JP5617666B2 - 冷鉄源の複合アーク溶解炉による溶解方法および複合アーク溶解炉 - Google Patents

冷鉄源の複合アーク溶解炉による溶解方法および複合アーク溶解炉 Download PDF

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Description

本発明は、鉄のスクラップや直接還元鉄等の冷鉄源を、シャフト形予熱室を備える複合アーク溶解炉を用いて溶解する方法、およびその複合アーク溶解炉に関するものである。
鉄スクラップ等の冷鉄源は、従来、各種アーク炉を使って加熱溶解して、精錬した後、溶鋼として再生させている。ただし、アーク炉によって冷鉄源を溶解するには、多くの電力が必要とされるため、近年では電力使用量の削減を目的として、アーク炉の溶解室から発生する高温の排ガスで冷鉄源を予熱しながら溶解する新規な方法がが提案されている。
その代表的なものとして、特許文献1では、溶解室と、この溶解室で発生する排ガスを導入するシャフト形予熱室とを備えた複合アーク溶解炉を提案している。この複合アーク溶解炉の操業では、装入される鉄スクラップが予熱室と溶解室とに跨って存在するようにすると共に、その鉄スクラップを溶解室内にてアーク熱によって加熱溶解し、該溶解室に少なくとも1ヒート分の溶湯が溜まった時点で、溶鋼を出湯することを特徴とする鉄スクラップの溶解方法である。
また、特許文献2では、前記複合アーク溶解炉から発生する排ガスの利用に当たり、予熱室に酸素含有ガスを供給して未燃焼ガスを燃焼させ、その燃焼熱を利用して鉄スクラップを予熱することで、鉄スクラップの溶解に係る電力原単位を削減する方法が開示されている。
特開平10−292990号公報 特開平10−310814号公報
しかし、特許文献1に開示の方法では、溶解室で発生する排ガスが未燃焼のまま排出されることになるので、排ガスの有効利用という点で課題がある。また、特許文献2に開示の方法では、予熱シャフト部に供給したOガスにより冷鉄源の酸化が起こり、その結果、歩留まりが低下したり、酸化により生成したFeOをコークス等で還元する作業が必要になり、電力原単位が低下するという課題がある。
本発明は、従来技術が抱えている前記のような事情に鑑みて開発した技術であって、その目的とするところは、複合アーク溶解炉における冷鉄源の溶解に際し、複合アーク溶解炉内で発生する排ガスを、冷鉄源の酸化を招くことなく、冷鉄源の予熱に有効に利用すること、及び電力原単位を削減することのできる、冷鉄源の複合アーク溶解炉による冷鉄源の溶解方法およびその複合アーク溶解炉を提案することにある。
前記目的を達成するため、本発明では、特許文献2で提案しているような酸素含有ガスの導入に代えて、アンモニアガスを導入することで、このアンモニアガスと排ガス中の未燃焼ガス成分とによる反応を導いて、このとき発生する熱を冷鉄源の予熱に利用する方法とそのためのアーク溶解炉を提案するものである。
なお、アンモニアガスは、一酸化炭素と反応して、各種炭化水素やメタノール、ジメチルエーテルなどに改質されることが知られている。下記(1)式にその化学反応式の一例を示す。
2NH+CO→CH+HO+N ・・・ (1)
上記(1)式のNH1モルあたりの標準エンタルピー変化は、−13.6kcal/mol―NHであり、この反応は発熱反応である。
即ち、本発明は、溶解室と、その上部に立設されて溶解室とは連通するシャフト形の予熱室とからなる複合アーク溶解炉によって、該予熱室内を順次に降下する冷鉄源を、溶解室内で発生した高温排ガスを使って予熱すると共に、引き続き溶解室に導いてアーク溶解するようにしてなる複合アーク溶解炉を用いた冷鉄源の溶解方法において、前記冷鉄源が、予熱室内と溶解室内上部とに跨って存在する状態の下で、該予熱室内に、溶解室から発生する前記排ガス量の5〜25%に当たる量のアンモニアガスを吹き込んで、該アンモニアガスと前記排ガス中の未燃焼成分との改質反応を導き、この改質反応時に発生する熱によって、予熱室内の冷鉄源を予熱することを特徴とする冷鉄源の複合アーク溶解炉による溶解方法を提案する。
