JP5619354B2 - 燃料組成物 - Google Patents

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Description

本発明はディーゼル燃料組成物、その製造法及び使用法、並びに新規目的で燃料組成物に特定種類の燃料を使用する方法に関する。
通常のディーゼル燃料は、沸点範囲が約150〜400℃の液体炭化水素中間蒸留物燃料油を含有する。この種の燃料油は、従来、石油から誘導される。
しかし、ディーゼル燃料として、フィッシャー・トロプシュメタン縮合法、例えばシェル中間蒸留物合成として知られている方法(van der Burgt等、“シェル中間蒸留物合成法”、第5回合成燃料ワールドワイドシンポジウム、ワシントン州、1985年11月で報告された論文;Shell International Petroleum Company Ltd、英国ロンドンからの同じ表題の刊行物、1989年11月も参照)のガス油反応生成物を使用することも知られている。
この種のフィッシャー・トロプシュ誘導ガス油は、GTL(ガス〜液体、Gas−to−Liquid)ディーゼル燃料として知られ、硫黄、窒素、芳香族等の望ましくない燃料成分が少なく、またその石油誘導対応品よりも密度が低い。その結果、従来の石油誘導ディーゼル燃料とブレンドして、自動車の放出物、特に微粒子や黒煙を減少できるが、このような放出物の量は、燃料の密度と密接に連携している。
GB−B−2077289 EP−A−0147837 EP−A−0583836 US−A−4125566 US−A−4478955 WO−A−98/01516 EP−A−1101813 WO−A−97/14768 WO−A−97/14769 WO−A−00/20534 WO−A−00/20535 WO−A−00/11116 WO−A−00/11117 WO−A−01/83406 WO−A−01/83641 WO−A−01/83647 WO−A−01/83648 US−A−6204426 GB−A−960493 EP−A−0147240 EP−A−0482253 EP−A−0613938 EP−A−0557516 WO−A−98/42808 US−A−4208190 WO−A−94/33805 WO−A−94/17160 US−A−5490864 van der Burgt等、"シェル中間蒸留物合成法"、第5回合成燃料ワールドワイドシンポジウム、ワシントン州、1985年11月で報告された論文 Danping Wei及びH.A.Spikesによる論文、"The Lubricity of Diesel Fiuels"Wear,III(1986)217−235
しかし、今回、ガス油以外のGTLフラクションは、従来の製油所ディーゼル燃料と首尾よくブレンドして、所望の特性を有する燃料組成物が得られることが見出された。
本発明の第一態様では、非フィッシャー・トロプシュ誘導ディーゼルベース燃料及びフィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物を含む燃料組成物が提供される。
この組成物は、ブレンド成分として更にフィッシャー・トロプシュ誘導ガス油を含むことが好ましい。
この燃料組成物は、好ましくは自動車、更に好ましくは内燃機関用の燃料成分である。最も好ましくはディーゼル燃料組成物である。
非フィッシャー・トロプシュ誘導ディーゼルベース燃料は、通常、石油誘導ディーゼル(即ち、ガス油)ベース燃料であるが、一般には、いかなる好適な液体炭化水素中間蒸留物燃料油であってもよく、石油から誘導されても誘導されなくてもよい。このような燃料は、普通、通常のディーゼルの沸点範囲である150〜400℃内の沸点を有する。このベース燃料は、フィッシャー・トロプシュから誘導されない限り、有機的に又は合成的に誘導してよい。
ベース燃料は、15℃での密度(例えばASTM D4502又はIP 365)が、通常、0.75〜0.9g/cm、好ましくは0.8〜0.86g/cmであり、セタン価が、ASTM D613又はIP 498[IQT]のいずれかで測定して35〜80、更に好ましくは40〜75である。初期沸点は150〜230℃の範囲であり、最終沸点は290〜400℃の範囲である。40℃での動粘度(ASTM D445)は、好適には1.5〜4.5cStであってよい。
石油誘導ガス油は、原油供給源の精製及び任意の(水素化)処理で得られる。このような製油所プロセスから得られる単一のガス油流であっても、或いは製油所プロセスで異なる処理方法により得られる数種のガス油フラクションのブレンドであってもよい。このようなガス油フラクションの例は、直留ガス油、真空ガス油、熱分解法で得られるようなガス油、流動接触分解ユニットで得られるような軽質及び重質のサイクル油、及び水素化分解ユニットから得られるようなガス油である。石油誘導ガス油は、任意に若干の石油誘導ケロシンフラクションを含有してよい。
石油誘導ガス油の一例は、スエーデンクラス1ベース燃料である。このベース燃料の密度は、15℃(ASTM D4502又はIP 365)で0.800〜0.820g/cm、セタン価(IP 498[IQT])は51を超え、T95(ASTM D86又はIP 123)は285℃以下、40℃での動粘度(ASTM D445)は、スエーデン国家規格EClで定義されるように、1.2〜4.0cStである。
このようなガス油は、硫黄含有量がディーゼル燃料組成物中の好適な含有水準まで低下するように水素化脱硫(HDS)ユニットで処理してよい。
本発明の燃料組成物においては、ベース油自体、前述のような2種以上のディーゼル燃料成分の混合物を含有してよい。また、植物油又はその他のいわゆる“バイオディーゼル”燃料で構成されても或いは含有してもよい。
“フィッシャー・トロプシュ誘導”とは、燃料がフィッシャー・トロプシュ縮合法の合成生成物又はその誘導体であることを意味する。用語“非フィッシャー・トロプシュ誘導”は、これに従って解釈してよい。フィッシャー・トロプシュ誘導燃料は、GTL燃料と言ってもよい。
フィッシャー・トロプシュ反応は、一酸化炭素及び水素を適当な触媒の存在下、通常、高温(例えば125〜300℃、好ましくは175〜250℃)及び/又は高圧(例えば5〜100バール、好ましくは12〜50バール)で長鎖の、通常、パラフィン系の、炭化水素:
n(CO+2H)=(−CH−)+nHO+熱
に転化させる。所望ならば、2:1以外の水素:一酸化炭素比を採用してよい。
一酸化炭素及び水素自体は、有機又は無機、天然又は合成の供給源、通常、天然ガス又は有機的に誘導したメタンのいずれからも誘導できる。
