JP5621404B2 - ループ型ヒートパイプ及び電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、ループ型ヒートパイプ及び電子機器に関する。
近年、コンピュータ等の電子機器の発熱量及び発熱密度が増加し、冷却性能の向上が求められている。そのため、ヒートシンクを冷却ファンの近傍等の冷却に適する場所に配置し、CPU(Central Processing Unit )等の発熱量の大きな電子部品とヒートシンクとをヒートパイプで熱的に接続して冷却する方法が広く用いられている。
従来、ヒートシンクと電子部品とを熱的に接続するヒートパイプとしては、構造が簡単な単管型ヒートパイプが利用されてきた。しかし、単管型ヒートパイプの熱輸送能力は30〜50W程度と低く、電子機器の冷却を行うのに十分ではない。
一方、ループ型ヒートパイプ(Loop Heat Pipe:LHP)は単管型ヒートパイプに比べて熱輸送能力が優れることから、電子機器への搭載を目指した開発が進められている。
図6に示すように、LHP10は、作動液(液相の作動流体)を蒸発させる蒸発部12と、蒸気(気相の作動流体)を凝縮させる凝縮部14と、蒸発部に供給する作動液を一時的に貯留する補助チャンバ11とを備えている。蒸発部12と凝縮部14とは蒸気を導く蒸気管13で接続され、凝縮部14と補助チャンバ11とは作動液を導く液管15で接続される。また、蒸発部12の内部には、液管15と連通した作動液流路と蒸気管13と連通した蒸気流路とを隔てるウィック17と呼ばれる多孔質部材が設けられている。このウィック17は、作動液流路の作動液を毛細管力で吸い上げて蒸気流路側に輸送する機能と、蒸気流路の蒸気が作動液流路側に逆流するのを防ぐ機能とを有し、蒸発部12と凝縮部14との間で作動液を循環させている。
特開2009−168273号公報 特開2009−115396号公報 特開2002−340489号公報
しかしながら、電子計算機のCPUは計算の負荷を変えて稼働するため、LHPの凝縮部は、発熱量に対応した放熱面積が必要となる。従来のLHPでは、最大発熱量を放熱できるように凝縮部の放熱面積を設計しているため、発熱量が小さい場合、蒸気管に近い側で凝縮が起こり、作動流体の流動抵抗が大きくなって循環が止まる結果、LHPが動作しなくなるという問題を抱える。
そこで、上述した問題を解決するため、本発明では、発熱量に変動があっても安定に動作し、熱輸送能力に優れたループ型ヒートパイプを提供する。
本発明の一つの態様によれば、外部から受熱して作動液を蒸発させる蒸発部と、外部に放熱して前記作動液の蒸気を凝縮させる第1の凝縮部と、前記蒸発部からの蒸気が通る蒸気管側で前記第1の凝縮部と直列に連結され、外部に放熱して前記作動液の蒸気を凝縮させる第2の凝縮部と、前記第2の凝縮部の入口または出口に設置され、所定温度に応じて蒸気の通過量を制御する蒸気通路開閉機構と、前記作動液の蒸気を前記第2の凝縮部を通過させずに前記第1の凝縮部に送るバイパス管と、を有することを特徴とするループ型ヒートパイプに関する。
本発明によれば、凝縮部を直列に分割した、蒸気管側の凝縮器の入口または出口に温度可変の開閉バルブを設置することによって、冷却対象である電子部品の温度が低い場合にも、安定に動作し、熱輸送能力に優れたループ型ヒートパイプが実現される。
本発明の実施の形態になるループ型ヒートパイプの基本構成とその動作を説明する図である。 本発明の実施の形態になる分断凝縮部の前後の蒸気通路に設置する高分子バルブの構成とその挙動を説明する図である。 本発明の実施の形態になる高分子バルブ開度と発熱量の関係を示す図である。 本発明の実施の形態になるループ型ヒートパイプの構造と主要部の構造(断面図)を示す図である。 本発明の実施の形態になるループ型ヒートパイプを搭載した電子機器を示す図である。 従来のループ型ヒートパイプの構成例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明のループ型ヒートパイプの基本構成とその動作を説明する図である。ループ型ヒートパイプ10は、外部から受熱して作動液を蒸発させる蒸発部12と外部に放熱して前記作動液の蒸気を凝縮させる凝縮部14とを有する。