なお、上記冷鉄源の複合アーク溶解炉による溶解方法においては、前記アンモニアガスは、予熱室の溶解室内の湯面の位置から予熱室上部の冷鉄源の堆積層上端位置までの領域において、1もしくは複数箇所に設けられたアンモニアガス導入口から吹き込むことがより好ましい解決手段になる。
また、本発明では、冷鉄源をアーク溶解するためのアーク電極を備える溶解室と、その溶解室の上方に立設されていて該溶解室内とは連通し、装入し充填された冷鉄源を予熱するシャフト形予熱室とからなり、予熱室の溶解室内の湯面の位置から予熱室上部の冷鉄源の堆積層上端位置までの領域において、1もしくは複数個のアンモニア導入口を設けてなるものであって、そのアンモニア導入口からは、前記予熱室内に、溶解室から発生する前記排ガス量の5〜25%に相当するアンモニアガスを吹き込んで、該アンモニアガスと前記排ガス中の未燃焼成分とによる改質反応を導き、この改質反応時に発生する熱によって、予熱室内の冷鉄源を予熱することを特徴とする複合アーク溶解炉を提案する。
上記のように構成される本発明によれば、冷鉄源をアーク溶解して溶鋼を製造する際に、該冷鉄源の溶解時に発生する排ガス(未燃焼ガス)にアンモニア(NH)ガスを導入して反応を起こさせ、その反応の際に発生する反応熱を冷鉄源の予熱に利用できるので、冷鉄源の酸化を招くことなく、しかも、排ガスのもつ熱エネルギーを有効に利用することができる。
また、本発明によれば、電力原単位の削減に有効な複合アーク溶解炉を提供することができる。
本発明の複合アーク溶解炉の一実施形態を示す概略断面図である。 本発明の実施例に用いた複合アーク溶解炉を示す概略断面図である。
本発明の一実施形態について図面に基づいて説明する。図1は、本発明において用いる複合アーク溶解炉の一例を示す縦断面の概略図である。
図示したように、本発明で用いる複合アーク溶解炉1とは、溶解室2とその上部の一部から上方に立設したシャフト形予熱室3とからなり、その内部は、耐火物でライニングされている。溶解室2は、底部に炉底電極6を備え、上部には、該溶解室2内に連通する前記のシャフト形予熱室3および水冷構造の炉壁4とを有し、この炉壁4上部の開口部を覆うように炉蓋5が設けられている。炉蓋5は、開閉可能な水冷構造からなり、この炉蓋5を貫通するように配設された黒鉛製上部電極7が、溶解室2内へ上下動可能に設けられている。この上部電極7と前記炉底電極6とが、炉内の冷鉄源を介して直流電源(図示せず)により通電されることで、その間にアーク19を発生させることができるような構造となっている。
なお、予熱室3の上方には、走行台車24に吊り下げられた底開き型の供給用バケット13が設けられ、この供給用バケット13から、予熱室3の上部に設けた開閉可能な供給口20を介して、冷鉄源(例えば、鉄スクラップ等)15が予熱室3内に装入される。
予熱室3内に装入された冷鉄源15は時間とともに順次に降下する間に予熱され、やがて溶解室2に達した後、上部電極7から発生したアーク19の熱によって溶解される。前記冷鉄源15の溶解に際し、溶解室2内には、高温の排ガス(未燃焼ガス)が発生する。その排ガスは、予熱室3上方に設けられたダクト21の上流に設けられたブロアーや集塵機(図示せず)によって、予熱室3を経てダクト21に吸引されるが、その過程で、予熱室3内の冷鉄源15が高温の排ガスによって予熱されることになる。なお、予熱された予熱室3内の冷鉄源15は、溶解室2内で溶解される速度に応じ、自由落下して溶解室2内に順次に連続的または間欠的に移動する。
本発明は、上記のように、溶解室2で発生した高温の排ガスが、予熱室3を通ってダクト21に吸引されていく過程で、予熱室3内にアンモニアガスを吹き込む方法である。このことによって、本発明では、アンモニアガスと、予熱室3内を上昇する排ガス中の未燃焼ガス(COなど)とが上記(1)式のような反応を起し、その反応によって炭化水素系ガスを発生すると共に、このときに発生する前記反応熱を、予熱室3内の冷鉄源15の予熱に利用するところに特徴がある。
