JP5629139B2 - インモールド転写用フィルム - Google Patents
インモールド転写用フィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP5629139B2 JP5629139B2 JP2010141578A JP2010141578A JP5629139B2 JP 5629139 B2 JP5629139 B2 JP 5629139B2 JP 2010141578 A JP2010141578 A JP 2010141578A JP 2010141578 A JP2010141578 A JP 2010141578A JP 5629139 B2 JP5629139 B2 JP 5629139B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- release layer
- antistatic
- weight
- film
- layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
インモールド用転写箔は、成形転写後に離型層面と印刷層面との間で剥がされ、分離される。すなわち、成形転写後に印刷層は成形品の表面に接着して製品として取出され、離型層は転写箔のベースフィルムのうえに設けられた状態で製品から取り除かれる。
一方、帯電防止層の塗布斑が目立つと、印刷工程で転写箔の外観検査を行う際に外観欠点と誤認されることがあり、生産性を大きく落とす原因となることから、帯電防止層の外観性向上が求められている。
また、本発明のインモールド転写用フィルムはその好ましい態様として、該帯電防止離型層中の、上記フッ化アクリルの含有量が該帯電防止離型層の重量を基準として10重量%以上40重量%以下であり、上記アクリル系のカチオンポリマーの含有量が該帯電防止離型層の重量を基準として40重量%以上70重量%以下であること、該フッ化アクリルの重量平均分子量が25000以上40000以下であること、の少なくともいずれか一つを具備するものを包含する。
本発明のフィルムを用いたインモールド用転写箔は、取り扱う際に帯電やブロッキングによる転写箔同士の貼付きや転写箔表面へのゴミや埃付着の発生が抑制される。また、印刷層との耐ブロッキング性も良好であり、離型成分に起因した印刷はじきがないことに加え、帯電防止離型層の塗布斑が目立たないため、印刷工程で転写箔の外観検査を行う際に外観欠点と誤認されることがなく、インモールド転写加工の高速成形性、高品位な印刷性に優れている。
[ポリエステルフィルム]
本発明のポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、芳香族二塩基酸またはそのエステル形成性誘導体と、ジオールまたはそのエステル形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステルである。かかるポリエステルの具体例として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを例示することができる。
ポリエステルフィルムは、例えば次の方法で製造することができる。すなわち、ポリエステルをフィルム状に溶融押出し、キャスティングドラムで冷却固化させて非晶未延伸フィルムとし、縦方向(以下、連続製膜方向、長手方向、MD方向と称することがある)および横方向(以下、幅方向、TD方向と称することがある)に延伸する。縦方向の延伸は例えば温度60〜130℃、好ましくは90〜125℃で、2.0〜4.0倍、好ましくは2.6〜3.6倍に延伸する。横方向の延伸は、例えば温度60〜130℃、好ましくは90〜125℃で、2.0〜4.0倍、好ましくは3.0〜4.0倍に延伸する。二軸延伸後の面積倍率は13以下とすることが好ましい。
ポリエステルフィルムの厚みは、インモールド転写として使用する場合にハンドリング性、成形性の点から、好ましくは12〜100μm、さらに好ましくは25〜75μmである。
本発明のフィルムは、ポリエステルフィルムの少なくとも一方の面に帯電防止離型層を有しており、かかる帯電防止離型層は離型剤としてフッ化アクリルおよび帯電防止剤としてアクリル系のカチオンポリマーを含有し、該帯電防止離型層のヘーズは0.4%以下である。
(離型剤)
本発明の帯電防止離型層は、離型剤としてフッ化アクリルを含有する。フッ化アクリルとして、具体的に下記式(I)で表されるフッ素を含有する成分(a)、
およびフッ素を含有しない成分(b)との共重合体が例示される。
また、前記フッ素を含有する成分(a)がアクリレート系であることにより、本発明の帯電防止剤との相溶性が向上し、帯電防止離型層のヘーズ値を小さくすることができる。
フッ化アクリルにおけるフッ素を含有する成分(a)とフッ素を含有しない成分(b)の割合が前記範囲内にあることにより、帯電防止剤との相溶性と離型効果の双方が向上する。
フッ化アクリルの重量平均分子量が下限値に満たない場合、造膜性が悪く均一な膜ができなかったり、印刷層への転移が容易に起こり、印刷抜けの原因になる。また本発明の帯電防止剤との相溶性が十分でなく、ヘーズ値が高くなる。一方、フッ化アクリルの重量平均分子量が上限値を超えるとフッ化アクリル成分が凝集しやすくなり、本発明の帯電防止剤との相溶性が低下して帯電防止離型層の透明性が低下してヘーズ値が高くなる。
本発明の帯電防止離型層は、帯電防止成分としてアクリル系のカチオンポリマーを含有する。ここで、アクリル系のカチオンポリマーには、アクリレート系カチオンポリマーのみならず、メタクリレート系カチオンポリマーも含まれる。
前記アクリル系のカチオンポリマーとして、下記式(II)で表される成分(c)、非反応性成分(d)、および反応性成分(e)等の共重合成分で構成されるポリマーが例示される。
本発明のアクリル系のカチオンポリマーを構成する各共重合成分の構成比率は、カチオンポリマーの全繰り返し単位を基準として以下の関係を満たすことが好ましい。
30モル%≦c成分<79モル%
20モル%≦d成分<100−(c+e)モル%
1モル%≦e成分≦40モル%
具体的には、共重合成分(c)が30モル%未満であると帯電防止性が1×1013Ω/□よりも高くなることがある。一方、共重合成分(c)が79モル%以上であると帯電防止離型層の耐水性が悪くなり水洗浄後の帯電防止性が低下することがある。
また非反応性の共重合成分(d)が20モル%未満であるとポリエステルフィルムへの密着性、塗膜の凝集性が低くなる。一方、非反応性の共重合成分(d)が上限値を超えると帯電防止性が低下することがある。
反応性の共重合成分(e)が1モル%未満であると耐水帯電防止性が低くなり、50℃温水に10時間浸漬した後の表面固有抵抗変化率が100を越えてしまうことがある。一方、反応性の共重合成分(e)が40モル%を越えると架橋点が多くなり、帯電防止離型層を塗布する際の造膜性が低下したり、フッ化アクリルとの相溶性が低下することがある。
本発明で用いられるフッ化アクリルは、塗工時の取扱い易さ、作業環境の面から水分散液あるいは乳化液の形態で使用するのが好ましい。良好な水分散、乳化液の形態を得るには、界面活性剤の使用が好ましく、塗液の他の成分との分散安定性のため、ノニオン系界面活性剤が特に好ましい。
界面活性剤の含有量は、帯電防止離型層の重量を基準として1重量%以上15重量%以下の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは5重量%以上12重量%以下の範囲である。
また、帯電防止離型層には架橋剤を添加させることが帯電防止離型層の凝集力向上や加熱時の析出オリゴマーを抑制させるために好ましい。架橋剤としては、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、メラミン化合物、イソシアネート化合物を例示することができ、その他一般的にカップリング剤と称される化合物を用いることもできる。取り扱い易さや塗液のポットライフが長いことからエポキシ化合物、オキサゾリン化合物を用いることが好ましく、カップリング剤を用いることも好ましい。
エポキシ化合物は、ポリエポキシ化合物、ジエポキシ化合物、モノエポキシ化合物などが挙げられ、さらに詳しくはそれらのグリシジルエーテル化合物、グリシジルアミン化合物が例示される。
オキサゾリン化合物としては、オキサゾリン基を含有する重合体が好ましい。付加重合性オキサゾリン基含有モノマー単独もしくは他のモノマーとの重合によって作成できる。付加重合性オキサゾリン基含有モノマーとして、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン等を挙げることができ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。これらの中でも2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的にも入手しやすく好適である。他のモノマーについては、付加重合性オキサゾリン基含有モノマーと共重合可能なモノマーであれば特に制限されない。
またシランカップリング剤以外のカップリング剤として、ジルコニウム、チタン、アルミニウムといった金属を含む有機金属化合物を用いることができる。
帯電防止離型層は、塗布によりポリエステルフィルムの少なくとも一方の面に設けられることが好ましい。帯電防止離型層の厚みは、乾燥後の厚みとして、好ましくは0.01〜0.1μm、さらに好ましくは0.01〜0.06μmである。帯電防止離型層の厚みが下限値に満たないと帯電防止性が十分に発現しないことがあり、また上限値を超えると転写箔同士のブロッキングを起こし易くなることがある。
本発明の帯電防止離型層のヘーズは0.4%以下であり、好ましくは0.2%以下、さらに好ましくは0.1%以下である。帯電防止離型層のヘーズがかかる範囲内にあることにより、塗布斑が観察されないようになり、印刷工程で転写箔の外観検査を行う際に外観欠点と誤認されることがなくなる。一方、帯電防止離型層のヘーズが上限値を超える範囲になると、塗布斑が目立つようになり、外観検査時に外観欠点と誤認されやすくなる。
帯電防止離型層のヘーズ値をかかる範囲にするためには、帯電防止離型層に使用する離型剤として一定分子量のフッ化アクリルを離型剤の含有量の説明で述べた範囲で用い、また帯電防止剤としてアクリル系のカチオンポリマーを用いることによって達成される。
本発明において、離型層(メジューム層)との接着性を高める目的で、ポリエステルフィルムの帯電防止離型層とは反対側に易接着層が設けられることが好ましい。易接着層は塗布により設けられた易接着性の塗布層であることが好ましい。
易接着層には、ポリエステルフィルムおよび易接着層上にさらに積層する離型層(メジューム層)との高い接着性を得るために、高分子バインダーとして共重合ポリエステルを使用することが好ましい。
すなわち、多価塩基成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸、1、4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を例示することができる。高分子バインダーを構成するポリエステル樹脂としては、2種以上のジカルボン酸成分を用いた共重合ポリエステルを用いることが好ましい。
ポリエステルには、若干量であればマレイン酸、イタコン酸等の不飽和多塩基酸成分、あるいはp−ヒドロキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸成分が含まれていてもよい。
ポリエステルのジオール成分としては、エチレングリコール、1、4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1、6−ヘキサンジオール、1、4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、ジメチロールプロパン等や、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールを例示することができる。
塗膜層を形成するために、前記共重合ポリエステル以外に、他の樹脂、着色剤、帯電防止剤、触媒、安定剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などを必要に応じて含有してもよい。
易接着性の塗布層中には粒子が含有されることが好ましい。易接着層に用いる粒子として、好ましくは平均粒子径20〜100nm、さらに好ましくは40〜80nmのものを用いるとよい。平均粒子径が下限値に満たないものであると、フィルムを巻き取った時のブロッキング性やフィルムの巻取り性が劣ることがあり、一方、上限値を超えると粒子の欠落や塗布層の透明性が悪化することがある。
粒子としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化ジルコニウム、酸化錫、三酸化アンチモン、カーボンブラック、二硫化モリブデンといった無機粒子、アクリル系架橋重合体、スチレン系架橋重合体、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ナイロン樹脂といった耐熱性樹脂からなる有機粒子を例示することができる。これらの中でも、取り扱い性や塗液中での安定性、塗膜中の分散性の点で、酸化ケイ素、架橋ポリスチレン樹脂粒子、架橋アクリル樹脂粒子が好ましい。
易接着層の塗設に際し、さらに界面活性剤を用いてもよい。界面活性剤は、ポリエステルフィルムへの水性塗布液の濡れ性を高めたり、塗液の安定性を向上させるために用いられ、例えば、ポリオキシエチレン−脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩などのアニオン型、ノニオン型界面活性剤を挙げることができる。界面活性剤は、塗膜を形成する組成物中に、1〜10重量%含まれていることが好ましい。
易接着層の厚みは、乾燥後の最終厚みとして、好ましくは0.05〜0.3μm、さらに好ましくは0.07〜0.2μmである。塗膜の厚さが下限値に満たないと接着性が十分に得られないことがあり、また上限値を超えるとブロッキングを起こし易くなることがある。
帯電防止離型層および易接着層の塗設に用いられる上記組成物は、ポリエステルフィルム上に塗布層を形成しやすいよう、水溶液、水分散液あるいは乳化液などの水性塗液(以下、水性塗布液と称することがある)の形態で使用されることが好ましい。
