーザを照射する。レーザ照射部10は、エネルギーレベル制御部21、レーザ切替制御部22、焦点位置制御部23と接続しており、エネルギーレベル制御部21、レーザ切替制御部22、焦点位置制御部23の制御に基づいて、所定の加工条件でインプラント部品や骨にレーザ照射を行なう。
レーザ切替制御部22は、加工条件決定部30からの指示に基づいて、レーザ照射部10が被加工物に照射するレーザ光の種類を切替させる。レーザ切替制御部22は、例えばCOレーザ、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)レーザ、COレーザ、UV(Ultra Violet rays)−YAGレーザ、ファイバーレーザ、グリーンレーザ、エキシマレーザなどから、少なくとも1つのレーザ光を選択してレーザ照射部10が被加工物に照射するレーザ光の種類を切替させる。
焦点位置制御部23は、加工条件決定部30からの指示に基づいて、レーザ照射部10が被加工物に照射するレーザ光の焦点位置を制御する(レーザ光を集中させる)。エネルギーレベル制御部21は、加工条件決定部30からの指示に基づいて、レーザ照射部10が被加工物に照射するレーザ光のエネルギーレベルを制御する。
加工条件決定部30は、所定の加工条件でインプラント部品や骨にレーザ照射を行なうよう、エネルギーレベル制御部21、レーザ切替制御部22、焦点位置制御部23に指示を送る。加工条件決定部30は、被加工物に照射するレーザ光のエネルギーレベルに関する指示をエネルギーレベル制御部21に送り、被加工物に照射するレーザ光の種類に関する指示をレーザ切替制御部22に送り、被加工物に照射するレーザ光の焦点位置に関する指示を焦点位置制御部23に送る。
加工条件決定部30は、輝度検出部41から受けた被加工物の輝度や時間計測部42から受けた計測時間(レーザ加工を開始してからの時間など)に基づいて、インプラント部品や骨にレーザ照射を行なう際の加工条件を決定し、決定した加工条件に基づいてエネルギーレベル制御部21、レーザ切替制御部22、焦点位置制御部23に指示を送る。
輝度検出部41は、被加工物の加工状態として被加工物の輝度(被加工物のレーザ光照射部の輝度)を検出し、加工条件決定部30に送る。時間計測部42は、被加工物の加工状態としてレーザ加工を開始してからの経過時間、インプラント部品の穴あけを開始してからの経過時間、骨の穴あけを開始してからの経過時間、インプラント部品と骨を接合するために接合部分(骨とインプラント部品の結合部分)にレーザ光を照射した場合の経過時間などを計測し、計測中の経過時間を加工条件決定部30に送る。
つぎに、レーザ加工装置1による具体的なレーザ加工処理について説明する。レーザ加工装置1のレーザ照射部10は、例えばレーザ光として直径約0.3mm以下に集光させたエネルギー密度が10W/cm以上の高エネルギー密度の光を適用する。これにより、レーザ光による加工領域を絞って局部的に加熱することが可能となり、かつ短時間で被加工物への穴あけ加工や溶融加工が可能となる。また、レーザ加工装置1は、加工条件決定部30による加工条件すなわちレーザ光の出力条件の選択(決定)によって、被加工物を溶融させる時間すなわちレーザ光の照射時間、被加工物の溶融範囲を制御することができる。ここで、レーザ光の照射時間は主に溶融範囲の深さ方向に寄与し、レーザ光の集光径は主に溶融範囲の径方向に寄与する。また、レーザ加工装置1は、加工条件決定部30による加工条件の選択によって、金属、樹脂、セラミックスなどの被加工物を幅広く穴あけ処理や溶融処理することができる。