また、LHP10は、蒸発部12に供給する作動液を貯留する補助チャンバ11と、蒸発部12で発生した作動液の蒸気を凝縮部14に導く蒸気管13と、凝縮部14で凝縮された作動液を補助チャンバ11に導く液管15を有する。また、蒸気管13は、その蒸気管内に配置され、補助チャンバ11と連通した作動液流路と、蒸気管13と連通した蒸気流路とを隔てる多孔質材料よりなるウィック17を有する。
さらに、凝縮部14は、直列に複数分割された分割凝縮部14a、14bと、蒸気管13に近い側の凝縮部(14a)の前後に設置され、作動蒸気液通路の開閉を行う高分子バルブ30と、分割凝縮部14aへの入力を遮断された蒸気をバイパスするバイパス管31を有する。なお、凝縮部14、および分割凝縮部14a、14bは、図示していないが、内部に凝縮管13や液管15と同一径の管と該管の周りに該管を冷却する放熱フィンとを有する構造となっている。さらに、該放熱フィンに送風して冷却する冷却ファン(図にない)を凝縮部近傍に備えている。
高分子バルブ30には、所定温度よりも低い温度になると蒸気液を吸収して膨張して蒸気通路を閉じ、所定温度よりも高い温度になると収縮して蒸気通路を開くような高分子材料が適用される。なお、分割凝縮部14aの後方部のバルブは逆流を防止するためのものである。なお、実施例では、凝縮部14は2つに分割された例で示しているが、複数個に分割されてもよい。
以下に、本発明のループ型ヒートパイプの動作原理について述べる。
発熱量が小さい時(または動作開始時)、高分子バルブ30は「閉」状態となり、蒸気が分割凝縮部14aのバイパス管31を通過し、凝縮部14bにおいて液化される。一方、発熱量が大きい時、高分子バルブ30は「開」状態となり、分割凝縮部14aと分割凝縮部14bの両方において液化される。
なお、バルブ「開」のときに流体が凝縮部へ流れる条件として、バイパス管31と分割凝縮部14aの圧損抵抗の大小関係を、
バイパス管の抵抗>凝縮部の抵抗
の関係を満たすようにすれば、流体は分割凝縮部14aを通過することとなる。
実施例では、バイパス管31(内径d1)と分割凝縮部14aの流路管(内径d2)の内径は、それぞれd1=2mm、d2=4mm、また、バイパス管31の長さは、分割凝縮部14aの流路管の長さに比べて3倍以上としている。
また、高分子バルブ30に用いる材料は、温度に対して緩やかに縮んでいく性質のある温度応答性の高分子を適用するのが好ましい。
以上、凝縮部を直列に分割し、蒸気管に近い側の分割凝縮部の前後に高分子バルブによる流路の開閉機構とバイパス管を配置することによって、発熱量に応じたループ型ヒートパイプが実現される。
図2は、本発明の分割凝縮部の前後の蒸気通路に設置する高分子バルブの挙動を説明する図である。図2(a)は、高分子バルブの構成例を示し、図2(b)は、高分子バルブに適用する温度応答性高分子の挙動を示している。
図2(a)に示すように、高分子バルブ30は、枠体40に取り付けられた吸収層(温度応答性高分子)30aと支持層30bを有し、蒸気管13から凝縮部14に流れる蒸気の通過を制御する。
支持層30aは、作動液16に対する化学反応性及び溶解性が低い材料、例えば、ポリプロピレン製の不織布等よりなる。なお、支持層30aの材料は、これに限定されるものではなく、例えば、白金、白金黒、金、パラジウム、ロジウム、銀、水銀、タングステン及び銅の何れか又はこれらの合金等の金属材料、グラファイト及びカーボンファイバー等の炭素材料、単結晶シリコン、アモルファスシリコン、炭化ケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素及びSOI(シリコン・オン・インシュレータ)等の半導体材料、ガラス、石英ガラス、アルミナ、サファイア、各種セラミクス、フォルステライト及び感光性ガラス等の無機材料、並びに各種高分子材料を用いることができる。
