JP5620106B2 - 増強されたエフェクター機能を有するポリペプチド - Google Patents
増強されたエフェクター機能を有するポリペプチド Download PDFInfo
- Publication number
- JP5620106B2 JP5620106B2 JP2009538244A JP2009538244A JP5620106B2 JP 5620106 B2 JP5620106 B2 JP 5620106B2 JP 2009538244 A JP2009538244 A JP 2009538244A JP 2009538244 A JP2009538244 A JP 2009538244A JP 5620106 B2 JP5620106 B2 JP 5620106B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- antibody
- amino acid
- polypeptide
- region
- cell
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K16/00—Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K16/00—Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
- C07K16/18—Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
- C07K16/28—Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants
- C07K16/2887—Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants against CD20
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K38/00—Medicinal preparations containing peptides
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K2317/00—Immunoglobulins specific features
- C07K2317/70—Immunoglobulins specific features characterized by effect upon binding to a cell or to an antigen
- C07K2317/72—Increased effector function due to an Fc-modification
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K2317/00—Immunoglobulins specific features
- C07K2317/70—Immunoglobulins specific features characterized by effect upon binding to a cell or to an antigen
- C07K2317/73—Inducing cell death, e.g. apoptosis, necrosis or inhibition of cell proliferation
- C07K2317/732—Antibody-dependent cellular cytotoxicity [ADCC]
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K2319/00—Fusion polypeptide
- C07K2319/30—Non-immunoglobulin-derived peptide or protein having an immunoglobulin constant or Fc region, or a fragment thereof, attached thereto
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K2319/00—Fusion polypeptide
- C07K2319/33—Fusion polypeptide fusions for targeting to specific cell types, e.g. tissue specific targeting, targeting of a bacterial subspecies
Description
近年、こうした抗体の性質を疾患の治療に利用する抗体療法が試みられている。しかしながら、抗体を生産する際には、目的の抗原を認識する抗体を産生する細胞の作製に時間と労力を要し、しかも必要な抗体活性を確保するために動物細胞を用いて産生する必要があるため、これによる抗体産生のコストの上昇が、抗体医療における懸念事項の1つとなっている。したがって、抗体医療の効率的な展開には、コスト削減のための安価な抗体製造方法や高活性な抗体が求められており、こうした製造方法や抗体に関する研究も行われている。
しかしながら、満足できるエフェクター機能を有する抗体は未だ開発されておらず、さらなる技術的改善が求められていた。
すなわち、本発明は、以下に関する。
<1>(1)配列番号:1〜6のいずれかで表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドをFc受容体結合部分として含む、エフェクター機能を有するポリペプチド、または
(2)(i)配列番号:1〜6のいずれかで表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドに1個または2個以上の変異を有するポリペプチド、(ii)配列番号:7〜12のいずれかで表される塩基配列を有する核酸もしくは同核酸と同一のポリペプチドをコードする核酸の塩基配列に1個または2個以上の変異を有する核酸によりコードされるポリペプチド、(iii)配列番号:1〜6のいずれかで表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドまたは(i)もしくは(ii)の変異体をコードする核酸の相補鎖またはその断片にストリンジェントな条件でハイブリダイズする核酸によりコードされるポリペプチド、および(iv)配列番号:7〜12のいずれかで表される塩基配列と60%以上の相同性を有する核酸によりコードされるポリペプチドからなる群から選択されるFc受容体結合部分を含み、かつ、増強されたエフェクター機能を有するポリペプチド。
<3>細胞結合部分をさらに含む上記<1>または<2>のポリペプチド。
<4>細胞結合部分が、サイトカイン受容体、細胞接着分子、がん細胞表層分子、がん幹細胞表層分子、血液細胞表層分子、ウイルス感染細胞表層分子からなる群から選択される少なくとも1種の分子を認識またはこれと結合する上記<3>のポリペプチド。
<6>上記<1>〜<5>のいずれかのポリペプチドをコードする単離された核酸。
<7>上記<6>の核酸を含むベクター。
<8>上記<7>のベクターを有する宿主細胞または宿主生物。
<9>上記<8>の宿主細胞または宿主生物を、核酸がコードするポリペプチドを発現するように培養することを特徴とするポリペプチドの製造方法。
<11>上記<10>の方法で製造されたポリペプチド。
<12>抗体のFc領域における、KabatのEUインデックス番号で293番目のアミノ酸、294のアミノ酸、296のアミノ酸、297のアミノ酸、298のアミノ酸および300番目のアミノ酸からなる群から選択されるアミノ酸をシステイン残基に置換する工程を含む、抗体のエフェクター機能を高めるin vitro方法。
<13>上記<12>の方法により得られた抗体。
<15>上記<14>の方法で作製された抗体産生細胞。
<16>上記<1>〜<5>および<11>のいずれかのポリペプチド、上記<13>の抗体、上記<6>の核酸、上記<7>のベクター、上記<8>の宿主細胞または宿主生物および/または上記<15>の抗体産生細胞を含む医薬組成物。
また、本発明の抗体のエフェクター機能を高める方法は、既存の任意の抗体に適用できるため、応用範囲が広く、医療、獣医療を始めとする種々の分野への多大な貢献が期待できる。
(1)配列番号:1〜6のいずれかで表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドをFc受容体結合部分として含む、エフェクター機能を有するポリペプチド、または
(2)(i)配列番号:1〜6のいずれかで表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドに1個または2個以上、好ましくは1個または数個の変異を有するポリペプチド、
(ii)配列番号:7〜12のいずれかで表される塩基配列を有する核酸もしくは同核酸と同一のポリペプチドをコードする核酸の塩基配列に1個または2個以上、好ましくは1個または数個の変異を有する核酸によりコードされるポリペプチド、
(iii)配列番号:1〜6のいずれかで表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドまたは(i)もしくは(ii)の変異体をコードする核酸の相補鎖、またはその断片にストリンジェントな条件でハイブリダイズする核酸によりコードされるポリペプチド、および
(iv)配列番号:7〜12のいずれかで表される塩基配列と60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上の相同性を有する核酸によりコードされるポリペプチド
からなる群から選択されるFc受容体結合部分を含み、かつ、増強されたエフェクター機能を有するポリペプチドに関する。
本発明のポリペプチドの好ましい態様においては、Fc受容体結合部分が、KabatのEUインデックス番号で293番目のアミノ酸、294のアミノ酸、296のアミノ酸、297のアミノ酸、298のアミノ酸および300番目のアミノ酸からなる群から選択されるアミノ酸がシステイン残基に置き換えられたFc領域である。
本発明におけるストリンジェントな条件は、例えば、65℃での、3.5×SSC(0.15M塩化ナトリウム/0.15Mクエン酸ナトリウム、pH7)、フィコール0.02%、ポリビニルピロリドン0.02%、ウシ血清アルブミン0.02%、NaH2PO425mM(pH7)、SDS0.05%、EDTA2mMからなるハイブリダイゼーションバッファーによるハイブリダイゼーションを指す。ハイブリダイゼーション後、DNAが移された膜は、2×SSCにて室温において、次いで0.1〜0.5×SSC/0.1×SDSにて68℃までの温度において洗浄する。あるいは、ストリンジェントなハイブリダイゼーションは、ExpressHyb(登録商標)Hybridization Solution(Clontech社)等の市販のハイブリダイゼーションバッファーを用いて、製造者によって記載されたハイブリダイゼーションおよび洗浄条件で行ってもよい。
同程度のストリンジェンシーを生じる結果となる使用可能な他の条件、試薬等が存在するが、当業者はかかる条件に通じていると思われるため、これらについては、本明細書中に特段記載はしていない。しかしながら、本発明の変異体をコードしている核酸の相同体または対立遺伝子の明確な同定ができるよう、条件を操作することが可能である。
(1)配列番号:1〜6のいずれかで表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、
(2)(1)のポリペプチドに1個または2個以上、好ましくは1個または数個の変異を有するが、なお該ポリペプチドと同等の機能を有するポリペプチド、
(3)配列番号:7〜12のいずれかで表される塩基配列を有する核酸もしくは同核酸と同一のポリペプチドをコードする核酸の塩基配列に1個または2個以上、好ましくは1個または数個の変異を有する核酸によりコードされ、かつ(1)のポリペプチドと同等の機能を有するポリペプチド、
(4)(1)のポリペプチドまたは(2)もしくは(3)の変異体をコードする核酸の相補鎖、またはその断片にストリンジェントな条件でハイブリダイズする核酸によりコードされ、かつ、(1)のポリペプチドと同等の機能を有するポリペプチド、および
