以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係る情報提供システムの一実施の形態を示した全体構成図である。図1では、さらにログ情報提供システムに含まれる各装置のブロック構成を示している。図1には、オフィスに設置された文書管理サーバー10、印刷サーバー20、オフィスプリンター30及びデータベースサーバー40と、社外に設置された社外プリンター50と、社外の管理センターに設置された社外印刷管理サーバー60及びログ情報提供装置70と、が示されている。文書管理サーバー10、印刷サーバー20、データベースサーバー40、社外印刷管理サーバー60及びログ情報提供装置70は、図示していないインターネット等の広域ネットワーク網(WAN)にて接続されている。社外印刷管理サーバー60及びログ情報提供装置70はLANで接続してもよい。文書管理サーバー10、印刷サーバー20、オフィスプリンター30及びデータベースサーバー40は、企業内ネットワークであるイントラネット内に形成され、それぞれは、LAN(図示せず)にて接続されることを想定しているが、WAN若しくはWANとLANを組み合わせて接続してもよい。
オフィスは、印刷を実行するユーザーが在席する事業所である。管理センターは、本システムを管理する管理会社の情報センターである。管理センターに設置されたログ情報提供装置70は、本発明に係る情報提供装置の一実施の形態であり、イントラネット内(社内)あるいはイントラネット外(社外)で印刷が実行されたことに伴い生成されるログ情報を収集することでログ情報を統合管理し、その統合したログ情報を分析することでユーザー等に分析結果等を情報提供するために用いられる装置である。社外というのは、オフィスの外である。本実施の形態においては、本システムを、事業所に勤務する営業員等(以下、「ユーザー」)が電子化された文書をオフィスプリンター30又は社外プリンター50のいずれかで印刷し、その印刷した文書を所定の客先へ持って行く場合に適用することを想定している。
図2は、本実施の形態におけるログ情報提供装置70を形成するコンピュータのハードウェア構成図である。本実施の形態においてログ情報提供装置70を形成するコンピュータは、従前から存在する汎用的なパーソナルコンピューター(PC)のハードウェア構成で実現できる。すなわち、コンピュータは、図2に示したようにCPU81、ROM82、RAM83、ハードディスクドライブ(HDD)84を接続したHDDコントローラ85、入力手段として設けられたマウス86とキーボード87、及び表示装置として設けられたディスプレイ88をそれぞれ接続する入出力コントローラ89、通信手段として設けられたネットワークコントローラ90を内部バス91に接続して構成される。
文書管理サーバー10、印刷サーバー20、データベースサーバー40及び社外印刷管理サーバー60も同じコンピュータであることから、図2と同様に図示してよい。
オフィスプリンター30及び社外プリンター50は、少なくとも印刷機能を搭載した画像形成装置であり、コンピュータを内蔵した装置である。すなわち、各プリンター30,50は、CPU、ROM、RAM、HDDを搭載し、ROMに格納されたプログラムに従ってスキャナやプリンタエンジン等本装置に搭載された各種機構の動作制御を行う。更に、操作パネル、ICカードリーダー、ネットワークインタフェース及びUSBメモリ等の外部メモリ機器を接続する外部メディアインタフェースを有している。オフィスプリンター30及び社外プリンター50は、汎用的なハードウェア構成で実現してよい。ただ、社外プリンター50は、課金装置が接続され、利用時に料金を徴収する機能を有している。
図1に戻り、文書管理サーバー10は、印刷指示処理部11、顧客情報取得部12及び文書格納部13を有し、印刷対象となる電子化された文書の管理及び当該各文書に対する印刷指示を処理する。ユーザーは、自分の座席にあるPCや携帯情報端末などの情報処理装置(図示せず)を用いて文書管理サーバー10へ印刷指示を出す。文書格納部13には、印刷対象となる電子化された文書が格納されており、印刷指示処理部11は、ユーザーによる印刷指示に応じて、文書格納部13に格納された文書の中からユーザーにより選択された文書に対する印刷指示処理を実行する。顧客情報取得部12は、印刷指示された文書の提出先(ユーザーによる文書の持参先)となる顧客に関する顧客情報を取得する。
印刷サーバー20は、所内サービスサーバーとして設けられ、印刷制御部21、ログ情報送信部22、文書格納部23及びログ情報蓄積部24を有し、オフィスプリンター30の印刷制御を行う。ユーザーは、文書の印刷実行先としてオフィスプリンター30又は社外プリンター50のいずれかを選択するが、印刷制御部21は、印刷実行先としてオフィスプリンター30が選択された場合に印刷制御を行う。文書格納部23には、印刷対象としてユーザーにより指定され、文書管理サーバー10から送信されてきた文書が格納される。ログ情報蓄積部24には、印刷が実行されたときに、印刷制御部21により生成された当該印刷実行に関するログ情報が蓄積される。ログ情報送信部22は、ログ情報蓄積部24に蓄積されているログ情報をログ情報提供装置70へ送信する。
オフィスプリンター30は、印刷を実行するプリンターであり、ユーザーの操作指示に従って指定された文書の印刷を実行する印刷実行部31を有している。なお、オフィスプリンター30は、同等の機能を有していればよいので、図1では、便宜的に1台のみ図示したが、オフィス内に複数台設置してもよい。
データベースサーバー40は、オフィスの事業所名、所在地等オフィスに関するオフィス情報が格納されたオフィス情報記憶部42、顧客の名称、所在地等顧客に関する顧客情報が格納された顧客情報記憶部43、地図情報及び交通手段(経路情報、運賃等)に関する情報が格納された地図情報記憶部44などの各種データベースを有している。情報管理部41は、これらの情報の更新等の情報管理、また外部からのアクセスに応じて情報の提供を行う。
印刷指示処理部11、顧客情報取得部12、印刷制御部21、ログ情報送信部22、印刷実行部31及び情報管理部41は、各装置を形成するコンピュータと、コンピュータに搭載されたCPUで動作するプログラムとの協調動作により実現される。また、文書格納部13、文書格納部23、ログ情報蓄積部24、オフィス情報記憶部42、顧客情報記憶部43及び地図情報記憶部44の各記憶手段は、各装置に搭載されたHDDにて実現される。あるいは、RAM又は外部にある記憶手段をネットワーク経由で利用してもよい。
社外プリンター50は、印刷を実行するプリンターであり、ユーザーの操作指示に従って指定された文書の印刷を実行する印刷実行部51を有している。なお、社外プリンター50は、同等の機能を有していればよいので、図1では、便宜的に1台のみ図示した。本実施の形態における社外プリンター50は、管理会社と契約しているコンビニエンスストアー等の店舗に設置されており、料金を支払ったユーザーが利用できるようになるプリンターであることを想定している。印刷実行部51は、社外プリンター50に搭載されたコンピュータと、コンピュータに搭載されたCPUで動作するプログラムとの協調動作により実現される。
社外印刷管理サーバー60は、所外サービスサーバーとして設けられ、印刷制御部61、ログ情報送信部62、情報管理部63、文書格納部64、ログ情報蓄積部65、店舗情報記憶部66及び料金情報記憶部67を有し、社外プリンター50の印刷制御を行う。印刷制御部61は、印刷実行先として社外プリンター50が選択された場合に印刷制御を行う。文書格納部64には、印刷対象としてユーザーにより指定され、文書管理サーバー10から送信されてきた文書が格納される。ログ情報蓄積部65には、印刷が実行されたときに、印刷制御部61により生成された当該印刷実行に関するログ情報が蓄積される。ログ情報送信部62は、ログ情報蓄積部65に蓄積されているログ情報をログ情報提供装置70へ送信する。情報管理部63は、店舗情報記憶部66及び料金情報記憶部67に格納されている各情報の更新等の情報管理、また外部からのアクセスに応じて情報の提供を行う。店舗情報記憶部66には、管理会社が管理している社外プリンター50及び社外プリンター50が設置された店舗に関する情報が記憶される。具体的には、店舗に設置されている社外プリンター50の識別情報としての型番、IPアドレス、印刷可能な用紙サイズ、白黒/カラーモードの有無、また店舗の所在地等である。店舗の所在地は、住所及び/又は経緯度情報である。料金情報記憶部67には、印刷に関連する料金に関する情報が記憶されている。具体的には、各用紙サイズ毎、白黒/カラーモード毎の単価、ボリュームディスカウントに関する情報等である。また、管理会社は、社外プリンター50を利用させるに際し、企業との間で料金プランを契約する場合があるが、その料金プランの設定内容及び各企業の契約内容も料金情報記憶部67に記憶される。
社外印刷管理サーバー60における各構成要素61〜63は、社外印刷管理サーバー60を形成するコンピュータと、コンピュータに搭載されたCPUで動作するプログラムとの協調動作により実現される。また、各記憶手段64〜67は、社外印刷管理サーバー60に搭載されたHDDにて実現される。あるいは、RAM又は外部にある記憶手段をネットワーク経由で利用してもよい。
本実施の形態におけるログ情報提供装置70は、ログ情報収集部71、追加情報生成部72、情報取得部73、分析情報生成部74、表示処理部75及びログ情報蓄積部76を有している。ログ情報収集部71は、収集手段として設けられ、イントラネット内で管理された社内サービス実行装置の社内ログ情報、すなわち社内サービス実行装置であるオフィスプリンター30により印刷サービスが実行されたときのログ情報及びイントラネット外で管理された社外サービス実行装置の社外ログ情報、すなわち社外サービス実行装置である社外プリンター50により印刷サービスが実行されたときのログ情報を収集し、ログ情報蓄積部76に登録することで記憶させる。追加情報生成部72及び情報取得部73は、取得手段として設けられている。このうち追加情報生成部72は、ログ情報の分析に必要な情報を追加情報として生成し、ログ情報蓄積部76に蓄積された対応するログ情報に付加する。情報取得部73は、追加情報生成部72による追加情報の生成に必要な情報を外部から取得する。具体的には、印刷物(文書)が提供されるサービス提供先の位置情報を取得したり、社外プリンター50における課金に関する情報を取得したりする。分析情報生成部74は、生成手段として設けられ、ログ情報蓄積部76に蓄積されたログ情報に含まれている利用者情報に基づいて統合した分析情報を生成する。なお、分析情報として、サービスの実行場所、すなわち各プリンター30,50の設置場所と、印刷文書の提供先との関係を示す情報も生成する。表示処理部75は、出力手段として設けられ、分析情報生成部74により生成された分析情報をディスプレイ88に表示する。ログ情報蓄積部76には、社内及び社外にて実行された印刷サービスに伴い生成されたログ情報が蓄積される。
ログ情報提供装置70における各構成要素71〜75は、ログ情報提供装置70を形成するコンピュータと、コンピュータに搭載されたCPU81で動作するプログラムとの協調動作により実現される。また、ログ情報蓄積部76、ログ情報提供装置70に搭載されたHDD84にて実現される。あるいは、外部にある記憶手段をネットワーク経由で利用してもよい。
また、本実施の形態で用いるプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROMやDVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。通信手段や記録媒体から提供されたプログラムはコンピュータにインストールされ、コンピュータのCPUがプログラムを順次実行することで各種処理が実現される。
次に、本実施の形態における動作について説明する。最初に、ユーザーが印刷を指示してからログ情報提供装置70にログ情報が収集されるまでのログ情報収集処理について図3に示したフローチャートを用いて説明する。
文書の印刷を行うユーザーは、例えばオフィス内で自分の情報端末を用いて文書管理サーバー10にアクセスし、文書の印刷を指示する。この際、ユーザーは、印刷対象の文書及び印刷実行先(文書出力先)としてオフィスプリンター30又は社外プリンター50を選択する(ステップ101)。複数台のオフィスプリンター30又は社外プリンター50が設置されている場合には、文書管理サーバー10から送られてくるプリンターのリストを印刷指示に用いている情報端末のディスプレイに表示して、その中からユーザーに選択させるようにしてもよい。印刷指示に用いられる情報端末は、ユーザーにより指定された文書を特定する情報、印刷実行先のプリンターに加えて当該ユーザーのユーザーIDを文書管理サーバー10へ送信する。更に、ユーザーが印刷指示をした場所を特定するために、情報端末のGPS機能を利用したり、ユーザーが電子メールを利用して印刷指示場所を文書管理サーバー10に通知するなどして、ユーザーが印刷を指示した場所(ユーザーの所在地)を特定する情報を通知する。
オフィスプリンター30が選択された場合(ステップ102でY)、文書管理サーバー10における印刷指示処理部11は、印刷対象の文書データ(PDF等)、文書ID及びユーザーIDを組にして印刷サーバー20へ送信する(ステップ103)。これに応じて、印刷サーバー20は、送られてきた情報を文書格納部23に登録する。一方、社外プリンター50が選択された場合(ステップ102でN)、文書管理サーバー10における印刷指示処理部11は、印刷対象の文書データ(PDF等)、文書ID及びユーザーIDを組にして社外印刷管理サーバー60へ送信する。これに応じて、社外印刷管理サーバー60は、送られてきた情報を文書格納部64に登録する。
その後、オフィスプリンター30を選択したユーザーは、オフィス内の印刷を行いたいオフィスプリンター30の設置先まで移動する。そして、そのオフィスプリンター30からユーザー認証を行うと、オフィスプリンター30は、ユーザーIDを印刷サーバー20へ送信する。これに応じて、印刷サーバー20は、当該ユーザーIDに対応して記憶している文書IDを文書格納部23から読み出し、その読み出した文書IDのリストをオフィスプリンター30へ送り、操作パネルにリスト表示させる。その文書リストの中からユーザーが文書を選択すると、オフィスプリンター30における印刷実行部31は、その文書のデータを印刷サーバー20から取得すると印刷を実際に実行する(ステップ105)。印刷が実行されると、印刷制御部21により生成されたログ情報が印刷サーバー20のログ情報蓄積部24に蓄積される(ステップ106)。
一方、社外プリンター50を選択したユーザーは、印刷を行いたい社外プリンター50が設置されたコンビニ等の店舗まで移動する。そして、その社外プリンター50からユーザー認証を行うと共に印刷対象の文書の文書IDを入力指定する。これに応じて、社外プリンター50は、ユーザーID及び文書ID、更に当該社外プリンター50を特定する情報として店舗IDを社外印刷管理サーバー60へ送信する。これに応じて、社外印刷管理サーバー60における印刷制御部61は、指定された文書IDの文書データを文書格納部64から読み出し、その読み出した文書データを店舗IDから特定できる社外プリンター50へ送信する。社外プリンター50における印刷実行部51は、文書データを社外印刷管理サーバー60から取得すると印刷を実際に実行する(ステップ107)。印刷が実行されると、印刷制御部61により生成されたログ情報が社外印刷管理サーバー60のログ情報蓄積部65に蓄積される(ステップ108)。
印刷サーバー20及び社外印刷管理サーバー60にはそれぞれ、以上のようにして印刷の実行に伴いログ情報が蓄積されるが、以上説明した各サーバー20,60におけるログ収集機能は従前と同様でよい。
印刷サーバー20及び社外印刷管理サーバー60にはそれぞれ上記のようにしてログ情報が蓄積されると、ログ情報提供装置70におけるログ情報収集部71は、印刷サーバー20及び社外印刷管理サーバー60のそれぞれからログ情報を収集して、ログ情報蓄積部76に格納する(ステップ109)。収集するタイミングとしては、リアルタイムでもよいし、1日1回など定周期的に行うようにしてもよい。
更に、追加情報生成部72は、分析情報の生成に必要な情報として追加情報を生成し、対応するログ情報に付加してログ情報蓄積部76に格納する(ステップ110)。追加情報の内容については以下で説明する。
図4は、本実施の形態におけるログ情報蓄積部76に蓄積されるログ情報のデータ構成の一例を示す図である。ここで、本実施の形態におけるログ情報提供装置70に蓄積されるログ情報について説明する。
ログ情報には、ユーザーID、印刷された文書の文書ID、印刷が指示された日時(印刷指示日時)及び場所を特定する情報(印刷指示場所)、印刷が実行された日時(印刷実行日時)及び場所を特定する情報(印刷実行場所)、費用関連情報が含まれる。これらの情報は、各サーバー20,60から収集したログ情報に含まれており、利用者を特定する利用者情報としてのユーザーIDによって統合管理される。なお、社外で用いる利用者情報を社内で用いる利用者情報と使い分けている場合、つまり、社内利用の利用者情報と社外利用の利用者情報とが異なる場合、各利用者情報を関連付ける情報を保持しておき、このログ情報を統合する際には、この情報を参照するようにしてもよい。また、印刷が実行された場所を特定する情報として、社内で印刷された場合にはオフィスの事業所名が、社外で印刷された場合には社外プリンター50が設置された店舗の名称が、それぞれ設定される。
費用関連情報は、各プリンター30,50により印刷が実行された際に要した費用に関連する情報である。ユーザーが社外プリンター50を使用して印刷が実行された場合、そのユーザーに課金された印刷料金と共に、印刷に使用された用紙のサイズ、各サイズにおける印刷枚数、用紙毎の白黒/カラーモードの別が費用関連情報に含まれる。ユーザーがオフィスプリンター30を使用して印刷が実行された場合、社外プリンター50と同様に用紙サイズ、印刷枚数及び白黒/カラーモードの別が費用関連情報に含まれる。社内使用の場合、印刷料金は、一般にユーザーに課金されないので不要である。ただ、社外プリンター50とは異なり、オフィスプリンター30には固定資産等の固定費、消耗品使用料等がかかるので、その情報に基づき社外での印刷料金と対比可能なように社内での印刷料金を算出する。
文書提出先は、印刷の実行より得られた文書(印刷物)をユーザーが持って行き、提出する先となる顧客に関する顧客情報である。顧客情報には、顧客の名称、所在地等が少なくとも1つ含まれている。文書の提出先となる顧客は、ユーザーが印刷実行時に所定の画面から入力することで特定するようにしてもよいし、ユーザーに電子メール等で印刷サーバー20又は社外印刷管理サーバー60に通知させるようにしてもよい。また、電子文書が文書管理サーバー10において顧客名等顧客を特定しうる情報が付けられたフォルダにて分類管理されている場合には、そのフォルダ名から顧客を特定してもよい。あるいは、印刷実行時に印刷対象の文書を文字解析して、文書に記載された顧客名を抽出するようにしてもよい。文書提出先は、追加情報生成部72が顧客情報取得部12に指示することにより取得される。
移動関連情報には、ユーザーがオフィスから客先までの移動に関連する情報が含まれている。経路、道順には、オフィスから文書提出先により特定された客先までの移動経路、徒歩、電車、バス等の移動手段が含まれる。移動距離には、オフィスから文書提出先により特定された客先までの移動距離が設定される。所要時間には、オフィスから文書提出先により特定された客先までの移動に要する時間が設定される。移動費用には、オフィスから文書提出先により特定された客先までの移動に要する費用が含まれる。例えば、電車を利用する場合は電車代が含まれる。
移動関連情報は、実際の移動による情報ではなく、最適と考えられる経路が特定され、その特定された経路に沿って移動したときの所要時間、距離及び費用が計算により求められる。そのために、本実施の形態では、印刷指示場所や印刷実行場所に経緯度情報が含まれていない場合、データベースサーバー40にて保持管理されているオフィス情報、顧客情報及び地図情報、更に社外印刷管理サーバー60にて保持管理されている店舗情報を参照して、印刷指示場所や印刷実行場所の経緯度情報を取得し、経路、移動距離等を求めている。具体的には、ログ情報提供装置70における追加情報生成部72は、情報取得部73に、ログ情報に含まれている印刷実行場所(オフィスの事業所名、店舗名)に基づきデータベースサーバー40に格納されたオフィス情報又は社外印刷管理サーバー60に格納された店舗情報を参照させることで印刷が実行された場所の経緯度情報を取得する。また、追加情報生成部72は、情報取得部73に、データベースサーバー40に格納された地図情報を参照させることでオフィスから文書提出先により特定された客先までに最適な経路及び移動手段を特定し、その移動手段を用いたときの所要時間及び費用を求める。なお、地図情報は、社内の地図情報ではなく、外部の地図情報システムを利用してもよい。
このようにして、追加情報生成部72は、追加情報として文書提出先及び移動関連情報を生成、取得して、各サーバー20,60から収集した各ログ情報に対応付けてログ情報蓄積部76に格納する。
なお、本実施の形態では、文書提出先を文書管理サーバー10の顧客情報取得部12により生成させるようにした。これは、文書を文字解析して顧客名を取得する場合、その文書自体は、ログ情報提供装置70ではなく文書管理サーバー10が保持しているからである。また、本実施の形態では、各場所の経緯度情報を追加情報生成部72が主体的に動作して得るようにしたが、印刷サーバー20及び社外印刷管理サーバー60が各場所の経緯度情報を印刷実行場所として取得し、ログ情報提供装置70へ送信するログ情報に含めるようにしてもよい。
後述する分析情報の表示処理では、ログ情報蓄積部76に格納されたログ情報を参照して分析情報を生成、表示するが、本実施の形態においては、追加情報生成部72を設けて、各サーバー20,60から収集したログ情報だけでは分析情報の生成に足りない情報を追加的に生成し、ログ情報に含めるようにしている。
続いて、ログ情報に基づき生成された分析情報の表示について、いくつかの表示例を用いながら説明する。
図5は、その分析情報の一例を示す図である。図5に示したグラフの横軸は、オフィスから顧客の所在地までの距離を示し、縦軸は、ある一定期間において各顧客に対して文書を提示するために実行された印刷回数を示している。図5に示した例によると、A社からF社まで順にオフィスから遠い位置に所在することになるが、各顧客は、ログ情報に含まれる移動距離を参照し、その移動距離に応じたグラフの横線上の位置にプロットされる。また、印刷回数は、ある一定期間内において文書提出先毎に集計したログ情報の数に相当する。
また、図5では、印刷が社内(オフィス)で実行されたのか、あるいは社外(店舗)で実行されたのかの別がわかるように表示される。更に、社外の場合、社内で印刷した場合より費用(コスト)が高い場合は、そうでない場合との違いがわかるように表示される。コストに関しては、ログ情報の印刷料金を参照すればよいが、実際に社内で印刷していない場合のコストに関する計算方法については後述する。この図から、ユーザーは、オフィスより遠距離にある顧客に対しては、社内より社外にて印刷を実行する傾向にあることがわかる。また、費用に関する情報としてオフィスと店舗のどちらが高いかを合わせて表示するようにした。
なお、図5では、印刷回数の多少がわかるように、1回の印刷を示すブロックの大きさを同じにしたが、印刷枚数に応じてブロックの高さを変えるようにして、顧客毎の印刷量がわかるようにしてもよい。
図6は、分析情報の他の例を示す図である。図6に示したグラフの横軸は、図5と同じでオフィスから顧客の所在地までの距離を示している。縦軸は、ある一定期間において各顧客に対して文書を提供するために実行された印刷に要したコストを示している。コストは、ログ情報の印刷料金を参照すればよい。この図から、各顧客に要したコストの総計がわかる。
図7は、分析情報の他の表示例を示す図である。図5では、棒グラフにて各顧客の印刷回数やコストを示すようにした。図7では、これを地図上に円グラフとして展開している。円グラフでは、印刷回数に応じた大きさにて表示し、その中にオフィス、店舗及び店舗(高コスト)の比率を示している。そして、顧客の所在地に対応した地図上の位置に円グラフを表示する。なお、図7では、便宜的に全顧客の情報は表示させていない。
このように、顧客の所在地に対応付けて印刷回数を表示してもよい。また、印刷回数ではなく、図6に示したコストにおいても同様に表示させてもよい。また、図5〜図7に例示した表示画面上の該当するブロック等にカーソルを合わせることで具体的な数字やログ情報の詳細を表示させるようにしてもよい。また、図7のように地図上に情報を表示する場合、オフィス、店舗及び顧客の位置を地図上にプロットし、カーソルを合わせることでオフィス情報、顧客情報の詳細を表示するようにしてもよい。
ところで、ユーザーが所属する企業が社外プリンター50を利用するに際し、管理会社との間で料金プランの契約を締結する場合がある。例えば、料金プランに、特に割引のない若しくは一般的なボリュームディスカウント(割引率)が適用されるベーシックプランと、ベーシックプランより基本料金は高いものの高い割引率が適用される割引プランと、が設定されていたとする。印刷量が相対的に多い企業においては、高い基本料金を支払ってでもボリュームディスカウントによる割引効果を期待して、全体としてのコスト削減を図るために割引プランの契約をする場合がある。
ここで、先に示した図6がベーシックプランの契約をしている企業における分析情報だとする。そして、当該企業が仮に割引プランに切り替えた場合のシミュレーションを実行した結果を図8に示している。図6と図8を比較してみると、C社及びD社には、割引プランに切り替えることで店舗で印刷した場合でもオフィスで印刷するより安くなる印刷91,92が現れてくることがわかる。一方、D社、E社及びF社には、割引プランに切り替えることで店舗で印刷した方がオフィスで印刷するより安くなる印刷93,94,95が現れてくることがわかる。そして、一定期間内(例えば1月)におけるコストの合計は、割引プランを適用すると、13200円から11800円に下がることがわかる。この結果、この企業は、この月のコストを参照する限り、割引プランで契約していた方が得であったことが判明する。事業所の管理者等がこの結果を参照することで、即座に、あるいは他の期間において同様のシミュレーションを行った結果によって管理会社との契約内容を変更するかもしれない。
なお、料金プランに関する情報は、料金情報記憶部67に記憶されているので、分析者が上記シミュレーションを行うことを所定のシミュレーション実行画面から選択した場合、分析情報生成部74は、情報取得部73に料金情報を取得させ、その取得した料金情報に基づき指定された期間における上記シミュレーションを実行する。
ところで、上記シミュレーションの結果、割引プランが適用されることで、オフィスより店舗で印刷を実行した方が安くなる印刷93,94,95が現れてくる。図9は、図8において印刷93をオフィスでの印刷から店舗での印刷に変更した場合のシミュレーションの結果を示した図である。これは、例えば、分析者が印刷93のブロックを例えばダブルクリック等の所定の印刷場所変更操作を行うと、分析情報生成部74は、その操作指示に応じて印刷93を仮に店舗で印刷を行った場合における印刷料金を計算して分析情報を生成する。印刷93に対応するログ情報の費用関連情報には、印刷した用紙サイズ、各用紙サイズにおける印刷枚数等課金金額の計算に必要な情報が含まれているので、分析情報生成部74は、当該費用関連情報を参照して印刷93を社外プリンター50にて実行した場合の印刷料金を計算する。本実施の形態では、このように実際に行っていない印刷に対する印刷料金をも計算により求める機能を有している。
図9を参照すると、印刷93は、店舗で印刷した方がオフィスで印刷するより安く印刷できることになり、またコストの合計を参照すると、400円分安くなることがわかる。図5の実績に対し、シミュレーションの実行により得られる図8及び図9に表示される分析情報を参照した事業所の管理者は、契約内容を割引プランに変更し、更にオフィスでの印刷より店舗での印刷を優先することでコストの削減が見込めることを認識する。
本実施の形態においては、以上説明したように社内(オフィス)での印刷と社外(店舗)での印刷のログ情報を一括して統合管理し、この一括したログ情報に基づき社内及び社外での印刷実績を統合した形態にて提供する。
なお、本実施の形態では、出力制御手段として表示処理部75を設け、表示処理部75に分析情報を表示させる場合を例にして説明したが、出力制御手段として表示処理部75に代えて、あるいは表示処理部75と共に分析情報をファイル形式にて保存したり、ネットワーク経由で情報提供したりする手段等他の手段を設けてもよい。
以上例示した表示形態にて分析情報を表示させるためには、表示対象とするログ情報の期間、グラフの種類、グラフの種類によっては軸に対応付ける指標等をユーザーに指定、選択させる必要があるが、そのためのユーザインタフェース画面自体は本発明の特徴ではないので省略している。
また、本実施の形態では、全ユーザーによる印刷実績をまとめて分析情報を生成するようにしたが、ユーザー毎に生成するようにしてもよい。また、文書の種類等文書属性に関する情報を合わせて取り扱い、文書属性毎に分析情報を生成してもよい。
また、本実施の形態では、プリンターをサービス実行装置として設置して印刷サービスに適用した場合を例にして説明したが、複写、ファクシミリ送信等その他のサービスに適用してもよい。