以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(レンズ駆動装置の概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるレンズ駆動装置1の斜視図である。図2は、図1に示すレンズ駆動装置1の分解斜視図である。図3は、図1に示すレンズ駆動装置1の構成を説明するための平面図である。図4は、図1に示すレンズ駆動装置1の概略構成を側面から説明するための概略図である。図5は、図2に示す第1保持体2および第2保持体3を基板18が支持している状態を示す斜視図である。図6は、図2に示す板バネ8の斜視図である。図7は、図2に示す板バネ9の斜視図である。なお、図3では、図2に示す板バネ8、レンズホルダ12、カバー部材17およびコイル固定部材14の一部等を取り除いた状態のレンズ駆動装置1の平面図が図示されている。また、図4では、保護部材20等の図示を省略している。
以下の説明では、図1等に示すように、互いに略直交する3方向のそれぞれをX方向、Y方向およびZ方向とする。また、図1等のX1方向側を「右」側、X2方向側を「左」側、Y1方向側を「前」側、Y2方向側を「後(後ろ)」側、Z1方向側を「上」側、Z2方向側を「下」側とする。また、Y方向とZ方向とから形成される平面をYZ平面、Z方向とX方向とから形成される平面をZX平面とする。
本形態のレンズ駆動装置1は、携帯電話、ドライブレコーダあるいは監視カメラシステム等で使用される比較的小型のカメラに搭載されるものであり、図1に示すように、全体として略四角柱状に形成されている。具体的には、レンズ駆動装置1は、撮影用のレンズの光軸Lの方向(光軸方向)から見たときの形状が略長方形状または略正方形状となるように形成されている。本形態では、レンズ駆動装置1は、光軸方向から見たときの形状が略正方形状となるように形成されている。また、本形態では、レンズ駆動装置1の4つの側面は、YZ平面またはZX平面と略平行になっている。
レンズ駆動装置1は、図1〜図4に示すように、撮影用のレンズを保持し光軸方向へ移動可能な第1保持体2と、光軸方向へ第1保持体2が移動可能となるように第1保持体2を保持する第2保持体3と、光軸方向に略直交する方向へ第2保持体3が移動可能となるように第2保持体3を保持する固定体4と、光軸方向へ第1保持体2を駆動するための第1駆動機構5と、左右方向へ第2保持体3を駆動するための第2駆動機構6と、前後方向へ第2保持体3を駆動するための第3駆動機構7とを備えている。
また、レンズ駆動装置1は、第1保持体2と第2保持体3とを繋ぐための第1支持部材としての板バネ8、9と、第2保持体3と固定体4とを繋ぐための第2支持部材としてのワイヤ10とを備えている。すなわち、本形態では、第1保持体2は、板バネ8、9によって、光軸方向へ移動可能に第2保持体3に支持され、第2保持体3は、ワイヤ10によって、光軸方向に略直交する方向へ移動可能に固定体4に支持されている。
本形態では、Z方向(上下方向)が光軸方向と一致している。また、本形態では、X方向(左右方向)は、光軸方向に略直交する第1方向であり、Y方向(前後方向)は、光軸方向と第1方向とに略直交する第2方向である。また、本形態では、レンズ駆動装置1の下側(Z2方向側)部分に撮像素子が配置されており、上側(Z1方向側)に配置される被写体が撮影される。すなわち、本形態では、上側は被写体側(物体側)であり、下側は反被写体側(撮像素子側、像側)である。
第1保持体2は、撮影用のレンズが固定されたレンズホルダ12を保持するスリーブ13を備えている。第2保持体3は、後述の第2駆動用コイル26および第3駆動用コイル28が固定されるコイル固定部材14を備えている。固定体4は、レンズ駆動装置1の前後および左右の側面を構成するカバー部材17と、レンズ駆動装置1の下面を構成する基板18と、撮像素子を保護するための保護部材20とを備えている。
レンズホルダ12は、非磁性材料で形成されている。たとえば、レンズホルダ12は、非磁性の樹脂材料で形成されている。また、レンズホルダ12は、略円筒状に形成されている。このレンズホルダ12の内周側には、撮影用のレンズが固定されている。
スリーブ13は、非磁性材料で形成されている。たとえば、スリーブ13は、非磁性の樹脂材料で形成されている。また、スリーブ13は、図2に示すように、略円筒状に形成される筒部13aと、筒部13aの下端側から筒部13aの径方向の外側に向かって広がるように形成される鍔部13bとを備えている。
筒部13aは、その内周側でレンズホルダ12を保持している。すなわち、筒部13aの内周面にレンズホルダ12の外周面が固定されている。鍔部13bは、上下方向から見たときの形状が略正方形状となるように形成されており、上下方向から見たときの第1保持体2の形状は略正方形状となっている。また、上下方向から見たときの鍔部13bの外周端は、左右方向または前後方向と略平行になっている。鍔部13bの上面の四隅には、後述の第1駆動用コイル24が固定されている。また、鍔部13bの四隅には、後述の第1駆動用磁石23が配置される配置孔13cが上下方向に貫通するように形成されている(図3参照)。
コイル固定部材14は、非磁性材料で形成されている。たとえば、コイル固定部材14は、非磁性の樹脂材料で形成されている。また、コイル固定部材14は、略四角筒状に形成されている。具体的には、コイル固定部材14は、上下方向から見たときの形状が略正方形状となる略四角筒状に形成されており、上下方向から見たときの第2保持体3の形状は略正方形状となっている。また、コイル固定部材14の4個の側面は、YZ平面またはZX平面と略平行になっている。コイル固定部材14は、第1保持体2および第1駆動機構5の外周側を囲むように配置されるとともに、カバー部材17の内側に配置されている。
カバー部材17は、磁性材料で形成されている。たとえば、カバー部材17は、磁性を有する金属材料で形成されている。また、カバー部材17は、底部17aと筒部17bとを有する底付きの略四角筒状に形成されている。具体的には、カバー部材17は、上下方向から見たときの形状が略正方形状となる底付きの略四角筒状に形成されている。上側に配置される底部17aの中心には、上下方向に貫通する貫通孔17cが形成されている。また、筒部17bを構成する4個の側面は、YZ平面またはZX平面と略平行になっている。カバー部材17は、第1保持体2、第2保持体3、第1駆動機構5、第2駆動機構6および第3駆動機構7の外周側を囲むように配置されている。なお、カバー部材17には、後述のように、第1駆動用磁石23と第2駆動用磁石25と第3駆動用磁石27とが固定されており、本形態のカバー部材17は、磁石固定部材となっている。
基板18は、略正方形の板状に形成された回路基板である。この基板18は、主として非磁性材料で形成されている。たとえば、基板18は、主としてエポキシガラス(ガラエポ)等で形成されている。上下方向から見たときの基板18の外周端は、左右方向または前後方向と略平行になっている。基板18の中心には、図示を省略する撮像素子が実装されている。また、基板18には、レンズ駆動装置1の傾きの変化を検出するためのジャイロスコープ(角速度センサ)等のセンサや、第1駆動機構5、第2駆動機構6および第3駆動機構7を駆動、制御するための駆動回路、制御回路等が実装されている。さらに、基板18には、後述の第1駆動用コイル24、第2駆動用コイル26および第3駆動用コイル28へ電流を供給するための給電用の回路パターンが形成されている。
保護部材20は、非磁性材料で形成されている。たとえば、保護部材20は、非磁性の樹脂材料で形成されている。また、保護部材20は、略正方形状の板状に形成されており、上下方向から見たときの保護部材20の外周端は、左右方向または前後方向と略平行になっている。保護部材20の中心には、上下方向に貫通する貫通孔20aが形成されており、貫通孔20aには、基板18に実装される撮像素子が配置されている。また、保護部材20の四隅には、ワイヤ10が挿通される挿通孔20bが上下方向に貫通するように形成されている。保護部材20は、カバー部材17の下端側に固定されている。また、保護部材20の下面には、基板18が固定されている。
本形態では、上下方向から見たときに、第1保持体2の機械的な重心は、光軸Lと略一致し、第2保持体3の機械的な重心は、光軸Lと略一致し、固定体4の機械的な重心は、光軸Lと略一致している。すなわち、本形態では、上下方向から見たときに、レンズ駆動装置1の機械的な重心は、光軸Lと略一致している。
