JP5616647B2 - 熱源水供給システム - Google Patents
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Description
熱源装置にて加熱された熱源水を複数の熱需要家に順に供給して前記熱源装置に戻す熱源水循環ラインを備え、各熱需要家には、前記熱源水循環ラインから熱源水を取り込んでその取り込んだ熱源水を前記熱源水循環ラインの取り込み箇所よりも熱源水の流れ方向の下流側に戻すとともに、取り込んだ熱源水を利用して熱消費部への熱供給を行う熱供給装置が備えられている熱源水供給システムであって、
前記熱源水循環ラインに、当該熱源水循環ラインを流れる前記熱源水の流量を調整する熱源水流量調整手段が備えられ、
前記熱源水流量調整手段が、前記熱源水循環ラインを流れる前記熱源水の流量を、前記複数の熱需要家の熱供給装置に前記熱源水を供給可能な目標流量に調整し、
前記熱供給装置は、前記熱源水循環ラインの前記熱源水の流量に対して一定の比率の流量の前記熱源水を前記熱源水循環ラインから常時取り込んで、その取り込んだ熱源水を前記熱消費部としての給湯箇所に給湯自在に構成されている点にある。
以上のことから、各熱需要家に蓄熱タンクを設ける必要がないので、各熱需要家のコストの低減、及び、各熱需要家での省スペース化を図ることができるとともに、熱源水循環ラインからの熱源水の取り込みを断続する制御弁や熱源水を給湯箇所に供給するための温水ポンプを設ける必要がないので、各熱需要家において熱消費部への熱供給を行うための構成の簡素化を図ることができる熱源水供給システムを実現できる。
また、本特徴構成によれば、熱源水流量調整手段が備えられるので、流量が複数の熱需要家の熱需要を賄える目標範囲内の熱源水を複数の熱需要家に供給することができる。これにより、複数の熱需要家の熱需要に的確に応えることができながら、システムとして構成の簡素化を図ることができる。
〔第1実施形態〕
この熱源水供給システムは、図1に示すように、熱源水N1を貯留する熱源水タンク1と、熱源水N1を加熱する熱源装置2と、熱源水タンク1に熱源水N1を給水する給水手段3と、熱源装置2にて加熱された熱源水N1及び熱源水タンク1に貯留されている熱源水N1を複数の熱需要家に順に供給して熱源装置2に戻す熱源水循環ライン4とを備えている。そして、複数の熱需要家の夫々には、熱源水循環ライン4の取り込み箇所B1から熱源水N1を取り込んでその取り込んだ熱源水N1を熱源水循環ライン4の取り込み箇所よりも熱源水N1の流れ方向の下流側の戻し箇所B2に戻すとともに、取り込んだ熱源水N1を利用して熱消費部への熱供給を行う熱供給装置5が備えられている。これにより、熱源装置2を共用の熱源として、エネルギー効率の向上を図りながら、各熱需要家における熱供給装置5での熱消費を実現可能としている。
熱源装置2は、例えば、都市ガスを燃料とするガスエンジンや燃料電池(コージェネレーション設備としての一例)を備えて熱と電気とを発生する熱電併給装置である。そして、熱電併給装置にて発生した熱を回収した排熱搬送流体N2を循環させる排熱搬送流体循環路6が備えられ、その排熱搬送流体循環路6には、熱電併給装置にて発生した熱を回収した排熱搬送流体N2と熱源水N1とを熱交換させる排熱熱交換器7と、排熱搬送流体N2を循環させる排熱搬送流体循環ポンプ8とが備えられている。
給水手段3は、熱源水タンク1の下部に熱源水N1を供給する給水路にて構成されており、例えば給水圧や給水ポンプの作動により熱源水N1を熱源水タンク1に給水している。