(5)配列番号:7〜12のいずれかで表される塩基配列と60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上の相同性を有する核酸によりコードされ、かつ、(1)のポリペプチドと同等の機能を有するポリペプチド
からなる群から選択されるFc受容体結合部分を含む、エフェクター機能を有するポリペプチドが挙げられる。
本発明のポリペプチドは、ヒトエフェクター細胞の存在下でADCCをより効果的に媒介することができる。ADCCは、細胞が媒介する反応を意味しており、エフェクター細胞が抗体を介して標的細胞を認識し、標的細胞の溶解を引き起こす反応である。前記エフェクター細胞には、例えばキラーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、好中球、単球、マクロファージなどが挙げられる。これらのエフェクター細胞は、通常、細胞表層にFcRを発現しており、Fc領域の構造に応じて、結合可能な種類のFcRを発現する細胞が認識され、細胞障害活性を発現することができる。
本発明のポリペプチドは、Fc受容体結合部分を介してエフェクター細胞を認識することにより、ADCCを誘導、促進することができる。本発明においては、Fc受容体結合部分がエフェクター細胞の表層分子(FcγR等)と容易に結合して効率よく活性化できるためか、少量のポリペプチドで高いADCC活性を速やかに誘導することができる。
また、エフェクター機能が、FcRの多型により影響を受ける可能性があることが知られている。例えば、ヒトCD16の第158アミノ酸がバリンであるか、フェニルアラニンであるかによって、抗体のFc領域の結合性が影響されることが報告されている(例えば、Koene HR et al., Blood. 1997;90(3):1109-14参照)。それ故、本発明のポリペプチドもこれら多型に応じて特別の反応性を示すことができる。したがって、本発明のポリペプチドは、その一態様において、CD16の第158アミノ酸がバリンであるヒトにおいて、特に高いエフェクター機能を発揮する。また、本発明のポリペプチドは、別の態様において、CD16の第158アミノ酸がフェニルアラニンであるヒトにおいて、特に高いエフェクター機能を発揮する。
なお、本明細書において、抗体定常領域における特定のアミノ酸を示すためにKabatのEUインデックスを参照する場合があるが、これは全て、(Sequence of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD(1991))に基づいている。しかしながら、上記インデックスは、特定のアミノ酸の同定に便宜的に用いているに過ぎず、本発明のポリペプチドのアミノ酸配列は上記文献に記載のものに限定されない。
より具体的には、本発明のポリペプチドには、抗体の変異体であって、KabatのEUインデックス番号で293番目のアミノ酸、294のアミノ酸、296のアミノ酸、297のアミノ酸、298のアミノ酸および300番目のアミノ酸からなる群から選択されるアミノ酸がシステイン残基に置き換えられた変異体、および、細胞結合部分およびKabatのEUインデックス番号で293番目のアミノ酸、294のアミノ酸、296のアミノ酸、297のアミノ酸、298のアミノ酸および300番目のアミノ酸からなる群から選択されるアミノ酸がシステイン残基に置き換えられたFc領域を含むキメラ分子の変異体が含まれる。本発明のポリペプチドは、置換前の抗体やキメラ分子と比較して、FcR結合能および/またはエフェクター機能が向上している。本発明のポリペプチドにおいてFc領域はヒトIgGのFc領域、より好ましくはヒトIgG1、ヒトIgG2、ヒトIgG3、ヒトIgG4の各Fc領域等が挙げられる。本発明のFc領域は、上述の通り、糖鎖修飾部位にN−結合型糖鎖を有していることが好ましい。
(1)CDR1として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:53に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:55に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:13〜18のいずれかに記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体の変異体、
(2)配列番号:25〜30のいずれかに記載のアミノ酸配列(H鎖全長のアミノ酸配列)を有するH鎖を含む抗体の変異体、
(3)CDR1として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:53に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:55に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:1〜6のいずれかに記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体の変異体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体の変異体、
(i)CDR1として配列番号:67に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:69に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:71に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:73に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:65に記載のアミノ酸配列(L鎖全長のアミノ酸配列)を有するL鎖。
(1)配列番号:52に記載の塩基配列によりコードされるCDR1、配列番号:54に記載の塩基配列によりコードされるCDR2、配列番号:56に記載の塩基配列によりコードされるCDR3、および配列番号:19〜24のいずれかに記載の塩基配列によりコードされるCHを有するH鎖を含む抗体の変異体、
(2)配列番号:31〜36のいずれかに記載の塩基配列によりコードされるH鎖を含む抗体の変異体、
(3)配列番号:52に記載の塩基配列によりコードされるCDR1、配列番号:54に記載の塩基配列によりコードされるCDR2、配列番号:56に記載の塩基配列によりコードされるCDR3、および配列番号:7〜12のいずれかに記載の塩基配列によりコードされるFc領域を有するH鎖を含む抗体の変異体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体の変異体、
(i)配列番号:68に記載の塩基配列によりコードされるCDR1、配列番号:70に記載の塩基配列によりコードされるCDR2、配列番号:72に記載の塩基配列によりコードされるCDR3、および配列番号:74に記載の塩基配列によりコードされるCLを有するL鎖、
(ii)配列番号:66に記載の塩基配列によりコードされるL鎖。
本発明の技術は、抗体の抗原認識部位と同様に抗原に結合する機能を持った部位、および、抗体のFc領域を含む分子であって、エフェクター機能を有する分子である限り適用できる技術である。したがって、本発明の技術の適用対象は、抗体分子に限られるものではない。本発明の技術は、細胞結合部分(例えば、接着タンパク質、接着分子、シグナル分子等の結合ドメイン)および、抗体のFc領域を含むキメラ分子全般に適用可能である。ここでいう接着タンパク質は、例えば、細胞間相互作用を媒介する分子であって、細胞の認識部位として細胞外領域を構造内に有する分子である。本発明における抗体様分子は、上記細胞外領域の構造を結合ドメインとして利用するため、本来この分子が結合する細胞表層存在分子を認識することが可能である。
より具体的には、本発明は、CD3、CD11a、CD20、CD22、CD25、CD28、CD33、CD52、Her2/neu、EGF受容体、EpCAM、MUC1、GD3、CEA、CA125、HLA−DR、TNFα受容体、VEGF受容体、AILIM/ICOS、CTLA−4、B7h、CD80、CD86、インテグリン分子からなる群から選択される少なくとも一つのヒト細胞表層存在分子に結合するキメラ分子の変異体を提供する。
(1)細胞結合部分として配列番号:89に記載のアミノ酸配列、およびKabatのEUインデックス番号で293番目のアミノ酸、294のアミノ酸、296のアミノ酸、297のアミノ酸、298のアミノ酸および300番目のアミノ酸からなる群から選択されるアミノ酸がシステイン残基に置き換えられたFc領域として配列番号:1〜6のいずれかに記載のアミノ酸配列を含むキメラ分子の変異体、
(2)細胞結合部分として配列番号:89に記載のアミノ酸配列、抗体のヒンジ領域として配列番号:93に記載のアミノ酸配列、およびKabatのEUインデックス番号で293番目のアミノ酸、294のアミノ酸、296のアミノ酸、297のアミノ酸、298のアミノ酸および300番目のアミノ酸からなる群から選択されるアミノ酸がシステイン残基に置き換えられたFc領域として配列番号:1〜6のいずれかに記載のアミノ酸配列を含むキメラ分子の変異体、
(3)配列番号:75〜80のいずれかに記載のアミノ酸配列からなるキメラ分子の変異体。
(1)配列番号:90に記載の塩基配列によりコードされる細胞結合部分、および配列番号:7〜12のいずれかに記載の塩基配列によりコードされるKabatのEUインデックス番号で293番目のアミノ酸、294のアミノ酸、296のアミノ酸、297のアミノ酸、298のアミノ酸および300番目のアミノ酸からなる群から選択されるアミノ酸がシステイン残基に置き換えられたFc領域を含むキメラ分子の変異体、
(2)配列番号:90に記載の塩基配列によりコードされる細胞結合部分、配列番号:94に記載の塩基配列によりコードされる抗体のヒンジ領域、および配列番号:7〜12のいずれかに記載の塩基配列によりコードされるKabatのEUインデックス番号で293番目のアミノ酸、294のアミノ酸、296のアミノ酸、297のアミノ酸、298のアミノ酸および300番目のアミノ酸からなる群から選択されるアミノ酸がシステイン残基に置き換えられたFc領域を含むキメラ分子の変異体、
(3)配列番号:81〜86のいずれかに記載の塩基配列によりコードされるキメラ分子の変異体。
すなわち、本発明は、エフェクター機能を有する抗体におけるKabatのEUインデックス番号で293番目のアミノ酸、294のアミノ酸、296のアミノ酸、297のアミノ酸、298のアミノ酸および300番目のアミノ酸からなる群から選択されるアミノ酸残基をシステイン残基に置換する工程を含む、エフェクター機能が向上した抗体の変異体の製造方法を提供する。より具体的には、本発明は、以下の工程を含むエフェクター機能が向上した抗体の変異体の製造方法を提供する。
(1)エフェクター機能を有する抗体におけるKabatのEUインデックス番号で293番目のアミノ酸、294のアミノ酸、296のアミノ酸、297のアミノ酸、298のアミノ酸および300番目のアミノ酸からなる群から選択されるアミノ酸残基をシステイン残基に置換する工程
(2)KabatのEUインデックス番号で293番目のアミノ酸、294のアミノ酸、296のアミノ酸、297のアミノ酸、298のアミノ酸および300番目のアミノ酸からなる群から選択されるアミノ酸残基がシステイン残基に置換されたFc領域を有するH鎖をコードするDNA、および、L鎖をコードするDNAを宿主細胞または宿主生物に導入し、該DNAを発現させる工程
(3)発現産物を回収する工程。
抗体のH鎖またはL鎖をコードする遺伝子は既知の配列を用いることも可能であり、また、当業者に公知の方法で取得することもできる。例えば、抗体ライブラリーから取得することも可能であるし、モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマから抗体をコードする遺伝子をクローニングして取得することも可能である。