なお、このような一連の反応によれば、溶解室2内で発生する高温(400〜1000℃程度)の排ガス顕熱を利用した前記の改質反応が起こることから、未燃焼ガスを有効に利用することができるだけでなく、予熱室3内の冷鉄源15を酸化させることなく効率的に予熱することができる。そして、このようにして予熱された冷鉄源15は、溶解室2内で溶解されることになるため、効率の良い冷鉄源15の予熱−溶解と同時に、電力原単位の削減をも達成することができる。
予熱室3内では、前記(1)式に示す反応と共に、この反応によって発生した炭化水素系ガスと排ガス中のCOとの反応(下記(2)式)や、アンモニアガスの排ガス顕熱を利用した熱分解反応(下記(3)式)が生じ、排ガス中のCOおよびHの量が増加して、排ガスの改質を図ることができる。
CH+CO → 2CO+2H ・・・・(2)
2NH → N+3H ・・・・(3)
なお、アンモニアガスは、予熱室3の側壁に設けられたアンモニアガス導入口25から吹き込む。このアンモニア導入口25は、溶解室2内の湯面位置から予熱室3内の冷鉄源15の堆積層上端位置までの領域における、側壁の周方向および縦方向の、1もしくは複数箇所に設ける。それは、溶解室2から発生した排ガスとアンモニアガスとの反応を、それぞれの位置レベルで確実に行わせることができ、また、複数箇所にアンモニア導入口25を設けることで、予熱室3内の冷鉄源15の温度が偏ることなく、その反応熱を冷鉄源15の予熱に有効に利用できるからである。
なお、溶解室2の炉蓋5には、それを貫通するように酸素吹き込みランス8と炭材吹き込みランス9とが設けられおり、酸素吹き込みランス8からは、冷鉄源15の溶解を補助するための酸素が供給され、一方、炭材吹き込みランス9からは空気や窒素等を介してコークスやチャー、石炭、木炭、黒鉛、バイオマス炭等の粉、もしくはこれらの混合物の炭材などの補助熱源が吹き込まれる。このことによって、発生排ガス中には、常に未燃焼分(COガス)が含まれる。
また、溶解室2の、予熱室3とは反対側の部位の炉底部は、扉22にて閉止されており、その内部側に詰め砂またはマッド剤を充填した出鋼口11を有し、また側壁部には、扉23にて閉止され、内側に詰め砂またはマッド剤を充填する出滓口12が設けられている。
前記出鋼口11の上方に対応する位置の炉蓋5には、バーナー10が取り付けられ、このバーナー10にて重油、灯油、微粉炭、プロパンガス、天然ガス等の化石燃料やバイオマス燃料を、空気または酸素、もしくは酸素富化空気により溶解室2内で燃焼させることで、出鋼する溶鋼の温度を上昇させることができる。
以下、直流式のアーク炉1における冷鉄源の溶解手順について説明する。
先ず、供給用バケット13より予熱室3内に冷鉄源15を装入する。装入された冷鉄源15は、予熱室3を通って、まず溶解室2内に装入された後、次第に予熱室3内にまで充填される。なお、溶解室2内へ冷鉄源15を均一に装入するため、炉蓋5を開けた状態で、予熱室3が直結した側とは反対側の溶解室2内に冷鉄源15を装入することもできる。また、冷鉄源15の装入の際に、溶銑を溶解室2に装入してもよく、これによれば、溶銑の有する熱により電力使用量を大幅に削減することができる。なお、溶銑は、供給用取鍋(図示せず)や溶解室2に連結する溶銑樋(図示せず)により溶解室2に装入する。
次いで、溶解室2の炉底電極6と上部電極7との間に直流電流を給電しつつ、上部電極7を昇降させ、炉底電極6と上部電極7との間、または、装入された冷鉄源15と上部電極7との間でアーク19を発生させ、そのアーク19の熱によって冷鉄源15を溶解する。このとき、フラックスを溶解して溶融スラグ18を生成させることが好ましい。これは、溶融スラグ18によって溶湯17を保温することができるからである。なお、溶融スラグ18の生成量が多すぎる場合には、操業中でも出滓口12から溶融スラグ18を排滓してもよい。