板バネ8、9は、弾性材料で形成されている。また、板バネ8、9は、導電性材料で形成されている。たとえば、板バネ8、9は、弾性および導電性を有する金属材料で形成されている。板バネ8、9は、その厚さ方向と上下方向とが略平行になるように配置されている。本形態では、スリーブ13の上端側に4個の板バネ8が配置され、スリーブ13の下端側に1個の板バネ9が配置されている。
板バネ8は、図6に示すように、スリーブ13の上端側に固定される第1固定部8aと、コイル固定部材14の上端側に固定される第2固定部8bと、第1固定部8aと第2固定部8bとを繋ぐ腕部8cと、ワイヤ10の上端側が固定されるワイヤ固定部8dとを備えている。また、板バネ8は、4個の板バネ8をスリーブ13等に取り付けたときの外形が略正方形状となるように形成されている。また、4個の板バネ8によって形成される略正方形の上下方向から見たときの外周端は、左右方向または前後方向と略平行になっている。
第1固定部8aは、略1/4円弧状に形成されている。第2固定部8bは、後述の第1駆動用磁石23が配置可能となるように略L形状に形成されており、4個の板バネ8によって形成される略正方形の四隅に配置されている。腕部8cは、所定のバネ力を得ることができるように略1/4円弧状に形成されている。ワイヤ固定部8dは、第2固定部8bから径方向の外側に向かって突出するように形成されている。具体的には、ワイヤ固定部8dは、第2固定部8bから左右方向および前後方向に対して略45°傾いた方向に向かって突出するように形成されている。ワイヤ固定部8dには、ワイヤ10の上端側が挿通される挿通孔が上下方向に貫通するように形成されている。
板バネ9は、図7に示すように、スリーブ13の下端側に固定される第1固定部9aと、コイル固定部材14の下端側に固定される4個の第2固定部9bと、第1固定部9aと第2固定部9bとを繋ぐ4個の腕部9cとを備えている。また、板バネ9は、その外形が略正方形状となるように形成されており、上下方向から見たときの板バネ9の外周端は、左右方向または前後方向と略平行になっている。
第1固定部9aは、略円形状に形成されている。第2固定部9bは、後述の第1駆動用コイル23が配置可能となるように略L角形状に形成されており、板バネ9の四隅に配置されている。腕部9cは、所定のバネ力を得ることができるように略1/4円弧状に形成されている。
ワイヤ10は、弾性材料で形成されている。また、ワイヤ10は、導電性材料で形成されている。たとえば、ワイヤ10は、弾性および導電性を有する金属材料で形成されている。また、ワイヤ10は、直線状に形成されている。このワイヤ10は、上下方向とその長手方向とが略平行になるように配置されている。図5に示すように、ワイヤ10の下端側は、基板18に固定されている。また、ワイヤ10の下端側は、基板18に形成される給電用の回路パターンに電気的に接続されている。ワイヤ10の上端側は、板バネ8のワイヤ固定部8dに固定されて電気的に接続されている。具体的には、4個の板バネ8のワイヤ固定部8dのそれぞれに1本のワイヤ10の上端側が固定されており、第2保持体3は、4本のワイヤ10によって固定体4に支持されている。なお、以下では、4本のワイヤ10を区別して表す場合には、それぞれのワイヤ10をワイヤ10A、ワイヤ10B、ワイヤ10C、ワイヤ10Dと表記する。
本形態では、図5に示すように、上下方向から見たときの第2保持体3の四隅の近傍のそれぞれに、ワイヤ10が配置されている。また、本形態では、4本のワイヤ10は、光軸方向から見たときに、第2保持体3の機械的な重心を略中心にして、90°の回転対称に配置されている。すなわち、本形態では、4本のワイヤ10は、光軸方向から見たときに、光軸Lを中心して、90°の回転対称に配置されている。
なお、4個の板バネ8のうちの2個の板バネ8のそれぞれには、後述のように、第1駆動用コイル24の巻き始め側の端部(一端部)および巻き終わり側の端部(他端部)のそれぞれが固定されて電気的に接続されている。また、第1駆動用コイル24の一端部が固定される板バネ8のワイヤ固定部8dには、ワイヤ10Aが固定され、第1駆動用コイル24の他端部が固定される板バネ8のワイヤ固定部8dには、ワイヤ10Bが固定されている。本形態では、第1駆動用コイル24の両端部のそれぞれが固定される板バネ8およびワイヤ10A、10Bは、第1駆動用コイル24に基板18から電流を供給する給電機能を果たしている。
また、後述のように、第2駆動用コイル26の巻き始め側の端部(一端部)は、第1駆動用コイル24の両端部のそれぞれが固定される板バネ8に固定される2本のワイヤ10A、10B以外の1本のワイヤ10Cに固定されて電気的に接続され、第2駆動用コイル26の巻き終わり側の端部(他端部)は、第1駆動用コイル24の他端部が固定される板バネ8に固定されるワイヤ10Bに固定されて電気的に接続されており、2本のワイヤ10B、10Cは第2駆動用コイル26に基板18から電流を供給する機能を果たしている。
さらに、後述のように、第3駆動用コイル28の巻き始め側の端部(一端部)は、第1駆動用コイル24の両端部のそれぞれが固定される板バネ8に固定される2本のワイヤ10A、10Bおよび第2駆動用コイル26の一端部が固定される1本のワイヤ10C以外の残りの1本のワイヤ10Dに固定されて電気的に接続され、第3駆動用コイル28の巻き終わり側の端部(他端部)は、第1駆動用コイル24の他端部が固定される板バネ8に固定されるワイヤ10Bに第2駆動用コイル26の他端部とともに固定されて電気的に接続されており、2本のワイヤ10B、10Dは第3駆動用コイル28に基板18から電流を供給する機能を果たしている。
第1駆動機構5は、略三角柱状に形成される第1駆動用磁石23と、略三角筒状に巻回されて形成される第1駆動用コイル24とを備えている。第2駆動機構6は、略長方形の平板状に形成される第2駆動用磁石25と、略長方形の平板状に巻回されて形成される第2駆動用コイル26とを備えている。第3駆動機構7は、略長方形の平板状に形成される第3駆動用磁石27と、略長方形状の平板状に巻回されて形成される第3駆動用コイル28とを備えている。以下、第1駆動機構5、第2駆動機構6および第3駆動機構7の詳細な構成について説明する。
(第1駆動機構、第2駆動機構および第3駆動機構の構成)
図8は、図2に示す第1駆動用磁石23および第1駆動用コイル24の側面図である。図9は、図8のE−E方向から第1駆動用磁石片32および第1駆動用コイル24を示す図である。図10は、図3のF−F方向から第2駆動用磁石25と第2駆動用コイル26との対向関係を説明するための図である。
第1駆動機構5は、上述のように、第1駆動用磁石23と第1駆動用コイル24とを備えている。
第1駆動用磁石23は、上述のように、略三角柱状に形成されており、その長手方向が上下方向と略平行になるように、コイル固定部材14の内周側に配置されている。第1駆動用コイル24は、上述のように、略三角筒状に形成されており、その内周面が第1駆動用磁石23の外周面と所定の隙間を介して対向するように配置されている。
本形態では、図3に示すように、上下方向から見たときの第1保持体2および第2保持体3の四隅のそれぞれに、第1駆動用磁石23および第1駆動用コイル24が配置されている。そのため、上下方向から見たときの第1駆動機構5の駆動力の中心は、第1保持体2および第2保持体3の機械的な重心(すなわち、レンズ駆動装置1の機械的な重心)と略一致している。すなわち、上下方向から見たときに、第1駆動機構5の駆動力の中心は、光軸Lと略一致している。
第1駆動用磁石23は、図8に示すように、上下方向で重なるように配置される略三角柱状の2個の第1駆動用磁石片31、32と、第1駆動用磁石片31、32の間に配置される略三角形状の磁性板33とを備えている。本形態では、第1駆動用磁石片31が上側に配置され、第1駆動用磁石片32が下側に配置されている。また、第1駆動用磁石片31の下端面と磁性板33の上端面とが固定され、第1駆動用磁石片32の上端面と磁性板33の下端面とが固定されている。
第1駆動用磁石片31、32は、上下方向から見たときの形状が略直角二等辺三角形となるように形成されており、第1駆動用磁石片31、32は、上下方向から見たときに、その斜辺を除く2辺がコイル固定部材14の内周面と略平行になるように配置されている。すなわち、上下方向から見たときに、第2保持体3の対角線上に配置される第1駆動用磁石片31、32の斜辺同士が互いに対向するように、第1駆動用磁石片31、32が配置されている。磁性板33は、磁性材料で形成されている。この磁性板33は、上下方向から見たときの形状が第1駆動用磁石片31、32と同様の略直角二等辺三角形状となる平板状に形成されている。