ガス油及びケロシン生成物は、フィッシャー・トロプシュ反応から直接得てもよいし、或いは例えばフィッシャー・トロプシュ合成生成物の分別により、又は水素化フィッシャー・トロプシュ合成生成物から間接的に得てもよい。水素化処理は、沸点範囲を調節するため、水素化分解工程(例えばGB−B−2077289、EP−A−0147837)及び/又は分岐鎖パラフィンの割合増大により常温流れ特性の向上が可能な水素化異性化工程を含むことができる。EP−A−0583836には2段階水素化処理法が記載されている。この方法は、まずフィッシャー・トロプシュ合成生成物に対し、実質的に異性化又は水素化分解(オレフィン性成分及び酸素含有成分を水素化する)を受けないような条件下で水素化転化を行ない、次いで得られた生成物の少なくとも一部を、水素化分解又は水素化異性化が起こって実質的にパラフィン系の炭化水素燃料が生成するような条件下で水素化転化するというものである。次に、所望のガス油フラクションは、例えば蒸留により単離できる。
フィッシャー・トロプシュ縮合生成物の特性を改質するため、例えばUS−A−4125566やUS−A−4478955に記載されるように、重合、アルキル化、蒸留、分解−脱カルボキシル化、異性化、水素化改質等、その他の後合成処理も採用できる。
パラフィン系炭化水素のフィッシャー・トロプシュ合成用触媒は、一般に触媒活性成分として、周期律表第VIII族の金属、特にルテニウム、鉄、コバルト又はニッケルを含有する。これら好適な触媒は、例えばEP−A−0583836(第3、4頁)に記載されている。
フィッシャー・トロプシュをベースとする方法の一例は、前述のvan der Burgt等、“シェル中間蒸留物合成法”に記載されるSMDS(シェル中間蒸留物合成)である。この方法(時にはシェル“ガス〜液体”又は“GTL”技術とも言われる)は、天然ガス(主としてメタン)誘導合成ガスの重質長鎖炭化水素(パラフィン)蝋への転化により中間蒸留物範囲の生成物を生成する。次に、この重質長鎖炭化水素蝋は、水素化転化し精留して、ディーゼル燃料組成物に使用できるガス油のような液体輸送燃料を製造できる。現在、接触転化工程用に固定床反応器を用いた改訂SMDS法がマレーシアのBintuluで使用中で、得られるガス油生成物は、市販の自動車燃料中で石油誘導ガス油とブレンドされている。
SMDS法で製造したガス油及びケロシンは、例えばシェル社から市販されている。フィッシャー・トロプシュ誘導ガス油の他の例は、EP−A−0583836、EP−A−1101813、WO−A−97/14768、WO−A−97/14769、WO−A−00/20534、WO−A−00/20535、WO−A−00/11116、WO−A−00/11117、WO−A−01/83406、WO−A−01/83641、WO−A−01/83647、WO−A−01/83648及びUS−A−6204426に記載されている。
フィッシャー・トロプシュ法によりフィッシャー・トロプシュ誘導燃料は硫黄及び窒素を全く含まないか、含有しても検出不能な水準である。これらのヘテロ原子を含む化合物は、フィッシャー・トロプシュ触媒の触媒毒として作用する傾向があるので、合成ガス原料から除去される。これは触媒性能への影響の観点から、本発明燃料組成物の別の利点となり得る。
更に、通常操作されるフィッシャー・トロプシュ法は、芳香族成分を生成しないか又は殆ど生成しない。フィッシャー・トロプシュ誘導燃料の芳香族成分は、ASTM D4629により好適に測定でき、通常、1%w/w未満、好ましくは0.5%w/w未満、更に好ましくは0.1%w/w未満である。
概してフィッシャー・トロプシュ誘導燃料は、例えば石油誘導燃料に比べて、極性成分、特に極性界面活性剤の水準が比較的低い。これにより消泡性及び消曇性(dehazing)の向上に寄与するものと考えられる。このような極性成分としては、例えば酸素化物及び硫黄・窒素含有化合物が挙げられる。フィッシャー・トロプシュ誘導燃料中で硫黄水準が低いと、酸素化物も窒素含有化合物も低水準であることを示す。これは両方とも同じ処理法で除去されるからである。
フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料は、蒸留範囲が好適には140〜260℃、好ましくは145〜255℃、更に好ましくは150〜250℃又は150〜210℃の液体炭化水素中間蒸留物燃料である。最終沸点は、通常、190〜260℃、例えば通常の“狭いカット”のケロシンフラクションでは190〜210℃、通常の“全カット”のフラクションでは240〜260℃である。初期沸点は、好ましくは140〜160℃、更に好ましくは145〜160℃である。繰り返すが、フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシンは、硫黄、窒素及び芳香族のような望ましくない燃料成分は少ない傾向がある。
フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料の15℃での密度は、好ましくは0.730〜0.760g/cm、例えば狭いカットのフラクションでは0.730〜0.745g/cm、全カットのフラクションでは0.735〜0.760g/cmである。硫黄含有量は、好ましくは5ppmw(百万部当たり重量部)以下である。セタン価は、特に63〜75、例えば狭いカットのフラクションでは65〜69、全カットのフラクションでは68〜73である。SMDS法の生成物の好ましい特徴は、フィッシャー・トロプシュ誘導ガス油と関連して以下に述べるとおりである。
本発明で使用されるフィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物は、明確な仕上げ生成物として製造したもので、仕上げ生成物は、販売するにも、またケロシン燃料の特定の特徴を必要とする用途に使用するのにも好適である。特に、前述のように、通常、フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料に関する範囲内にある蒸留範囲を示す。
本発明の燃料組成物は、2種以上のフィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物を含有してよい。
フィッシャー・トロプシュ誘導ガス油は、ディーゼル燃料として使用するのに好適でなければならない。したがって、ガス油の成分(又はガス油の例えば95%w/w以上の部分)は、通常のディーゼル燃料(“ガス油”)の範囲内の沸点、即ち、約150〜400℃又は170〜370℃の沸点を有する。好適には90%w/w蒸留温度が300〜370℃である。
本発明ではフィッシャー・トロプシュ誘導ガス油は、好適には70%w/w以上、好ましくは80%w/w以上、更に好ましくは90%w/w以上、最も好ましくは95%w/w以上がパラフィン系成分、好ましくはイソ−及び線状-パラフィンで構成される。イソパラフィンとノーマルパラフィンとの重量比は、好適には0.3を超え、12以下であってよく、好適には2〜6である。この比の実用(actual)値は、フィッシャー・トロプシュ合成生成物からガス油を製造するのに使用した水素化転化法により、一部、決定される。若干の環状パラフィンも存在してよい。
本発明に使用可能なフィッシャー・トロプシュ誘導ガス油は、通常、15℃での密度が0.76〜0.79g/cm、セタン価(ASTM D613)が70を超え、好適には74〜85、40℃での動粘度(ASTM D445)が2〜4.5cSt、好ましくは2.5〜4.0cSt、更に好ましくは2.9〜3.7cSt、硫黄含有量(ASTM D2622)が5ppmw以下、好ましくは2ppmw以下である。