炉底電極6と上部電極7との通電後、溶解室2内に酸素吹き込みランス8および炭材吹き込みランス9の挿入が可能になったら、酸素吹き込みランス8から酸素を供給して、冷鉄源15の溶解を補助すると共に、炭材吹き込みランス9からは、溶融スラグ18中に補助熱源として炭材を吹き込むことが好ましい。なお、酸素の吹き込み量は、溶解開始から出湯までの間に溶解室2内に滞留する溶湯17のトン当たり15Nm以上とすることが好ましい。これは、酸素の吹き込み量が、溶湯のトン当たり15Nm未満では、冷鉄源の溶解や後述する炭材の酸化反応による電力原単位削減の効果が小さいためである。
溶湯17中に溶解した炭材または溶融スラグ18中に懸濁した炭材は、酸素吹き込みランス8から吹き込まれた酸素と反応して脱炭してCOガスとなると共に、その反応熱は補助熱源となり、電力消費量の削減に寄与することになる。また、溶融スラグ18は、前記反応生成物であるCOガスによってフォーミングして膨張するため、該上部電極7の先端が溶融スラグ18中に埋没することになる。そのため、上部電極7から発生したアーク19は、溶融スラグ18によって包まれるようになり、アーク19の着熱効率が上昇すると共に、冷鉄源15の予熱効率を向上させることができる。
前記炭材吹き込みランス9による炭材の添加は、酸素吹き込みランス8から吹き込まれる酸素量に応じて決定され、吹き込まれる酸素の化学等量に等しい、またはそれ以上となるようにすることが好ましい。これは、炭材の炭素量が、吹き込まれる酸素ガスに比べて少ないと、溶湯17が過剰に酸化したり、炭素濃度が低下してしまうからである。
上記のようにして冷鉄源15を溶融した際に発生する大量の高温排ガスは、予熱室3に供給された後、予熱室3の側壁に設けられたアンモニアガス導入口25から吹き込まれたアンモニアガスと反応して各種炭化水素やメタノールなどの含酸素化合物等に改質されると同時に、このときに発生する熱によって予熱室3内の冷鉄源15が効率良く予熱されることになる。
なお、溶解室2から発生する排ガスの組成は、CO:2〜8%、CO:5〜15%、O:1〜15%、N:50〜80%、HO:0〜5%、H:0〜3%である。
予熱室3内へのアンモニアガスの吹き込み量は、溶解室2から発生する排ガス流量の5〜25%程度であり、好ましくは8〜18%である。これは、アンモニアガスの吹き込み量が、排ガス流量の5%未満では、排ガス量に対してアンモニアガス量が不足し、改質反応が十分起きないためであり、一方、25%超では、アンモニアガスが過剰となり、未反応のまま放出され、臭気の問題が起こるからである。
また、予熱室3内の冷鉄源15は、溶解室2内の冷鉄源15の溶解量に応じて溶解室2内に自由落下して減少するので、この減少分は、供給用バケット13から予熱室3へ冷鉄源15を順次に装入することで補う。この冷鉄源15の予熱室3内への装入は、冷鉄源15が予熱室3と溶解室2とに跨って(連続して)存在する状態が保てるように、連続的または断続的に行う。その際に、予熱室3および溶解室2内に、1回の出湯量の50mass%以上の冷鉄源15が残存していることが好ましい。この理由は、溶解室2から発生する高温の排ガスを、冷鉄源15の予熱に効率的に利用するためである。
以上、アーク炉1が直流式の場合について説明したが、交流式アーク炉を用いる場合であっても全く支障なく本発明を適用することができる。
本実施例では、図2に示す溶解室2(炉径7.2m、高さ4m)と予熱室3(幅3m、長さ5m、高さ7m)とからなる炉容量が180トンの直流式の複合アーク溶解炉1において、まず予熱室3に、約70トンの常温の鉄スクラップ15を装入し、次いで、溶解室2に70トンの常温の鉄スクラップ15とを装入し、直径30インチの黒鉛製上部電極7を用いて、最大750V、130KAの電源容量のアーク19を発生させて溶解室2内の鉄スクラップのアーク溶解を開始した。鉄スクラップ15の溶解操業中、予熱室3の側壁に設けられたアンモニアガス導入口25からアンモニアガスを表1の条件で吹き込み、予熱室3下端入口(アンモニアガスによる改質反応前)および予熱室上部の排気ダクト21入口位置(アンモニアガスによる改質反応後)において排ガスのガス組成を測定すると共に、排気ダクト21入口において、排ガス温度を測定した。アンモニアガス導入口25は、A:溶解室内の湯面位置、C:予熱室上部の冷鉄源の上端位置、B:AとCの中間位置の3箇所に設けた。