抗体ライブラリーについては既に多くの抗体ライブラリーが公知になっており、また、抗体ライブラリーの作製方法も公知であるので、当業者は適宜抗体ライブラリーを入手することが可能である。例えば、抗体ファージライブラリーについては、Clackson et al., Nature 1991, 352: 624-8、Marks et al., J. Mol. Biol. 1991, 222: 581-97、Waterhouses et al., Nucleic Acids Res. 1993, 21: 2265-6、Griffiths et al., EMBO J. 1994, 13: 3245-60、Vaughan et al., Nature Biotechnology 1996, 14: 309-14、および特表平20−504970号公報等の文献を参照することができる。その他、真核細胞をライブラリーとする方法(WO95/15393号パンフレット)やリボソーム提示法等の公知の方法を用いることが可能である。さらに、ヒト抗体ライブラリーを用いて、パンニングによりヒト抗体を取得する技術も知られている。例えば、ヒト抗体の可変領域を一本鎖抗体(scFv)としてファージディスプレイ法によりファージの表面に発現させ、抗原に結合するファージを選択することができる。選択されたファージの遺伝子を解析すれば、抗原に結合するヒト抗体の可変領域をコードするDNA配列を決定することができる。抗原に結合するscFvのDNA配列が明らかになれば、当該配列を元に適切な発現ベクターを作製し、ヒト抗体を取得することができる。これらの方法は既に周知であり、WO92/01047、WO92/20791、WO93/06213、WO93/11236、WO93/19172、WO95/01438、WO95/15388を参考にすることができる。
ヒト化抗体発現用ベクターとは、KabatのEUインデックス番号で293番目のアミノ酸、294のアミノ酸、296のアミノ酸、297のアミノ酸、298のアミノ酸および300番目のアミノ酸からなる群から選択されるアミノ酸残基がシステインに置換されたヒト抗体の重鎖(H鎖)C領域およびヒト抗体の軽鎖(L鎖)C領域をコードする遺伝子が組み込まれた動物細胞用発現ベクターであり、動物細胞用発現ベクターにKabatのEUインデックス番号で293番目のアミノ酸、294のアミノ酸、296のアミノ酸、297のアミノ酸、298のアミノ酸および300番目のアミノ酸からなる群から選択されるアミノ酸残基がシステインに置換されたヒト抗体のH鎖C領域およびヒト抗体のL鎖C領域をコードする遺伝子をそれぞれクローニングすることにより構築することができる。
ヒト抗体のH鎖およびL鎖C領域をコードする遺伝子としてはエキソンとイントロンからなる染色体DNAを用いることができ、また、cDNAを用いることもできる。
ヒト以外の動物の抗体、例えば、マウス抗体のH鎖およびL鎖V領域をコードするcDNAは以下のようにして取得することができる。
アミノ酸配列が公知である場合には、アミノ酸配列を、コドンの使用頻度(Sequences of Proteins of Immunological Interest, US Dept. Health and Human Services, 1991)を考慮してDNA配列に変換し、設計したDNA配列に基づき、100塩基前後の長さからなる数本の合成DNAを合成し、それらを用いてPCR法を行うことによりDNAを得ることができる。塩基配列が公知である場合には、その情報を基に100塩基前後の長さからなる数本の合成DNAを合成し、それらを用いてPCR法を行うことによりDNAを得ることができる。
分泌シグナル配列を含む抗体のH鎖およびL鎖V領域の完全なアミノ酸配列に関しては、既知の抗体のH鎖およびL鎖V領域の全アミノ酸配列(Sequences of Proteins of Immunological Interest, US Dept. Health and Human Services, 1991)と比較することにより、分泌シグナル配列の長さおよびN末端アミノ酸配列を推定でき、更にはそれらが属するサブグループを知ることができる。また、H鎖およびL鎖V領域の各CDRのアミノ酸配列についても、既知の抗体のH鎖およびL鎖V領域のアミノ酸配列(Sequences of Proteins of Immunological Interest, US Dept. Health and Human Services, 1991)と比較することによって見出すことができる。
(1)に記載のヒト化抗体発現用ベクターのヒト抗体のH鎖およびL鎖C領域をコードする遺伝子の上流に、ヒト以外の動物の抗体のH鎖およびL鎖V領域をコードするcDNAをクローニングし、ヒト型キメラ抗体発現ベクターを構築することができる。例えば、ヒト以外の動物の抗体のH鎖およびL鎖V領域をコードするcDNAを、ヒト以外の動物の抗体H鎖およびL鎖V領域の3’末端側の塩基配列とヒト抗体のH鎖およびL鎖C領域の5’末端側の塩基配列とからなり、かつ適切な制限酵素の認識配列を両端に有する合成DNAとそれぞれ連結し、それぞれを(1)に記載のヒト化抗体発現用ベクターのヒト抗体のH鎖およびL鎖C領域をコードする遺伝子の上流にそれらが適切な形で発現するようにクローニングし、ヒト型キメラ抗体発現ベクターを構築することができる。
ヒト型CDR移植抗体のH鎖およびL鎖V領域をコードするcDNAは、以下のようにして構築することができる。まず、目的のヒト以外の動物の抗体のH鎖およびL鎖V領域のCDRを移植するヒト抗体のH鎖およびL鎖V領域のフレームワーク(以下、FRと表記する)のアミノ酸配列を選択する。ヒト抗体のH鎖およびL鎖V領域のFRのアミノ酸配列としては、ヒト抗体由来のものであれば、いかなるものでも用いることができる。例えば、Protein Data Bank等のデータベースに登録されているヒト抗体のH鎖およびL鎖V領域のFRのアミノ酸配列、ヒト抗体のH鎖およびL鎖のV領域のFRの各サブグループの共通アミノ酸配列(Sequences of Proteins of Immunological Interest, US Dept. Health and Human Services, 1991)等が挙げられるが、その中でも、十分な活性を有するヒト型CDR移植抗体を作製するためには、目的のヒト以外の動物の抗体のH鎖およびL鎖V領域のFRのアミノ酸配列とできるだけ高い相同性(少なくとも60%以上)を有するアミノ酸配列を選択することが望ましい。
また、両端に位置する合成DNAの5’末端に適切な制限酵素の認識配列を導入することで、(1)で構築したヒト化抗体発現用ベクターに容易にクローニングすることができる。PCR後、増幅産物をpBluescript SK(-)(Stratagene社)等のプラスミドにクローニングし、(2)に記載の方法により、塩基配列を決定し、所望のヒト型CDR移植抗体のH鎖およびL鎖V領域のアミノ酸配列をコードするDNA配列を有するプラスミドを取得する。
(1)に記載のヒト化抗体発現用ベクターのヒト抗体のH鎖およびL鎖C領域をコードする遺伝子の上流に、(5)で構築したヒト型CDR移植抗体のH鎖およびL鎖V領域をコードするcDNAをクローニングし、ヒト型CDR移植抗体発現ベクターを構築することができる。例えば、(5)でヒト型CDR移植抗体のH鎖およびL鎖V領域を構築する際に用いる合成DNAのうち、両端に位置する合成DNAの5’末端に適切な制限酵素の認識配列を導入することで、(1)に記載のヒト化抗体発現用ベクターのヒト抗体のH鎖およびL鎖C領域をコードする遺伝子の上流にそれらが適切な形で発現するようにクローニングし、ヒト型CDR移植抗体発現ベクターを構築することができる。
(4)および(6)に記載のヒト化抗体発現ベクターを適切な動物細胞に導入することによりヒト型キメラ抗体およびヒト型CDR移植抗体(以下、併せてヒト化抗体と称す)を安定に生産する形質転換株を得ることができる。動物細胞へのヒト化抗体発現ベクターの導入法としては、エレクトロポレーション法(特開平2−257891;Cytotechnology, 3, 133(1990))等が挙げられる。ヒト化抗体発現ベクターを導入する動物細胞としては、ヒト化抗体を生産させることができる動物細胞であれば、いかなる細胞でも用いることができる。
具体的には、マウスミエローマ細胞であるNSO細胞、SP2/0細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞CHO/dhfr−細胞、CHO/DG44細胞、ラットミエローマYB2/0細胞、IR983F細胞、シリアンハムスター腎臓由来であるBHK細胞、ヒトミエローマ細胞であるナマルバ細胞などが挙げられるが、好ましくは、チャイニーズハムスター卵巣細胞であるCHO/DG44細胞、ラットミエローマYB2/0細胞等が挙げられる。
(1)細胞結合部分とFc領域とを含むエフェクター機能を有するキメラ分子におけるFc領域中のアミノ酸残基であって、KabatのEUインデックス番号で293番目のアミノ酸、294のアミノ酸、296のアミノ酸、297のアミノ酸、298のアミノ酸および300番目のアミノ酸からなる群から選択されるアミノ酸残基を、システイン残基に置換する工程、
(2)細胞結合部分と、KabatのEUインデックス番号で293番目のアミノ酸、294のアミノ酸、296のアミノ酸、297のアミノ酸、298のアミノ酸および300番目のアミノ酸からなる群から選択されるアミノ酸残基がシステイン残基に置換されたFc領域とを含むキメラ分子の変異体をコードするDNAを宿主細胞または宿主生物に導入し、該DNAを発現させる工程、および
(3)発現産物を回収する工程。
(1)細胞結合部分とFc領域とを含むキメラ分子を製造する工程、
(2)製造されたキメラ分子がエフェクター機能を有するか否かを判定する工程、
(3)エフェクター機能を有すると判定されたキメラ分子におけるFc領域中のアミノ酸残基であって、KabatのEUインデックス番号で293番目のアミノ酸、294のアミノ酸、296のアミノ酸、297のアミノ酸、298のアミノ酸および300番目のアミノ酸からなる群から選択されるアミノ酸を、システイン残基に置換する工程、
(4)細胞結合部分と、KabatのEUインデックス番号で293番目のアミノ酸、294のアミノ酸、296のアミノ酸、297のアミノ酸、298のアミノ酸および300番目のアミノ酸からなる群から選択されるアミノ酸残基がシステイン残基に置換されたFc領域とを含むキメラ分子の変異体をコードするDNAを宿主細胞または宿主生物に導入し、該DNAを発現させる工程、および
(5)発現産物を回収する工程。
本方法においてはまず、細胞結合部分とFc領域とを含むキメラ分子を製造する。製造されるキメラ分子は、少なくとも細胞結合部分およびFc領域を有するものであり、例えば、細胞結合部分およびFc領域の間にペプチド領域を有するキメラ分子が挙げられるが、これに限定されるものではない。キメラ分子の製造は、以下のようにして行うことが可能である。
まず細胞結合部分をコードするDNAとFc領域をコードするDNAとを、当業者に周知な方法でクローニングする。また必要に応じて、これら以外のペプチドをコードするDNAをクローニングする。Fc領域の由来は特に限定されず、エフェクター機能を有する抗体に由来するものであってもよいし、エフェクター機能を有しない抗体に由来するものであってもよい。
次いで、細胞結合部分をコードするDNAと、Fc領域をコードするDNAとを当業者に周知な方法で結合させ(必要に応じて、細胞結合部分をコードするDNA、およびFc領域をコードするDNA、これら以外のペプチドをコードするDNAを結合させ)、細胞結合部分とFc領域とを含むキメラ分子をコードするDNAを調製する。次いで、細胞結合部分とFc領域とを含むキメラ分子をコードするDNAを、当業者に周知な方法を利用して宿主細胞や宿主生物に導入し、該DNAを発現させる。当業者に周知な方法を利用することにより、発現産物(キメラ分子)を回収することができる。
本発明のキメラ分子変異体の製造方法においては、次に、細胞結合部分と、KabatのEUインデックス番号で293番目のアミノ酸、294のアミノ酸、296のアミノ酸、297のアミノ酸、298のアミノ酸および300番目のアミノ酸からなる群から選択されるアミノ酸残基がシステイン残基に置換されたFc領域とを含むキメラ分子変異体をコードするDNAを、当業者に周知な方法を利用して宿主細胞や宿主生物に導入し、該DNAを発現させる。当業者に周知な方法を利用することにより、発現産物(キメラ分子の変異体)を回収することができる。
注射用の水溶液としては、例えば生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液、例えばD−ソルビトール、D−マンノース、D−マンニトール、塩化ナトリウムが挙げられ、適切な溶解補助剤、例えばアルコール、具体的にはエタノール、ポリアルコール、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、非イオン性界面活性剤、例えばポリソルベート80(TM)、HCO−50と併用してもよい。