水素/一酸化炭素比が2.5未満、好ましくは1.75未満、更に好ましくは0.4〜1.5で、理想的にはコバルト含有触媒を用いてフィッシャー・トロプシュメタン縮合反応により製造した生成物が好ましい。好適には、水素化分解したフィッシャー・トロプシュ合成生成物(例えばGB−B−2077289及び/又はEP−A−0147873に記載)、更に好ましくは前記EP−A−0583836に記載されるような2段階水素化転化法の生成物から得られるものである。後者の場合、水素化転化法の好ましい特徴は、EP−A−0583836の第4〜6頁及び実施例に開示されたとおりでよい。
本発明の燃料組成物は、2種以上のフィッシャー・トロプシュ誘導ガス油の混合物を含有してよい。
組成物中に存在するフィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物及び他のいかなる燃料成分も好適にはいずれも周囲条件下で液体形である。
燃料組成物は、全体的に硫黄が少ないか、非常に少ない燃料組成物又は硫黄を含まない燃料組成物で、例えば硫黄含有量は500ppmw以下、好ましくは350ppmw以下、最も好ましくは100又は50ppmw以下、更には10ppmw以下である。
燃料組成物が自動車ディーゼル燃料組成物である場合、適用可能な現在の標準規格、例えばEN 590:99の範囲内であることが好ましい.この場合、15℃での密度は0.82〜0.845g/cm、最終沸点(ASTM D86)は360℃以下、セタン価(ASTM D613)は51以上、40℃での動粘度(ASTM D445)は2〜4.5cSt、硫黄含有量(ASTM D2622)は350ppmw以下、及び/又は合計芳香族含有量(IP 391(mod))は11未満である。
本発明の燃料組成物は、非フィッシャー・トロプシュ誘導ディーゼルベース燃料を好ましくは50%v/v以上、更に好ましくは70%v/v以上、なお更に好ましくは80%v/v以上、85%v/v以上、90%v/v以上、95%v/v以上、97%v/v以上又は98%v/v以上含有する。非フィッシャー・トロプシュ誘導ディーゼルベース燃料の最大濃度は、好適には99%v/v以下である。したがって、非フィッシャー・トロプシュ誘導ディーゼルベース燃料は50〜99%v/vの範囲で存在してよい。この量は、以下に説明するように、所望量のフィッシャー・トロプシュ誘導燃料成分を含む場合は、バランス量を示す。
燃料組成物は、フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物を50%v/v以下、好ましくは40%v/v以下又は30%v/v以下、更に好ましくは20%v/v以下、なお更に好ましくは15%v/v以下又は10%v/v以下含有できる。幾つかの例では、燃料組成物はフィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物を8%v/v以下、好ましくは6%v/v以下、6%v/v以下、5%v/v以下、3%v/v以下又は2%v/v以下含有するのが好適かも知れない。特定の実施態様では、フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物の濃度は2%v/v以下、例えば1%v/v、0.5%v/v又は0.2%v/vのように低濃度であってよい。好適な濃度は、0.5〜20%v/vの範囲、例えば0.5〜18%v/v又は1〜15%v/vの範囲であってよい。
フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物の正確な使用量は、所望の燃料特性に依存する。例えば高加速燃料を必要とする場合、フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物の含有量は、例えば1〜3%v/vのように0.5〜5又は10%v/vと少なくできる。
しかし、自動車からの放出物を少なく保持するため、低密度が必要な場合、例えば5〜15%v/vと比較的多量であることが好ましいかも知れない。
燃料組成物は、フィッシャー・トロプシュ誘導ガス油を、50%v/v以下、例えば1〜49%v/v、好ましくは40%v/v以下又は30%v/v以下、更に好ましくは20%v/v以下、15%v/v以下、10%v/v以下、9%v/v以下、8%v/v以下又は5%v/v以下含有してよい。存在すればフィッシャー・トロプシュ誘導ガス油の濃度は、2%v/vのように低く、例えば1%v/vのように低く、例えば0.5%v/vまで(down to)又は更には0.2%v/vのように低くてよい。好適な濃度は0.5〜50%v/v、例えば1〜50%v/v、更に好適には2〜30%v/v、例えば2〜18%v/v、好ましくは3〜15%v/v、例えば5〜15%v/vの範囲であってよい。
特に好ましい組成物は、フィッシャー・トロプシュ誘導燃料ブレンドを20%v/v以下(例えば0.5〜20%v/v、更に好ましくは1〜15%v/v)含有する。このブレンドは、フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物及びフィッシャー・トロプシュ誘導ガス油の両方を含有する。ケロシン燃料対ガス油比は、1:10〜10:1、例えば1:5〜5:1又は1:2〜2:1であってよい。特に好適な範囲は、1:5〜1:1、例えば1:3又は1:2〜1:1である。フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物及びフィッシャー・トロプシュ誘導ガス油を含むブレンドは、理想的には1〜50%v/v、例えば1〜30%v/v、好ましくは1〜20%v/v、更に好ましくは5〜15%v/vの濃度で全燃料組成物中に導入される。
他の好ましい組成物は、フィッシャー・トロプシュ誘導ガス油を含有せず、したがって、フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物が単独で使用される。
濃度は全て、特記しない限り、全燃料組成物に対する百分率として示す。
フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物及び、存在すれば、フィッシャー・トロプシュ誘導ガス油の濃度は、一般に全燃料組成物の密度、セタン価、発熱量及び/又はその他の関連特性を例えば商用又は指定の規格の所望範囲内に保持するように選択される。
本発明のディーゼル燃料組成物は、フィッシャー・トロプシュ誘導ディーゼルベース燃料及びフィッシャー・トロプシュ誘導燃料以外の他の成分を含有してよい。
ベース燃料自体は、添加剤を含有しても含有しなくてもよい。例えば製油所で添加剤を添加する場合、帯電防止剤、パイプラインドラッグレデューサー(drug reducer)、流れ改良剤(例えばエチレン/酢酸ビニル共重合体又はアクリレート/無水マレイン酸共重合体)、潤滑性添加剤、酸化防止剤及び蝋沈降防止剤から選択された1種以上の添加剤を少量含有する.
