JP5632103B1 - 磁気誘導定磁極回転子モータ - Google Patents

磁気誘導定磁極回転子モータ Download PDF

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Abstract

【課題】いずれの回転方向についても円滑な起動と強力なリラクタンストルクが得られるうえ、回転ムラによる振動や騒音の低減化も可能、加速と減速が可能で、回生制動で生じた電力を蓄電し、エネルギー効率を高めること。【解決手段】回転突極を有する回転子と、固定突極を有し、複数の界磁巻線組2cが形成された固定子と、回転子に軸着された筒状体3又は円盤に形成された複数の被検出部3aを周方向に形成されるトラックと対向させて固定突極それぞれとの対応位置に設置された複数のセンサ4で検知することにより制御信号を出力するK個の制御信号出力部5と、制御信号それぞれにより動作する制御回路30aを有し、励磁電流の方向及び大きさを制御する給電制御部30とを備え、回転突極それぞれは、固定突極のうちの少なくとも2個と対向し、少なくとも1個先のものは同一方向の磁界が生じ、後端が対向するものは磁界が消滅するように励磁電流を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、回転子と固定子双方が突極構造を有し、直流電源から界磁巻線に通電する励磁電流の方向と大きさを制御して回転子を常に定磁極に磁気誘導すると共に、常時リラクタンストルクを得る磁気誘導定磁極回転子モータに関し、特に回転子の回転方向の切替え、及び回生制動が可能な磁気誘導定磁極回転子モータに関するものである。
従来から、回転子、固定子共に突極があり、固定子突極に巻回した界磁巻線に非正弦波電流を流し、界磁巻線の磁気吸引力によって回転子を回転駆動するスイッチトリラクタンスモータ(SRモータ)が知られている。このモータは、回転子に積層電磁鋼板が用いられるので、回転子の発熱や熱減磁といった問題がなく、低コストで高速運転が可能であるという特長を有する。しかし、2相駆動のSRモータは、回転子と固定子の突極が完全に対向する場合には、回転方向のインダクタンス変化がないので、トルクが発生しない。そこで、回転子突極の回転方向の長さに段差を設けたり、テ―パ状に変化させ、回転方向に対するインダクタンスの変化をつけることで解決したステップドギャップ型やカム型SRモータが紹介されているが、これらのSRモータは、インダクタンスが変化する回転方向は、一方向に限られるので、逆回転が困難である。また、3相以上で駆動する第1のスイッチト・リラクタンス・モータ部と、2相で駆動する第2のスイッチト・リラクタンス・モータ部とで構成したスイッチト・リラクタンス・モータが提案されている(特許文献1参照)。しかし、3相スイッチト・リラクタンス・モータにおいては、励磁されたステータの突極に対し、リラクタンスが最小となるようにロータの突極が移動する形でトルクを発生させるので、トルクが脈動し、ロータ位置によっては始動トルクが小さく、負荷が大きい場合には回転しないことや、大きな回転ムラが生じることがある。そのうえ、逆回転させようとすると、突極同士が重なり、さらに行き過ぎてから励磁相を切換えることになるので、始動できない場合が生じる。そこで、回転子の回転位置センサを3個設け、この3個から得られる6種類の位置信号の組み合わせパターンをロータが15度回転する毎に変えるスイッチト・リラクタンス・モータが提案されている(特許文献2参照)。
また、回転子の回転位置の検知方法としては、同期回転する回転体によって磁束が遮られる3つのコイルのインダクタンス変化を捕捉する方法や、回転突極と対応させて回転体に配置された磁石の磁界を、固定突極と対応させて回転体の周囲に配置されたホール素子で検出する方法などが開示されている(特許文献3、7、8参照)
一方、電気自動車においては、エネルギー消費を抑えて走行距離を延ばすことやエネルギー効率を高めるために、走行時の余剰な運動エネルギーを電気変換して二次電池に充電する方法や、減速時の余剰な運動エネルギーを電気変換して回収・消費する、いわゆる回生制動が有効である。そこで、回生制動で生じた電力をバッテリに充電する際に、長い下り坂でバッテリが過充電とならないよう、初期充電の容量制限値を満充電未満に設定する一方、走行中に過充電となったら、車速の上限値を下方に設定する方法が提案されている(特許文献4参照)。また、トルクを積算処理することにより、基準値を超える高トルクが出力された後は回生トルクの使用を制限又は禁止してモータの巻線が過熱するのを防止すると共に、十分な動力性能を確保し、降坂時の回生制動で巻線温度が上昇して電流が制限され、その後の登坂時に必要なトルクが得られなくなるという不都合を解消する方法が提案されている(特許文献5参照)。
さらに、燃費をよくするため、ブレーキペダルの操作による要求制動力が回生制動力よりも小さいときは、回生制動のみを使用し、要求制動力が回生制動力よりも大きいときは回生制動と摩擦制動を併用し、急制動が必要なときは、回生制動力の比率を小さくする方法などが提案されている(特許文献6参照)。
しかしながら、特許文献1又は特許文献2記載の方法では、ロータに作用するトルクのラジアル方向成分のアンバランスにより騒音や振動が生じるおそれがあり、またロータの回転角に応じて主励磁相と補助励磁相とを組み合わせる特殊なロジック回路が必要になる。
さらに、特許文献4から特許文献6に開示された方法では、エネルギー効率の向上や燃費の向上は図れても、エンジン自動車に慣れている運転者がエンジンブレーキと同様の感覚を期待してアクセルペダルを緩め、解放したときに、回生制動が機能しないと、不安感から慌ててブレーキペダルを踏み込んでしまう恐れがある。
そこで、本出願人は、回転子と同期回転する回転体に設置した磁石の磁極をホール素子などの磁気センサで検出して回転子の回転位置を検知し、固定子の磁極に巻回された界磁巻線に通電する励磁電流を制御することにより高トルクで低トルクリップルを得る一方、エンジンブレーキと同様の感覚を得るため、同一手段、同一操作で加速、減速することが可能な非正弦波駆動電動機を発明し、特許権を取得した(特許文献7、8参照)。
特開2007−244024号公報 特開2003−61381号公報 特開特開平07−194178号公報 特開2008−54441号公報 特開2008−167599号公報 特開2001−8306号公報 特許第5063822号公報 特許第5128709号公報
しかし、特許文献7及び特許文献8記載の発明は、回転子と同期回転する回転体の周縁に磁石を設置し、その磁界を、回転体周囲に配置した磁気センサで検出することにより各界磁巻線の励磁電流を制御する制御信号を得るものであり、制御信号は、かかる方法の他にも好適な方法が考えられる。さらに、特許文献8記載の発明は、回転方向を切り換える手段を有せず、特許文献7記載の発明は、回転方向の切換のために、正回転用の磁気センサと逆回転用の磁気センサを別個に備える方法を用いるが、必ずしもセンサを別個に備える必要はない。
本発明は、上記事情に鑑み、回転子の回転位置をセンサ(磁気センサを除く。)で検知して得た制御信号で励磁電流を制御する一方、何れの回転方向へも切替が自在で、何れの回転方向についても円滑な起動と強力なリラクタンストルクが得られ、かつ回転ムラも少ない磁気誘導定磁極回転子モータを提供することを第一の目的とする。また、同じ機器操作によって加速と減速が可能であり、減速時には回生制動で生じた電力を蓄電し、エネルギー効率を高めることが可能な磁気誘導定磁極回転子モータを提供することを第二の目的とする。
本発明の磁気誘導定磁極回転子モータは、nを整数としたとき、回転軸を挟んで対称に配置された2n個の回転突極を有する回転子と、Kを3以上の整数としたとき、前記回転突極に対向配置された2nK個の固定突極を有し、該固定突極それぞれに巻回された界磁巻線を並列又は直列に接続して複数の界磁巻線組が形成された固定子と、上記回転子に軸着されて同期回転する筒状体又は円盤に形成された複数の被検出部を、該被検出部により周方向に形成されるトラックと対向させて前記固定突極それぞれとの対応位置に設置された複数のセンサで検知した検知信号に基づいて、上記回転突極が上記固定突極それぞれを通過するタイミングで制御信号を出力するK個の制御信号出力部と、上記制御信号それぞれにより動作するK個の制御回路を有し、直流電源から上記界磁巻線組それぞれに給電される励磁電流の方向及び大きさを制御する給電制御部と、を備え、上記回転突極それぞれは、上記固定突極のうちの少なくとも2個と対向し、該回転突極それぞれの回転方向後端が対向するものを除外したものと、該回転突極それぞれの回転方向先端が通過したものより少なくとも1個先のものとには同一方向の磁界が生じ、該回転突極それぞれの回転方向後端が対向するものは磁界が消滅するように、上記励磁電流を制御し、上記回転突極それぞれは回転位置の如何にかかわらず常に同じ磁極に磁化されて回転することを特徴とする。
その場合、上記被検出部それぞれは、上記筒状体の側面又は上記円盤の平面に一定の間隔を開けて周方向に形成されたものであって、上記制御信号出力部は、上記トラックが単一の場合には、一列に設置された上記複数のセンサをK個置きに2個ずつ組み合わせたK個のセンサ対で検知した検知信号により、該トラックが複数の場合には、複数列に設置された該複数のセンサの中から異なる列の2個ずつを組み合わせたK個のセンサ対で検知された検知信号により、上記制御信号を出力することができる。
このように、筒状体の側面又は円盤の平面に1つ乃至複数のトラックが周方向に形成されるように被検出部を配置し、それらのトラックと対向する位置に、隣接する固定突極と対応させて一列に配列した複数のセンサからK個置きに2個ずつ組み合わせるか、あるいは複数列に配列した複数のセンサから異なる列の2個ずつを組み合わせてK個のセンサ対を構成する。そして、各センサ対の一方が被検出部を検出したときに出力される制御信号と、センサ対の他方が被検出部を検出したときに出力される制御信号とにより励磁電流の方向を制御するので、各回転突極の磁界分布を一定に保つことができると共に、各回転突極に対向する固定突極の磁界分布を各回転突極の回転に合わせて回転移動させることができる。従って、回転突極と対向する複数の固定突極のうち、回転突極後端と対向するものは磁化を休止し、残余のもの及び回転突極先端より少なくとも1個先のものの磁界方向が同一になるように励磁することにより、各回転突極には常に回転方向の吸引力が作用し、高トルクで、トルクリップルの少ないモータが得られる。
ここで、上記被検出部それぞれは、照射光を反射する反射部又は照射光を透過する透過部であり、上記K個のセンサ対は、上記反射部又は上記透過部に向けて光を照射し、該反射部による反射光又は該透過部からの透過光を受光して検知信号を出力する2K個の光センサにより構成されたものであって、上記制御信号出力部は、上記K個の光センサ対それぞれから出力される上記検知信号により上記励磁電流を一方向に通電する制御信号と該励磁電流を他方向に通電する制御信号とを出力することもできる。また、上記被検出部それぞれは、電磁波の一部を遮蔽する導体部であり、上記K個のセンサ対は、上記導体部に向けて電磁波を発射したときのインダクタンス変化により検知信号を出力する2K個のコイルセンサにより構成されたものであって、上記制御信号出力部は、上記K個のコイルセンサ対それぞれから出力される上記検知信号により上記励磁電流を一方向に通電する制御信号と該励磁電流を他方向に通電する制御信号とを出力することもできる。
このように、センサには、発光素子と受光素子とが一体化された光センサや、発光素子と受光素子とが分離された光センサを用いることや、ホイートストンブリッジの一辺をコイルで構成したコイルセンサを用いることができるが、それらを2個ずつ組み合わせたセンサ対から出力される検知信号によって励磁電流の方向及び大きさを制御する制御信号を生成することができる。すなわち、回転トルクを調整するPWM信号が入力する端子とセンサ対から検知信号が入力する2つの端子とを有する制御信号出力部に、例えば2つの出力端子を設け、センサ対の一方のセンサで被検出部を検出したときは一方の端子からPWM信号(PWM制御信号)を出力し、センサ対の他方のセンサで被検出部を検出したときは他方の端子からPWM信号(PWM制御信号)を出力して、励磁電流の方向を制御するように構成することができる。
上記制御信号出力部は、上記検知信号が入力しないときは上記制御信号を停止するものであって、上記回転突極それぞれのうちの、一の該回転突極における回転方向後端が対向する上記固定突極を励磁する上記励磁電流は停止し、該一の回転突極における回転方向先端が通過した該固定突極及び該固定突極より少なくとも1個先の該固定突極それぞれを励磁する該励磁電流は同一方向に通電されるタイミングで上記制御信号それぞれを出力することができる。
その場合、上記回転突極それぞれの上記固定突極との対向面における回転方向の長さをL0、該固定突極の回転方向の長さをL1、該固定突極相互間のスロットの回転方向の長さをL2、該回転突極相互間のスロットそれぞれと対向する該固定突極の数をm、上記制御信号出力部それぞれのうち上記制御信号が同時に停止される数をpとしたとき、pは、1以上、かつm以下であり、上記被検出部によって形成されるトラックの円周が、上記回転突極の上記対向面によって形成される円周に等しいと仮定した場合における該被検出部の周長Wは、[L0+L2+(m―p)*(L1+L2)]に設定されることが好ましい。
このように、センサ対が被検出部を検出しないときに制御信号を停止すれば、回転突極の回転方向後端が対向する固定突極を磁化休止にすることができる。そして、回転突極1個につき、同時に磁化休止となる固定突極の数を、回転突極相互間のスロットと対向する固定突極数以下にし、被検出部の周長Wを上記の式によって設定すれば、回転突極それぞれが、回転位置の如何にかかわらず常に同一磁極に磁化され、かつ回転突極に回転方向とは逆向きの吸引力が作用することなく、常に回転方向の吸引力が作用して、低トルクリップルで、高トルクを得ることができる。
また、上記回転子の回転を加速する第1指令信号、及び該回転を減速する第2指令信号を生成する指令信号生成部と、上記第1指令信号に応じたデューティ比の回転信号を生成し、上記制御信号出力部それぞれに入力する回転信号生成部と、上記第2指令信号に応じたデューティ比の回生信号を生成する回生信号生成部と、上記界磁巻線組それぞれに誘起される電力を上記回生信号のデューティ比に応じて整流し、蓄電器に蓄電する回生電力制御部とを備えることができる。さらに、上記界磁巻線組それぞれに通電される上記励磁電流が閾値を超えたときは過負荷信号を出力する過負荷検出部を備え、上記回転信号生成部は、上記過負荷信号が入力すると上記回転信号のデューティ比を減少させ、該過負荷信号が消滅すると、減少させた該回転信号のデューティ比を上記第1指令信号に応じたデューティ比まで増加させることや、上記界磁巻線組それぞれに誘起された電圧による電流が閾値を超えたときは過電流信号を出力する過電流検出部を備え、上記回生信号生成部は、上記過電流信号が入力すると上記回生信号のデューティ比を減少させ、該過電流信号が消滅すると、減少させた該回生信号のデューティ比を、上記第2指令信号に応じたデューティ比まで増加させることもできる。
これにより、一つの指令手段を用いて加速することや減速することができるので、例えば電気自動車のアクセルペダルに適用すれば、速度を自在に変えることができるうえ、エンジンブレーキと同様の感覚で回生制動を行うことができる。また、回生制動で得た電力を大容量キャパシタに蓄電し、2次電池に充電すればエネルギー効率を高めることもできる。さらに、励磁電流や過電流を監視することにより、何らかの異常が生じても、界磁巻線の焼損やモータの暴走を防ぐことができる。