さらに本発明は、細胞結合部分とFc領域とを含むエフェクター機能を有するキメラ分子におけるFc領域中のアミノ酸残基であって、KabatのEUインデックス番号で293番目のアミノ酸、294のアミノ酸、296のアミノ酸、297のアミノ酸、298のアミノ酸および300番目のアミノ酸からなる群から選択されるアミノ酸残基をシステイン残基に置換する工程を含む、キメラ分子のエフェクター機能を向上させる方法を提供する。
上記方法において、KabatのEUインデックス番号で293番目のアミノ酸、294のアミノ酸、296のアミノ酸、297のアミノ酸、298のアミノ酸および300番目のアミノ酸からなる群から選択されるアミノ酸残基の置換は、上述の方法によって適宜行うことができる。
(1)細胞結合部分とFc領域とを含むキメラ分子を製造する工程、
(2)製造されたキメラ分子がエフェクター機能を有するか否かを判定する工程、
(3)エフェクター機能を有すると判定されたキメラ分子におけるFc領域中のアミノ酸残基であって、KabatのEUインデックス番号で293番目のアミノ酸、294のアミノ酸、296のアミノ酸、297のアミノ酸、298のアミノ酸および300番目のアミノ酸からなる群から選択されるアミノ酸をシステイン残基に置換する工程。
上記方法において、キメラ分子の製造、製造されたキメラ分子がエフェクター機能を有するか否かの判定、およびKabatのEUインデックス番号で293番目のアミノ酸、294のアミノ酸、296のアミノ酸、297のアミノ酸、298のアミノ酸および300番目のアミノ酸からなる群から選択されるアミノ酸残基の置換は、上述の方法によって適宜行うことができる。
さらに、本発明は、抗体のFc領域における、KabatのEUインデックス番号で293番目のアミノ酸、294のアミノ酸、296のアミノ酸、297のアミノ酸、298のアミノ酸および300番目のアミノ酸からなる群から選択されるアミノ酸をシステイン残基に置換する工程を含む、抗体のエフェクター機能を高める方法、ならびに、同方法により得られた抗体に関する。
なお、本明細書において引用された全ての先行技術文献は、参照として本明細書に組み入れられる。
1−1.抗CD20キメラ抗体(野生型)をコードする遺伝子のクローニング
1−1−1.抗CD20マウスL鎖可変領域遺伝子
抗CD20マウスモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞からQuickPrep micro mRNA purification kit(Amersham Biosciences社、製品コード27-9255-01)を用いてmRNAを得、これをもとにFirst-Strand cDNA Synthesis kit(Amersham Biosciences, code 27-9261-01)を用いてcDNAを作製した。このcDNAを鋳型として、以下に示すMKV1〜11のいずれかから選択されるセンスプライマーとアンチセンスプライマーMKCとの組み合わせによるPCR反応によりL鎖可変領域遺伝子を増幅した。PCR反応は、cDNA 4μl、2.5mM dNTPs 4μl、センスプライマー(20μM)2.5μl、アンチセンスプライマー(20μM)2.5μl、DMSO 2.5μl、×10 pfu polymerase buffer 5μl、pfu polymerase 1μl、および滅菌水28.5μlからなる合計50μlの反応液を用い、94℃ 2分;94℃ 1分、55℃ 2分、72℃ 2分(30サイクル);72℃ 4分で反応させ、増幅産物を4℃で保存した。
MKV1 primer:ATGAAGTTGCCTGTTAGGCTGTTGGTGCTG(配列番号:95)
MKV2 primer:ATGGAGWCAGACACACTCCTGYTATGGGTG(配列番号:96)
MKV3 primer:ATGAGTGTGCTCACTCAGGTCCTGGSGTTG(配列番号:97)
MKV4 primer:ATGAGGRCCCCTGCTCAGWTTYTTGGMWTCTTG(配列番号:98)
MKV5 primer:ATGGATTTWCAGGTGCAGATTWTCAGCTTC(配列番号:99)
MKV6 primer:ATGAGGTKCYYTGYTSAGYTYCTGRGG(配列番号:100)
MKV7 primer:ATGGGCWTCAAGATGGAGTCACAKWYYCWGG(配列番号:101)
MKV8 primer:ATGTGGGGAYCTKTTTYCMMTTTTTCAATTG(配列番号:102)
MKV9 primer:ATGGTRTCCWCASCTCAGTTCCTTG(配列番号:103)
MKV10 primer:ATGTATATATGTTTGTTGTCTATTTCT(配列番号:104)
MKV11 primer:ATGGAAGCCCCAGCTCAGCTTCTCTTCC(配列番号:105)
MKC primer:ACTGGATGGTGGGAAGATGG(配列番号:106)
(上記配列中、M=AまたはC、R=AまたはG、W=AまたはT、S=CまたはG、Y=CまたはT、K=GまたはTである)
上記MKV5 primerとMKC primerの組み合わせにより、抗CD20マウスL鎖可変領域遺伝子が増幅され、この遺伝子をpCR2.1ベクター(Invitrogen社)に挿入し、pCR2.1-MLVを得た。
センスプライマーとして下記MHV1〜12 primerのいずれかを、アンチセンスプライマーとして下記MHCG2b primerを用いた以外は上記1−1−1.と同様にして、抗CD20マウスH鎖可変領域遺伝子を増幅した。
センスプライマー
MHV1 primer:ATGAAATGCAGCTGGGGCATSTTCTTC(配列番号:107)
MHV2 primer:ATGGGATGGAGCTRTATCATSYTCTT(配列番号:108)
MHV3 primer:ATGAAGWTGTGGTTAAACTGGGTTTTT(配列番号:109)
MHV4 primer:ATGRACTTTGGGYTCAGCTTGRTTT(配列番号:110)
MHV5 primer:ATGGACTCCAGGCTCAATTTAGTTTTCCTT(配列番号:111)
MHV6 primer:ATGGCTGTCYTRGSGCTRCTCTTCTGC(配列番号:112)
MHV7 primer:ATGGRATGGAGCKGGRTCTTTMTCTT(配列番号:113)
MHV8 primer:ATGAGAGTGCTGATTCTTTTGTG(配列番号:114)
MHV9 primer:ATGGMTTGGGTGTGGAMCTTGCTATTCCTG(配列番号:115)
MHV10 primer:ATGGGCAGACTTACATTCTCATTCCTG(配列番号:116)
MHV11 primer:ATGGATTTTGGGCTGATTTTTTTTATTG(配列番号:117)
MHV12 primer:ATGATGGTGTTAAGTCTTCTGTACCTG(配列番号:118)
アンチセンスプライマー
MHCG2b primer:CAGTGGATAGACTGATGGGGG(配列番号:119)
(上記配列中、M、R、W、S、YおよびKは上記1−1−1.と同じ意味を有する)
上記MHV7 primerとMHCG2b primerの組み合わせにより、抗CD20マウスH鎖可変領域遺伝子が増幅され、この遺伝子をpCR2.1ベクター(Invitogen)に挿入し、pCR2.1-MHVを得た。
ヒトの血液からLymphoprep(Axis Shield社)を用いてリンパ球を単離した。このリンパ球からQuickPrep micro mRNA purification kit(Amersham Biosciences社、コード番号27-9255-01)を用いてmRNAを得、これをもとにFirst-Strand cDNA Synthesis kit(Amersham Biosciences社、コード番号27-9261-01)を用いてcDNAを作製した。このcDNAを鋳型にし、プライマーとして以下のものを用いた以外は上記1−1−1.と同様にして、ヒトIgG1 L鎖定常領域遺伝子を増幅した。得られた遺伝子をpCR2.1ベクター(Invitrogen社)に挿入し、pCR2.1-LCを得た。
センスプライマー
hIgG1 LCF primer:ACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTC(配列番号:120)
アンチセンスプライマー
hIgG1 LCR primer:TTAACACTCTCCCCTGTTGAAGCTCTT(配列番号:121)
プライマーとして以下のものを用いた以外は上記1−1−3.と同様にして、ヒトIgG1 H鎖定常領域遺伝子を増幅した。得られた遺伝子をpCR2.1ベクター(Invitrogen社)に挿入し、pCR2.1-HC(野生型)を得た。
センスプライマー
hIgG1 HCF primer:GCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTC(配列番号:122)
アンチセンスプライマー
hIgG1 HCR primer:TTATTTACCCGGAGACAGGGAGAGGCT(配列番号:123)
抗CD20マウスL鎖可変領域遺伝子とヒトIgG1 L鎖定常領域遺伝子とを発現ベクターにタンデムに組み込み、抗CD20キメラ抗体L鎖発現ベクター(pキメラLC)を作製した。すなわち、発現ベクターBCMGneoのXhoIおよびNotIサイトに、抗CD20マウスL鎖可変領域遺伝子とヒトIgG1 L鎖定常領域遺伝子とを挿入した。抗CD20マウスL鎖可変領域遺伝子としては、上記1−1−1.で作製したpCR2.1-MLVを鋳型に以下のPCR反応を行うことで得た断片を、ヒトIgG1 L鎖定常領域遺伝子としては、上記1−1−3.で作製したpCR2.1−LCを鋳型に以下のPCR反応を行うことで得た断片をそれぞれ用いた。
センスプライマー
L1 primer:ACCGCTCGAGATGGATTTTCAGGTGCAGATTATCAGC(配列番号:124)
アンチセンスプライマー
L2 primer:TTTCAGCTCCAGCTTGGTCCCAGCACC(5’−リン酸化されている)(配列番号:125)
また、ヒトIgG1 L鎖定常領域遺伝子断片は、鋳型としてpCR2.1-LCを、プライマーとして以下のものをそれぞれ用いた以外は、上記抗CD20マウスL鎖可変領域遺伝子と同様にして得た。
センスプライマー
L3 primer:ACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATC(5’−リン酸化されている)(配列番号:126)
アンチセンスプライマー
L4 primer:ATAGTTTAGCGGCCGCTTAACACTCTCCCCTGTTGAAGCTCTTTGT(配列番号:127)
抗CD20マウスH鎖可変領域遺伝子とヒトIgG1 H鎖定常領域遺伝子とを発現ベクターにタンデムに組み込み、抗CD20キメラ抗体H鎖発現ベクター(pキメラHC(野生型))を作製した。すなわち、発現ベクターBCMGneoのXhoIおよびNotIサイトに抗CD20マウスH鎖可変領域遺伝子とヒトIgG1 H鎖定常領域遺伝子とを挿入した。抗CD20マウスH鎖可変領域遺伝子としては、上記1−1−2.で作製したpCR2.1-MHVを鋳型に以下のPCR反応を行うことで断片を得た断片を、抗CD20マウスH鎖定常領域遺伝子としては、上記1−1−4.で作製したpCR2.1-HC(野生型)を鋳型に以下のPCR反応を行うことで得た断片をそれぞれ用いた。抗CD20マウスH鎖可変領域遺伝子は、鋳型としてpCR2.1-MHVを、プライマーとして以下のものを用いた以外は上記1−1−5.の抗CD20マウスL鎖可変領域遺伝子と同様にして得た。
センスプライマー
H1 primer:ACCGCTCGAGATGGGATGGAGCTGGGTCTTTCTCTTC(配列番号:128)
アンチセンスプライマー
H2 primer:TGAGGAGACGGTGACCGTGGTCCC(5’−リン酸化されている)(配列番号:129)
また、ヒトIgG1 H鎖定常領域遺伝子は、鋳型としてpCR2.1-HC(野生型)を、プライマーとして以下のものを用いた以外は上記1−1−5.の抗CD20マウスL鎖可変領域遺伝子と同様にして得た。
センスプライマー
H3 primer:GCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTC(5’−リン酸化されている)(配列番号:130)