洗浄剤含有ディーゼル燃料添加剤は公知で市販されている。このような添加剤は、エンジン沈着物の堆積を減少、除去又は遅らせるよう意図した水準でディーゼル燃料に添加してよい。
この目的で燃料添加剤に使用するのに好適な洗浄剤の例としては、ポリオレフィン置換スクシンイミド又はポリアミンのスクシンアミド、例えばポリイソブチレンスクシンイミド又はポリイソブチレンアミンスクシンアミド、脂肪族アミン、マンニッヒ塩基又はアミン及びポリオレフィン(例えばポリイソブチレン)無水マレイン酸が挙げられる。スクシンイミド分散性添加剤は、例えばGB−A−960493、EP−A−0147240、EP−A−0482253、EP−A−0613938、EP−A−0557516及びWO−A−98/42808に記載されている。ポリイソブチレンスクシンイミドのようなポリオレフィン置換スクシンイミドが特に好ましい。
添加剤は、洗浄剤以外に他の成分を含んでいてよい。例えば、潤滑性強化剤;曇り除去剤(dehazer)、例えばアルコキシル化フェノールホルムアルデヒドポリマー、消泡剤(例えばポリエーテル変性ポリシロキサン);点火改良剤(セタン改良剤)(例えば2−エチルヘキシルナイトレート(EHN)、シクロヘキシルナイトレート、ジ−tret−ブチルパーオキシド及びUS−A−4208190の第2欄27行〜第3欄21行に開示のもの);防錆剤(例えばテトラプロペニル琥珀酸のプロパン−1,2−ジオール半エステル、又は琥珀酸誘導体の多価アルコールエステル、α−炭素原子の少なくとも1つ上に炭素原子数20〜500の非置換又は置換脂肪族炭化水素基を有する琥珀酸誘導体、例えばポリイソブチレン置換琥珀酸のペンタエリスリトールジエステル);腐蝕防止剤;付香剤;摩耗防止添加剤;酸化防止剤(例えば2,6−ジ−tert−ブチルフェノールのようなフェノール類、又はN,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミンのようなフェニレンジアミン類);金属奪活剤;及び燃焼改良剤がある。
添加剤は、特に燃料組成物の硫黄含有量が少ない(例えば500ppmw以下)場合、潤滑性強化剤を含有することが特に好ましい。添加剤含有燃料組成物では、潤滑性強化剤は1000ppmw未満、好ましくは50〜1000ppmw、更に好ましくは100〜1000ppmwの濃度で存在するのが都合良い。市販の好適な潤滑性強化剤は、エステル系及び酸系の添加剤を含有する。その他の潤滑性強化剤は、上記特許文献、特に低硫黄含有量ディーゼル燃料との併用と関連して、例えば以下の文献に記載されている。
・Danping Wei及びH.A.Spikesによる論文、“The Lubricity of Diesel Fiuels”Wear,III(1986)217−235
・WO−A−94/33805:低硫黄燃料の潤滑性を強化するための低温流れ改良剤
・WO−A−94/17160:ディーゼルエンジン噴射システムの摩擦低下用燃料添加物として、カルボン酸(炭素原子数2〜50)とアルコール(炭素原子数1以上)との特定のエステル、特にグリセロールモノオレエート及びジ−イソデシルアジペートを含有する。
・US−A−5490864:低硫黄ディーゼル燃料用耐摩耗潤滑性添加物として特定のジチオ燐酸ジエステル−ジアルコール
・WO−A−98/01516:特に低硫黄ディーゼル燃料に耐摩耗潤滑性効果を与えるための、芳香族核に結合した少なくとも1つのカルボキシル基を有する特定のアルキル芳香族化合物。
また添加剤は、消泡剤を含むことが好ましく、更に好ましくは錆防止剤及び/又は腐蝕防止剤及び/又は潤滑添加剤と組合わせて消泡剤を含む。
特記しない限り、添加剤含有燃料組成物中の各添加成分の(活性分)濃度は、好ましくは10000ppmw以下、更に好ましくは0.1〜1000ppmw、有利には0.1〜300ppmwの範囲、例えば0.1〜150ppmwの範囲である。
燃料組成物中の曇り除去剤の(活性分)濃度は、好ましくは0.1〜20ppmw、更に好ましくは1〜15ppmw、なお更に好ましくは1〜10ppmw、有利には1〜5ppmwの範囲である。点火改良剤が存在すれば、その(活性分)濃度は、好ましくは2600ppmw以下、更に好ましくは2000ppmw、便利には300〜1500ppmwである。
所望ならば前述のような添加剤成分は、好ましくは好適な希釈剤と一緒に混合して添加剤濃厚物としてもよく、またこの添加剤濃厚物を燃料中に好適な量、分散して、本発明の組成物を製造しもよい。
ディーゼル燃料組成物の場合、例えば添加剤は、通常、任意に前述のような他の成分と共に、洗浄剤、及びディーゼル燃料と相溶性の希釈剤(担体オイル(例えば鉱油)であってよい)、ポリエーテル(キャップされてもキャップされなくてもよい)、トルエン、キシレン、ホワイトスピリット及び“SHELLSOL”の商標でシェル社により販売されているような非極性溶剤、及び/又はエステル、特にアルコール、例えばヘキサノール、2−エチルヘキサノール、デカノール、イソトリデカノール及びアルコール混合物、例えば“LINEVOL”、特にLINEVOL(商標) 79アルコール(C7−9第一アルコールの混合物)の商標でシェル社により販売されているアルコール混合物、又は市販されているC12−14アルコールの混合物のような極性溶剤を含有する。
添加剤の合計含有量は、好適には0〜10000ppmw、好ましくは5000ppmw未満であってよい。
ディーゼル燃料組成物にフィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物を取込むと、該ケロシンを使用してフィッシャー・トロプシュ誘導ガス油を少なくとも部分的に置換した場合を含み、多くの利点が得られることが見出された。フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物は、石油誘導ディーゼルベース燃料及びフィッシャー・トロプシュ誘導ガス油(ディーゼル)燃料の両者よりも密度が低く、このため他の燃料成分とブレンドすると、ブレンド全体の密度は低下する。また、この低密度により、使用中の自動車放出物、特に微粒子及び黒煙の放出が少なくなる。
またフィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物は、フィッシャー・トロプシュ誘導ディーゼル燃料よりも著しく常温流れ特性が良い。このため、同様に他の燃料成分とブレンドすると、所定割合のフィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物により、ブレンド全体の常温流れ特性が向上する。この向上効果は、同じ割合のフィッシャー・トロプシュ誘導ディーゼルで代用した場合よりも大きい。常温流れ特性が向上すると、効率的に燃料を使用できる天候条件又は季節の範囲が拡大する。
本質的に製油所ケロシン流に類似する製油所(即ち、石油誘導)軽質ガス油流をディーゼル燃料組成物に比較的少量取込むことは既に知られている。このような軽質燃料の含有可能量は、一般に40〜48の範囲にある本来、低セタン価の燃料のため、厳しく制限されている。商用グレードのディーゼル燃料組成物は、常に増大するセタン規格(例えばヨーロッパではこの規格は、2000年に49〜51の範囲に上がっている)に適合する必要があるので、石油誘導ケロシン燃料は、商用に合わせるため、所望規格よりも高いセタン価のディーゼルベース燃料とブレンドする必要がある。
しかし、フィッシャー・トロプシュケロシン燃料は、このような制約をもたらさず、前記概説したように、一般にセタン価(ASTM D613又はIP 498[IQT]のいずれかで測定)は、通常、63〜75で、例えば狭いカットのフラクションでは65〜69、全カットのフラクションでは68〜73である。
フィッシャー・トロプシュ誘導燃料成分と非フィッシャー・トロプシュ誘導ベース燃料、特に石油誘導ベース燃料とのブレンドによる別の利点は、特定例では、得られたブレンドでのエンジン又は自動車の走行性能がベース燃料単独での走行性能に比べて向上できることである。この効果は、フィッシャー・トロプシュ誘導成分によるセタン価及び発熱量の増大がブレンドの密度で生じる減少によりなお相殺されない場合、特に顕著である。この効果、例えば加速時間の短縮で示した効果は、フィッシャー・トロプシュ誘導ガス油(特に15%v/v程度の濃度)含有ブレンド及びフィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物(特に2%v/v程度の濃度)含有ブレンドについて観察された。
したがって、本発明の第二の態様は、
(i)燃料組成物で走行するか、又は走行を意図する燃焼機関又は自動車の性能を向上する目的、
(ii)燃料組成物で走行するか、又は走行を意図する燃焼機関又は自動車からの放出物を減少させる目的、
(iii)燃料組成物の常温流れ性能を向上する目的、
(iv)燃料組成物のセタン価を高める目的、
の1つ以上を目的として、フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物を燃料組成物のブレンド成分として使用する方法を提供する。
フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物は、前記(i)〜(iv)の目的の2つ以上の目的に使用できる。好ましくは少なくとも目的(i)、更に好ましくは目的(i)、及び同時に(ii)〜(iv)の目的の1つ以上、理想的には2つ以上の目的に使用される。
本発明の第二の態様に関連して、フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物を“使用する”とは、フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物を燃料組成物中に、通常、1種以上の他の燃料成分(特に非フィッシャー・トロプシュ誘導−、例えば石油誘導−ディーゼルベース燃料)及び1種以上の燃料添加剤と一緒に、ブレンド(即ち、物理的混合物)として取込むことを意味する。フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物は、燃料組成物を該組成物で走行する内燃機関又はその他のシステムに導入する前に、取込むのが都合良い。使用する代りに又は使用する他、使用工程は、フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物含有燃料組成物をエンジンの燃焼室に導入して、該組成物でエンジンを走行させる工程を含む。
燃料組成物は、ディーゼル燃料組成物が好ましい。通常、この組成物は石油誘導ゼルベース燃料、及び/又は植物油又はその他のいわゆる“バイオディーゼル”燃料のようなディーゼル燃料成分を含有する。
前記目的(i)に関連して、エンジン性能の向上は、一般にエンジンを燃料組成物で走行させる際に起こる燃焼プロセスの効率向上に相当する。特に、少なくとも特定のギア及び/又は特定の回転速度におけるエンジンの出力増大及び/又は加速時間の短縮により証明される。このような特性は、理想的には例えば後記実施例3で説明するような標準的技術を用いて測定できる。
したがって、性能の向上には加速性の向上及び/又はエンジンレスポンスの向上が包含できる。
性能を評価すべきエンジンは、理想的には圧縮点火(ディーゼル)エンジンである。この種のエンジンは、直接噴射型、例えばロータリーポンプ、インラインポンプ、ユニットポンプ、電子ユニット噴射器又は共同噴射式(common-rail)のもの、或いは間接噴射型であってよい。好ましいエンジンは共同噴射式ディーゼルエンジンである。
エンジン性能の“向上”は、フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物を添加する前の燃料組成物で走行した際のエンジンの性能に比べて、あらゆる程度の向上を包含する。
前記目的(ii)に関連して、放出物の減少は、燃料組成物で走行するエンジンで発生した燃焼関連放出物(例えば微粒子、黒煙、窒素酸化物、一酸化炭素、ガス状(未燃焼)炭化水素及び二酸化炭素)の水準を言う。本発明に関連して、微粒子及び/又は黒煙の放出物は、窒素酸化物と同様、特に関心がある。
放出物の“減少”は、フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物を添加する前の燃料組成物で走行した際のエンジンで発生した放出物に比べて、あらゆる程度の減少を包含する。
放出物水準は、ヨーロッパR49、ESC、OICA(重質エンジン用)、ECE+EUDC、又はMVEG(軽質エンジン用)テストサイクルのような標準的試験法を用いて測定できる。理想的な放出物性能は、Euro II標準放出物限界値(1996)又はEuro III標準限定値(2000)と一致するように建造したディーゼルエンジンで測定される。この目的には重質エンジンが特に好適である。ガス状及び粒子放出物は、それぞれ、例えばHoriba Mexa(商標)9100ガス測定システム及びAVL Smart Sampler(商標)で測定できる。黒煙放出物は、例えば2000で効果的となる重質エンジン用ヨーロッパテストであるELRを用いてテストでき、重質ディーゼルエンジンの放出物証明中の煙不透明度測定に使用される(1999年12月13日の指令1999/96/EC)。
前記目的(iii)に関連して、“向上”は、フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物を添加する前の燃料組成物の常温流れ性能に比べて、あらゆる程度の減少を包含する。
燃料組成物の常温流れ性能は、好ましくはそれぞれ標準テスト法IP 309及びIP 219を用いて、常温フィルター目詰まり点(CFPP)及び/又は曇り点を測定することにより好適に評価される。燃料のCFPPは、燃料中の蝋によりフィルターの網目の流通に厳しい制約が生じる温度及びそれ以下の温度を示し、低温での自動車の操作性によく相関する。常温流れ性能の向上は、CFPP及び/又は曇り点の低下に相当する。
前記目的(iv)に関連して、燃料組成物のセタン価の“増大”は、フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物を添加する前の燃料組成物のセタン価に比べて、あらゆる程度の増大を包含する。セタン価は、標準的方法、例えば前述のASTM D613又はIP 498[IQT]のいずれかで測定できる。
燃料組成物がディーゼルベース燃料及びフィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物だけを含む場合、本発明の第二態様は、該ベース燃料の放出物性能及び/又は常温流れ性能及び/又はセタン価を向上する、及び/又は該ベース燃料単独で走行するエンジン又は自動車の性能を向上するように該ケロシン燃料生成物を添加する工程を包含する。
フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物は、自動車又はエンジンの性能を向上する目的で、エンジン放出物を、不当に増大させることなく、又は理想的には何ら増大させることなく、及び/又は常温流れ性能を、不当に低下させることなく、又は理想的には何ら低下させることなく添加できる。このケロシン燃料生成物は、放出物を減少させる目的、及び/又は常温流れ性能を向上する目的で、自動車又はエンジンの性能を、不当に損なうことなく、又は理想的には何ら損なうことなく添加できるし、また実際に性能の向上に関連し得る。
このケロシン燃料生成物は、特に燃料組成物の前端(front-end)揮発性を向上する目的で、自動車又はエンジンの性能を、不当に損なうことなく、又は理想的には何ら損なうことなく添加できるし、また実際に性能の向上に関連し得る。
本発明の第三の態様では、燃料組成物中のフィッシャー・トロプシュ誘導ガス油の量を減少させる目的で、燃料組成物、好ましくはディーゼル燃料組成物にブレンド成分としてフィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物を使用する方法が提供される。換言すれば、燃料組成物中にフィッシャー・トロプシュ誘導ガス油が存在する場合、フィッシャー・トロプシュ誘導ガス油の代りに、少なくとも一部、フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物が使用できる。燃料生成物は、通常、非フィッシャー・トロプシュ誘導ディーゼルベース燃料、特に石油誘導ディーゼルベース燃料を含有してよい。
本発明の第三態様に関連して、用語“減少させる”は、ゼロへの減少を包含する。換言すれば、フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物は、フィッシャー・トロプシュ誘導ガス油を部分的にでも完全にでも置換できる。この減少は、意図する用途に関連して必要とする、及び/又は望ましい特性及び性能を達成するため、燃料組成物中に取込んだガス油の水準と比較できる。この水準は、例えば本発明方法に従ってフィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物を使用することを実現化する前に、燃料組成物に存在していた、及び/又はフィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物を、同様な関係で使用することを意図した(例えば市場に出す)同様な燃料組成物中に存在していたガス油の水準であってよい。
例えば自動車エンジン用に意図したディーゼル燃料組成物の場合、現在の燃料規格に適合させるため、及び/又は消費者の要求を満足させるため、燃料組成物には特定の最小セタン価及び密度が望ましいかも知れない。同様な理由から、常温流れ及び放出物特性の特定基準が望ましいかも知れない。本発明では、これらの基準は、フィッシャー・トロプシュ誘導ガス油成分を少なくとも一部、フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物で置換えた場合でも、なお達成できる。
本発明の第四の態様では、第一態様の組成物のような燃料組成物を製造する方法が提供される。この方法は、非フィッシャー・トロプシュ誘導ディーゼルベース燃料、好適には石油誘導ディーゼルベース燃料を、フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物及び任意に1種以上の燃料添加剤とブレンドする工程を含む。これらの成分は、フィッシャー・トロプシュ誘導ガス油ともブレンドできる。ブレンドは、理想的には、燃料組成物の特性及び/又は燃料組成物を導入するか導入を意図したエンジンに対する効果に関連して、本発明の第二態様について説明した前記(i)〜(iv)の1つ以上の目的で行なわれる。
本発明の第五の態様は、内燃機関、及び/又は内燃機関で駆動される自動車の操作方法を提供する。この方法は、本発明の第一態様による燃料組成物をエンジンの燃焼室に導入する工程を含む。燃料組成物は、本発明の第二態様について説明した前記(i)〜(iv)の1つ以上の目的で導入することが好ましい。
エンジンは、好ましくは圧縮点火(ディーゼル)エンジンである。このようなディーゼルエンジンは、直接噴射型、例えばロータリーポンプ、インラインポンプ、ユニットポンプ、電子ユニット噴射器又は普通のレール型のもの、或いは間接噴射型であってよい。重質又は軽質のディーゼルエンジンであってもよい。
本発明の第二態様及びそれ以下の態様の好ましい特徴は、他の態様のいずれか、特に第一態様について説明したとおりでよい。
本発明は、本発明ディーゼル燃料組成物の特性及び性能を説明する以下の実施例から更に理解されよう。
実施例1
下記第1表に、一般市販のフィッシャー・トロプシュ誘導(GTL)ケロシン燃料生成物(マレーシアのShell Bintuluプラントから得られる)の特性と、水素化した製油所ケロシン(オランダのShell Pernis製油所)の特性とを比較対照した実験測定値を示す。
第2表に、マレーシアのShell Bintuluプラントから得られるGTLディーゼル(ガス油)燃料についての同様な実験測定値を示す。
前記表中、“CCI”とはセタン指数計算値を言い、燃料物性のうちのセタン価について本質的な概算値となる。
GTLケロシン及びディーゼル燃料の特性を比較すると、次のことが判る。
a)GTLケロシンの密度は、GTLディーゼル燃料の密度よりも著しく低い。このため、GTL燃料をベース燃料とブレンドすると、所定量のケロシンは、同量のGTLディーゼルを含有するブレンドの全ブレンド密度よりも低い全ブレンド密度となる。そうすると、ケロシン含有ブレンドで走行するエンジンから出る放出物、特に微粒子物質及び黒煙の放出物が少なくなる。こうして、GTLディーゼル燃料の少なくとも若干量をGTLケロシン成分で置換することにより、放出物の減少が達成できる。
b)GTLケロシンのセタン価は、製油所ケロシンよりも非常に高い。これにより、GTLケロシンは、セタン価をこのような重要な特性とする仕上げディーゼル燃料組成物用の優れたブレンド成分となる。
c)またGTLケロシンは、製油所ケロシン(これに関連して凍結点は、従来のディーゼルベース燃料の曇り点と類似する)よりも凍結点が低い。更に重要なことは、その凍結点は、GTLディーゼル燃料の曇り点よりも非常に低いことである。こうして、またブレンド中のGTLディーゼル燃料の少なくとも若干量をGTLケロシン成分で置換することにより、常温流れ特性の向上が達成できる。
GTL燃料成分(マレーシアのShell Bintuluプラントから得られる)を市販の製油所(即ち、石油誘導)ディーゼルベース燃料(ハンガリーで得られる)とブレンドして、2種の燃料組成物を製造した。ブレンドAは、GTLディーゼル燃料を15%v/v(全組成物に対し)含むベース燃料を含有する。ブレンドBは、同じGTLベース燃料を10%v/v及びGTLケロシン燃料を5%v/v含有する。
ベース燃料、GTL燃料成分及び2種のブレンドA、Bの特性を下記第3表にまとめた。
第3表から判るように、GTLケロシンを含有するブレンドBは、ブレンドA(GTLディーゼルのみ含有)又はベース燃料のいずれよりも密度が非常に低い。その結果、ブレンドBは、この燃料で走行する自動車から出る黒煙及び微粒子物質の放出物を著しく減少させることが期待できる。
概して、低沸点燃料流は、同様な炭化水素組成物を含む高沸点流よりもセタン価が低い傾向がある。このため、例えばGTLケロシン燃料はGTLガス油(ディーゼル燃料)よりもセタン価が低い。しかし、この場合、燃料ブレンドBは、ブレンドBよりもセタン価が最低限低いだけであることが判るし、またそのセタン価は、ベース燃料単独よりもなお遥かに高い。こうして、5%v/vのGTLディーゼルが、セタン価の不当な低下なく、GTLケロシン成分で置換できる。これに対し、同様な方法で製油所ケロシンを使用すると、セタン価は大幅に低下する。これは、GTLケロシンをディーゼル燃料組成物に含有させることが好適であることを示している。
実施例3
ディーゼル燃料での良好な前端揮発性は、空気/燃料混合の促進に有利で、したがって効率的な燃焼を誘導しなければならない。しかし、前端揮発性を向上するため、製油所ケロシンのような一層揮発性の燃料を従来のディーゼル燃料とブレンドすると、実際には添加燃料成分のセタン価が低いため、燃焼に悪影響を及ぼす。
これに対し、フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシンは、従来のディーゼルベース燃料よりも揮発性であるばかりでなく、高いセタン価を有する。これら2つを組合せた特性は、一層良好な燃焼結果が得られることが見出された。こうして、良好な燃焼により、関連燃料組成物で走行する自動車の加速時間が向上することが証明された。
本発明燃料組成物のエンジン性能に対する効果を、共同噴射式ディーゼルエンジン及び過早点火を有するルノー“Kangoo”を用いて評価した。この自動車は、繰返し性が良好であること、及び燃料の品質変化に対する感度を予め観察してから選択した。このテスト用のエンジン又は燃料システムには改造を行なわなかった。テスト自動車は、代表的な標準生産自動車である。
従来の石油誘導ディーゼルベース燃料(BF)(ハンブルクのDeutsche Shellから得られる)を、各種量の、(a)GTLディーゼル(ガス油)及び(b)GTLケロシン燃料(両方ともマレーシア、BintuluのShell FTプラントから得られる)とブレンドして、第4表に示す特性を有するテスト燃料F1〜F6を得た。
使用した試験法は、第3表で述べた方法と同様である。詳しくは、密度はIP 365、ASTM D4052を用いて測定した。蒸留はIP 123、ASTM D86で行ない、また全硫黄は、ASTM D2622を用いて測定した。
しかし、この場合、セタン価はBASFエンジンテストDIN 51773を用いて測定した。
前記テスト自動車を各テスト燃料で走行させ、各々、加速時間は第三,第四及び第五ギアで測定した。出力は、1500、2500及び3500rpmの第4ギアで評価した。
詳しくは、自動車は、自動車+ドライバーの呼び重量と同等の慣性設定と、地面水準で観察される自動車の“惰性走行(coast−down)”速度から計算した転がり抵抗及び風抵抗設定とを用いて、シャーシーダイナモメーター上に取付けた。
冷却水及びオイルの温度が安定化するまで、自動車をダイナモメーター上で駆動させた。
加速時間は、第三ギアでは32〜80km/h(20〜50mph)から、第四ギアでは48〜96km/h(30〜60mph)から、また第五ギアでは80〜112km/h(50〜70mph)から測定した。
自動車を選択したギアでの出発速度直下の一定速度で駆動させた。スロットルペダルの踏み込み圧を完全に除いた後、自動車を、選択したギアの最終速度直上まで加速させた。2つの速度“ゲート”間の通過に要した時間(最も近い0.1秒まで)及び速度を計算した。
各テスト燃料について各ギアで3回加速を測定し、平均加速時間を計算した。
テストは下記計画に従って3日間に亘った。
1日:BF−F1−F2−BF−F3−F2−BF−F1−F3−BF
2日:BF−F3−F2−BF−F1−F4−BF−F5−F6−BF
3日:BF−F5−F4−BF−F6−F5−BF−F4−F6−BF
これにより、ベース燃料BFについては合計12データシリーズが、また各テスト燃料については3つのデータシリーズが得られた。これらのデータは、下記第5表にまとめた。この表では、ベース燃料に対し標準化した加速時間を引用する。
同表には、各テスト燃料の成分の相対密度及び発熱量、並びにこれら成分の相対割合(両者の場合、関連特性と加速時間とは直線関係にあると推定)から計算した、加速時間の理論値も示す。共同噴射式エンジンでは粘度差は重要な役割を演じないことから、粘度差は考慮しなかった。
第5表に標準化加速時間を示す。理論値については、密度及び発熱量の差を考慮する。得られた結果は、対照燃料との%差として示す。
GTLディーゼルをそれぞれ2%v/v及び5%v/v含有するテスト燃料F1、F2は、加速時間に一貫した変化を生じなかった。加速時間は、第四ギアでは理論値より良好で、第五ギアでは悪いと思われるが、これらの差は統計的に有意ではない。(これら2種の燃料では計算した理論加速時間は、発熱量測定の潜在的な不正確性のため、正確性を欠く可能性があることに注目(第4表参照))
しかし、GTLディーゼルを15%v/v含有するテスト燃料F3は、第三ギア及び第四ギアとも加速時間に統計的に有意な(信頼度95%)短縮(reduction)を生じなかった。このような性能の向上は、単に密度及び発熱量の変化に基づいて予想したこととは著しく異なっていた。しかし、別個のテストでは、GTLディーゼルを15%v/vより多く含有すると、恐らくGTL成分の密度が低いため、加速時間が増大する可能性があることが見出された。
GTLケロシンを含有するテスト燃料は、F1〜F3で観察された場合と同様な傾向を示した。低濃度のGTLケロシンでは加速時間の短縮が観察された。この結果は、第四ギアでは統計的に有意(信頼度95%)であり、また理論的予測とは異なっていた。しかし、高濃度では(F5、F6)、ケロシン成分の低密度により、予測されたように、加速時間が増大した。
これらのデータから判るように、本発明の燃料組成物は、一層効率的な燃焼を生じ、したがって、自動車性能を向上できる。またこれらのデータは、このような組成物に含まれるGTL成分、特にGTLケロシンの濃度を最適化することが重要であることを示している。石油誘導ディーゼルベース燃料に比べてGTLケロシンの良好な揮発性、高いセタン価及び高い発熱量によって、いずれも良好な燃焼を生じ、したがって、加速性が向上する。しかし、このケロシンは比較的密度が低いため、噴射燃料の質量が低下し、出力低下が起こる。低濃度のケロシンでは、この密度効果は、余りはっきりと現れず、したがって、全体として性能が向上する。
GTLディーゼルブレンドについては、GTLケロシンブレンドの場合(濃度約1〜3%v/v)よりも高い濃度(15%v/v程度)で加速性が向上することに注目している。これは、ケロシン成分の密度が非常に低いためと考えられ、また一方では発熱量とセタン価との取引、他方では密度との取引により利点から欠点へと切り替える濃度を反映する。