つぎに、レーザ加工装置1による具体的なレーザ加工処理として、被加工物の穴あけ処理を行い、その後に骨とインプラント部品を接合する工程について説明する。図8は、骨51にレーザ光4を照射して穴あけを実施し、その後に骨の下に配置したインプラント部品52が発泡して骨51とインプラント部品52が接合される工程を示す図である。すなわち、骨51は、レーザ光4の照射側に配置され、インプラント部品52は骨51に対して照射側の反対側である反照射側に配置されてレーザ加工処理が行われる。なお、以下の説明において、照射側を単に上側や上ともいい、反照射側を単に下側や下ともいう。
具体的には、図8(a)は、厚さ1mmの骨51の下に、厚さ5mmのコーディエライトとハイドロキシアパタイトの混合割合が60%/40%のインプラント部品52を配置した図である。
図8(b)は、図8(a)で上下に配置した骨51とインプラント部品52に、骨51の上部よりCOレーザ光4を照射し、骨51に穴あけを実施した図である。骨51への穴あけの穴寸法は、レーザ光4の集光する焦点位置を調整することで、任意に変更することができる。なお、レーザ光による穴加工は、被加工物の表面側から内部へ加工が進展するに従って、レーザエネルギーが加工で消費されて減衰するため、穴径は内部ほど小さくなる。また、COレーザの波長の10分の1の波長である1.06μmのYAGレーザを用いて穴あけ加工を行なった場合であっても、COレーザと同様に熱影響の小さな穴加工が可能である。
また、穴あけ加工では、レーザ光の波長が紫外線領域となるUV−YAGレーザやエキシマレーザ、可視光領域となるグリーンレーザを使用すると、紫外線光や可視光による電子励起の結合分解が起こって光化学加工(アブレーション加工)となり、骨やインプラント材料などへの熱影響を赤外レーザであるCOレーザやYAGレーザ、ファイバーレーザよりも小さくすることが可能である。
また、UV−YAGレーザ、エキシマレーザ、グリーンレーザを用いて、骨やインプラント材料へ穴加工を実施すると、赤外レーザであるCO、YAGレーザよりも微小な穴加工が可能である。すなわち、使用するレーザの種類(赤外レーザであるCOレーザやYAGレーザ、紫外レーザであるUV−YAGレーザ、エキシマレーザ、グリーンレーザ)に関わらず、熱影響の小さな骨およびインプラント材料への穴あけ加工が可能である。
なお、穴あけ処理は、COレーザ、YAGレーザ、ファイバーレーザ、エキシマレーザ、UV−YAGレーザなどの何れのレーザ光でも可能である。
図8(c)は、図8(b)で骨51に穴あけされた部分から、さらにCOレーザ光4を照射し、インプラント部品52が溶融されると、さらに発泡部分5が発生する。前述したように、骨51に加工された穴は先細りしている為、インプラント部品52から見た場合先太りした穴となる。よって、この穴に発泡部分5が入り込むと、図8(c)から明らかなように、発泡部分5は、インプラント部品52方向には抜けにくい構成となる。更に、発泡部分5とインプラント部品52は一体であるので、インプラント部品52は骨51と強固に接続されることとなる。ここでも、インプラント材の溶融・発泡処理は、COレーザ、YAGレーザ、ファイバーレーザ、エキシマレーザ、UV−YAGレーザなどの何れのレーザ光でも可能である。
図9は、コーディエライトとハイドロキシアパタイトの混合割合が60%/40%のインプラント部品52の加工物を、骨51に突き合わせてレーザ溶接した時の、溶接ビード53の写真である。図9(a)は突き合わせ部の写真で、図9(b)は、図9(a)の○で囲んだ部分、すなわち突き合わせ部の拡大写真である。レーザ加工条件は、COレーザ、出力400W、加工速度1m/minで実施した。溶接ビード53は幅が2.65mm、深さは1.01mmであった。溶接部には割れ(クラック)の発生がなく、良好な溶接品質が得られた。
また、レーザ照射の時間は長く設定するほど溶融領域、特に深さ方向の領域が拡大するため、接合の強度に応じてレーザ照射の時間を変更する。すなわち、加工条件決定部30は、接合に強い強度を要求する場合はレーザ照射時間を長く設定し、接合に強い強度が必要でない場合にはレーザ照射時間を短く設定する。加工条件決定部30は、ユーザからの指示(入力手段からの指令)に基づいてレーザ照射時間を設定してもよいし、輝度検出部41が検出する輝度に基づいてレーザ照射時間を設定してもよい。
また、レーザ加工装置1は、焦点位置の調整や集光光学部品の選択によっても溶融領域を拡大することができる。このため、加工条件決定部30は、溶融領域に応じた焦点位置を加工条件として選択し、焦点位置制御部23に指示する。また、レーザ加工装置1において、レーザ加工毎に溶融領域に応じた集光光学部品を選択可能な構成としておいてもよい。例えば、レーザ照射部10からレーザ照射部分が遠い場合には、焦点距離が長い集光光学部品を選択し、近い場合には、焦点距離が短い集光光学部品を選択するように構成する。また、加工条件決定部30からの指示に基づいて、自動で集光光学部品を変更するようレーザ加工装置1を構成しておいても良い。もちろん、レーザ加工装置1の使用者が予め手動で集光光学部品を変更してもよい。
なお、レーザ加工装置1は、何れのレーザ発振器や集光光学部品を用いてもよい。レーザ加工装置1は、例えば穴あけの工程では、高いエネルギー密度を得ることが可能なレーザ発振器や集光光学部品を用いることによって、微小な穴を得ることが可能となる。
ところで、実施の形態1における混合比を有したインプラント材であれば、通常のレーザ加工条件であれば良好な接合部が得られる。しかし、異常なレーザ加工条件、例えば過度なレーザ出力や照射時間は、良好でない接合となる場合もある。良好な接合部が得られる場合と、良好でない接合がなされる場合とでは、接合部近傍の輝度が異なる。このため、例えば、輝度のモニタリングを行なわずにレーザ加工を行なうと、レーザ加工条件の設定に問題があった場合、穴あけや接合に必要な入熱量以上のレーザエネルギーが骨51やインプラント部品52に付加される場合もある。そして、過度な入熱があると、被加工物において熱影響を受ける部分が大きくなるとともに、溶融物が凝固せずに飛散し接合が良好になされない。一方、本実施の形態のレーザ加工装置1は、輝度検出部41が輝度の検出(モニタリング)を行なうとともに、検出した輝度を用いて加工条件を決定しているので、例え加工条件が異常であっても、良好な接合部を得ることが可能となる。
なお、本実施の形態では、レーザ加工装置1が輝度検出部41や時間計測部42を備える構成として説明したが、レーザ加工装置1が輝度検出部41や時間計測部42を備えない構成としてもよい。この場合、レーザ加工装置1の使用者が目視によって被加工物の加工状態を検出し、加工条件決定部30は使用者からの指示情報の入力に基づいて加工条件を決定する。すなわち、レーザ加工装置1は、輝度検出部41や時間計測部42による加工状態の検出を行なうことなく、被加工物の加工条件を決定する。もちろん、適切な加工条件を設定していれば、実施の形態1の混合比を備えたインプラント材であれば、輝度を気にしなくとも良好な接合が得られる。
また、加工条件決定部30は、輝度検出部41が検出した輝度や時間計測部42が計測する時間に基づいて加工条件を決定し、被加工物にレーザ照射を行なっているので、被加工物に応じた適切なレーザ照射、接合処理を行なうことができる。また、本実施の形態において説明したレーザ加工装置1の各処理のうち、自動的に行なうものとして説明した処理の全部または一部を手動で行なうこととしてもよい。
また、加工条件決定部30は、加工条件としてレーザ光のエネルギーレベル、レーザ光の種類、焦点位置、レーザ光の照射時間などを決定し、決定した加工条件に基づいて被加工物にレーザ照射を行なわせるので、被加工物の穴あけ処理や接合処理毎に安定した適切な穴あけ処理、接合処理を行なうことが可能となる。
実施の形態3.