アンチセンスプライマー
H4 primer:ATAGTTTAGCGGCCGCTTATTTACCCGGAGACAGGGAGAGGCTCTT(配列番号:131)
上記1−1.で得たpキメラLCおよびpキメラHC(野生型)から制限酵素EcoRIおよびNotIを用いてL鎖cDNAおよびH鎖cDNAを分離し、pIRESneo2ベクターおよびpIRESpuro2ベクターにそれぞれ常法により挿入し、L鎖発現ベクター、抗CD20 mab L chain/pIRESneo2、およびH鎖発現ベクター、抗CD20 mab H chain/pIRESpuro2を得た。得られたベクターはABI3100-Avant(Applied Biosystems社)を用いて、取扱説明書に従ってシークエンシングし、DNA塩基配列の確認を行った。
H鎖定常領域の293Glu、294Glu、296Tyr、297Asn、298Ser、300TyrをCysに改変させた抗体を取得する目的で、上記1−1−6.で得たpキメラHC(野生型)を鋳型として、QuikChange(Stratagene社)を用いて取り扱い説明書に従い、部位特異的変異導入を行った。Glu293Cys変異導入にはGlu293Cysセンスプライマー (5'-GCCAAGACAAAGCCGCGGTGCGAGCAGTACAACAGCACGTACCGGGTGGTC-3'、配列番号:132)およびGlu293Cysアンチセンスプライマー(5'-GACCACCCGGTACGTGCTGTTGTACTGCTCGCACCGCGGCTTTGTCTTGGC-3'、配列番号:133)を使用し、pキメラGlu293Cysを得た。Glu294Cys変異導入にはGlu294Cysセンスプライマー(5'-GACAAAGCCGCGGGAGTGCCAGTACAACAGCACGTACCGGGTGGTC-3'、配列番号:134)およびGlu294Cysアンチセンスプライマー(5'-GACCACCCGGTACGTGCTGTTGTACTGGCACTCCCGCGGCTTTGTC-3'、配列番号:135)を使用し、pキメラGlu294Cysを得た。Tyr296Cys変異導入にはTyr296Cysセンスプライマー(5'-AAGCCGCGGGAGGAGCAGTGCAACAGCACGTACCGGGT-3'、配列番号:136)およびTyr296Cysアンチセンスプライマー(5'-ACCCGGTACGTGCTGTTGCACTGCTCCTCCCGCGGCTT-3'、配列番号:137)を使用し、pキメラTyr296Cysを得た。Asn297Cys変異導入にはAsn297Cysセンスプライマー(5'-AGGAGCAGTACTGCAGCACGTACCGGGT-3'、配列番号:138)およびAsn297Cysアンチセンスプライマー(5'-ACCCGGTACGTGCTGCAGTACTGCTCCT-3'、配列番号:139)を使用し、pキメラAsn297Cysを得た。Ser298Cys変異導入にはSer298Cysセンスプライマー(5'-GAGGAGCAGTACAACTGCACGTACCGGGTGG-3'、配列番号:140)およびSer298Cysアンチセンスプライマー(5'-CCACCCGGTACGTGCAGTTGTACTGCTCCTC-3'、配列番号:141)を使用し、pキメラSer298Cysを得た。Tyr300Cys変異導入にはTyr300Cysセンスプライマー(5'-AGCAGTACAACAGCACGTGCCGGGTGGTCAGCGT-3'、配列番号:142)およびTyr300Cysアンチセンスプライマー(5'-ACGCTGACCACCCGGCACGTGCTGTTGTACTGCT-3'、配列番号:143)を使用し、pキメラTyr300Cysを得た。挿入されたcDNAの配列確認はABI3100-Avant(Applied Biosystems社)を用いて、取扱説明書に従って行った。
上記1−2.および1−3.で得たL鎖発現ベクター抗CD20 mab L chain/pIRESneo2と、野生型H鎖発現ベクター抗CD20 mab H/pIRESpuro2または定常領域アミノ酸改変H鎖発現ベクター抗CD20 mab H_Glu293Cys/pIRESpuro2、抗CD20 mab H_Glu294Cys/pIRESpuro2、抗CD20 mab H_Tyr296Cys/pIRESpuro2、抗CD20 mab H_Asn297Cys/pIRESpuro2、抗CD20 mab H_Ser298Cys/pIRESpuro2、抗CD20 mab H_Tyr300Cys/pIRESpuro2を、FuGENE(登録商標)(Roche社)を用い、取扱説明書に従ってCHO−K1細胞(ATCCカタログ番号CCL-61)に遺伝子導入した。すなわち、野生型抗体産生細胞を作製する場合は抗CD20 mab L chain/pIRESneo2および抗CD20 mab H/pIRESpuro2を、Glu293Cys改変抗体産生細胞を作製する場合は抗CD20 mab L chain/pIRESneo2および抗CD20 mab H_Glu293Cys/pIRESpuro2を、Glu294Cys改変抗体産生細胞を作製する場合は抗CD20 mab L chain/pIRESneo2および抗CD20 mab H_Glu294Cys/pIRESpuro2を、Tyr296Cys改変抗体産生細胞を作製する場合は抗CD20 mab L chain/pIRESneo2および抗CD20 mab H_Tyr296Cys/pIRESpuro2を、Asn297Cys改変抗体産生細胞を作製する場合は抗CD20 mab L chain/pIRESneo2および抗CD20 mab H_Asn297Cys/pIRESpuro2を、Ser298Cys改変抗体産生細胞を作製する場合は抗CD20 mab L chain/pIRESneo2 および抗CD20 mab H_Ser298Cys/pIRESpuro2を、そしてTyr300Cys改変抗体産生細胞を作製する場合は抗CD20 mab L chain/pIRESneo2および抗CD20 mab H_Tyr300Cys/pIRESpuro2を、CHO−K1細胞にそれぞれ遺伝子導入し、L鎖およびH鎖を共発現させた。
フコースを含まない抗体を製造するために、フコシルトランスフェラーゼ8(FUT8)をノックダウンしたCHO−K1細胞を作製した。この細胞に上記1−4.に従って抗体遺伝子を導入することにより、フコースを含まない抗体を作製することができる。
具体的には、FUT8 siRNAセンスプライマー(5’-gatccccgctgagtctctccgaatacttcaagagagtattcggagagactcagcttttta-3’、配列番号:144)およびFUT8 siRNAアンチセンスプライマー(5’-tcgataaaaagctgagtctctccgaatactctcttgaagtattcggagagactcagcggg-3’、配列番号:145)を、常法に従い、NaCl存在下99℃で2分間加熱後、72℃から4℃まで2時間かけて冷却することによってアニーリングさせた。得られたDNA断片を、pSuper gfp+neo(OligoEngine社)に挿入した。挿入されたDNA塩基配列はABI3100-Avant(Applied Biosystems社)を用いて確認を行い、FUT8 siRNA発現ベクター FUT8 SiRNA/pSuper gfp+neoを構築した。
上記1−4.で得た抗CD20キメラ抗体産生細胞株を5μg/ml Puromycin、0.6mg/ml G418および10%FCS含有RPMI1640培地で培養し、培養シャーレの最大細胞密度の60%まで増殖させた。次に、Ca2+、Mg2+不含リン酸緩衝生理食塩水(PBS(−))で2回洗浄して増殖培地を除去し、0.1%BSA添加RPMI1640に置換して7日間培養し、上清を回収した。その上清を0.2μmのフィルターでろ過した後、常法によりProtein Lカラム(PIERCE社)に吸着させ、0.1Mグリシンバッファー(pH2.8)で溶出を行ない、0.75M Tris−HCl(pH9.0)を用いてpHを中和した。その後、常法によりPBS(−)に対し透析を行い、評価用抗体とした。
1.AILIM/ICOS-IgFcキメラ分子発現ベクターの作製
1−1.AILIM/ICOSの細胞外ドメイン領域をコードするcDNAの構築
AILIM/ICOSの細胞外ドメイン領域をコードするcDNAは、活性化T細胞のmRNAから、AILIM/ICOSの既知配列情報を元に設計したプライマーを用いて、常法に従ってPCR法により単離した。
一方、ヒトイムノグロブリン1のFc領域(IgFc)をコードするcDNAは、GenBankアクセッション番号J00228に記載されているIgFcのアミノ酸配列をコードするcDNAを、PCR法を用いて以下の手順で構築した。まず、GenBankアクセッション番号J00228のIgFcのアミノ酸配列をコードするcDNAの5’末端と3’末端にPCR反応時の増幅用プライマーの結合塩基配列(IgFc cDNAの5’末端側の制限酵素BamHI配列、3’末端側の制限酵素NotI配列も含む)を付加した。設計した塩基配列を5’末端側から約100塩基ずつ計8本の塩基配列に分け(隣り合う塩基配列は、その末端に約20塩基の重複配列を有する)、それらをセンス鎖、アンチセンス鎖の交互の順で、下記のセンスプライマー(5’-tgaaggatcccgaggagcccaaatcttgtgacaa-3’、IgFcの配列にBamHIサイトの配列を付加したもの、配列番号:150)およびアンチセンスプライマー(5’- gaagcggccgctcatttacccggagacagggagaggctc -3’、IgFcの配列にNotIサイトの配列を付加したもの、配列番号:151)からなるオリゴヌクレオチドを合成した。それぞれの合成オリゴヌクレオチドを、最終濃度が0.1μMになるようにPCR反応液に添加し、最終容量50μlの反応系でExTaq polymerase(TaKaRa社)を0.25μl加え、ExTaq polymerase付属のBufferを5μl添加して、PCR反応を30サイクル行った。
これらのcDNA断片を組み込んだ発現ベクターを構築するため、発現ベクター、pIRES-puro2(Clontech社)、1μgを、それぞれ10単位の制限酵素NheIと制限酵素NotIで、取り扱い説明書に従って37℃で3時間切断したのち、上記と同様の方法で、制限酵素NheIとNotIで切断された末端を有する、pIRES-puro2 cDNA断片を得た。この断片と、制限酵素NheIとBamHIで切断された末端を有する、約0.45kbpのAILIM/ICOS細胞外領域のcDNA断片、ならびに制限酵素BamHIとNotIで切断された末端を有する、約0.76kbpのIgFc領域のcDNA断片をLigation High(東洋紡社)を用いて取り扱い説明書に従って連結した後、形質転換用の大腸菌、DH5α(東洋紡社)を形質転換した。得られたコロニーをNZY brothにて16時間、液体培養を行った。形質転換した大腸菌からWizard plus SV Minipreps DNA Purification Kit(Promega社)によりプラスミドを精製し、AILIM/ICOSの細胞外領域とIgFcを連結したキメラ分子のcDNAを発現するベクター、pIRESpuro2-AILIM/ICOS-IgFcを得た。その後、ABI 3100-Avant(Applied Biosystems)を用いて、取り扱い説明書に従って反応を行ってDNA配列を確認した。
pIRESpuro2-AILIM/ICOS-IgFcを鋳型として、AILIM/ICOS-IgFc分子の221Glu、222Glu、224Tyr、225Asn、226Serまたは228Tyr(kabatのEU indexにおける、IgGの293Glu、294Glu、296Tyr、297Asn、298Serまたは300Tyrにそれぞれ相当)をCysに変異させるため、実施例1 1−3.に記載の各プライマーを用い、QuikChange(登録商標)Site-Directed Mutagenesis Kit(Stratagene社)により取扱説明書に従って反応させた。