また、吸収層30bは、所定の相転移温度よりも低い温度で作動液を吸収して膨張するとともに、その相転移温度よりも高い温度で作動液を放出して収縮する樹脂材料からなる。ここでは、吸収層30bには、温度によって作動液の吸収及び放出を行う温度応答性高分子の一種であるポリN−イソプロピルアクリルアミドを用いている。
吸収層30bは、作動液に溶解して消失するのを防ぐために、支持層30aの表面で化学的に結合させている。支持層30aとして高分子材料を用いる場合には、支持層30aの表面と吸収層30bを構成する高分子とをグラフト結合させている。
図2(b)は、冷却すべき対象物(CPU等)の温度が低い場合、冷却すべき対象物の温度が高い場合に、バルブとして適用する温度応答性高分子の膨張・収縮による作動流体のそれぞれの状態を模式的に示したものである。
図2(b)に示すように、冷却対象物が低温にあるときは、高分子鎖が膨潤し、バルブが閉じ状態となり、蒸気がバイパス管31を通過し、高温にあるときは、高分子鎖が収縮し、バルブが開状態となり、蒸気が複数の凝縮部を通過することとなる。すなわち、LHP10動作時に凝縮器の温度が上がり、高分子が所定温度(=相転移温度)以上で収縮する性質を利用して凝縮部前後のバルブ開閉を行うことによって、発熱量が異なる場合のLHP10を安定に動作させることが可能となる。
高分子バルブ30は、所定の相転移温度よりも低い温度で作動液を吸収して膨張する一方、その相転移温度よりも高い温度で作動液を放出して収縮する樹脂材料からなる。ここでは、温度によって作動液の吸収及び放出を行う温度応答性高分子の一種であるポリN−イソプロピルアクリルアミドを用いている。
ポリN−イソプロピルアクリルアミドは、相転移温度が32℃程度であり、32℃よりも高い温度では、側鎖のアクリルアミド部分が脱水和して高分子鎖が収縮し、その体積が減少する。また、32℃よりも低い温度では、側鎖のアクリルアミドの部分が水分を吸収して分子鎖が膨張して、その体積が増加する。
なお、高分子バルブ30に用いられる温度応答性高分子は、上述の例に限定されるものではなく、例えば、ポリ(N−置換アクリルアミド)、ポリ(N−置換メタクリルアミド)、ポリ(N,N−二置換アクリルアミド)、ポリ(N,N−二置換メタクリルアミド)及びポリビニルエーテル(一部が置換されていてもよい)等を用いることができる。ここで、上述の材料の置換基は、炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜6の直鎖又は分岐アルキル基、及び炭素数3〜20、より好ましくは炭素数3〜10のシクロアルキル基の何れか1又は複数から選択されるものとする。
より具体的には、ポリ(N−メチルアクリアミド)、ポリ(N−エチルアクリルアミド)、ポリ(N−シクロプロピルアクリルアミド)、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(N−n−プロピルアクリルアミド)、N−メチル−N−エチルアクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピルアクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、ポリ(N−メチルメタクリルアミド)、ポリ(N−エチルメタクリルアミド)、ポリ(N−シクロプロピルメタクリルアミド)、ポリ(N−イソプロピルメタクリルアミド)、ポリ(N−n−プロピルメタクリルアミド)、N−メチル−N−エチルメタクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピルメタクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピルメタクリルアミド、N、N−ジメチルメタクリルアミド、N、N−ジエチルメタクリルアミド、ポリビニルメチルエーテル及びポリビニルエチルエーテル等を吸収層30bに用いることができる。