熱源水循環ライン4は、往き部位4aにて順序付けられた各熱需要家に熱源水N1を供給するとともに、戻り部位4bにて各熱需要家を一巡した後の熱源水N1を熱源装置2及び熱源水タンク1に戻すシングルループ配管にて構成されている。熱源水タンク1と排熱熱交換器7とは、往き部位4a及び戻り部位4bの夫々に接続され、並列状態で設けられている。熱源水タンク1の上部は往き部位4aに接続され且つ熱源水タンク1の下部は戻り部位4bに接続されている。これにより、熱源水循環ライン4は、熱源水タンク1の下部から取り出した熱源水N1を排熱熱交換器7にて加熱し、その加熱した熱源水N1を熱源水タンク1の上部に戻す循環路としても作用するように構成されている。つまり、熱源水循環ライン4に備えられた第2熱源水循環ポンプ10を作動させることで、熱源水タンク1の下部から取り出した熱源水N1を排熱熱交換器7にて加熱し、その加熱した熱源水N1を熱源水タンク1の上部に戻すことができる。このようにして、熱源装置2は、熱源水タンク1に貯留されている熱源水N1を加熱自在に構成されている。
この熱源水供給システムでは、熱源水タンク1に貯留されている熱源水N1を凝縮器の放熱対象とするヒートポンプ装置14が備えられている。このヒートポンプ装置14は、圧縮機15、凝縮器16、膨張弁17、蒸発器18の順に冷媒を循環させる冷媒回路19を備えた圧縮式ヒートポンプ装置である。熱源水タンク1の下部から取り出した熱源水N1を凝縮器16を通流させたのち、熱源水タンク1の上部に戻す熱源水タンク循環路33が設けられ、この熱源水タンク循環路33には、熱源水タンク循環ポンプ34が設けられている。これにより、ヒートポンプ装置14を作動させるとともに、熱源水タンク循環ポンプ34を作動させることで、ヒートポンプ装置14の凝縮器16において冷媒にて熱源水N1を加熱自在に構成されている。ここで、凝縮器16には熱源水タンク1の下部の比較的低温の熱源水N1が供給されるので、ヒートポンプ装置14の成績係数(COP)の向上を図りながら、熱源水タンク1の熱源水N1を加熱することができる。また、ヒートポンプ装置14は、熱源装置2である熱電併給装置が発生する電力の供給により作動自在に構成されている。そこで、例えば、熱源併給装置が発生した電力量が電力負荷よりも大きく余剰電力が生じる場合には、その余剰電力をヒートポンプ装置14に供給してヒートポンプ装置14を作動させることで、余剰なエネルギーの有効利用を図ることができ、エネルギー効率の向上を効果的に図ることができる。
熱源水供給システムの運転を制御する運転制御装置20が設けられている。運転制御装置20は、熱源装置2、排熱搬送流体循環ポンプ8、第1熱源水循環ポンプ9、第2熱源水循環ポンプ10、通流制御弁13、補助加熱装置11、ヒートポンプ装置14、熱源水タンク循環ポンプ34の夫々の作動を各別に制御するように構成されている。運転制御装置20には、第1熱源水温度センサT1、第2熱源水温度センサT2、第1熱源水流量センサR1、第2熱源水流量センサR2の夫々の検出情報が入力されるように構成されている。
図2に示すように、熱供給装置5は、熱源水循環ライン4の取り込み箇所B1に上流端部が接続されて熱源水循環ライン4の取り込み箇所B1よりも熱源水N1の流れ方向の下流側の戻し箇所B2に下流端部が接続された熱源水通流路21と、その熱源水通流路21の途中部位から分岐された給湯路22とを備えている。これにより、熱源水循環ライン4を通流する熱源水N1の一部が常時熱源水通流路21に通流自在となっており、熱源水通流路21に熱源水循環ライン4から熱源水N1を取り入れている。そして、この熱源水通流路21への熱源水N1の通流により給湯路22には熱源水循環ライン4の熱源水N1の圧力が常時かかっており、その圧力により給湯路22に対して熱源水N1を供給自在となっている。したがって、熱供給装置5は、熱源水循環ライン4から熱源水N1の少なくとも一部を常時取り込んで、その取り込んだ熱源水N1を熱消費部としての給湯栓等の給湯箇所23に給湯自在に構成されている。給湯路22には、給湯箇所23への給湯を断続自在な給湯制御弁24が設けられている。また、図示は省略するが、給湯路22には、熱源水N1に水を混合させる混合部が備えられており、この混合部にて給湯目標温度に混合された湯水を給湯箇所23に給湯自在に構成されている。
また、熱供給制御装置は、熱消費運転として、浴槽32のリモコン等から追焚開始要求があるとふろ循環ポンプ31を作動させることで、第2熱交換器26において熱源水循環ライン4から取り込んだ熱源水N1にて浴槽水を加熱し、その加熱された浴槽水を浴槽32に循環供給して浴槽水の追焚運転を行う。そして、熱供給制御装置は、浴槽32のリモコン等から追焚停止要求があったり追焚開始から設定時間が経過すると、ふろ循環ポンプ31を作動停止させて追焚運転を終了する。
図1に戻り、運転制御装置20による運転について説明する。
運転制御装置20は、熱源装置2にて加熱された熱源水N1及び熱源水タンク1に貯留されている熱源水N1を熱源水循環ライン4にて循環させる熱源水循環運転を行う。この熱源水循環運転では、運転制御装置20が、熱源装置2、排熱搬送流体循環ポンプ8、第1熱源水循環ポンプ9、及び、第2熱源水循環ポンプ10を作動させて、排熱熱交換器7での排熱搬送流体N2による熱源水N1の加熱を行えるようにするとともに、その排熱熱交換器7にて加熱された熱源水N1及び熱源水タンク1に貯留されている熱源水N1を熱源水循環ライン4にて循環させる。
FQ1=Fset+Ft+Ff
ここで、FQ1が目標流量であり、Fsetが基準流量(例えば、50戸の集合住宅を仮定した場合は30〜60リットル/min、もう少し戸数が少ない場合は40〜50リットル/min)であり、Ftが温度降下による補正流量であり、Ffが流量降下による補正流量である。
Ta>65℃の場合
Ft=(65−Ta)×1×a
Ta<60℃の場合
Ft=(60−Ta)×2×a
ここで、Taは熱源水循環ライン4の戻り部位4bにて熱源装置2に戻す熱源水N1の温度であり、具体的には第2熱源水温度センサT2の検出温度である。aは温度を流量に換算するための定数である。
Ff=(FQ2−FQ3)/1.5
ここで、FQ2は熱源水循環ライン4にて複数の熱需要家に供給する熱源水N1の流量であり、具体的には第1熱源水流量センサR1の検出流量である。FQ3は熱源水循環ライン4の戻り部位4bにて熱源装置2に戻す熱源水N1の流量であり、具体的には第2熱源水流量センサR2の検出流量である。
また、熱源水循環運転を実行中に、上述の如く、熱需要家の熱供給装置5にて給湯運転を行われると、熱源水循環ライン4の熱源水N1が給湯箇所23に給湯される。よって、熱源水循環ライン4の熱源水N1の流量が減少することになるが、給水手段3によりその給湯量に対応する量だけ熱源水タンク1に給水される。ここで、給水手段3は、熱源水タンク1の下部に熱源水N1を給水しているので、熱源水タンク循環ポンプ34の作動により熱源水タンク循環路33に取り出される熱源水N1の温度が低温となる。これにより、ヒートポンプ装置14の凝縮器16においてその低温の熱源水N1を冷媒回路19の冷媒にて加熱することでき、ヒートポンプ装置14の成績係数(COP)の向上を図ることができる。
図3(c)に示すように、本発明に係るシステム構成では、送り温度E1は目標温度である80℃を維持することができ、戻り温度E2は60℃以上を維持できることが分かる。これにより、各熱需要家にて給湯暖房追焚等の熱消費を行っても、熱源装置2に戻す熱源水N1の温度としては60℃以上を確保できる。
以上のことから、本発明に係る熱源水供給システムでは、熱源水N1の流量及び温度の双方について、50戸の熱需要家にて十分に熱を利用可能な条件を満たすことができ、50戸の熱需要家にて要求されている熱需要を賄うだけの熱を供給できる。
この第2実施形態は、上記第1実施形態における給水手段3の別実施形態を示すものであり、その他の構成については、上記第1実施形態と同様である。そこで、以下、第2実施形態について説明するが、上記第1実施形態と異なる構成である給水手段3を中心に説明し、その他の構成については説明を省略する。