CHO−K1細胞、1x106個に対して、FuGENE(登録商標)36μlと、pIREpuro2-AILIM/ICOS-IgFc、または各変異体発現ベクター12μgとを用いて、取り扱い説明書に従って遺伝子導入を行なった。遺伝子導入後2日目にPuromycinを、10%ウシ胎児血清(FCS)添加RPMI1640培地に終濃度0.5〜5μg/mlになるように添加し、その後、9日間培養を行なった。Puromycinにより薬剤耐性CHO−K1細胞の選択を行なった後、限界希釈法により細胞のクローン化を行ない、AILIM/ICOS-IgFcまたはAILIM/ICOS-IgFc変異体を高発現している細胞を、抗AILIM/ICOS抗体を用いたELISAによりスクリーニングして選択した。
AILIM/ICOS-IgFcまたは各AILIM/ICOS-IgFc変異体を高発現する細胞を、10%FCS添加RPMI1640培地で培養し、培養シャーレの最大細胞密度の60%まで増加させた。Ca2+、Mg2+不含PBS(PBS(−))で2回洗浄して増殖培地を除去し、0.1%BSA添加RPMI1640に置換して3日間培養し、上清を回収した。その上清を0.2μmのフィルターでろ過した後、常法によりProtein Gカラム(Amersham Biosciences社)に吸着させ、0.1M グリシン緩衝液(pH2.8)で溶出を行ない、0.75M Tris−HCl(pH9.0)を用いてpHを中和した。その後、常法によりPBS(−)で透析を行なった。この試料中のAILIM/ICOS-IgFc、または各AILIM/ICOS-IgFc変異体の濃度を、抗AILIM/ICOS抗体を用いたELISA法により測定した。
実施例1で得た抗体について、抗原との反応性(CD20結合活性)、NK細胞Fcγ受容体IIIとの反応性(CD16結合活性)およびADCC誘導活性を測定した。
1.ヒト末梢血単核球の分離調製
ヒト血液を抗凝固剤(CPD)添加採血バック(テルモ社、テルモ血液バックCPD)に採取した。この血液を、50mlの遠心チューブ(Falcon社)に15mlずつ分注したLymphoprep(AXIS-SHIELD社)に重層し、取り扱い説明書に従って、スイング型細胞分離用遠心機にて、室温で1,600回転、30分の遠心を行なった。遠心後、取り扱い説明書に従って単核球層を回収し、ウシ血清アルブミン(BSA、シグマ社)を最終濃度0.5%(w/v)で添加したカルシウム、マグネシウム不含PBSにて3回洗浄後、ウシ胎児血清(FCS)を最終濃度10%で含有するRPMI1640培地(10%FCS含有RPMI1640)に分散して、ヒト末梢血由来単核球の細胞懸濁液とした。
Daudi細胞(ATCCカタログ番号CCL-213)を6×104個/ウェルの密度で96穴プレートに分注後、実施例1で得た各抗体変異体(Glu293Cys、Glu294Cys、Tyr296Cys、Ser298CysもしくはTyr300Cys)または野生型抗体を添加し、4℃で1時間反応させた。その後、3mM EDTA−0.5%BSA−PBS(−)(洗浄バッファー)で洗浄した。次に、洗浄バッファーで500倍希釈したHRP標識抗ヒトIgG抗体(Zymed社)を50μl/ウェルで添加し、4℃で1時間反応させた。反応後の細胞は洗浄バッファーで洗浄後、TMB substrate(KPL社)を100μl/ウェルで添加して発色後、1M HCl(Wako社)を100μl/ウェル添加して反応を停止し、プレートリーダー(VersaMax、Molecular Divices社)で450nmのOD値を測定した。結果を図1に示す。同図より、いずれの変異体も野生型と同等のCD20結合反応性を示すことが明らかとなり、変異体におけるアミノ酸置換が抗原認識能に影響を与えないことが判明した。
3−1.CD16発現CHO−K1細胞の作製
常法に従い、ヒト末梢血単核球からTrizol(Invitrogen社)を用いてRNA抽出を行い、ReverTra Ace(TOYOBO社)を用いてcDNA合成を行なった。CD16の5’末端と3’末端に結合するCD16センスプライマー(5’-TTTGAATTCatgtggcagctgctcct-3’、配列番号:152)、CD16アンチセンスプライマー(5’-AAAGCGGCCGCCCagtctcttgttgagcttc-3’、配列番号:153)をそれぞれ合成し、上記cDNAを鋳型としてExTaq polymerase(TaKaRa社)を用いてPCRを行なった。すなわち、テンプレートcDNA(10ng/μl)1μl、2.5mM dNTPs 4μl、プライマー混合液(各50μM)1μl、×10 Ex Taq polymerase Buffer 5μl、Ex Taq polymerase 0.25μlおよび滅菌水38.75μlからなる合計50μlの反応液を用い、94℃ 1分;94℃ 45秒、55℃ 1分、72℃ 2分(35サイクル);72℃ 10分で反応させた。PCR反応産物は1%アガロースゲル電気泳動後、cDNA断片をWizard SV Gel and PCR Clean-up System(Promega社)を用いて精製し、さらに制限酵素(EcoRIおよびNotI)処理を行なってpIRESpuro2に挿入し、CD16発現ベクターCD16/pIRESpuro2を得た。得られたベクターはABI3100-Avant(Applied Biosystems社)を用いてDNA塩基配列の確認を行った。
CD16発現CHO−K1細胞を6×104個/チューブになるように分取し、実施例1で得た各抗体変異体(Tyr296CysもしくはSer298Cys)または野生型抗体を添加して全量を50μl/チューブとし、4℃で1時間反応させた。その後、3mM EDTA−0.5%BSA−PBS(−)(洗浄バッファー)で洗浄した。次に、洗浄バッファーで200倍希釈したビオチン標識マウス抗ヒトIgGκ L chain 抗体(Vector Lab社)を100μl/チューブで添加した。4℃で30分反応後、3mM EDTA−0.5%BSA−PBS(−)で洗浄し、洗浄バッファーで400倍希釈したPE標識ストレプトアビジン(BD-Pharmingen社)を100μl/チューブで添加し、4℃で30分反応させた。反応終了後、3mM EDTA−0.5%BSA−PBS(−)で2回洗浄してCD16に結合した抗CD20抗体をフローサイトメーター(FACS Caliber、BecktonDickinson社)により解析した。結果を図2に示す。同図より、いずれの変異体のCD16結合反応性も野生型に対して顕著に向上していることが判明した。すなわち、同一の効果を奏する濃度で比較した場合、Tyr296Cys変異体は野生型の約5倍、Ser298Cys変異体は野生型の約10倍もの活性を示した。この結果は、本発明のポリペプチドが高いエフェクター機能を有することを示すものである。
ADCC活性の測定には、ターゲット細胞としてDaudi細胞(ATCCカタログ番号CCL-213)を、エフェクター細胞として上記1.で得たヒト末梢血単核球をそれぞれ用いた。常法によりDaudi細胞を10%FCS、10%WEHI−3培養上清(IL−3)含有RPMI1640培地に4×105個/mlの濃度になるよう懸濁し、25μlずつU底96穴プレート(Falcon社)に播いた。抗CD20キメラ抗体アミノ酸変異体(Ser298Cys)または野生型抗CD20キメラ抗体を所定濃度になるよう10%FCS加RPMI1640培地で希釈し、25μlずつU底96穴プレート(Falcon社)にさらに添加し、37℃にて1時間反応させた。その後、末梢血単核球を5×105個/ウェルとなるように添加し、37℃にて16時間培養した。培養後、プレートを遠心して、上清を50μlずつウェルごとに回収し、新しい平底96穴プレートに移した。各ウェルにAssay Buffer(CytoTox96(登録商標)Non-Radioactive Cytotoxicity Assay、Promega社)を50μl加え、室温で30分、遮光下で反応させ、その後、50μlのStop Buffer(CytoTox96(登録商標)Non-Radioactive Cytotoxicity Assay)を加え、それぞれのOD値を490nmで測定した。
Claims (15)
- KabatのEUインデックス番号で296番目のアミノ酸および298番目のアミノ酸からなる群から選択されるアミノ酸がシステイン残基に置き換えられたFc領域をFc受容体結合部分として含む、エフェクター機能を有するポリペプチド。
- 細胞結合部分をさらに含む、請求項1に記載のポリペプチド。
- 細胞結合部分が、サイトカイン受容体、細胞接着分子、がん細胞表層分子、がん幹細胞表層分子、血液細胞表層分子、ウイルス感染細胞表層分子からなる群から選択される少なくとも1種の分子を認識またはこれと結合する、請求項2に記載のポリペプチド。
- 細胞結合部分が、抗原CD3、CD11a、CD20、CD22、CD25、CD28、CD33、CD52、Her2/neu、EGF受容体、EpCAM、MUC1、GD3、CEA、CA125、HLA−DR、TNFα受容体、VEGF受容体、CTLA−4、AILIM/ICOS、B7h、CD80、CD86、インテグリン分子からなる群から選択される少なくとも1種の分子を認識またはこれと結合する、請求項3に記載のポリペプチド。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のポリペプチドをコードする単離された核酸。
- 請求項5に記載の核酸を含むベクター。
- 請求項6に記載のベクターを有する宿主細胞または宿主生物(ヒトを除く)。
- 請求項7に記載の宿主細胞または宿主生物を、核酸がコードするポリペプチドを発現するように培養することを特徴とするポリペプチドの製造方法。
- Fc領域含有ポリペプチドのFc領域における、KabatのEUインデックス番号で296番目のアミノ酸および298番目のアミノ酸からなる群から選択されるアミノ酸をシステイン残基に置換する工程を含む、エフェクター機能の高いFc領域含有ポリペプチドをin vitroで製造する方法。
- 請求項9に記載の方法で製造されたポリペプチド。
- 抗体のFc領域における、KabatのEUインデックス番号で296番目のアミノ酸および298番目のアミノ酸からなる群から選択されるアミノ酸をシステイン残基に置換する工程を含む、抗体のエフェクター機能を高めるin vitro方法。
- 請求項11に記載の方法により得られた抗体。
- 抗体のFc領域における、KabatのEUインデックス番号で296番目のアミノ酸および298番目のアミノ酸からなる群から選択されるアミノ酸をシステイン残基に置換するように、抗体産生細胞のFc領域をコードする遺伝子を変異させる工程を含む、高エフェクター機能抗体産生細胞をin vitroで作製する方法。
- 請求項13に記載の方法により作製された抗体産生細胞。
- 請求項1〜4および10のいずれかに記載のポリペプチド、請求項12に記載の抗体、請求項5に記載の核酸、請求項6に記載のベクター、請求項7に記載の宿主細胞または宿主生物および/または請求項14に記載の細胞を含む医薬組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009538244A JP5620106B2 (ja) | 2007-10-24 | 2008-10-23 | 増強されたエフェクター機能を有するポリペプチド |
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007276935 | 2007-10-24 | ||
JP2007276935 | 2007-10-24 | ||
PCT/JP2008/069189 WO2009054435A1 (ja) | 2007-10-24 | 2008-10-23 | 増強されたエフェクター機能を有するポリペプチド |
JP2009538244A JP5620106B2 (ja) | 2007-10-24 | 2008-10-23 | 増強されたエフェクター機能を有するポリペプチド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2009054435A1 JPWO2009054435A1 (ja) | 2011-03-03 |
JP5620106B2 true JP5620106B2 (ja) | 2014-11-05 |
Family
ID=40579537
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009538244A Expired - Fee Related JP5620106B2 (ja) | 2007-10-24 | 2008-10-23 | 増強されたエフェクター機能を有するポリペプチド |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20120047586A9 (ja) |
EP (1) | EP2230300A4 (ja) |
JP (1) | JP5620106B2 (ja) |
WO (1) | WO2009054435A1 (ja) |
Families Citing this family (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TW201302793A (zh) | 2010-09-03 | 2013-01-16 | Glaxo Group Ltd | 新穎之抗原結合蛋白 |
TWI595007B (zh) | 2012-09-10 | 2017-08-11 | Neotope Biosciences Ltd | 抗mcam抗體及相關使用方法 |
US9352020B2 (en) | 2013-03-15 | 2016-05-31 | Mead Johnson Nutrition Company | Reducing proinflammatory response |
US9345727B2 (en) | 2013-03-15 | 2016-05-24 | Mead Johnson Nutrition Company | Nutritional compositions containing a peptide component and uses thereof |
US9289461B2 (en) | 2013-03-15 | 2016-03-22 | Mead Johnson Nutrition Company | Reducing the risk of autoimmune disease |
US8889633B2 (en) | 2013-03-15 | 2014-11-18 | Mead Johnson Nutrition Company | Nutritional compositions containing a peptide component with anti-inflammatory properties and uses thereof |
US9345741B2 (en) | 2013-03-15 | 2016-05-24 | Mead Johnson Nutrition Company | Nutritional composition containing a peptide component with adiponectin simulating properties and uses thereof |
US9138455B2 (en) | 2013-03-15 | 2015-09-22 | Mead Johnson Nutrition Company | Activating adiponectin by casein hydrolysate |
US20150232935A1 (en) * | 2014-02-14 | 2015-08-20 | The General Hospital Corporation | Methods for diagnosing igg4-related disease |
CA2938933A1 (en) | 2014-03-12 | 2015-09-17 | Prothena Biosciences Limited | Anti-laminin4 antibodies specific for lg4-5 |
PT3116911T (pt) | 2014-03-12 | 2019-09-04 | Prothena Biosciences Ltd | Anticorpos anti-mcam e métodos de utilização associados |
EP3877408A4 (en) * | 2018-11-06 | 2022-08-24 | University of Miami | COMPOSITIONS AND PRODUCTION OF RECOMBINANT AAV VIRUS VECTORS CAPABLE OF IN VIVO GLYCOENGINEERING |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004063351A2 (en) * | 2003-01-09 | 2004-07-29 | Macrogenics, Inc. | IDENTIFICATION AND ENGINEERING OF ANTIBODIES WITH VARIANT Fc REGIONS AND METHODS OF USING SAME |
WO2004074455A2 (en) * | 2003-02-20 | 2004-09-02 | Applied Molecular Evolution | Fc REGION VARIANTS |
WO2006019447A1 (en) * | 2004-07-15 | 2006-02-23 | Xencor, Inc. | Optimized fc variants |
WO2006104989A2 (en) * | 2005-03-29 | 2006-10-05 | Verenium Corporation | Altered antibody fc regions and uses thereof |
Family Cites Families (39)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58201994A (ja) | 1982-05-21 | 1983-11-25 | Hideaki Hagiwara | 抗原特異的ヒト免疫グロブリンの生産方法 |
ATE282692T1 (de) | 1983-01-13 | 2004-12-15 | Max Planck Gesellschaft | Nichtonkogenisches ti-plasmidvektorsystem und für das einschleusen expressionsfähiger gene in pflanzengenomen verwendbare rekombinante dna- moleküle |
NL8300698A (nl) | 1983-02-24 | 1984-09-17 | Univ Leiden | Werkwijze voor het inbouwen van vreemd dna in het genoom van tweezaadlobbige planten; agrobacterium tumefaciens bacterien en werkwijze voor het produceren daarvan; planten en plantecellen met gewijzigde genetische eigenschappen; werkwijze voor het bereiden van chemische en/of farmaceutische produkten. |
ATE73845T1 (de) | 1984-05-11 | 1992-04-15 | Ciba Geigy Ag | Transformation von pflanzenerbgut. |
US5091178A (en) | 1986-02-21 | 1992-02-25 | Oncogen | Tumor therapy with biologically active anti-tumor antibodies |
ZA872705B (en) | 1986-04-22 | 1987-10-05 | Immunex Corporation | Human g-csf protein expression |
IL84459A (en) | 1986-12-05 | 1993-07-08 | Agracetus | Apparatus and method for the injection of carrier particles carrying genetic material into living cells |
EP0832981A1 (en) | 1987-02-17 | 1998-04-01 | Pharming B.V. | DNA sequences to target proteins to the mammary gland for efficient secretion |
JP2928287B2 (ja) | 1988-09-29 | 1999-08-03 | 協和醗酵工業株式会社 | 新規ポリペプチド |
JPH02257891A (ja) | 1989-03-31 | 1990-10-18 | Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd | 組換え動物細胞による蛋白質の製造 |
JPH0322979A (ja) | 1989-06-19 | 1991-01-31 | Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd | 新規プラスミノーゲン活性化因子 |
US5204253A (en) | 1990-05-29 | 1993-04-20 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Method and apparatus for introducing biological substances into living cells |
GB9015198D0 (en) | 1990-07-10 | 1990-08-29 | Brien Caroline J O | Binding substance |
WO1992020791A1 (en) | 1990-07-10 | 1992-11-26 | Cambridge Antibody Technology Limited | Methods for producing members of specific binding pairs |
ES2108048T3 (es) | 1990-08-29 | 1997-12-16 | Genpharm Int | Produccion y utilizacion de animales inferiores transgenicos capaces de producir anticuerpos heterologos. |
DK0605522T3 (da) | 1991-09-23 | 2000-01-17 | Medical Res Council | Fremgangsmåde til fremstilling af humaniserede antistoffer |
ES2227512T3 (es) | 1991-12-02 | 2005-04-01 | Medical Research Council | Produccion de anticuerpos contra auto-antigenos a partir de repertorios de segmentos de anticuerpos fijados en un fago. |
CA2124967C (en) | 1991-12-17 | 2008-04-08 | Nils Lonberg | Transgenic non-human animals capable of producing heterologous antibodies |
JP3131322B2 (ja) | 1991-12-17 | 2001-01-31 | 協和醗酵工業株式会社 | 新規α2→3シアリルトランスフェラーゼ |
US5667988A (en) | 1992-01-27 | 1997-09-16 | The Scripps Research Institute | Methods for producing antibody libraries using universal or randomized immunoglobulin light chains |
JP3507073B2 (ja) | 1992-03-24 | 2004-03-15 | ケンブリッジ アンティボディー テクノロジー リミティド | 特異的結合対の成員の製造方法 |
DE69334225D1 (de) | 1992-07-07 | 2008-07-31 | Japan Tobacco Inc | Verfahren zur transformation einer monokotyledon pflanze |