こうして、得られる燃料組成物で走行する自動車の性能を向上させるため、フィッシャー・トロプシュ誘導ガス油及び/又はフィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン生成物を、特定の最適濃度で石油誘導ディーゼルベース燃料とブレンドすることが可能である。フィッシャー・トロプシュ誘導ガス油の場合、最適濃度は約10〜17%v/v、理想的には約15%v/vと思われ、またフィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物の場合、最適濃度は約1〜3%v/v、理想的には約2%v/vと思われる。フィッシャー・トロプシュ誘導ガス油及びフィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン生成物の両方を含む3成分系ブレンドを製造してもよく、このようなブレンドは、両者の性能増進効果による利益を享受する。
GTLケロシン燃料を市販のスエーデンクラス1石油誘導ディーゼルベース燃料(例えばスエーデンのShell Gothenburg製油所から得られる)とブレンドして、別の燃料組成物を製造できる。このようなスエーデンクラス1ベース燃料の特性を、GTLケロシン燃料20%v/v及びスエーデンクラス1ベース燃料80%v/vを含有するブレンドCの計算した特性と一緒に下記第6表に示す。

このようなGTLケロシン燃料及びスエーデンクラス1ベース燃料のブレンドには、GTLガス油をブレンド成分として添加できる。

Claims (21)

  1. (a)150〜400℃の範囲の沸点、15℃での密度が0.75〜0.9g/cm、およびセタン価が35〜80を有する、非フィッシャー・トロプシュ誘導ディーゼルベース燃料、および
    (b)140〜260℃の蒸留範囲、15℃での密度が0.73〜0.76g/cm、およびセタン価が63〜75を示す、0.2v/v%〜3v/v%の量のフィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物;からなるブレンドを含む短縮された加速時間を示す燃料組成物であって、
    (c)前記ブレンドが、燃料組成物の成分の相対密度、発熱量、および相対割合からなる関連特性に基づいて計算される理論的加速時間(前記関連特性と理論的加速時間とは直線関係にあると推定)より少なくとも0.20%短縮された加速時間を示す、
    前記燃料組成物。
  2. 前記ディーゼルベース燃料が石油から誘導される請求項1に記載の燃料組成物。
  3. ブレンド成分として、150〜400℃の範囲内の沸点、15℃での密度が0.76〜0.79g/cm、およびセタン価が70より大きい、10〜17%v/vのフィッシャー・トロプシュ誘導ガス油をさらに含む請求項1に記載の燃料組成物。
  4. 前記フィッシャー・トロプシュ誘導ガス油の濃度が全組成物に基づき15%v/vである請求項3に記載の燃料組成物。
  5. 前記燃料組成物が
    (i)内燃機関の放出物を低減すること、
    (ii)燃料組成物の低温流れ性能を向上すること、および/または
    (iii)燃料組成物のセタン価を増大すること
    からなる群から選択される1以上の追加の改良を示す請求項1に記載の燃料組成物。
  6. 前記ディーゼルベース燃料が石油から誘導される請求項3に記載の燃料組成物。
  7. ブレンド成分として、150〜400℃の範囲内の沸点、15℃で密度が0.76〜0.79g/cm、およびセタン価が70より大きい、10〜17%v/vのフィッシャー・トロプシュ誘導ガス油をさらに含む請求項4に記載の燃料組成物。
  8. 前記フィッシャー・トロプシュ誘導ガス油の濃度が全組成物に基づき15%v/vである請求項7に記載の燃料組成物。
  9. 2v/v%以上のフィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物を含む請求項1に記載の燃料組成物。
  10. 前記燃料組成物を使用することによって
    (i)内燃機関の放出物を低減すること、
    (ii)燃料組成物の低温流れ性能を向上すること、および/または
    (iii)燃料組成物のセタン価を増大すること
    からなる群から選択される1以上の追加の改良を示す請求項3に記載の燃料組成物。
  11. (a)150〜400℃の範囲の沸点、15℃での密度が0.75〜0.9g/cm、およびセタン価が35〜80を有する、非フィッシャー・トロプシュ誘導ディーゼルベース燃料、および
    (b)140〜260℃の蒸留範囲、15℃での密度が0.73〜0.76g/cm、およびセタン価が63〜75を示す、1v/v%〜3v/v%のフィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン燃料生成物;からなるブレンドを含む短縮された加速時間を示す燃料組成物であって、
    (c)前記ブレンドが、燃料組成物の成分の相対密度、発熱量、および相対割合からなる関連特性に基づいて計算される理論的加速時間(前記関連特性と理論的加速時間とは直線関係にあると推定)より少なくとも0.20%短縮された加速時間を示す、
    前記燃料組成物。
  12. 前記ディーゼルベース燃料が石油から誘導される請求項11に記載の燃料組成物。
  13. ブレンド成分として、150〜400℃の範囲内の沸点、15℃での密度が0.76〜0.79g/cm、およびセタン価が70より大きい、10〜17%v/vのフィッシャー・トロプシュ誘導ガス油をさらに含む請求項11に記載の燃料組成物。
  14. フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン生成物が150〜250℃の蒸留範囲を示す請求項4記載の燃料組成物。
  15. フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン生成物が150〜210℃の蒸留範囲および65〜69のセタン価を示す請求項4記載の燃料組成物。
  16. フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン生成物が150〜250℃の蒸留範囲を示す請求項11記載の燃料組成物。
  17. フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン生成物が150〜210℃の蒸留範囲および65〜69のセタン価を示す請求項11記載の燃料組成物。
  18. フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン生成物が150〜250℃の蒸留範囲を示す請求項1記載の燃料組成物。
  19. フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン生成物が150〜210℃の蒸留範囲および65〜69のセタン価を示す請求項1記載の燃料組成物。
  20. フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン生成物が150〜250℃の蒸留範囲を示す請求項3記載の燃料組成物。
  21. フィッシャー・トロプシュ誘導ケロシン生成物が150〜210℃の蒸留範囲および65〜69のセタン価を示す請求項3記載の燃料組成物。
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