第1駆動用磁石片31の上端面は、カバー部材17の底部17aの下面に固定されており、第1駆動用磁石片31の上端面は、底部17aの下面に当接している。第1駆動用磁石片32の下端面には、磁性材料によって平板状に形成された磁性部材35が固定されており、第1駆動用磁石片32の下端面は、磁性部材35の上面に当接している。磁性部材35は、4個の第1駆動用磁石片32が固定されるように、略正方形の枠状に形成されている(図2参照)。また、磁性部材35の四隅には、ワイヤ10が挿通される挿通孔35aが上下方向に貫通するように形成されている。上下方向から見たときの磁性部材35の外周端は、左右方向または前後方向と略平行になっている。磁性部材35は、カバー部材17の筒部17bの内周側に固定されており、磁性部材35の外周端は、筒部17bの内周面に当接している。本形態では、カバー部材17および磁性部材35が第1駆動用磁石23のヨークとしての機能を果たしている。
第1駆動用コイル24は、図3、図9に示すように、上下方向から見たときの形状が略直角二等辺三角形状となるように巻回されている。第1駆動用コイル24は、スリーブ13の鍔部13bの上面の四隅に固定されている。具体的には、第1駆動用コイル24は、第1駆動用コイル24の内周面と第1駆動用磁石23の外周面とが所定の隙間を介して略平行になるように、鍔部13bの上面に固定されており、第1駆動用コイル24は、コイル固定部材14の内側に配置されている。なお、第1駆動用コイル24とコイル固定部材14との間には所定の隙間が形成されており、第1駆動用コイル24は、第2保持体3に対してスリーブ13と一緒に上下方向へ移動可能となっている。
本形態では、第1駆動用コイル24の下端が、第1駆動用磁石片32の上端よりも上側へ移動することがなく、かつ、第1駆動用コイル24の上端が、第1駆動用磁石片31の下端よりも下側へ移動することがないように、第1駆動用磁石23および第1駆動用コイル24が形成され、配置されている。また、本形態では、4個の第1駆動用コイル24は、1本の導線が順次巻回されて形成されている。また、第1駆動用コイル24の一端部は、4個の板バネ8のうちの1個の板バネ8の第1固定部8aに固定されて電気的に接続され、第1駆動用コイル24の他端部は、4個の板バネ8のうちの他の1個の板バネ8の第1固定部8aに固定されて電気的に接続されている。
図8に示すように、第1駆動用磁石23を構成する2個の第1駆動用磁石片31、32は、上下方向において、同じ磁極同士(S極とS極、あるいは、N極とN極)が対向するように配置されている。すなわち、第1駆動用磁石片31、32同士の対向面は、いずれも同じ磁極に着磁されている。たとえば、第1駆動用磁石片31、32同士の対向面はいずれもN極に着磁されている。そのため、第1駆動用磁石片31、32の間には、図8、図9の矢印のように、第1駆動用コイル24の全周を通過する磁束が発生している。すなわち、第1駆動用磁石23は、第1駆動用コイル24との対向位置で第1駆動用コイル24を通過する磁束が発生するように着磁されている。
第2駆動機構6は、上述のように、第2駆動用磁石25と第2駆動用コイル26とを備えている。
第2駆動用磁石25は、上述のように、略長方形の平板状に形成されており、その厚さ方向が前後方向と略平行になるように、カバー部材17の筒部17bの内周側に配置されている。また、第2駆動用磁石25は、その長手方向が左右方向と略平行になり、その短手方向が上下方向と略平行になるように配置されている。第2駆動用コイル26は、上述のように、略長方形の平板状に形成されており、その厚さ方向が前後方向と略平行になるように、かつ、前後方向において所定の隙間を介して第2駆動用磁石25と対向するように、前後方向における第2駆動用磁石25の内側に配置されている。
本形態では、前後方向におけるコイル固定部材14の両側のそれぞれに、1個の第2駆動用磁石25および2個の第2駆動用コイル26が互いに対向するように配置されている。また、本形態では、上下方向から見たときに、互いに対向する1個の第2駆動用磁石25および2個の第2駆動用コイル26からなる2組の第2駆動用磁石25および第2駆動用コイル26の組が、第2保持体3の機械的な重心を通過する左右方向に平行な線に対して略線対称に配置されている。また、本形態では、上下方向から見たときの第2駆動機構6の駆動力の中心は、第2保持体3の機械的な重心と略一致している。すなわち、上下方向から見たときに、第2駆動機構6の駆動力の中心は、光軸Lと略一致している。なお、上下方向から見たときに、互いに対向する1個の第2駆動用磁石25および2個の第2駆動用コイル26からなる2組の第2駆動用磁石25および第2駆動用コイル26の組が、第2保持体3の機械的な重心に対して略点対称に配置されても良い。
第2駆動用磁石25は、カバー部材17の筒部17bの前側面の内側と後側面の内側とのそれぞれに固定されており、前後方向における第2駆動用磁石25の外側面は、筒部17bの内周面に当接している。本形態では、カバー部材17が第2駆動用磁石25のヨークとしての機能を果たしている。
また、第2駆動用磁石25は、図10等に示すように、4個の第2駆動用磁石片38〜41によって構成されている。第2駆動用磁石片38〜41は、略長方形の薄板状に形成されている。また、第2駆動用磁石片38〜41は、いずれも同じ形状となるように形成されている。この第2駆動用磁石片38〜41は、左右方向においてこの順番で互いに当接した状態で固定されている。
第2駆動用磁石片38〜41は、第2駆動用磁石25の第2駆動用コイル26との対向面25aにN極とS極とが交互に配置されるように着磁されている。たとえば、第2駆動用磁石片38の第2駆動用コイル26との対向面はN極に着磁され、第2駆動用磁石片39の第2駆動用コイル26との対向面はS極に着磁され、第2駆動用磁石片40の第2駆動用コイル26との対向面はN極に着磁され、第2駆動用磁石片41の第2駆動用コイル26との対向面はS極に着磁されている。すなわち、第2駆動用磁石25の第2駆動用コイル26との対向面25aは、N極とS極とが交互に配置されるように4極に着磁されている。
第2駆動用コイル26は、上述のように略長方形状に巻回されており、互いに略平行な2個の長辺部26aと互いに略平行で長辺部26aよりも短い2個の短辺部26bとから構成される空芯コイルである(図10参照)。この第2駆動用コイル26は、コイル固定部材14の前側面および後側面に固定されている。具体的には、第2駆動用コイル26は、長辺部26aが上下方向と略平行になるように、コイル固定部材14に固定されている。本形態の長辺部26aは、光軸方向(上下方向)と略平行に配置される第1直線辺部である。
また、カバー部材17の筒部17bの前側面の内周側に固定される第2駆動用磁石25と対向するように2個の第2駆動用コイル26が左右方向で隣接配置され、筒部17bの後側面の内周側に固定される第2駆動用磁石25と対向するように2個の第2駆動用コイル26が左右方向で隣接配置されている。左右方向で隣接配置される2個の第2駆動用コイル26の巻回方向は同じになっている。たとえば、左右方向で隣接配置される2個の第2駆動用コイル26は、図10の時計方向に巻回されている。
また、本形態では、たとえば、コイル固定部材14の前面側に配置される2個の第2駆動用コイル26とコイル固定部材14の後面側に配置される2個の第2駆動用コイル26とは、1本の導線が順次巻回されて形成されている。また、第2駆動用コイル26の一端部は、ワイヤ10Cに固定されて電気的に接続されている。また、第2駆動用コイル26の他端部は、板バネ8を介して第1駆動用コイル24の他端部が固定されるワイヤ10Bに固定されて電気的に接続されている。
本形態では、図10に示すように、第2駆動用磁石25の対向面25aの4つの磁極のそれぞれと、左右方向で並ぶ4個の長辺部26aのそれぞれとが対向するように、第2駆動用磁石25および第2駆動用コイル26が形成され、配置されている。すなわち、本形態では、第2駆動用磁石25の対向面25aは、1個の第2駆動用コイル26を構成する2個の長辺部26aのそれぞれに異なる磁極が対向するように着磁されている。なお、本形態では、第2保持体3が左右方向に移動しても、第2駆動用磁石25の対向面25aの4つの磁極のそれぞれと、左右方向で並ぶ4個の長辺部26aのそれぞれとが常に対向するように、第2駆動用磁石25および第2駆動用コイル26が形成され、配置されている。