CA2140638C (en) | 1992-07-24 | 2010-05-04 | Raju Kucherlapati | Generation of xenogeneic antibodies |
GB9313509D0 (en) | 1993-06-30 | 1993-08-11 | Medical Res Council | Chemisynthetic libraries |
US6214613B1 (en) | 1993-12-03 | 2001-04-10 | Ashai Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha | Expression screening vector |
EP0731842A1 (en) | 1993-12-03 | 1996-09-18 | Medical Research Council | Recombinant binding proteins and peptides |
CA2219361C (en) | 1995-04-27 | 2012-02-28 | Abgenix, Inc. | Human antibodies derived from immunized xenomice |
EP0823941A4 (en) | 1995-04-28 | 2001-09-19 | Abgenix Inc | HUMAN ANTIBODIES DERIVED FROM IMMUNIZED XENO MOUSES |
FR2761994B1 (fr) | 1997-04-11 | 1999-06-18 | Centre Nat Rech Scient | Preparation de recepteurs membranaires a partir de baculovirus extracellulaires |
ES2694002T3 (es) | 1999-01-15 | 2018-12-17 | Genentech, Inc. | Polipéptido que comprende una región Fc de IgG1 humana variante |
US6737056B1 (en) * | 1999-01-15 | 2004-05-18 | Genentech, Inc. | Polypeptide variants with altered effector function |
US20040132101A1 (en) * | 2002-09-27 | 2004-07-08 | Xencor | Optimized Fc variants and methods for their generation |
WO2003074679A2 (en) * | 2002-03-01 | 2003-09-12 | Xencor | Antibody optimization |
US7317091B2 (en) | 2002-03-01 | 2008-01-08 | Xencor, Inc. | Optimized Fc variants |
DE60334453D1 (de) * | 2002-05-30 | 2010-11-18 | Macrogenics Inc | Cd16a bindungsproteine und verwendung zur behandlung von immunkrankheiten |
US20080089892A1 (en) | 2004-01-12 | 2008-04-17 | Eli Lilly And Co. | Fc Region Variants |
JP2005224240A (ja) | 2004-01-13 | 2005-08-25 | Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd | ノックアウト非ヒト動物から樹立された不死化細胞株 |
WO2006017647A1 (en) * | 2004-08-03 | 2006-02-16 | Transtech Pharma, Inc. | Rage fusion proteins and methods of use |
JP5242382B2 (ja) * | 2006-04-14 | 2013-07-24 | 株式会社医学生物学研究所 | エフェクター機能を有するポリペプチド変異体 |
-
2008
- 2008-10-23 JP JP2009538244A patent/JP5620106B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2008-10-23 US US12/739,480 patent/US20120047586A9/en not_active Abandoned
- 2008-10-23 WO PCT/JP2008/069189 patent/WO2009054435A1/ja active Application Filing
- 2008-10-23 EP EP08842029A patent/EP2230300A4/en not_active Withdrawn
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004063351A2 (en) * | 2003-01-09 | 2004-07-29 | Macrogenics, Inc. | IDENTIFICATION AND ENGINEERING OF ANTIBODIES WITH VARIANT Fc REGIONS AND METHODS OF USING SAME |
WO2004074455A2 (en) * | 2003-02-20 | 2004-09-02 | Applied Molecular Evolution | Fc REGION VARIANTS |
WO2006019447A1 (en) * | 2004-07-15 | 2006-02-23 | Xencor, Inc. | Optimized fc variants |
WO2006104989A2 (en) * | 2005-03-29 | 2006-10-05 | Verenium Corporation | Altered antibody fc regions and uses thereof |
Non-Patent Citations (5)
Title |
---|
JPN6008057830; SHIELDS Robert L. et al.: 'Lack of Fucose on Human IgG1 N-Linked Oligosaccharide Improves Binding to Human FcRIII and Antibody-' The Journal of Biological Chemistry Vol.277, 20020726, p.26733-26740 * |
JPN6008057833; SATOH Mitsuo et al.: 'The Current Stream and Prospect of Glycoscience Application -Therapeutic Antibodies-' Trends in Glycoscience and Glycotechnology Vol.18, 200603, p.129-136 * |
JPN6008057833; Trends in Glycoscience and Glycotechnology Vol.18, 200603, p.129-136 * |
JPN6008057835; Chemistry & Biology Vol.10, 2003, p.807-814 * |
JPN6008057835; WATT Gregory M. et al.: 'Site-specific glycosylation of an aglycosylated human IgG1-Fc antibody protein generates neoglycopro' Chemistry & Biology Vol.10, 2003, p.807-814 * |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20120047586A9 (en) | 2012-02-23 |
EP2230300A1 (en) | 2010-09-22 |
JPWO2009054435A1 (ja) | 2011-03-03 |
US20100306864A1 (en) | 2010-12-02 |
WO2009054435A1 (ja) | 2009-04-30 |
EP2230300A4 (en) | 2012-08-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5620106B2 (ja) | 増強されたエフェクター機能を有するポリペプチド | |
JP5242382B2 (ja) | エフェクター機能を有するポリペプチド変異体 | |
US10040861B2 (en) | Antibody variants composition | |
CA2676529C (en) | Genetically recombinant antibody composition having enhanced effector activity | |
JP4832719B2 (ja) | FcγRIIIa多型患者に適応する抗体組成物含有医薬 | |
CA2616256C (en) | Genetically modified antibody composition | |
US9540442B2 (en) | Antibodies or fusion proteins multimerized via cysteine mutation and a mu tailpiece | |
WO2010074266A1 (ja) | 抗cd4抗体 | |
JP6792552B2 (ja) | Ccr6と結合する抗体およびその使用 | |
US20170190781A1 (en) | Anti-death receptor 3 (dr3) antagonistic antibodies with reduced agonistic activity | |
EP3230311B1 (en) | Soluble universal adcc-enhancing synthetic fusion gene and peptide technology and its use thereof | |
JP5427348B2 (ja) | エフェクター機能が向上した抗体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20111021 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20111021 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20120816 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20120815 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130618 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130819 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140422 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140526 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140819 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140918 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5620106 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D04 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |