以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
実施の形態1.
[画像形成装置(プリンタ)の構成]
図1は、実施の形態1における転写ベルトユニット450が装着されたプリンタ10の構成を示す概略図である。このプリンタ10は、転写ベルトユニット450が着脱自在に装着され、転写ベルトユニット450を用いて画像を形成する画像形成装置である。具体的には、プリンタ10は、電子写真方式により画像を記録媒体上に形成する印刷装置であり、本例では、カラープリンタである。転写ベルトユニット450は、表面にトナーが付着し、表面の移動によってトナーを搬送するトナー付着体である転写ベルト461を有し、プリンタ10に対して着脱自在に装着されるトナー付着体ユニットである。なお、上記画像形成装置を「画像形成装置本体」と称し、この画像形成装置本体と上記トナー付着体ユニットとを有する装置を「画像形成装置」と称してもよい。
図1において、プリンタ10は、記録媒体としての印刷用紙101を収容する用紙トレイ100を有する。用紙トレイ100は、プリンタ10に着脱自在に装着される。用紙トレイ100の内部には、支持軸100dによって回動可能に支持された用紙載置板102が設けられ、印刷用紙101はこの用紙載置板102上に積載される。用紙トレイ100の繰り出し側には、支持軸103dに回転可能にリフトアップレバー103が配設され、支持軸103dはモータ104と接離可能に係合される。用紙トレイ100がプリンタ10に挿入されると、リフトアップレバー103とモータ104とが係合し、後述する制御部600がモータ104を駆動する。モータ104の駆動によりリフトアップレバー103が回転することによって、リフトアップレバー103の先端部が用紙載置板102の底部を持ち上げ、用紙載置板102に積載された印刷用紙101が上昇する。そして、印刷用紙101が所定の高さまで上昇するとピックアップローラ202に当接し、これを上昇検知部201が検知し、制御部600が、上昇検知部201により検知された情報に基づいてモータ104を停止させる。ピックアップローラ202は、互いに接触した状態で配設されたフィードローラ203およびリタードローラ204と共に、用紙繰り出し部200を形成している。ピックアップローラ202およびフィードローラ203は、後述する給紙モータ711によって図中矢印方向に回転駆動される。リタードローラ204は、図示しないトルク発生手段によって、図中矢印方向のトルクを発生させる。これにより、ピックアップローラ202は、用紙トレイ100内から当該ピックアップローラ202に当接している印刷用紙101を図中矢印a方向に引き出し、フィードローラ203およびリタードローラ204は、印刷用紙101が複数同時に引き出されないように、ピックアップローラ202により引き出された印刷用紙101を1枚ずつ捌いて搬送する。
印刷用紙101の搬送方向における用紙繰り出し部200の下流側には、順に、用紙センサ302、印刷用紙101の斜行を規制する搬送ローラ対303、次の搬送ローラ対310の駆動タイミングを検出する用紙センサ313、画像形成部410に印刷用紙101を送り込む搬送ローラ対310、画像形成部410での書き込みタイミングを取るための書き込みセンサ314が配設されている。搬送ローラ対303は、駆動ローラ304と従動ローラ305とにより構成され、搬送ローラ対310は、駆動ローラ311と従動ローラ312とにより構成される。駆動ローラ304および311は、図示されない駆動伝達手段を介して給紙モータ711の動力を受け、図示されない搬送制御部により回転制御される。
また、本例におけるプリンタ10は、MPT(Multi Purpose Tray)320を備えている。MPT320は、プリンタ10の側面部に開閉自在に装着される。MPT320は、図示しない支持軸によって回動可能に支持された用紙載置板321を有する。この用紙載置板321上には、印刷用紙Pが積載される。用紙載置板321の底部は、図示されないスプリングによって持ち上げられ、これにより用紙載置板321に積載された用紙Pが上昇する。そして、用紙Pが所定の高さまで上昇するとピックアップローラ323に当接する。ピックアップローラ323は、互いに接触した状態で配設されたMPTローラ324およびリタードローラ325と共に、MPT用紙繰り出し部322を形成している。ピックアップローラ323およびMPTローラ324は、給紙モータ711によって図中矢印方向に回転駆動され、リタードローラ325は、図示しないトルク発生手段によって、図中矢印方向のトルクを発生させる。これにより、ピックアップローラ323は、MPT320内から当該ピックアップローラ323に当接した用紙Pを引き出し、MPTローラ324およびリタードローラ325は、印刷用紙Pが複数同時に引き出されないように、ピックアップローラ323により引き出された印刷用紙Pを1枚ずつ捌いて搬送する。
プリンタ10は、4色の画像を形成する画像形成部410を有する。画像形成部410は、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、およびシアン(C)の各色の画像をそれぞれ形成する4つのプロセスユニット430K、430Y、430M、430Cを含む。これらのプロセスユニット430K、430Y、430M、430Cは、印刷用紙101,Pの搬送方向(以下、「用紙搬送方向」と称す)の上流側から順に、プリンタ10のフレームに着脱自在に装着されている。次に、プロセスユニット430Kの構成を説明する。
プロセスユニット430Kは、図中矢印方向に回転可能に配置される像担持体としての感光体ドラム431を有する。この感光体ドラム431の周囲には、その回転方向上流側から順に、感光体ドラム431の表面に電荷を供給して帯電させる帯電ローラ432、帯電された感光体ドラム431の表面に選択的に光を照射して静電潜像を形成する露光装置433、静電潜像が形成された感光体ドラム431の表面に、ブラックのトナーを付着させて現像を行う現像ローラ434、および感光体ドラム431上に残留した転写残トナーを除去するクリーニングブレード435が配設される。さらに、プロセスユニット430Kは、トナーを収納して現像ローラ434にトナーを供給するトナー収納部436を有する。プロセスユニット430K、430Y、430M、430Cは、互いに同様の構成を有しており、プロセスユニット430Y、430M、430Cの構成については説明を省略する。