第3駆動機構7は、上述のように、第3駆動用磁石27と第3駆動用コイル28とを備えている。
第3駆動用磁石27は、上述のように、略長方形の平板状に形成されており、その厚さ方向が左右方向と略平行になるように、カバー部材17の筒部17bの内周側に配置されている。また、第3駆動用磁石27は、その長手方向が前後方向と略平行になり、その短手方向が上下方向と略平行になるように配置されている。第3駆動用コイル28は、上述のように、略長方形の平板状に形成されており、その厚さ方向が左右方向と略平行になるように、かつ、左右方向において所定の隙間を介して第3駆動用磁石27と対向するように、左右方向における第3駆動用磁石27の内側に配置されている。
本形態では、左右方向におけるコイル固定部材14の両側のそれぞれに、1個の第3駆動用磁石27および2個の第3駆動用コイル28が互いに対向するように配置されている。また、本形態では、上下方向から見たときに、互いに対向する1個の第3駆動用磁石27および2個の第3駆動用コイル28からなる2組の第3駆動用磁石27および第3駆動用コイル28の組が、第2保持体3の機械的な重心を通過する前後方向に平行な線に対して略線対称に配置されている。また、本形態では、上下方向から見たときの第3駆動機構7の駆動力の中心は、第2保持体3の機械的な重心と略一致している。すなわち、上下方向から見たときに、第3駆動機構7の駆動力の中心は、光軸Lと略一致している。なお、上下方向から見たときに、互いに対向する1個の第3駆動用磁石27および2個の第3駆動用コイル28からなる2組の第3駆動用磁石27および第3駆動用コイル28の組が、第2保持体3の機械的な重心に対して略点対称に配置されても良い。
第3駆動用磁石27は、カバー部材17の筒部17bの右側面の内側と左側面の内側とのそれぞれに固定されており、左右方向における第3駆動用磁石27の外側面は、筒部17bの内周面に当接している。本形態では、カバー部材17が第3駆動用磁石27のヨークとしての機能を果たしている。
また、第3駆動用磁石27は、第2駆動用磁石25と同様に、4個の第2駆動用磁石片38〜41によって構成されている。第3駆動用磁石27では、第2駆動用磁石片38〜41は、前後方向においてこの順番で互いに当接した状態で固定されている。第3駆動用磁石27の第3駆動用コイル28との対向面27aは、第2駆動用磁石25の対向面25aと同様に、N極とS極とが交互に配置されるように4極に着磁されている。
第3駆動用コイル28は、第2駆動用コイル26と同形状の空芯コイルであり、互いに略平行な2個の長辺部28aと互いに略平行で長辺部28aよりも短い2個の短辺部とを備えている。この第3駆動用コイル28は、コイル固定部材14の右側面および左側面に固定されている。具体的には、第3駆動用コイル28は、第2駆動用コイル26と同様に、長辺部28aが上下方向と略平行になるように、コイル固定部材14に固定されている。本形態の長辺部28aは、光軸方向(上下方向)と略平行に配置される第2直線辺部である。
また、カバー部材17の筒部17bの右側面の内周側に固定される第3駆動用磁石27と対向するように2個の第3駆動用コイル28が前後方向で隣接配置され、筒部17bの左側面の内周側に固定される第3駆動用磁石27と対向するように2個の第3駆動用コイル28が前後方向で隣接配置されている。前後方向で隣接配置される2個の第3駆動用コイル28の巻回方向は同じになっている。
また、本形態では、たとえば、コイル固定部材14の右面側に配置される2個の第3駆動用コイル28とコイル固定部材14の左面側に配置される2個の第3駆動用コイル28とは、1本の導線が順次巻回されて形成されている。また、第3駆動用コイル28の一端部は、ワイヤ10Dに固定されて電気的に接続されている。一方、第3駆動用コイル28の他端部は、板バネ8を介して第1駆動用コイル24の他端部が固定されるワイヤ10Bに固定されて電気的に接続されている。
本形態では、第2駆動用磁石25および第2駆動用コイル26と同様に、第3駆動用磁石27の対向面27aの4つの磁極のそれぞれと、前後方向で並ぶ4個の長辺部28aのそれぞれとが対向するように、第3駆動用磁石27および第3駆動用コイル28が形成され、配置されている。すなわち、本形態では、第3駆動用磁石27の対向面27aは、1個の第3駆動用コイル28を構成する2個の長辺部28aのそれぞれに異なる磁極が対向するように着磁されている。なお、本形態では、第2保持体3が前後方向に移動しても、第3駆動用磁石27の対向面27aの4つの磁極のそれぞれと、前後方向で並ぶ4個の長辺部28aのそれぞれとが常に対向するように、第3駆動用磁石27および第3駆動用コイル28が形成され、配置されている。
(レンズ駆動装置の概略動作)
以上のように構成されたレンズ駆動装置1では、このレンズ駆動装置1が搭載されるカメラで撮影が行われる際に、第1駆動用コイル24に電流が供給され、第1保持体2が光軸方向に移動して、レンズの焦点調整が行われる。また、基板18に実装されるジャイロスコープによって、カメラの振れが検出されると、このセンサでの検出結果に基づいて、第2駆動用コイル26および/または第3駆動用コイル28に電流が供給され、第2保持体3が第1保持体2とともに左右方向および/または前後方向に移動して、振れが補正される。
たとえば、本形態では、ジャイロスコープで検出されたカメラの振れ量に基づいて、第2保持体3を左右方向および/または前後方向へ移動させて振れを補正するために必要となる電流を第2駆動用コイル26や第3駆動用コイル28へ供給するオープン制御によって、第2駆動用コイル26や第3駆動用コイル28への電流の供給量が制御されている。
なお、前後方向および左右方向における第2保持体3の位置を検出するためのホール素子等の位置センサをレンズ駆動装置1が備えている場合には、この位置センサの検出結果をモニタしながら、振れを補正するために必要となる電流を第2駆動用コイル26や第3駆動用コイル28へ供給するフィードバック制御(クローズド制御)を行っても良い。この場合には、たとえば、図10の二点鎖線で示すように、左右方向における第2保持体3の位置を検出するためのホール素子50が2個の第2駆動用コイル26の内周側のそれぞれに配置され、ホール素子50と第2駆動用磁石25とによって、左右方向における第2保持体3の位置が検出される。同様に、前後方向における第2保持体3の位置を検出するためのホール素子が2個の第3駆動用コイル28の内周側のそれぞれに配置され、ホール素子50と第3駆動用磁石27とによって、前後方向における第2保持体3の位置が検出される。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、撮影用のレンズを保持する第1保持体2は光軸方向へ移動可能となるように第2保持体3に保持され、第2保持体3は前後方向および左右方向(前後左右方向)へ移動可能となるように固定体4に保持されている。そのため、第1駆動機構5によって、第1保持体2とともにレンズを光軸方向へ駆動することができる。すなわち、本形態では、第1駆動機構5を用いて、焦点調整動作を行うことができる。また、第2駆動機構6および第3駆動機構7によって、第1保持体2および第2保持体3とともに前後左右方向へレンズを駆動することができる。したがって、本形態では、前後左右方向へレンズを駆動することで、振れによる撮影像の、光軸方向に略直交する方向でのずれの補正が可能となり、その結果、レンズ駆動装置1が搭載されるカメラで撮影が行われる際の振れを補正することが可能になる。
本形態では、第1保持体2は、板バネ8、9によって、光軸方向へ移動可能に第2保持体3に支持され、第2保持体3は、ワイヤ10によって、前後左右方向へ移動可能に固定体4に支持されている。そのため、板バネ8、9の弾性力を利用して、光軸方向へ第1保持体2を円滑に移動させ、かつ、所定の基準位置へ第1保持体2を復帰させることが可能になる。また、ワイヤ10の弾性力を利用して、前後左右方向へ第2保持体3を円滑に移動させ、かつ、所定の基準位置へ第2保持体3を復帰させることが可能になる。
また、本形態では、第1保持体2が光軸方向へ移動可能となるように第2保持体3に保持され、第2保持体3が前後左右方向へ移動可能となるように固定体4に保持されているため、第2駆動機構6および/または第3駆動機構7と第1駆動機構5とが同時に作用しても、第1保持体2は第2保持体3に対して光軸方向へのみ相対移動し、第2保持体3は固定体4に対して前後左右方向へのみ相対移動する。したがって、本形態では、振れを補正する際の第1保持体2および第2保持体3の上下方向に対する傾きを抑制することができる。すなわち、本形態では、振れを補正する際のレンズの光軸Lの傾きを抑制することができる。特に本形態では、上下方向から見たときの第2保持体3の四隅の近傍のそれぞれに、ワイヤ10が配置されている。そのため、4本のワイヤ10によって、第2保持体3をバランス良く支持することができ、振れを補正する際の第1保持体2および第2保持体3の上下方向に対する傾きを抑制することができる。
本形態では、第1駆動用磁石23と第2駆動用磁石25と第3駆動用磁石27とが固定体4を構成するカバー部材17に固定されている。そのため、第1駆動用磁石23、第2駆動用磁石25および第3駆動用磁石27の相互間に生じる磁気的吸引力に起因する第1保持体2および第2保持体3の動作不良を防止することができる。すなわち、たとえば、コイル固定部材14に第1駆動用磁石23が固定され、カバー部材17に第2駆動用磁石25および第3駆動用磁石27が固定されている場合には、第2駆動用磁石25および第3駆動用磁石27と第1駆動用磁石23との間に生じる磁気的吸引力の影響で、固定体4に対する第2保持体3の前後左右方向への動作に支障を来すおそれがある。また、たとえば、スリーブ13に第1駆動用磁石23が固定され、コイル固定部材14に第2駆動用磁石25および第3駆動用磁石27が固定されている場合には、第2駆動用磁石25および第3駆動用磁石27と第1駆動用磁石23との間に生じる磁気的吸引力の影響で、第2保持体3に対する第1保持体2の光軸方向への動作に支障を来すおそれがある。これに対して本形態では、このようなおそれがなくなる。
また、本形態では、レンズホルダ12、スリーブ13およびコイル固定部材14は、非磁性材料で形成されている。すなわち、第1保持体2および第2保持体3は、非磁性材料で形成されている。そのため、固定体4に固定される第1駆動用磁石23、第2駆動用磁石25および第3駆動用磁石27と、第1保持体2および第2保持体3との間に生じる磁気的吸引力に起因する第1保持体2および第2保持体3の動作不良を防止することができる。したがって、本形態では、光軸方向および前後左右方向へレンズを適切に移動させることが可能になる。
また、本形態では、第1駆動用磁石23と第2駆動用磁石25と第3駆動用磁石27とがカバー部材17に固定されており、レンズ駆動装置1の可動部分に第1駆動用磁石23、第2駆動用磁石25および第3駆動用磁石27が配置されていない。そのため、レンズ駆動装置1の可動部分の重量を低減することが可能になる。したがって、本形態では、レンズの焦点調整を行う際の応答性および振れを補正する際の応答性を高めることが可能になる。
さらに、本形態では、第1駆動用磁石23と第2駆動用磁石25と第3駆動用磁石27とが磁性材料で形成されたカバー部材17に固定されているため、カバー部材17は、第1駆動用磁石23、第2駆動用磁石25および第3駆動用磁石27のヨークとして機能する。したがって、第1駆動用磁石23のヨークの機能を持つ部材と、第2駆動用磁石25のヨークの機能を持つ部材と、第3駆動用磁石27のヨークの機能を持つ部材とが個別に配置される場合と比較して、レンズ駆動装置1の構成を簡素化することが可能になる。また、本形態では、第1駆動用磁石23と第2駆動用磁石25と第3駆動用磁石27とがカバー部材17の内周側に配置されているため、第1駆動用磁石23が発生させる磁束、第2駆動用磁石25が発生させる磁束および第3駆動用磁石27が発生させる磁束の、レンズ駆動装置1の外部への漏れを抑制することが可能になる。
本形態では、第1駆動用コイル24は、スリーブ13に固定され、第2駆動用コイル26および第3駆動用コイル28は、コイル固定部材14に固定されている。そのため、第2駆動用コイル26および第3駆動用コイル28がスリーブ13に固定されている場合と比較して、第2保持体3に対して光軸方向へ移動する可動部分の重量を軽減することが可能になる。したがって、レンズの焦点調整を行う際の応答性を高めることが可能になる。
本形態では、4個の板バネ8のうちの2個の板バネ8と2本のワイヤ10A、10Bとが第1駆動用コイル24に電流を供給する給電機能を果たしている。また、2本のワイヤ10B、10Cが第2駆動用コイル26に電流を供給する機能を果たし、2本のワイヤ10B、10Dが第3駆動用コイル28に電流を供給する機能を果たしている。そのため、第1駆動用コイル24への給電機能と第1保持体2の支持機能とを板バネ8に持たせ、かつ、第1駆動用コイル24、第2駆動用コイル26および第3駆動用コイル28への給電機能と第2保持体3の支持機能とをワイヤ10に持たせることができる。すなわち、第1保持体2を支持するための構成と、第1駆動用コイル24に電流を供給するための構成を別途、設ける必要がなく、また、第2保持体3を支持するための構成と、第1駆動用コイル24、第2駆動用コイル26および第3駆動用コイル28に電流を供給するための構成を別途、設ける必要がない。また、本形態では、第1駆動用コイル24の他端部が固定される板バネ8に固定されるワイヤ10Dに、第2駆動用コイル26の他端部と第3駆動用コイル28の他端部とが固定されているため、また、最小本数である4本のワイヤ10によって、第1駆動用コイル24、第2駆動用コイル26および第3駆動用コイル28へ個別に給電することができる。したがって、本形態では、レンズ駆動装置1の構成を簡素化することが可能になる。
本形態では、ワイヤ10の上端側は、レンズ駆動装置1の上端側に配置される板バネ8に固定され、ワイヤ10の下端側は、レンズ駆動装置1の下端側に配置される基板18に固定されている。そのため、ワイヤ10の長さを比較的長くすることが可能になる。したがって、本形態では、ワイヤ10のバネ定数を設定しやすくなり、ワイヤ10の設計の自由度を高めることが可能になる。
本形態では、第1駆動用磁石23の外周面と第1駆動用コイル24の内周面とが所定の隙間を介して対向配置されている。また、光軸方向で重なるように配置される第1駆動用磁石片31、32同士の対向面はいずれも、同じ磁極に着磁されている。そのため、第1駆動用磁石23の全周および第1駆動用コイル24の全周を利用して第1保持体2を駆動することができる。また、第1駆動用磁石片31、32同士の対向面の間において、第1駆動用コイル24を通過する磁束の密度を高めることができる。したがって、第1保持体2を駆動するための磁気回路を効率良く形成することができ、レンズを光軸方向へ駆動するための駆動力を確保しつつ、第1駆動用磁石23および第1駆動用コイル24を小型化することが可能になる。その結果、本形態では、レンズ駆動装置1の可動部分の重量を低減することが可能になり、レンズの焦点調整を行う際の応答性および振れを補正する際の応答性を高めることが可能になる。
本形態では、2個の第1駆動用磁石片31、32の間に磁性板33が配置されている。そのため、第1駆動用磁石片31、32の間に空間が形成されている場合や非磁性板が配置されている場合と比較して、第1駆動用磁石23が発生させる磁束の密度を効果的に高めることが可能になる。
本形態では、光軸方向から見たときに、第1駆動用磁石23および第1駆動用コイル24は、第2保持体3の四隅のそれぞれに配置されている。そのため、光軸方向から見たときの形状が略正方形状となるように形成された第2保持体3の、デッドスペースとなりやすい四隅に第1駆動機構5を配置することができる。したがって、本形態では、第2保持体3を小型化することが可能になり、その結果、レンズ駆動装置1を小型化することが可能になる。また、第2保持体3の四隅に配置される第1駆動用磁石23および第1駆動用コイル24によって、第1保持体2をバランス良く光軸方向へ移動させることが可能になる。したがって、第1駆動機構5によってレンズを光軸方向へ駆動する際のレンズの光軸Lの傾きを抑制することが可能になる。