また、上記した高分子の単独重合体だけでなく、上記の重合体を構成するモノマーの2種類以上を組み合わせた共重合体や、その他の種類のモノマーと上記した重合体に含まれるモノマーとを組み合わせた共重合体を用いてもよい。また、上記の重合体の何れか1種類を単独で使用してもよいし、複数種類を組み合わせて使用してもよい。
高分子バルブ30は、以下のようにして作製することができる。ここでは、支持層30aとしてポリプロピレン製の不織布を用い、吸収層30bの温度応答性高分子としてポリ−N−イソプロピルアクリルアミドを支持層30aの表面にグラフト結合させる例について説明する。
まず、支持層30aとして、例えば平均孔径10μm程度のポリプロピレン製の不織布を用意する。次に、この支持層30aの表面にアルゴン雰囲気下でプラズマを照射して支持層30aの表面に活性種を発生させる。支持層30aの表面に活性種を発生させる方法は、プラズマ照射以外に、放射線照射及び電子線照射等で行ってもよい。
その後、支持層30aを、温度が60℃程度の脱気した3%N−イソプロピルアクリルアミド水溶液に浸漬する。これにより、支持層30aの表面の活性種を開始点として支持層30aの上にN−イソプロピルアクリルアミドが重合して、支持層30aとグラフト結合した吸収層30bが形成される。
次に、支持層30a及び吸収層30bを3%N−イソプロピルアクリルアミド水溶液から取り出し、例えば水とメタノールとを1:1の割合で混合した洗浄液で洗浄し、真空乾燥する。以上のようにして作製された支持層30a及び吸収層30bを複数積層することで本実施形態の高分子バルブ30が完成する。
上に説明した支持層30aの表面に活性種を発生させる方法に代えて、支持層30aの表面に化学的処理を施して反応性を有する官能基を発生させ、その官能基と反応できる官能基を有する温度応答性高分子をグラフト結合させてもよい。この場合、支持層30aの表面に発生させる官能基としては、カルボキシル基、アルデヒド基、アミノ基、イミノ基、スルホン酸基、エポキシ基、イソシアネート基、酸クロリド基、ヒドロキシ基、チオール基、及びジスルフィド基等が挙げられる。また、支持層30aに化学的処理を施す代わりに、支持層30aを上に列挙したいずれかの官能基を有する高分子材料で形成してもよい。
図3は、本発明の高分子バルブの開度と発熱量の関係を示す図である。図3は、高分子バルブ30としてポリN−イソプロピルアクリルアミドを用いた場合のバルブの開閉性能について、横軸に発熱量W、縦軸にバルブ開度(%)をプロットしたものである。
図3に示すように、発熱量が小さいケースとして、30W以下では、高分子バルブ30の開度は0%、発熱量が大きいケースとして、30W以上になると高分子バルブ30が開き始め、40Wではバルブの開度は50%、50W以上では高分子バルブ30の開度は100%となっている。
図4は、本発明のループ型ヒートパイプの構造と主要部の構造(断面図)を示す。図4(a)は、ループ型ヒートパイプ10の全体構成を示し、図4(b)は、蒸発部12及び補助チャンバ11の断面構造を示し、および図4(c)は、凝縮部14の断面構造を示している。
図4(a)に示すように、本実施形態のループ型ヒートパイプ10は、補助チャンバ11、蒸発部12、蒸気管13、凝縮部14、および液管15を有し、内部には、作動液16が飽和蒸気圧の蒸気と共に封入されている。ここでは、作動液16として水を使用するが、メタノールやエタノール等を使用してもよい。