プリンタ10は、プロセスユニット430K、430Y、430M、430Cにより形成されたトナー像を印刷用紙101,Pに転写するための転写ベルトユニット450を有する。転写ベルトユニット450は、搬送ローラ対310からの印刷用紙101,Pを担持して搬送し、トナー像が転写された印刷用紙101,Pを画像形成部410の用紙搬送方向下流側に送り出す。この転写ベルトユニット450については、後に詳しく説明する。
画像形成部410の用紙搬送方向下流側には、印刷用紙101,P上に形成されたトナー像を定着させる定着部500が配置される。具体的には、定着部500は、内部に熱源となるハロゲンランプ503aを備え、表面が弾性体で形成されたアッパローラ501と、熱源となるハロゲンランプ503bを備え、表面が弾性体で形成されたロアローラ502とのローラ対を有し、画像形成部410からの印刷用紙101,P上のトナー像に熱と圧力を印加してトナー像を融解し、トナー像を印刷用紙101,Pに定着させる。定着部500の用紙搬送方向下流側には、定着部500を通過した印刷用紙101を搬送し、スタッカ部505へと排出する排出ローラ504a,504b,504cが配置される。定着部500と排出ローラ504aとの間には、印刷用紙101,Pを検出するための排出センサ506が設けられる。
なお、プリンタ10に含まれる各ドラムや各ローラは、図示されない駆動源から図示されないギヤを経由して伝達される動力により回転する。
[トナー付着体ユニット(転写ベルトユニット)の構成]
次に、実施の形態1における転写ベルトユニット450の構成を詳細に説明する。
図2および図3は、それぞれ、実施の形態1における転写ベルトユニット450の構成を示す側面図および断面図である。図4は、実施の形態1における転写ベルトユニット450の断面の一部を拡大して示す断面図である。なお、図2〜図4には、プリンタ10から取り出された状態の転写ベルトユニット450が示されている。
図1〜図4に示されるように、転写ベルトユニット450は、ベルト駆動ユニット460と、廃トナー回収ユニット470とを有する。
ベルト駆動ユニット460は、転写ベルト461、ドライブローラ462、テンションローラ463、転写ローラ464、およびベルトフレーム465を含む。転写ベルト461は、搬送ローラ対310からの印刷用紙101を静電吸着して搬送する無端状の記録媒体搬送ベルトである。ドライブローラ462は、テンションローラ463と共に転写ベルト461を張架する。また、ドライブローラ462は、転写ベルト461の表面が所定の移動方向(以下、「ベルト移動方向」と称す)に移動するように、転写ベルト461を回転駆動する。ベルト移動方向は、図2〜図4中の矢印bで示される方向であり、ベルト走行方向またはベルト搬送方向とも呼ばれる。図1〜図4の例では、ベルト移動方向は、転写ベルト461のプロセスユニット側(上側)においては、図中右から左に向かう方向であり、転写ベルトユニット461の廃トナー回収ユニット側(下側)においては、図中左から右に向かう方向である。なお、ドライフローラ462は、図示しない駆動源から図示しない駆動伝達手段を経由して伝達される動力により回転駆動される。転写ローラ464は、プロセスユニット430K、430Y、430M、430Cのそれぞれに対応して設けられる。4つの転写ローラ464の各々は、対応するプロセスユニットの感光体ドラム431に対し、転写ベルト461を介して圧接された状態で配設されている。転写ローラ464は、例えば導電性のゴムによって形成される。各転写ローラ464には、対応する感光体ドラム431上に形成されたトナー像を印刷用紙101に転写する際に、当該感光体ドラム431の表面電位と当該転写ローラ464の表面電位との間に電位差を持たせるための電位が印加される。ベルトフレーム465は、上記の転写ベルト461、ドライブローラ462、テンションローラ463、および転写ローラ464を支持する枠体である。具体的には、ベルトフレーム465は、用紙搬送方向に沿って延び、その用紙搬送方向両端部にドライブローラ462およびテンションローラ463が配置され、当該2つのローラの間の部分に4つの転写ローラ464が配置される。
廃トナー回収ユニット470は、転写ベルト461上に付着したトナーを回収するユニットである。具体的には、廃トナー回収ユニット470は、転写ベルト461の表面に付着したトナーを除去し、除去されたトナーである廃トナーを収容するクリーニング装置である。廃トナー回収ユニット470は、クリーニングブレード471、トナーボックス472、フィルム473、受け皿474、当接部475、および離接機構476を含む。
クリーニングブレード471は、転写ベルト461の表面に付着したトナーを掻き取り転写ベルト461をクリーニングするクリーニング部材である。トナーボックス472は、クリーニングブレード471によって掻き落とされたトナーを収容するトナー収容部である。
フィルム473は、ベルト移動方向におけるクリーニングブレード471およびトナーボックス472の上流側で転写ベルト461の表面に当接して、クリーニングブレード471により除去されたトナーの飛散を防止するシール部材である。具体的には、フィルム473は、クリーニングブレード471により掻き落とされたトナーがトナーボックス472の外側へ飛散しないように、トナーボックス472と転写ベルト461との間の隙間を塞ぐように配置される。受け皿474は、ベルト移動方向におけるフィルム473の上流側に設けられ、フィルム473により転写ベルト461から掻き落とされたトナーを保持または回収するトナー保持部である。
当接部475は、転写ベルト461の表面に対して離接可能に設けられ、ベルト移動方向におけるフィルム473および受け皿474の上流側で転写ベルト461の表面に当接して、トナーボックス472に収容されたトナーおよび受け皿474に保持されたトナーの漏れを防止するトナー漏れ防止部である。具体的には、当接部475は、受け皿474と転写ベルト461との間の隙間を塞ぐように、転写ベルト461と当接する。
離接機構476は、転写ベルトユニット450がプリンタ10に装着され転写ベルト461の表面が移動しているときには、当接部475が転写ベルト461の表面から離間しており、転写ベルトユニット450がプリンタ10に装着されていないときには、当接部475が転写ベルト461の表面に当接しているように、転写ベルト461の表面と当接部475とを離間および当接させる。
一つの態様では、離接機構476は、転写ベルトユニット450がプリンタ10に対して装着されるときに、転写ベルト461と当接部475とを離間させ、転写ベルトユニット450がプリンタ10から脱離されるときに、転写ベルト461と当接部475とを当接させる。すなわち、離接機構476は、プリンタ10に対する転写ベルトユニット450の着脱に応じて、転写ベルト461と当接部475とを離間および当接させる。
具体的には、離接機構476は、転写ベルトユニット450がプリンタ10に対して装着されるとき、プリンタ10に突き当たってプリンタ10から力を受けることにより、転写ベルト461の表面と当接部475とを当接させる第1の状態から、転写ベルト461の表面と当接部475とを離間させる第2の状態に遷移し、転写ベルトユニット450がプリンタ10から脱離するとき、プリンタ10からの力が解除されることにより、上記第2の状態から上記第1の状態に復帰する。
本例では、離接機構476は、当接部475を支持する支持部材であるレバー477と、レバー477を付勢する弾性部材であるバネ478とを有する。レバー477は、転写ベルトユニット450がプリンタ10に対して装着されるとき、プリンタ10に突き当たって力を受けることにより、バネ478を弾性変形させながら、転写ベルト461の表面と当接部475とを当接させる第1の位置(図2〜図4に示される位置)から、転写ベルト461の表面と当接部475とを離間させる第2の位置に変位する。また、レバー477は、転写ベルトユニット450がプリンタ10から脱離するとき、上記プリンタ10からの力が解除されると、バネ478が元の形状に復元する際の弾性復元力により、上記第2の位置から上記第1の位置に復帰する。
具体的には、レバー477は、フィルム473のベルト移動方向上流側に配置され、ベルト移動方向に沿って延びる形状を有する。レバー477のベルト移動方向下流側の端部に、当接部475が設けられている。レバー477のベルト移動方向両端部の間において、レバー477は、回転軸479回りに回転可能に、回転軸479により軸支されている。回転軸479は、転写ベルト461の表面に平行であり、かつベルト移動方向に直交する。また、回転軸479は、受け皿474のベルト移動方向上流側に位置し、回転軸479とフィルム473との間に受け皿474が位置する。レバー477は、バネ478により、当接部475が転写ベルト461に当接する方向に、回転軸479回りに回転するように付勢されている。具体的には、バネ478は、レバー477のベルト移動方向下流側の端部を転写ベルト461側に押圧するように配置されている。レバー477のベルト移動方向上流側の端部は、当接部475を移動させるための作動力を受けるレバー作動端480である。本例では、プリンタ10側には、転写ベルト461の表面と当接部475とを離接させるための作動力を転写ベルトユニット450に付与する作動力付与手段として、レバー突き当て部20が設けられており、レバー作動端480は、レバー突き当て部20から作動力を受ける。
一つの態様では、シール性を高める観点より、当接部475は、転写ベルト461の表面に密着する密着部材を有する。本例では、図4に示されるように、当接部475は、密着部材として、転写ベルト461の表面に弾性変形しながら当接する弾性体であるスポンジ部475Aを有する。スポンジ部475Aは、レバー477のベルト移動方向下流側の端部により構成されるベース部475B上に設置され、ベース部475Bとともに当接部475を構成する。
なお、転写ベルト461の表面に平行であり、かつベルト移動方向と直交する方向(すなわち回転軸479の軸方向)について、トナーボックス472の両端部には、当該両端部から廃トナーが漏れないように、トナーボックス472と転写ベルト461との間の隙間を塞ぐためのシール部材(例えばスポンジ)が設けられる。同様に、受け皿474の両端部には、当該両端部から廃トナーが漏れないように、受け皿474と転写ベルト461との間の隙間を塞ぐためのシール部材(例えばスポンジ)が設けられる。
転写ベルトユニット450は、さらに、プリンタ10に対する転写ベルトユニット450の着脱の際に把持するためのハンドル部490を備えている。具体的には、ハンドル部490は、転写ベルトユニット450の用紙搬送方向最上流側の部分に設けられ、例えばベルトフレーム465に取り付けられる。
なお、図1中のxyz座標は、転写ベルト461上の印刷用紙101の搬送方向にx軸をとり、転写ベルト461の印刷用紙101を搬送する表面の法線方向にy軸をとり、x軸およびy軸の両方と直交する方向にz軸をとっている。
[画像形成装置(プリンタ)の制御に関する構成]
次に、プリンタ10の制御に関する構成について説明する。
図5は、実施の形態1におけるプリンタ10の制御に関する構成を示すブロック図である。
図5において、プリンタ10は、その動作を制御する制御部600を有する。制御部600は、制御中枢部である主制御部601を有し、主制御部601は、制御部や演算部等からなるCPU、プログラム等を記憶するRAMやROM、タイマーカウンタなどを内蔵する。主制御部601は、その入力ポートから入力される、用紙センサ302、用紙センサ313、書き込みセンサ314、および排出センサ506からの検出信号に基づいて、プリンタ10の各部を制御する。また、主制御部601には、給紙モータ制御部602、電磁クラッチ制御部603、ベルトモータ制御部604、IDモータ制御部605、および定着モータ制御部606が接続されている。給紙モータ制御部602は、給紙モータ711に作動信号を送って給紙モータ711の動作を制御し、電磁クラッチ制御部603は、電磁クラッチ706に作動信号を送って電磁クラッチ706の動作を制御し、ベルトモータ制御部604は、ベルトモータ609に作動信号を送ってベルトモータ609の動作を制御し、IDモータ制御部605は、IDモータ610に作動信号を送ってIDモータ610の動作を制御し、定着モータ制御部606は、定着モータ611に作動信号を送って定着モータ611の動作を制御する。これらのモータとしては、2相励磁パルスモータやDCモータなどが用いられる。2相励磁パルスモータを用いる場合には、制御部は、モータに一定電流を流し、クロック信号の立ち上がりで相電流方向を切り替えたり、クロック周波数を変化させたりすることで、モータ回転の加速や減速を制御する。DCモータを用いる場合には、制御部は、モータ端子間に印加される電圧の大きさを制御することにより回転速度を制御し、モータ端子間に印加される電圧の極性を切り替えることによりモータの回転方向を制御する。電磁クラッチとしては、乾式単板電磁クラッチなどが用いられる。電磁クラッチは、ロータと、コイルを内蔵したフィールドとが玉軸受けで支持されて一体とされたフィールド・ロータ組立と、アーマチュア組立とで構成される。フィールド・ロータ組立は、駆動源に連結されたシャフトなどの回転部材に取り付けられ、アーマチュア組立は、ロータとわずかな間隙を隔てて配置され、板ばねを介して取り付けボルトにより、プーリや歯車等の部材に固定される。電磁クラッチ内のコイルに電流を流すと、フィールド・ロータ組立とアーマチュア組立の間に磁束が発生し、アーマチュアがロータに吸引され電磁クラッチが連結される。