本形態では、第2駆動用磁石25の対向面25aの4つの磁極のそれぞれと、左右方向で隣接配置される2個の第2駆動用コイル26の4個の長辺部26aのそれぞれとが対向するように、第2駆動用磁石25および第2駆動用コイル26が形成され、配置されている。そのため、1個の第2駆動用コイル26が有する2個の長辺部26aを利用して、第2保持体3の左右方向への駆動力を得ることができる。したがって、第2保持体3の左右方向への駆動力を高めることができる。同様に、本形態では、第3駆動用磁石27の対向面27aの4つの磁極のそれぞれと、前後方向で隣接配置される2個の第3駆動用コイル28の4個の長辺部28aのそれぞれとが対向するように、第3駆動用磁石27および第3駆動用コイル28が形成され、配置されている。そのため、1個の第3駆動用コイル28が有する2個の長辺部28aを利用して、第2保持体3の前後方向への駆動力を得ることができ、第2保持体3の前後方向への駆動力を高めることができる。その結果、本形態では、振れを補正する際の応答性を高めることが可能になる。
特に本形態では、第2駆動用磁石25の第2駆動用コイル26との対向面25aは、N極とS極とが交互に配置されるように4極に着磁されているため、第2駆動用磁石25の対向面25aにおける磁束密度を高めることができる。したがって、第2保持体3の左右方向への駆動力を効果的に高めることができる。同様に、第3駆動用磁石27の第3駆動用コイル28との対向面27aは、N極とS極とが交互に配置されるように4極に着磁されているため、第3駆動用磁石27の対向面27aにおける磁束密度を高めることができ、第2保持体3の前後方向への駆動力を効果的に高めることができる。その結果、本形態では、振れを補正する際の応答性をより高めることが可能になる。
本形態では、平板状の第2駆動用磁石25と第2駆動用コイル26とが、前後方向をその厚さ方向として、かつ、前後方向で互いに対向するように配置され、平板状の第3駆動用磁石27と第3駆動用コイル28とが、左右方向をその厚さ方向として、かつ、左右方向で互いに対向するように配置されている。そのため、本形態では、光軸方向でレンズ駆動装置1を小型化しつつ、前後左右方向においてもレンズ駆動装置1を小型化することが可能になる。
(ワイヤ本数の変形例)
図11は、本発明の他の実施の形態にかかるレンズ駆動装置1でのワイヤ10の配置の一例を示す概略図である。
上述した形態では、第2保持体3は、4本のワイヤ10によって固定体4に支持されているが、第2保持体3は、5本以上のワイヤ10によって、固定体4に支持されても良い。たとえば、図11に示すように、4本のワイヤ10A〜10Dに2本のワイヤ10E、10Fを加えた6本のワイヤ10A〜10Fによって第2保持体3が固定体4に支持されても良い。
この場合には、第1駆動用コイル24の一端部が固定される板バネ8のワイヤ固定部8dには、ワイヤ10Aが固定され、第1駆動用コイル24の他端部が固定される板バネ8のワイヤ固定部8dには、ワイヤ10Bが固定され、第2駆動用コイル26の一端部は、ワイヤ10Cに固定され、第2駆動用コイル26の他端部は、ワイヤ10Eに固定され、第3駆動用コイル28の一端部は、ワイヤ10Dに固定され、第3駆動用コイル28の他端部は、ワイヤ10Fに固定されることが好ましい。
このように構成すると、第1駆動用コイル24の他端部が固定される板バネ8に固定されるワイヤ10Dに、第2駆動用コイル26の他端部と第3駆動用コイル28の他端部とが固定されている場合と比較して、第1駆動用コイル24、第2駆動用コイル26および第3駆動用コイル28へ給電を行うための回路や電源等の構成を簡素化することができる。また、第1駆動用コイル24、第2駆動用コイル26および第3駆動用コイル28へ給電を行う際の制御が容易になる。
また、この場合には、図11に示すように、レンズ駆動装置1の周方向において、ワイヤA〜ワイヤDがこの順番に配置されるとともに、ワイヤ10Eがワイヤ10Aに隣接配置され、ワイヤ10Fがワイヤ10Cに隣接配置されていることが好ましい。具体的には、光軸方向から見たときに、3本のワイヤ10A、10B、10Eと3本のワイヤ10C、10D、10Fとが第2駆動機構6および第3駆動機構7の駆動力の中心に対して略点対称に配置されていること(すなわち、3本のワイヤ10A、10D、10Eと3本のワイヤ10B、10C、10Fとが第2駆動機構6および第3駆動機構7の駆動力の中心に対して略点対称に配置されていること)が好ましい。すなわち、3本のワイヤ10A、10B、10Eと3本のワイヤ10C、10D、10Fとが光軸Lに対して略点対称に配置されていることが好ましい。
このように構成すると、前後方向における第2保持体3の両側のそれぞれに3本ずつのワイヤ10が配置されているため、左右方向に第2保持体3が移動する際に、6本のワイヤ10によって、バランス良く第2保持体3を支持することが可能になる。また、左右方向における第2保持体3の両側のそれぞれに3本ずつのワイヤ10が配置されているため、前後方向に第2保持体3が移動する際に、6本のワイヤ10によって、バランス良く第2保持体3を支持することが可能になる。
なお、第2保持体3が5本以上のワイヤ10によって支持される場合には、第2保持体3をバランス良く支持するために、第2保持体3は、偶数本のワイヤ10によって支持されていることが好ましい。また、この場合には、偶数本のワイヤ10は、第2駆動機構6および第3駆動機構7の駆動力の中心に対して略点対称に配置されていることが好ましい。
(第2駆動機構、第3駆動機構の変形例1)
図12は、本発明の他の実施の形態にかかる第2駆動機構6を備えるレンズ駆動装置1の概略構成を側面から説明するための概略図である。
上述した形態では、第2駆動用磁石25と第2駆動用コイル26とは、その厚さ方向が前後方向と略平行になるように、かつ、前後方向において対向するように配置されている。この他にもたとえば、第2駆動用磁石25と第2駆動用コイル26とは、その厚さ方向が光軸方向と略平行になるように、かつ、光軸方向において対向するように配置されても良い。この場合には、たとえば、図12に示すように、コイル固定部材14の下端側に第2駆動用コイル26が固定され、基板18の上面に第2駆動用磁石25が固定される。あるいは、コイル固定部材14の上端側に第2駆動用コイル26が固定され、カバー部材17の底部17aの下面に第2駆動用磁石25が固定される。
同様に、第3駆動用磁石27と第3駆動用コイル28とは、その厚さ方向が光軸方向と略平行になるように、かつ、光軸方向において対向するように配置されても良い。この場合には、たとえば、コイル固定部材14の下端側に第3駆動用コイル28が固定され、基板18の上面に第3駆動用磁石27が固定される。あるいは、コイル固定部材14の上端側に第3駆動用コイル28が固定され、カバー部材17の底部17aの下面に第3駆動用磁石27が固定される。
(第2駆動機構、第3駆動機構の変形例2)
図13は、本発明の他の実施の形態にかかる第2駆動機構6を備えるレンズ駆動装置1の概略構成を側面から説明するための概略図である。図14は、本発明の他の実施の形態にかかる第2駆動機構6を備えるレンズ駆動装置1の概略構成を側面から説明するための概略図である。
上述した形態では、第2駆動用コイル26は、第2保持体3を構成するコイル固定部材14に固定されている。この他にもたとえば、第2駆動用コイル26は、図13、図14に示すように、第1保持体2を構成するスリーブ13に固定されても良い。この場合には、図13に示すように、第2駆動用磁石25と第2駆動用コイル26とが前後方向において対向するように、第2駆動用コイル26がスリーブ13の前側および後ろ側に固定される。または、図14に示すように、第2駆動用磁石25と第2駆動用コイル26とが光軸方向において対向するように、第2駆動用コイル26がスリーブ13の下端側に固定され、第2駆動用磁石25が磁性部材35の上面に固定される。あるいは、第2駆動用磁石25と第2駆動用コイル26とが光軸方向において対向するように、第2駆動用コイル26がスリーブ13の上端側に固定され、第2駆動用磁石25がカバー部材17の底部17aの下面に固定される。
同様に、第3駆動用コイル28は、スリーブ13に固定されても良い。この場合には、第3駆動用磁石27と第3駆動用コイル28とが左右方向において対向するように、第3駆動用コイル28がスリーブ13の右側および左側に固定される。または、第3駆動用磁石27と第3駆動用コイル28とが光軸方向において対向するように、第3駆動用コイル28がスリーブ13の下端側に固定され、第3駆動用磁石27が磁性部材35の上面に固定される。あるいは、第3駆動用磁石27と第3駆動用コイル28とが光軸方向において対向するように、第3駆動用コイル28がスリーブ13の上端側に固定され、第3駆動用磁石27がカバー部材17の底部17aの下面に固定される。