実施の形態1にて説明した、ハイドロキシアパタイトに適切な重量比でコーディエライトを混合したインプラント材より成形したインプラント部品を、実施の形態2で説明した、レーザ加工装置およびレーザ加工方法を用いてレーザ光による接合を行うことにより、以下の様な適用が可能となる。
本発明によるレーザ加工は、外科手術の際にも狭い空間で生体へ悪影響を及ぼすことなくクラックの発生しないセラミックの溶融を可能としている。すなわち、実施の形態1によるインプラント材により通常の加工条件ではクラックは発生せず、またレーザ加工装置1(レーザ照射部10)からのレーザ光による加熱は、加工条件決定部30による加工条件の指示(エネルギーレベル制御部21、レーザ切替制御部22、焦点位置制御部23からの制御)によって、被加工物を温度上昇させる領域が空間的および時間的に限られた範囲内で加工を終了させる特長を有しており、外科的手術方法としても有効である。
また、レーザ加工装置1は、高いエネルギー密度のレーザ発振器や集光光学部品を用いることによって、短時間に加工を完了することができ、骨51やインプラント部品52への熱影響を小さくすることが可能となる。
また、レーザ加工装置1が加工する被加工物は、骨51とインプラント部品52の配置は何れが上で何れが下でもよく、また骨51とインプラント部品52の継ぎ手は重ね継ぎ手、突合せ継ぎ手のいずれでもよい。また、本発明における骨は、人骨を含む何れの動物の骨をレーザ加工してもよい。
また、本発明においては、骨とインプラント部品との間を短時間で容易に接合できるので、骨とインプラント部品を接合する治療の際に、インプラント部品と骨との結合中に相互の位置関係にずれが発生することを防止でき、治療を短期間で容易に行なうことが可能となる。また、従来まで接合治療中に必要であった大掛かりな固定用治具が不要となり、治療中であっても快適な生活を提供することが可能となる。
上記においては、骨51とインプラント部品52の接合を、動物の体内で行う外科手術について説明したが、もちろん動物から骨51を取り出して動物の体外でレーザ加工を行なってもよい。動物から骨51を取り出して骨51とインプラント部品52を接合した場合、必要に応じて接合後の骨51とインプラント部品52が動物の体内に戻される。もちろん、骨を取り出した動物の体内に接合後の骨を戻しても良いし、他の動物の体内に戻しても良い。
また、動物から取り出した骨と実施の形態1のインプラント部品との接合、または複数の実施の形態1のインプラント部品同士を接合することにより、新たな形状のインプラント部品を、容易に短時間で作成することもできる。特に、他の部分が単純形状で一部分が複雑な形状のインプラント部品を製造する場合、複雑な部分と単純な部分を別々に製造し、後工程でそれぞれをレーザ加工で接合するような製造工程を採ることが可能であり、全体を一度に金型による成形か削り出しにて成形する方法と比較し、加工時間の短縮や、加工費用の削減に非常に効果的である。
このように、本発明によれば、骨とインプラント部品またはインプラント部品同士の接合の際に、COレーザやYAGレーザなどのレーザ光を照射するので、骨とインプラント部品またはインプラント部品同士の間を短時間で容易に接合することが可能となり、外科的手術や新たなインプラント部品の製造に効果を発揮できる。なお、上述した実施の形態全てにおいて、骨にて説明したものは、骨を歯に置き換えても同様の効果が得られる。
以上のように、本発明に係るインプラント材は、レーザ加工による接合に適しており、特に、骨や歯とインプラント部品、インプラント部品同士の接合に適している。
1 レーザ加工装置
4 レーザ光
5 発泡部分
6 レーザ光の照射位置
10 レーザ照射部
21 エネルギーレベル制御部
22 レーザ切替制御部
23 焦点位置制御部
30 加工条件決定部
41 輝度検出部
42 時間計測部
51 骨
52 インプラント部品
53 溶接ビード

Claims (12)

  1. 人工骨や人工歯根などの製造に用いられるインプラント材において、
    ハイドロキシアパタイトに石英ガラスまたはコーディエライトと石英ガラスとの混合物を少なくとも重量比25.7%以上混入したことを特徴とするインプラント材。
  2. 前記インプラント材を用いて成形するインプラント部品にレーザ光を照射するときの所望の溶け込み深さに応じて、前記石英ガラスまたはコーディエライトと石英ガラスとの混合物の重量比を増加させたことを特徴とする請求項1に記載のインプラント材。
  3. 前記石英ガラスまたはコーディエライトと石英ガラスとの混合物の重量比をW(%)、前記溶け込み深さをD(mm)とした場合、Dに応じてWを以下の式に合うように設定したことを特徴とする請求項2に記載のインプラント材。
    W≧5.8×D+25.7
  4. 請求項1、2または3のいずれか1つに記載のインプラント材を用いて成形されたインプラント部品。
  5. 前記インプラント部品において、
    レーザ加工にて溶融する可能性のある表面領域に前記インプラント材が用いられることを特徴とする請求項4に記載のインプラント部品。
  6. 動物から取り出された骨または歯に、請求項4または請求項5に記載のインプラント部品を、レーザ加工により接合し、新たな形状のインプラント部品を製造するインプラント部品製造方法。
  7. 複数の請求項4または請求項5に記載のインプラント部品を、レーザ加工により接合して新たな形状のインプラント部品を製造するインプラント部品製造方法。
  8. 前記レーザ加工による接合は、
    レーザ光の照射側に骨または歯を配置し、前記骨または歯に対して前記照射側の反対側である反照射側に前記インプラント部品を配置する工程と、
    レーザ光を前記骨または歯に照射し穴あけする工程と、
    前記骨または歯の穴あけ工程で作成した前記骨または歯の穴を通して前記インプラント部品にレーザ光を照射し、前記インプラント部品のレーザ光照射部を発泡させる工程とを含むことを特徴とする請求項6に記載のインプラント部品製造方法。
  9. 前記レーザ加工による接合は、
    前記複数のインプラント部品を重ねて配置する工程と、
    前記重ねたインプラント部品のうちレーザ光の照射側に配置されたインプラント部品にレーザ光を照射して穴あけする工程と、
    前記インプラント部品の穴あけ工程で作成した穴を通して、前記重ねたインプラント部品のうち前記穴をあけられた前記インプラント部品よりも前記照射側の反対側である反照射側に配置されたインプラント部品にレーザ光を照射して、レーザ光照射部を発泡させる工程とを含むことを特徴とする請求項7に記載のインプラント部品製造方法。
  10. 2つの請求項4または請求項5に記載のインプラント部品同士を接合するレーザ加工方法において、
    前記2つのインプラント部品を重ねて配置する工程と、
    前記重ねたインプラント部品のうちレーザ光の照射側に配置されたインプラント部品にレーザ光を照射して穴あけする工程と、
    前記インプラント部品の穴あけ工程で作成した穴を通して、前記重ねたインプラント部品のうち前記照射側の反対側である反照射側に配置されたインプラント部品にレーザ光を照射してレーザ光照射部を発泡させる工程とを含むことを特徴とするレーザ加工方法。
  11. 請求項4または請求項5に記載のインプラント部品を接合するレーザ加工方法において、
    前記インプラント部品を複数突き合わせて配置する工程と、
    前記突き合わせて配置したインプラント部品間の境界領域もしくはその近傍にレーザ光を照射する工程とを含むことを特徴とするレーザ加工方法。
  12. 人工骨や人工歯根などの製造に用いられるインプラント材において、
    ハイドロキシアパタイトにコーディエライトよりも小さな熱膨張率を有するガラス生体材料を少なくとも重量比25.7%以上混入したことを特徴とするインプラント材。
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