これにより駆動源からの動力が電磁クラッチを介してプーリや歯車等に伝達されて、駆動ローラ等へ伝達される。コイルへの通電が継続されれば、アーマチュアはロータに吸引された状態を保ち、電流が遮断されると、磁束が消滅し、アーマチュアが板ばねによりロータから切り離され元の位置に引き戻される。プリンタ10は、オペレーションパネル612を備え、オペレーションパネル612は、スイッチ等により構成された入力部と、LEDやLCD等によって構成された表示部を有する。そして、ユーザは、入力部を操作することによって、プリンタ10に指示を与えることができ、例えば、フォントの選択、用紙の選択等のプリンタ10における各種の条件を設定することができる。また、表示部には、入力部によって設定された条件など、各種の情報が表示される。さらに、プリンタ10は、インターフェース部613を備える。インターフェース部613は、インターフェースコネクタやインターフェース用IC等から構成され、図示しないホストコンピュータから送られた印刷データを受け、主制御部601へ転送する。
[画像形成装置(プリンタ)の動作]
次に、図1を参照して、上記構成を有するプリンタ10の動作について説明する。
用紙トレイ100から給紙される場合、用紙トレイ100に堆積した状態で収納されている印刷用紙101が、ピックアップローラ202、フィードローラ203、およびリタードローラ204からなる用紙繰り出し部200によって、上から1枚ずつ分離されて用紙搬送路に繰り出される。この印刷用紙101は、用紙センサ302を通過し、搬送ローラ対303へ送られる。搬送ローラ対303は、印刷用紙101の用紙センサ302の通過時間を基に、所定のタイミングで印刷用紙101を送り出す。このとき、印刷用紙101は、その先端が搬送ローラ対303に到達した後、予め設定された量だけ用紙繰り出し部200により搬送され続け、搬送ローラ対303のローラニップ間に印刷用紙101の先端が突き当てられ、印刷用紙101の斜行が補正される。その後、印刷用紙101は、搬送ローラ対303に噛み込まれ、駆動ローラ304および従動ローラ305によって用紙搬送方向に挟持搬送される。
搬送ローラ対303により送り出された印刷用紙101は、用紙センサ313を通過し、搬送ローラ対310へ送られる。搬送ローラ対310は、印刷用紙101が用紙センサ302を通過した時点から回転駆動され、印刷用紙101を止めること無く送り出す。搬送ローラ対310により送り出された印刷用紙101は、書き込みセンサ314を通過して画像形成部410へと送られる。
搬送ローラ対310から画像形成部410へと送られた印刷用紙101は、転写ベルト461によって搬送され、プロセスユニット430Kの感光体ドラム431と転写ローラ464との間に搬送される。そして、印刷用紙101は、当該感光体ドラム431と転写ローラ464との間を通過し、その際に感光体ドラム431上のトナー像が印刷用紙101の記録面に転写される。
ついで、印刷用紙101は、プロセスユニット430Y,430M,430Cを順次通過し、その際、各感光体ドラム431上に形成された各色のトナー像が、印刷用紙101の記録面に順次転写され、重ね合わせられる。その後、印刷用紙101は、定着部500へ送られ、その記録面上のトナー像が定着部500によって定着される。そして、トナー像が定着された印刷用紙101は、排出ローラ対504a,504b,504cによって、スタッカ部505に排出される。以上の過程を経て、カラー画像が印刷用紙101上に形成される。
また、MPT320から給紙される場合、用紙積載板321に堆積した状態で収納されている印刷用紙Pが、ピックアップローラ323、MPTローラ324、およびリタードローラ325からなるMPT用紙繰り出し部322によって、上から1枚ずつ分離されて用紙搬送路に繰り出される。この印刷用紙Pは、用紙センサ313を通過し、搬送ローラ対310へ送られる。搬送ローラ対310は、印刷用紙Pの用紙センサ313の通過時間を基に、所定のタイミングで印刷用紙Pを送り出す。このとき、印刷用紙Pは、その先端が搬送ローラ対310に到達した後、予め設定された量だけMPT用紙繰り出し部322により搬送され続け、搬送ローラ対310のローラニップ間に用紙先端が突き当てられ、印刷用紙Pの斜行が補正される。その後、印刷用紙Pは、搬送ローラ対310に噛み込まれ、駆動ローラ311および従動ローラ312によって用紙搬送方向に扶持搬送される。搬送ローラ対310により送り出された印刷用紙Pは、書き込みセンサ314を通過して画像形成部410へと送られる。その後、印刷用紙Pは、上述した用紙トレイ100から給紙される場合と同様に、画像形成部410および定着部500を経てスタッカ部505に排出される。
なお、上述した搬送機構において、フィードローラ203、搬送ローラ対303、搬送ローラ対310、およびMPTローラ324は、それぞれ、そのローラ軸に組み付けられた図示されない電磁クラッチにより駆動源と接続され、駆動源からの駆動力を受ける。
[トナー付着体ユニット(転写ベルトユニット)の着脱時の動作]
図6は、転写ベルトユニット450をプリンタ10に対して装着する際の動作を説明するための図である。図6には、プリンタ10に装着される際の転写ベルトユニット450が段階的に示されており、図6中の矢印は、その際の転写ベルトユニット450の移動方向を示している。以下、図6を参照して、転写ベルトユニット450をプリンタ10に対して装着する際の動作について説明する。
スタッカ部505は、図示されない軸部により回動可能に設けられており、ユーザは、転写ベルトユニット450を挿入する際、図6に示されるように、スタッカ部505を上方に開いてプリンタ10の内部を露出させ、プロセスユニット430K,430Y,430M,430Cを取り出す。ついで、ユーザは、転写ベルトユニット450のハンドル部490を把持し、プリンタ10の開口からプリンタ10内に転写ベルトユニット450を挿入する。この際、転写ベルトユニット450のドライブローラ462の軸462aが、プリンタ10に設けられたベルト位置決め部491と係合し、転写ベルトユニット450のドライブローラ462の位置が決まる。そのままユーザがハンドル部490をプリンタ10内で手放すと、転写ベルトユニット450のベルトフレーム465が、プリンタ10に設けられたベルト高さ決め部492に当接し、転写ベルトユニット450が、プリンタ10内の所定の位置に設置される。その後、ユーザは、図示されないロック機構を操作して転写ベルトユニット450をロックし、これにより装着が完了する。