補助チャンバ11は、図4(b)に示すように、蒸発部12に隣接して配置されており、蒸発部12に供給する作動液16を一時的に貯留する。
また、蒸発部12は、ヒートブロック20、蒸発管21、およびウィック17を有している。ヒートブロック20は、中身の詰まった金属製の箱体である。ヒートブロック20は、外部から受けた熱をヒートブロック20全体に拡散させるものである。ヒートブロック20には電子部品85がサーマルグリス(図示せず)等を介して接合されている。
また、ヒートブロック21の中央部には、円筒状の蒸発管21が収容されている。蒸発管21は、例えば、銅パイプ等からなり、その内周側に蒸発管21の中心軸に平行な方向に伸びる複数本の溝状の蒸気流路(グルーブ)21aが形成されている。これらの蒸気流路21aは、蒸気集束部23を介して蒸気管13と連通している。
ウィック17は、蒸気管13側の端部が閉塞された管状の多孔質部材であり、その外周面が蒸発管21の内周面(蒸気流路21aを除く)と接触するようにして蒸発管21内に収容されている。ウィック17の内周側の空洞部は、作動液流路17aとなっており、この作動液流路17aは補助チャンバ11と連通している。なお、作動液流路17aは、ウィック17によって蒸気流路21aと隔てられている。
蒸気管13は、蒸発部12と凝縮部14とを接続し、蒸発部12の蒸発管21内で発生した蒸気を凝縮部14に導く。凝縮部14は、ヒートシンク(図示せず)を備え、このヒートシンクで放熱することで蒸気を凝縮させて作動液16を生成させる。液管15は、凝縮部14と補助チャンバ11とを接続し、凝縮部14で生成された作動液16を補助チャンバ11に導く。
凝縮部14は、図4(c)に示すように、直列に分割され、蒸気管に近い側の分割された分割凝縮部14aの前後に温度応答性の開閉バルブとして高分子バルブ30が設置される。高分子バルブ30は、所定温度よりも低い温度になると蒸気液を吸収して膨張し、蒸気通路を閉止し、別途設けられたバイパス管31に蒸気をバイパスさせる。また、所定温度よりも高い温度になると収縮して蒸気通路を開き、分割凝縮部14a、14bを通過させる。このように、高分子バルブ30は、作動蒸気液通路の開閉機構としての役割りを担う。
さらに、以下、図4(a)、(b)、(c)を用いて、本ループ型ヒートパイプ10の動作を説明する。
電子部品(例えばCPU)85に電源を供給すると、熱がヒートブロック20及び蒸発管21を介してウィック17の外周側から伝わり、ウィック17の外周側で作動液16が蒸発する。このときウィック17の空孔は作動液16で塞がれているため、発生した蒸気はウィック17の空孔を透過して作動液流路17a側に逆流することができない。ウィック17の外周側の作動液の蒸発により濃度差が推進力となり作動液流路17a側から液体が供給され、ループ型ヒートパイプ10内で作動流体の循環が始まり、ループ型ヒートパイプ10が始動する。
ループ型ヒートパイプ10の作動中は、作動液16が液管15を経て補助チャンバ11内に流入する。作動液流路17a内に移動した作動液16は、ウィック17の毛細管力によってウィック17の外周側に運ばれ、ヒートブロック20を介して加熱されることでウィック17の外周側で蒸発する。ウィック17の外周側で発生した蒸気は蒸気流路21aを経て蒸気集束部23に集められた後、蒸発部12内から流出する。蒸発部12から流出した蒸気は蒸気管13によって凝縮部14に導かれ、凝縮部14で凝縮されて作動液16に戻る。その後、凝縮部14で生成した作動液16は、蒸気流路21aと作動液流路17aとの圧力差によって液管15内を押し上げられて補助チャンバ11内に移動する。
以上のようにして、ループ型ヒートパイプ10は、作動流体を蒸発と凝縮を繰り返しつつ循環させることで、蒸発部12側の熱を凝縮部14側に輸送する。
以上説明したように、本実施形態に係るループ型ヒートパイプ10は、凝縮器の前後に相転移温度より下の温度で水分を吸収し、相転移温度より上の温度で水分を放出する樹脂材料からなる温度応答性の開閉バルブを設けている。こうした構成により、ループ型ヒートパイプ10は、コンピュータの発熱量に応じて、指定の凝縮部において、蒸気を液体に相変化させることができ、安定稼動させることが可能となる。また、本ループ型ヒートパイプ10は、熱輸送特性にも優れる。
図5は、本発明のループ型ヒートパイプを搭載した電子機器を示す。
図5に示すように、電子機器(コンピュータ)80は、CPU等の発熱量の大きな電子部品85と、電子部品85が実装された配線基板81と、外気を取り入れるための冷却ファン82と、補助記憶装置としてのHDD(ハードディスクドライブ)83と、電源部84とを有する。ループ型ヒートパイプ10は、配線基板81の上に実装され、コンデンサ管14(及びヒートシンク)は、冷却ファン82の近傍に配置されている。また、ループ型ヒートパイプ10の蒸発部12は、サーマルグリス(図示せず)を介して電子部品85の上面に接合されている。
以上のように構成されたループ型ヒートパイプ10を適用することにより、電子機器80は、熱輸送能力が高いので効率のよい冷却が可能となる。また、冷却ファン82の風量を抑制して電子機器80の低騒音化や冷却ファン82の駆動用電力を抑制することが期待される。
本発明は、ループ型ヒートパイプ及びそれを用いた電子機器の技術分野に適用される。
10 ループ型ヒートパイプ
11 補助チャンバ
12 蒸発部
13 蒸気管
14 コンデンサ管(凝縮部)
15 液管
16 作動液
17 ウィック
17a 作動液流路
20 ヒートブロック
20a 空洞部
21 蒸発管
21a 蒸気流路
23 蒸気集束部
80 電子機器
81 配線基板
82 冷却ファン
83 HDD(ハードディクドライブ)
84 電源部
85 電子部品

Claims (5)

  1. 外部から受熱して作動液を蒸発させる蒸発部と、
    外部に放熱して前記作動液の蒸気を凝縮させる第1の凝縮部と、
    前記蒸発部からの蒸気が通る蒸気管側で前記第1の凝縮部と直列に連結され、外部に放熱して前記作動液の蒸気を凝縮させる第2の凝縮部と、
    前記第2の凝縮部の入口または出口に設けられた管の内部に設置され、前記設置された箇所の温度が相転移温度より低い場合に前記作用液を吸収し膨張することで前記管を閉じた状態とし、前記相転移温度以上の場合に収縮して前記作用液を放出することで開いた状態とすることで蒸気の通過量を制御する樹脂の部材を用いた蒸気通路開閉機構と、
    前記作動液の蒸気を前記第2の凝縮部をバイパスし前記第1の凝縮部に送るバイパス管と、
    を有することを特徴とするループ型ヒートパイプ。
  2. 前記蒸気通路開閉機構に用いる部材は、前記相転移温度を境に膨張または収縮する温度応答性高分子を含むことを特徴とする請求項1に記載のループ型ヒートパイプ。
  3. 前記蒸気通路開閉機構に用いる部材は、前記作動液に溶解しない材料からなる支持層と、前記温度応答性高分子からなる吸収層とが複数積層された構造を有することを特徴とする請求項2に記載のループ型ヒートパイプ。
  4. 前記温度応答性高分子は、ポリN−置換アクリルアミド、ポリN−置換メタクリルアミド、ポリNN−2置換アクリルアミド、ポリNN−2置換メタクリルアミド、及びポリビニルエーテルの何れかの単独重合体、又はこれらの共重合体よりなることを特徴とする請求項2または3に記載のループ型ヒートパイプ。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のループ型ヒートパイプを搭載した電子機器であって、外部に放熱して作動液の蒸気を凝縮させる凝縮部が、熱を発生する電子部品と熱的に接続されていることを特徴とする電子機器。
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