このように第2駆動用コイル26および第3駆動用コイル28がスリーブ13に固定される場合には、たとえば、第1駆動用コイル24の一端部が4個の板バネ8のうちの1個の板バネ8に固定されて電気的に接続され、第2駆動用コイル26の一端部が4個の板バネ8のうちの他の1個の板バネ8に固定されて電気的に接続され、第3駆動用コイル28の一端部が4個の板バネ8のうちのさらに他の1個の板バネ8に固定されて電気的に接続される。また、第1駆動用コイル24の他端部、第2駆動用コイル26の他端部および第3駆動用コイル28の他端部は、残りの1個の板バネ8に固定されて電気的に接続される。
あるいは、第2駆動用コイル26および第3駆動用コイル28がスリーブ13に固定される場合には、スリーブ13の上端側に6個の板バネ8が配置され、6個の板バネ8のそれぞれに、第1駆動用コイル24の一端部、第1駆動用コイル24の他端部、第2駆動用コイル26の一端部、第2駆動用コイル26の他端部、第3駆動用コイル28の一端部および第3駆動用コイル28の他端部のそれぞれが個別に固定されて電気的に接続される。また、6個の板バネ8のそれぞれには、ワイヤ10が固定されて電気的に接続される。すなわち、6本のワイヤ10によって、第2保持体3が固定体4に支持される。
また、たとえば、スリーブ13の上端側に4個の板バネ8が配置され、スリーブ13の下端側に2分割された板バネ9が配置されるとともに、第1駆動用コイル24の一端部、第1駆動用コイル24の他端部、第2駆動用コイル26の一端部および第2駆動用コイル26の他端部のそれぞれが4個の板バネ8のそれぞれに個別に固定されて電気的に接続され、第3駆動用コイル28の一端部および第3駆動用コイル28の他端部のそれぞれが2分割された板バネ9のそれぞれに個別に固定されて電気的に接続されても良い。この場合には、2分割された板バネ9のそれぞれに直接、ワイヤ10が固定されて電気的に接続されても良い。また、板バネ9からコイル固定部材14の上端側に引き回される配線を配置して、コイル固定部材14の上端側で、この配線とワイヤ10とが電気的に接続されても良い。この場合には、配線と電気的に接続されるワイヤ10の上端側は、たとえば、コイル固定部材14の上端側部分に固定される。すなわち、この場合にも、6本のワイヤ10によって、第2保持体3が固定体4に支持される。
(第2駆動機構、第3駆動機構の他の変形例)
図15は、本発明の他の実施の形態にかかる第2駆動機構6の構成を説明するための図である。
上述した形態では、第2駆動用磁石25の第2駆動用コイル26との対向面25aは、N極とS極とが交互に配置されるように4極に着磁されている。この他にもたとえば、図15(A)に示すように、第2駆動用磁石25の第2駆動用コイル26との対向面25aは、N極とS極とが交互に配置されるように3極に着磁されても良い。たとえば、第2駆動用コイル26との対向面がN極に着磁された第2駆動用磁石片58と、第2駆動用コイル26との対向面がS極に着磁された第2駆動用磁石片59と、第2駆動用コイル26との対向面がN極に着磁された第2駆動用磁石片60とによって第2駆動用磁石25が構成されても良い。
この場合には、図15(A)の左側に配置される第2駆動用コイル26の左側の長辺部26aが第2駆動用磁石片58と対向し、図15(A)の左側に配置される第2駆動用コイル26の右側の長辺部26aと図15(A)の右側に配置される第2駆動用コイル26の左側の長辺部26aとが第2駆動用磁石片59と対向し、図15(A)の右側に配置される第2駆動用コイル26の右側の長辺部26aが第2駆動用磁石片60と対向するように、第2駆動用磁石25および第2駆動用コイル26が形成され、配置される。また、この場合には、左右方向で隣接配置される2個の第2駆動用コイル26の巻回方向は異なっている。たとえば、図15(A)の左側に配置される第2駆動用コイル26は、図15(A)の時計方向に巻回され、図15(A)の右側に配置される第2駆動用コイル26は、図15(A)の反時計方向に巻回されている。
また、第2駆動用磁石25の対向面25aは、図15(B)に示すように、N極とS極との2極に着磁されても良い。たとえば、第2駆動用コイル26との対向面がS極に着磁された第2駆動用磁石片68と、第2駆動用コイル26との対向面がN極に着磁された第2駆動用磁石片69とによって第2駆動用磁石25が構成されても良い。
この場合には、図15(B)の左側に配置される第2駆動用コイル26の右側の長辺部26aが第2駆動用磁石片68と対向し、図15(B)の右側に配置される第2駆動用コイル26の左側の長辺部26aが第2駆動用磁石片69と対向するように、第2駆動用磁石25および第2駆動用コイル26が形成され、配置される。また、この場合には、左右方向で隣接配置される2個の第2駆動用コイル26の巻回方向は同じになっている。
さらに、第2駆動用磁石25の対向面25aは、単極に着磁されても良い。この場合には、左側に配置される第2駆動用コイル26の右側の長辺部26aと、右側に配置される第2駆動用コイル26の左側の長辺部26aとが単極に着磁された対向面25aと対向する。また、この場合には、左右方向で隣接配置される2個の第2駆動用コイル26の巻回方向は異なっている。
同様に、上述した形態では、第3駆動用磁石27の第3駆動用コイル28との対向面27aは、N極とS極とが交互に配置されるように4極に着磁されているが、第3駆動用磁石27の対向面27aも、第2駆動用磁石25の対向面25aと同様に、3極に着磁されても良いし、2極に着磁されても良いし、単極に着磁されても良い。これらの場合には、第3駆動用磁石27と第3駆動用コイル28との対向関係は、第2駆動用磁石25と第2駆動用コイル26との対向関係と同様になる。
上述した形態では、コイル固定部材14の前面側および後面側のそれぞれにおいて、2個の第2駆動用コイル26が左右方向で隣接配置されている。この他にもたとえば、コイル固定部材14の前面側および後面側のそれぞれにおいて、1個の第2駆動用コイル26が配置されても良い。この場合には、図15(C)に示すように、第2駆動用磁石25の対向面25aは、2極に着磁される。また、第2駆動用コイル26の左側の長辺部26aがN極に着磁された第2駆動用磁石片78の対向面と対向し、第2駆動用コイル26の右側の長辺部26aがS極に着磁された第2駆動用磁石片79の対向面と対向するように、第2駆動用磁石25および第2駆動用コイル26が形成され、配置される。なお、この場合には、上下方向から見たときに、互いに対向する1個の第2駆動用磁石25および1個の第2駆動用コイル26からなる2組の第2駆動用磁石25および第2駆動用コイル26の組が、第2保持体3の機械的な重心に対して略点対称に配置されても良いが、第2保持体3の機械的な重心を通過する左右方向に平行な線に対して略線対称に配置されていることが好ましい。
同様に、上述した形態では、コイル固定部材14の右面側および左面側のそれぞれにおいて、2個の第3駆動用コイル28が前後方向で隣接配置されているが、コイル固定部材14の右面側および左面側のそれぞれにおいて、1個の第3駆動用コイル28が配置されても良い。この場合には、第3駆動用磁石27と第3駆動用コイル28との対向関係は、第2駆動用磁石25と第2駆動用コイル26との対向関係と同様になる。なお、この場合にも、上下方向から見たときに、互いに対向する1個の第3駆動用磁石27および1個の第3駆動用コイル28からなる2組の第3駆動用磁石27および第3駆動用コイル28の組が、第2保持体3の機械的な重心に対して略点対称に配置されても良いが、第2保持体3の機械的な重心を通過する前後方向に平行な線に対して略線対称に配置されていることが好ましい。
また、コイル固定部材14の前面側および後面側のそれぞれに3個の第2駆動用コイル26が左右方向で隣接配置されても良い。この場合には、第2保持体3の左右方向への駆動力を高めるため、第2駆動用磁石25の対向面25aが、N極とS極とが交互に配置されるように6極に着磁されるとともに、第2駆動用磁石25の対向面25aの6つの磁極のそれぞれと、左右方向で並ぶ6個の長辺部26aのそれぞれとが対向するように、第2駆動用磁石25および第2駆動用コイル26が配置されることが好ましい。なお、この場合には、上下方向から見たときに、互いに対向する1個の第2駆動用磁石25および3個の第2駆動用コイル26からなる2組の第2駆動用磁石25および第2駆動用コイル26の組が、第2保持体3の機械的な重心に対して略点対称に配置されても良いが、第2保持体3の機械的な重心を通過する左右方向に平行な線に対して略線対称に配置されていることが好ましい。