なお、転写ベルトユニット450をプリンタ10から取り外す場合には、ユーザは、転写ベルトユニット450のハンドル部490を把持し、転写ベルトユニット450を上方向に持ち上げて、転写ベルトユニット450をプリンタ10から取り出す。
図7は、実施の形態1における、プリンタ10に対して着脱される際の転写ベルトユニット450の動作を説明するための断面図である。図7(a)は、転写ベルトユニット450がプリンタ10から取り外されている状態を示し、図7(b)は、転写ベルトユニット450がプリンタ10に装着されている状態を示している。以下、図7を参照して、プリンタ10に対して転写ベルトユニット450を着脱する場合における、転写ベルトユニット450の動作について説明する。
図7(a)に示されるように、転写ベルトユニット450がプリンタ10に装着されていない状態では、レバー477はバネ478により転写ベルト461方向(図中上方向)に付勢され、当接部475のスポンジ部475Aは転写ベルト461に押し付けられて当接している。
転写ベルトユニット450がプリンタ10に装着される場合、図7(b)に示されるように、転写ベルトユニット450は矢印c方向に移動し、レバー477のレバー作動端480が、プリンタ10のレバー突き当て部20に突き当たって転写ベルト461方向(図中上方向)の力を受ける。これにより、レバー477は回転軸479を軸として図中時計回りに回転し、レバー作動端480は転写ベルト461方向に変位し、レバー477の当接部475側の端部は、バネ478を押し下げて圧縮しながら、転写ベルト461から離れる方向に変位する。これにより、スポンジ部475Aは転写ベルト461から離間する。
転写ベルトユニット450がプリンタ10に装着されている状態では、図7(b)に示されるように、スポンジ部475Aは転写ベルト461から離間した状態となっている。したがって、プリンタ10内で転写ベルトユニット450が駆動され、転写ベルト461の表面が移動する際、スポンジ部475Aは転写ベルト461から離間している。このため、転写ベルト461の表面上に付着したトナーTは、スポンジ部475Aに阻害されることなく、クリーニングブレード471へ向けて搬送され、クリーニングブレード471により転写ベルト461上から掻き取られ、トナーボックス472に落ちる。このとき、フィルム473は、クリーニングブレード471によって掻き取られたトナーTがトナーボックス472に落下せずトナーボックス472の外側へ飛散することを防止する。フィルム473は、トナーの飛散を防止するためのものであり、トナーを掻き取ることを目的とするものではないが、転写ベルト461上のトナーTは、フィルム473により掻き落とされる場合がある。このフィルム473により掻き落とされたトナーTは、受け皿474により回収される。
転写ベルトユニット450がプリンタ10から取り外される場合、図7(a)に示されるように、転写ベルトユニット450は矢印d方向に移動し、レバー作動端480がレバー突き当て部20から離間し、レバー突き当て部20からレバー作動端480に作用する力が解除される。これにより、レバー477は、バネ478からの付勢力(弾性復元力)により回転軸479を軸として図中反時計回りに回転し、レバー477の当接部475側の端部は転写ベルト461方向に変位し、レバー作動端480は転写ベルト461から離れる方向に変位する。これにより、スポンジ部475Aが転写ベルト461に当接する。このように、転写ベルトユニット450がプリンタ10から取り外される際には、スポンジ部475Aが転写ベルト461に当接する。これにより、受け皿474やトナーボックス472に堆積したトナーTの転写ベルトユニット450の外部への漏洩または飛散が防止される。
[効果]
以上説明した本実施の形態1によれば、下記(1)〜(5)の効果が得られ得る。
(1)本実施の形態では、トナー付着体ユニットは、トナー付着体の表面の移動方向におけるクリーニング部材の上流側でトナー付着体の表面に当接して、トナー収容部に収容されたトナーの漏れを防止する当接部と、トナー付着体ユニットが画像形成装置に装着されトナー付着体の表面が移動しているときには、トナー付着体の表面と当接部とが離間し、トナー付着体ユニットが画像形成装置に装着されていないときには、トナー付着体の表面と当接部とが当接するように、トナー付着体の表面と当接部とを離間および当接させる離接機構とを備える。このため、本実施の形態によれば、画像形成装置からトナー付着体ユニットが脱離した場合に、クリーニングにより回収されたトナーがトナー付着体ユニットの外部に漏れることを防止することができる。また、トナー付着体ユニットが画像形成装置に装着されトナー付着体の表面が移動している場合には、トナー付着体の表面に付着したトナーが当接部により掻き落とされることを防止することができる。
具体的には、転写ベルトユニット450の着脱時に、転写ベルトユニット450が揺り動かされたり、傾けられたりすることにより、転写ベルト461から回収された廃トナーが転写ベルトユニット450の外部に漏れることを防止することができる。また例えば、取り外された転写ベルトユニット450が水平でない状態で取り扱いされた場合などにおいても、転写ベルトユニット450の外部に廃トナーが漏れることを防止することができ、ユーザの手がトナーで汚れることを防ぐことができる。
(2)離接機構は、トナー付着体ユニットが画像形成装置に対して装着されるとき、画像形成装置に突き当たって力を受けることにより、トナー付着体の表面と当接部とを当接させる第1の状態から、トナー付着体の表面と当接部とを離間させる第2の状態となり、トナー付着体ユニットが画像形成装置から脱離するとき、画像形成装置からの力が解除されることにより、第2の状態から第1の状態に復帰する。本態様によれば、画像形成装置に離接機構が突き当たる際の力を利用して、トナー付着体ユニットの着脱に応じてトナー付着体と当接部との離間および当接を切り替えることができ、トナー付着体と当接部との離接を簡易な構成で実現することができる。例えば、当接部を駆動するための電動アクチュエータや、当接部の離接のタイミングを検出するためのセンサ、作動力を制御するコントローラなどを設ける必要がない。
(3)離接機構は、当接部を支持する支持部材と、支持部材を付勢する弾性部材とを有する。そして、支持部材は、トナー付着体ユニットが画像形成装置に対して装着されるとき、画像形成装置に突き当たって力を受けることにより、弾性部材を弾性変形させながら、トナー付着体の表面と当接部とを当接させる第1の位置から、トナー付着体の表面と当接部とを離間させる第2の位置に変位し、トナー付着体ユニットが画像形成装置から脱離するとき、画像形成装置からの力が解除されると、弾性部材の弾性復元力により第2の位置から第1の位置に復帰する。本態様によれば、画像形成装置に離接機構が突き当たる際の力と、弾性部材の付勢力とを利用して、トナー付着体ユニットの着脱に応じてトナー付着体と当接部との離間および当接を切り替えることができ、トナー付着体と当接部との離接を簡易な構成で実現することができる。また、弾性部材の付勢力により当接部をトナー付着体に押圧することができ、トナー漏れの防止効果を高くすることができる。
(4)当接部は、トナー付着体の表面に密着する密着部材を有する。本態様によれば、当接部のシール性を高くすることができる。
(5)トナー付着体ユニットは、トナー付着体の表面の移動方向におけるクリーニング部材の上流側でトナー付着体の表面に当接して、クリーニング部材により除去されたトナーの飛散を防止するシール部材と、トナー付着体の表面の移動方向におけるシール部材の上流側に設けられ、シール部材によりトナー付着体の表面から掻き取られたトナーを保持するトナー保持部とをさらに備える。そして、当接部は、トナー付着体の表面の移動方向におけるシール部材の上流側でトナー付着体の表面に当接して、トナー収容部に収容されたトナーおよびトナー保持部に保持されたトナーの漏れを防止する。本態様によれば、トナー付着体の表面が移動している場合において、クリーニング部材により除去されたトナーがトナー付着体ユニットの外部に飛散することをシール部材により防止することができる。また、シール部材によりトナー付着体の表面から掻き取られたトナーをトナー保持部で保持することができる。さらに、トナー付着体ユニットが画像形成装置から脱離された場合には、トナー保持部に保持されているトナーの漏れを当接部により防止することができる。
具体的には、スポンジ部475Aの転写ベルト461への当接により、クリーニングブレード471やフィルム473により掻き取られたトナーが、転写ベルトユニット450の外部へ漏出または飛散することを防ぐことができる。
実施の形態2.
以下、実施の形態2における転写ベルトユニットについて説明する。本実施の形態における転写ベルトユニットは、実施の形態1のものと殆ど同じであるので、以下の説明では、実施の形態1と同様の部分については説明を省略または簡略化し、実施の形態1と同一または対応する要素については同一の符号を付す。
図8は、実施の形態2における転写ベルトユニット450の断面の一部を拡大して示す断面図である。図8には、プリンタ10から取り出された状態の転写ベルトユニット450が示されている。
本実施の形態では、図8に示されるように、転写ベルトユニット450は、突き当て部481をさらに備える。この突き当て部481は、転写ベルト461を挟んで当接部475と対向する位置に設けられる。具体的には、突き当て部481は、転写ベルト461のスポンジ部475Aと当接する部分の裏面側に、スポンジ部475Aと対向するように配置される。図8の例では、突き当て部481は、ベルトフレーム465に設けられている。
図9は、実施の形態2における、プリンタ10に対して着脱される際の転写ベルトユニット450の動作を説明するための断面図である。図9(a)は、転写ベルトユニット450がプリンタ10から取り外されている状態を示し、図9(b)は、転写ベルトユニット450がプリンタ10に装着されている状態を示している。以下、図9を参照して、プリンタ10に対して転写ベルトユニット450を着脱する場合における、転写ベルトユニット450の動作について説明する。
図9(b)に示されるように、転写ベルトユニット450がプリンタ10に装着されている状態では、レバー477のレバー作動端480がレバー突き当て部20と当接して転写ベルト461方向(図中上方向)の力を受け、スポンジ部475Aは転写ベルト461から離間した状態となっている。
転写ベルトユニット450がプリンタ10から取り外される場合、図9(a)に示されるように、転写ベルトユニット450は矢印d方向に移動し、レバー作動端480がレバー突き当て部20から離間し、レバー突き当て部20からレバー477に作用する転写ベルト461方向の力が解除される。これにより、レバー477は、バネ478からの付勢力(弾性復元力)により回転軸479を軸として図中反時計回りに回転し、スポンジ部475Aが転写ベルト461に当接する。このとき、スポンジ部475Aは、転写ベルト461を挟んで突き当て部481に突き当たる。突き当て部481は、スポンジ部475Aが転写ベルト461を押圧する力を受け、スポンジ部475Aとともに転写ベルト461を挟持する。このように、当接部475および突き当て部481は、バネ478の付勢力により転写ベルト461を挟み込む。
以上説明した本実施の形態2によれば、上記実施の形態1の効果の他に、下記(6)の効果が得られ得る。
(6)本実施の形態では、トナー付着体ユニットは、トナー付着体を挟んで当接部と対向する位置に設けられ、トナー付着体の表面と当接部とが当接する際に、トナー付着体を挟んで当接部と突き当たる突き当て部をさらに備える。このため、本実施の形態によれば、トナーの漏れを良好に防止することができる。
具体的には、転写ベルト461へのスポンジ部475Aの押し込みを強くすることが可能となり、突き当て部481とスポンジ部475Aとで転写ベルト461を挟み込むことにより、トナー漏れの防止の効果が高まる。例えば、ユーザが転写ベルト461のスポンジ部475A側の表面をスポンジ部475Aから離れる方向に押し込んだ際(図8において転写ベルト461の下向きの表面を上方向に押し込んだ際)、転写ベルト461の変形によりスポンジ部475Aが転写ベルト461から離れることを防止することができ、両者が離れることによるトナー漏れを防ぐことができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の態様で実施することができる。
例えば、上記実施の形態では、トナー付着体として、直接転写方式のための転写ベルト(直接転写ベルト、記録媒体搬送ベルト)を例に挙げたが、トナー付着体は、これに限定されるものではない。例えば、トナー付着体は、中間転写方式のための転写ベルト(中間転写ベルト、トナー搬送ベルト)であってもよいし、感光体ドラムなどの感光体であってもよい。なお、図10には、中間転写ベルト461aを含む中間転写ベルトユニット450aが示されており、図11には、感光体ドラム431を含む感光体ドラムユニット430bが示されている。
また、離接機構476の構成は、上記実施の形態のものに限られず、適宜変更されてもよい。例えば、上記実施の形態では、レバー477がバネ478に押圧される構成を例に挙げたが、図10に示されるように、レバー477aがバネ478aに引っ張られる構成であってもよい。また、上記実施の形態では、レバー477が回転移動する構成を例に挙げたが、図11に示されるように、レバー477bが平行移動する構成であってもよい。
また、上記実施の形態では、当接部475の密着部材として弾性体であるスポンジを例に挙げたが、密着部材は、転写ベルト461の表面に密着可能な部材であればよく、例えば、ゴムなどのスポンジ以外の弾性体であってもよい。また、当接部475は、転写ベルト461の表面に当接してトナーの漏洩を防止できるものであればよく、必ずしも密着部材を有していなくてもよい。
また、上記実施の形態では、当接部475がトナーボックス472に収容されたトナーおよび受け皿474に保持されたトナーの漏れを防止する構成を例示したが、当接部475は、少なくともトナーボックス472に収容されたトナーの漏れを防止するものであればよい。また、上記実施の形態では、クリーニングブレード471により掻き取られたトナーが飛散することを防ぐためにフィルム473を用いているが、フィルム473および受け皿474は省略されてもよい。例えば、クリーニングブレード471とスポンジ部475Aとの距離が十分に離れており、印刷動作時にクリーニングブレード471により掻き取られたトナーが転写ベルトユニット450から外部に漏れる可能性が低い場合には、フィルム473および受け皿474は省略されてもよい。この場合、当接部475は、トナーボックス472と転写ベルト461との間の隙間を塞ぐように、転写ベルト461と当接する。
また、上記実施の形態では、離接機構476が弾性部材(バネ478)の弾性力により当接部475を転写ベルト461の表面に当接させる構成を例に挙げたが、離接機構476は、弾性力の代わりに、磁力や重力などを利用してもよい。
また、上記実施の形態では、レバー477がプリンタ10のレバー突き当て部20に突き当たる際の力を利用して、転写ベルト461と当接部475とを離接させる構成を例に挙げたが、転写ベルト461と当接部475との離接は、電動アクチュエータの駆動力など、他の作動力によって行われてもよい。例えば、プリンタ10は、離接機構476に作動力を付与する作動力付与手段として、レバー突き当て部20の代わりに、レバー477に作動力を付与する電動アクチュエータを備えてもよい。
また、上記実施の形態では、転写ベルトユニット450がプリンタ10に対して装着されるとき、転写ベルト461と当接部475とを離間させる構成を例に挙げたが、転写ベルト461と当接部475とは、上記以外のタイミングで離間してもよい。例えば、プリンタ10は、転写ベルト461の駆動開始直前のタイミングなど、転写ベルトユニット450の装着から転写ベルト461の表面移動開始までの間の所定のタイミングで、レバー477に作動力を付与して当接部475を転写ベルト461から離間させてもよい。
また、上記実施の形態では、転写ベルトユニット450がプリンタ10から脱離するとき、転写ベルト461と当接部475とを当接させる構成を例に挙げたが、転写ベルト461と当接部475とは、上記以外のタイミングで当接してもよい。例えば、プリンタ10は、転写ベルト461の駆動終了直後のタイミングや、スタッカ部505の開放が検知されたタイミングなど、転写ベルトユニット450が脱離される前の所定のタイミングで、レバー477に作動力を付与して当接部475を転写ベルト461に当接させてもよい。
また、上記実施の形態では、K,Y,M,Cの4色による画像形成を例示したが、色の種類や、色の数(またはプロセスユニットの数)は、適宜変更されてもよい。また、画像形成の方式や、各部の配置位置等も、適宜変更されてもよい。また、上記実施の形態では、画像形成装置としてカラープリンタを例示したが、画像形成装置は、複写機や、モノクロプリンタ、ファクシミリ装置など、他の種類の画像形成装置であってもよい。
以下、図10に示される中間転写ベルトユニット450aについて説明する。
図10において、中間転写ベルトユニット450aは、ベルト駆動ユニット460aと、廃トナー回収ユニット470aとを有する。
ベルト駆動ユニット460aは、転写ベルト461a、ドライブローラ462a、複数のローラ463a−1〜463a−4、および転写ローラ464aを含む。転写ベルト461aは、その表面にトナー像が転写され当該トナー像を担持して搬送する無端状の中間転写ベルトである。転写ベルト461aは、ドライブローラ462aおよび複数のローラ463a−1〜463a−4に張架され、ドライブローラ462aにより回転駆動される。ドライブローラ462aおよびローラ463a−1,463a−4は、図中矢印f方向に回転し、転写ベルト461aの表面は、図中矢印gで示される所定のベルト移動方向に移動する。4つの転写ローラ464aの各々は、図示しない対応する感光体ドラムに対し、転写ベルト461aを介して対向するように配設され、対応する感光体ドラム上に形成されたトナー像を転写ベルト461aの表面上に転写する。
廃トナー回収ユニット470aは、転写ベルト461aに付着したトナーを回収するクリーニング装置である。廃トナー回収ユニット470aは、クリーニングブレード471a、トナーボックス472a、フィルム473a、受け皿474a、当接部475a、および離接機構476aを含む。
クリーニングブレード471aは、転写ベルト461aの表面に付着したトナーを掻き取る。トナーボックス472aは、クリーニングブレード471aによって掻き落とされたトナーを収容する。フィルム473aは、クリーニングブレード471aにより掻き落とされたトナーがトナーボックス472aの外側へ飛散しないように転写ベルト461aの表面に当接する。受け皿474aは、フィルム473aにより転写ベルト461aから掻き落とされたトナーを保持する。
当接部475aは、転写ベルト461aに対して離接可能に設けられ、ベルト移動方向におけるフィルム473aの上流側で転写ベルト461aの表面に当接して、トナーボックス472aに収容されたトナーおよび受け皿474aに保持されたトナーの漏れを防止する。
離接機構476aは、当接部475aを支持するレバー477aと、レバー477aを付勢するバネ478aとを有する。レバー477aは、ベルト移動方向におけるフィルム473aの上流側に配置され、ベルト移動方向に沿って延びる形状を有する。レバー477aのベルト移動方向下流側の端部に、当接部475aが設けられている。レバー477aのベルト移動方向両端部の間において、レバー477aは、回転軸479a周りに回転可能に設けられている。回転軸479aは、転写ベルト461aの表面に平行であり、かつベルト移動方向に直交する。レバー477aは、バネ478aにより、当接部475aが転写ベルト461aに向かう方向に、回転軸479a回りに回転するように付勢される。具体的には、バネ478aは、レバー477aのベルト移動方向上流側の端部を転写ベルト461aから離す方向に引っ張るように配置されている。レバー477aのベルト移動方向上流側の端部は、当接部475aを移動させるための作動力を受けるレバー作動端480aとなっている。プリンタ10側には、レバー作動端480aと突き当たるレバー突き当て部20aが設けられており、レバー作動端480aは、レバー突き当て部20aから作動力を受ける。