また、上記制御信号出力部から出力される一の上記制御信号の入力先を、上記制御回路それぞれのうちの予め定められた一の制御回路から、予め定められた他の一の制御回路に切り替える切替部を備え、上記回転子を正回転方向から逆回転方向に、又は逆回転方向から正回転方向に反転させる指令を受けたとき、上記切替部を切り替えることにすれば、同じセンサ対で、正逆回転指令を実行することができる。
さらに、上記K個の制御信号出力部は、所定の電力が給電されたときに起動するK個の正回転用センサ対で検知された検知信号により、上記制御信号を出力する正回転用制御信号出力部であって、上記正回転用センサ対とは別個に具備するK個の逆回転用センサ対によって検知された検知信号により上記制御信号を出力するK個の逆回転用制御信号出力部と、
上記回転子の回転方向に関する指令を受けたとき、上記電力の給電を上記正回転用センサ対及び上記逆回転用センサ対の何れか一方に切り換える給電切換手段と、を備えたことによっても、正逆回転指令を実行することができるし、上記K個の制御信号出力部は、上記回転信号が入力しているときにK個の正回転用センサ対で検知された検知信号により、上記制御信号を出力する正回転用制御信号出力部であって、上記正回転用センサ対とは別個に具備するK個の逆回転用センサ対によって検知された検知信号により上記制御信号を出力するK個の逆回転用制御信号出力部と、上記回転子の回転方向に関する指令を受けたとき、上記回転信号の入力先を上記正回転用制御信号出力部及び上記逆回転用制御信号出力部の何れか一方に切り換える回転信号切換手段と、を備えたことによっても、正逆回転指令を実行することができる。
本発明の磁気誘導定磁極回転子モータによれば、光センサ又はコイルセンサなどの複数のセンサを組み合わせたセンサ対により同期回転する筒状体又は円盤に設置された被検出部を検出して励磁電流を制御することにより、回転突極は常に同じ磁極に磁化される一方、回転突極それぞれが対向する固定突極のうち、回転方向後端が対向する固定突極は磁界が消滅し、回転方向先端が対向する固定突極の少なくとも1つ先の固定突極から回転突極に吸引力が常に作用するので、回転子は回転方向の如何にかかわらずムラのない大きなトルクを得ることができる。その場合、正回転と逆回転それぞれ別個のセンサ対を用いることも出来るし、共通のセンサ対を用いることもできる。従って、回転子にレアアースを使用する必要がなく、強磁性体(永久磁石を含む)を成形したもの、あるいは電磁鋼板を積層したものなどを用いて低コストで製造することが可能である。また、正回転から逆回転、逆回転から正回転への切替は、制御信号の入力先の制御回路を切り換える切替部の切替操作、あるいは正逆回転用センサへの給電切換や、正逆回転用制御信号出力部への指令信号の切換により自在に行うことができる。さらに、指令信号生成手段、回生制御手段等を設け、例えば電気自動車のアクセルペダルに適用すれば、速度を自在に変更できるうえ、エンジンブレーキと同様の感覚で回生制動を行うことができる。また、回生制動で得た電力を大容量キャパシタに蓄電し、2次電池に充電すればエネルギー効率を高めることもできる。
図1は、第1の実施形態の磁気誘導定磁極回転子モータを示す図である。 図2は、電動機本体の一例を示す図である。 図3は、反射光を検出する光センサが配置された筒状体の例を示す図である。 図4は、モータ本体に筒状体と光センサが配置された状態を示す断面図である。 図5は、制御信号出力部の一例を示す図である。 図6は、筒状体の両側面に透過光を検出する光センサが配置された例を示す図である。 図7は、モータ本体に筒状体と光センサが配置された状態を示す断面図である。 図8は、平面の周方向に被検出部による単一トラックが形成された円盤の例を示す図である。 図9は、単一トラックと対向させて光センサが配置されたホルダーの平面を示す図である。 図10は、モータ本体に円盤とホルダーとが設置された状態を示す断面図である。 図11は、筒状体の側面周囲に配置するコイルセンサの一例の構成図である。 図12は、筒状体の側面周囲に配置するコイルセンサの他の例の構成図である。 図13は、nが2、Kが5、mが1、Pが1に設定されたモータ本体を矢印R方向に回転させる場合の例を示す模式図である。 図14は、nが2、Kが5、mが1、Pが1に設定されたモータ本体を矢印R方向に回転させる場合の例を示す模式図である。 図15は、nが2、Kが5、mが2、pが2に設定されたモータ本体を矢印R方向に回転させる場合の例を示す模式図である。 図16は、nが2、Kが5、mが2、pが2に設定されたモータ本体を矢印R方向に回転させる場合の例を示す模式図である。 図17は、第2の実施形態の磁気誘導定磁極回転子モータを示す図である。 図18は、界磁巻線組の励磁電流を5個のセンサ対で制御する場合に適用される切替部の一例を示す図である。 図19は、界磁巻線組の励磁電流を5個のセンサ対で制御する場合に適用される切替部の他の例を示す図である。 図20は、図2で示したモータ本体を逆回転させる場合を示す模式図である。 図21は、第1の実施形態において図4で示したモータ本体を逆回転させる場合を示す模式図である。 図22は、第1の実施形態において図4で示したモータ本体を逆回転させる場合を示す模式図である。 図23は、第1の実施形態において図7で示したモータ本体を逆回転させる場合を示す模式図である。 図24は、図23で示した回転位置から矢印L方向に固定突極1個分(L1+L2)移動した状態を示す図である。 図25は、第3の実施形態の磁気誘導定磁極回転子モータを示す機能ブロック図である。 図26は、平面の周方向に被検出部による2つのトラックが形成された円盤の例を示す図である。 図27は、2つのトラックと対向させて光センサ対が配置されたホルダーの平面を示す図であり、 図28は、モータ本体に円盤とホルダーとが設置された状態を示す断面図である。 図29は、本実施形態の指令信号生成部の一例を示すアクセルペダルの側面図である。 図30は、アクセルペダルに連動する摺動抵抗器の展開図である。 図31は、本実施形態の回転信号生成部の一例を示すパワーコントローラである。 図32は、本実施形態の回生信号生成部の一例を示す回生ブレーキコントローラである。 図33は、本実施形態の過負荷検出部及び過電流検出部それぞれの一例を示す過負荷信号発生器(又は過電流信号発生器)である。 図34は、本実施形態の回生電力制御部の一例を示す回生電力制御器である。 図35は、本実施形態の充電部の一例を示すバッテリチャージ電圧コントローラである。 図36は、第4の実施形態の磁気誘導定磁極回転子モータを示す機能ブロック図である。 図37は、モータ本体に検出部が設置された状態の断面図である。 図38は、K個の正回転用センサ対とK個の逆回転用センサ対が配置された筒状体の一例を示す図である。 図39は、K個の正回転用光センサ対とK個の逆回転用光センサ対が配置された筒状体の他の例を示す図である。 図40は、給電切換器による切換の作用を一例として示す図である。 図41は、給電切換器による切換の作用を一例として示す図である。 図42は、モータ本体を正回転又は逆回転させる場合の作用を示す模式図である。 図43は、モータ本体を正回転又は逆回転させる場合の作用を示す模式図である。 図44は、第5の実施形態の磁気誘導定磁極回転子モータを示す機能ブロック図である。 図45は、センサ切換器を示す図である。
以下に、本発明の磁気誘導定磁極回転子モータの実施形態について図に基づいて説明する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態の磁気誘導定磁極回転子モータを示す図であり、図2は、図1に現れていない電動機本体の一例(回転突極が4個、固定突極が12個の場合)を示す図である。
図1及び図2に示す磁気誘導定磁極回転子モータ100は、回転突極1bを具備した回転子1、及び界磁巻線が巻回された固定突極2bを具備した固定子2を有するモータ本体10と、回転突極1bが固定突極2bそれぞれを通過するタイミングを検出する検出部20と、電源入力端子Pinを介し直流電源から各界磁巻線組2cに通電される励磁電流の方向及び大きさを制御する給電制御部30と、を備えている。
回転子1は、nを整数としたとき、回転軸1aを挟んで対称に配置された2n個の回転突極1bを有する。
固定子2は、Kを3以上の整数としたとき、回転突極1bのK倍、2nK個の固定突極2bが回転突極1bに対向配置されている。そして、2nK個の固定突極2bに巻回された2nK個の界磁巻線を(K−1)個の間隔をいて順次組み合わせた2n個の界磁巻線を、生じる磁界の方向が順次逆向きになるように始終端を入れ替えて並列に接続し、K組の界磁巻線組2cが形成されている。
ここで、本実施形態の界磁巻線組2cは、2n個の界磁巻線それぞれの巻き始め、巻き終わり、配置位置を考慮し、並列に接続して形成されるが、必ずしも2n個の界磁巻線それぞれを並列に接続する必要はなく、n個の界磁巻線それぞれを並列に接続して形成してもよいし、2n個又はn個の界磁巻線それぞれを直列に接続して形成してもよい。
また、本実施形態の回転子1は、強磁性体(永久磁石を含む)を成形加工したものを用いているが、必ずしも強磁性体で構成する必要はなく、電磁鋼板を打ち抜いて積層したものを用いることもできる。
検出部20は、側面周方向の同一トラックにn個の被検出部3aが設置された筒状体3と、その筒状体3の側面周囲の非接触位置に固定突極2bと対応させて固定設置され、被検出部3aそれぞれを検出して検知信号を出力する2K個のセンサ4と、各センサ4から出力される検知信号及び別途入力されるPWM信号(パルス幅により通電時間を調整する)により、励磁電流の方向及び大きさを制御する制御信号を出力する制御信号出力部5を有し、回転突極1bが固定突極2bそれぞれを通過するタイミングを検出してパルス幅変調された制御信号(以下、「PWM制御信号」と称する。)が出力される。
ここで、センサ4が光センサ4aであって、発光素子から発射され、被検出部3aで反射した光を受光素子で受光して検知信号を出力する場合は、被検出部3aには光の反射板が用いられ、発光素子から発射され、被検出部3aを透過した光を受光素子で受光して検知信号を出力する場合は、被検出部3aには、光の透過板又はスリットが用いられる。
また、センサ4がコイルセンサ4cの場合は、被検出部3aには、電磁波遮蔽作用のある導体板が用いられる。
2K個のセンサ4(4a1〜4ak、又は4c1〜4ck)は、各固定突極2bのうち隣接する2K個の固定突極2bそれぞれと対応する位置に配置され、2個ずつ組み合わされてK個のセンサ対4p(4b1〜4bk、又は4d1〜4dk)を構成している。
各センサ対4pは、それぞれのセンサ4が被検出部3aを検出したとき、それぞれのセンサ4の出力端子(X、Y)から検知信号を出力する。
制御信号出力部5は、各センサ対4pの出力端子(X、Y)から出力される検知信号に応じて、PWM制御信号を何れか一方から出力する出力端子(A、B)とを備えている。すなわち、例えばX端子から検知信号が入力すると、A端子から、パルス幅変調されたPWM制御信号を出力し、Y端子から検知信号が入力すると、B端子からPWM制御信号を出力する。
給電制御部30は、制御信号出力部5それぞれに対応するK個のスイッチング回路30aを備えており、各制御回路30aは、4つのスイッチング素子31a、31b、31c、31dを備え、各スイッチング素子31a、31b、31c、31dには、サージ電圧等をバイパスするフリーホイールダイオード35が並列に接続されている。
そして、例えば制御回路30aに、制御信号出力部5のA端子からPWM制御信号が入力した場合は、スイッチング素子31a、31cが作動し、B端子からPWM制御信号が入力した場合は、スイッチング素子31b、31dが作動する。従って、各界磁巻線組2cと各制御回路30aとが一対一で対応していれば、各界磁巻線組2cに通電される励磁電流aの方向及び大きさを制御することができる。
すなわち、制御信号出力部5の出力端子(A、B)の何れからPWM制御信号が入力したかによって、各界磁巻線組2cに直流電源から給電される励磁電流の方向が制御され、PWM制御信号のデューティ比によって励磁電流の大きさ(通電時間)が制御される。従って、各界磁巻線組2cに対応する2n個の固定突極2bには、界磁巻線それぞれの巻き始め、巻き終わりが並列に接続される接続形態に応じて、方向の異なる磁界(N、S)が生じる。
一方、PWM制御信号が入力しない場合には各制御回路30aは作動しないので、励磁電流が停止し、界磁巻線組2cに対応する2n個の固定突極2bには磁界が生じない(以下、「磁化休止」と称する。)。
なお、磁化休止した界磁巻線組2cには逆起電圧が誘起されるが、並列に接続されたフリーホイールダイオード35を経由して、他の界磁巻線組2cの励磁電流として活用することも可能である。
ここで、本実施形態の制御信号出力部5は、センサ対4pの何れのセンサ4から検知信号が入力したかによって制御信号を出力端子(A、B)の何れか一方から出力する構成を採用しているが、制御信号出力部5は、必ずしもこの構成に限定されない。
図3は、側面に反射光を検出する光センサが配置された筒状体の例を示す図であり、図4は、モータ本体に筒状体と光センサが配置された状態を示す断面図であり、図5は、制御信号出力部の一例を示す図である。
図3に示す筒状体3−1は、モータ本体10に回転軸1aで軸着され、側面が円形のホルダー10bで覆われている。そして側面周方向の同一トラックには、回転軸1aを挟んで対称に被検出部(反射板)3aが配置されている。
また、ホルダー10bの内周には、各固定突極2bと対応する被検出部(反射板)3aと対向する非接触な位置に、10個のセンサ4aが固定設置されている。
光センサ4aは、発光素子と受光素子とからなり、隣接する各固定突極2bと対応する位置に配置されている。発光素子4axの光は筒状体3−1の被検出部(反射板)3aで反射し、その反射光を受光素子で受光し検知信号を出力する。
そして、矢印R方向において、1番目の光センサ4a1と6番目の光センサ4a6とが第1光センサ対4b1をなし、2番目の光センサ4a2と7番目の光センサ4a7とが第2光センサ対4b2をなしている。以下、t番目(tは1以上の整数)光センサ4atと(t+5)番目の光センサ4a(t+5)とが第t光センサ対4btをなし、5番目の光センサ4a5と10番目の光センサ4a10とが第5光センサ対4b5をなしている。
一方、本実施形態の筒状体3−1において被検出部(反射板)3aが設置されたトラックにおける周長Wは、被検出部(反射板)3aが設置されていない周長よりも固定突極2bで1乃至2個分短く設定されているので、図3に示す回転位置における第1光センサ対4b1は、光センサ4a1、4a6が反射光を受光せず、対応する制御信号出力部5は、検知信号が入力しないので、PWM制御信号を出力しない。その結果、対応する固定突極2bには磁界が生じない(以下、「磁化休止」と称する。)。そして、筒状体3−1が、矢印R方向に回転すると、PWM制御信号を出力しない光センサ対4bも矢印R方向に1個ずつ移動し、磁化休止となる固定突極2bも矢印R方向に1個ずつ移動する。
ここで、本例の被検出部(反射板)3aには、光の反射率が高い、例えばアルミニウムやすず等を蒸着又は貼付した反射板を用いているが、必ずしもこれに限定されない。また、光センサ4aは、発光素子となるLED等と、受光素子となるフォトダイオード等が一体形成されたものを用いているが、必ずしもこれに限定されず、発光素子と受光素子とが筒状体側面を挟んで分離配置され、筒状体3側面に設けた被検出部(スリット)3aを透過する光を受光する光センサ4aを用いてもよい。さらに、被検出部3aを導体板とし、光センサ4aに換えて、コイルセンサ4cを用い、電磁波を導体板に向けて放射したときのインダクタンス変化を検知信号としてもよい。なお、被検出部(反射板)3aが設置されたトラックの周長Wは、被検出部(反射板)3aが設置されていない周長よりも固定突極2bで1乃至2個分短く設定さているが、同時に磁化休止する固定突極2bの個数如何によって、周長Wを任意に設定することができる。
