JP5633884B2 - 離型用フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂モールド成形時、あるいはプリント配線基板やフレキシブルプリント配線基板等の製造時に用いられる離型用フィルムに関する。
例えばトランジスター、IC、LSI、超LSI等の半導体素子や、LED、フォトアイソレータ、フォトトランジスター、フォトダイオード、CCD、CMOS等の光半導体素子は、エポキシ樹脂組成物やシリコーン樹脂組成物を封止材とし、樹脂モールド成形により封止されている。
上述の半導体素子や光半導体素子の封止にはモールド成形装置が用いられ、エポキシ樹脂組成物やシリコーン樹脂組成物からなる封止材がモールド樹脂としてモールド金型へ注入され、成形加工される。
モールド金型と成形加工された成形品とを離型する方法としては、例えば、モールド金型とモールド樹脂との間に離型用フィルムを介在させる方法が実用化されている(特許文献1参照)。離型用フィルムは、モールド成形装置内でRoll to Rollで供給され、成形加工温度に温調されたモールド金型に入り、真空で吸引されてモールド金型に密着し、その後、モールド樹脂が充填される。一定時間後にモールド樹脂が硬化したところでモールド金型が開かれると、離型用フィルムはモールド金型に吸引された状態のまま、成形品が離型用フィルムから剥がされる。この離型用フィルムには、例えば、熱可塑性フッ素樹脂の四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂(ETFE樹脂)や四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP樹脂)からなる単層のフィルムが使用されている(特許文献2参照)。
しかし、このような離型用フィルムは、モールド金型や成形品との剥離性に優れるものの、硬くて伸び難いため、形状が微細であったり複雑であったりするモールド金型に対しては、離型用フィルムが真空で吸着された際にモールド金型の形状に沿って破れることなく伸び、さらにモールド金型の微細な部分にも密着する性能、すなわち追従性が不十分で、離型用フィルムが破れてモールド樹脂が漏れてモールド金型を汚染する不具合や、モールド金型の形状が成形品に十分に転写されない不具合が生じる。
このような問題を解決するため、従来は、離型用フィルムとして、結晶成分にブチレンテレフタレートを含む結晶性芳香族ポリエステル含有の樹脂組成物からなるフィルムを使用する方法が知られている(特許文献3参照)。
特開平8−142105号公報 特開2001−310336号公報 特開2007−224311号公報
しかし、離型用フィルムとして、特許文献3に示すように、ブチレンテレフタレートを含む結晶性芳香族ポリエステル含有の樹脂組成物からなるフィルムを使用する場合、軟質で伸びやすいので、形状が微細であったり複雑であったりするモールド金型に対して追従性は向上するものの、モールド金型や成形品との剥離性に欠けるという新たな問題が生じる。このため、熱可塑性フッ素樹脂以外からなるフィルムは、樹脂モールド成形において、離型用フィルムとして好適に使用できないのが実情となっている。
本発明は、上記に鑑みなされたもので、モールド金型やモールド樹脂を成形加工して得られる成形品との剥離性に優れ、しかも、モールド金型への追従性に優れ、さらに、180℃前後の使用温度における耐熱強度(耐熱性と機械的強度)も有する離型用フィルムを提供することを目的とする。
このような目的は、下記(1)〜(24)の本発明により達成される。
(1)エチレン系共重合体ゴム100質量部にポリエチレン系樹脂25〜400質量部を混合してなる樹脂組成物を押出成形して得られるフィルムに、50〜250kGyの線量の電離性放射線を照射して架橋させてなるベースフィルムの少なくとも一方の面に、加水分解性部位を含むシリル基を分子内に有するフルオロシリコーン化合物及び有機ケイ素化合物を含有する離型組成物を塗布、乾燥して得られるフルオロシリコーン化合物層が形成され、その層厚さが0.05μm〜10μmの範囲にあることを特徴とする離型用フィルム。
(2)エチレン系共重合体ゴムは、40〜90質量%のエチレンと、0.5〜8.0質量%の非共役ジエンとを含み、ムーニー粘度ML1+4(125℃)が10〜100であることを特徴とする(1)に記載の離型用フィルム。
(3)非共役ジエンは、5‐エチリデン‐2‐ノルボルネン(ENB)、1,4‐ヘキサジエン、5‐メチレン‐2‐ノルボルネン(MNB)、1,6‐オクタジエン、5‐メチル‐1,4‐ヘキサジエン、3,7‐ジメチル‐1,6‐オクタジエン、1,3‐シクロペンタジエン、1,4‐シクロヘキサジエン、テトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデン、ジシクロペンタジエンからなる群から選ばれる1つ又は複数であることを特徴とする(2)に記載の離型用フィルム。
(4)ポリエチレン系樹脂は、0.855〜0.925g/cmの密度と、0.5〜10.0g/10分のMFR(190℃/2.16kgf)とを有する直鎖状低密度ポリエチレンであることを特徴とする(1)に記載の離型用フィルム。
(5)樹脂組成物は、さらに、滑剤、ブロッキング防止剤、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、帯電防止剤からなる群から選ばれる1つ又は複数を添加剤として含むことを特徴とする(1)に記載の離型用フィルム。
(6)電離性放射線の照射は、α線、β線、電子線、中性子線、X線、コバルト60線源のγ線からなる群から選ばれる1つを用いて行うことを特徴とする(1)に記載の離型用フィルム。
(7)ベースフィルムは、単層フィルムあるいは2層以上の多層フィルムからなることを特徴とする(1)に記載の離型用フィルム。
(8)離型組成物は、さらに、有機チタン化合物及び有機ジルコニウム化合物からなる群から選ばれる1つ又は複数の化合物を含有してなる組成物であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の離型用フィルム。
(9)離型組成物は、加水分解性部位を含むシリル基を分子内に有するフルオロシリコーン化合物の100質量部に対し、前記有機ケイ素化合物を0.05〜20質量部の範囲に含有してなる組成物であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の離型用フィルム。
(10)離型組成物は、加水分解性部位を含むシリル基を分子内に有するフルオロシリコーン化合物の100質量部に対し、前記有機チタン化合物及び前記有機ジルコニウム化合物からなる群から選ばれる1つ又は複数の化合物を0.05〜20質量部の範囲に含有してなる組成物であることを特徴とする(8)に記載の離型用フィルム。
(11)エチレン系共重合体ゴム100質量部にポリエチレン系樹脂25〜400質量部を混合してなる樹脂組成物を押出成形して得られるフィルムに、電離性放射線を照射して架橋させてなる単層ベースフィルムあるいは2層以上の多層ベースフィルムの厚さが5μm〜500μmの範囲にあることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載の離型用フィルム。
(12)離型用フィルムの動的粘弾性測定において、周波数1Hz、ひずみ0.1%、昇温速度5℃/分の条件下で測定した180℃における損失正接tanδが、離型用フィルムの縦横両方向ともに0.05〜0.20の範囲にあることを特徴とする(1)〜(11)のいずれかに記載の離型用フィルム。
(13)エチレン系共重合体ゴム100質量部にポリエチレン系樹脂25〜400質量部を混合して樹脂組成物を得るステップと、樹脂組成物を押出成形してフィルムを得るステップと、フィルムに50〜250kGyの線量の電離性放射線を照射して架橋させ、ベースフィルムを得るステップと、ベースフィルムの少なくとも一方の面に、加水分解性部位を含むシリル基を分子内に有するフルオロシリコーン化合物及び有機ケイ素化合物を含有する離型組成物を塗布、乾燥して層厚さが0.05μm〜10μmの範囲にあるフルオロシリコーン化合物層形成るステップと、を含むことを特徴とする離型用フィルムの製造方法。
(14)エチレン系共重合体ゴムは、40〜90質量%のエチレンと、0.5〜8.0質量%の非共役ジエンとを含み、ムーニー粘度ML1+4(125℃)が10〜100であることを特徴とする(13)に記載の離型用フィルムの製造方法。
(15)非共役ジエンは、5‐エチリデン‐2‐ノルボルネン(ENB)、1,4‐ヘキサジエン、5‐メチレン‐2‐ノルボルネン(MNB)、1,6‐オクタジエン、5‐メチル‐1,4‐ヘキサジエン、3,7‐ジメチル‐1,6‐オクタジエン、1,3‐シクロペンタジエン、1,4‐シクロヘキサジエン、テトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデン、ジシクロペンタジエンからなる群から選ばれる1つ又は複数であることを特徴とする(14)に記載の離型用フィルムの製造方法。
(16)ポリエチレン系樹脂は、0.855〜0.925g/cmの密度と、0.5〜10.0g/10分のMFR(190℃/2.16kgf)とを有する直鎖状低密度ポリエチレンであることを特徴とする(13)に記載の離型用フィルムの製造方法。
(17)樹脂組成物は、さらに、滑剤、ブロッキング防止剤、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、帯電防止剤からなる群から選ばれる1つ又は複数を添加剤として含むことを特徴とする(13)に記載の離型用フィルムの製造方法。
(18)電離性放射線の照射は、α線、β線、電子線、中性子線、X線、コバルト60線源のγ線からなる群から選ばれる1つを用いて行うことを特徴とする(13)に記載の離型用フィルムの製造方法。
(19)ベースフィルムは、単層フィルムあるいは2層以上の多層フィルムからなることを特徴とする(13)に記載の離型用フィルムの製造方法。
(20)離型組成物は、さらに、有機チタン化合物及び有機ジルコニウム化合物からなる群から選ばれる1つ又は複数の化合物を含有してなる組成物であることを特徴とする(13)〜(19)のいずれかに記載の離型用フィルムの製造方法。
(21)離型組成物は、加水分解性部位を含むシリル基を分子内に有するフルオロシリコーン化合物の100質量部に対し、前記有機ケイ素化合物を0.05〜20質量部の範囲に含有してなる組成物であることを特徴とする(13)〜(20)のいずれかに記載の離型用フィルムの製造方法。
(22)離型組成物は、加水分解性部位を含むシリル基を分子内に有するフルオロシリコーン化合物の100質量部に対して、前記有機チタン化合物及び前記有機ジルコニウム化合物からなる群から選ばれる1つ又は複数の化合物を0.05〜20質量部の範囲に含有してなる組成物であることを特徴とする(20)に記載の離型用フィルムの製造方法。
(23)エチレン系共重合体ゴム100質量部にポリエチレン系樹脂25〜400質量部を混合してなる樹脂組成物を押出成形して得られるフィルムに、電離性放射線を照射して架橋させてなる単層ベースフィルムあるいは2層以上の多層ベースフィルムの厚さが5μm〜500μmの範囲にあることを特徴とする(13)〜(22)のいずれかに記載の離型用フィルムの製造方法。
本発明の離型用フィルムによれば、モールド金型やモールド樹脂を成形加工して得られる成形品との剥離性に優れるとともに、モールド金型への追従性に優れ、耐熱強度をも備えることができる。
本発明の離型用フィルムの一実施形態を示す断面図である。 本発明の離型用フィルムを製造するフィルム製造装置の一実施形態の概略構成を示す図である。 図2に示したフィルム製造装置の材料投入ホッパーの周辺を示す断面図である。
本発明者らは、上記目的を達成するために種々検討した結果、エチレン系共重合体ゴム100質量部にポリエチレン系樹脂25〜400質量部を混合して樹脂組成物を調製し、この樹脂組成物を用いてフィルムを押出成形した後、押出成形したフィルムに電離性放射線を照射して架橋させたベースフィルムの少なくとも一方の面に、加水分解性部位を含むシリル基を分子内に有するフルオロシリコーン化合物を含有する離型組成物を塗布、乾燥して、フルオロシリコーン化合物層を形成することによって、モールド金型やモールド樹脂を成形加工して得られる成形品との剥離性に優れ、しかも、モールド金型への追従性に優れ、さらに耐熱強度をも有する離型用フィルムが得られることを究明した。以下、離型材組成物を塗布する前の、電離性放射線を照射して架橋させた押出成形フィルムをベースフィルムという。
さらに、検討の結果、離型組成物を、加水分解性部位を含むシリル基を分子内に有するフルオロシリコーン化合物の100質量部に対し、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物及び有機ケイ素化合物からなる群から選ばれる1種類の化合物あるいは2種類以上の化合物を合計で0.05〜20質量部の範囲で含有する組成物にすることにより、一層効果的となることを究明し、本発明を完成させるに至った。
エチレン系共重合体ゴムとしては、エチレンとプロピレン、1‐ブテン、1‐ペンテン等のα‐オレフィンとが共重合したエラストマー、あるいはこれらと非共役ジエンとが共重合したエチレン系の共重合体ゴムがあげられる。具体的には、エチレン‐プロピレン共重合体ゴム、エチレン‐プロピレン‐非共役ジエン共重合体ゴム、エチレン‐1‐ブテン共重合体ゴム、エチレン‐1‐ブテン‐非共役ジエン共重合体ゴム、エチレン‐プロピレン‐1‐ブテン共重合体ゴム等があげられる。これらの中では、汎用性の観点からエチレン‐プロピレン‐非共役ジエン共重合体ゴム(EPDM)が好ましい。
エチレン系共重合体ゴムにおける非共役ジエンとしては、5‐エチリデン‐2‐ノルボルネン(ENB)、1,4‐ヘキサジエン、5‐メチレン‐2‐ノルボルネン(MNB)、1,6‐オクタジエン、5‐メチル‐1,4‐ヘキサジエン、3,7‐ジメチル‐1,6‐オクタジエン、1,3‐シクロペンタジエン、1,4‐シクロヘキサジエン、テトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデン、ジシクロペンタジエン等があげられる。
エチレン系共重合体ゴムのムーニー粘度ML1+4(125℃)(ASTM D‐1646)は、10〜100、好ましくは15〜75の範囲が良い。特に、15〜75の範囲であれば、離型用フィルムの弾性変形性と製造時の押出成形の加工性とをバランスさせることができる。また、エチレン系共重合体ゴムのエチレン含有量は、40〜90重量%、好ましくは45〜85重量%の範囲が良い。特に、45〜85重量%の範囲であれば、混合するポリエチレン系樹脂との相溶性と離型用フィルムの弾性変形性とをバランスさせることができる。
エチレン系共重合体ゴムの非共役ジエン含有量は、0.5〜8.0重量%、好ましくは4.0〜8.0重量%の範囲が適切である。特に、4.0〜8.0重量%の範囲であれば、架橋点密度が適当なので、電離性放射線の照射により架橋すると、離型用フィルムの180℃前後の高温での機械的強度、すなわち耐熱強度の向上が可能となる。
ポリエチレン系樹脂は、弾性変形性を有するエチレン系共重合体ゴムに靭性と塑性変形性とを付与する目的で混合される。このポリエチレン系樹脂は、エチレン系共重合体ゴム100質量部に対し、25〜400質量部、好ましくは30〜400質量部、より好ましくは50〜400質量部混合される。
これは、25質量部未満の場合には、ポリエチレン系樹脂の靭性が不足するので、製造時の離型用フィルムの巻取りが不安定になり、製膜安定性を得ることができず、押出成形の加工性が悪化するからである。また、共重合体ゴムの弾性変形性が強すぎ、離型用フィルムのモールド金型に対する追従性が悪化してモールド金型の形状がモールド樹脂に転写されず、成形不良を招くからである。これに対し、400質量部を超える場合には、ポリエチレン系樹脂の塑性変形性が強すぎて離型用フィルムが使用時に裂け、耐熱強度が得られないからである。
ポリエチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンが用いられ、これらの中でも、エチレン系共重合体ゴムとの相溶性及び機械的強度の観点から直鎖状低密度ポリエチレンの使用が好ましい。直鎖状低密度ポリエチレンとは、エチレンと炭素数が4〜12のα‐オレフィンとの共重合体で、チーグラーナッタ系触媒あるいはシングルサイト系触媒を使用して重合されたポリエチレンであるが、共重合体中でα‐オレフィンの分布が均一になる点でシングルサイト系触媒を使用して重合されたポリエチレンであるのが好ましい。エチレンと共重合されるα‐オレフィンの炭素数は、4〜12であり、好ましくは4〜10、より好ましくは4〜8である。
直鎖状低密度ポリエチレンの密度(JIS K 7112)は、0.855〜0.925g/cm、好ましくは0.875〜0.925g/cm、より好ましくは0.895〜0.925g/cm、さらに好ましくは0.905〜0.925g/cmが良い。これは、密度が0.855g/cm未満の場合には、直鎖状低密度ポリエチレンの融点が低くなるので、離型用フィルムが使用時に溶融し、耐熱強度が得られないという理由に基づく。逆に、密度が0.925g/cmを超える場合には、直鎖状低密度ポリエチレンの融点が高くなるので、エチレン系共重合体ゴムとの相溶性が悪化するという理由に基づく。
直鎖状低密度ポリエチレンのMFR(190℃/2.16kgf)(JIS K 6922‐2)は、0.5〜10.0g/10分、好ましくは1.0〜8.0g/10分が良い。これは、0.5g/10分未満の場合には、押出成形時の加工性が悪化したり、エチレン系共重合体ゴムとの相溶性が悪化するという理由に基づく。逆に、10.0g/10分を超える場合には、離型用フィルムが使用時に裂けてしまい、耐熱強度が得られないという理由に基づく。
エチレン系共重合体ゴムにポリエチレン系樹脂を混合して調製される樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲において各種の添加剤が必要に応じて混合される。具体的には、カルシウムステアレート等の滑剤、シリカ等のブロッキング防止剤、ラジカル捕捉剤として機能するフェノール系酸化防止剤、過酸化物分解剤として機能するリン系酸化防止剤、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン、アルキルエーテル等の帯電防止剤等が選択的に混合される。
本発明の離型組成物は、加水分解性部位を含むシリル基を分子内に有するフルオロシリコーン化合物を含有する組成物であって、前記フルオロシリコーン化合物としては、種々の化合物が提案されている。これらのフルオロシリコーン化合物は、金型に塗布されて使用されるのが通常であるが、これらをフィルムの表面に塗布し、フルオロシリコーン化合物層を形成し得たことに本発明の特徴を有する。図1は、このように構成した離型用フィルムの一実施形態を示す断面図である。図中、符号20はベースフィルムであり、符号30は、離型組成物を示している。ここで、ベースフィルム20は、単層フィルムあるいは2層以上の多層フィルムであってもよい。また、離型組成物30は、ベースフィルム20の他方の面に形成されていてもよく、また、両面に形成されていてもよい。
本発明における加水分解性部位を含むシリル基を分子内に有するフルオロシリコーン化合物としては、例えば、下記化学式[1]で表される化合物が挙げられる。
…… [1]
ここで、化学式[1]の式中、R〜R10は、好ましくはC1−20の、より好ましくはC1−20の置換または非置換のアルキル基, またはC6−20の、より好ましくはC6−12の置換または非置換のアリール基である。アルキル基は塩素原子等のハロゲン原子で置換されてもよい。アリール基は、塩素原子等のハロゲン原子、または、例えば、メチル基等のC1−10のアルキル基で置換されてもよい。R〜R10は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基及びドデシル基等の非置換アルキル基;クロロメチル基等の置換アルキル基、フェニル基及びナフチル基等の非置換アリール基;4−クロロフェニル基及び2−メチルフェニル基等の置換アリール基が含まれる。それらの中でも、アルキル基、特に非置換アルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
及びR10は、Rf−X−、またはZ−Y−であってもよく、X及びYは、それぞれ同一または異なってもよく、2価の有機基で構成される。また、Rfは、C1−6のフルオロアルキル基であり、Zは、加水分解性部位を含むシリル基である。
X及びYは、好ましくはC1−20の、より好ましくはC1−12の2価の有機基である。2価の有機基の例は、好ましくはC1−12のアルキレン基、例えば、エチレン基、プロピレン基、メチルエチレン基、オクチレン基及びデシレン基、並びに、好ましくはC2−12のアルキレンオキシアルキレン基、例えば、エチレンオキシメチレン基、プロピレンオキシメチレン基、プロピレンオキシエチレン基及びエチレンオキシブチレン基である。さらに、Xは、好ましくはC1−12のアルキレンアミド基、例えば、エチレンアミド基、プロピレンアミド基及びデシレンアミド基等である。好ましくは、X及びYは、−(CH)r−である。ここで、式中、rは2〜200、特に2〜12である。
Rfは、フルオロアルキル基、好ましくはパーフルオロアルキル基であって、1〜6個の炭素原子、例えば、1〜5個の炭素原子、特に1〜4個の炭素原子を含む。Rfは、具体的には、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、2−トリフルオロメチル−パーフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基及びパーフルオロヘキシル基であり、ペンタフルオロエチル基が好ましい。
Zは、例えば、1〜60の炭素数を有してよい加水分解性部位を含むシリル基である。Zは、−Si(R11)q(X’)−q(R11)は炭素数1〜20の、好ましくは1〜4の炭素原子を有するアルキル基、X’は加水分解性部位、qは0、1または2である。)であってよい。また、Zは、−(Si(R11)O)r−Si(R11)q(X’)(R11)は炭素数1〜20の、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基であり、X’は加水分解性部位であり、rは1〜200である。)であってよい。R11は、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基またはドデシル基であってよく、最も好ましくはメチル基である。加水分解性部位であるX’は、例えば、塩素及び臭素等のハロゲン;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、メトキシエトキシ基及びブトキシ基等の好ましくは1〜12の炭素原子を有するアルコキシ基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基及びベンゾイルオキシ基等の好ましくは1〜12の炭素数を有するアシルオキシ基;イソプロペニルオキシ基及びイソブテニルオキシ基等のアルケニルオキシ基;ジメチルケトキシム基、メチルエチルケトキシム基、ジエチルケトキシム基及びシクロヘキサンオキシム基等の好ましくは1〜12の炭素原子を有するイミノオキシム基;エチルアミノ基、ジエチルアミノ基及びジメチルアミノ基等の好ましくは1〜12の炭素原子を有し、及び少なくとも1つのアルキル基で置換された置換アミノ基;N−メチルアセトアミド基及びN−エチルアセトアミド基等の好ましくは1〜12の炭素原子を有するアミド基;ジメチルアミンオキシ基及びジエチルアミンオキシ基等の好ましくは1〜12の炭素原子を有し、及び少なくとも1つの、好ましくは1〜4の炭素原子を有するアルキル基で置換された置換アミンオキシ基を含む。
ここで上述のmは1〜100、nは1〜50及びoは0〜200である。好ましくは、mは1〜50、nは3〜20、及びoは0〜100である。より好ましくは、mは2〜50、nは3〜20、及びoは1〜100とすることができる。
上記の化合物の具体例としては、化学式[2]で表される化合物であって、その中で、Aが-(CH)OCHCFCFあるいは-(CH)OCHCHCFCFCFCF、Bが-(CH)Si(OCH)からなる化合物が挙げられる。
…… [2]
ここで、式中、Meはメチル基を意味する。xは1〜100、yは1〜50及びzは0〜200である。
また、本発明では、上述したフルオロシリコーン化合物(加水分解性部位を含むシリル基を分子内に有する)が化学式(3)で表される化合物であってもよい。
…… [3]
化学式[3]の化合物は、主鎖のケイ素原子に結合する、一般式:−R1−SiR (3−m)で示されるシリルアルキレン基と、一般式:−R−C(2n+1)で示される含フッ素有機基とを、1分子中にそれぞれ1個以上有する。上式中、R1はアルキレン基またはアルキレンオキシアルキレン基であり、アルキレン基としては、例えば、エチレン基,メチルエチレン基,エチルエチレン基,プロピルエチレン基,ブチルエチレン基,プロピレン基,ブチレン基,1−メチルプロピレン基,ペンチレン基,ヘキシレン基,ヘプチレン基,オクチレン基,ノニレン基,デシレン基が挙げられる。アルキレンオキシアルキレン基としては、例えば、エチレンオキシエチレン基,エチレンオキシプロピレン基,エチレンオキシブチレン基,プロピレンオキシエチレン基,プロピレンオキシプロピレン基,プロピレンオキシブチレン基,ブチレンオキシエチレン基,ブチレンオキシプロピレン基が挙げられる。Rは、同一あるいは異なるアルキル基,アリール基及び3,3,3−トリフルオロプロピル基からなる群から選択される基である。アルキル基としては、例えば、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基,ヘプチル基,オクチル基,ノニル基,デシル基,ヘキサデシル基,オクタデシル基が挙げられる。アリール基としては、例えば、フェニル基,トリル基,キシリル基が挙げられる。Xは、ハロゲン原子またはアルコキシ基である。ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子,塩素原子,臭素原子が挙げられ、アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基,エトキシ基,プロポキシ基,ブトキシ基,メトキシエトキシ基が挙げられる。ここで、mは1〜3の整数である。nは4以上の整数であり、好ましくは4〜12の整数である。上式で示される含フッ素有機基としては、例えば、ノナフルオロヘキシル基,トリデカフルオロイソオクチル基,トリデカフルオロオクチル基,ヘプタデカフルオロデシル基,ノナフルオロブチルエチルオキシエチル基,ノナフルオロブチルエチルオキシプロピル基,ノナフルオロブチルエチルオキシブチル基,ウンデカフルオロペンチルエチルオキシエチル基,ウンデカフルオロペンチルエチルオキシプロピル基が挙げられる。上式で示されるシリルアルキレン基及び含フッ素有機基の結合位置は分子鎖末端でも側鎖でもその両方でもよい。これらの基以外のケイ素原子に結合する基としては、例えば、一価炭化水素基が挙げられ、具体的には上記Rで例示された基が挙げられる。主鎖を構成するオルガノポリシロキサンは直鎖状であることが好ましい。しかし、一部が分岐状,環状,網状であってもよい。このオルガノポリシロキサンは常温で液体であることが好ましく、25℃における好ましい粘度は5〜100,000センチストークスの範囲である。本成分としては上記オルガノポリシロキサンを1種類で使用してもよく、また2種類以上混合したものを使用してもよい。
式中、Rは、同一あるいは異なるアルキル基,アリール基,3,3,3−トリフルオロプロピル基及び一般式:−R−C(2n+1)で示される含フッ素有機基からなる群から選択される基であり、このうち少なくとも1つは上式で示される含フッ素有機基である。アルキル基,アリール基及び含フッ素有機基としては前記と同様の基が挙げられる。R,R,X,m及びnは上述したと同様である。ここで、dは1〜10,000の整数であり、好ましくは1〜1,000の整数である。また、eは1〜1,000の整数であり、好ましくは1〜100の整数である。
本発明においては、上述のフルオロシリコーン化合物(加水分解性部位を含むシリル基を分子内に有する)の中で、化学式[2]で表される化合物が好適に使用される。
本発明で適用される離型組成物は、加水分解性部位を含むシリル基を分子内に有するフルオロシリコーン化合物を含まなければならない。離型組成物として、仮に、分子内に加水分解性部位を含むシリル基を含有しないフルオロシリコーン化合物を使用した場合、離型用フィルムとして使用される際、成形品が離型用フィルムから剥離すると、離型組成物もフィルム表面から剥がれて成形品の表面に移行し、成形品を汚染する不具合が生じるからである。これに対し、分子内に加水分解性部位を含むシリル基を有するフルオロシリコーン化合物を用いた場合、フィルム表面と架橋して化学結合を形成するので、使用の際、離型組成物がフィルム表面から剥がれて成形品の表面を汚染する不具合を回避できる。なお、本発明における加水分解性部位を含むシリル基を分子内に有するフルオロシリコーン化合物は、上記に記載したのみに限定されることはなく、例えば、化学式[4]及び化学式[5]で表される化合物が挙げられる。
…… [4]
ここで、式中、qは、1〜3の整数である。m、n及びoは、それぞれ0〜200の整数である。pは、1または2である。Xは、酸素または二価の有機基である。rは、2〜20の整数である。Rは、C1−22の直鎖または分岐の炭化水素基である。aは0〜2の整数である。X’は、加水分解性基である。並びに、aが、0または1である場合に、zは、0〜10の整数である。
…… [5]
ここで、式中、qは、1〜3の整数である。m、n及びoは、それぞれ0〜200の整数である。pは、0、1または2である。Xは、酸素または二価の有機基である。X”は、二価の有機シリコーンスペーサー基である。X’は、加水分解性基である。並びに、aが、0または1である場合に、zは、0〜10の整数である。
上述のフルオロシリコーン化合物(加水分解性部位を含むシリル基を分子内に有する)は、有機溶媒等に溶解させて、溶液として使用するのが好ましい。溶媒の具体例としては、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、オクタン及びイソオクタン等の脂肪族飽和炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン及びジメチルシクロヘキサン等の脂肪族系溶媒、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族系溶媒、酢酸エチル及び酢酸ブチル等のエステル系溶媒、エタノール及びイソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒、トリクロロエチレン、クロロホルム及びm−キシレンヘキサクロリド等の塩素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル及びテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、メチルパーフルオロブチルエーテル及びエチルパーフルオロブチルエーテル等のフッ素系溶媒、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン及びヘプタメチルトリシロキサン等のシリコーン系溶媒等が挙げられる。
上述の離型組成物は、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物及び有機ケイ素化合物を含有してもよい。これらの化合物は、フィルム表面とフルオロシリコーン化合物(加水分解性部位を含むシリル基を分子内に有する)との架橋剤としての機能と、フルオロシリコーン化合物(加水分解性部位を含むシリル基を分子内に有する)同士の架橋硬化剤としての機能を有する。また、これらの化合物は、1つ又は複数の組み合わせで用いることができる。
ここで、有機チタン化合物は、例えば、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)、チタンジオクチロキシビス(オクチレングリコレート)、チタンテトラアセチルアセトネート及びチタンジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)等のチタンキレート類や、チタンテトラ-2-エチルヘキソキシド、チタンブトキシダイマー、チタンテトラノルマルブトキシド及びチタンテトライソプロポキシド等のチタンアルコキシド類が挙げられ、化合物自体の安定性、架橋速度及び架橋硬化速度等を考慮して適宜選択して用いることができる。これらの中では、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)、チタンテトラ-2-エチルヘキソキシド及びチタンテトライソプロポキシド等が好ましく用いられる。
また、有機ジルコニウム化合物は、例えば、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムモノブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムトリブトキシモノアセチルアセトネート及びジルコニウムテトラアセチルアセトネート等のジルコニウムキレート類や、ジルコニウムテトラノルマルブトキシド及びジルコニウムテトラノルマルプロポキシド等のジルコニウムアルコキシド類が挙げられ、化合物自体の安定性、架橋速度及び架橋硬化速度等を考慮して適宜選択して用いることができる。
上述の有機チタン化合物及び有機ジルコニウム化合物は、主としてベースフィルム表面とフルオロシリコーン化合物(加水分解性部位を含むシリル基を分子内に有する)との架橋剤としての機能を発揮する。その添加量は、フルオロシリコーン化合物(加水分解性部位を含むシリル基を分子内に有する)の100質量部に対して、0.05〜20質量部の範囲で、好ましくは0.1〜15質量部の範囲で、より好ましくは0.1〜10質量部の範囲で添加すればよい。この場合、仮に、添加量が0.05質量部未満では、ベースフィルム表面とフルオロシリコーン化合物(加水分解性部位を含むシリル基を分子内に有する)との架橋が不足するので好ましくない。また、仮に、20質量部を超えて添加した場合、ベースフィルム表面とフルオロシリコーン化合物(加水分解性部位を含むシリル基を分子内に有する)との架橋は十分であり、未反応の有機チタン化合物あるいは有機ジルコニウム化合物、あるいはその両方が残存し得るので好ましくない。
有機ケイ素化合物は、一般にシランカップリング剤と称せられる化合物を使用できる。有機ケイ素化合物は、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン及びN−(p−ビニルベンジル)−N−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン等のアミノ基含有シランカップリング剤、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン及び2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有シランカップリング剤、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン及びビニルトリクロルシラン等のビニル基含有シランカップリング剤、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン及び3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等のメタクリル基含有シランカップリング剤、3−メルカプトプロプルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロプルトリエトキシシラン及び3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプト基含有シランカップリング剤、アリルトリメトキシシラン及びジアリルジメチルシラン等のアリル基含有シランカップリング剤、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド及びビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド等のスルフィド基含有シランカップリング剤が挙げられる。これらの化合物の中ではアミノ基含有シランカップリング剤、エポキシ基含有シランカップリング剤が好ましく、より好ましくは、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン及び3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランであり、さらに好ましくは、3−アミノプロピルトリメトキシシラン及び3−アミノプロピルトリエトキシシランである。
有機ケイ素化合物は、主としてフルオロシリコーン化合物(加水分解性部位を含むシリル基を分子内に有する)同士の架橋硬化剤としての機能を発揮する。その添加量は、フルオロシリコーン化合物(加水分解性部位を含むシリル基を分子内に有する)の100質量部に対して、0.05〜20質量部の範囲で、好ましくは0.1〜15質量部の範囲で、さらに好ましくは0.1〜10質量部の範囲で添加すればよい。この場合、仮に、添加量が0.05質量部未満では、フルオロシリコーン化合物(加水分解性部位を含むシリル基を分子内に有する)の硬化が不足するので好ましくない。また、仮に、20質量部を超えて添加しても、フルオロシリコーン化合物(加水分解性部位を含むシリル基を分子内に有する)の架橋硬化は十分となっており、未反応の有機ケイ素化合物が残存し得るので好ましくない。
本出願における離型組成物は、有機チタン化合物及び有機ジルコニウム化合物からなる群から選ばれる1種類の化合物あるいは2種類以上の化合物と、有機ケイ素化合物を併用することが望ましい。有機チタン化合物及び有機ジルコニウム化合物は、主としてベースフィルム表面とフルオロシリコーン化合物(加水分解性部位を含むシリル基を分子内に有する)との架橋を促進し、また、有機ケイ素化合物は、主としてフルオロシリコーン化合物(加水分解性部位を含むシリル基を分子内に有する)の架橋硬化を促進する。このため、これらを併用することにより、ベースフィルム表面とフルオロシリコーン化合物(加水分解性部位を含むシリル基を分子内に有する)とが架橋した状態で、フルオロシリコーン化合物(加水分解性部位を含むシリル基を分子内に有する)同士が架橋し、網目構造を形成する。これにより、離型用フィルムとして使用される際に、ベースフィルムが伸ばされても、フルオロシリコーン化合物からなる塗膜がベースフィルムに追随して伸び、かつ、塗膜が破壊されることなく保たれるので、モールド樹脂に対する剥離性が維持され、しかも、塗膜を形成したフルオロシリコーン化合物が成形品に移行することがなくなる。また、製造段階では、塗布後の乾燥時間を短縮できるという副次的な効果も得られる。
上述した、エチレン系共重合体ゴム100質量部にポリエチレン系樹脂25〜400質量部を混合して調製した樹脂組成物は、例えば溶融押出法や溶融キャスト法等、従来の公知の方法によって成形することができる。
以下の例では、例えばTダイスを用いた溶融押出法によりベースフィルムを成形する方法を挙げる。
このような方法で得られるベースフィルムは、100質量部にポリエチレン系樹脂25〜400質量部を混合して調製した樹脂組成物を、単軸押出機あるいは二軸押出機等の押出機を使用し、樹脂組成物の特性に応じて押出機内及び成形材料間の間隙に存在する空気を窒素ガスで置換した雰囲気下において、溶融混練し、押出機先端に配置されたTダイス先端のリップ部から溶融押し出されたフィルムを引取機内の圧着ロールと冷却ロールとの間に挟んで冷却した後、電離性放射線を照射し、次いで巻取機で巻取管に順次巻取ることにより得られる。
図2は、上述の方法でベースフィルムを製造するフィルム製造装置の概略を示した構成図である。また、図3は、図2に示したフィルム製造装置の材料投入ホッパーの周辺の断面図である。図2において、フィルム製造装置は、大略、材料投入ホッパー2、押出機1、Tダイス7、引取機11、巻取機15を備えて構成される。材料投入ホッパー2は、成形材料を投入するようになっており、図3に示すように、材料投入ホッパー2の押出機1に接続される途中において、窒素ガス供給用パイプ3がスペーサー3aを介して挿入されている。また、窒素ガス供給用パイプ3は、材料投入口1cのほぼ中心軸に沿うように屈曲され、その先端は押出機1内の押出スクリュー1aの外周近傍まで延設されている。材料投入ホッパー2から投入される成形材料中あるいは押出機1内に含まれる酸素は、押出機1の押出スクリュー1aで成形材料が混合、撹拌される際に、窒素ガス供給用パイプ3に供給される窒素ガスで置換されるようになる。
押出機1は、成形材料を押出スクリュー1aによって混合、撹拌しながら矢印B方向に搬送させ、押出機1のシリンダー1b内に組み込まれた電熱手段によって、成形材料を加熱、溶融する。このように溶融されて搬送される成形材料は、図2に示す接続管4を介してフィルター手段5に送給される。そして、フィルター手段5によって、未溶融の成形材料を分離し、溶融された成形材料をギヤポンプ6へ送給する。ギヤポンプ6では、溶融された成形材料の圧力を高めながらTダイス7に溶融成形材料を押し出す。Tダイス7では、所定圧力で溶融成形材料を押し出し、Tダイス7のリップ部7aから所定厚み、所定幅のフィルム8を成形する。このようにして成形されたフィルム8は、引取機11の冷却ロール10の外周面上に引き取られながら圧着ロール9で所定厚みに調整され、さらに、冷却、固化され、搬送ロール対12、13で巻取機15に搬送される。
巻取機15では、フィルム8は、案内ロール15a、15b、15cで案内されて巻取管16によって巻き取られる。なお、搬送ロール対12、13と案内ロール15aとの間には、厚さ測定器14が配設されており、所望の厚さとなるように、厚さ測定器14で測定された厚さに基づいて、冷却ロール10の周速度を調整、制御するようになっている。
押出成形されたフィルムは、電離性放射線を照射して架橋させてベースフィルムとすることにより、離型用フィルムの180℃前後の高温での機械的強度、すなわち耐熱強度が向上し、さらには好適な粘弾性が付与される。電離性放射線としては、α線、β線、電子線、中性子線、X線、コバルト60線源のγ線等があげられるが、一般的には電子線とγ線が良い。電離性放射線は、公知の方法で照射することができる。例えば、本発明の一実施形態においては、図2の電離性放射線照射装置17で示したように、押出成形時のインラインで電離性放射線としての電子線を押出成形されたフィルムに連続的に照射してベースフィルムとしているが、巻き取られたフィルムに対してオフラインでバッチ式に電離性放射線を照射してもよい。
放射線の線量は、50〜250kGy、好ましくは100〜200kGyが良い。これは、放射線の線量が50kGy未満の場合には、線量が不足して架橋が不十分となり、離型用フィルムに必要な耐熱強度を得ることができないからである。逆に、放射線の線量が250kGyを超える場合には、フィルム内でエチレン系共重合体ゴム及びポリエチレン系樹脂の分子鎖切断が架橋反応を上回るため、劣化が生じ、離型用フィルムが使用時に裂けてしまうからである。
本発明においては、ベースフィルムとして、単層のフィルムを例示したが、押出成形の際に他の樹脂組成物と共押し出しされて多層フィルムに成形されたり、押出成形されたフィルムに他の樹脂組成物からなるフィルムがラミネートされ、このラミネートされた積層体に電離性放射線が照射されることにより多層フィルムに製造されるものでも良い。この場合に用いられる樹脂組成物としては、芳香族ポリエステルとポリエーテルとからなる樹脂を含有する樹脂組成物が好適である。
芳香族ポリエステルとポリエーテルとからなる樹脂を含有する樹脂組成物とは、ポリエステル・ポリエーテル共重合体を必須成分とする組成物であり、芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体と、低分子量脂肪族ジオール及び高分子量ジオールとを用いてエステル化反応させた後、重縮合反応により製造される。
芳香族ジカルボン酸の具体例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、フタル酸、ナフタレン‐2,6‐ジカルボン酸、ナフタレン‐2,7‐ジカルボン酸等があげられ、これらのエステル形成性誘導体としては、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、オルトフタル酸ジメチル等があげられる。これらは、単独又は2種類以上の組み合わせで用いられるが、特にはテレフタル酸、及び又はそのエステル形成性誘導体が好ましい。
低分子量脂肪族ジオールの具体例としては、エチレングリコール、1,3‐プロパンジオール、1,3‐ブタンジオール、1,4‐ブタンジオール、トリメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール等があげられる。これらは、単独又は2種類以上の組み合わせで用いられるが、特には1,4‐ブタンジオールが良い。
高分子量脂肪族ジオールの具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール等があげられる。これらは、単独又は2種類以上の組み合わせで用いられるが、特にはポリテトラメチレングリコールが好ましい。
上記成分からなるポリエステル・ポリエーテル共重合体の具体例としては、テレフタル酸ブタンジオールポリテトラメチレングリコール重合体、テレフタル酸ブタンジオールポリプロピレングリコール重合体等があげられる。これらの樹脂組成物は、ポリエーテル骨格を主鎖中に含まない結晶性芳香族ポリエステルからなる結晶相と、ポリエーテル骨格を主鎖中に有するポリエステルからなる非晶相とを有することで、高融点でありながら柔軟性を有する特徴がある。
ポリエステル・ポリエーテル共重合体の融点は、離型用多層フィルムの耐熱性の観点から160℃以上、好ましくは165℃以上、より好ましくは170℃以上、さらに好ましくは180℃以上が良い。これは、融点が160℃未満の場合には、使用時にフィルムの溶融を招くという理由に基づく。
芳香族ポリエステルとポリエーテルとからなる樹脂を含有する樹脂組成物製のベースフィルムを用いた離型フィルムは、高温での柔軟性の他、引張弾性率が良く、モールド金型に対して優れた剥離性を有する。
ベースフィルムは、成形品の表面形状に応じて、フィルムの表面形状を形成すればよい。例えば、ICやLSI等はその表面に微細な凹凸を形成させるので、ベースフィルムの表面に微細な凹凸を形成した離型用フィルムを用いる。また、LED等でその表面が鏡面となる場合、ベースフィルムの表面を鏡面にした離型用フィルムを用いる。
ベースフィルムの表面形状を形成する方法としては、表面に微細な凹凸を形成する場合は、前述した金属製の冷却ロールの外周面に微細な凹凸を形成しておき、該冷却ロールに溶融状態にあるフィルムを圧着ロールで圧着する際、冷却ロールの外周面に形成された微細な凹凸をフィルム表面に転写させる方法が簡便でよい。また、表面を鏡面にする場合は、前述した金属製の冷却ロールの表面を鏡面にしておき、該冷却ロールに溶融状態にあるフィルムを圧着ロールで圧着し、ベースフィルムの表面を鏡面に整面するのが簡便となる。
その後、ベースフィルムの少なくとも一面に離型組成物を塗布、乾燥して、フルオロシリコーン化合物層を形成する。離型組成物の塗布には、従来公知の塗布方式を用いることができる。例えば、バーコータ、リバースロールコータ、正回転ロールコータ、グラビアコータ、キスコータ、キャストコータ、スプレイコータ、カーテンコータ、ダイコータ、エアードクターコータ、ブレードコータ、ロッドコータ、ナイフコータ、スクイズコータ、含浸コータ等から適宜選択して用いることができる。
本発明の離型用フィルムは、ベースフィルムの厚さが5μm〜500μmの範囲であり、好ましくは10μm〜400μmの範囲であって、使用するモールド金型の形状に応じて適宜選択すればよい。ベースフィルムの厚さを5μm未満とした場合、使用時にモールド金型に追従した際、離型用フィルムが伸ばされて薄くなって裂けたり、モールド樹脂の圧力で破れたりする不具合があるので好ましくない。また、500μmを超える場合、離型用フィルムの厚さが障害になり、微細な構造を有するモールド金型に追従できなくなったり、モールド金型の複雑な形状が成形品に転写されなくなる不具合があるので好ましくない。また、フルオロシリコーン化合物層の厚さは0.05μm〜10μmの範囲であり、好ましくは0.1μm〜5μmの範囲である。フルオロシリコーン化合物層の厚さを0.05μm未満とした場合、使用時にモールド金型に追従した際、フルオロシリコーン化合物層が破壊されて剥離性を失う不具合があるので好ましくない。また、10μmを超えた場合、さらなる剥離性の向上は期待できず、塗布後の乾燥に長時間を要するようになるので、生産性が低下するので好ましくない。さらに、フルオロシリコーン化合物層自体の柔軟性により、成形品の平面部にうねりが発生する不具合があるので好ましくない。
以下、本発明の離型用フィルムの実施例1〜13を表1〜3を用いて説明する。
表1では表中横方向に実施例1〜5の各内容を、表2では表中横方向に実施例6〜10の各内容を、表3では表中横方向に実施例11〜13の各内容を示している。また、表1、2及び3では、それぞれ、表中縦方向に、順次、ベースフィルム、離型組成物、離型用フィルム評価を分類させて示している。ベースフィルムの項には、エチレン系共重合体ゴムとポリエチレン系樹脂の配合量、ベースフィルム厚さ、電離性放射線の種類と線量を分類させて示し、離型組成物の項には、組成、ウェット膜厚、乾燥後膜厚を分類させて示している。なお、組成の項では、固形分(質量部)、有機チタン化合物(質量部)、有機ジルコニウム化合物(質量部)、有機ケイ素化合物(質量部)を分類させて示している。離型用フィルム評価の項には、追従性、耐熱強度、水蒸気バリア性、剥離性、及び実使用性を分類させて示している。また、追従性の項には縦横両方向のtanδを示し、耐熱強度の項には、縦、横方向のそれぞれのE’(Pa)を示し、水蒸気バリア性の項には水蒸気透過率を示し、剥離性の項には乾燥2分、乾燥5分、乾燥10分、乾燥15分を分類させて示している。なお、本発明に係わる離型用フィルムは実施例1ないし実施例13に何ら限定されるものではない。
ここで、表1〜3に示すエチレン系共重合体ゴム、ポリエチレン系樹脂、フルオロシリコーン化合物、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機ケイ素化合物は、次に示す材料が用いられている。なお、表4、5は、本発明の実施例と対応させた比較例(比較例1〜10)をそれらの評価とともに示したものである。
(エチレン系共重合体ゴム)
Nordel IP 4770R:商品名、デュポン ダウ エラストマー社製、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム、ムーニー粘度ML1+4(125℃):70、エチレン含有量:70質量%、非共役ジエン含有量:4.9質量%
(ポリエチレン系樹脂)
ハーモレックス NF444A:商品名、日本ポリエチレン社製、エチレン−1−ヘキセン共重合体の直鎖状低密度ポリエチレン、密度:0.912g/cm、MFR(190℃/2.16kgf):2.0g/10分
(フルオロシリコーン化合物)
上述した化学式[2]において、Aが-(CH)OCHCFCF、Bが-(CH)Si(OCH)であって、xが21、yが5及びzが38であるフルオロシリコーン化合物を調製、使用した。
(有機チタン化合物)
オルガチックスTC-750:商品名、マツモト交商社製、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)
(有機ジルコニウム化合物)
オルガチックスZC-580:商品名、マツモト交商社製、ジルコニウムジブトキシビス(エチルアセトアセテート)
(有機ケイ素化合物)
KBM−903:商品名、信越化学工業社製、3−アミノプロピルトリメトキシシラン
以下、表1〜3に基づき、ベースフィルムの作製、離型組成物の調製、離型組成物の塗布と乾燥、追従性、耐熱強度、水蒸気バリア性、剥離性及び実使用性について詳述する。なお、これらの項目は、表4、5の比較例1〜10においても同様に適用される内容となっている。
(ベースフィルムの作製)
樹脂組成物をφ40mm、L/D=25の単軸押出機(アイ・ケー・ジー社製)に供給し、圧縮比2.5のフルフライト押出スクリューを使用してシリンダー温度160℃〜220℃の条件下で溶融混練し、幅400mmのTダイスからダイス温度220℃〜240℃の条件下で連続的に押し出した。実施例1〜6、8〜13、及び比較例2〜8、10においては、この押し出ししたフィルムを引取機内の圧着ロールと冷却ロールとの間に挟んで冷却した後、電離性放射線照射装置で所定の線量の電子線を連続的に照射して架橋し、次いで、巻取機において両端部をスリット刃で裁断し、巻取管に巻き取ることにより、表1〜3に記載の厚さで、幅250mm、長さ50mのベースフィルムを製造した。
実施例7においては、冷却直後のフィルムに放射線を照射するのではなく、冷却したフィルムを巻取機で巻取コアに巻き取った後、この巻き取ったフィルムにコバルト60線源のγ線をバッチ式に照射して架橋し、ベースフィルムとした。また、比較例1、9においては電離性放射線の照射は行っていない。
(離型組成物の調製)
上記のフルオロシリコーン化合物をイソプロピルアルコールで希釈し、固形分濃度が10質量%の溶液を調製した。次いで、この溶液の固形分に対して、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機ケイ素化合物を表1〜5に記載した組成で添加し、それぞれ離型組成物を調製した。
(離型組成物の塗布と乾燥)
作製したベースフィルムの片面に、離型組成物をバーコータを用いて表1〜5に記載のウェット膜厚になるよう塗布した。バーコータは、所望のウェット膜厚が得られるよう番線番号を選択した。次いで、150℃に調節した排気口付き熱風オーブン中で、乾燥した。乾燥時間は2分、5分、10分及び15分として、それぞれ離型用フィルムを作製した。ここで、表1〜5に記載した乾燥後膜厚は、ウェット膜厚と離型組成物の固形分濃度から算出した計算値である。
(モールド金型への追従性)
追従性は、ベースフィルムの動的粘弾性測定における温度180℃でのフィルム縦横両方向の損失正接tanδにより評価する。この理由は、一般的に、モールド成形装置内に取り付けられている離型用フィルムは、160℃〜180℃に温調されたモールド金型に入り、真空で吸引されてモールド金型に密着するため、180℃における動的粘弾性挙動が追従性の指標として好適であることに基づく。ここで、損失正接tanδは、動的粘弾性測定における貯蔵弾性率E’と損失弾性率E”との比E”/E’である。
具体的には、レオメトリックス社製SOLIDS ANALYZER RSAII(商品名)を使用して、周波数1Hz、ひずみ0.1%、昇温速度5℃/minの条件下で測定された、温度180℃におけるフィルム縦横両方向の損失正接tanδであり、貯蔵弾性率E’が1.0×10Pa以上の場合に、損失正接tanδは0.05〜0.20が好ましく、より好ましくは0.06〜0.15である。これは、損失正接tanδが0.05未満の場合には、離型用フィルムの弾性変形の割合が強くなり過ぎ、モールド金型への追従性が不十分になるからである。反対に、0.20を超える場合には、モールド金型への追従性は十分であるが、塑性変形の割合が強くなり過ぎ、フィルムに弛みや皺が発生するので、これらが成形品の表面に転写されて成形不良の発生を招くからである。
さらに、本発明では、tanδは、フィルム縦横両方向ともに0.05〜0.20の範囲にあることが重要である。これは、離型用フィルムは、モールド金型内ではフィルムの縦横両方向に伸ばされるからである。
(耐熱強度)
さらに、耐熱強度の点で、貯蔵弾性率E’は、フィルム縦横両方向ともに5.0×10Pa以上でなければならない。貯蔵弾性率E’が5.0×10Pa未満では、使用時にモールド樹脂の圧力によってフィルムが破れ、耐熱強度が不足するからである。
(水蒸気バリア性)
水蒸気バリア性については、水蒸気透過率で評価した。この水蒸気透過率は、JIS
Z0208で測定した値であり、100g/m・24h以下、好ましくは60g/m・24h以下、より好ましくは40g/m・24h以下が良い。これは、水蒸気透過率が100g/m・24hを超える場合には、水蒸気バリア性が不十分になり、モールド樹脂から発生した水蒸気が離型用フィルムを透過して金型の汚染を招くからである。
(剥離性)
剥離性は、離型用フィルムとモールド樹脂として使用されるエポキシ樹脂とのの剥離性を評価した。離型用フィルムの離型組成物を塗布したフィルム面上にエポキシ樹脂封止材KMC−3580(信越化学工業社製)を置き、これらを、内面がハードクロムメッキされた2枚の平板金型に挟持させて熱プレス成形し、成形した積層品の、離型用フィルムとエポキシ樹脂との剥離性を評価した。
熱プレス成形は、温度180℃、圧力50kg/cm、3分間の条件で実施した。また、剥離性の評価は、固化したエポキシ樹脂がフィルム上に残ることなく剥離できた場合は「○」、固化したエポキシ樹脂が離型用フィルム上に残存した場合は「×」として示した。
(実使用性)
実使用性については、モールド成形装置で樹脂モールド成形することにより確認・評価した。具体的には、モールディング装置として、アピックヤマダ社製のモールド成形装置G-LINE manual press(商品名)を用い、モールド樹脂としてエポキシ樹脂封止材KMC−3580(信越化学工業社製)を用い、実使用性を目視により確認した。
実使用性の評価は、成形品に平面部のうねり等の成形不良がなく、離型用フィルムに裂け、破れ、モールド樹脂の残りがなく、モールド金型に汚れがなかった状態を○、どれかに不具合があった場合を「×」とした。
表4、5に示した比較例1〜10に関する結果から、以下のことが明らかになった。(A)エチレン系共重合体ゴム100質量部に対し、ポリエチレン系樹脂15質量部と、ベースフィルムの樹脂組成物におけるポリエチレン系樹脂含有量が少ない比較例1においては、フィルムの製造すなわち製膜が不能であった。(B)エチレン系共重合体ゴム100質量部に対し、ポリエチレン系樹脂420質量部と、ベースフィルムの樹脂組成物におけるポリエチレン系樹脂含有量が多い比較例2においては、剥離性が得られなかった。(C)電子線照射線量が30kGyと少ない比較例3においては、追従性、耐熱強度及び剥離性の測定が不能であった。(D)電子線照射線量が270kGyと多い比較例4においては、剥離性の測定が不能であった。(E)離型組成物の組成において、固形分100質量部に対し、有機チタン化合物0.01質量部を含有する比較例5、有機ジルコニウム化合物0.01質量部を含有する比較例6、有機チタン化合物0.01質量部及び有機ジルコニウム化合物0.01質量部を含有する比較例7と、有機チタン化合物及び/又は有機ジルコニウム化合物の含有量が少なく、有機ケイ素化合物を含有しない比較例5〜7においては、剥離性は得られなかった。(F)離型組成物のウェット膜厚が120μm、乾燥後膜厚が12μmと、共に厚い比較例8においては剥離性が得られなかった。(G)電離性放射線を照射しない、厚さ50μm旭硝子社製ETFEフィルム、アフレックス(商品名)をベースフィルムに使用し、離型組成物を塗布しない比較例9においては、追従性が劣り、実使用性が得られなかった。(F)離型組成物としてダイキン工業製離型剤、ダイフリーGF−6332(商品名、固形分濃度3質量%)を使用した比較例10においては、剥離性が得られなかった。
これに対し、表1〜3に示した実施例1〜13に関する結果から、以下のことが明らかとなった。(い)離型組成物に有機ケイ素化合物を含有しない実施例8〜10においては、離型組成物の塗布乾燥後2分及び5分では剥離性が得られないものの、塗布乾燥後10分及び15分では剥離性が得られている。(ろ)離型組成物のウェット膜厚が40μm、乾燥後膜厚が4μmと、共にやや厚い実施例13においては、離型組成物の塗布乾燥後2分及び5分では剥離性が得られないものの、塗布乾燥後10分及び15分では剥離性が得られている。(に)実施例1〜7、11、12においては、剥離性が得られている。(ほ)実施例1〜13のすべてにおいて、追従性、耐熱強度、水蒸気バリア性及び実使用性が得られている。
表1〜3に示した実施例1〜13に関する結果、及び表4、5に示した比較例1〜10に関する結果から、本発明によれば、モールド樹脂を成形加工して得られる成形品との剥離性に優れ、しかも、モールド金型への追従性にも優れる上、耐熱強度、水蒸気バリア性をも併せて有する離型用フィルムを得ることができることが明らかとなった。
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
1 押出機
2 材料投入ホッパー
3 窒素ガス供給用パイプ
4 接続管
5 フィルター
6 ギヤポンプ
7 Tダイス
7a リップ部
8 フィルム
9 圧着ロール
10 冷却ロール
11 引取機
12、13 搬送ロール対
14 厚さ測定器
16 巻取管
17 電離性放射線照射装置
20 ベースフィルム
30 離型組成物

Claims (23)

  1. エチレン系共重合体ゴム100質量部にポリエチレン系樹脂25〜400質量部を混合してなる樹脂組成物を押出成形して得られるフィルムに、50〜250kGyの線量の電離性放射線を照射して架橋させてなるベースフィルムの少なくとも一方の面に、加水分解性部位を含むシリル基を分子内に有するフルオロシリコーン化合物及び有機ケイ素化合物を含有する離型組成物を塗布、乾燥して得られるフルオロシリコーン化合物層が形成され、その層厚さが0.05μm〜10μmの範囲にあることを特徴とする離型用フィルム。
  2. 前記エチレン系共重合体ゴムは、40〜90質量%のエチレンと、0.5〜8.0質量%の非共役ジエンとを含み、ムーニー粘度ML1+4(125℃)が10〜100であることを特徴とする請求項1に記載の離型用フィルム。
  3. 前記非共役ジエンは、5‐エチリデン‐2‐ノルボルネン(ENB)、1,4‐ヘキサジエン、5‐メチレン‐2‐ノルボルネン(MNB)、1,6‐オクタジエン、5‐メチル‐1,4‐ヘキサジエン、3,7‐ジメチル‐1,6‐オクタジエン、1,3‐シクロペンタジエン、1,4‐シクロヘキサジエン、テトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデン、ジシクロペンタジエンからなる群から選ばれる1つ又は複数であることを特徴とする請求項2に記載の離型用フィルム。
  4. 前記ポリエチレン系樹脂は、0.855〜0.925g/cmの密度と、0.5〜10.0g/10分のMFR(190℃/2.16kgf)とを有する直鎖状低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項1に記載の離型用フィルム。
  5. 前記樹脂組成物は、さらに、滑剤、ブロッキング防止剤、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、帯電防止剤からなる群から選ばれる1つ又は複数を添加剤として含むことを特徴とする請求項1に記載の離型用フィルム。
  6. 前記電離性放射線の照射は、α線、β線、電子線、中性子線、X線、コバルト60線源のγ線からなる群から選ばれる1つを用いて行うことを特徴とする請求項1に記載の離型用フィルム。
  7. 前記ベースフィルムは、単層フィルムあるいは2層以上の多層フィルムからなることを特徴とする請求項1に記載の離型用フィルム。
  8. 前記離型組成物は、さらに、有機チタン化合物及び有機ジルコニウム化合物からなる群から選ばれる1つ又は複数の化合物を含有してなる組成物であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の離型用フィルム。
  9. 前記離型組成物は、加水分解性部位を含むシリル基を分子内に有するフルオロシリコーン化合物の100質量部に対し、前記有機ケイ素化合物を0.05〜20質量部の範囲に含有してなる組成物であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の離型用フィルム。
  10. 前記離型組成物は、加水分解性部位を含むシリル基を分子内に有するフルオロシリコーン化合物の100質量部に対して、前記有機チタン化合物及び前記有機ジルコニウム化合物からなる群から選ばれる1つ又は複数の化合物を0.05〜20質量部の範囲に含有してなる組成物であることを特徴とする請求項に記載の離型用フィルム。
  11. エチレン系共重合体ゴム100質量部にポリエチレン系樹脂25〜400質量部を混合してなる樹脂組成物を押出成形して得られるフィルムに、電離性放射線を照射して架橋させてなる単層ベースフィルムあるいは2層以上の多層ベースフィルムの厚さが5μm〜500μmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の離型用フィルム。
  12. 前記離型用フィルムの動的粘弾性測定において、周波数1Hz、ひずみ0.1%、昇温速度5℃/分の条件下で測定した180℃における損失正接tanδが、前記離型用フィルムの縦横両方向ともに0.05〜0.20の範囲にあることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の離型用フィルム。
  13. エチレン系共重合体ゴム100質量部にポリエチレン系樹脂25〜400質量部を混合して樹脂組成物を得るステップと、
    前記樹脂組成物を押出成形してフィルムを得るステップと、
    前記フィルムに50〜250kGyの線量の電離性放射線を照射して架橋させ、ベースフィルムを得るステップと、
    前記ベースフィルムの少なくとも一方の面に、加水分解性部位を含むシリル基を分子内に有するフルオロシリコーン化合物及び有機ケイ素化合物を含有する離型組成物を塗布、乾燥して層厚さが0.05μm〜10μmの範囲にあるフルオロシリコーン化合物層形成るステップと、
    を含むことを特徴とする離型用フィルムの製造方法。
  14. 前記エチレン系共重合体ゴムは、40〜90質量%のエチレンと、0.5〜8.0質量%の非共役ジエンとを含み、ムーニー粘度ML1+4(125℃)が10〜100であることを特徴とする請求項13に記載の離型用フィルムの製造方法。
  15. 前記非共役ジエンは、5‐エチリデン‐2‐ノルボルネン(ENB)、1,4‐ヘキサジエン、5‐メチレン‐2‐ノルボルネン(MNB)、1,6‐オクタジエン、5‐メチル‐1,4‐ヘキサジエン、3,7‐ジメチル‐1,6‐オクタジエン、1,3‐シクロペンタジエン、1,4‐シクロヘキサジエン、テトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデン、ジシクロペンタジエンからなる群から選ばれる1つ又は複数であることを特徴とする請求項14に記載の離型用フィルムの製造方法。
  16. 前記ポリエチレン系樹脂は、0.855〜0.925g/cmの密度と、0.5〜10.0g/10分のMFR(190℃/2.16kgf)とを有する直鎖状低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項13に記載の離型用フィルムの製造方法。
  17. 前記樹脂組成物は、さらに、滑剤、ブロッキング防止剤、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、帯電防止剤からなる群から選ばれる1つ又は複数を添加剤として含むことを特徴とする請求項13に記載の離型用フィルムの製造方法。
  18. 前記電離性放射線の照射は、α線、β線、電子線、中性子線、X線、コバルト60線源のγ線からなる群から選ばれる1つを用いて行うことを特徴とする請求項13に記載の離型用フィルムの製造方法。
  19. 前記ベースフィルムは、単層フィルムあるいは2層以上の多層フィルムからなることを特徴とする請求項13に記載の離型用フィルムの製造方法。
  20. 前記離型組成物は、さらに、有機チタン化合物及び有機ジルコニウム化合物からなる群から選ばれる1つ又は複数の化合物を含有してなる組成物であることを特徴とする請求項13〜19のいずれか1項に記載の離型用フィルムの製造方法。
  21. 前記離型組成物は、加水分解性部位を含むシリル基を分子内に有するフルオロシリコーン化合物の100質量部に対し、前記有機ケイ素化合物を0.05〜20質量部の範囲に含有してなる組成物であることを特徴とする請求項13〜20のいずれか1項に記載の離型用フィルムの製造方法。
  22. 前記離型組成物は、加水分解性部位を含むシリル基を分子内に有するフルオロシリコーン化合物の100質量部に対して、前記有機チタン化合物及び前記有機ジルコニウム化合物からなる群から選ばれる1つ又は複数の化合物を0.05〜20質量部の範囲に含有してなる組成物であることを特徴とする請求項20に記載の離型用フィルムの製造方法。
  23. エチレン系共重合体ゴム100質量部にポリエチレン系樹脂25〜400質量部を混合してなる樹脂組成物を押出成形して得られるフィルムに、電離性放射線を照射して架橋させてなる単層ベースフィルムあるいは2層以上の多層ベースフィルムの厚さが5μm〜500μmの範囲にあることを特徴とする請求項13〜22のいずれか1項に記載の離型用フィルムの製造方法。
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