画像形成時には、転写ベルト461aの表面は図中矢印g方向に移動し、この表面上には、一次転写ローラである4つの転写ローラ464aにより4色のトナー像が順に重ねて転写される。転写ベルト461a上に転写されたトナー像は、転写ベルト461aの表面の移動に伴ってローラ463a−1に向けて搬送される。ローラ463a−1は、図示しない二次転写ローラと当接してニップ部を形成し、このニップ部において、転写ベルト461a上のトナー像が記録媒体上に転写される。
次に、プリンタ10に対して中間転写ベルトユニット450aを着脱する場合における、中間転写ベルトユニット450aの動作について説明する。
図10に示されるように、中間転写ベルトユニット450aがプリンタ10に装着されていない状態では、レバー477aはバネ478aにより付勢され、当接部475aは転写ベルト461aに当接している。
中間転写ベルトユニット450aがプリンタ10に装着される場合、中間転写ベルトユニット450aは矢印c方向に移動し、レバー477aのレバー作動端480aが、プリンタ10のレバー突き当て部20aに突き当たって転写ベルト461a方向(上方向)の力を受ける。これにより、レバー477aは回転軸479aを軸として図中反時計回りに回転し、レバー作動端480aは転写ベルト461a方向に変位し、レバー477aの当接部475a側の端部は転写ベルト461aから離れる方向に変位する。これにより、バネ478aはレバー477aに引っ張られて伸張し、当接部475aは転写ベルト461aから離間する。
中間転写ベルトユニット450aがプリンタ10から取り外される場合、中間転写ベルトユニット450aは矢印d方向に移動し、レバー作動端480aがレバー突き当て部20aから離間し、レバー突き当て部20aからレバー477aに作用する力が解除される。これにより、レバー477aは、バネ478aからの付勢力(弾性復元力)により回転軸479aを軸として図中時計回りに回転し、レバー477aの当接部475a側の端部は転写ベルト461a方向に変位し、レバー作動端480aは転写ベルト461aから離れる方向に変位する。これにより、当接部475aが転写ベルト461aに当接する。
以下、図11に示される感光体ドラムユニット430bについて説明する。この感光体ドラムユニット430bは、上記実施の形態1,2のプロセスユニットと殆ど同じ構成を有し、例えば上記実施の形態1,2のプロセスユニットとして用いられる。以下の説明では、実施の形態1,2と同様の部分については説明を省略または簡略化し、実施の形態1,2と同一または対応する要素については同一の符号を付す。
図11において、感光体ドラムユニット430bは、ドラム駆動ユニット460bと、廃トナー回収ユニット470bとを有する。
ドラム駆動ユニット460bは、矢印h方向に回転する感光体ドラム431、帯電ローラ432、現像ローラ434、およびトナー収納部436を含む。
廃トナー回収ユニット470bは、感光体ドラム431の表面に付着したトナーを回収するクリーニング装置である。廃トナー回収ユニット470bは、クリーニングブレード435、トナーボックス472b、フィルム473b、受け皿474b、当接部475b、および離接機構476bを含む。
クリーニングブレード435は、感光体ドラム431の表面に残留した転写残トナーを掻き取る。トナーボックス472bは、クリーニングブレード435によって掻き落とされたトナーを収容する。フィルム473bは、クリーニングブレード435により掻き落とされたトナーがトナーボックス472bの外側へ飛散しないように感光体ドラム431の表面に当接する。受け皿474bは、フィルム473bにより感光体ドラム431から掻き落とされたトナーを保持する。
当接部475bは、感光体ドラム431に対して離接可能に設けられ、感光体ドラム431の表面の移動方向(以下、「ドラム移動方向」と称す)におけるフィルム473bの上流側で感光体ドラム431の表面に当接して、トナーボックス472bおよび受け皿474bからのトナーの漏れを防止する。
離接機構476bは、当接部475bを支持するレバー477bと、レバー477bを付勢するバネ478bとを有する。レバー477bは、感光体ドラム431に向かって延びる形状を有し、レバー477bの感光体ドラム431側の端部に当接部475bが設けられている。レバー477bは、感光体ドラム431に対して近づく方向および離れる方向に平行移動可能に設けられている。また、レバー477bは、バネ478bにより、感光体ドラム431に近づく方向に付勢されている。具体的には、バネ478bは、レバー477bの感光体ドラム431側と反対側の端部であるレバー作動端480bを感光体ドラム431側に押圧するように配置されている。
次に、プリンタ10に対して感光体ドラムユニット430bを着脱する場合における、感光体ドラムユニット430bの動作について説明する。
図11に示されるように、感光体ドラムユニット430bがプリンタ10に装着されていない状態では、レバー477bはバネ478bにより感光体ドラム431方向に付勢され、当接部475bは感光体ドラム431に当接している。
感光体ドラムユニット430bがプリンタ10に装着される場合、感光体ドラムユニット430bは矢印c方向に移動し、レバー477bのレバー作動端480bが、プリンタ10のレバー突き当て部20bに突き当たる。ここで、レバー突き当て部20bは、装着方向cに向かうに従って感光体ドラム431から遠ざかる斜面21bを有し、レバー作動端480bは、この斜面21bに当接する。したがって、感光体ドラムユニット430bが装着方向cに移動していくと、レバー作動端480bは、斜面21bに案内され、バネ478bを圧縮させながら、感光体ドラム431から離れる方向に変位する。これにより、当接部475bは感光体ドラム431から離間する。
感光体ドラムユニット430bがプリンタ10から取り外される場合、感光体ドラムユニット430bが脱離方向dに移動していくと、レバー作動端480bは、バネ478bが伸張する際の付勢力(弾性復元力)を受けながら斜面21bに案内され、感光体ドラム431に近づく方向に変位する。そして、最終的に、図11に示されるように、レバー作動端480bは斜面21bから離間し、当接部475bは感光体ドラム431に当接する。