図4に断面を示すように、モータ本体10は、回転軸1aを挟んで回転突極1bが対称に配置された回転子1と、界磁巻線組2cが巻回された固定子2と、筐体10aとを有する。また、回転軸1aには、同期回転するように筒状体3−1が軸着されている。
筐体10aには、筒状体3−1側面を覆うようにホルダー10bが取付けてあり、ホルダー10b内部には、隣接する10個の固定突極2bそれぞれと対応させた10個の光センサ4a(4a1〜4a10)が設置されている。
従って、回転軸1aが回転すると筒状体3−1が回転し、筒状体の被検出部3aがホルダー10b内の各光センサ4a(4a1〜4a10)を通過すると、各光センサ4aが検知信号を出力し、回転子1の回転位置を検知することができる。
図5に示す制御信号出力部5は、2つのトランジスタ5aと、検知信号が出力される光センサ対4bの出力端子(X、Y)と、励磁電流の大きさ(通電時間)を制御するPWM信号が外部から入力する入力端子PWMinと、励磁電流を順方向に通電するPWM制御信号を出力するA端子と、励磁電流を逆方向に通電するPWM制御信号を出力するB端子とを有し、2つのトランジスタ5aのコレクタそれぞれは入力端子PWMinに接続され、エミッタそれぞれは、A端子又はB端子に接続され、ベースそれぞれは、抵抗rを介して、入力端子(X)及びアース又は入力端子(Y)及びアースに接続されている。
入力端子PWMinからPWM信号が入力しているとき、X端子から検知信号が入力すると、一方のトランジスタ5a1のベースに所定のバイアス電圧が印加されるため、コレクタとエミッタとの間が導通状態となり、励磁電流が順方向に通電されるPWM制御信号がA端子から出力される。
他方、Y端子から検知信号が入力すると、他方のトランジスタ5a2のベースに所定のバイアス電圧が印加されるため、コレクタとエミッタとの間が導通状態となり、励磁電流が逆方向に通電されるPWM制御信号がB端子から出力される。
なお、ここで示した制御信号出力部5は一例であって、必ずしもこの例に限定されない。
図6は、両側面に透過光を検出する光センサが配置された筒状体の例を示し、図7は、モータ本体にその筒状体と光センサが配置された状態を示す断面図である。
図6及び図7に示す筒状体3−2は、モータ本体10に回転軸1aで軸着され、側面の両側が円形のホルダー10bで挟むように覆われている。また側面周方向の同一トラックには、回転軸1aを挟んで対称な位置に被検出部(スリット)3aが設けてある。そして、筒状体3を挟んでいるホルダー10bの外側内周には、隣接する10個の固定突極2bと対応する位置に10個の受光素子が固定設置され、ホルダー10bの内側外周には、各受光素子と対向させて10個の発光素子が固定設置され、対向する発光素子と受光素子とで10個の光センサ4aが形成されている。
本実施例においても、第1実施例と同様に、矢印R方向において、1番目の光センサ4a1と6番目の光センサ4a6とが第1光センサ対4b1をなし、2番目の光センサ4a2と7番目の光センサ4a7とが第2光センサ対4b2をなしている。以下、t番目(tは1以上の整数)光センサ4atと(t+5)番目の光センサ4a(t+5)とが第t光センサ対4btをなし、5番目の光センサ4a5と10番目の光センサ4a10とが第5光センサ対4b5をなしている。そして、1乃至2対の光センサ対4bは、何れも被検出部(スリット)3aを検出しないので、対応する制御信号出力部5は、PWM制御信号を出力しない。よって、対応する固定突極2bには磁界が生じない(以下、「磁化休止」と称する。)。また、残余の光センサ対4bは、何れか一方が検知信号を出力し、対応する制御信号出力部5は、A端子又はB端子に制御信号を出力する。よって、励磁電流の方向が制御され、対応する固定突極2bはN極又はS極に磁化される。
図8は、平面の周方向に被検出部による単一トラックが形成された円盤の例を示す図であり、図9は、単一トラックと対向させて光センサが配置されたホルダーの平面を示す図であり、図10は、モータ本体に円盤とホルダーとが設置された状態を示す断面図である。
図8に示すように、円盤18の中央には、回転子に軸着される回転軸1aがあり、その回転軸1aを挟んで対称に一対の被検出部(反射板)3aが平面周方向に設けてある。そして、円盤18が回転すると、被検出部(反射板)3aによる単一のトラック19が形成される。
図9に示すように、ホルダー10bの平面には、単一のトラック19と対向する位置に、隣接する固定突極2bそれぞれと対応させて10個の光センサ(4a1〜4a10)が固定設置されている。
光センサ4aは、発光素子と受光素子とからなり、発光素子の光は被検出部(反射板)3aで反射し、その反射光を受光素子で受光し検知信号を出力する。
そして、図3、図6で説明したのと同様に、矢印R方向において、10個の光センサ(4a1〜4a10)を5つ置きに2個ずつ組み合わせた5個の光センサ対(4b1〜4b5)が形成されている。
本実施形態の円盤18の平面に単一のトラック19を形成する被検出部(反射板)3aの周長Wは、被検出部(反射板)3aが設置されていない周長よりも固定突極2bで1個乃至2個分短く設定されているので、第1光センサ対4b1は、光センサ4a1、4a6双方ともに反射光を受光しないので検知信号を出力しない。よって、対応する制御信号出力部5は、PWM制御信号を出力せず、対応する固定突極2bは磁界が生じない(以下、「磁化休止」と称する。)。そして、円盤18が、矢印R方向に回転すると、PWM制御信号を出力しない光センサ対4bも矢印R方向に1個ずつ移動し、磁化休止となる固定突極2bも矢印R方向に1個ずつ移動する。
図10に断面を示すように、モータ本体10は、回転軸1aを挟んで回転突極1bが対称に配置された回転子1と、界磁巻線組2cが巻回された固定子2と、筐体10aとを有する。また、筐体10aには、光センサ4aが配置されたホルダー10bが光センサ4aの設置面を外側にして固定されている。そして、回転軸1aには、平面に被検出部3aが形成された円盤18が、被検出部3aの設置面を光センサ4aの設置面と対向させて軸着されている。
従って、回転軸1aが回転すると図8に示す円盤18が例えば矢印R方向に回転し、円盤の被検出部3aがホルダー10bに配置された各光センサ4a(4a1〜4a10)を通過すると、各光センサ4aが検知信号を出力し、回転突極1bの回転位置を検知することができる。
以下では、被検出部3aが筒状体3に形成されていても、円盤18に形成されていてもセンサ4それぞれの作用は同じであることから、円盤18における重複する説明は省略する。
図11は、筒状体の側面周囲に配置するコイルセンサの一例の構成図であり、図12は、コイルセンサの他の例の構成図である。なお、筒状体側面周囲に光センサを配置した配置状態を示す図、モータ本体に筒状体と光センサが配置された状態を示す断面図は、第1実施例として示した図3及び図4と同じであり、図及び説明は省略する。
なお、図3に示す筒状体3−1においては、光の反射率が高い、例えばアルミニウムやすず等をプラスチック板あるいは金属板に蒸着したものを用いているが、本例においては、コイルの磁束が遮られたときインダクタンスが変化する金属板、銅・ニッケル等のメッキ層あるいは伝導層が形成された導体板が用いられる。
図11に示す一例のコイルセンサ4cは、高周波のバイアス電圧が入力する入力端子HFinを有し、3つの抵抗Rと1つのコイル4cxとからなるホイートストーンブリッジと、低レベル雑音をカットするノイズ・リミッター40c及びダイオード40dを介してホイートストーンブリッジの出力側端子間に接続されたオペアンプ40bとを有し、オペアンプ40bには検知信号の出力端子(X又はY)がある。
コイルセンサ4cを構成するコイル4cxは、筒状体3に形成された被検出部(導体板)3aと対向配置されているので、コイル4cxは、被検出部(導体板)3aにより磁束が遮られるとインダクタンスが変化し、ホイートストーンブリッジの出力側端子間に電位差が生じ、オペアンプ40bから被検出部3aの検知信号が出力される。反面、被検出部3aが通過することによりコイル4cxの磁束が遮られないときはインダクタンスが変化しないので、ホイートストーンブリッジはバランスし、オペアンプ40bから検知信号が出力されない。
図12に示す他の例のコイルセンサ4cは、高周波のバイアス電圧が入力する入力端子HFinを有し、3つの抵抗Rと1つのコイル4cxとからなるホイートストーンブリッジと、ホイートストーンブリッジの出力側端子間に接続されたパルストランス40aとを有し、パルストランス40aの出力側には、低レベル雑音をカットするノイズ・リミッター40c及びダイオード40dを介してトランジスタ5a4のベースが接続されている。そして、トランジスタ5a4のコレクタには電源電圧Pを分圧した所定電圧が印加され、エミッタには検知信号の出力端子(X又はY)が接続されている。
コイルセンサ4cを構成するコイル4cxは、被検出部(導体板)3aにより磁束が遮られるとインダクタンスが変化し、ホイートストーンブリッジの出力側端子間に電位差が生じるので、パルストランス40aの出力側に所定電圧が加わる。その結果、トランジスタ5a4のベースにバイアス電圧が加わるので、コレクタとエミッタ間が導通状態となり、エミッタに接続された出力端子(X又はY)から検知信号が出力される。反面、小径部3aが通過することによりコイル4cxの磁束が遮られないときはインダクタンスが変化しないので、ホイートストーンブリッジはバランスし、トランジスタ5a4から検知信号が出力されない。
なお、ここで示すコイルセンサ4cは一例であって、必ずしもこの例に限定されない。
次に、図2に示すモータ本体を例として、本実施形態の磁気誘導定磁極回転子モータを矢印R方向に回転させる作用を説明する。
図2に示すモータ本体10は、回転軸1aを挟んで4個の回転突極(T1,T2,T3,T4)1bが対称に配置された回転子1と、回転突極1bの3倍の12個の固定突極(F11,F12,F13,F21,F22,F23,…,F41…F43)2bが回転突極1bと対向配置された固定子2と、を有する。
各固定突極2bには、界磁巻線が巻回されているので、固定子2には、12個の界磁巻線(c11,c12,c13,c21,c22,c23,…c41…c43)がある。それらを順次2個の間隔をおいて組み合わせた4個の界磁巻線について、巻き始め、巻き終わりを交互に並列に接続して3組の界磁巻線組(C1,C2,C3)2cが形成されている。
図2に示す検出部20は、回転子1と共通の回転軸1aを有する筒状体3と、その筒状体3の側面周方向の同一トラック上に回転軸1aを挟んで対称に形成された被検出部(反射板)3aと、筒状体3周囲の被検出部(反射板)3aと対向する非接触位置に隣接する6個の固定突極2bと対応させて設置された6個の光センサ4aとを有し、制御信号出力部5は省略されている。
6個の光センサ4aは、矢印R方向に向かって1番目の光センサ4a1と4番目の光センサ4a4とが第1の光センサ対4b1を構成し、2番目の光センサ4a2と5番目の光センサ4a5とが第2の光センサ対4b2を構成し、3番目の光センサ4a3と6番目の光センサ4a6とが第3の光センサ対4c3を構成している。
図2の回転位置において、第1の光センサ対4b1は、何れも被検出部(反射板)3aを検出しないので、検知信号が出力されず、第1の制御信号出力部5のA端子、B端子何れからもPWM制御信号は出力されない。そのため、そのPWM制御信号により制御される界磁巻線組2cによって励磁される固定突極(F11、F21、F31、F41)は磁化休止となる。
一方、第2の光センサ対4b2は、光センサ4a5が被検出部(反射板)3aを検出し、第2の制御信号出力部5のB端子からPWM制御信号が出力される。そのため、そのPWM制御信号で励磁電流が制御され、励磁される固定突極(F12、F22、F32、F42)のうち、固定突極(F12、F32)は、例えばS極に磁化され、界磁巻線が逆向きに接続された固定突極(F22、F42)は、例えばN極に磁化される。
同様に、第3の光センサ対4b3は、光センサ4a6が被検出部(反射板)3aを検出し、第3の制御信号出力部5のB端子からPWM制御信号が出力されるので、固定突極(F13、F33)は、例えばS極に磁化され、界磁巻線が逆向きに接続された固定突極(F23、F43)は、例えばN極に磁化される。その結果、回転突極1bは矢印R方向の吸引力を受けて回転し、筒状体3もそれに同期回転する。
そして、回転突極1bが固定突極2bで1個分回転移動すると、第1の光センサ対4b1は、被検出部(反射板)3aを検出し、第1の制御信号出力部5のA端子からPWM制御信号が出力される。一方、第2の光センサ対4b2は、被検出部(反射板)3aを検出しないので、PWM制御信号が出力されず、第3の光センサ対4b3は、被検出部(反射板)3aを検出するので、第3の制御信号出力部5のB端子からPWM制御信号が出力される。すなわち、回転突極1bの回転に伴い、被検出部3aも順次移動するので、PWM制御信号が出力される端子は、A端子からB端子へ、B端子からA端子へと変化する一方、端子の出力が変化する直前に、制御電流が一時停止となる。
従って、固定突極2bそれぞれに生じる磁界の方向(N、S)も矢印R方向に順次移動し、回転突極(T1,T3)と回転突極(T2,T4)は、常に同じ磁極、例えば回転突極(T1,T3)はN極、回転突極(T2,T4)は、S極に磁化される。また、回転突極(T1,T3)の回転方向後端1bxが対向する固定突極2bは、磁化休止となり、回転突極(T1,T3)の回転方向先端1byが対向する固定突極2b、及びその固定突極2bよりも1つ先の固定突極2bは、(S)方向の磁界が生じ、N極に磁化された回転突極(T1,T3)1bは、吸引されて回転する。さらに、S極に磁化された回転突極(T2,T4)の回転方向後端1bxが対向する固定突極2bは、磁化休止となり、回転突極(T2,T4)の回転方向先端1byが対向する固定突極2b、及びその固定突極2bよりも1つ先の固定突極2bは、(N)方向の磁界が生じるので、回転突極(T2,T4)1bは、吸引されて回転する。
ここで、回転突極1bそれぞれが、回転位置の如何にかかわらず常に同一磁極に磁化され、かつ回転突極1bに回転方向とは逆向きの吸引力が作用することなく、常に回転方向の吸引力が作用して、低トルクリップルで、高トルクが得られる場合の回転突極1b、固定突極及2b及び筒状体3の大径部3bの大きさの条件を求める。
今、固定突極2bとの対向面における回転突極1bの回転方向の長さをL0、固定突極2bの回転方向の長さをL1、固定突極2b相互間の回転方向のスロット長をL2とすれば、固定突極2bと回転突極1bの対向面におけるクリアランスは極めて小さいので、回転突極1bの対向面によって形成される円周の長さ2n*(L0+Ls)と、固定突極2bの対向面によって形成される円周の長さ2nK*(L1+L2)とは等しいと見なすことができる。
また、筒状体3の側面周方向に配置された被検出部3aが回転突極1bの対向面と同じ円周上に配置されていると見なした場合の被検出部3aの周長をW、被検出部3aと同じトラック上において、被検出部3aが配置されていない周長をGとすれば、トラックの見かけの周長(W+G)は、2n*(L0+Ls)、又は2nK*(L1+L2)に等しい。