同様に、コイル固定部材14の右面側および左面側のそれぞれに3個の第3駆動用コイル28が前後方向で隣接配置されても良い。この場合にも、第2保持体3の前後方向への駆動力を高めるため、第3駆動用磁石27の対向面27aが、N極とS極とが交互に配置されるように6極に着磁されるとともに、第3駆動用磁石27の対向面27aの6つの磁極のそれぞれと、左右方向で並ぶ6個の長辺部28aのそれぞれとが対向するように、第3駆動用磁石27および第3駆動用コイル28が配置されることが好ましい。なお、この場合にも、上下方向から見たときに、互いに対向する1個の第3駆動用磁石27および3個の第3駆動用コイル28からなる2組の第3駆動用磁石27および第3駆動用コイル28の組が、第2保持体3の機械的な重心に対して略点対称に配置されても良いが、第2保持体3の機械的な重心を通過する前後方向に平行な線に対して略線対称に配置されていることが好ましい。
また、コイル固定部材14の前面側および後面側のそれぞれに4個以上の第2駆動用コイル26が左右方向で隣接配置されても良いし、コイル固定部材14の右面側および左面側のそれぞれに4個以上の第3駆動用コイル28が前後方向で隣接配置されても良い。なお、コイル固定部材14の前面側および後面側のそれぞれに4個以上の第2駆動用コイル26が左右方向で隣接配置される場合にも、第2保持体3の左右方向への駆動力を高めるため、第2駆動用磁石25の対向面25aが、N極とS極とが交互に配置されるように第2駆動用コイル26の数の倍数の磁極に着磁されるとともに、第2駆動用磁石25の対向面25aの複数の磁極のそれぞれと、左右方向で並ぶ複数の長辺部26aのそれぞれとが対向するように、第2駆動用磁石25および第2駆動用コイル26が配置されることが好ましい。同様に、コイル固定部材14の右面側および左面側のそれぞれに4個以上の第3駆動用コイル28が前後方向で隣接配置される場合にも、第2保持体3の前後方向への駆動力を高めるため、第3駆動用磁石27の対向面27aが、N極とS極とが交互に配置されるように第3駆動用コイル28の数の倍数の磁極に着磁されるとともに、第3駆動用磁石27の対向面27aの複数の磁極のそれぞれと、前後方向で並ぶ複数の長辺部28aのそれぞれとが対向するように、第3駆動用磁石27および第3駆動用コイル28が配置されることが好ましい。
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
上述した形態では、第2保持体3は、ワイヤ10によって、前後左右方向へ移動可能に固定体4に支持されている。この他にもたとえば、第2保持体3は、板バネによって、前後左右方向へ移動可能に固定体4に支持されても良い。この場合には、板バネは、たとえば、光軸方向から見たときの形状が略L形状となるように形成される。また、板バネは、光軸方向から見たときに左右方向および前後方向と略平行になるように、たとえば、第2保持体3の外周側の四隅のそれぞれに配置される。また、光軸方向における板バネの幅は、光軸方向に直交する方向における板バネの厚さよりも広くなっている。たとえば、光軸方向における板バネの幅は、光軸方向に直交する方向における板バネの厚さの2倍以上となっている。
上述した形態では、ワイヤ10の上端側は、板バネ8に固定されている。この他にもたとえば、ワイヤ10の上端側は、コイル固定部材14の上端側に固定されても良い。また、上述した形態では、ワイヤ10の上端側が板バネ8に固定され、ワイヤ10の下端側が基板18に固定されているが、板バネ9にワイヤ10の下端側が固定され、カバー部材17の底部17aに固定される樹脂製の部材等にワイヤ10の上端側が固定されても良い。
上述した形態では、レンズ駆動装置1は、光軸方向から見たときの形状が略正方形状となるように形成されている。この他にもたとえば、レンズ駆動装置1は、光軸方向から見たときの形状が略長方形状となるように形成されても良いし、その他の略四角形状となるように形成されても良い。また、レンズ駆動装置1は、光軸方向から見たときの形状が略四角形状以外の略多角形状となるように形成されても良いし、光軸方向から見たときの形状が略円形状あるいは略楕円形状となるように形成されても良い。
上述した形態では、第1駆動用磁石23は、略三角柱状に形成されているが、第1駆動用磁石23は、略三角柱状以外の略多角柱状に形成されても良いし、略円柱状や略楕円柱状に形成されても良い。また、上述した形態では、第1駆動用コイル24は、略三角筒状に巻回されて形成されているが、第1駆動用コイル24は、略三角筒状以外の略多角筒状に巻回されても良いし、略円筒状や略楕円筒状に巻回されても良い。
上述した形態では、第1駆動用磁石片31、32の対向面の間には、磁性板33が配置されている。この他にもたとえば、第1駆動用磁石片31、32の対向面の間に磁性板33が配置されずに、第1駆動用磁石片31、32の対向面の間に隙間が形成されても良いし、第1駆動用磁石片31、32の対向面の間に非磁性板が配置されても良いし、第1駆動用磁石片31、32の対向面同士が当接していても良い。
上述した形態では、第1駆動機構5は、略三角柱状に形成された第1駆動用磁石23、および、その内周面が第1駆動用磁石23の外周面と所定の隙間を介して対向するように配置された第1駆動用コイル24等によって構成されている。この他にもたとえば、略平面状に巻回された駆動用コイル、および、この駆動用コイルに対向するように配置される駆動用磁石等によって第1駆動機構が構成されても良い。また、コイルが巻回された鉄芯と永久磁石とを備える電磁石によって、第1駆動機構が構成されても良い。また、同様に、第2駆動機構6および/または第3駆動機構7は、コイルが巻回された鉄芯と永久磁石とを備える電磁石によって構成されても良い。
上述した形態では、4個の第2駆動用磁石片38〜41によって、第2駆動用磁石25および第3駆動用磁石27が構成されている。この他にもたとえば、1個の第2駆動用磁石片によって、第2駆動用磁石25および/または第3駆動用磁石27が構成されても良い。この場合であっても、第2駆動用磁石25の対向面25aおよび/または第3駆動用磁石27の対向面27aは、N極とS極とが交互に配置されるように4極に着磁されている。
上述した形態では、第2駆動用コイル26および第3駆動用コイル28は、略長方形状に巻回された空芯コイルである。この他にもたとえば、第2駆動用コイル26および/または第3駆動用コイル28は、所定の基板にコイルパターンが印刷あるいは積層されたパターンコイルであっても良い。
上述した形態では、光軸方向から見たときのレンズ駆動装置1の4つの側面は、左右方向または前後方向と略平行であり、第2駆動機構6は、左右方向へ第2保持体3を駆動し、第3駆動機構7は、前後方向へ第2保持体3を駆動する。この他にもたとえば、第2駆動機構6が、光軸方向に略直交するとともに左右方向に対して傾いた所定方向へ第2保持体3を駆動し、第3駆動機構7が、この所定方向と光軸方向とに略直交する方向へ第2保持体3を駆動しても良い。たとえば、第2駆動機構6が、光軸方向に略直交するとともに左右方向に対して+45°傾いた方向へ第2保持体3を駆動し、第3駆動機構7が、光軸方向に略直交するとともに左右方向に対して−45°傾いた方向へ第2保持体3を駆動しても良い。
上述した形態では、上下方向から見たときに、第1保持体2の機械的な重心、第2保持体3の機械的な重心および固定体4の機械的な重心は、光軸Lと略一致している。この他にもたとえば、上下方向から見たときに、第1保持体2の機械的な重心、第2保持体3の機械的な重心および/または固定体4の機械的な重心が光軸Lからずれていても良い。また、上述した形態では、上下方向から見たときに、第1駆動機構5の駆動力の中心、第2駆動機構6の駆動力の中心および第3駆動機構7の駆動力の中心は、光軸Lと略一致しているが、第1駆動機構5の駆動力の中心、第2駆動機構6の駆動力の中心および/または第3駆動機構7の駆動力の中心が光軸Lからずれていても良い。さらに、上述した形態では、上下方向から見たときに、第1保持体2の機械的な重心、第2保持体3の機械的な重心および固定体4の機械的な重心は、第1駆動機構5の駆動力の中心、第2駆動機構6の駆動力の中心および第3駆動機構7の駆動力の中心と略一致しているが、第1保持体2の機械的な重心、第2保持体3の機械的な重心および/または固定体4の機械的な重心が、第1駆動機構5の駆動力の中心、第2駆動機構6の駆動力の中心および/または第3駆動機構7の駆動力の中心からずれていても良い。