(1)上記実施形態では、熱源装置2が、排熱搬送流体N2と熱源水N1とを熱交換させる排熱熱交換器7を備え、その排熱熱交換器7にて熱源水N1を加熱するようにしているが、熱源装置2がどのようにして熱源水N1を加熱するかは適宜変更が可能である。
2 熱源装置
3 給水手段
4 熱源水循環ライン
5 熱供給装置
9,10,20 熱源水温度調整手段及び熱源水流量調整手段
14 ヒートポンプ装置
16 凝縮器
23 給湯箇所
35 給水タンク
36 給水路
39 給水状態切換手段
N1 熱源水
Claims (7)
- 熱源装置にて加熱された熱源水を複数の熱需要家に順に供給して前記熱源装置に戻す熱源水循環ラインを備え、各熱需要家には、前記熱源水循環ラインから熱源水を取り込んでその取り込んだ熱源水を前記熱源水循環ラインの取り込み箇所よりも熱源水の流れ方向の下流側に戻すとともに、取り込んだ熱源水を利用して熱消費部への熱供給を行う熱供給装置が備えられている熱源水供給システムであって、
前記熱源水循環ラインに、当該熱源水循環ラインを流れる前記熱源水の流量を調整する熱源水流量調整手段が備えられ、
前記熱源水流量調整手段が、前記熱源水循環ラインを流れる前記熱源水の流量を、前記複数の熱需要家の熱供給装置に前記熱源水を供給可能な目標流量に調整し、
前記熱供給装置は、前記熱源水循環ラインの前記熱源水の流量に対して一定の比率の流量の前記熱源水を前記熱源水循環ラインから常時取り込んで、その取り込んだ熱源水を前記熱消費部としての給湯箇所に給湯自在に構成されている熱源水供給システム。 - 前記熱源水循環ラインにて複数の熱需要家に供給する熱源水の温度を目標温度範囲内に調整する熱源水温度調整手段が備えられている請求項1に記載の熱源水供給システム。
- 前記熱源水温度調整手段及び前記熱源水流量調整手段の双方を備え、前記熱源水温度調整手段は、前記熱源水循環ラインにて前記複数の熱需要家に供給する熱源水の温度を目標温度に調整し、前記熱源水流量調整手段は、基準流量と、前記熱源水循環ラインにて前記熱源装置に戻す熱源水の温度に基づく温度降下による補正流量と、前記熱源水循環ラインにて複数の熱需要家に供給する熱源水の流量と前記熱源水循環ラインにて前記熱源装置に戻す熱源水の流量との差に基づく流量降下による補正流量とから目標流量を求め、前記熱源水循環ラインにて前記複数の熱需要家に供給する熱源水の流量をその求めた目標流量に調整する請求項2に記載の熱源水供給システム。
- 熱源水を貯留する熱源水タンクと、前記熱源水タンクに給水する給水手段と、前記給水手段にて前記熱源水タンクに給水される熱源水又は前記熱源水タンクに貯留されている熱源水を凝縮器の放熱対象とするヒートポンプ装置とが備えられ、前記熱源装置は、前記熱源水タンクに貯留されている熱源水を加熱自在に構成され、前記熱源水循環ラインは、前記熱源装置にて加熱された熱源水及び前記熱源水タンクに貯留された熱源水を前記複数の熱需要家に供給自在に構成されている請求項1〜3の何れか1項に記載の熱源水供給システム。
- 前記給水手段が、前記熱源水タンクに給水する熱源水を貯留する給水タンクを備え、前記ヒートポンプ装置が、前記給水タンクに貯留されている熱源水を前記凝縮器の放熱対象として備えられている請求項4に記載の熱源水供給システム。
- 前記給水タンクに貯留されている熱源水を前記熱源水タンクの上部に給水する第1給水状態と前記給水タンクに貯留されている熱源水を前記熱源水タンクの下部に給水する第2給水状態とに切換自在な給水状態切換手段が備えられている請求項5に記載の熱源水供給システム。
- 前記熱源装置は、熱と電気を発生する熱電併給装置を備えており、前記ヒートポンプ装置は、前記熱電併給装置が発生する電力の供給により作動自在に構成されている請求項4〜6の何れか1項に記載の熱源水供給システム。
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