この実施例では、通電直後に、溶解室内に生石灰と蛍石とを添加すると共に、酸素吹き込みランス8から酸素を6000Nm/hr、炭材吹き込みランス9からコークスを80kg/min吹き込んだ。前記生石灰及び蛍石は、加熱されて溶融スラグ18となった後、酸素とコークスの吹き込みによりフォーミングされ、上部電極7の先端は、溶融スラグ18中に埋没した状態となった。この時の電圧を550Vに設定した。なお、鉄スクラップのアーク溶解に際し、酸素吹き込み量は30Nm/t、コークス吹き込み量は30kg/tとした。
本発明の結果を比較例(アンモニアガスの導入なし)とともに表1に示す。
なお、アンモニアガス吹き込み時の、アンモニアガス導入口25の温度は、Aでは800〜1300℃、Bは500〜800℃、Cは300〜500℃であった。アンモニアガスの吹き込み量は、発明例1〜5では、排ガス流量の7%相当である38Nm/分、発明例6では、15%相当である57Nm/分とした。
Figure 0005617666
表1の結果から、発明例1〜6では、予熱室内にアンモニアガスを導入し、排ガスと反応させて改質を行ったことにより、予熱室内の鉄スクラップの予熱を効率良く行うことができると共に、電力原単位を低減できることが確認された。この中でも特に、発明例6では、アンモニアガスの吹き込みをA〜Cの3箇所から行ったことにより、アンモニアガスの吹き込みを行わなかった比較例と比べて、排ガス温度が200℃も高くなり、また電力原単位を40kWh/t-s以上も削減することができた。
本発明の係る技術は、例示した複合アーク溶解炉によって鉄スクラップや直接還元鉄など冷鉄源を有効に利用する方法として有用であるが、排ガスを発生する他の溶解炉にもその考え方を適用することは可能である。
1 アーク炉
2 溶解室
3 予熱室
4 炉壁
5 炉蓋
6 炉底電極
7 上部電極
8 酸素吹き込みランス
9 炭材吹き込みランス
10 バーナー
11 出湯口
12 出滓口
13 供給用バケット
15 冷鉄源
17 溶湯
18 溶融スラグ
19 アーク
20 供給口
21 ダクト
22 扉
23 扉
24 走行台車
25 アンモニアガス導入口

Claims (3)

  1. 溶解室と、その上部に立設されて溶解室とは連通するシャフト形の予熱室とからなる複合アーク溶解炉によって、該予熱室内を順次に降下する冷鉄源を、溶解室内で発生した高温排ガスを使って予熱すると共に、引き続き溶解室に導いてアーク溶解するようにしてなる複合アーク溶解炉を用いた冷鉄源の溶解方法において、
    前記冷鉄源が、予熱室内と溶解室内上部とに跨って存在する状態の下で、該予熱室内に、溶解室から発生する前記排ガス量の5〜25%に当たる量のアンモニアガスを吹き込んで、該アンモニアガスと前記排ガス中の未燃焼成分とによる改質反応を導き、この改質反応時に発生する熱によって、予熱室内の冷鉄源を予熱することを特徴とする冷鉄源の複合アーク溶解炉による溶解方法。
  2. 前記アンモニアガスは、予熱室の溶解室内の湯面の位置から予熱室上部の冷鉄源の堆積層上端位置までの領域において、1もしくは複数箇所に設けられたアンモニアガス導入口から吹き込むことを特徴とする請求項1に記載の冷鉄源の複合アーク溶解炉による溶解方法。
  3. 冷鉄源をアーク溶解するためのアーク電極を備える溶解室と、その溶解室の上方に立設されていて該溶解室内とは連通し、装入し充填された冷鉄源を予熱するシャフト形予熱室とからなり、予熱室の溶解室内の湯面の位置から予熱室上部の冷鉄源の堆積層上端位置までの領域において、1もしくは複数個のアンモニア導入口を設けてなるものであって、
    そのアンモニア導入口からは、前記予熱室内に、溶解室から発生する前記排ガス量の5〜25%に相当するアンモニアガスを吹き込んで、該アンモニアガスと前記排ガス中の未燃焼成分とによる改質反応を導き、この改質反応時に発生する熱によって、予熱室内の冷鉄源を予熱することを特徴とする複合アーク溶解炉。
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