水性塗布液の固形分濃度は、該塗布液の重量を基準として通常20重量%以下、好ましくは1〜10重量%である。固形分濃度が下限値に満たないと、ポリエステルフィルムへの塗れ性が不足することがある。また固形分濃度が上限値を超えると塗液の安定性や塗布層の外観が低下することがある。
ここで、結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムとは、未延伸フィルム、未延伸フィルムを縦方向または横方向の何れか一方に配向させた一軸配向フィルム、さらには縦方向および横方向の二方向に低倍率延伸配向させたもの(最終的に縦方向また横方向に再延伸して配向結晶化を完了させる前の二軸延伸フィルム)などを含むものである。なかでも、未延伸フィルムまたは一方向に配向させた一軸延伸フィルムに、上記組成物の水性塗液を塗布し、そのまま縦延伸および/または横延伸を行い、さらに熱固定処理を施すことが好ましい。
塗布方法としては、公知の任意の塗工法が適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法、カーテンコート法などを単独または組合せて用いることができる。
本発明のフィルムは、ポリエステルフィルムの少なくとも一方の面に帯電防止離型層を有し、かかる帯電防止離型層が離型剤としてフッ化アクリルおよび帯電防止剤としてアクリル系のカチオンポリマーを含有し、該帯電防止離型層のヘーズが0.4%以下であることにより、インモールド転写用フィルムとして用いた際、帯電防止性および離型性に優れ、また帯電防止離型層中の離型成分の背面転写が少ないことから、インモールド用転写箔を取り扱う際に帯電やブロッキングによる転写箔同士の貼付きや転写箔表面へのゴミや埃付着の発生が抑制される。しかも、印刷層との耐ブロッキング性が良好であり、離型成分の印刷層への転写に起因する印刷はじきがないことから、高速成形性および高品位な印刷性に適したインモールド転写用フィルムとして好適に用いることができる。さらに帯電防止離型層のヘーズ値が小さいため塗布斑の目立ちにくく、印刷工程で転写箔の外観検査を行う際に外観欠点と誤認されることなく、高い生産性を維持することができる。
フィルムの帯電防止離型層の表面を指で10cm長を10往復擦りつけ、塗膜の欠落状態を観察し、帯電防止離型層の密着性を下記の基準で評価した。
A+:変化無し
A:若干表面に変化有り
B:擦過面積の半分までが欠落
C:擦過面積の大部分が欠落
この評価で、Aまでが実用性能を満足する。
サンプルフィルムの帯電防止離型層表面について、タケダ理研社製・固有抵抗測定器を使用し、測定温度23℃、測定湿度60%の条件で、印加電圧100Vで1分後の表面固有抵抗値(Ω/□)を測定する。なお、表面固有抵抗値は1×1013[Ω/□]以下が好ましく、1×1012以下がさらに好ましい。
さらにサンプルフィルムを50℃の純水に10時間浸漬し、処理後の帯電防止離型層表面の表面固有抵抗値を上記同様に測定して、未処理の表面固有抵抗値と50℃の純水に10時間浸漬処理後の表面固有抵抗値の変化率を求める。
なお、その変化率は100以下が好ましく、さらに好ましくは10以下である。ここで表面固有抵抗値の変化率とは、50℃の純水に10時間浸漬処理後の帯電防止離型層表面の表面固有抵抗値を未処理の帯電防止離型層表面の表面固有抵抗値で割った値である。
サンプルフィルムの帯電防止離型層面とインモールド用転写箔の印刷面との耐ブロッキング性を評価するため、スタンピングホイルの顔料箔(COLORIT)Pタイプ(クルツ社製)を使用して、帯電防止面と印刷面を合わせ、
[条件1] 温度60℃、圧力1kg/cm2 または
[条件2] 温度90℃、圧力1kg/cm2
の条件で圧力を加えて24時間その環境に保持した後、帯電防止離型層面とラベルのシール面(印刷面)のブロッキング状態を観察し、それぞれの条件について下記の基準で評価した。
A+:印刷層の剥離面積0%、印刷層表面に変化無し
A:印刷層の剥離面積0%、印刷層表面が白化
B:印刷層の剥離面積1%以上30%以下
C:全体的に剥離面積30%超100%以下
この評価でAまでが実用性能を満足する。
サンプルフィルムを易接着層面と帯電防止離型層面を重ね合わせ、温度50℃、圧力50kg/cm2、時間24時間の処理を実施した後、はがした易接着層表面について38〜40mN/mの濡れ張力を有するマジックを用いて濡れ状態を観察し、下記の基準で評価した。
A+:均一に塗れる
A:エッジのみ若干はじく(1%未満のはじき)
B:1%以上10%未満はじく
C:10%以上はじく
この評価でAまでが実用性能を満足する。
JIS K7136に準じ、日本電色工業社製のヘーズ測定器(NDH−2000)を使用して、下記式(2)より帯電防止離型層のヘーズを測定した。式中、フィルムヘーズとは、ポリエステルフィルム上に帯電防止離型層が形成されたフィルム全体のヘーズ値であり、帯電防止離型層未塗工フィルムヘーズとは、帯電防止離型層を塗工していない状態でのフィルムヘーズを指す。
帯電防止離型層のヘーズ=フィルムヘーズ−帯電防止離型層未塗工フィルムヘーズ (2)
A++:0.1%以下
A+:0.1%超0.2%以下
A:0.2%超0.4%以下
B:0.4%超0.8%以下
C:0.8%超
この評価でAまでが実用性能を満足する。
包埋樹脂でフィルムを固定し、断面をミクロトームで切断して2%オスミウム酸で60℃、2時間染色し、透過型電子顕微鏡(日本電子製、JEM2010)を用い、塗布層の厚みを測定した。
平均粒子径が2μmの酸化ケイ素の粒子を0.01wt%含む溶融ポリエチレンテレフタレート([η]=0.64dl/g、Tg=78℃)をダイより押出し、常法により冷却ドラムで冷却して未延伸フィルムとし、次いで縦方向に3.4倍に延伸した後、表1に示す塗布層構成成分からなる表面用塗布液および裏面用塗布液、すなわち易接着層(8wt%塗布液)をフィルムの表面に、帯電防止離型層(4wt%塗布液)をフィルムの裏面にそれぞれロールコーターで均一に塗布した。
次いで、この塗布フィルムを引き続いて105℃で乾燥し、140℃で横方向に3.5倍に延伸し、さらに220℃で熱固定して表1に示す二軸延伸ポリエステルフィルム(厚さ50μm)を得た。
帯電防止離型層を設けなかった以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを製造した。
フッ化アクリル1: (3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロへキシルアクリレート、イソブチルアクリレート共重合体、重量平均分子量25,000)
3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロへキシルアクリレート、イソブチルアクリレート、乳化剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩で構成されている。すなわち、四つ口フラスコに、イオン交換水1050部、および乳化剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩22.6部を仕込んで窒素気流中で80℃まで昇温させ、次いで重合開始剤として過硫酸アンモニウム6.4部添加し、更にモノマー類である3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロへキシルアクリレート110.0部、イソブチルアクリレート6.9部を3時間にわたり液温が70〜80℃になるよう調製しながら滴下し、滴下終了後も同温度を5時間保持しつつ、攪拌下に反応を継続させ、次いで冷却させ、真空乾燥機で乾燥して平均粒径が0.06μmである不揮発成分重量35%のフッ化アクリルの水分散体を得た。このフッ化アクリルにおけるモノマー成分の比は3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロへキシルアクリレート60重量%、イソブチルアクリレート40重量%であった。
3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロへキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、乳化剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩で構成されている。すなわち、四つ口フラスコに、イオン交換水1050部、および乳化剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩22.6部を仕込んで窒素気流中で80℃まで昇温させ、次いで重合開始剤として過硫酸アンモニウム6.4部添加し、更にモノマー類である3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロへキシルアクリレート180.0部、シクロへキシルアクリレート20.0部を3時間にわたり液温が70〜80℃になるよう調製しながら滴下し、滴下終了後も同温度を15時間保持しつつ、攪拌下に反応を継続させ、次いで冷却させ、真空乾燥機で乾燥して平均粒径が0.12μmである不揮発成分重量35%のフッ化アクリルの水分散体を得た。このフッ化アクリルにおけるモノマー成分の比は3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロへキシルアクリレート65重量%、シクロヘキシルアクリレート35重量%であった。
フッ化アクリル4: 2−(パーフルオロブチル)エチルアクリレート (ユニマテック株式会社製、商品名「CHEMINOX FAAC−4」、分子量309)
カチオンポリマー: 下記式(III)に示す構造が80モル%/メチルアクリレート15モル%/N−メチロールアクリルアミド5モル%からなる共重合体である。