また、2K個のセンサ4それぞれは、固定突極2bそれぞれと対応する位置に隣接配置されているので、センサ4が回転突極1bの対向面と同じ円周上に配置されていると見なした場合におけるK個のセンサ4の全長Dは、(2K−1)*(L1+L2)となる。
今、回転突極1bそれぞれが、回転位置の如何にかかわらず常に同一磁極に磁化されるには、回転突極1bは、固定突極2bの少なくとも2個に跨がる(例えば、二つの固定突極2bの半分ずつに対向する)必要があり、回転方向の長さL0は、少なくとも(L1+L2)以上でなければならない(条件1)。
また、回転突極の回転方向後端1bxが固定突極2bの回転方向後端を通過した後に、その固定突極2bの磁界の方向がそのままであると、回転突極の回転方向後端1bxに逆回転方向の吸引力が作用する。さらに、回転突極の回転方向先端1byが固定突極2bを通過した後も、その固定突極2bの磁界の方向がそのままであり、かつ回転突極の回転方向先端1byが通過した固定突極2bよりも1つ先の固定突極2bの磁界が消滅しているか、あるいは通過した固定突極2bの磁界と方向が逆向であると、回転突極の回転方向先端1byにも逆回転方向の吸引力が作用するので、回転突極1bは、回転しない。
従って、回転突極1bが対向する複数の固定突極2b(例えば4個)のうち、回転突極の回転方向後端1bxが対向する固定突極2b(例えば1個)を除外した固定突極2b(例えば3個)と、回転突極の回転方向先端1byが通過したものより少なくとも一つ先の固定突極2b(例えば1個)には、同じ方向の磁界(N又はS)が生じ、回転突極の回転方向後端1bxが対向する固定突極2bには、磁界が生じない(消滅する)、いわゆる生滅する磁界の分布状態にすればよい。
今、回転突極1b相互間のスロットと対向する固定突極2bの個数をm、センサ対4pを構成するそれぞれのセンサ4が同時に被検出部3aを検出しない数(本発明の「制御信号を同時に停止する制御信号出力部の数」に相当し、休止部を設けている場合には、概ね、休止部の周長を固定突極2bの幅に換算した個数に等しい)をpとすれば、L0は、概ね(K−m)*(L1+L2)あるいは概ね(K−p)*(L1+L2)に設定すること(条件2)、pは、1以上、かつm以下に設定し、Wを概ね[L0+L2+(m−p)*(L1+L2)に設定すること(条件3)により満たすことができる。なお、以降の条件2及び条件3に係る記述においては、「概ね」という表現は省略する。
以下に、nが2、Kが5の場合を例として、10個のセンサが配置された筒状体とモータ本体の回転突極及び固定突極との位置関係、並びに固定突極の磁化状態について説明する。
図13及び図14は、nが2、Kが5、mが1、Pが1に設定されたモータ本体を矢印R方向に回転させる場合の例を示す模式図である。
図13及び図14において、L0は、(K−m)*(L1+L2)、すなわち4*(L1+L2)に設定され、Wは、[L0+L2+(m−p)*(L1+L2)]、すなわち[4*(L1+L2)+L2]に設定されている。
なお、本例においては、各センサ4は固定子2の対応位置に配置され、被検出部3aは、回転方向後端3axが回転突極1bの回転方向後端1bxと対応する位置に、回転方向先端3ayが回転突極の回転方向先端1byよりもL2だけ前方の対応する位置に、配置されている。従って、回転突極1bが対向する固定突極2bそれぞれ、及び回転突極の回転方向先端1byが通過した固定突極2bよりも1つ前方の固定突極2bそれぞれに、方向の同じ磁界を生じさせることができる。また、回転突極の回転方向後端1bxそれぞれが対向する固定突極2bそれぞれは磁化休止にすることができる。
図13において、センサ対4p1は、被検出部3aを検出しないので、センサ対4p1と対応する固定突極(F11,F21,F31,F41)は磁化休止となる。また、センサ対4p2、4p3、4p4、4p5は、被検出部3aを検出しB端子にPWM制御信号を出力するので、対応する固定突極(F12,F13,F14,F15,F32,…F35)2bには(S)方向の磁界が生じ、始終端が逆向きに並列接続された界磁巻線組によって励磁される固定突極(F22…F25,F42…F45)2bには(N)方向の磁界が生じる。
一方、回転突極(T1、T3)1bは、常にN極に、回転突極(T2、T4)1bは、常にS極に磁化されるので、回転突極(T1、T3)1b及び回転突極(T2、T4)1bは、矢印R方向に吸引される。
図14は、図13で示した筒状体3及び回転子1が矢印R方向に(L1+L2)移動した状態を示す図である。
図14において、センサ対4p1は、被検出部3aを検出しA端子にPWM制御信号を出力するので、対応する固定突極(F11,F31)には(N)方向の磁界が生じ、始終端が逆向きに並列接続された界磁巻線組によって励磁される固定突極(F21,F41)には(S)方向の磁界が生じる。そして、センサ対4p2は、被検出部3aを検出しないので、対応する固定突極(F12,F22,F32,F42)は磁化休止となる。また、センサ対4p3、4p4、4p5は、被検出部3aを検出しB端子にPWM制御信号を出力するので、対応する固定突極(F13,F14,F15,F32,…F35)2bには(S)方向の磁界が生じ、始終端が逆向きに並列接続された界磁巻線組によって励磁される固定突極(F23…F25,F43…F45)2bには(N)方向の磁界が生じる。
また、回転突極(T1、T3)1bは、常にN極に、回転突極(T2、T4)1bは、常にS極に磁化されるので、図10と同様に回転突極(T1、T3)1b及び回転突極(T2、T4)1bは、矢印R方向に吸引される。以下、同様の動作を繰り返すことにより、筒状体3及び回転子1は矢印R方向に回転移動する。
図15及び図16は、nが2、Kが5、mが2、pが2に設定されたモータ本体を矢印R方向に回転させる場合の例を示す模式図である。
図15及び図16において、L0は、(K−m)*(L1+L2)、すなわち3*(L1+L2)に設定され、Wは、[L0+L2+(m−p)*(L1+L2)]、すなわち[3*(L1+L2)+L2]に設定されている。
本例においても、各センサ4は固定子2の対応する位置に配置され、被検出部3aは、回転方向後端3bxが回転突極の回転方向後端1bxと対応する位置に、回転方向先端3byが回転突極の回転方向先端1byよりもL2だけ前方の対応する位置に、配置されている。従って、本例においても、回転突極の回転方向先端1byが通過した固定突極2bよりも1つ先の固定突極2bそれぞれに、同じ方向の磁界が生じ、回転突極の回転方向後端1bxそれぞれが対向する固定突極2bそれぞれは磁化休止にすることができる。
図15において、センサ対4p1、4p5は、被検出部3aを検出しないので、対応する固定突極(F11,F21,F31,F41,F15,F25,F35,F45)は磁化休止となる。
また、センサ対4p2、4p3、4p4は、被検出部3aを検出しB端子にPWM制御信号を出力するので、対応する固定突極(F12,F13,F14,F32,…F34)には(S)方向の磁界が生じ、始終端が逆向きに並列接続された界磁巻線組によって励磁される固定突極(F22…F24,F42…F44)には(N)方向の磁界が生じる。
一方、回転突極(T1、T3)1bは、常にN極に、回転突極(T2、T4)1bは、常にS極に磁化されるので、回転突極(T1、T3)1b及び回転突極(T2、T4)1bは、矢印R方向に吸引される。
図16は、図15示した筒状体3及び回転子1が矢印R方向に(L1+L2)移動した状態を示す図である。
図16において、センサ対4p1、4p2は、被検出部3aを検出しないので、対応する固定突極(F11,F21,F31,F41,F12,F22,F32,F42)は磁化休止となる。
また、センサ対4p3、4p4、4p5は、被検出部3aを検出しB端子にPWM制御信号を出力するので、対応する固定突極(F13,F14,F15,F33,…F35)には(S)方向の磁界が生じ、始終端が逆向きに並列接続された界磁巻線組によって励磁される固定突極(F23…F25,F43…F45)には(N)方向の磁界が生じる。
一方、回転突極(T1、T3)1bは、常にN極に、回転突極(T2、T4)1bは、常にS極に磁化されるので、回転突極(T1、T3)1b及び回転突極(T2、T4)1bは、矢印R方向に吸引される。
以上、説明したように、本実施形態の磁気誘導定磁極回転子モータは、各回転突極が複数の固定突極と対向し、それら固定突極には同一方向の磁界が生じる一方、回転子の回転に従って順次移動するので、各回転突極は、回転位置の如何に関わらず常に同一磁極に磁化される。また、各回転突極の回転方向後端が対向する固定突極は磁化休止となり、また各回転突極の回転方向先端が固定突極の先端を通過しても、その固定突極より先方の固定突極には同一方向の磁界が生じるので、各回転突極には常に回転方向の吸引力が作用し、低トルクリップルで、高トルクが得られる。また、回転突極1b及び固定突極2bが偶数で回転軸1aを中心にして対称に配置され、回転突極それぞれは、常に同じ磁極に磁化される一方、対向する固定突極2bそれぞれから回転位置にかかわらず吸引力を受けるので、回転むら、騒音、振動が抑制される。
本実施形態の磁気誘導定磁極回転子モータは、逆回転させる制御や回生制御の機能は有しないが、後退機能が不要な、電動二輪車やアシスト自転車、あるいは空調機、ファン、ディスクドライブなどの電動機として利用できる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態の磁気誘導定磁極回転子モータは、第1の実施形態の磁気誘導定磁極回転子モータに較べて、センサ対から出力されたPWM制御信号が入力される制御回路を切替える切替部を有し、その切替部により回転子の回転方向を自在に転換できる点が相違する。しかしながら、モータ本体及び検出部、界磁巻線組への給電制御部、及び磁気誘導定磁極回転子モータ本体が正回転する場合の作用は、第一の実施形態の磁気誘導定磁極回転子モータと共通する。従って、重複する説明は省き、相違点について以下に説明する。
図17は、第2の実施形態の磁気誘導定磁極回転子モータを示す図である。
図17に示す本実施形態の磁気誘導定磁極回転子モータ101は、回転子1及び固定子2を有するモータ本体10と、被検出部3aが側面周方向に配置された筒状体3、筒状体3の側面周囲に被検出部3aと対向配置されたK個のセンサ対4p(図示していない)、及びセンサ対4pから出力される検知信号に基づいて制御信号を生成するK個の制御信号出力部5とを備えた検出部20と、K個のスイッチング回路(S1,S2…Sk)30aを有する制御部30と、回転子の回転方向を正逆に切り替える切替部6と、を有する。
回転子1は、2n個の回転突極を有し、固定子2は、2nK個の固定突極を有する。そして、各固定突極は、巻回されたK組の界磁巻線組(C1,C2,…Ck)2cに給電される励磁電流の方向に応じてN極又はS極に磁化される。
センサ対4pは、隣接した2K個の固定突極に対応させて筒状体3の側面周方向のトラックと対向する非接触位置に配置された2K個のセンサ4を2個ずつ組み合わせたもので、被検出部3aを検出するとX端子又はY端子に検知信号を出力する。なお、センサ4は、第1の実施形態において図6〜図10を用いて説明した光センサ4a、あるいはコイルセンサ4cの何れかが用いられる。
ここで、本実施形態の被検出部3aは、筒状体3の側面に形成されたものを用いているが、
円盤18の平面に形成されたものであってもよい。
制御信号出力部5は、A端子とB端子とを備え、入力端子PWMinからパルス幅変調されたPWM信号が入力しているとき、センサ対4pから出力される検知信号に応じてA、B何れかの端子からPWM制御信号を出力する。
制御回路30aは、制御信号出力部5から入力するPWM制御信号によりスイッチング素子がオンオフ動作し、直流電源Pinから各界磁巻線組2cに給電される励磁電流の方向及び大きさ(通電時間)を制御し、各固定突極をN極又はS極に磁化する。
切替部6は、複数の切替接点を有し、回転方向の指令を受けたとき、制御信号出力部5のA端子又はB端子から出力されるPWM制御信号の入力先を正回転用の制御回路30aから逆回転用の制御回路30aに、若しくは逆回転用制御回路30aから正回転用の制御回路30aに切り替える。
ここで、本実施形態の切替部6は、多数の接点を有する継電器により構成されているが、必ずしも継電器で構成する必要はなく、例えばICチップ上に形成された電子回路やマイコンにより構成してもよい。
図18は、界磁巻線組の励磁電流を5個のセンサ対で制御する場合に適用される切替部の一例を示す図である。
図18において、切替部6は、5組の入力端子(6a1,6a2,…6a5)と、入力端子(6a1,6a2,…6a5)それぞれから入力されたPWM制御信号の出力先を二者のうちの何れか一方に一斉に切り替える10組の切替接点(6b1,6c1,6b2,6c2…6b5,6c5)と、を備えている。
1組の切替接点(6b1,6c1)の一方の切替接点(6b1)は、制御回路(S1)30に接続され、他方の切替接点(6c1)は、制御回路(S5)30に接続されている。その場合、他方の切替接点(6c1)により、本来巻き始め、又は巻き終わりが異なる界磁巻線の励磁電流を制御する通電制御回路(S5)30に、巻き始め、又は巻き終わりが同じ界磁巻線の励磁電流を制御するためのPWM制御信号が入力することとなるため、配線上でA端子とB端子とをレバースしている。
また、1組の切替接点(6b2,6c2)の一方の切替接点(6b2)は、制御回路(S2)30に接続され、他方の切替接点(6c2)は、制御回路(S1)30に接続されている。
以下同様に、1組の切替接点(6b5,6c5)の一方の切替接点(6b5)は、制御回路(S5)30に接続され、他方の切替接点(6c5)は、制御回路(S4)30に接続されている。
正回転の指令を受けたときは、切替部6を、一斉に一方の切替接点(6b1,6b2,…6b5)側に切替え、逆回転の指令を受けたときは、切替器スイッチ6を、一斉に他方の切替接点(6c1,6c2,…6c5)側に切替える。
その結果、制御信号出力部5のA端子又はB端子から出力されるPWM制御信号それぞれの入力先の通電制御回路(S1、S2.S3.S4.S5)30aが一斉に切替わり、各固定突極2bにおいて生滅する磁界の分布状態は、正回転させるときの分布状態をそそまま逆回転方向に1つずつ移動したのと同じになる。
すなわち、回転突極1bそれぞれが対向する固定突極2b、及び回転突極の正回転方向先端1byそれぞれが通過した固定突極2bの一つ先の固定突極2bにおいて正回転方向に生滅する磁界の分布状態に近似した磁界の分布状態が、そのまま逆回転方向に生滅する磁界の分布状状態となり、回転突極1bそれぞれは、逆回転方向(矢印L方向)に吸引されて逆回転する。
ここでは、5個の制御信号出力部5それぞれから出力されるPWM制御信号が入力される5組の通電制御回路30aの入力先を、モータ本体10の回転をR方向からL方向に切替える指令に応じて、R方向における本来の入力先よりも、L方向1つ先のセンサ対5から出力される回転信号の本来の入力先の通電制御回路30aに切替える切替部6の例を示しているが、切替部6は、必ずしもこの例に限定する必要はなく、3個以上の制御信号出力部5と3組以上の制御回路30aを有する場合についても同様に適用することができる。
図19は、界磁巻線組の励磁電流を5個のセンサ対で制御する場合に適用される切替部の他の例を示す図である。
図19において、切替部6は、図18に示したものと同様に、5組の入力端(6a1,6a2,…6a5)と、入力端子(6a1,6a2,…6a5)それぞれから入力されたPWM信号の出力先を二者のうちの何れか一方に一斉に切り替える10組の切替接点(6b1,6c1,6b2,6c2…6b5,6c5)と、を備え、1組の切替接点(6b1,6c1)の切替接点(6b1)は、制御回路(S1)30に、1組の切替接点(6b2,6c2)の切替接点(6b2)は、制御回路(S2)30に接続されている。これに対し、切替接点(6c1)は、制御回路(S4)30に、切替接点(6c2)は、制御回路(S5)30にそれぞれ接続されるが、A端子とB端子が反対に接続されるように配線されている。これは、本来巻き始め、又は巻き終わりが異なる界磁巻線の励磁電流を制御する通電制御回路(S4,S5)30にPWM信号が入力されることとなるためである。
他の組の切替接点(6b3,6c3)の切替接点(6b3)は、制御回路(S3)30に、切替接点(6c3)は、制御回路(S1)30に、切替接点(6b4,6c4)のうちの切替接点(6b4)は、制御回路(S4)30に、切替接点(6c4)は、制御回路(S2)30に、切替接点(6b5,6c5)のうちの切替接点(6b5)は、制御回路(S5)30に、切替接点(6c5)は、制御回路(S3)30にそれぞれ接続される。これらの場合は、
巻き始め、又は巻き終わりが同じ界磁巻線の励磁電流を制御する通電制御回路(S1,S2,S3)30にPWM制御信号が入力されることとなるため、A端子とB端子は、反対に接続する必要はない。
正回転の指令を受けたときは、切替部6を、一斉に一方の切替接点(6b1,6b2,…6b5)側に切替え、逆回転の指令を受けたときは、切替器スイッチ6を、一斉に他方の切替接点(6c1,6c2,…6c5)側に切替える。
その結果、制御信号出力部5から出力されるPWM制御信号それぞれの入力先の通電制御回路30aが一斉に切替わり、各固定突極2bにおいて生滅する磁界の分布状態は、正回転させるときの分布状態をそそまま逆回転方向に2つずつ移動したのと同じになる。
磁界の方向は、正回転の場合に較べ、逆回転方向に2つずつ移動したのと同じ状態になる。
すなわち、本例の切替部6においては、PWM制御信号の入力先がR方向における本来の入力先よりも、L方向における2つ先の入力先に切替えられるので、回転突極1bそれぞれが対向する固定突極2b、及び回転突極の正回転方向先端1byそれぞれが通過した固定突極2bの一つ乃至二つ先の固定突極2bにおいて正回転方向に生滅する磁界の分布状態を、そのまま逆回転方向に生滅する磁界の分布状状態とすることができる。
図20は、図2で示したモータ本体を逆回転させる場合を示す模式図である。
ここでは、正回転における磁界の分布状態をそそまま逆回転方向に2つずらす必要があるため、図19に示す切替部6において切替接点が3組までのものを使用する。
従って、モータ本体を逆回転させるために切替部6を切り替えると、切替接点(6c3)は、制御回路(S1)30に、切替接点(6c1)は、制御回路(S2)30に、切替接点(6c2)は、制御回路(S3)30にそれぞれ接続されるが、切替接点(6c1,6c2)は、A端子とB端子とを反転させて接続される。その結果、各固定突極2bにおいて生滅する磁界の分布状態は、図2における分布状態をそそまま逆回転方向(矢印L方向)に2つずつ移動したのと同じになる。
従って、N極に磁化された回転突極(T1、T3)1bは、矢印L方向に吸引され、S極に磁化された回転突極(T2、T4)1bも、同様に矢印L方向に吸引されて逆回転する。
図21及び図22は、第1の実施形態において図4で示したモータ本体を逆回転させる場合を示す模式図であり、図21は、図16で示した回転位置において切替部を切り替えた状態を示し、図22は、図21で示した回転位置から矢印L方向に固定突極1個分(L1+L2)移動した状態を示す。
ここでは、正回転における磁界の分布状態をそそまま逆回転方向に1つずらす必要があるため、図18に示す切替部6を使用する。
図21に示すように、センサ対4p1は、被検出部3aを検出し、制御信号出力部5は、A端子にPWM制御信号を出力する。センサ対4p2は、被検出部3aを検出しないので、制御信号出力部5は、PWM制御信号を出力しない。そして、センサ対4p3、4p4、4p5は、被検出部3aを検出するので、制御信号出力部5は、B端子にPWM制御信号を出力する。
今、モータ本体を逆回転させるために切替部6を切り替えると、切替接点(6c1)は、配線上でA端子とB端子とをレバースして制御回路(S5)30に接続され、切替接点(6c2)は、制御回路(S1)30に接続され、以下同様に、切替接点(6c3、…6c5)は、制御回路(S2、…S4)30に接続される。従って、PWM制御信号は、正回転の場合に比べて、逆回転方向1つ先の制御回路30aに入力される。
その結果、各固定突極2bにおいて生滅する磁界の分布状態は、図14における分布状態をそそまま逆回転方向(矢印L方向)に1つずつ移動したのと同じになる。
従って、N極に磁化された回転突極(T1、T3)1bは、矢印L方向に吸引され、S極に磁化された回転突極(T2、T4)1bも、同様に矢印L方向に吸引されて逆回転する。
図22は、図21で示した筒状体3及び回転子1が矢印L方向に固定突極1個分(L1+L2)移動した状態を示す図である。
図22に示すように、センサ対4p1は、被検出部3aを検出しないので、制御信号出力部5は、PWM制御信号を出力しないが、センサ対4p2、4p3、4p4、4p5は、被検出部3aを検出するので、制御信号出力部5は、B端子にPWM制御信号を出力する。図21と同様に、PWM制御信号は、正回転の場合に比べて、逆回転方向1つ先の制御回路30aに入力されるので、各固定突極2bにおいて生滅する磁界の分布状態は、図21における分布状態をそそまま逆回転方向(矢印L方向)に固定突極1個分移動したのと同じになる。
従って、N極に磁化された回転突極(T1、T3)1bは、矢印L方向に吸引され、S極に磁化された回転突極(T2、T4)1bも、同様に矢印L方向に吸引されて逆回転する。
図23及び図24は、第1の実施形態において図7で示したモータ本体を逆回転させる場合を示す模式図であり、図23は、図16で示した回転位置において切替部を切り替えた状態を示し、図24は、図23で示した回転位置から矢印L方向に固定突極1個分(L1+L2)移動した状態を示す。
ここでは、正回転における磁界の分布状態をそそまま逆回転方向に2つずらす必要があるため、図19に示す切替部6を使用する。
図23に示すように、センサ対4p1、4p2は、被検出部3aを検出しないので、制御信号出力部5は、PWM制御信号を出力しないが、センサ対4p3、4p4、4p5は、被検出部3aを検出するので、制御信号出力部5は、B端子にPWM制御信号を出力する。
今、モータ本体を逆回転させるために切替部6を切り替えると、切替接点(6c1、6c2)は、配線上でA端子とB端子とをレバースしてそれぞれ制御回路(S4)30、制御回路(S5)30に接続され、切替接点(6c3、…6c5)は、それぞれ制御回路(S1、…S3)30に接続される。従って、PWM制御信号は、正回転の場合に比べて、逆回転方向2つ先の制御回路30aに入力される。
その結果、各固定突極2bにおいて生滅する磁界の分布状態は、図16における分布状態をそそまま逆回転方向(矢印L方向)に2つずつ移動したのと同じになる。
従って、N極に磁化された回転突極(T1、T3)1bは、矢印L方向に吸引され、S極に磁化された回転突極(T2、T4)1bも、同様に矢印L方向に吸引されて逆回転する。
図24は、図23で示した筒状体3及び回転子1が矢印L方向に(L1+L2)移動した状態を示す図である。
図24に示すように、センサ対4p1、4p5は、被検出部3aを検出しないので、制御信号出力部5は、PWM制御信号を出力しないが、センサ対4p2、4p3、4p4は、被検出部3aを検出するので、制御信号出力部5は、B端子にPWM制御信号を出力する。図23と同様に、PWM制御信号は、正回転の場合に比べて、逆回転方向2つ先の制御回路30aに入力されるので、各固定突極2bにおいて生滅する磁界の分布状態は、図23における分布状態をそそまま逆回転方向(矢印L方向)に固定突極1個分移動したのと同じになる。
従って、N極に磁化された回転突極(T1、T3)1bは、矢印L方向に吸引され、S極に磁化された回転突極(T2、T4)1bも、同様に矢印L方向に吸引されて逆回転する。
上述した通り、本実施形態の磁気誘導定磁極回転子モータは、各回転突極が複数の固定突極と対向し、それら固定突極には同一方向の磁界が生じる一方、回転子の回転に従って順次移動するので、各回転突極は、回転位置の如何に関わらず常に同一磁極に磁化される。また、各回転突極の回転方向後端が対向する固定突極は磁化休止となり、また各回転突極の回転方向先端が固定突極の先端を通過しても、その固定突極より先方の固定突極には同一方向の磁界が生じるので、各回転突極には常に回転方向の吸引力が作用し、低トルクリップルで、高トルクが得られる。また、回転突極1b及び固定突極2bが偶数で回転軸1aを中心にして対称に配置され、回転突極それぞれは、常に同じ磁極に磁化される一方、対向する固定突極2bそれぞれから回転位置にかかわらず吸引力を受けるので、回転むら、騒音、振動が抑制される。
本実施形態の磁気誘導定磁極回転子モータは、回転方向を自在に変えられるので、電気自動車、各種産業用機械の動力として利用できる。
[第3の実施形態]
第3の実施形態の磁気誘導定磁極回転子モータは、モータ本体、検出部(センサ対、制御信号出力部を含む)及び給電制御部を備える点は第1の実施形態の磁気誘導定磁極回転子モータと共通し、制御信号の入力先の制御回路を切りかえることにより回転子の回転方向を転換する切替部を備える点は第2の実施形態の磁気誘導定磁極回転子モータと共通する。しかしながら、検出部を構成するセンサ対は、被検出部により円盤平面の周方向に形成される2つのトラックそれぞれと対向させて設置されたK個(ここでは5個)の光センサ対で構成される点、指令に応じて指令信号を生成する手段、界磁巻線に誘起される電力を回生し、充電する手段、界磁巻線の焼損を防止する手段などを備える点が相違する。従って、相違する点を中心にして以下に説明する。
図25は、第3の実施形態の磁気誘導定磁極回転子モータを示す機能ブロック図である。
図25に示す本実施形態の磁気誘導定磁極回転子モータ102は、モータ本体10、検出部20、給電制御部30、及び切替部6のほか、指令信号生成部8と、回生信号生成部7と、回生電力制御部9と、過負荷検出部13aと、過電流検出部13bと、充電部15と、チョッパ信号生成部14と、回転信号生成部11と、を備えている。
モータ本体10は、2n個の回転突極を有する回転子1と、界磁巻線が巻回された2nK個の固定突極を有する固定子2と、を備え、界磁巻線は、K個おきに2n個ずつ組み合わせて並列(あるいは直列)に接続され、K組の界磁巻線組2cが形成される。
検出部20は、回転子1に軸着され、図に現れない被検出部3a1、3a2により円形平面の周方向に2つのトラックが形成される円盤18と、円盤18に形成された2つのトラックそれぞれと対向する位置に2K個の隣接する固定突極2bそれぞれと対応させて配置された図に現れない2K個の光センサ4a、により構成された図に現れないK個の光センサ対4pが配置されたホルダー10bと、光センサ対4pそれぞれから出力される検知信号に基づいて界磁巻線組2cの励磁電流を制御するPWM制御信号を出力するK個の制御信号出力部5を有する。
制御信号出力部5は、2つのトラックと対向させて2列に設置した図に現れない10個(2K個)の光センサ4aを、異なる列に設置された2個ずつを組み合わせて図に現れない5個(K個)の光センサ対4bそれぞれから出力される検知信号の入力端子(X、Y)と、PWM制御信号の出力端子(A、B)とを有し、回転信号生成部11から入力するPWM信号により動作する。そして、各光センサ対4bのうち、被検出部3aを検出した光センサ4aに応じ、A端子、B端子の何れか一方からPWM制御信号を出力する。なお、光センサ対4bにより被検出部3aが検出されないときは、PWM制御信号は出力されない。
チョッパ信号生成部14は、所定周期の矩形波を生成し、全波整流してチョッパ信号を生成し、生成されたチョッパ信号を指令信号生成部8に入力する。
指令信号生成部8は、回転を加速する指令として所定の閾値(例えば、自動車のアクセルペダルのニュートラル)を超える力が加わると、その力の大きさに比例して線形素子の特性値が変化する第1指令信号と、一旦閾値を超えた力が、閾値以下となったとき、回転を減速する指令として、その閾値を下回る力の大きさに比例して線形素子の特性値が変化する第2指令信号とを生成する。
回転信号生成部11は、指令信号生成部8から第1指令信号が入力すると、その第1指令信号に応じたデューティ比のPWM回転信号(本発明の「回転信号」に相当する。)を出力し、検出部20の制御信号出力部5に入力する。
給電制御部30は、K個のスイッチング回路30aを有し、各スイッチング回路30aは、対応する制御信号出力部5から入力するPWM制御信号がA端子か、B端子かによって界磁巻線組2cに直流電源12から通電される励磁電流の方向を制御し、PWM制御信号のパルス幅に応じて通電する時間を制御する。
スイッチング回路30aは、4個のスイッチング素子を有し、入力したPWM制御信号がA端子か、B端子かによってオンオフするスイッチが変わり、それによって界磁巻線組2cに通電する励磁電流の方向が切り換わり、PWM制御信号が入力しないときは、励磁電流の通電を停止する。
切替部6は、K個の制御信号出力部5それぞれから出力されるPWM制御信号を入力するスイッチング回路30aを、予め定められた正回転用及び逆回転用の何れか一方に一斉に切り替わるK組の切替接点を有する。
回生信号生成部7は、指令信号生成部8から第2指令信号が入力すると、その第2指令信号に応じたデューティ比のパルス幅変調信号(本発明の「回生信号」に相当する。以下、PWM回生信号と称する。)を出力する。
回生電力制御部9は、直流電源12から界磁巻線組2cへの通電が停止された後、その界磁巻線組2cに誘起される電力を、回生信号生成部7から入力したPWM回生信号に基づいて整流し、大容量キャパシタに蓄電する。
充電部15は、回生電力制御部9の大容量キャパシタに蓄電された電荷を直流電源12の2次電池に充電する。
過負荷検出部13aは、界磁巻線組2cを流れる励磁電流の大きさを検出し、閾値を超える場合には、回転信号生成部11から出力されるPWM回生信号のデューティ比を下げて励磁電流を抑止し、励磁電流が閾値以下になった場合は、PWM信号のデューティ比を復元する。
また、過電流検出部13bは、直流電源12から界磁巻線組2cへの給電が停止した後、界磁巻線組2cに流れる回生電流を検出し、検出された回生電流が閾値を超えた場合には、回生信号生成部7から出力されるPWM回生信号のデューティ比を下げて、回生電流を抑制し、回生電流が閾値以下になった場合は、PWM回生信号のデューティ比を復元する。
本実施形態の磁気誘導定磁極回転子モータ102を例えば電気自動車に搭載した場合に、発進するために本実施形態の「指令信号生成部8」に相当するアクセルペダルを踏むと、線形素子の特性値が変化する第1指令信号が生成され、その第1指令信号が回転信号生成部11に入力すると、回転を加速するトルクに応じたデューティ比のPWM回転信号が生成される。生成されたPWM回転信号は、界磁巻線組2cに給電される励磁電流を制御するPWM制御信号を生成する制御信号出力部5入力される。制御信号出力部5は、筒状体3の大径部3b又は小径部3aを検出したときにセンサ対4pから出力される検知信号がX端子又はY端子から入力すると、検知信号が入力した端子(X,Y)に対応してA端子又はB端子からPWM制御信号を出力し、検知信号が入力しないときは、PWM制御信号は出力されない。PWM制御信号それぞれは、対応する正回転用の制御回路30aそれぞれに入力され、各制御回路30aは、PWM制御信号が制御信号出力部5のA端子から入力したか、B端子から入力したかによって界磁巻線組2cに通電する励磁電流の方向を制御し、PWM制御信号が入力しないときは、励磁電流を停止する。
その結果、各界磁巻線組2cの励磁電流によって励磁される固定突極2bはN極又はS極とに磁化される一方、磁極が変わる際に一旦磁化休止となる。そして、各回転突極と対向する複数の固定突極のうち、各回転突極の回転方向後端と対向するものは磁界が消滅し、残余のものと、各回転突極の回転方向先端が通過したものより少なくとも1個先のものとには同一方向の磁界が生じるので、回転突極それぞれは回転位置の如何にかかわらず同じ磁極に磁化され、常に吸引力が作用して回転する。
アクセルペダルを解放すると、第1指令信号が停止し、PWM回転信号も停止するので界磁巻線組2cへの通電が停止する。一方、アクセルペダルを解放すると第2指令信号が生成されるので、回生信号生成部7は、第2指令信号に応じたPWM回生信号を生成し、そのPWM回生信号は回生電力制御部9に入力される。また、通電停止後も惰性で回転する運動エネルギーによって界磁巻線組2cには電力が誘起される。回生電力制御部9は、界磁巻線組2cに誘起された電力をPWM回生信号に基づいて大容量キャパシタに蓄電し、消費する。その結果、モータ本体10に回生ブレーキが働き、エンジンブレーキ類似の回生制動が加わる。
また、回転方向を逆回転させて後進するため、切替部6を切替えると、制御信号出力部5から出力されるPWM制御信号は、逆回転用の制御回路30aに入力され、以下、正回転の場合と同様の動作を行う。
図26は、平面の周方向に被検出部による2つのトラックが形成された円盤の例を示す図であり、図27は、2つのトラックと対向させて光センサ対が配置されたホルダーの平面を示す図であり、図28は、モータ本体に円盤とホルダーとが設置された状態を示す断面図である。
図26に示すように、円盤18の中央には、回転子に軸着される回転軸1aがあり、その周囲には被検出部による2つのトラック19が形成されている。各トラック19には、回転軸1aを挟んで対称に所定間隔を隔てて被検出部(反射板)(3a1、3a2)が形成されており、各トラック19における被検出部(3a1、3a2)は、互いに異なる位置に設置されている。
図27に示すように、ホルダー10bの平面には、円盤18の2つのトラック19それぞれと対向する位置に、隣接する5つの固定突極2bそれぞれと対応させて光センサ(4a1〜4a5、4a6〜4a10)が同じ回転位置に配置されている。そして、異なるトラック19に対向する2個ずつの光センサ(4a1と4a6、…4a5と4a10)が組み合わされて光センサ対(4b1〜4b5)を構成している。
本実施形態の円盤18の平面に2つのトラック19を形成する被検出部(反射板)3a1、3a2それぞれの周長W(被検出部3a1、3a2が回転突極1bの対向面と同じ円周上に配置されていると見なした場合)は、被検出部(反射板)3aが設置されていない周長よりも固定突極2bで1個乃至2個分短く設定されている。従って、第1光センサ対4b1は、光センサ4a1、4a6双方が反射光を受光せず、検知信号を出力しない。よって、対応する制御信号出力部5は、PWM制御信号を出力せず、対応する固定突極2bは磁化休止となる。そして、磁化休止となる固定突極2bは、円盤18の回転に伴い移動する。
図28に示すように、モータ本体10は、回転軸1aを挟んで回転突極1bが対称に配置された回転子1と、界磁巻線組2cが巻回された固定子2と、筐体10aとを有する。また、筐体10aには、光センサ4aが配置されたホルダー10bが光センサ4a設置面を外側にして固定されている。また、回転軸1aには、平面に被検出部3aが形成された円盤18が、被検出部3a設置面を光センサ4a設置面と対向させて軸着されている。
従って、回転軸1aが回転して円盤18が回転すると被検出部3a1、3a2が各光センサ対(4b1〜4b5)によって検知され、検知信号を出力する。各制御信号出力部5は、X端子、Y端子の何れから検知信号が入力するかによって励磁電流の方向を制御する制御信号をA端子、B端子の何れか一方から出力する。
次に、図25で説明した第3の実施形態の磁気誘導定磁極回転子モータの主要な機能ブロックを実現する電子回路についてその一例を説明する。
図29は、本実施形態の指令信号生成部の一例を示すアクセルペダルの側面図であり、図30は、アクセルペダルに連動する摺動抵抗器の展開図である。
図29に側面図を示すコントロールペダル80は、ドラム外周の、ニュートラルゾーンを挟んだ両周縁に設けられた摺動抵抗器82と、自在に回転するドラム回転軸83と、回転軸83が回転するのに合わせて回転して摺動抵抗器82をスライドするスライドリード84と、一端は棒状体85に結合され、中間はフレキシブルチューブ86で支持され、ドラムの巻取ガイド81に巻き取られた他端は、スライドリード84に接続されたワイヤ87と、を備えている。そして、回転軸83は、図に現れないスプリングで反時計回りに付勢され、棒状体85は、中間を支点88で支持され、他端には、外力を受けるペダル89が設けてある。
ペダル89が矢印方向に押されて力を受けると、受けた力の大きさに応じてワイヤ87が引き出され、スライドリード84と回転軸83とが時計回りに回転してスライドリード84が摺動抵抗器82をスライドする。そのとき、スライドリード84のリード線84a、84bと摺動抵抗器82のリード線82a、82bとの間の抵抗値が変化する。
なお、ここではドラムが固定され、回転軸83がスライドリード84とともに回転するように構成されているが、ドラム自体が回転するように構成してもよい。また、摺動抵抗器82は、必ずしもドラム外周に設ける必要はない。
図30に展開図を示す摺動抵抗器82は、ニュートラルゾーン82cを挟んで両側の一方の辺縁それぞれに、抵抗体を有する帯状の摺動面82dが設けられ、スライドリード84が摺動面82dをスライドすることにより、スライドリード84のリード線84a、84bと摺動抵抗器82のリード線82a、82bとの間の抵抗値が変化するように構成されている。図の上側の摺動面82dは、第1指令信号を生成し、図の下側の摺動面82dは、第2指令信号を生成するためのものである。上側の摺動面82dには、ニュートラルゾーン82cまでは、抵抗体が形成されておらず、ニュートラルゾーン82cから右方には、抵抗体が形成されている。一方、下側の摺動面82dには、ニュートラルゾーン82cまでは、抵抗体が形成され、ニュートラルゾーン82cから右方には、抵抗体が形成されていない。
図30において、スライドリード84が右方(矢印方向)に移動すると、上側の摺動面82dにおいては、ニュートラルゾーン82cまでは、抵抗値は最大値のまま変わらず、ニュートラルゾーン82cからさらに右方に移動すると、抵抗値は最大値から次第に小さくなり、0になる。一方、下側の摺動面82dにおいては、ニュートラルゾーン82cまでは、抵抗値は0から次第に大きくなり、ニュートラルゾーン82c以降は最大値になる。次に、スライドリード84が右方から左方に移動すると、上側の摺動面82dは、抵抗値がゼロから次第に大きくなり、ニュートラルゾーン82c付近で最大値となり、ニュートラルゾーン82cを超えても抵抗値は最大値のまま変わらない。一方、下側の摺動面82dは、ニュートラルゾーン82cまでは、抵抗値が最大値のままで、ニュートラルゾーン82cからさらに左方に移動すると、抵抗値が次第に小さくなり、0になる。
上側の摺動面82dの抵抗値の変化は、回転信号生成部60に反映され、出力される回転信号のデューティ比が変化する。また、下側の摺動面82dの抵抗値の変化は、回生信号生成部7に反映される。
ここで、回転信号生成部60及び回生信号生成部7は、例えば時定数回路を備え、その時定数回路に供給される電圧を摺動抵抗器82の抵抗値が変化することにより、パルス幅変調されて出力される回転信号及び回生信号のデューティ比を変化させることができる。なお、本実施形態では、指令信号の生成に当たり、受けた力の大きさを摺動抵抗器82の抵抗値の変化に変換しているが、必ずしも抵抗値の変化に変換する必要はなく、キャパシタンスの変化、インダクタンスの変化、電圧の変化などに変換して回転信号生成部60や回生信号生成部7に反映させることもできる。
図31は、本実施形態の回転信号生成部の一例を示すパワーコントローラである。
図31に示すパワーコントローラ60は、SCR(サイリスタ)61と、サージ電圧をバイパスするフリーホイールダイオード62と、SCR61のゲート電圧を得る抵抗器63と、SCR61によるチョッパ信号のデューティ比をコントロールするPUT(プログラマブルユニジャンクショントランジスタ)64と、分圧抵抗器65と、ダミー負荷抵抗器66と、PUT64の立ち上がり時間をコントロールする時定数回路67と、時定数回路67に供給される電圧を調整する可変抵抗器(抵抗値の変化が第1指令信号に対応する)68と、チョッパ信号発振器50から出力されたチョッパ信号を入力する入力端子INと、所定のデューティ比の回転信号を出力する出力端子OUTと、界磁巻線を流れる励磁電流が過剰であることを知らせる過負荷信号の入力端子C1INと、により構成されている。
コントロールペダル80のペダル89に一定以上の力が加わると、摺動抵抗器82の抵抗値が変化する第1指令信号が出される。それによって、可変抵抗器68の抵抗値が変化すると、時定数回路67の電圧が変化し、PUT64の立ち上がり時間も変化するので、SCR61によるチョッパ信号のデューティ比が変化する。その結果、出力端子OUTから第1指令信号に応じたデューティ比の回転信号が出力される。
また、入力端子C1INから過負荷信号が入力すると、PUT64の作動電圧が上昇するので、第1指令信号で設定されたPUT64の立ち上がり電圧が上昇し、デューティ比が減少する。その結果、出力端子OUTからはデューティ比が減少した回転 信号が出力される。
図32は、本実施形態の回生信号生成部の一例を示す回生ブレーキコントローラである。
図32に示す回生ブレーキコントローラ70は、パワーコントローラ60に類似する回路である。パワーコントローラ60と較べてダミー抵抗器66にパルストランス79が接続される点、過電流信号の入力端子C2INには、回生電流が過剰であることを知らせる過電流信号が入力する点は相違するが、それ以外の点は共通する。したがって、共通する回路部品については、60番台を70番台に代え、一桁の数字は共通の番号を付して説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
入力端子INからチョッパ信号が入力すると、第2指令信号(可変抵抗器78の抵抗値の変化が第2指令信号に対応する)に応じたデューティ比の高圧チョッパ信号(高圧回生信号)を第1出力端子HOUTに、低圧チョッパ信号(低圧回生信号)を第2出力端子LOUTにそれぞれ出力する。パルストランス79は、1次側に、所定デューティ比の回生信号が入力すると、2次側に、高圧回生信号と低圧回生信号とを別個に出力する。なお、2次側には、逆流を阻止するダイオード79aが接続されている。なお、入力端子C2INに過電流信号が入力したときの回生ブレーキコントローラ70の作用は、パワーコントローラ60に過負荷信号電圧が入力したときの作用と同じであり、説明を省略する。
図33は、本実施形態の過負荷検出部及び過電流検出部それぞれの一例を示す過負荷信号発生器(又は過電流信号発生器)である。
図33に示す過負荷信号発生器(又は過電流信号発生器)130は、励磁電流(又は回生電流)に応じて検知された過電圧が入力する入力端子INと、全波整流器131と、分圧抵抗器132と、ツェナーダイオード133と、逆流阻止用ダイオード134と、出力端子OUTとを備えている。
入力端子に過電圧が入力すると、全波整流器131で全波整流され、分圧抵抗器132で分圧される。そしてその分圧がツェナーダイオード133の作動電圧(本発明の閾値に相当する。)を超えると、ツェナーダイオード133が導通する。そして、逆流阻止用ダイオード134を経由して、出力端子OUTに過負荷信号(又は過電流信号)が出力される。
図34は、本実施形態の回生電力制御部の一例を示す回生電力制御器である。
図34に示す回生電力制御器90は、界磁巻線組2cに誘起される回生電力を倍電圧整流して出力するもので、回生電力が入力される入力端子RINと、回生ブレーキコントローラ70から出力される高圧回生信号と低圧回生信号とを入力する入力端子HIN、LINと、回生電流を検出する検出トランス92と、検出された回生電流を出力する出力端子C2OUTと、高圧回生信号及び低圧回生信号それぞれにより導通する1対のスイッチング素子93、94と、1対のスイッチング素子93、94それぞれのゲートとカソードの電流をコントロールする安全抵抗器95と、回生電力の正負それぞれの回生電流を全波整流する4つのダイオード96と、整流された正負それぞれの電流を個別にチャージする1次コンデンサ97と、1次コンデンサ97にチャージされた電荷により倍電圧の電荷を得る大容量キャパシタ98と、倍電圧の出力端子VOUTと、を備えている。
1対のスイッチング素子93、94は、高圧回生信号及び低圧回生信号が入力すると、回生信号のデューティ比に応じて間欠的に導通し、導通したときだけ回生電力が1次コンデンサ97にチャージされる。そして、1次コンデンサ97にチャージされた電荷は、ダイオード99a、99bを経由して大容量キャパシタ98に蓄えられる。
ここで、出力を倍電圧にしているのは、大容量キャパシタ98の電荷を直流電源14の2次電池に充電する際、充電電圧を2次電池の電圧よりも高い、適正電圧とするためである。
本実施形態の指令信号生成部8における押圧部材89を一定以上に踏み込んだ後、押圧部材89に加わる力を弱めると、第2指令信号が出され、回生ブレーキが作用する。回生ブレーキの強弱は、回生電力の消費量に応じて変化するので、スイッチング素子93、94が間欠的に導通する時間が短いとき(デューティ比が小さいとき)は、弱く作用し、間欠的に導通する時間が長いとき(デューティ比が大きいとき)は、強く作用するので、電気自動車のアクセルペダルに適用すれば、エンジンブレーキと同様の感覚が得られる。
図35は、本実施形態の充電部の一例を示すバッテリチャージ電圧コントローラである。
図35に示すバッテリチャージ電圧コントローラ150は、回生電力制御器90の出力端子VOUTから倍電圧が入力される入力端子VINと、2次電池に接続する出力端子BATと、2つのスイッチング素子151、152と、第1のスイッチング素子151のゲート電圧を0に保つ抵抗器153、154と、2次電池の電圧を分圧し、充電電圧を設定する分圧抵抗器155、156と、ツェナーダイオード157と、ツェナーダイオード157がOFFのときに第2のスイッチング素子152のゲート電圧を0に保つ抵抗器158と、負荷変動に対応する電荷を蓄える大容量キャパシタ159と、を備えている。
2次電池の電圧が上昇し、分圧抵抗器155、156の電圧が充電完了電圧になり、ツェナーダイオード157が通電すると、第2のスイッチング素子152が導通し、第1のスイッチング素子151のゲート電圧が0になり、充電が停止する。
[第4の実施形態]
第4の実施形態の磁気誘導定磁極回転子モータは、第3の実施形態の磁気誘導定磁極回転子モータと比べると、回転方向の切換方法が相違するが、それ以外の点は共通する。すなわち、第3の実施形態においては、K個のセンサ対を有する検出部から出力されるK個の制御信号の入力先の制御回路を、回転方向の指令に応じて切替部で切り換える方法を用いるのに対し、第4の実施形態においては、K個の正回転用センサ対のほかにさらにK個の逆回転用センサ対を備え、回転方向の指令に応じて、給電切換器でセンサ対への給電を正回転用センサ対と逆回転用センサ対の何れか一方に切り換える方法を用いる点が相違する。従って、2K個のセンサ対を有する検出部や給電切換器による回転方向の転換方法を中心に、以下に説明する。
図36は、第4の実施形態の磁気誘導定磁極回転子モータを示す機能ブロック図である。
図36に示す本実施形態の磁気誘導定磁極回転子モータ103は、モータ本体10と、被検出部を有する筒状体3並びにK個の正回転用センサ対4RとK個の逆回転用センサ対4L及び各センサ対の検知信号に応じて制御信号を出力する制御信号出力部5を具備した検出部20と、起動用電源の給電を正回転用センサ対4R及び逆回転用センサ対4Lの何れか一方に切り換える給電切換器16と、励磁電流の方向及び大きさを制御する給電制御部30と、チョッパ信号生成部14と、加速・減速指令信号を生成する指令信号生成部8と、加速指令信号に基づく回転信号を生成する回転信号生成部11と、減速指令信号に基づく回生信号を生成する回生信号生成部7と、回生電力制御部9と、過負荷検出部13aと、過電流検出部13bと、充電部15と、を備えている。
モータ本体10は、2n個の回転突極を有する回転子1と、界磁巻線が巻回された2nK個の固定突極を有する固定子2と、を備え、界磁巻線は、(K−1)個の間隔をおいて2n個ずつ組み合わせて並列(あるいは直列)に接続され、K組の界磁巻線組2cが形成される。
回転信号生成部11は、指令信号生成部8から第1指令信号が入力すると、その第1指令信号に応じたデューティ比のPWM回転信号(本発明の「回転信号」に相当する。)を出力し、制御信号出力部20の制御信号出力部5に入力する。
検出部20は、被検出部3aが側面周方向に配置され、回転子1に軸着されて同期回転する筒状体3と、筒状体3の側面周囲に2K個の隣接する固定突極2bと対応させて配置され、給電切換器16から給電される電力で起動し、被検出部3aを検出して検知信号を出力する2K個の正回転用センサ4R及び2K個の逆回転用センサ4Lと、K個の正回転用センサ対4pR又は逆回転用センサ対4pLそれぞれから出力される検知信号に基づいて各界磁巻線組2cに給電される励磁電流の方向及び大きさを制御するK個の制御信号出力部5とを有する。
なお、正回転用センサ対4R及び逆回転用センサ対4Lそれぞれの2K個のセンサ4は、2個ずつ組み合わされてK個のセンサ対4pを形成している。
給電切換器16は、切替接点を有し、回転方向の指令を受けたとき、正回転の場合には、その切替接点を正回転用センサ対4R側に切替えることにより正回転用センサ対4Rそれぞれへの給電を行い、逆回転の場合には、その切替接点を逆回転用センサ対4L側に切替えることにより逆回転用センサ対4それぞれへの給電を行う。そして、給電された側の各センサ対4pが起動し、各回転突極1bが各固定突極2bを通過するタイミングを検出する。
制御信号出力部5は、正回転用及び逆回転用それぞれのK個のセンサ対4pそれぞれから出力される検知信号の入力端子(X、Y)と、入力した検知信号に応じて各界磁巻線組2cに通電される励磁電流の方向及び大きさを制御するPWM制御信号を何れか一方から出力する出力端子(A、B)とを有する。すなわち、K個のセンサ対4pにより被検出部3aが検出されるとPWM制御信号が出力され、被検出部3aが検出されないとPWM制御信号は出力されない。従って、制御信号出力部5は、センサ対4pのうち被検出部3aを検出したセンサ4に応じてA端子、又はB端子の何れか一方からPWM制御信号が出力される。
給電制御部30は、K個のスイッチング回路30aを有し、各スイッチング回路30aは、PWM制御信号が制御信号出力部5のA端子から入力するか、B端子から入力するかによって、界磁巻線組2cに直流電源12から通電される励磁電流の方向を制御し、PWM制御信号のパルス幅に応じて通電時間を制御する。

図37及び図38は、本実施形態の2K個のセンサ対を有する検出部(筒状体)を示す図であり、図37は、モータ本体に検出部が設置された状態の断面図、図38は、K個の正回転用センサ対とK個の逆回転用センサ対が配置された筒状体の一例を示す図である。
図37及び図38に示すように、モータ本体10は、回転軸1aを挟んで回転突極1bが対称に配置された回転子1と、界磁巻線組2cが巻回された固定子2と、筐体10aとを有する。また、回転軸1aには、同期回転するように筒状体3−2が軸着されている。そして、筒状体3−2側面における2つのトラックそれぞれには光を反射する被検知部(反射板)3aが形成されている。
筐体10aには、筒状体3−2を覆うようにホルダー10bが取付けてあり、筒状体3−2の2つのトラックそれぞれと対向するホルダー10bの内周面には、隣接する5個の固定突極2bそれぞれと対応させて正回転用の5つのセンサ対(4p1〜4p5)が配置され、正回転用センサ対4Rと回転軸1aを挟んで対称な位置に逆回転用センサ対4Lとして5つのセンサ対(4p6〜4p10)が配置されている。
各センサ対4pは、筒状体3−2の側面周方向における2つのトラックの同じ位置に配置された2個ずつのセンサ4によって構成されている。またセンサ対4pを構成する各センサ4は、隣接する5個の固定突極2bと対応する位置に配置されている。
なお、センサ4には、発光素子と受光素子とが一体的に形成された光センサ4aを用いているが、必ずしも光センサ4aである必要はなく、コイルセンサであってもよい。
一方、筒状体3−2の2つのトラックには、1個の固定突極2bと見合う間隔を開けて、互いに異なる位置に1対の被検出部(反射板)3a1と1対の被検出部(反射板)3a2とが設置されている。
従って、各センサ対4pは、一方のセンサ4が被検出部3a1又は 被検出部3a2を交互に検出し、非検出時間を挟んでX端子及びY端子の一方から交互に検知信号を出力し、制御信号出力部5は、休止時間を挟んでA端子及びB端子の一方から交互に制御信号を出力する。
本実施形態の筒状体3は、2つのトラックそれぞれに被検出部3a1、3a2が形成されているが、多数のトラックに被検出部3aを形成してもよい。また、トラック上の同じ回転位置に1つのセンサ対4pを配置しているが、複数のセンサ対4pを配置することもできる。
図39は、K個の正回転用光センサ対とK個の逆回転用光センサ対が配置された筒状体の他の例を示す図である。なお、モータ本体に検出部(筒状体)が設置された状態の断面は、図37に示すように筒状体に2つのトラックが形成されている他は、図7で示したものと同じ構造である(図は省略する)。すなわち、筒状体3−2を挟んで両側面を覆うように設置されたホルダー10bの外側内周には、例えば受光素子が固定設置され、ホルダー10bの内側外周には、例えば発光素子が、受光素子と対向させて固定設置され、光センサ4aが形成されている。また、図38、図39に示すように、筒状体3−2の2つのトラックそれぞれには、固定突極2bと見合う間隔を開けて、互いに異なる位置に1対の被検出部(スリット)3a1と1対の被検出部(スリット)3a2とが設けてある。
従って、各センサ対4apは、各センサ4aが被検出部(3a1,3a2)を交互に検出し、非検出時間を挟んでX端子及びY端子の一方から交互に検知信号を出力し、制御信号出力部5は、休止時間を挟んでA端子及びB端子の一方から交互に制御信号を出力する。
図40及び図41は、給電切換器による切換の作用を一例として示す図である。
図40及び図41は、いずれも筒状体3−2の側面周方向に5個のセンサ対(4p1〜4p5)からなる正転用センサ4Rと、5個のセンサ対(4p5〜4p10)からなる逆転用センサ4Lとが配置された場合の例である。なお、センサ対(4p1〜4p5)は、10個のセンサ4で形成され、光センサ対(4p6〜4p10)も、10個のセンサ4で形成されている。
正回転用の5個のセンサ対(4p1〜4p5)と逆回転用の5個の光センサ対(4p5〜4p10)は、それぞれ、5個の制御信号出力部(5−1〜5−5)に接続され、5個の制御信号出力部(5−1〜5−5)それぞれは、5個の制御回路(S1〜S5)それぞれに接続され、5個の制御回路(S1〜S5)それぞれは、5つの界磁巻線組(C1〜C2)に接続されている。5個の制御回路(S1〜S5)それぞれは、直流電源Pinから給電され、5個の制御信号出力部(5−1〜5−5)それぞれは、パルス幅変調された回転信号PWMinが入力し、5個のセンサ対(4p1〜4p5)と5個のセンサ対(4p6〜4b10)は、給電切換器16を介して別個の系統から起動用の電力が給電される。
図40に示す例は、センサ対4p1とセンサ対4p7とが制御信号出力部5−1を共有し、センサ対4p2とセンサ対4p8とが制御信号出力部5−2を共有し、センサ対4p3とセンサ対4p9とが制御信号出力部5−3を共有し、センサ対4p4とセンサ対4p10とが制御信号出力部5−4を共有し、センサ対4p5とセンサ対4p6とが制御信号出力部5−5を共有するように配線がなされている。従って、給電切換器16を正回転から逆回転に切り換えた場合には、各センサ対4pで検出される検知信号は、正回転の場合に比べて、逆回転方向に1つずつ進んだ位置に配置されたセンサ対4pによって検出されたものと見なされて制御信号出力部5から制御信号が出力される。
また、図41に示す例は、センサ対4p1と光センサ対4p8とが制御信号出力部5−1を共有し、センサ対4p2とセンサ対4p9とが制御信号出力部5−2を共有し、センサ対4p3とセンサ対4p10とが制御信号出力部5−3を共有し、センサ対4p4とセンサ対4p6とが制御信号出力部5−4を共有し、センサ対4p5とセンサ対4p7とが制御信号出力部5−5を共有するように配線がなされている。従って、給電切換器16を正回転から逆回転に切り換えた場合には、各センサ対4pで検出される検知信号は、正回転の場合に比べて、逆回転方向に2つずつ進んだ位置に配置されたセンサ対4pによって検出されたものと見なされて制御信号出力部5から制御信号が出力される。
ここでは、図37で示した、筒状体3−2側面周方向の2つのトラックと対向する同位置に、正回転用と逆回転用のそれぞれ5つずつのセンサ対4pが回転軸1aを挟んで対称に配置された例をもとに説明したが、図4及び図7で示したように、筒状体3−1の側面周方向に一列に配列されたセンサ4によって正回転用と逆回転用のセンサ対4pが回転軸1aを挟んで対称に配置される場合についても同様に適用される。
図42及び図43は、モータ本体を正回転又は逆回転させる場合の作用を示す模式図である。
図42は、nが2、Kが5、mが1、Pが1に設定されたモータ本体を正回転又は逆回転させる場合の模式図である。
図42において、回転突極は4個(T1〜T4)、固定突極は20個(F11〜F45)、筒状体3の被検出部(反射板)3aは、側面周方向の2つのトラックそれぞれに2つずつ配置されている。回転突極の長さL0は、(K−m)*(L1+L2)、すなわち4*(L1+L2)に設定され、被検出部3aの長さWは、[L0+L2+(m−p)*(L1+L2)]、すなわち[4*(L1+L2)+L2]に設定されている。
また、各センサ4は、固定子2に対応させて2つのトラックそれぞれの同じ位置に配置され、センサ対4pを形成している。被検出部3aは、正回転方向後端3bxが、回転突極の正回転方向後端1bxと同じ回転位置に、回転方向先端3byが回転突極の回転方向先端1byよりもL2だけ前方に位置するように2つのトラックに交互に配置されている。センサ対4pのうち図の上段のものは、2つのトラックのうち図の上段の被検出部3aを検出し、センサ対4pのうち図の下段のものは、2つのトラックのうち図の下段の被検出部3aを検出するように構成されている。
従って、回転突極1bが対向する固定突極2bそれぞれ、及び回転突極の回転方向先端1byが通過した固定突極2bよりも1つ前方の固定突極2bそれぞれに、同じ方向の磁界を生じさせ、回転突極の回転方向後端1bxそれぞれが対向する固定突極2bそれぞれを磁化休止にすることができる。また、センサ対4pの上段のセンサ4で被検出部3aが検出されると検知信号はX端子から出力され、制御信号出力部5のA端子から制御信号は出力され、センサ対4pの下段のセンサ4で被検出部3aが検出されると検知信号はY端子から出力され、制御信号出力部5のB端子から制御信号は出力される。
本例のモータ本体10における制御信号出力部5の正回転用センサ4R及び逆回転用センサ4Lによる共有方法は、図40に示した例が適用される。
図40における給電切換器16の切替接点が正回転用センサ4R側にあるときは、図38又は図39におけるセンサ対4p1は、被検出部3aを検出しないので、各固定突極2bの上段に磁界の方向を示すようにセンサ対4p1と対応する固定突極(F11,F21,F31,F41)は磁化休止となる。また、センサ対(4p2〜4p5)は、被検出部3aを検出し、B端子にPWM制御信号を出力するので、対応する固定突極(F12〜F15,F32〜F35)2bには(S)方向の磁界が生じ、始終端が逆向きに並列接続された界磁巻線組によって励磁される固定突極(F22〜F25,F42〜F45)2bには(N)方向の磁界が生じる。
一方、回転突極(T1、T3)1bは、常にN極に、回転突極(T2、T4)1bは、常にS極に磁化されるので、回転突極(T1、T3)1b及び回転突極(T2、T4)1bは、図の右方向に吸引される。
そして、回転突極(T1〜T4)が時計回りに回転(図の右方向に移動)すると、それに合わせて各固定突極(F11〜F45)の磁界分布も移動するので、継続して時計回りに正回転する。
一方、給電切換器16の切替接点が逆回転用センサ4L側にあるときは、センサ対4p1による検知信号は、正回転用センサ4Rそれぞれよりも、逆回転方向1つ先の制御信号出力部5に入力される。従って、界磁巻線組によって励磁される固定突極の磁界分布は、正回転の場合に比べて逆回転方向に1つずつ移動したものと同じになる。すなわち、センサ対4pと対応する各固定突極2bの磁界分布は、各固定突極2bの下段に示す通りになるので、回転突極(T1、T3)1b及び回転突極(T2、T4)1bは、図の左方向に吸引される。
そして、回転突極(T1〜T4)が反時計回りに回転(図の左方向に移動)すると、それに合わせて各固定突極(F11〜F45)の磁界分布も移動するので、回転突極(T1〜T4)は、反時計回りに継続して逆回転する。
図43は、nが2、Kが5、mが2、Pが2に設定されたモータ本体を正回転又は逆回転させる場合の模式図である。
図43において、L0は、(K−m)*(L1+L2)、すなわち3*(L1+L2)に設定され、被検出部3aの長さWは、[L0+L2+(m−p)*(L1+L2)]、すなわち[3*(L1+L2)+L2]に設定されている。
また、各センサ4は、固定子2に対応させて2つのトラックそれぞれの同じ位置に配置され、センサ対4pを形成している。被検出部3aは、正回転方向後端3bxが、回転突極の正回転方向後端1bxと同じ回転位置に、回転方向先端3byが回転突極の回転方向先端1byよりもL2だけ前方に位置するように2つのトラックに交互に配置されている。センサ対4pのうち図の上段のものは、2つのトラックのうち図の上段の被検出部3aを検出し、センサ対4pのうち図の下段のものは、2つのトラックのうち図の下段の被検出部3aを検出するように構成されている。
従って、回転突極1bが対向する固定突極2bそれぞれ、及び回転突極の回転方向先端1byが通過した固定突極2bよりも1つ前方の固定突極2bそれぞれに、同じ方向の磁界を生じさせ、回転突極の回転方向後端1bxそれぞれが対向する固定突極2bそれぞれを磁化休止にすることができる。また、センサ対4pの上段のセンサ4で被検出部3aが検出されると検知信号はX端子から出力され、制御信号出力部5のA端子から制御信号は出力され、センサ対4pの下段のセンサ4で被検出部3aが検出されると検知信号はY端子から出力され、制御信号出力部5のB端子から制御信号は出力される。
本例のモータ本体10における制御信号出力部5の正回転用センサ4R及び逆回転用センサ4Lによる共有方法は、図41に示した例が適用される。
給電切換器16の切替接点が正回転用センサ4R側にあるときは、センサ対4p1、4p5は、被検出部3aを検出しないので、各固定突極の上段に磁界の方向を示すようにセンサ対(4p1,4p5)と対応する固定突極(F11,F15、F21,F25,F31,F35,F41,F45)は磁化休止となる。また、センサ対(4p2〜4p4)は、被検出部3aを検出しB端子にPWM制御信号を出力するので、対応する固定突極(F12〜F14,F32〜F34)2bには(S)方向の磁界が生じ、始終端が逆向きに並列接続された界磁巻線組によって励磁される固定突極(F22〜F24,F42〜F44)2bには(N)方向の磁界が生じる。
一方、回転突極(T1、T3)1bは、常にN極に、回転突極(T2、T4)1bは、常にS極に磁化されるので、回転突極(T1、T3)1b及び回転突極(T2、T4)1bは、図の右方向に吸引される。
そして、回転突極(T1〜T4)が時計回りに回転(図の右方向に移動)すると、それに合わせて各固定突極(F11〜F45)の磁界分布も移動するので、継続して時計回りに正回転する。
一方、給電切換器16の切替接点が逆回転用センサ4L側にあるときは、センサ対4pによる検知信号は、正回転用センサ4Rそれぞれよりも、逆回転方向2つ先の制御信号出力部5に入力される。従って、界磁巻線組によって励磁される固定突極の磁界分布は、正回転の場合に比べて逆回転方向に2つずつ移動したものと同じになる。すなわちセンサ対4pと対応する各固定突極2bの磁界方向は、各固定突極の下段に示す通りになるので、回転突極(T1、T3)1b及び回転突極(T2、T4)1bは、図の左方向に吸引される。そして、回転突極(T1〜T4)が反時計回りに回転(図の左方向に移動)すると、それに合わせて各固定突極(F11〜F45)の磁界分布も移動するので、継続して反時計回りに逆回転する。
[第5の実施形態]
第5の実施形態の磁気誘導定磁極回転子モータは、第4の実施形態の磁気誘導定磁極回転子モータと比べると、回転方向の切換方法が相違するが、それ以外の点は共通する。すなわち、第4の実施形態においては、K個の正回転用センサ対とK個の逆回転用センサ対とを備え、回転方向の指令に応じて、各センサ対への給電を正回転用センサ対と逆回転用センサ対の何れか一方に切り換え、制御信号出力部以下は、正回転用と逆回転用とで共有する方法を用いるが、第5の実施形態においては、正回転用センサ対と逆回転用センサ対とがそれぞれ別個に制御信号出力部を保有し、回転方向の指令に応じて、センサ切換器で制御信号出力部への回転信号の入力を正回転用と逆回転用の何れか一方に切り換え、給電制御部(制御回路)以下は、正回転用と逆回転用とを共有する方法を用いる点が相違する。従って、相違する誘導定磁極回転子モータ全体の構成と、センサ切換器による回転方向の転換方法について説明し、検出部の構成やモータ本体を正回転又は逆回転させる場合の作用などの重複する説明は省略する。
図44は、第5の実施形態の磁気誘導定磁極回転子モータを示す機能ブロック図である。
図44に示す本実施形態の磁気誘導定磁極回転子モータ104は、モータ本体10と、被検出部3aを有する筒状体3並びにK個の正回転用センサ対4R及びK個の逆回転用センサ対4L並びに各センサ4の検知信号に応じて制御信号を出力する制御信号出力部5を具備した検出部20と、励磁電流の方向及び大きさを制御する給電制御部30と、チョッパ信号生成部14と、加速・減速指令信号を生成する指令信号生成部8と、加速指令信号に基づく回転信号を生成する回転信号生成部11と、減速指令信号に基づく回生信号を生成する回生信号生成部7と、回生電力制御部9と、過負荷検出部13aと、過電流検出部13bと、充電部15と、回転信号生成部11で生成された回転信号の入力先の制御信号出力部5を正回転用センサ4R側と逆回転用センサ4L側とに切り換えるセンサ切換器17とを備えている。
従って、回転方向の指令を受けてセンサ切換器17を正回転用センサ4R側から逆回転用センサ4L側逆回転用センサ4L側に切り換えると、正回転用センサ4Rに代わって逆回転用センサ4Lが起動し、逆回転用センサ4Lから出力される制御信号が、予め定められた給電制御部30に入力する。その結果、各界磁巻線組(C1〜C5)の励磁電流の方向及び大きさが制御され、各固定突極の磁界分布が、正回転における磁界分布と比べて1つ又は2つ逆回転方向にずれるので、図39〜図41に示すように、回転子は逆回転する。
図45は、センサ切換器を示す図である。
図45は、図38又は図39で示したように、筒状体3−2に5つのセンサ対(4p1〜4p5)からなる正転用センサ4Rと、5つのセンサ対(4p6〜4p10)からなる逆転用センサ4Lとが配置された場合の例である。
正回転用の5つのセンサ対(4p1〜4p5)は、制御信号出力部(5−1〜5−5)に接続され、逆回転用の5つのセンサ対(4p6〜4p10)は、制御信号出力部(5−6〜5−10)に接続されている。5つの制御信号出力部(5−1〜5−5)それぞれは、5つの制御回路(S1〜S5)それぞれに接続され、5つの制御回路(S1〜S5)それぞれは、5つの界磁巻線組(C1〜C2)に接続されている。
5つの制御回路(S1〜S5)それぞれは、直流電源Pinから給電され、5つの正回転用の制御信号出力部(5−1〜5−5)それぞれと5個の逆回転用の制御信号出力部(5−6〜5−10)それぞれとは、センサ切換器17を介して別系統でパルス幅変調された回転信号PWMinが入力し、10個のセンサ対(4p1〜4p10)には、起動用の電力Vinが給電される。
本例においては、センサ対4p1とセンサ対4p7とが制御回路S1を共有し、センサ対4p2とセンサ対4p8とが制御回路S2を共有し、センサ対4p3とセンサ対4p9とが制御回路S3を共有し、センサ対4p4とセンサ対4p10とが制御回路S4を共有し、センサ対4p5とセンサ対4p6とが制御回路S5を共有するよう配線されている。従って、センサ切換器17を正回転用センサ4R側から逆回転用センサ側4Lに切り換えた場合は、各制御信号出力部(5−6〜5−10)から出力される制御信号は、正回転の場合に比べて、逆回転方向に1つずつ進んだ位置に配置されたセンサ対4pで検出された場合と同じ制御信号が各制御回路(S1〜S5)に入力する。従って、正逆何れの回転方向においても、各固定突極における磁界分布は、図36及び図37で説明したと同様になるので回転子1は、何れの回転方向においても自在に回転する。
ここで、センサ対4pを形成するセンサとしては、光センサ4aであってもコイルセンサ4cであっても適用される。また、被検出部3aは必ずしも筒状体3の側面周方向に形成されたものである必要はなく、円盤18の平面周方向に形成されたものであってもよい。
さらに、正回転用センサ4R側から逆回転用センサ側4Lに切り換えた場合に、逆回転方向に1つずつ進んだ位置に配置されたセンサ対4pで検出されたときの制御信号の入力先に制御回路を切りかえることができるセンサ切換器17の例を示したが、逆回転方向に2つずつ進んだ位置に配置されたセンサ対4pで検出されたときの制御信号の入力先に制御回路を切りかえることもできる。
本発明の磁気誘導定磁極回転子モータは、電車、電気で駆動する自動車、自動二輪車、自転車のみならず、OA機器、AV機器、PC周辺機器、家電機器、産業用機器などに幅広く利用可能である。
1 回転子
1a 回転軸
1b 回転突極
1bx 回転突極の回転方向後端
1by 回転突極の回転方向先端
2 固定子
2b 固定突極
2c 界磁巻線組
3,3−1,3−2 筒状体
3a 被検出部
4 センサ
4R 正回転用センサ対
4L 逆回転用センサ対
4p センサ対
4a 光センサ
4b 光センサ対
4c コイルセンサ
4cx コイル
4cy 検知信号出力部
4d コイルセンサ対
5 制御信号出力部
5a トランジスタ
6 切替部
6a 入力端子
6b、6c 切替接点
7 回生信号生成部
8 指令信号生成部
9 回生電力制御部
10 モータ本体
10a 筐体
10b ホルダー
11 回転信号生成部
12 直流電源
13a 過負荷検出部
13b 過電流検出部
14 チョッパ信号生成部
15 充電部
16 給電切換器
17 センサ切換器
18 円盤
19 トラック
20 検出部
30 給電制御部
30a 制御回路
31a,31b,31c,31d スイッチング素子
35 フリーホイールダイオード
40a パルストランス
40b オペアンプ
40c ノイズフィルタ
40d ダイオード
60 パワーコントローラ
70 回生ブレーキコントローラ
80 コントロールペダル
90 回生電力制御器
100,101,102,103,104 磁気誘導定磁極回転子モータ
130 過負荷信号発生器(又は過電流信号発生器)
150 バッテリーチャージ電圧コントローラ

Claims (10)

  1. nを整数としたとき、回転軸を挟んで対称に配置された2n個の回転突極を有する回転子と、
    Kを3以上の整数としたとき、前記回転突極に対向配置された2nK個の固定突極を有し、該固定突極それぞれに巻回された界磁巻線を(K−1)個の間隔をおいて並列又は直列に接続し、K組の界磁巻線組が形成された固定子と、
    前記回転子に軸着されて同期回転する筒状体又は円盤の周方向に該軸を挟んで対称に形成された所定周長を有する被検出部を、該被検出部によって形成されるトラックに対向させて前記固定突極それぞれとの対応位置に設置された複数の光センサで検知された検知信号と入力された通電時間の調整信号とに基づいて、該固定突極それぞれを前記回転突極それぞれが通過するタイミングで制御信号を出力するK個の制御信号出力部と、
    前記制御信号それぞれにより動作するK個の制御回路を有し、直流電源から前記界磁巻線組それぞれに給電される励磁電流の方向及び大きさを制御する給電制御部と、を備え、
    前記回転突極それぞれは、前記固定突極のうちの少なくとも2個と対向し、
    前記制御信号出力部それぞれは、前記検知信号が入力しないときは前記制御信号を停止するものであって、前記回転突極それぞれのうちの、一の該回転突極における回転方向後端が対向する前記固定突極に巻回された前記界磁巻線組への前記励磁電流を停止し、該一の回転突極における回転方向先端が通過した該固定突極及び該固定突極より少なくとも1個先の該固定突極それぞれに巻回された該界磁巻線組への該励磁電流が同一方向に通電されるタイミングで前記制御信号それぞれを出力することを特徴とする磁気誘導定磁極回転子モータ。
  2. 前記被検出部それぞれは、前記筒状体の側面又は前記円盤の平面に所定間隔を隔てて周方向に形成されたものであって、
    前記制御信号出力部は、前記トラックが単一の場合には、一列に設置した前記センサを(K−1)個の間隔をおいて2個ずつ組み合わせたK個のセンサ対で検知した検知信号により、該トラックが複数の場合には、複数列に設置した該複数のセンサの中から異なる列に設置した2個ずつを組み合わせたK個のセンサ対で検知された検知信号により、前記制御信号を出力することを特徴とする請求項1記載の磁気誘導定磁極回転子モータ。
  3. 前記被検出部それぞれは、照射光を反射する反射部又は照射光を透過する透過部であり、
    前記光センサ対は、前記反射部又は前記透過部に向けて光を照射し、該反射部による反射光又は該透過部からの透過光を受光して検知信号を出力する2K個の光センサにより構成されたものであって、
    前記制御信号出力部は、前記K個の光センサ対それぞれから出力される前記検知信号により前記励磁電流を一方向に通電する前記制御信号と該励磁電流を他方向に通電する該制御信号とを出力することを特徴とする請求項2記載の磁気誘導定磁極回転子モータ。
  4. 前記回転突極それぞれの前記固定突極との対向面における回転方向の長さをL0、該固定突極の回転方向の長さをL1、該固定突極相互間のスロットの回転方向の長さをL2、該回転突極相互間のスロットそれぞれと対向する該固定突極の数をm、前記制御信号出力部それぞれのうち前記制御信号が同時に停止される数をpとしたとき、
    pは、1以上、かつm以下であり、
    前記被検出部によって形成されるトラックの円周が前記回転突極の前記対向面によって形成される円周に等しいと仮定した場合における該被検出部の周長Wは、[L0+L2+(m―p)*(L1+L2)]に設定されることを特徴とする請求項1から3のうちの何れか1項記載の磁気誘導定磁極回転子モータ。
  5. 前記回転子の回転を加速する第1指令信号、及び該回転を減速する第2指令信号を生成する指令信号生成部と、
    前記第1指令信号に応じたデューティ比の回転信号を生成し、前記制御信号出力部それぞれに入力する回転信号生成部と、
    前記第2指令信号に応じたデューティ比の回生信号を生成する回生信号生成部と、
    前記界磁巻線組それぞれに誘起される電力を前記回生信号のデューティ比に応じて整流し、蓄電器に蓄電する回生電力制御部とを備え、たことを特徴とする請求項1から4のうち何れか1項記載の磁気誘導定磁極回転子モータ。
  6. 前記界磁巻線組それぞれに通電される前記励磁電流が閾値を超えたときは過負荷信号を出力する過負荷検出部を備え、
    前記回転信号生成部は、前記過負荷信号が入力すると前記回転信号のデューティ比を減少させ、該過負荷信号が消滅すると、減少させた該回転信号のデューティ比を前記第1指令信号に応じたデューティ比まで増加させることを特徴とする請求項5記載の磁気誘導定磁極回転子モータ。
  7. 前記界磁巻線組それぞれに誘起された電圧による電流が閾値を超えたときは過電流信号を出力する過電流検出部を備え、
    前記回生信号生成部は、前記過電流信号が入力すると前記回生信号のデューティ比を減少させ、該過電流信号が消滅すると、減少させた該回生信号のデューティ比を、前記第2指令信号に応じたデューティ比まで増加させることを特徴とする請求項5記載の磁気誘導定磁極回転子モータ。
  8. 前記制御信号出力部から出力される一の前記制御信号の入力先を、前記制御回路それぞれのうちの予め定められた一の制御回路から、予め定められた他の一の制御回路に切り替える切替部を備え、
    前記回転子を正回転方向から逆回転方向に、又は逆回転方向から正回転方向に反転させる指令を受けたとき、前記切替部を切り替えることを特徴とする請求項1から7のうち何れか1項記載の磁気誘導定磁極回転子モータ。
  9. 前記K個の制御信号出力部は、所定の電力が給電されたときに起動するK個の正回転用センサ対で検知された検知信号により、前記制御信号を出力する正回転用制御信号出力部であって、
    前記正回転用センサ対とは別個に具備するK個の逆回転用センサ対によって検知された検知信号により前記制御信号を出力するK個の逆回転用制御信号出力部と、
    前記回転子の回転方向に関する指令を受けたとき、前記電力の給電を前記正回転用センサ対及び前記逆回転用センサ対の何れか一方に切り換える給電切換手段と、を備えたことを特徴とする請求項2から7のうちの何れか1項記載の磁気誘導定磁極回転子モータ。
  10. 前記K個の制御信号出力部は、前記回転信号が入力しているときにK個の正回転用センサ対で検知された検知信号により、前記制御信号を出力する正回転用制御信号出力部であって、
    前記正回転用センサ対とは別個に具備するK個の逆回転用センサ対によって検知された検知信号により前記制御信号を出力するK個の逆回転用制御信号出力部と、
    前記回転子の回転方向に関する指令を受けたとき、前記回転信号の入力先を前記正回転用制御信号出力部及び前記逆回転用制御信号出力部の何れか一方に切り換える回転信号切換手段と、を備えたことを特徴とする請求項5から7のうちの何れか1項記載の磁気誘導定磁極回転子モータ。
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