架橋剤: オキサゾリン化合物(株式会社日本触媒製 商品名「エポクロスWS−700」)
界面活性剤: ポリオキシエチレン(n=7)ラウリルエーテル(三洋化成株式会社製 商品名「ナロアクティーN−70」)
共重合ポリエステル: 酸成分がテレフタル酸50モル%/イソフタル酸45モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸5モル%、グリコール成分がエチレングリコール90モル%/ジエチレングリコール10モル%で構成されている(Tg=40℃)。ポリエステルは、下記の通り製造した。すなわち、テレフタル酸ジメチル30部、イソフタル酸ジメチル27部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル5部、エチレングリコール36部、ジエチレングリコール3部を反応器に仕込み、これにテトラブトキシチタン0.05部を添加して窒素雰囲気下で温度を230℃にコントロールして加熱し、生成するメタノールを留去させてエステル交換反応を行った。次いで反応系の温度を徐々に255℃まで上昇させ系内を1mmHgの減圧にして重縮合反応を行い、共重合ポリエステルを得た。なおかかる共重合ポリエステルの製造方法は、特開平06−116487号公報の実施例1に記載の方法に準じたものである。
界面活性剤: ポリオキシエチレン(n=7)ラウリルエーテル(三洋化成株式会社製 商品名「ナロアクティーN−70」)
本発明のフィルムを用いたインモールド用転写箔は、取り扱う際に帯電やブロッキングによる転写箔同士の貼付きや転写箔表面へのゴミや埃付着の発生が抑制される。また、印刷層との耐ブロッキング性も良好であり、離型成分に起因した印刷はじきがないことに加え、帯電防止離型層の塗布斑が目立たないため、印刷工程で転写箔の外観検査を行う際に外観欠点と誤認されることがなく、インモールド転写加工の高速成形性、高品位な印刷性に優れている。
Claims (3)
- ポリエステルフィルムの少なくとも一方の面に帯電防止離型層を有し、かかる帯電防止離型層が離型剤としてフッ化アクリルおよび帯電防止剤としてアクリル系のカチオンポリマーを含有し、
上記フッ化アクリルの重量平均分子量が10000以上40000以下の範囲であり、
上記帯電防止離型層中の、上記フッ化アクリルの含有量が該帯電防止離型層の重量を基準として5重量%以上40重量%以下であり、上記アクリル系のカチオンポリマーの含有量が該帯電防止離型層の重量を基準として30重量%以上80重量%以下であり、
該帯電防止離型層のヘーズが0.4%以下であることを特徴とするインモールド転写用フィルム。 - 上記帯電防止離型層中の、上記フッ化アクリルの含有量が該帯電防止離型層の重量を基準として10重量%以上40重量%以下であり、上記アクリル系のカチオンポリマーの含有量が該帯電防止離型層の重量を基準として40重量%以上70重量%以下である請求項1に記載のインモールド転写用フィルム。
- 上記フッ化アクリルの重量平均分子量が25000以上40000以下である請求項2に記載のインモールド転写用フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010141578A JP5629139B2 (ja) | 2010-06-22 | 2010-06-22 | インモールド転写用フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010141578A JP5629139B2 (ja) | 2010-06-22 | 2010-06-22 | インモールド転写用フィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012006166A JP2012006166A (ja) | 2012-01-12 |
JP5629139B2 true JP5629139B2 (ja) | 2014-11-19 |
Family
ID=45537312
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010141578A Expired - Fee Related JP5629139B2 (ja) | 2010-06-22 | 2010-06-22 | インモールド転写用フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5629139B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101938234B1 (ko) * | 2012-09-27 | 2019-01-15 | 도레이첨단소재 주식회사 | 고투명성 실리콘 이형 폴리에스테르 필름 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3966171B2 (ja) * | 2001-12-06 | 2007-08-29 | 東レ株式会社 | 積層フィルム、および、積層フィルムの製造方法 |
JP2004223800A (ja) * | 2003-01-21 | 2004-08-12 | Mitsubishi Polyester Film Copp | 転写材用ポリエステルフィルム |
JP4401968B2 (ja) * | 2005-01-06 | 2010-01-20 | 帝人デュポンフィルム株式会社 | インモールド転写用フィルム |
JP2006264136A (ja) * | 2005-03-24 | 2006-10-05 | Toray Ind Inc | 成型加飾材用ポリエステルフィルム |
JP4832138B2 (ja) * | 2006-03-30 | 2011-12-07 | 帝人デュポンフィルム株式会社 | インモールド転写用フィルム |
-
2010
- 2010-06-22 JP JP2010141578A patent/JP5629139B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012006166A (ja) | 2012-01-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5600037B2 (ja) | インモールド転写材用粘着離型ポリエステルフィルム | |
JP4928188B2 (ja) | 輝度向上シート用ポリエステルフィルム | |
JP2004054161A (ja) | 光学用易接着性ポリエステルフィルム | |
JPWO2005116120A1 (ja) | 積層ポリエステルフィルムおよびその製造法 | |
JP2007055217A (ja) | 光学用易接着性ポリエステルフィルム | |
JP5837411B2 (ja) | インモールド転写用ポリエステルフィルム | |
JP2008036867A (ja) | 輝度向上シート用ポリエステルフィルム | |
JP2013141793A (ja) | 成形用離型ポリエステルフィルム | |
JP5706221B2 (ja) | 成形用離型ポリエステルフィルム | |
JP2022172161A (ja) | 積層体 | |
JP2005089622A (ja) | 光学用ポリエステルフィルム | |
JP4401968B2 (ja) | インモールド転写用フィルム | |
JP4904069B2 (ja) | インモールド転写用ポリエステルフィルム | |
JP4766949B2 (ja) | 帯電防止性粗面化離型用ポリエステルフィルム | |
JP5562372B2 (ja) | 積層ポリエステルフィルム | |
JP4832138B2 (ja) | インモールド転写用フィルム | |
JP2008020698A (ja) | 偏光板用プロテクトフィルム | |
JP2009262443A (ja) | インモールド転写箔用フィルム | |
JP5629139B2 (ja) | インモールド転写用フィルム | |
JP2004258174A (ja) | 光学用ハードコート易接着性ポリエステルフィルム | |
JP5455831B2 (ja) | インモールド転写用フィルム | |
JP3942460B2 (ja) | Ito膜用易接着性ポリエステルフィルム | |
JP2008168487A (ja) | 光学用易接着ポリエステルフィルム | |
JP4401967B2 (ja) | インモールド転写用フィルム | |
JP2011173372A (ja) | インモールド転写用積層フィルムおよびそれからなるインモールド転写工程部材 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130411 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20131211 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140107 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140304 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140909 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20141003 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5629139 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |